JP2018075025A - 変異体ライセニンポア - Google Patents

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Clarke James
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Abstract

【課題】変異体ライセニンモノマーの提供。【解決手段】ライセニン由来の2つ以上の共有結合的に付着されたモノマーを含む構築物であって、少なくとも1つのモノマーが変異体ライセニンモノマーである構築物。変異体ライセニンモノマーは、特定のアミノ酸配列を含む変種のモノマーであって、モノマーがポアを形成でき、変種が、アミノ酸配列の内、特定の領域内にポリヌクレオチドと相互作用するモノマーの能力を変更する1つまたは複数の修飾を含む、変異体ライセニンモノマー。【選択図】図1

Description

本発明は、ライセニン(lysenin)の変異形態に関する。本発明は、ライセニンの変異
形態を用いる分析物特性決定にも関する。
ナノポアセンシングは、個別の結合または分析物分子と受容体との間の相互作用事象の
観察による感知のための手法である。ナノポアセンサーは、大きさナノメートルの単一ポ
アを絶縁膜中に置き、分析物分子の存在下でポアを通る電圧駆動イオン輸送を測定するこ
とによって作製され得る。分析物の同一性は、その特徴的な電流サイン、特に電流遮断の
持続時間および程度ならびに電流レベルの変動を通じて明らかにされる。
迅速で安価な核酸(例えばDNAまたはRNA)配列決定技術が、幅広い応用にわたっ
て現在必要である。既存の技術は、主にそれらが、大量の核酸を生成するための増幅技術
に依存し、シグナル検出のために多量の専門的な蛍光化学物質を必要とするために、遅く
高価である。ナノポアセンシングは、必要なヌクレオチドおよび試薬の量を減らすことに
よって迅速で安価な核酸配列決定を提供する可能性を有する。
ナノポアセンシングを用いて核酸を配列決定する2つの本質的な構成要素は、(1)ポ
アを通る核酸移動の制御および(2)核酸ポリマーがポアを通って移動するときのヌクレ
オチドの識別である。これまではヌクレオチド識別を達成するために核酸はヘモリジン変
異体を通っていた。これは、配列依存であることが示されている電流サインを提供した。
ヘモリジンポアが用いられる場合に多数のヌクレオチドが、観察される電流に寄与し、観
察された電流とポリヌクレオチドチャレンジとの間に直接的関係を作ることも示されてい
る。
ヘモリジンポアの変異を通じてヌクレオチド識別のための電流範囲が改善された一方で
、ヌクレオチド間の電流差異をさらに改善できれば配列決定システムはさらに高い性能を
有することになる。付加的に、核酸がポアを通って移動するときに、いくつかの電流状態
は高い変動を示すことが観察された。いくつかの変異体ヘモリジンポアが他よりもさらに
高い変動を示すことも示されている。これらの状態の変動が配列特異的情報を含有する場
合がある一方で、システムを簡素化するために低い変動を有するポアを産生することは望
ましい。観察される電流に寄与するヌクレオチドの数を低減することも望ましい。
ライセニン(efL1としても公知)は、ミミズ、エイセニア・フェティダ(Eisenia
fetida)の体腔液から精製されたポア形成毒素である。それは、ライセニン誘導溶血を阻
害するスフィンゴミエリンに特異的に結合する(Yamaji et al.、J. Biol. Chem. 1998;
273(9): 5300-6)。ライセニンの結晶構造はDe Colbis et al.、Structure、2012; 20: 1
498-1507に開示されている。
本発明者らは、モノマーとポリヌクレオチドとの相互作用を変更するために修飾され得
るライセニンモノマー内の領域を驚くべきことに同定した。この領域は、配列番号2のお
よそ位置44からおよそ位置126に対応する。本発明は、ポリヌクレオチドと相互作用
するモノマーの能力を改善するために1つまたは複数の修飾が同定された領域に作られて
いる変異体モノマーに関する。本発明者らは、新規変異体モノマーを含むポアがポリヌク
レオチドと相互作用する増強された能力を有し、それにより配列などのポリヌクレオチド
の特性を推定するための特性の改善を示すことも驚くべきことに実証した。変異体ポアは
、ヌクレオチド識別の改善を驚くべきことに示す。具体的には変異体ポアは、異なるヌク
レオチド間の識別を容易にする電流範囲の増大、および信号対雑音比を増加させる状態変
動の低減を驚くべきことに示す。付加的に、ポリヌクレオチドがポアを通って移動すると
きに電流に寄与するヌクレオチドの数は減少する。これは、ポリヌクレオチドがポアを通
って移動するときに観察される電流とポリヌクレオチドとの間の直接的関係を同定するこ
とを容易にする。
したがって本発明は、配列番号2に示す配列の変種を含む変異体ライセニンモノマーで
あって、前記モノマーがポアを形成でき、前記変種が、配列番号2のおよそ位置44から
およそ位置126の領域内にポリヌクレオチドと相互作用するモノマーの能力を変更する
1つまたは複数の修飾を含む、変異体ライセニンモノマーを提供する。
本発明は、
− ライセニン由来の2つ以上の共有結合的に付着されたモノマーを含む構築物であって
、少なくとも1つのモノマーが本発明の変異体ライセニンモノマーである、構築物;
− 本発明の変異体ライセニンモノマーまたは本発明の遺伝子的に融合された構築物をコ
ードしているポリヌクレオチド;
− 十分な数の本発明の変異体ライセニンモノマーを含むライセニン由来のホモオリゴマ
ーポア;
− 少なくとも1つの本発明の変異体ライセニンモノマーを含むライセニン由来のヘテロ
オリゴマーポア;
− 少なくとも1つの本発明の構築物を含むポア;
− (a)標的ポリヌクレオチドを本発明のポアに接触させて、前記標的ポリヌクレオチ
ドが前記ポアを通って移動するようにするステップ、および(b)分析物が前記ポアに対
して移動するときに1つまたは複数の測定を行うステップであって、前記測定が標的分析
物の1つまたは複数の特性を示し、それにより標的分析物を特性決定するステップを含む
、標的分析物を特性決定する方法;
− 本発明のポアとポリヌクレオチド結合タンパク質との複合体を形成するステップおよ
びそれにより標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセンサーを形成するステップを
含む、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセンサーを形成する方法;
− 本発明のポアとポリヌクレオチド結合タンパク質との複合体を含む標的ポリヌクレオ
チドを特性決定するためのセンサー;
− 標的分析物を特性決定するための本発明のポアの使用;
− (a)本発明のポアおよび(b)ポリヌクレオチド結合タンパク質を含む、標的ポリ
ヌクレオチドを特性決定するためのキット;
− (a)本発明の複数のポアおよび(b)複数のポリヌクレオチド結合タンパク質を含
む、試料中の標的ポリヌクレオチドを特性決定するための装置;
− 配列番号2のおよそ位置44からおよそ位置126の領域内に、ポリヌクレオチドと
相互作用するモノマーの能力を変更し、ポアを形成するモノマーの能力に影響を与えない
1つまたは複数の修飾を作るステップを含む、配列番号2に示す配列を含むライセニンモ
ノマーのポリヌクレオチドを特性決定するための能力を改善する方法;
− 少なくとも1つの本発明の変異体ライセニンモノマーをライセニン由来の1つまたは
複数のモノマーに共有結合的に付着させるステップを含む、本発明の構築物を産生する方
法;ならびに
− 少なくとも1つの本発明の変異体モノマーまたは少なくとも1つの本発明の構築物を
、十分な数の本発明のモノマー、本発明の構築物またはライセニン由来のモノマーとポア
を形成するようにオリゴマー形成させるステップを含む、本発明のポア形成方法
も提供する。
ライセニンナノポア(Bと標示)を通るDNAの移動を制御するためのヘリカーゼ(Aと標示)の使用の模式的例を示す図である。1)コレステロール(cholesterol)タグ(Dと標示)を含有するアニールされたプライマーを有するssDNA基質が二重層(Cと標示)のcis側(Xと標示)に添加される。コレステロール(cholesterol)タグが二重層に結合し、二重層表面に基質を濃縮する。2)cisコンパートメントに添加されたヘリカーゼはDNAに結合する。二価金属イオンおよびNTP基質の存在下でヘリカーゼは、DNA(灰色矢印)に沿って移動する。3)印加された電圧下でDNA基質は、DNA上のリーダーセクションを介してナノポアによって捕捉される。DNAは、DNAに結合したヘリカーゼがポアの先端に接触し、さらなる未制御なDNA移行を防ぐまで印加された電位の力の下でポアを通じて引かれる。このプロセスの際にdsDNAセクション(プライマーなど)は除去される。DNAに沿った3’から5方向’へのヘリカーゼの移動は、挿入されたDNAを印加される場と反対にポアの外側に引く(DNA移動の方向は黒矢印で示されている)。4)ヘリカーゼは、DNAをナノポアの外側に引き、cisコンパートメントへ戻す。ナノポアを通るDNAの最後のセクションは5’−リーダーである。5)ヘリカーゼがDNAをナノポアの外側へ移動させると、それはcisコンパートメントに戻って外れる。代替的にDNAが3’末端で捕捉される場合、次いでDNAはcisからtransへ(Yと標示)3’−5’ヘリカーゼの制御下でポアを通って移動し、最終的に二重層のtrans側に存在する。 実施例1、2、3、4、5および6において用いられたDNA基質設計を示す図である。DNA基質は、50T 5’−リーダー(鎖Aの破線領域により示される)を有するPhiX(配列番号13、Aと標示)由来のssDNAの400塩基セクションからなる。50Tリーダー直後にこの鎖にアニールされるのは、二重層の表面上のDNAを増やすための3’コレステロール(cholesterol)タグ(Cと標示)を含有するプライマー(Bと標示)であり、捕捉効率を改善する。 DPhPC二重層に挿入された野生型ライセニンポアの電流トレース(AおよびBについて、y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(分))を示す図である。A)は、DNAおよびヘリカーゼの非存在下において安定オープンポア電流およそ+280pAが+120mV(625mM KCl、100mM Hepes、pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、10mM MgCl、野生型ライセニン(配列番号2))で観察されたことを示し、B)は、DNA、ヘリカーゼおよびATP(0.3nM 400塩基長DNA(配列番号13および14)、Hel308Mbu、(100nM、配列番号15)、1mM ATP)の添加において明確なDNA捕捉がなく、ナノポアを通るヘリカーゼ制御DNA移動がなかったことを示す。 Hel308Mbu(配列番号15)が制御された様式でライセニンナノポア(ライセニン−E84D/E85K、変異E84D/E85Kを有する配列番号2)を通ってDNAを移動でき、DNAがナノポアを通って移動するときに電流における段階的変化を産生したことを示す図である。A)は、約400pA(180mV、625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム、0.3nM 400塩基長DNA(配列番号13および14)、100nM Hel308Mbu(配列番号15)、1mM ATP、10mM MgCl、ライセニン−E84D/E85K(変異E84D/E85Kを有する配列番号2))のオープンポアレベルから約200pAへの低い電流遮断として観察されたDNA捕捉およびHel308Mbu制御400塩基長DNA移動の電流トレース例(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(分))を示す。星印は、ヘリカーゼ制御DNA移動を示す。印加された電位下で、ヘリカーゼ結合を有するDNAはライセニンナノポアによって捕捉される。これは、オープンポアレベル(約400pA)からDNAレベル(約220pA)への電流における遮断を生じる。B)は、上のトレースにおけるヘリカーゼ制御DNA移動の拡大図(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(分))を示す。DNAレベルは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流において段階的変化を示す。 Hel308Mbu(配列番号15)がライセニンナノポア(ライセニン−E92N/E94N/E97N/D121N/D126N、変異E92N/E94N/E97N/D121N/D126Nを有する配列番号2)を通ってDNAを制御された様式で移動でき、DNAがナノポアを通って移動するときに電流における段階的変化を産生したことを示す図である。A)は、典型的Hel308Mbu制御400塩基長DNA移動(120mV、625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム、0.3nM 400塩基長DNA(配列番号13および14)、100nM Hel308Mbu(配列番号15)、1mM ATP、10mM MgCl、ライセニン−E92N/E94N/E97N/D121N/D126N(変異E92N/E94N/E97N/D121N/D126Nを有する配列番号2))の電流トレース例(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(分))を示す。印加された電位下でDNAはライセニンナノポアに捕捉される。このライセニン変異体は、WTライセニンと対比して高いレベルのDNA捕捉を示す。ポア中に捕捉されたDNAは、オープンポアレベル(約280pA)からDNAレベル(約110pA)への電流における遮断を生じる。ヘリカーゼ結合を有するDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流において段階的変化を示す。ヘリカーゼ制御DNA移動は星印によって示される。B)上のトレースにおける典型的ヘリカーゼ制御DNA移動(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(分))の1つの拡大図。DNAレベルは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流において段階的変化を示す。 Hel308Mbu(配列番号15)がライセニンナノポア(ライセニン−E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A、変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167Aを有する配列番号2)を通ってDNAを制御された様式で移動でき、DNAがナノポアを通って移動するときに電流における段階的変化を産生したことを示す図である。A)は、典型的Hel308Mbu制御DNA移動(180mV、625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム、0.6nM 400塩基長DNA(配列番号13および14)、100nM Hel308Mbu(配列番号15)、1mM ATP、10mM MgCl、ライセニン−E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A(変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167Aを有する配列番号2))の電流トレース例(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(分))を示す。印加された電位下でDNAはライセニンナノポアに捕捉される。このライセニン変異体は、WTライセニンと対比して高いレベルのDNA捕捉を示す。ポア中に捕捉されたDNAは、オープンポアレベル(約390pA)からDNAレベル(約200pA)への電流における遮断を生じる。ヘリカーゼ結合を有するDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流において段階的変化を示す。ヘリカーゼ制御DNA移動は星印によって示される。B)上のトレースにおける典型的ヘリカーゼ制御DNA移動の1つの拡大図(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(分))。DNAレベルは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流において段階的変化を示す。 Hel308Mbu(配列番号15)がライセニンナノポア(ライセニン−E76S/E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A、変異E76S/E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167Aを有する配列番号2)を通ってDNAを制御された様式で移動でき、DNAがナノポアを通って移動するときに電流における段階的変化を産生したことを示す図である。