JP2013142376A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の制御装置において、最適な操作量の計算を簡易なプラントモデルを用いたモデル予測制御によって行えるようにする。
【解決手段】過去の所定期間における操作量の指令値或いは実際値の履歴から線形プラントモデルを用いて過去所定期間における制御量の予測値の履歴を算出する(ステップS22)。また、過去所定期間における制御量の実際値の履歴を取得する(ステップS20)。そして、過去所定期間における制御量の予測値と実際値との差分の履歴に基づきLPV誤差関数のパラメータを算出する(ステップS24)。そして、LPV誤差関数により線形プラントモデルを修正し、修正線形プラントモデルを用いたモデル予測制御によって次回ステップ或いはそれ以降の所定期間における操作量の指令値を算出する(ステップS26,S28)。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、詳しくは、プラントモデルを用いたモデル予測制御によって操作量を決定する制御装置に関する。
自動車用の内燃機関の制御において、トルク、エミッション、空燃比等の内燃機関の諸挙動を模擬可能なプラントモデルを実装し、プラントモデルを用いて内燃機関の近い将来の動きを予測するモデル予測制御が提案されている。モデル予測制御では、プラントモデルから予測される未来の状態量或いは制御量が目標値に追従するように操作量が決定される。モデル予測制御によれば、従来のフィードバック制御では不可避であった操作の遅れを縮小して内燃機関の制御性を向上させることが期待できる。
ただし、モデル予測制御ではプラントモデルに基づいて予測を行うため、プラントモデルの精度がモデル予測制御による制御性の優劣を左右する。特に、モデル予測制御が大きな効果を発揮する過渡制御において、その傾向は顕著にあらわれる。よって、モデル予測制御で用いるプラントモデルは、精密に構築された物理モデルであることが望ましい。しかし、現実的には、メモリ容量や計算時間といった実装上の制約により、簡易なプラントモデルを用いざるを得ない。当然のことながら、簡易なプラントモデルは精密なプラントモデルに比較してモデル化誤差が大きいため、簡易なプラントモデルをそのまま用いたのでは十分な制御性を得ることは難しい。
このような課題への対応として、特開2010−163949号公報には、プラントモデルの誤差を表現する誤差関数をプラントモデルとは別に用意し、プラントモデルによる制御量の予測値を誤差関数によって補正する手法が提案されている。その手法によれば、プラントモデルの予測誤差を誤差関数によって補償することできるので、理論上はモデル予測制御による予測精度を向上させることができる。ところが、同公報で提案されている誤差関数は非線形関数により記述されているため、その演算を実際の制御装置に実行させることは容易ではない。
特開2010−163949号公報 特開2010−229974号公報 特開2009−237903号公報
本発明は、内燃機関の制御装置において、最適な操作量の計算を簡易なプラントモデルを用いたモデル予測制御によって行えるようにすることを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関の制御量と操作量との関係を模擬するプラントモデルとして線形プラントモデルモデルを使用し、その予測誤差を補償するための誤差関数としてLPV(Linear Parameter Variable)誤差関数を使用する。そして、これら線形モデルを用いたモデル予測制御によって操作量を決定する。
より詳しくは、本発明の1つの形態によれば、本制御装置は、前記線形プラントモデルを用いて過去の所定期間における操作量の指令値或いは実際値の履歴から同所定期間における制御量の予測値の履歴を算出する。また、同所定期間における制御量の実際値の履歴を取得する。そして、前記過去所定期間における制御量の予測値と実際値との差分の履歴に基づき前記LPV誤差関数のパラメータを算出する。本制御装置は、LPV誤差関数により線形プラントモデルを修正し、修正線形プラントモデルを用いたモデル予測制御によって次回ステップ或いはそれ以降の所定期間における操作量の指令値を算出する。
本発明のより好ましい形態によれば、本制御装置は、操作量のベースマップ値を運転条件ごとに記憶しておく。そして、修正線形モデルを用いて計算される制御量の予測値と制御量の現在値との差分が所定値以下の場合、本制御装置は、修正線形プラントモデルを用いたモデル予測制御によって算出された操作量の指令値によって現在の運転条件における操作量のベースマップ値を更新する。