A)は、典型的Hel308Mbu制御DNA移動(+180mV、625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、pH8.0、1mM ATP、10mM MgCl、0.6nM DNA(配列番号13および14)、100nM Hel308Mbu(配列番号15)、ライセニン−E76S/E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A、変異E76S/E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167Aを有する配列番号2))の電流トレース例(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(秒))を示す。B)は、上のトレースにおけるヘリカーゼ制御DNA移動(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(秒))の拡大図を示す。DNAレベルは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流において段階的変化を示す。 Hel308Mbu(配列番号15)がライセニンナノポア(ライセニン−E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/E50S、変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/E50Sを有する配列番号2)を通ってDNAを制御された様式で移動でき、DNAがナノポアを通って移動するときに電流における段階的変化を産生したことを示す図である。A)は、典型的Hel308Mbu制御DNA移動(+120mV、625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、pH8.0、1mM ATP、10mM MgCl、0.3nM DNA(配列番号13および14)、100nM Hel308Mbu(配列番号15)、ライセニン−E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/E50S、変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/E50Sを有する配列番号2))の電流トレース例(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(秒))を示す。B)は、上のトレースにおけるヘリカーゼ制御DNA移動(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(秒))の拡大図を示す。DNAレベルは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流において段階的変化を示す。 Hel308Mbu(配列番号15)がライセニンナノポア(ライセニン−E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/E71S、変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/E71Sを有する配列番号2)を通ってDNAを制御された様式で移動でき、DNAがナノポアを通って移動するときに電流における段階的変化を産生したことを示す図である。A)は、典型的Hel308Mbu制御DNA移動(+180mV、625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、pH8.0.1mM ATP、10mM MgCl、0.3nM DNA(配列番号13および14)、100nM Hel308Mbu(配列番号15)、ライセニン−E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/E71S、変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/E71Sを有する配列番号2)の電流トレース例(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(分))を示す。B)は、上のトレースにおけるヘリカーゼ制御DNA移動(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(秒))の拡大図を示す。DNAレベルは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流において段階的変化を示す。 Hel308Mbu(配列番号15)がライセニンナノポア(ライセニン−E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/E128S、変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/E128Sを有する配列番号2)を通ってDNAを制御された様式で移動でき、DNAがナノポアを通って移動するときに電流における段階的変化を産生したことを示す図である。A)は、典型的Hel308Mbu制御DNA移動(+180mV、625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、pH8.0、1mM ATP、10mM MgCl、0.6nM DNA(配列番号13および14)、100nM Hel308Mbu(配列番号15)、ライセニン−E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/E128S、変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/E128Sを有する配列番号2)の電流トレース例(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(秒))を示す。B)は、上のトレースにおけるヘリカーゼ制御DNA移動(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(秒))の拡大図を示す。DNAレベルは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流において段階的変化を示す。 Hel308Mbu(配列番号15)がライセニンナノポア(ライセニン−E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/D68S、変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/D68Sを有する配列番号2)を通ってDNAを制御された様式で移動でき、DNAがナノポアを通って移動するときに電流における段階的変化を産生したことを示す図である。A)は、典型的Hel308Mbu制御DNA移動(+120mV、625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、pH8.0、1mM ATP、10mM MgCl、0.3nM DNA(配列番号13および14)、100nM Hel308Mbu(配列番号15)、ライセニン−E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/D68S、変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/D68Sを有する配列番号2)の電流トレース例(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(分))を示す。B)は、上のトレースにおけるヘリカーゼ制御DNA移動(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(秒))の拡大図を示す。DNAレベルは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流において段階的変化を示す。 Hel308Mbu(配列番号15)がライセニンナノポア(ライセニン−E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/D121S、変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/D121Sを有する配列番号2)を通ってDNAを制御された様式で移動でき、DNAがナノポアを通って移動するときに電流における段階的変化を産生したことを示す図である。A)は、典型的Hel308Mbu制御DNA移動(+120mV、625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、pH8.0、1mM ATP、10mM MgCl、0.6nM DNA(配列番号13および14)、100nM Hel308Mbu(配列番号15)、ライセニン−E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/D121S、変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A/D121Sを有する配列番号2)の電流トレース例(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(秒))を示す。B)は、上のトレースにおけるヘリカーゼ制御DNA移動(y−軸=電流(pA)、x−軸=時間(秒))の拡大図を示す。DNAレベルは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流において段階的変化を示す。
本開示の生成物および方法のさまざまな応用が当技術分野における具体的な必要性に適
合され得ることは理解される。本明細書で用いられる用語は本発明の詳細な実施形態を記
載する目的のためのみであり、限定されることを意図しないことも理解される。
付加的に、本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「a」、「
an」および「the」は、内容が他を明確に記す場合を除いて複数の参照物を含む。し
たがって例えば、「1つの変異体モノマー」を参照することは「複数の変異体モノマー」
を含み、「1つの置換」を参照することは2つ以上のそのような置換を含み、「1つのポ
ア」を参照することは2つ以上のそのようなポアを含み、「1本のポリヌクレオチド」を
参照することは2本以上のそのようなポリヌクレオチドを含むなど。
本明細書に引用する全ての刊行物、特許および特許出願は(上記または下記に関わらず
)それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
変異体ライセニンモノマー
本発明は、変異体ライセニンモノマーを提供する。変異体ライセニンモノマーは、本発
明のポアを形成するために用いられ得る。変異体ライセニンモノマーは、その配列が野生
型ライセニンモノマーのもの(すなわち配列番号2)から変化しており、本発明の他のモ
ノマーまたライセニンからもしくはライセニンに由来する他のモノマーの存在下で、ポア
を形成する能力を保持しているモノマーである。ポアを形成する変異体モノマーの能力を
確認するための方法は、当技術分野において周知であり、下により詳細に考察される。例
えば、ポアを形成する変異体モノマーの能力は、実施例1に記載のとおり決定され得る。
変異体モノマーは、ポリヌクレオチドと相互作用する変更された能力を有する。したが
って1つまたは複数の変異体モノマーを含むポアは改善されたヌクレオチド読み取り特性
を有し、例えば(1)ポリヌクレオチド捕捉の改善、および(2)ポリヌクレオチド認識
または識別の改善を示す。具体的には変異体モノマーから構築されたポアは、野生型より
も容易にヌクレオチドおよびポリヌクレオチドを捕捉する。付加的に変異体モノマーから
構築されたポアは、異なるヌクレオチド間の識別を容易にする電流範囲の増大、および信
号対雑音比を増加させる状態変動の低減を示す。付加的に、ポリヌクレオチドが変異体か
ら構築されたポアを通って移動するときに電流に寄与するヌクレオチドの数を減少させる
。これは、ポリヌクレオチドがポアを通って移動するときに観察される電流とポリヌクレ
オチドとの間の直接的関係を同定することを容易にする。変異体の改善されたヌクレオチ
ド読み取り特性は、5個の主な機序、すなわち:
・ 立体(アミノ酸残基の大きさの増大または減少);
・ 電荷(例えば、−ve電荷の導入もしくは除去および/または+ve電荷の導入もし
くは除去);
・ 水素結合(例えば、塩基対に水素結合できるアミノ酸の導入);
・ piスタック(例えば、非局在化電子piシステムを通じて相互作用するアミノ酸の
導入);および/または
・ ポアの構造の変更(例えば、バレルまたはチャネルの大きさを増大させるアミノ酸の
導入)
における変化を介して達成される。
これらの5個の機序の任意の1つまたは複数は、本発明の変異体モノマーから形成され
るポアの特性の改善に関与する場合がある。例えば、本発明の変異体モノマーを含むポア
は、立体の変更、水素結合の変更および構造の変更の結果として改善されたヌクレオチド
読み取り特性を示すことができる。
本発明の変異体モノマーは、配列番号2に示す配列の変種を含む。配列番号2は、ライ
セニンモノマーの野生型配列である。配列番号2の変種は、配列番号2のものから変更さ
れ、ポアを形成するその能力を保持しているアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
本発明者らは、モノマーを含むポアでのナノポアセンシングを用いてポリヌクレオチド
が特性決定される場合など、モノマーとポリヌクレオチドとの間の相互作用を変更するた
めに修飾され得るライセニンモノマー内の領域を驚くべきことに同定した。領域は、配列
番号2のおよそ位置44からおよそ位置126である。この領域の少なくとも一部は、典
型的にはライセニンの膜スパンニング領域に寄与する。この領域少なくとも一部は、典型
的にはライセニンのバレルまたはチャネルに寄与する。この領域の少なくとも一部は、典
型的には、ライセニンの内壁または裏層に寄与する。
ライセニンの膜貫通領域は、配列番号2の位置44から67として同定されている(De
Colbis et al.、Structure、2012; 20: 1498-1507)。
本発明により変種は、配列番号2のおよそ位置44からおよそ位置126の領域内に、
モノマーまたは好ましくは領域がポリヌクレオチドと相互作用する能力を変更する、1つ
または複数の修飾を含む。モノマーとポリヌクレオチドとの間の相互作用は、増大または
減少し得る。モノマーとポリヌクレオチドとの間の相互作用の増大は、例えば変異体モノ
マーを含むポアによるポリヌクレオチドの捕捉を促進する。領域とポリヌクレオチドとの
間の相互作用の減少は、例えば、ポリヌクレオチドの認識または識別を改善する。ポリヌ
クレオチドの認識または識別は、変異体モノマーを含むポアの状態の変動を減少させる(
信号対雑音比を増大させる)ことによって、および/またはポリヌクレオチドが変異体モ
ノマーを含むポアを通って移動するときの電流に寄与するポリヌクレオチド中のヌクレオ
チドの数を減少させることによって改善される場合がある。
したがって本発明は、配列番号2に示す配列の変種を含む変異体ライセニンモノマーで
あって、前記モノマーがポアを形成でき、前記変種が、配列番号2のおよそ位置44から
およそ位置126にポリヌクレオチドと相互作用するモノマーの能力を変更する1つまた
は複数の修飾を含む、変異体ライセニンモノマーを提供する。
ポリヌクレオチドと相互作用するモノマーの能力は、当技術分野において周知である方
法を用いて決定され得る。モノマーは、ポリヌクレオチドと任意の方法において(例えば
、疎水性相互作用、水素結合、ファンデルワールス力、pi(π)−カチオン相互作用ま
たは静電力などの非共有結合相互作用によって)相互作用できる。例えば、ポリヌクレオ
チドに結合する領域の能力は、従来の結合アッセイを用いて測定され得る。好適なアッセ
イは、これだけに限らないが、蛍光に基づく結合アッセイ、核磁気共鳴(NMR)、等温
滴定熱量測定(ITC)または電子スピン共鳴(ESR)分光法を含む。代替的に、1つ
または複数の変異体モノマーを含むポアのポリヌクレオチドと相互作用する能力は、上ま
たは下に考察される任意の方法を用いて決定され得る。好ましいアッセイは、実施例に記
載されている。
1つまたは複数の修飾は、配列番号2のおよそ位置44からおよそ位置126の領域内
である。1つまたは複数の修飾は、好ましくは次の領域:およそ位置40からおよそ位置
125、およそ位置50からおよそ位置120、およそ位置60からおよそ位置110お
よびおよそ位置70からおよそ位置100のいずれか1つの中である。1つまたは複数の
修飾がポリヌクレオチド捕捉を改善するために作られる場合、それらは次の領域:およそ
位置44からおよそ位置103、およそ位置68からおよそ位置103、およそ位置84