本発明によれば、プラントモデルの予測誤差を補償するための誤差関数をプラントモデルとは別に設けたことにより、プラントモデルは簡易な線形モデルとすることができる。さらに、誤差関数は一次関数式で表されるLPV誤差関数であるので、制御装置への実装は容易である。本発明によれば、LPV誤差関数により線形プラントモデルを修正し、修正線形プラントモデルを用いたモデル予測制御を制御装置に実行させることができるので、定常状態のみならず過渡状態でも最適な操作量を算出することができる。
本発明の制御装置が適用されるエンジンシステムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態1の制御装置により実行される過渡過給圧制御のためのルーチンを示すフローチャートである。 図2のフローチャートに示す過渡過給圧制御において操作量の決定に用いられる目的関数を説明するための図である。 本発明の実施の形態2の制御装置により実行される過渡EGR制御のためのルーチンを示すフローチャートである。 図4のフローチャートに示す過渡EGR制御において操作量の決定に用いられる目的関数を説明するための図である。 本発明の実施の形態3の制御装置により実行される過渡過給圧制御のためのルーチンを示すフローチャートである。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1について図を参照して説明する。
図1は、実施の形態1及び後述する実施の形態2−4において、本発明の制御装置が適用されるエンジンシステムの構成を示す図である。このエンジンシステムに備えられる内燃機関は、ターボ過給機付きのディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)である。エンジンの本体2には4つの気筒が直列に備えられ、気筒ごとにインジェクタ8が設けられている。エンジン本体2には吸気マニホールド4と排気マニホールド6が取り付けられている。
吸気マニホールド4にはエアクリーナ20から取り込まれた新気が流れる吸気通路10が接続されている。吸気通路10にはターボ過給機14のコンプレッサが取り付けられている。吸気通路10においてコンプレッサ14の下流にはインタークーラ22が備えられ、その下流にはスロットル弁24が設けられている。
排気マニホールド6にはエンジン本体2から出た排気ガスを大気中に放出するための排気通路12が接続されている。排気通路12にはターボ過給機14のタービンが取り付けられている。ターボ過給機14は可変容量型であって、タービンには可変ノズル16が備えられている。排気通路12においてタービンの下流には酸化触媒コンバータ40とDPF42が設けられ、その下流には排気絞り弁44が設けられている。
本エンジンシステムは、排気系から吸気系へ排気ガスを再循環させるEGR装置を備えている。EGR装置は、吸気通路10におけるスロットル弁24の下流の位置と排気マニホールド6とをEGR通路30によって接続している。EGR通路30にはEGR弁32が設けられている。EGR通路30においてEGR弁32の排気側にはEGRクーラ34が備えられている。
本エンジンシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備える。ECU50は、エンジンシステム全体を総合制御する制御装置である。ECU50は、本エンジンシステムが備える各種センサの信号を取り込み処理する。センサはエンジンシステムの各所に取り付けられている。例えば、吸気通路10におけるスロットル弁24の下流には過給圧センサ54が取り付けられている。また、クランク軸の回転を検出する回転数センサ52や、アクセルペダルの開度に応じた信号を出力するアクセルペダル開度センサ56なども取り付けられている。ECU50は、取り込んだ各センサの信号を処理して所定の制御プログラムにしたがって各アクチュエータを操作する。ECU50によって操作されるアクチュエータには、可変ノズル16、スロットル弁24、EGR弁32などが含まれている。なお、ECU50に接続されるアクチュエータやセンサは図中に示す以外にも多数存在するが、本明細書においてはその説明は省略する。