からおよそ位置103、およそ位置44からおよそ位置97、およそ位置68からおよそ
位置97またはおよそ位置84からおよそ位置97のいずれか1つの中により好ましくは
作られる。1つまたは複数の修飾がポリヌクレオチド認識または識別を改善するために作
られる場合、それらは次の領域:およそ位置44からおよそ位置109、およそ位置44
からおよそ位置97またはおよそ位置48からおよそ位置88のいずれか1つの中により
好ましくは作られる。領域は、配列番号2の好ましくはおよそ位置44からおよそ位置6
7である。
1つまたは複数の修飾がポリヌクレオチド認識または識別を意図する場合、それらは好
ましくはポリヌクレオチド捕捉を改善するための1つまたは複数の修飾に加えて作られる
。これは、変異体モノマーから形成されるポアがポリヌクレオチドを効率的に捕捉できる
ようにし、次いでその配列を推定するなど、下に考察のとおりポリヌクレオチドを特性決
定する。
ポリヌクレオチドと相互作用するその能力を変更するタンパク質ナノポアの修飾は、具
体的にはポリヌクレオチドを捕捉および/または認識するもしくは識別するそれらの能力
を改善し、当技術分野において十分に立証されている。例えばそのような修飾はWO20
10/034018およびWO2010/055307に開示されている。類似の修飾は
、本発明によるライセニンモノマーに作られ得る。
1、2、5、10、15、20、30個以上の修飾などの任意の数の修飾が作られ得る
。ポリヌクレオチドと相互作用するモノマーの能力が変更される限り任意の修飾(複数可
)が作られ得る。好適な修飾は、これだけに限らないが、アミノ酸置換、アミノ酸付加お
よびアミノ酸欠失を含む。1つまたは複数の修飾は、好ましくは1つまたは複数の置換で
ある。これは下でより詳細に考察される。
1つまたは複数の修飾は、好ましくは(a)モノマーの立体効果を変更する、もしくは
好ましくは領域の立体効果を変更する、(b)モノマーの正味電荷を変更する、もしくは
好ましくは領域の正味電荷を変更する、(c)ポリヌクレオチドと水素結合するモノマー
のもしくは好ましくは領域の能力を変更する、(d)非局在化電子piシステムを通じて
相互作用する化学基を導入するもしくは除去する、および/または(e)モノマーの構造
を変更する、または好ましくは領域の構造を変更する。1つまたは複数の修飾は、(a)
および(b);(a)および(c);(a)および(d);(a)および(e);(b)
および(c);(b)および(d);(b)および(e);(c)および(d);(c)
および(e);(d)および(e)、(a)、(b)および(c);(a)、(b)およ
び(d);(a)、(b)および(e);(a)、(c)および(d);(a)、(c)
および(e);(a)、(d)および(e);(b)、(c)および(d);(b)、(
c)および(e);(b)、(d)および(e);(c)、(d)および(e);(a)
、(b)、(c)およびd);(a)、(b)、(c)および(e);(a)、(b)、
(d)および(e);(a)、(c)、(d)および(e);(b)、(c)、(d)お
よび(e);ならびに(a)、(b)、(c)および(d)などの(a)から(e)の任
意の組合せをより好ましくは生じる。
(a)についてモノマーの立体効果は、増加または減少し得る。立体効果を変更する任
意の方法が本発明により用いられ得る。フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)
、チロシン(Y)またはヒスチジン(H)などのかさ高い残基の導入は、モノマーの立体
効果を増加させる。1つまたは複数の修飾は、好ましくはF、W、YおよびHの1つまた
は複数の導入である。F、W、YおよびHの任意の組合せが導入され得る。F、W、Yお
よびHの1つまたは複数は付加によって導入され得る。F、W、YおよびHの1つまたは
複数は、好ましくは置換によって導入される。そのような残基の導入のために好適な位置
は、下により詳細に考察される。
フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)またはヒスチジン(
H)などのかさ高い残基の除去は、モノマーの立体効果を逆に減少させる。1つまたは複
数の修飾は、好ましくはF、W、YおよびHの1つまたは複数の除去である。F、W、Y
およびHの任意の組合せが除去され得る。F、W、YおよびHの1つまたは複数が欠失に
よって除去され得る。F、W、YおよびHの1つまたは複数は、セリン(S)、スレオニ
ン(T)、アラニン(A)およびバリン(V)などのより小さな側基を有する残基での置
換によって好ましくは除去される。
(b)について正味電荷は、任意の方法で変更され得る。正味の正電荷は、好ましくは
増加または減少する。正味の正電荷は、任意の様式で増大され得る。正味の正電荷は、好
ましくは、1つまたは複数の正に荷電したアミノ酸を(好ましくは置換によって)導入す
ること、および/または1つまたは複数の負電荷を(好ましくは置換によって)中和する
ことによって増加する。
正味の正電荷は、好ましくは、1つまたは複数の正に荷電したアミノ酸を導入すること
によって増加する。1つまたは複数の正に荷電したアミノ酸は、付加によって導入され得
る。1つまたは複数の正に荷電したアミノ酸は、好ましくは置換によって導入される。正
に荷電したアミノ酸は、正味の正電荷を有するアミノ酸である。正に荷電したアミノ酸(
複数可)は、天然に存在するものであってよい、または天然に存在しないものであってよ
い。正に荷電したアミノ酸は、合成または修飾され得る。例えば、正味の正電荷を有する
修飾アミノ酸は、本発明における使用のために具体的に設計されてよい。アミノ酸への多
数の異なる種類の修飾は当技術分野において周知である。
好ましい天然に存在する正に荷電したアミノ酸は、これだけに限らないが、ヒスチジン
(H)、リジン(K)およびアルギニン(R)を含む。1つまたは複数の修飾は、好まし
くはH、KおよびRの1つまたは複数の導入である。H、KおよびRの任意の数および組
合せが導入され得る。H、KおよびRの1つまたは複数は、付加によって導入され得る。
H、KおよびRの1つまたは複数は、好ましくは置換によって導入される。そのような残
基の導入のために好適な位置は、下により詳細に考察される。
天然に存在するアミノ酸を付加するまたは置換するための方法は、当技術分野において
周知である。例えばメチオニン(M)は、モノマーをコードしているポリヌクレオチドで
の関連する位置のメチオニンに対するコドン(ATG)をアルギニンに対するコドン(A
GA)で置き換えることによってアルギニン(R)で置換されうる。次いでポリヌクレオ
チドは、下に考察のとおり発現され得る。
天然に存在しないアミノ酸を付加するまたは置換するための方法も当技術分野において
周知である。例えば天然に存在しないアミノ酸は、ポアを発現するために用いられるIV
TT系に合成アミノアシル−tRNAを含ませることによって導入され得る。代替的に、
特定のアミノ酸に対して栄養要求性である大腸菌(E. coli)においてそれらの特定のア
ミノ酸の合成(すなわち天然に存在しない)類似物の存在下でモノマーを発現することに
よってそれらは導入され得る。ポアが部分的ペプチド合成を用いて産生される場合、それ
らはネイキッドライゲーションによっても産生され得る。
任意のアミノ酸は、正に荷電したアミノ酸で置換され得る。1つまたは複数の無荷電ア
ミノ酸、非極性アミノ酸および/または芳香族アミノ酸は、1つまたは複数の正に荷電し
たアミノ酸で置換され得る。無荷電アミノ酸は、正味電荷を有さない。好適な無荷電アミ
ノ酸は、これだけに限らないが、システイン(C)、セリン(S)、スレオニン(T)、
メチオニン(M)、アスパラギン(N)およびグルタミン(Q)を含む。非極性アミノ酸
は、非極性側鎖を有する。好適な非極性アミノ酸は、これだけに限らないが、グリシン(
G)、アラニン(A)、プロリン(P)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)およびバ
リン(V)を含む。芳香族アミノ酸は、芳香族側鎖を有する。好適な芳香族アミノ酸は、
これだけに限らないが、ヒスチジン(H)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(
W)およびチロシン(Y)を含む。好ましくは1つまたは複数の負に荷電したアミノ酸は
、1つまたは複数の正に荷電したアミノ酸で置換される。好適な負に荷電したアミノ酸は
、これだけに限らないが、アスパラギン酸(D)およびグルタミン酸(E)を含む。
好ましい導入は、これだけに限らないが、EをKで置換、MをRで、MをHで置換、M
をKで置換、DをRで置換、DをHで置換、DをKで置換、EをRで置換、EをHで置換
、NをRで置換、TをRで置換およびGをRで置換する置換を含む。最も好ましくはEは
Kで置換される。
任意の数の正に荷電したアミノ酸が導入または置換され得る。例えば、1、2、5、1
0、15、20、25、30個以上の正に荷電したアミノ酸は導入または置換され得る。
正味の正電荷は、より好ましくは、1つまたは複数の負電荷を中和することによって増
加される。1つまたは複数の負電荷は、1つまたは複数の負に荷電したアミノ酸の1つま
たは複数の無荷電アミノ酸、非極性アミノ酸および/または芳香族アミノ酸での置換によ
って置き換えることによって中和され得る。負電荷の除去は正味の正電荷を増加させる。
無荷電アミノ酸、非極性アミノ酸および/または芳香族アミノ酸は、天然に存在するまた
は天然に存在しないものであってよい。それらは、合成または修飾されてよい。好適な無
荷電アミノ酸、非極性アミノ酸および芳香族アミノ酸は、上に考察されている。好ましい
置換は、これだけに限らないが、EをQで置換、EをSで置換、EをAで置換、DをQで
置換、EをNで置換、DをNで置換、DをGで置換およびDをSで置換する置換を含む。
任意の数および組合せの無荷電アミノ酸、非極性アミノ酸および/または芳香族アミノ
酸は置換され得る。例えば、1、2、5、10、15、20、25または30個以上の無
荷電アミノ酸、非極性アミノ酸および/または芳香族アミノ酸は置換され得る。負に荷電
したアミノ酸は(1)無荷電アミノ酸;(2)非極性アミノ酸;(3)芳香族アミノ酸;
(4)無荷電アミノ酸および非極性アミノ酸;(5)無荷電アミノ酸および芳香族アミノ
酸;ならびに(5)非極性アミノ酸および芳香族アミノ酸;または(6)無荷電アミノ酸
、非極性アミノ酸および芳香族アミノ酸で置換され得る。
1つまたは複数の負電荷は、1つまたは複数の正に荷電したアミノ酸を1つまたは複数
の負に荷電したアミノ酸の近くに(アミノ酸1、2、3もしくは4個以内など)または隣
接して導入することによって中和され得る。正におよび負に荷電したアミノ酸の例は、上
に考察されている。正に荷電したアミノ酸は、上に考察した任意の様式で、例えば置換に
よって導入され得る。
正味の正電荷は、好ましくは1つもしくは複数の負に荷電したアミノ酸を導入すること
によって、および/または1つもしくは複数の正電荷を中和することによって減少する。
これが行われる方法は、正味の正電荷を増加させることを参照して上の考察から明らかで
ある。正味の正電荷を増加させることを参照して上に考察した全ての実施形態は、電荷が
反対に変更されることを除いて正味の正電荷を減少させることに等しく適用される。具体
的には、1つまたは複数の正電荷は、好ましくは1つもしくは複数の正に荷電したアミノ
酸を1つもしくは複数の無荷電アミノ酸、非極性アミノ酸および/または芳香族アミノ酸
で置換することによって、または1つもしくは複数の負に荷電したアミノ酸を1つもしく
は複数の負に荷電したアミノ酸の近くに(アミノ酸1、2、3もしくは4個以内など)ま
たは隣接して導入することによって中和される。
正味の負電荷は、好ましくは増加または減少する。正味の正電荷を増加または減少させ
ることを参照して上に考察した全ての実施形態は、正味の負電荷を減少または増加させる
ことにそれぞれ等しく適用される。
(c)について、モノマーの水素結合する能力は、任意の様式で変更され得る。セリン
(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、チロシン(Y)ま
たはヒスチジン(H)の導入は、モノマーの水素結合する能力を増大させる。1つまたは
複数の修飾は、好ましくはS、T、N、Q、YおよびHの1つまたは複数の導入である。
S、T、N、Q、YおよびHの任意の組合せは、導入され得る。S、T、N、Q、Yおよ
びHの1つまたは複数は、付加によって導入され得る。S、T、N、Q、YおよびHの1
つまたは複数は、好ましくは置換によって導入される。そのような残基の導入のために好
適な位置は、下により詳細に考察される。
セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、チロシン
(Y)またはヒスチジン(H)の除去は、モノマーの水素結合する能力を減少させる。1
つまたは複数の修飾は、好ましくはS、T、N、Q、YおよびHの1つまたは複数の除去
である。S、T、N、Q、YおよびHの任意の組合せは、除去され得る。S、T、N、Q
、YおよびHの1つまたは複数は、欠失によって除去され得る。S、T、N、Q、Yおよ
びHの1つまたは複数は、アラニン(A)、バリン(V)、イソロイシン(I)およびロ
イシン(L)などの、あまり水素結合しない他のアミノ酸での置換によって好ましくは除
去される。
(d)について、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)ま
たはヒスチジン(H)などの芳香族残基の導入も、モノマー中のpiスタッキングを増加
させる。フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)またはヒスチ
ジン(H)などの芳香族残基の除去も、モノマー中のpiスタッキングを増加させる。そ
のようなアミノ酸は、(a)を参照して上に考察したとおり導入または除去され得る。
(e)について、モノマーの構造を変更する本発明により作られた1つまたは複数の修
飾。例えば1つまたは複数のループ領域は、除去、短縮または伸長され得る。これは典型
的にはポリヌクレオチドのポアへの進入またはポアからの退出を促進する。1つまたは複
数のループ領域は、ポアのcis側、ポアのtrans側またはポアの両側であってよい
。代替的にポアのアミノ末端および/またはカルボキシ末端の1つまたは複数の領域は、
伸長または欠失され得る。これは典型的にはポアの大きさおよび/または電荷を変更する
特定のアミノ酸の導入が1つより多い機序を介してポリヌクレオチドと相互作用するモ
ノマーの能力を増強することは、上の考察から明らかである。例えば、EのHでの置換は
(b)により正味の正電荷を(負電荷を中和することによって)増加させるだけでなく、
(c)によりモノマーの水素結合する能力も増加させる。
変種は、配列番号2の次の位置:M44、N46、N48、E50、R52、H58、
D68、F70、E71、S74、E76、S78、Y79、S80、H81、S82、
E84、E85、S86、Q87、S89、M90、E92、E94、E97、E102
、H103、T104、T106、R115、Q117、N119、D121およびD1
26の1つまたは複数に置換を好ましくは含む。変種は、これらの位置の1、2、3、4
、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19
、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、
33または34個に置換を好ましくは含む。変種は、配列番号2の次の位置:D68、E
71、S74、E76、S78、S80、S82、E84、E85、S86、Q87、S
89、E92、E102、T104、T106、R115、Q117、N119およびD
121の1つまたは複数に好ましくは置換を含む。変種は、好ましくはこれらの位置の1
、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17
、18、19または20個に置換を含む。変種に置換されるアミノ酸は、天然に存在する
または天然に存在しないその誘導体であってよい。変種に置換されるアミノ酸は、D−ア
ミノ酸であってよい。上に列挙された各位置は、アスパラギン(N)、セリン(S)、グ
ルタミン(Q)、アルギニン(R)、グリシン(G)、チロシン(Y)、アスパラギン酸
(D)、ロイシン(L)、リジン(K)またはアラニン(A)で置換されてよい。
変種は、配列番号2の次の変異:
(a)位置44にセリン(S);
(b)位置46にセリン(S);
(c)位置48にセリン(S);
(d)位置52にセリン(S);
(e)位置58にセリン(S);
(f)位置68にセリン(S);
(g)位置70にセリン(S);
(h)位置71にセリン(S);
(i)位置76にセリン(S);
(j)位置79にセリン(S);
(k)位置81にセリン(S);
(l)位置84にセリン(S)、アスパラギン酸(D)またはグルタミン(Q);
(m)位置85にセリン(S)またはリジン(K);
(n)位置87にセリン(S);
(o)位置90にセリン(S);
(p)位置92にアスパラギン(N)またはグルタミン(Q);
(q)位置94にセリン(S)またはアスパラギン(N);
(r)位置97にセリン(S)またはアスパラギン(N);
(s)位置102にセリン(S);
(t)位置103にセリン(S);
(u)位置121にアスパラギン(N)またはセリン(S);
(v)位置50にセリン(S);
(w)位置94にアスパラギン(N)またはセリン(S);
(x)位置97にアスパラギン(N)またはセリン(S);
(y)位置121にセリン(S)またはアスパラギン(N);
(z)位置126にアスパラギン(N)またはグルタミン(Q)またはグリシン(G);
および
(aa)位置128にセリン(S)またはアスパラギン(N)
の少なくとも1つを好ましくは含む。
変種は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15
、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26または27個の
変異などの変異(a)から(aa)の任意の数を含み得る。変異の好ましい組合せは下に
考察される。変種に導入されるアミノ酸は、天然に存在するまたは天然に存在しないその
誘導体であってよい。変種に導入されるアミノ酸は、D−アミノ酸であってよい。
変種は、配列番号2の次の変異:
(a)位置68にセリン(S);
(b)位置71にセリン(S);
(c)位置76にセリン(S);
(d)位置84にアスパラギン酸(D)またはグルタミン(Q);
(e)位置85にリジン(K);
(f)位置92にアスパラギン(N)またはグルタミン(Q);
(g)位置102にセリン(S);
(h)位置121にアスパラギン(N)またはセリン(S);
(i)位置50にセリン(S);
(j)位置94にアスパラギン(N)またはセリン(S);
(k)位置97にアスパラギン(N)またはセリン(S);および
(l)位置126にアスパラギン(N)またはグルタミン(Q)またはグリシン(G)
の少なくとも1つを好ましくは含む。
変種は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個の変異などの
変異(a)から(l)の任意の数を含み得る。好ましい変異の組合せは下に考察される。
変種に導入されるアミノ酸は、天然に存在するまたは天然に存在しないその誘導体であっ
てよい。変種に導入されるアミノ酸はD−アミノ酸であってよい。
変種は、ポリヌクレオチド捕捉を改善する、および/またはポリヌクレオチド認識もし
くは識別を改善する上に考察した領域内の修飾との組合せで、配列番号2のおよそ位置4
4からおよそ位置126の領域の外側に1つまたは複数の追加的修飾を含み得る。好適な
修飾は、これだけに限らないが、D35、E128、E135、E134およびE167
の1つまたは複数での置換を含む。具体的には、位置128、135、134および16
7の1つまたは複数のEを置換することによる負電荷の除去は、ポリヌクレオチド捕捉を
改善する。これらの位置の1つまたは複数のEは、上に考察した任意の方法で置換され得
る。好ましくはE128、E135、E134およびE167の全ては上に考察したとお
り、置換される。Eは、好ましくはAで置換される。換言すると変種は、E128A、E
135A、E134AおよびE167Aの1つもしくは複数または全てを好ましくは含む
。別の好ましい置換はD35Qである。
好ましい実施形態では変種は、配列番号2中に次の置換を含む:
i.E84DおよびE85Kの両方などの1つまたは複数;
ii.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126GおよびE167Aの2、3
、4、5または6個などの1つもしくは複数;
iii.E92N、E94N、E97N、D121NおよびD126Nの2、3、4また
は5個などの1つもしくは複数;
iv.E92N、E94N、E97N、D121N、D126NおよびE128Nの2、
3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
v.E76S、E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126GおよびE167A
の2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
vi.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびE50
Sの2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
vii.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびE7
1Sの2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
viii.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびE
94Sの2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
ix.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびE10
2Sの2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
x.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびE128
Sの2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
xi.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびE13
5Sの2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
xii.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびD6
8Sの2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
xiii.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびD
121Sの2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
xiv.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびD1
34Sの2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
xv.E84D、E85KおよびE92Qの2または3個などの1つもしくは複数;
xvi.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126GおよびE135Sの1、
2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
xvii.E85K、E92Q、E94S、E97SおよびD126Gの1、2、3、4
または5個などの1つもしくは複数;
xviii.E76S、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1、2、3、
4または5個などの1つもしくは複数;
xix.E71S、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1、2、3、4ま
たは5個などの1つもしくは複数;
xx.D68S、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1、2、3、4また
は5個などの1つもしくは複数;
xxi.E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1、2、3または4個などの
1つもしくは複数;
xxii.E84Q、E85K、E92Q、E97S、H103SおよびD126Gの1
、2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
xxiii.E84Q、E85K、M90S、E92Q、E97SおよびD126Gの1
、2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
xxiv.E84Q、Q87S、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1、
2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
xxv.E84Q、E85S、E92Q、E97SおよびD126Gの1、2、3、4ま
たは5個などの1つもしくは複数;
xxvi.E84S、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1、2、3、4
または5個などの1つもしくは複数;
xxvii.H81S、E84Q、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1
、2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
xxviii.Y79S、E84Q、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの
1、2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
xxix.F70S、E84Q、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1、
2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
xxx.H58S、E84Q、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1、2
、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
xxxi.R52S、E84Q、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1、
2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
xxxii.N48S、E84Q、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1
、2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
xxxiii.N46S、E84Q、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの
1、2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
xxxiv.M44S、E84Q、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1
、2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
xxxv.E92QおよびE97Sの両方などの1つもしくは複数;
xxxvi.E84Q、E85K、E92QおよびE97Sの1、2、3または4個など
の1つもしくは複数;
xxxvii.E84QおよびE85Kの両方などの1つもしくは複数;
xxxviii.E84Q、E85KおよびD126Gの1、2または3個などの1つも
しくは複数;
xxxix.E84Q、E85K、D126GおよびE167Aの1、2、3または4個
などの1つもしくは複数;
xl.E92Q、E97SおよびD126Gの1、2または3個などの1つもしくは複数

xli.E84Q、E85K、E92Q、E97SおよびD126Gの1、2、3、4ま
たは5個などの1つもしくは複数;
xlii.E84Q、E85K、E92Q、E97SおよびE167Aの1、2、3、4
または5個などの1つもしくは複数;
xliii.E84Q、E85K、E92Q、D126GおよびE167Aの1、2、3
、4または5個などの1つもしくは複数;
xliv.E84Q、E85K、E97S、D126GおよびE167Aの1、2、3、
4または5個などの1つもしくは複数;
xlv.E84Q、E92Q、E97S、D126GおよびE167Aの1、2、3、4
または5個などの1つもしくは複数;
xlvi.E85K、E92Q、E97S、D126GおよびE167Aの1、2、3、
4または5個などの1つもしくは複数;
xlvii.E84D、E85KおよびE92Qの1、2または3個などの1つもしくは
複数;
xlviii.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167Aおよ
びD121Sの1、2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
xlix.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびD
68Sの1、2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
l.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびE135
Sの1、2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
li.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびE12
8Sの1、2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
lii.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびE1
02Sの1、2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
liii.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびE
94Sの1、2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
liv.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびE7
1Sの1、2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
lv.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126G、E167AおよびE50
Sの1、2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
lvi.E76S、E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126GおよびE16
7Aの1、2、3、4、5、6または7個などの1つもしくは複数;
lvii.E92N、E94N、E97N、D121N、D126NおよびE128Nの
1、2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数;
lviii.E92N、E94N、E97N、D121NおよびD126Nの1、2、3
、4または5個などの1つもしくは複数;または
lix.E84Q、E85K、E92Q、E97S、D126GおよびE167Aの1、
2、3、4、5または6個などの1つもしくは複数。
上記において最初の文字は、置き換えられる配列番号2中のアミノ酸を指し、数字は配
列番号2中の位置であり、2番目の文字は1文字目が置換されるアミノ酸を指す。それに
よりE84Dは、位置84のグルタミン酸(E)のアスパラギン酸(D)での置換を指す
変種は、1、2、3、4、5、6または7個などのiからlixのいずれか1つにおけ
る置換の任意の数を含み得る。変種は、上のiからlixのいずれか1つにおいて示され
る全ての置換を好ましくは含む。
好ましい実施形態では変種は、上のiからxvのいずれか1つにおける置換を含む。変
種は、1、2、3、4、5、6または7個などのiからxvのいずれか1つにおける置換
の任意の数を含み得る。変種は、上のiからxvのいずれか1つに示す置換の全てを好ま
しくは含む。
1つまたは複数の修飾がポリヌクレオチドを認識または識別するモノマーの能力を改善
する意図である場合、それらは好ましくは、E84Q、E85K、E92Q、E97S、
D126GおよびE167Aなどのポリヌクレオチド捕捉を改善する上に考察した修飾に
加えて作られ得る。
同定された領域に作られた1つまたは複数の修飾は、ライセニンの相同体またはパラロ