本実施の形態においてECU50により実行されるエンジン制御には過給圧制御が含まれる。過給圧制御では、過給圧に影響する可変ノズル16、スロットル弁24及びEGR弁32の各操作量が協調制御される。過給圧制御は、詳しくは、定常状態で実行される定常過給圧制御と、過渡状態で実行される過渡過給圧制御とからなる。本実施の形態で実行されるエンジン制御は、過渡過給圧制御の方法に特徴を有している。本実施の形態では、プラントモデルを用いたモデル予測制御によって過渡過給圧制御が行われる。以下、本実施の形態で実行される過渡過給圧制御の詳細についてフローチャートを用いて説明する。
図2のフローチャートは、本実施の形態でECU50により実行される過渡過給圧制御のためのルーチンを示している。このルーチンのステップS2では、イグニッション(IG)がオンにされたかどうか判定される。イグニッションがオンにされるまでは本ステップにて待機状態となり、イグニッションがオンにされたら次のステップS4に進む。
ステップS4では、アクセルペダル開度センサ56の信号から計算されたアクセルペダル開度の勾配、すなわち、時間微分値Psが取得される。アクセルペダル開度勾配Psは運転者が車両の加速或いは減速を開始したかどうかを判断するための情報として用いられる。
次のステップS6では、ステップS4で取得されたアクセルペダル開度勾配Psの絶対値が所定の開始基準値を上回ったかどうかによって、過渡過給圧制御の実行条件が満たされたかどうか判定される。アクセルペダル開度勾配Psの絶対値が開始基準値以下である間は、ステップS2からS6までの工程が繰り返し実施されることで、過渡過給圧制御の実行は保留される。アクセルペダル開度勾配Psの絶対値が開始基準値を上回った時点で過渡過給圧制御が開始され、次のステップS8からS28までの工程の処理が順に実行される。
ステップS8では、回転数センサ52の信号から計算されたエンジン回転数NEが取得されるとともに、燃料噴射装置に対して指示されている燃料噴射量Qが取得される。そして、ステップS10では、エンジン回転数と燃料噴射量に要求過給圧を関連付けたマップに基づいて、ステップS8で取得されたエンジン回転数NE及び燃料噴射量Qに対応する過給圧の要求値PMdが算出される。
ステップS12からステップS20までの工程では、過去所定期間Tb(例えば過去5sec.)における3種類の操作量と制御量の各履歴が取得される。具体的には、ステップS12では、第1の操作量である可変ノズル開度の履歴VNhが取得される。ステップS14では、第2の操作量であるEGR弁開度の履歴θEGRhが取得される。ステップS16では、第3の操作量であるスロットル弁開度の履歴θTHhが取得される。そして、ステップS20では、制御量である過給圧の履歴PMhが取得される。なお、各操作量の履歴としては、1制御周期ごとに決定される操作量の指令値の履歴が取得される。制御量である過給圧の履歴としては、過給圧センサ54の信号より1制御周期ごとに計測される実過給圧の履歴が取得される。
ステップS22では、過給圧と各操作量との関係を模擬したプラントモデルを用いて、ステップS12,S14及びS16で取得された各操作量の履歴VNh,θEGRh,θTHhから過去所定期間Tbにおける過給圧の予測値PMpの履歴が算出される。本実施の形態で用いられるプラントモデルは、精密に構築された物理モデルではなく、ECU50へ容易に実装することのできる簡易な線形モデルである。具体的には、過給圧の予測値PMpと各操作量VN,θEGR,θTHとを変数とする次の一次関数式がプラントモデルとして使用される。なお、次の式におけるkは時間ステップであり、a0,a1,a2,a3は既知のモデル定数である。
Figure 2013142376
次のステップS24では、線形プラントモデルの予測誤差を補償するための誤差関数のパラメータの値が同定される。本実施の形態で用いられる誤差関数は、ECU50へ容易に実装することのできるLPV誤差関数である。具体的には、過給圧の実際値と予測値との差分δPMと各操作量VN,θEGR,θTHとを変数とする次の一次関数式がLPV誤差関数として用いられる。なお、次の式におけるb0,b1,b2,b3はLPV誤差関数のパラメータである。パラメータb0,b1,b2,b3の値は、差分δPMの履歴と各操作量VN,θEGR,θTHの履歴を用いて同定することができる。
Figure 2013142376