グにおける対応する位置(複数可)に存在するアミノ酸での領域中の1つまたは複数のア
ミノ酸の置換に関する場合がある。ライセニンの相同体の4例は、配列番号16から19
に示されている。そのような置換の有利点は、相同体モノマーもポアを形成することから
、それらがポアを形成する変異体モノマーを生じやすいことである。
上に考察の特異的変異に加えて変種は、他の変異も含み得る。これらの変異は、ポリヌ
クレオチドと相互作用するモノマーの能力を増強する必要はない。変異は、例えば、発現
および/または精製を促進する場合がある。配列番号2のアミノ酸配列の全長にわたって
変種は、アミノ酸同一性に基づいてその配列に好ましくは少なくとも50%相同である。
より好ましくは変種は、配列全体にわたって配列番号2のアミノ酸配列にアミノ酸同一性
に基づいて少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%
、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%およびよ
り好ましくは少なくとも95%、97%または99%相同である。少なくとも80%、例
えば少なくとも85%、90%または95%のアミノ酸同一性が100以上(例えば12
5、150、175、もしくは200またはそれ以上)のストレッチの連続アミノ酸にわ
たってある場合がある(「高い相同性」)。
相同性を決定するために当技術分野における標準的方法が用いられ得る。例えばUWG
CGパッケージは、相同性を算出するために用いられ得るBESTFITプログラム(例
えばその初期設定で用いられる)を提供する(Devereuxら、(1984) Nucleic Acids Resea
rch 12、387-395頁)。PILEUPおよびBLASTアルゴリズムは、相同性を算出す
るためまたは配列を列挙するために(等価残基または対応する配列を同定するステップな
ど(典型的にはその初期設定で))用いられ得る、例えばAltschul S.F.(1993)J Mol Evo
l 36:290-300;Altschul,S.Fら、(1990) J Mol Biol 215:403-10に記載のとおり。
BLAST分析を実施するためのソフトウエアは、the National Cen
ter for Biotechnology Information(http:/
/www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公開で入手可能である。この
アルゴリズムは、データベース配列中の同じ長さのワードで配列比較された場合にいくつ
かの正の値の閾値スコアTにマッチするまたは満たすクエリー配列中の長さWの短いワー
ドを同定することによって高スコアリング配列対(high scoring sequence pair)(HS
Ps)を最初に同定することに関与する。Tは、近傍ワードスコア閾値(neighbourhood
word score threshold)と称される(Altschul et al、上記)。これらの初期近傍ワード
ヒットは、それらを含有しているHSP’sを見出すための探索を開始するためのシード
として作用する。ワードヒットは、累積配列比較スコアが増加できる限り各配列に沿って
両方向に伸長される。各方向でのワードヒットについての伸長は:累積配列比較スコアが
その最大到達値から量X下がる;累積スコアが1つまたは複数の負のスコアリング残基配
列比較の蓄積のためにゼロもしくはそれ以下になる;またはいずれかの配列の末端に達す
る場合に停止する。BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXは、配列比較の
感度および速度を決定する。BLASTプログラムは、11のワード長(W)、BLOS
UM62スコアリングマトリクス(Henikoff and Henikoff (1992) Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 89: 10915-10919を参照されたい)50の配列比較(B)、10の期待値(E)
、M=5、N=4、および両鎖の比較を初期設定として使用する。
BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計解析を実施する。例えばKarl
in and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5787を参照されたい。
BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの測定は、最小合計確率(smal
lest sum probability)(P(N))であり、2つのアミノ酸配列間で偶然にマッチが生
じる確率の指標を提供する。例えば配列は、第1の配列と第2の配列との比較において最
小合計確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満および
最も好ましくは約0.001未満の場合に、別の配列と類似であると考えられる。
アミノ酸置換は、上に考察したものに加えて配列番号2のアミノ酸配列に作出され得る
(例えば1、2、3、4、5、10、20または30置換まで)。保存的置換は、アミノ
酸を同様の化学構造、同様の化学的特性または同様の側鎖容積を有する他のアミノ酸で置
き換える。導入されるアミノ酸は、それらが置き換えるアミノ酸と同様の極性、親水性、
疎水性、塩基性度、酸性度、中性度または電荷を有してよい。代替的に保存的置換は、既
存の芳香族または脂肪族アミノ酸の代わりに芳香族または脂肪族である別のアミノ酸を導
入する場合がある。保存的アミノ酸変更は、当技術分野において周知であり、下の表1に
定義のとおり20種の主なアミノ酸の特性に従って選択され得る。アミノ酸が同様の極性
を有する場合、これは表2におけるアミノ酸側鎖についてのハイドロパシースケールを参
照することによっても決定され得る。
変種は、ライセニンの相同体およびパラログにおける対応する位置(複数可)において
アミノ酸がそれらで置き換えられている、上に記載の領域の外側に1つまたは複数の置換
を含み得る。ライセニンの相同体の4例は、配列番号16から19に示されている。
配列番号2のアミノ酸配列の1つまたは複数のアミノ酸残基は、上に記載の変種から追
加的に欠失され得る。1、2、3、4、5、10、20または30残基までまたはそれ以
上が欠失され得る。
変種は、配列番号2の断片を含み得る。そのような断片は、ポア形成活性を保持する。
これは、上に記載のとおりアッセイされ得る。断片は、長さ少なくとも50、100、1
50、200または250アミノ酸であってよい。そのような断片は、本発明のポアを産
生するために用いられ得る。配列番号2のおよそ位置44からおよそ位置126由来の領
域が本発明による1つまたは複数の欠失によって修飾され得ることから、断片は領域全体
を含有する必要はない。したがって未修飾領域の長さより短い断片は、本発明によって想
定される。断片は、配列番号2のポア形成ドメインを好ましくは含む。断片は、本発明に
より修飾される配列番号2のおよそ位置44からおよそ位置126由来の領域をより好ま
しくは含む。
1つまたは複数のアミノ酸は、上に記載のポリペプチドに代替的または追加的に付加さ
れ得る。伸長は、配列番号2のアミノ酸配列またはそのポリペプチド変種もしくは断片の
アミノ末端またはカルボキシ末端に与えられ得る。伸長は極めて短い(例えば長さ1から
10アミノ酸)場合がある。代替的に伸長はより長くても(例えば50または100アミ
ノ酸まで)よい。担体タンパク質は、本発明によるアミノ酸配列に融合され得る。他の融
合タンパク質は、下により詳細に考察される。
上に考察したとおり変種は、配列番号2から変更され、ポアを形成する能力を保持して
いるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。変種は、典型的にはポア形成に関与する
配列番号2の領域、すなわちおよそ位置44からおよそ位置126を含有し、この領域は
上に考察したとおり本発明により修飾されている。それは、上に考察したとおりこの領域
の断片を含有する。本発明の修飾に加えて配列番号2の変種は、置換、付加または欠失な
どの1つまたは複数の追加的修飾を含み得る。これらの修飾は、配列番号2のおよそ位置
1からおよそ位置43およびおよそ位置127からおよそ位置297に対応する変種中の
ストレッチ(すなわち本発明により修飾される領域の外側)に好ましくは位置付けられる
変異体モノマーは、それらの同定または精製を支援するために、例えばヒスチジン残基
(histタグ)、アスパラギン酸残基(aspタグ)、ストレプトアビジンタグもしく
はフラッグタグの付加によって、または(細胞からのそれらの分泌を促進するためのシグ
ナル配列の付加によってポリペプチドが天然でそのような配列を含有しない場合に)修飾
され得る。遺伝子タグを導入するための別法は、ポア上の天然のまたは操作された位置に
タグを化学的に反応させることである。この例は、ポアの外側に操作されたシステインに
ゲルシフト試薬を反応させることである。これは、ヘモリジンヘテロ−オリゴマーを分離
するステップのための方法として実証されている(Chem Biol.1997 Jul;4(7):497-505)。
変異体モノマーは、明示標識(revealing label)で標識され得る。明示標識は、ポア
が検出されるようにする任意の好適な標識であってよい。好適な標識は、これだけに限ら
ないが蛍光分子、放射性同位元素(例えば125I、35S)、酵素、抗体、抗原、ポリ
ヌクレオチド、ポリエチレングリコール(PEG)、ペプチドおよびリガンド(ビオチン
など)を含む。
変異体モノマーは、D−アミノ酸を用いても生成され得る。例えば変異体モノマーは、
L−アミノ酸とD−アミノ酸との混合物を含み得る。これは、そのようなタンパク質また
はペプチドを生成するための当技術分野における従来法である。
変異体モノマーは、ポリヌクレオチドとの相互作用を促進するために1つまたは複数の
特異的修飾を含有する。変異体モノマーは、他の非特異的な修飾をそれらがポア形成を干
渉しない限り含有できる。多数の非特異的側鎖修飾が当技術分野において公知であり、変
異体モノマーの側鎖に作出され得る。そのような修飾は、例えばアルデヒドとの反応に続
くNaBHでの還元によるアミノ酸の還元的アルキル化、メチルアセトイミデート(me
thylacetimidate)でのアミジン化または無水酢酸でのアシル化を含む。
変異体モノマーは、当技術分野において公知の標準的方法を用いて生成され得る。単量
体は、合成的にまたは組換え手段によって作出され得る。例えばポアはin vitro
翻訳および転写(IVTT)によって合成され得る。ポアモノマーを生成するための好適
な方法は、国際出願第PCT/GB09/001690号(WO2010/004273
として公開)、第PCT/GB09/001679号(WO2010/004265とし
て公開)または第PCT/GB10/000133号(WO2010/086603とし
て公開)に考察されている。ポアを膜に挿入するための方法は下に考察されている。
変異体モノマーをコードするポリヌクレオチド配列は、当技術分野における標準的方法
を用いて得られ、複製され得る。そのような配列は、下により詳細に考察される。変異体
モノマーをコードするポリヌクレオチド配列は、当技術分野における標準的技術を用いて
細菌宿主細胞において発現され得る。変異体モノマーは、組換え発現ベクターからのポリ
ペプチドの原位置での発現によって細胞において生成され得る。場合により発現ベクター
は、ポリペプチドの発現を制御するために誘導性プロモーターを保持する。
変異体モノマーは、下に記載のように大規模に生成されることができ、ポア生成生物ま
たは組換え発現からの任意のタンパク質液体クロマトグラフィー系による精製が続く。典
型的なタンパク質液体クロマトグラフィー系は、FPLC、AKTA systems、
Bio−Cad system、Bio−Rad BioLogic systemおよ
びGilson HPLC systemを含む。次いで変異体モノマーは、天然に存在
するまたは人工の膜に本発明における使用のために挿入され得る。ポアを膜に挿入するた
めの方法は下に考察されている。
いくつかの実施形態では変異体モノマーは、化学的に修飾されている。変異体モノマー
は、任意の方法および任意の部位で化学的に修飾されている。変異体モノマーは、好まし
くは、1つまたは複数のシステインへの分子の付着(システイン連結)、1つまたは複数
のリジンへの分子の付着、1つまたは複数の非天然アミノ酸への分子の付着、エピトープ
の酵素修飾または末端の修飾によって化学的に修飾されている。そのような修飾を行うた
めの好適な方法は、当技術分野において周知である。好適な非天然アミノ酸は、これだけ
に限らないが、4−アジド−L−フェニルアラニン(Faz)およびLiu C. C. and Schu
ltz P. G.、Annu. Rev. Biochem.、2010、79、413-444の図1において1〜71と番号付
けられたアミノ酸のいずれか1つを含む。変異体モノマーは、任意の分子の付着によって
化学的に修飾されていてもよい。例えば変異体モノマーは、ポリエチレングリコール(P
EG)、DNAなどの核酸、色素、フルオロフォアまたはクロモフォアの付着によって化
学的に修飾されていてもよい。
いくつかの実施形態では変異体モノマーは、モノマーを含むポアと標的分析物、標的ヌ
クレオチドまたは標的ポリヌクレオチドと間の相互作用を促進する分子アダプターで化学
的に修飾されている。アダプターの存在は、ポアとヌクレオチドまたはポリヌクレオチド
とのホストゲスト化学を改善し、それにより変異体モノマーから形成されたポアの配列決
定能力を改善する。ホストゲスト化学の原理は、当技術分野において周知である。アダプ
ターは、ポアの物理的または化学的特性に効果を有し、ヌクレオチドまたはポリヌクレオ
チドとのその相互作用を改善する。アダプターは、ポアのバレルまたはチャネルの電荷を
変更できる、またはヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドに特異的に相互作用するもし
くは結合し、それによりポアとのその相互作用を促進する。
分子アダプターは、好ましくは環状分子(例えばシクロデキストリン)、ハイブリダイ
ゼーションできる分子種、DNA結合剤もしくはインターキレーター(interchelator)
、ペプチドもしくはペプチド類似物、合成ポリマー、芳香族平面分子、正に荷電した小分
子または水素結合できる小分子である。
アダプターは、環状であってよい。環状アダプターは、ポアと同じ対称性を好ましくは
有する。
アダプターは、典型的には分析物、ヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとホストゲス
ト化学を介して相互作用する。アダプターは、典型的にはヌクレオチドまたはポリヌクレ
オチドと相互作用できる。アダプターは、ヌクレオチドまたはポリヌクレオチドと相互作
用できる1つまたは複数の化学基を含む。1つまたは複数の化学基は、好ましくはヌクレ
オチドまたはポリヌクレオチドと、疎水性相互作用、水素結合、ファンデルワールス力、
π−カチオン相互作用および/または静電力などの非共有結合的相互作用によって相互作
用する。ヌクレオチドまたはポリヌクレオチドと相互作用できる1つまたは複数の化学基
は、好ましくは正に荷電している。ヌクレオチドまたはポリヌクレオチドと相互作用でき
る1つまたは複数の化学基は、より好ましくはアミノ基を含む。アミノ基は、一級、二級
または三級炭素原子に付着され得る。アダプターは、より好ましくはアミノ基6、7、8
または9個の環などのアミノ基の環を含む。アダプターは、最も好ましくはアミノ基6ま
たは9個の環を含む。プロトン化アミノ基の環は、ヌクレオチドまたはポリヌクレオチド
中の負に荷電したリン酸基と相互作用できる。
ポア中のアダプターの正確な位置付けは、アダプターと変異体モノマーを含むポアとの
間のホストゲスト化学によって促進され得る。アダプターは、ポア中の1つまたは複数の
アミノ酸と相互作用できる1つまたは複数の化学基を好ましくは含む。アダプターは、よ
り好ましくはポア中の1つまたは複数のアミノ酸と疎水性相互作用、水素結合、ファンデ
ルワールス力、π−カチオン相互作用および/または静電力などの非共有結合的相互作用
を介して相互作用できる1つまたは複数の化学基を含む。ポア中の1つまたは複数のアミ
ノ酸と相互作用できる化学基は、典型的にはヒドロキシルまたはアミンである。ヒドロキ
シル基は、一級、二級または三級炭素原子に付着され得る。ヒドロキシル基は、ポア中の
無荷電アミノ酸と水素結合を形成できる。ポアとヌクレオチドまたはポリヌクレオチドと
の間の相互作用を促進する任意のアダプターは、用いられ得る。
好適なアダプターは、これだけに限らないが、シクロデキストリン、環状ペプチドおよ
びククルビツリル(cucurbiturils)を含む。アダプターは、好ましくはシクロデキスト
リンまたはその誘導体である。シクロデキストリンまたはその誘導体は、Eliseev、A. V.
、and Schneider、H-J. (1994) J. Am. Chem. Soc. 116、6081-6088に開示のもののいず
れかであってよい。アダプターは、より好ましくはヘプタキス−6−アミノ−β−シクロ
デキストリン(am−βCD)、6−モノデオキシ−6−モノアミノ−β−シクロデキ
ストリン(am−βCD)またはヘプタキス−(6−デオキシ−6−グアニジノ)−シ
クロデキストリン(gu−βCD)である。gu−βCD中のグアニジノ基は、am
−βCD中の一級アミンよりもさらに高いpKaを有し、それによりさらに正に荷電し
ている。このgu−βCDアダプターは、ポア中のヌクレオチドの残存時間を増加させ
るために、測定される残基電流の正確さを増大させるためにおよび高温度での塩基検出速
度または低いデータ取得速度を増大させるために用いられ得る。
サクシニミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸(SPDP)架橋剤が下によ
り詳細に考察されるとおり用いられる場合、アダプターは、好ましくはヘプタキス(6−
デオキシ−6−アミノ)−6−N−モノ(2−ピリジル)ジチオプロパノイル−β−シク
ロデキストリン(amamPDP−βCD)である。
より好適なアダプターは、糖単位8個を含む(したがって8倍の対称性を有する)γ−
シクロデキストリンを含む。γ−シクロデキストリンは、リンカー分子を含み得るまたは
、上で考察されたβ−シクロデキストリン例において用いられた全てもしくはさらなる修
飾された糖単位を含むように修飾され得る。
分子アダプターは、好ましくは変異体モノマーに共有結合的に付着されている。アダプ
ターは、当技術分野において公知の任意の方法を用いてポアに共有結合的に付着され得る
。アダプターは、典型的には化学的連結を介して付着される。分子アダプターが、システ
イン連結を介して付着される場合、1つまたは複数のシステインは好ましくは置換によっ
て変異体に導入されている。本発明の変異体モノマーは、当然のことながら位置272お
よび283の1つまたは両方にシステイン残基を含み得る。変異体モノマーは、これらの
システインの1つまたは両方への分子アダプターの付着によって化学的に修飾されていて
もよい。代替的に変異体モノマーは、他の位置に導入された1つまたは複数のシステイン
または、FAzなどの非天然アミノ酸への分子の付着によって化学的に修飾されていても
よい。
システイン残基の反応性は、隣接残基の修飾によって増強され得る。例えば近接アルギ
ニン、ヒスチジンまたはリシン残基の塩基性基は、システインチオール基のpKaをより
反応性のS基のものに変化させる。システイン残基の反応性は、dTNBなどのチオー
ル保護基によって保護され得る。これらは、リンカーが付着する前に変異体モノマーの1
つまたは複数のシステイン残基と反応できる。分子は、変異体モノマーに直接付着され得
る。分子は、好ましくは化学的架橋剤またはペプチドリンカーなどのリンカーを用いて変
異体モノマーに付着される。
好適な化学的架橋剤は、当技術分野において周知である。好ましい架橋剤は、2,5−
ジオキソピロリジン−1−イル3−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロパノエー
ト、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル4−(ピリジン−2−イルジスルファニル)
ブタノエートおよび2,5−ジオキソピロリジン−1−イル8−(ピリジン−2−イルジ
スルファニル)オクタノエートを含む。最も好ましい架橋剤は、サクシニミジル3−(2
−ピリジルジチオ)プロピオン酸(SPDP)である。典型的には分子は、分子/架橋剤
複合体が変異体モノマーに共有結合的に付着される前に二官能性架橋剤に共有結合的に付
着されるが、二官能性架橋剤/モノマー複合体が分子に付着する前に二官能性架橋剤がモ
ノマーに共有結合的に付着することも可能である。
リンカーは、好ましくはジチオスレイトール(DTT)に抵抗性である。好適なリンカ
ーは、これだけに限らないが、ヨードアセトアミドに基づくおよびマレイミドに基づくリ
ンカーを含む。
他の実施形態ではモノマーは、ポリヌクレオチド結合タンパク質に付着され得る。これ
は、本発明の方法において用いられ得るモジュラー配列決定系を形成する。ポリヌクレオ
チド結合タンパク質は、下に考察される。
ポリヌクレオチド結合タンパク質は、変異体モノマーに共有結合的に付着され得る。タ
ンパク質は、当技術分野において公知の任意の方法を用いてポアに共有結合的に付着され
得る。モノマーおよびタンパク質は、化学的に融合または遺伝子的に融合され得る。モノ
マーおよびタンパク質は、構築物全体が単一のポリヌクレオチド配列から発現される場合
は、遺伝子的に融合される。ポアのポリヌクレオチド結合タンパク質への遺伝子的融合は
、国際出願第PCT/GB09/001679号(WO2010/004265として公
開)において考察されている。
ポリヌクレオチド結合タンパク質がシステイン連結を介して付着結合される場合、1つ
または複数のシステインは、好ましくは置換によって変異体に導入されている。そのよう
な置換は、相同体のなかで低い保存を有し、変異または挿入が許容され得ることを示唆す
るループ領域内に典型的には作られる。したがってそれらは、ポリヌクレオチド結合タン
パク質を付着するために好適である。そのような置換は、典型的には配列番号2の残基1
から43および127から297に作られる。システイン残基の反応性は、上に記載の修
飾によって増強され得る。
ポリヌクレオチド結合タンパク質は、変異体モノマーに直接または1つまたは複数のリ
ンカーを介して付着され得る。ポリヌクレオチド結合タンパク質は、国際出願第PCT/
GB10/000132号(WO2010/086602として公開)に記載のハイブリ
ダイゼーションリンカーを用いて変異体モノマーに付着され得る。代替的に、ペプチドリ
ンカーが用いられ得る。ペプチドリンカーは、アミノ酸配列である。ペプチドリンカーの
長さ、可動性および親水性は、典型的にはモノマーおよび分子の機能を妨害しないように
設計される。好ましい可動性ペプチドリンカーは、4、6、8、10または16個のセリ
ンおよび/またはグリシンアミノ酸などの2から20個のストレッチである。より好まし
い可動性リンカーは、(SG)、(SG)、(SG)、(SG)、(SG)
よび(SG)を含み、式中Sはセリン、Gはグリシンである。好ましい硬いリンカーは
、プロリンアミノ酸4、6、8、16または24個などの2から30個のストレッチであ
る。より好ましい硬いリンカーは、(P)12を含み、式中Pはプロリンである。
変異体モノマーは、分子アダプターおよびポリヌクレオチド結合タンパク質で化学的に
修飾されていてもよい。
変異体ライセニンモノマー作製
本発明は、配列番号2に示す配列を含むライセニンモノマーのポリヌクレオチドを特性
決定するための能力を改善する方法も提供する。方法は、配列番号2のおよそ位置44か
らおよそ位置126の領域内に、ポリヌクレオチドと相互作用するモノマーの能力を変更
し、ポアを形成するモノマーの能力に影響を与えない1つまたは複数の修飾を作るステッ
プを含む。変異体ライセニンモノマーを参照して上におよびポリヌクレオチドの特性決定
することを参照して下に考察するいずれの実施形態も本発明の方法に等しく適用される。
構築物
本発明は、ライセニン由来の2つ以上の共有結合的に付着されたモノマーを含む構築物
であって、モノマーの少なくとも1つが本発明の変異体ライセニンモノマーである構築物
も提供する。本発明の構築物は、ポアを形成するその能力を保持している。本発明の1つ
または複数の構築物は、標的分析物を特性決定するポアを形成するために用いられ得る。
本発明の1つまたは複数の構築物は、標的ポリヌクレオチドを配列決定するなどの標的ポ
リヌクレオチドを特性決定するためのポアを形成するために用いられ得る。構築物は、2
、3、4、5、6、7、8、9または10個以上のモノマーを含んでよい。2つ以上のモ
ノマーは、同じであっても異なっていてもよい。
少なくとも構築物中のモノマーは、本発明の変異体モノマーである。構築物中の他のモ
ノマーは、本発明の変異体モノマーでなくてもよい。例えば少なくとも1つのモノマーは
、配列番号2に示す配列を含んでよい。構築物中の少なくとも1つのモノマーは、配列番
号2のパラログまたは相同体であってよい。好適な相同体は、配列番号16から19に示
されている。
代替的に少なくとも1つのモノマーは、アミノ酸同一性に基づいてその配列全体にわた
って配列番号2に少なくとも50%相同性であるが、本発明の変異体モノマーに必要であ
るいずれの特異的変異も含まない配列番号2の変種を含み得る。より好ましくは変種は、
配列全体にわたって配列番号2のアミノ酸配列にアミノ酸同一性に基づいて少なくとも5
5%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少
なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、およびより好ましくは少なくと
も95%、97%または99%相同性であってよい。変種は、上に考察の断片または任意
の他の変種であってよい。本発明の構築物は、その配列全体にわたってアミノ酸同一性に
基づいて少なくとも50%相同性である、または配列番号16、17、18または19に
ついて上に述べた相同性の少なくとも任意の他のレベルの相同性である配列番号16、1
7、18または19の変種も含む。
構築物中の全てのモノマーは、本発明の変異体モノマーであってよい。変異体モノマー
は、同じであっても異なっていてもよい。さらに好ましい実施形態では、構築物はモノマ
ー2個を含み、モノマーの少なくとも1つは本発明の変異体モノマーである。
モノマーは、遺伝子的に融合され得る。構築物全体が単一のポリヌクレオチド配列から
発現される場合、モノマーは、遺伝子的に融合される。モノマーのコード配列は、構築物
をコードする単一のポリヌクレオチド配列を形成するために任意の方法で組み合わされ得
る。遺伝子的融合は、国際出願第PCT/GB09/001679号(WO2010/0
04265として公開)において考察されている。
モノマーは、任意の配置で遺伝子的に融合され得る。モノマーは、それらの末端アミノ
酸を介して融合され得る。例えば1つのモノマーのアミノ末端は、別のモノマーのカルボ
キシ末端に融合され得る。
2つ以上のモノマーは、直接合わせて遺伝子的に融合され得る。モノマーは、好ましく
はリンカーを用いて遺伝子的に融合される。リンカーは、モノマーの可動性を制限するよ
うに設計され得る。好ましいリンカーは、アミノ酸配列(すなわちペプチドリンカー)で
ある。上に考察の任意のペプチドリンカーが用いられ得る。
別の好ましい実施形態ではモノマーは、化学的に融合される。モノマーは、例えば化学
的架橋剤を介してそれらが化学的に付着される場合に化学的に融合されている。上に考察
の任意の化学的架橋剤が用いられ得る。リンカーは、変異体モノマーに導入された1つま
たは複数のシステイン残基または、Fazなどの非天然アミノ酸に付着され得る。代替的
にリンカーは、構築物中のモノマーの内の1つの末端に付着され得る。モノマーは、配列
番号2の残基1から43および127から297の1つまたは複数を介して典型的には連
結される。
構築物がさまざまなモノマーを含有する場合、モノマーのそれ自体への交差結合はリン
カーの濃度をモノマーより大過剰に保つことによって防ぎ得る。代替的に「鍵と鍵穴」配
置は、2つのリンカーが用いられる場合に用いられ得る。各リンカーの一方の末端だけが
より長いリンカーを形成するために合わせて反応でき、リンカーの他方の末端はそれぞれ
異なるモノマーと反応する。そのようなリンカーは国際出願第PCT/GB10/000
132号(WO2010/086602として公開)に記載されている。
本発明は、本発明の構築物を産生する方法も提供する。方法は、少なくとも1つの本発
明の変異体ライセニンモノマーをライセニン由来の1つまたは複数のモノマーに共有結合
的に付着させることを含む。本発明の構築物を参照して上に考察したいずれの実施形態も
構築物を産生する方法に等しく適用される。
ポリヌクレオチド
本発明は、本発明の変異体モノマーをコードするポリヌクレオチド配列も提供する。変
異体モノマーは、上に考察した任意のものであってよい。ポリヌクレオチド配列は、配列
全体にわたって配列番号1の配列にヌクレオチド同一性に基づいて少なくとも50%、6
0%、70%、80%、90%または95%相同性である配列を好ましくは含む。近接ヌ
クレオチドの300個以上(例えば375、450、525または600個以上)のスト
レッチにわたって少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%または95%ヌク
レオチド同一性であってよい(「高い相同性」)。相同性は、上に記載のとおり算出され
得る。ポリヌクレオチド配列は、遺伝子コードの縮重に基づいて配列番号1とは異なる配
列を含む場合がある。
本発明は、任意の遺伝子的に融合された本発明の構築物をコードするポリヌクレオチド