次のステップS26では、ステップS24でパラメータを同定されたLPV誤差関数によって線形プラントモデルの修正が行われる。修正線形プラントモデルによれば、過給圧の予測値(修正予測値)PMPCと各操作量VN,θEGR,θTHとの関係は次の式で表される。なお、次の式におけるa0,a1,a2,a3はモデル定数であり、b0,b1,b2,b3は同定済みのパラメータである。
Figure 2013142376
そして、ステップS28では、ステップS26で得られた修正線形プラントモデルを用いて目的関数Lが設定される。目的関数Lは任意に設定することができるが、本実施の形態では、過給圧の実際値を要求値に追従させるために次の式で表される目的関数Lが使用される。この目的関数Lは、図3にグラフで示すように、現時点から所定期間T(例えば2sec.)後までの過給圧の修正予測値PMPCと要求値PMdとの差の積分である。
Figure 2013142376
ECU50は、上記の目的関数Lを最小にする操作量VN,θEGR,θTHの値、つまり、操作量VN,θEGR,θTHの最適値を次の方程式を解くことによって算出する。
Figure 2013142376
ECU50は、このようにして最適化された各操作量VN,θEGR,θTHの値を指令値としてドライバにセットする。これにより、過給圧の実際値を要求値に追従させるように、可変ノズル16、スロットル弁24及びEGR弁32のそれぞれの動作を制御することができる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図を参照して説明する。
本発明の実施の形態2は、ECU50により実行されるEGR制御、より詳しくは、過渡状態で実行される過渡EGR制御の方法に特徴を有している。本実施の形態では、プラントモデルを用いたモデル予測制御によって過渡EGR制御が行われる。以下、本実施の形態で実行される過渡EGR制御の詳細についてフローチャートを用いて説明する。
図4のフローチャートは、本実施の形態でECU50により実行される過渡EGR制御のためのルーチンを示している。このルーチンは、前述の過渡過給圧制御のルーチンと同内容の処理を含んでいる。図4のフローチャートでは、過渡過給圧制御のルーチンと同一内容の処理を行う工程については、過渡過給圧制御のルーチンにおいて付されているステップ番号と同一のステップ番号を付している。
このルーチンのステップS6では、ステップS4で取得されたアクセルペダル開度勾配Psの絶対値が所定の開始基準値を上回ったかどうかによって、過渡EGR圧制御の実行条件が満たされたかどうか判定される。そして、アクセルペダル開度勾配Psの絶対値が開始基準値を上回った時点で過渡EGR制御が開始され、次のステップS8からS40までの工程の処理が順に実行される。
本ルーチンでは、ステップS8においてエンジン回転数NEと燃料噴射量Qが取得されると、次に、ステップS12からステップS16までの工程において、過去所定期間Tb(例えば過去5sec.)における3種類の操作量の各履歴VNh,θEGRh,θTHhが取得される。続くステップS30では、制御量であるEGR率の履歴EGRhが取得される。EGR率の履歴としては、過給圧や新気量などの情報から1制御周期ごとに計算される実EGR率の履歴が取得される。
ステップS32では、EGR率と各操作量との関係を模擬した線形プラントモデルを用いて、ステップS12,S14及びS16で取得された各操作量の履歴VNh,θEGRh,θTHhから過去所定期間TbにおけるEGR率の予測値EGRpの履歴が算出される。本実施の形態では、EGR率の予測値EGRpと各操作量VN,θEGR,θTHとを変数とする次の一次関数式がプラントモデルとして使用される。なお、次の式におけるkは時間ステップであり、a0,a1,a2,a3は既知のモデル定数である。
Figure 2013142376
次のステップS34では、上記の線形プラントモデルの予測誤差を補償するための誤差関数のパラメータの値が同定される。本実施の形態では、EGR率の実際値と予測値との差分δEGRと各操作量VN,θEGR,θTHとを変数とする次の一次関数式がLPV誤差関数として用いられる。なお、次の式におけるb0,b1,b2,b3はLPV誤差関数のパラメータである。パラメータb0,b1,b2,b3の値は、差分δEGRの履歴と各操作量VN,θEGR,θTHの履歴を用いて同定することができる。
Figure 2013142376
次のステップS36では、ステップS34でパラメータを同定されたLPV誤差関数によって線形プラントモデルの修正が行われる。修正線形プラントモデルによれば、EGR率の予測値(修正予測値)EGRPCと各操作量VN,θEGR,θTHとの関係は次の式で表される。なお、次の式におけるa0,a1,a2,a3はモデル定数であり、b0,b1,b2,b3は同定済みのパラメータである。