配列も提供する。ポリヌクレオチドは、配列番号1に示す2つ以上の配列または上に記載
のその変種を好ましくは含む。
ポリヌクレオチド配列は、当技術分野における標準的方法を用いて誘導および複製され
得る。野生型ライセニンをコードしている染色体DNAは、エイセニア・フェティダ(Ei
senia fetida)などのポア産生生物から抽出され得る。ポアモノマーをコードしている遺
伝子は、特異的プライマーを含むPCRを用いて増幅され得る。増幅された配列は、次い
で部位特異的変異導入を受ける。部位特異的変異導入の好適な方法は、当技術分野におい
て公知であり、例えば組合せ連鎖反応(combine chain reaction)を含む。本発明の構築
物をコードしているポリヌクレオチドは、Sambrook、J. and Russell、D. (2001). Molec
ular Cloning: A Laboratory Manual、3rd Edition. Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess、Cold Spring Harbor、NYに記載のものなどの周知の技術を用いて作られ得る。
得られたポリヌクレオチド配列は、次いでクローニングベクターなどの組換え複製可能
ベクターに組み込まれ得る。ベクターは、適合性宿主細胞においてポリヌクレオチドを複
製するために用いられ得る。したがってポリヌクレオチド配列は、ポリヌクレオチドを複
製可能ベクターに導入すること、ベクターを適合性宿主細胞に導入すること、および宿主
細胞をベクターの複製をもたらす条件下で増殖させることによって作られ得る。ベクター
は、宿主細胞から回収され得る。ポリヌクレオチドのクローニングのために好適な宿主細
胞は、当技術分野において公知であり、下により詳細に記載される。
ポリヌクレオチド配列は、好適な発現ベクターにクローニングされ得る。発現ベクター
では、ポリヌクレオチド配列は典型的には、宿主細胞によるコード配列の発現を提供でき
る制御配列に作動可能に連結される。そのような発現ベクターは、ポアサブユニットを発
現するために用いられ得る。
用語「作動可能に連結した」は、記載される構成成分がそれらの意図する様式で機能で
きる関係にある近位を指す。コード配列に「作動可能に連結した」制御配列は、制御配列
と適合性である条件下でコード配列の発現が達成されるように連結される。同じまたは異
なるポリヌクレオチド配列の複数のコピーがベクターに導入され得る。
次いで発現ベクターは、好適な宿主細胞に導入され得る。それにより本発明の変異体モ
ノマーまたは構築物は、ポリヌクレオチド配列を発現ベクターに挿入すること、ベクター
を適合性細菌宿主細胞に導入すること、および宿主細胞をポリヌクレオチド配列の発現を
もたらす条件下で増殖させることによって産生され得る。組換え的に発現されるモノマー
または構築物は、宿主細胞膜においてポアに自己会合できる。代替的に、この様式で産生
された組換えポアは、宿主細胞から除去されてよく、別の膜に挿入され得る。少なくとも
2つの異なるサブユニットを含むポアを産生する場合、上に記載のとおり異なるサブユニ
ットは異なる宿主細胞において別々に発現され、宿主細胞から除去され、ヒツジ赤血球膜
またはスフィンゴミエリン含有リポソームなどの別の膜中のポアに会合され得る。
ベクターは、例えば、複製開始点、場合により前記ポリヌクレオチド配列の発現のため
のプロモーターおよび場合によりプロモーターのレギュレーターと共に提供されるプラス
ミド、ウイルスまたはファージベクターであってよい。ベクターは、1つまたは複数の選
択可能マーカー遺伝子(例えばテトラサイクリン耐性遺伝子)を含有できる。プロモータ
ーおよび他の発現レギュレーションシグナルは、発現ベクターが設計される宿主細胞と適
合性であるように選択され得る。T7、trc、lac、araまたはλプロモーター
が典型的には用いられる。
宿主細胞は、高レベルでポアサブユニットを典型的には発現する。ポリヌクレオチド配
列で形質転換された宿主細胞は、細胞を形質転換するために用いられる発現ベクターに適
合性であるように選ばれる。宿主細胞は、典型的には細菌性であり、好ましくは大腸菌(
Escherichia coli)である。λDE3溶原性(lysogen)を有する任意の細胞、例えばC
41(DE3)、BL21(DE3)、JM109(DE3)、B834(DE3)、T
UNER、OrigamiおよびOrigami Bは、T7プロモーターを含むベクタ
ーを発現できる。上に列挙した条件に加えてProc Natl Acad Sci U S A. 2008 Dec 30;10
5(52):20647-52に引用された任意の方法もライセニンタンパク質を発現するために用いら
れ得る。
ポア
本発明は、種々のポアも提供する。本発明のポアは、分析物を特性決定するために理想
的である。本発明のポアは、それらが異なるヌクレオチド間を高感度で識別できることか
ら、配列決定などポリヌクレオチドを特性決定するために特に理想的である。ポアは、核
酸を配列決定することおよび単一塩基変化を同定することを含んで、DNAおよびRNA
などの核酸を特性決定するために用いられ得る。本発明のポアは、メチル化と未メチル化
ヌクレオチドとの間でさえ識別できる。本発明のポアの塩基分解能は、驚くほど高い。ポ
アは、4種全てのDNAヌクレオチドのほぼ完全な分離を示す。ポアは、ポア中の残存時
間およびポアを通って流れる電流に基づいてデオキシシチジン一リン酸(dCMP)とメ
チル−dCMPとを識別するためにさらに用いられ得る。
本発明のポアは、さまざまな条件下でも異なるヌクレオチド間を識別できる。具体的に
はポアは、ポリヌクレオチドを特性決定(配列決定など)するために適している条件下で
ヌクレオチド間を識別する。本発明のポアが異なるヌクレオチド間を識別できる程度は、
印加電位、塩濃度、緩衝液、温度ならびに、尿素、ベタインおよびDTTなどの添加物の
存在を変更することによって制御され得る。これは、ポアの機能が(特に配列決定のとき
に)微調整されることを可能にする。これは下でより詳細に考察される。本発明のポアは
、ヌクレオチド塩基ごとにヌクレオチドについてよりも、1つまたは複数のモノマーとの
相互作用からポリヌクレオチドポリマーを同定するためにも用いられ得る。
本発明のポアは、単離され得る、実質的に単離され得る、精製され得るまたは実質的に
精製され得る。脂質または他のポアなどの任意の他の構成成分を完全に含まない場合、本
発明のポアは、単離されているまたは精製されている。ポアは、その意図する使用を干渉
しない担体または希釈剤と混合されている場合、実質的に単離されている。例えばポアは
、脂質または他のポアなどの他の構成成分を10%未満、5%未満、2%未満または1%
未満含む形態で存在する場合、実質的に単離されているまたは実質的に精製されている。
代替的に本発明のポアは、脂質二重層中に存在する場合がある。
本発明のポアは、個別にまたは単一ポアとして存在できる。代替的に本発明のポアは、
均一なもしくは不均一な集団または2つ以上の複数のポアで存在できる。
ホモオリゴマーポア
本発明は、同一の本発明の変異体モノマーを含むライセニン由来のホモオリゴマーポア
も提供する。モノマーは、それらのアミノ酸配列に関して同一である。本発明のホモオリ
ゴマーポアは、配列決定など、ポリヌクレオチドを特性決定するために理想的である。本
発明のホモオリゴマーポアは、上に考察のいずれの有利点も有し得る。本発明の特異的ホ
モオリゴマーポアの有利点は、実施例において示されている。
ホモオリゴマーポアは、任意の数の変異体モノマーを含有できる。ポアは、典型的には
2つ以上の変異体モノマーを含む。1つまたは複数の変異体モノマーは、上に考察したと
おり好ましくは化学的に修飾されている。換言すると化学的に修飾された1つまたは複数
のモノマー(他は化学的に修飾されていない)は、各モノマーのアミノ酸配列が同一であ
る限り、ポアがホモオリゴマーであることを妨げない。
ライセニンポアを作るための方法は、実施例およびYamaji et al.、J. Biol. Chem. 19
98; 273(9): 5300-6に記載されている。
ヘテロオリゴマーポア
本発明は、少なくとも1つの本発明の変異体モノマーを含むライセニン由来ヘテロオリ
ゴマーポアであって、少なくとも1つのモノマーは他と異なっているヘテロオリゴマーポ
アも提供する。モノマーは、そのアミノ酸配列に関して他と異なっている。本発明のヘテ
ロオリゴマーポアは、配列決定などポリヌクレオチドを特性決定するために理想的である
。ヘテロオリゴマーポアは、当技術分野において公知の方法を用いて作られ得る(例えば
Protein Sci. 2002 Jul;11(7):1813-24)。
ヘテロオリゴマーポアは、ポアを形成するために十分なモノマーを含有する。モノマー
は任意の種類であってよい。ポアは、典型的には2つ以上のモノマーを含む。
ポアは、配列番号2に示す配列を含む少なくとも1つのモノマー、そのパラログ、その
相同体または本発明の変異体モノマーに必要である変異を有さないその変種を含み得る。
好適な変種は、配列番号2、16、17、18および19ならびにその変種を含んで、本
発明の構築物を参照して上に考察されたもののいずれかである。本実施形態では残りのモ
ノマーは、好ましくは本発明の変異体モノマーである。
好ましい実施形態ではポアは(a)本発明の1つの変異体モノマーおよび(b)前記ポ
アを形成するための十分な数の同一モノマーを含み、(a)における前記変異体モノマー
は(b)における同一モノマーとは異なる。(b)における同一モノマーは、配列番号2
に示す配列、そのパラログ、その相同体または本発明の変異体モノマーに必要である変異
を有さないその変種を好ましくは含む。
本発明のヘテロオリゴマーポアは、本発明の変異体ライセニンモノマーを好ましくは1
つだけ含む。
別の好ましい実施形態では、ヘテロオリゴマーポア中の全てのモノマーは、本発明の変
異体モノマーであり、それらの内の少なくとも1つは他と異なる。
上に考察した全ての実施形態では、上に考察したとおり1つまたは複数の変異体モノマ
ーは好ましくは化学的に修飾されている。1つのモノマーへの化学修飾の存在は、ポアを
ヘテロオリゴマー化させない。少なくとも1つのモノマーのアミノ酸配列は、他のモノマ
ーの配列(複数可)とは異なっていなければならない。ポアを作るための方法は、下によ
り詳細に考察される。
構築物含有ポア
本発明は、少なくとも1つの本発明の構築物を含むポアも提供する。本発明の構築物は
、ライセニン由来の2つ以上の共有結合的に付着されたモノマーを含み、少なくとも1つ
のモノマーは、本発明の変異体ライセニンモノマーである。換言すると構築物は、1つよ
り多いモノマーを含有しなければならない。ポア中の少なくとも2つのモノマーは、本発
明の構築物の形態にある。モノマーは任意の種類でよい。
ポアは典型的には(a)2つのモノマーを含む1つの構築物および(b)ポアを形成す
るために十分な数のモノマー、を含有する。構築物は、上に考察されたもののいずれであ
ってもよい。モノマーは、本発明の変異体モノマーを含んで、上に考察されたもののいず
れであってもよい。
別の典型的ポアは、2つ、3つまたは4つの本発明の構築物などの1つより多い本発明
の構築物を含む。そのようなポアは、ポアを形成するために十分な数のモノマーをさらに
含む。モノマーは、上に考察されたもののいずれであってもよい。本発明のさらなるポア
は、2つのモノマーを含む構築物だけを含む。本発明による特異的ポアは、それぞれが2
つのモノマーを含むいくつかの構築物を含む。構築物は、各構築物から1つだけのモノマ
ーがポアに寄与するような構造を有するポアにオリゴマー形成できる。典型的には構築物
の他のモノマー(すなわちポアを形成しないもの)は、ポアの外側にある。
変異は、上に記載のとおり構築物に導入され得る。変異は、変更であってよい、すなわ
ち変異は2つのモノマー構築物内の各モノマーについて異なっており、構築物はホモオリ
ゴマーとして会合し、修飾の変更をもたらす。換言すると、MutAおよびMutBを含
むモノマーは、A−B:A−B:A−B:A−Bポアを形成するように融合および会合す
る。代替的に変異は、隣接していてよい(すなわち同一の変異が構築物中の2つモノマー
に導入され、次いでこれは異なる変異体モノマーとオリゴマー形成される)。換言すると
、MutAを含むモノマーは融合され、A−A:B:B:B:B:B:Bを形成するため
のMutB−含有モノマーとのオリゴマー形成が続く。
ポアを含有する構築物中の本発明の1つまたは複数のモノマーは、上に考察したとおり
化学的に修飾されていてもよい。
本発明のポアの産生
本発明は、本発明のポアを産生する方法も提供する。方法は、少なくとも1つの本発明
の変異体モノマーまたは少なくとも1つの本発明の構築物が十分な数の本発明の変異体ラ
イセニンモノマー、本発明の構築物またはライセニン由来モノマーとポアを形成するよう
にオリゴマー形成できるようにするステップを含む。方法が本発明のホモオリゴマーポア
を作るステップに関する場合、方法において用いられる全てのモノマーは同一のアミノ酸
配列を有する本発明の変異体ライセニンモノマーである。方法が本発明のヘテロオリゴマ