Figure 2013142376
そして、ステップS38では、ステップS36で得られた修正線形プラントモデルを用いて次の式で表される目的関数Lが設定される。本実施の形態の過渡EGR制御では、図5にグラフで示すように、現時点から所定期間T(例えば2sec.)後までの予測NOx排出量の累積値が目的関数Lとして設定されている。予測NOx排出量は、以下の式中に示すように、EGR率の修正予測値EGRPCを変数とする二次関数でモデル化することができる。なお、c0,c1,c2は既知のモデル定数である。
Figure 2013142376
ECU50は、上記の目的関数Lを最小にする操作量VN,θEGR,θTHの値、つまり、操作量VN,θEGR,θTHの最適値を次の方程式を解くことによって算出する。
Figure 2013142376
ECU50は、このようにして最適化された各操作量VN,θEGR,θTHの値を指令値としてドライバにセットする。これにより、NOxの排出量を最小限に抑えるように、可変ノズル16、スロットル弁24及びEGR弁32のそれぞれの動作を制御することができる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について図を参照して説明する。
本発明の実施の形態3では、定常状態における各操作量VN,θEGR,θTHの指令値がマップを用いて算出される。そのマップでは、各操作量VN,θEGR,θTHのベースマップ値がエンジン回転数と燃料噴射量とに関連付けて記憶されている。ECU50は、エンジンが定常状態にある場合は、現在のエンジン回転数NE及び燃料噴射量Qに対応する各操作量VN,θEGR,θTHの値をマップから読み出し、それらを指令値として各アクチュエータ16,24,32の動作を制御する。
本実施の形態は、各操作量VN,θEGR,θTHのベースマップ値を過渡過給圧制御において更新することに特徴がある。図6のフローチャートは、本実施の形態でECU50により実行される過渡過給圧制御のためのルーチンを示している。図6のフローチャートでは、実施の形態1の過渡過給圧制御のルーチンと同一内容の処理を行う工程については、実施の形態1の過渡過給圧制御のルーチンにおいて付されているステップ番号と同一のステップ番号を付している。
本実施の形態の過渡過給圧制御のルーチンは、ステップS2からS28までの工程を実行した後、ステップS50からS58までの工程をさらに実行することに特徴がある。ステップS50では、エンジンの制御状態が定常状態に落ち着いているかどうか判定される。定常状態かどうかは、ステップS28で最適化された各操作量VN,θEGR,θTHの時間微分値が所定の基準値を下回ったかどうかによって判断することができる。定常状態に落ち着くまでは、ステップS2からS28までの工程の処理が繰り返し実行される。
ステップS50で定常状態と判断された場合、次のステップS52では、その直後におけるエンジン回転数NEと燃料噴射量Qが取得される。また、ステップS54では、過給圧センサ54の信号より計測される実過給圧の現在値PMcが取得される。
次のステップS56では、修正線形プラントモデルを用いて算出される過給圧の修正予測値PMPCと現在値PMcとの差分が算出される。修正線形プラントモデルの予測精度が高いほど、この差分は小さくなる。ステップS56では、過給圧の修正予測値PMPCと現在値PMcとの差分が所定の閾値以下かどうかによって、修正線形プラントモデルの予測精度が十分かどうか判断される。
ステップS56で修正線形プラントモデルの予測制度が十分と判断された場合、ステップS58の処理が行なわれる。ステップS58では、ステップS52で取得されたエンジン回転数NE及び燃料噴射量Qに対応する各操作量VN,θEGR,θTHのベースマップ値が特定され、その値がステップS28で算出された各操作量VN,θEGR,θTHの最適値によって更新される。これにより、定常状態においても各操作量VN,θEGR,θTHの最適値を指令値として各アクチュエータ16,24,32の動作を制御することができる。なお、ステップS56で修正線形プラントモデルの予測制度が不十分と判断された場合は、ステップS58の処理はスキップされる。よって、この場合は各操作量VN,θEGR,θTHのベースマップ値の更新は行われない。
実施の形態4.
最後に、本発明の実施の形態4について説明する。
本発明の実施の形態4は、ECU50により実行される過渡過給圧制御の方法に特徴を有している。本実施の形態の過渡過給圧制御と実施の形態1のそれとは、最終的な各操作量の指令値の算出方法に違いがある。つまり、図2に示す過渡過給圧制御のルーチンにおいて、ステップS28の工程で実行する処理の内容に違いがある。
本実施の形態では、LPV誤差関数と過給圧の最適軌道を実現する操作量の時刻履歴を求める際に安定的な制御結果を得られる操作量の関係から、次回ステップの各操作量を算出する。詳しくは、各操作量VN,θEGR,θTHに関して次の式の関係が成立するとき、δPM=0の近傍におけるフィードバック漸近可安定性が保証される。
Figure 2013142376
上記の式を変形することで、次回ステップ(k+1)の各操作量VN,θEGR,θTHの値は、今回ステップ(k)の値を用いて次の式のように表現できる。このような計算方法によれば、実施の形態1で行われている各操作量の最適値の算出のための繰り返し計算が排除されるので、実施の形態1に比較して各操作量VN,θEGR,θTHの算出にかかる計算負荷を低減することができる。
Figure 2013142376
ECU50は、上記の式によって算出される各操作量VN,θEGR,θTHの値を指令値としてドライバにセットすることによって、可変ノズル16、スロットル弁24及びEGR弁32のそれぞれの動作を制御する。
その他.
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、実施の形態3において実施している各操作量のベースマップ値を更新するための処理は、実施の形態2の過渡EGR制御に組み合わせてもよい。
また、本発明はディーゼルエンジン以外のエンジン、例えばガソリンエンジンにも適用することができるし、過給エンジンではなく自然吸気エンジンにも適用することができる。そして、本発明が適用されるエンジンの種類に応じて、詳しくはエンジンの種類によって決まる操作量や制御量に応じて、線形プラントモデルの内容を変更することができる。
2 エンジン本体
4 吸気マニホールド
6 排気マニホールド
8 インジェクタ
10 吸気通路
12 排気通路
14 可変容量ターボ過給機
16 可変ノズル
24 スロットル弁
30 EGR通路
32 EGR弁
50 ECU
52 回転数センサ
54 過給圧センサ
56 アクセル開度センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関の制御量と操作量との関係を模擬した線形プラントモデルを用いて、過去の所定期間における前記操作量の指令値或いは実際値の履歴から前記過去所定期間における前記制御量の予測値の履歴を算出する制御量予測値履歴算出手段と、
    前記過去所定期間における前記制御量の実際値の履歴を取得する制御量実際値履歴取得手段と、
    前記過去所定期間における前記制御量の予測値と実際値との差分の履歴に基づきLPV誤差関数のパラメータを算出するLPV誤差関数設定手段と、
    前記LPV誤差関数により前記線形プラントモデルを修正し、当該修正線形プラントモデルを用いたモデル予測制御によって次回ステップ或いはそれ以降の所定期間における前記操作量の指令値を算出する操作量指令値算出手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記操作量のベースマップ値を運転条件ごとに記憶した記憶手段と、
    前記修正線形プラントモデルを用いて計算される前記制御量の予測値と前記制御量の現在値との差分が所定値以下の場合、前記操作量指令値算出手段により算出された前記操作量の指令値によって現在の運転条件における前記操作量のベースマップ値を更新する更新手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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