ーポアを作るステップに関する場合、少なくとも1つのモノマーは他と異なっている。本
発明のポアを参照して上に考察されたいずれの実施形態もポアを産生する方法に等しく適
用される。
本発明のポアを作る好ましい方法は、実施例1に開示されている。
分析物を特性決定する方法
本発明は、標的分析物を特性決定する方法を提供する。方法は、標的分析物を本発明の
ポアに接触させて、標的分析物がポアを通って移動するようにするステップを含む。次い
で、分析物がポアに関して移動するときに、標的分析物の1つまたは複数の特性を当技術
分野において公知の標準的方法を用いて測定する。標的分析物の1つまたは複数の特性は
、分析物がポアを通って移動するときに好ましくは測定される。ステップ(a)および(
b)は、好ましくはポアに電位が印加されて実行される。下により詳細に考察されるとお
り、印加された電位は、ポアとポリヌクレオチド結合タンパク質との複合体の形成を典型
的には生じる。印加された電位は、電圧電位であってよい。代替的に印加された電位は、
化学電位であってよい。この一例は、両親媒性層全体に塩勾配を用いている。塩勾配は、
Holdenら、J Am Chem Soc. 2007 Jul 11;129(27):8650-5に開示されている。
本発明の方法は、標的分析物を特性決定するためである。方法は、少なくとも1つの分
析物を特性決定するためである。方法は、2つ以上の分析物を特性決定することに関する
場合がある。方法は、2、5、10、15、20、30、40、50、100個以上の分
析物などの任意の数の分析物を特性決定することを含み得る。
標的分析物は、好ましくは金属イオン、無機塩、ポリマー、アミノ酸、ペプチド、ポリ
ペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、色素、
漂白剤、医薬品、診断薬、レクリエーショナルドラッグ、爆発物または環境汚染物質であ
る。方法は、2つ以上のタンパク質、2つ以上のヌクレオチドまたは2つ以上の医薬品な
どの同じ種類の2つ以上の分析物を特性決定することに関する場合がある。代替的に方法
は、1つまたは複数のタンパク質、1つまたは複数のヌクレオチドおよび1つまたは複数
の医薬品などの2つ以上の異なる種類の分析物を特性決定することに関する場合がある。
標的分析物は、細胞から分泌される場合がある。代替的に標的分析物は、本発明が実行
される前に分析物が細胞から抽出されなければならないような細胞内に存在する分析物で
あってよい。
分析物は、好ましくはアミノ酸、ペプチド、ポリペプチドおよび/またはタンパク質で
ある。アミノ酸、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は天然に存在するまたは天然
に存在しないものでよい。ポリペプチドまたはタンパク質は、その中に合成または修飾ア
ミノ酸を含んでもよい。アミノ酸への多数の異なる種類の修飾が当技術分野において公知
である。好適なアミノ酸およびその修飾は上記である。本発明の目的のために、標的分析
物が当技術分野において利用可能な任意の方法によって修飾され得ることは理解される。
タンパク質は、酵素、抗体、ホルモン、増殖因子または、サイトカインなどの増殖調節
タンパク質であってよい。サイトカインは、インターロイキン(好ましくはIFN−1、
IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−12およびI
L−13)、インターフェロン(好ましくはIL−γ)およびTNF−αなどの他のサイ
トカインから選択され得る。タンパク質は、細菌性タンパク質、真菌性タンパク質、ウイ
ルスタンパク質または寄生生物由来タンパク質であってよい。
標的分析物は、好ましくはヌクレオチド、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド
である。ヌクレオチドは、典型的には、核酸塩基、糖および少なくとも1つのリン酸基を
含有する。核酸塩基は典型的には複素環である。核酸塩基は、これだけに限らないがプリ
ンおよびピリミジンならびにより具体的にはアデニン、グアニン、チミン、ウラシルおよ
びシトシンを含む。糖は典型的には五炭糖である。ヌクレオチド糖は、これだけに限らな
いがリボースおよびデオキシリボースを含む。ヌクレオチドは、典型的にはリボヌクレオ
チドまたはデオキシリボヌクレオチドである。ヌクレオチドは典型的には一リン酸、二リ
ン酸または三リン酸を含有する。リン酸は、ヌクレオチドの5’または3’側に付着でき
る。
ヌクレオチドは、これだけに限らないが、アデノシン一リン酸(AMP)、アデノシン
二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、グアノシン一リン酸(GMP)、
グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)、チミジン一リン酸(T
MP)、チミジン二リン酸(TDP)、チミジン三リン酸(TTP)、ウリジン一リン酸
(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)、ウリジン三リン酸(UTP)、シチジン一リ
ン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)、シチジン三リン酸(CTP)、5−メチ
ルシチジン一リン酸、5−メチルシチジン二リン酸、5−メチルシチジン三リン酸、5−
ヒドロキシメチルシチジン一リン酸、5−ヒドロキシメチルシチジン二リン酸、5−ヒド
ロキシメチルシチジン三リン酸、環状アデノシン一リン酸(cAMP)、環状グアノシン
一リン酸(cGMP)、デオキシアデノシン一リン酸(dAMP)、デオキシアデノシン
二リン酸(dADP)、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン
一リン酸(dGMP)、デオキシグアノシン二リン酸(dGDP)、デオキシグアノシン
三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン一リン酸(dTMP)、デオキシチミジン二リ
ン酸(dTDP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、デオキシウリジン一リン酸
(dUMP)、デオキシウリジン二リン酸(dUDP)、デオキシウリジン三リン酸(d
UTP)、デオキシシチジン一リン酸(dCMP)、デオキシシチジン二リン酸(dCD
P)およびデオキシチジン三リン酸(dCTP)、5−メチル−2’−デオキシシチジン
一リン酸、5−メチル−2’−デオキシシチジン二リン酸、5−メチル−2’−デオキシ
チジン三リン酸、5−ヒドロキシメチル−2’−デオキシシチジン一リン酸、5−ヒドロ
キシメチル−2’−デオキシシチジン二リン酸および5−ヒドロキシメチル−2’−デオ
キシチジン三リン酸を含む。ヌクレオチドは、好ましくはAMP、TMP、GMP、UM
P、dAMP、dTMP、dGMPまたはdCMPから選択される。ヌクレオチドは塩基
を持たない場合がある(すなわち核酸塩基を欠失している)。ヌクレオチドは、追加的修
飾を含有する場合がある。具体的には、好適な修飾ヌクレオチドは、これだけに限らない
が、2’アミノピリミジン(2’−アミノシチジンおよび2’−アミノウリジンなど)、
2’−ヒドロキシルプリン、2’−フルオロピリミジン(2’−フルオロシチジンおよび
2’フルオロウリジンなど)、ヒドロキシルピリミジン(5’−α−P−ボラノウリジン
など)、2’−O−メチルヌクレオチド(2’−O−メチルアデノシン、2’−O−メチ
ルグアノシン、2’−O−メチルシチジンおよび2’−O−メチルウリジンなど)、4’
−チオピリミジン(4’−チオウリジンおよび4’−チオシチジンなど)ならびに核酸塩
基の修飾を有するヌクレオチド(5−ペンチニル−2’−デオキシウリジン、5−(3−
アミノプロピル)−ウリジンおよび1,6−ジアミノヘキシル−N−5−カルバモイルメ
チルウリジンなど)を含む。
オリゴヌクレオチドは、40個以下、30個以下、20個以下、10個以下または5個
以下のヌクレオチドなどの50個以下のヌクレオチドを典型的には有する短いヌクレオチ
ドポリマーである。オリゴヌクレオチドは、塩基を持たないおよび修飾ヌクレオチドを含
む上に考察した任意のヌクレオチドを含んでよい。本発明の方法は、好ましくは標的ポリ
ヌクレオチドを特性決定するためである。核酸などのポリヌクレオチドは、2つ以上のヌ
クレオチドを含む巨大分子である。ポリヌクレオチドまたは核酸は、任意のヌクレオチド
の任意の組合せを含んでよい。ヌクレオチドは、天然に存在するまたは人工物であってよ
い。標的ポリヌクレオチド中の1つまたは複数のヌクレオチドは、酸化またはメチル化さ
れてよい。標的ポリヌクレオチド中の1つまたは複数のヌクレオチドは、損傷を受けてい
てよい。例えばポリヌクレオチドは、ピリミジン二量体を含んでよい。そのような二量体
は、典型的には紫外線による損傷と関連しており、皮膚メラノーマの主原因である。標的
ポリヌクレオチド中の1つまたは複数のヌクレオチドは、例えば標識またはタグで修飾さ
れ得る。好適な標識は、上に記載されている。標的ポリヌクレオチドは、1つまたは複数
のスペーサーを含んでよい。
ヌクレオチドは上に定義されている。ポリヌクレオチド中に存在するヌクレオチドは、
これだけに限らないが、アデノシン一リン酸(AMP)、グアノシン一リン酸(GMP)
、チミジン一リン酸(TMP)、ウリジン一リン酸(UMP)、シチジン一リン酸(CM
P)、環状アデノシン一リン酸(cAMP)、環状グアノシン一リン酸(cGMP)、デ
オキシアデノシン一リン酸(dAMP)、デオキシグアノシン一リン酸(dGMP)、デ
オキシチミジン一リン酸(dTMP)、デオキシウリジン一リン酸(dUMP)およびデ
オキシシチジン一リン酸(dCMP)を典型的には含む。ヌクレオチドは、好ましくはA
MP、TMP、GMP、CMP、UMP、dAMP、dTMP、dGMP、dCMPおよ
びdUMPから選択される。
ヌクレオチドは塩基を持たない場合がある(すなわち核酸塩基を欠失している)。
ポリヌクレオチド中のヌクレオチドは、任意の様式で相互に付着していてよい。ヌクレ
オチドは、核酸中のそれらの糖およびリン酸基で典型的には付着される。ヌクレオチドは
、ピリミジン二量体においてと同様にそれらの核酸塩基を介して繋がってよい。
ポリヌクレオチドは、1本鎖または2本鎖であってよい。ポリヌクレオチドの少なくと
も一部は、好ましくは2本鎖である。1本鎖ポリヌクレオチドは、それらにハイブリダイ
ズした1つまたは複数のプライマーを有してよく、それにより2本鎖ポリヌクレオチドの
1つまたは複数の短い領域を含む。プライマーは、標的ポリヌクレオチドと同じ種類のポ
リヌクレオチドまたは異なる種類のポリヌクレオチドであってよい。
ポリヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)などの核
酸であってよい。標的ポリヌクレオチドは、DNAの1本鎖にハイブリダイズしたRNA
の1本鎖を含む場合がある。ポリヌクレオチドは、ペプチド核酸(PNA)、グリセロー
ル核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)、ロックド核酸(LNA)またはヌクレオ
チド側鎖を有する他の合成ポリマーなどの当技術分野において公知の任意の合成核酸であ
ってよい。
標的ポリヌクレオチドの全体または部分だけは、本方法を用いて特性付けられ得る。標
的ポリヌクレオチドは、任意の長さであってよい。例えばポリヌクレオチドは、長さ少な
くとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200
、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも400または少なくとも500ヌク
レオチド対であってよい。ポリヌクレオチドは、1000ヌクレオチド対以上、長さ50
00ヌクレオチド対以上または長さ100000ヌクレオチド対以上であってよい。
標的分析物、例えば標的ポリヌクレオチドは、任意の好適な試料中に存在する。本発明
は、標的分析物、例えば標的ポリヌクレオチドを含有することが公知であるまたは含有す
ると考えられる試料について典型的には実行される。代替的に本発明は、1つまたは複数
の標的分析物、例えば標的ポリヌクレオチドの同一性を確認するために試料中でのその存
在が公知であるまたは期待される試料について実行され得る。
試料は生物学的試料であってよい。本発明は、任意の生物または微生物から得られたま
たは抽出された試料についてin vitroで実行されてよい。生物または微生物は典
型的には始生代のもの、原核性または真核性であり、典型的には五界:植物界、動物界、
菌界、モネラ界および原生生物界に属する。本発明は、任意のウイルスから得られたまた
は抽出された試料についてin vitroで実行されてよい。試料は、好ましくは液体
試料である。試料は典型的には、患者の体液を含む。試料は尿、リンパ液、唾液、粘液ま
たは羊水であってよいが、好ましくは血液、血漿または血清である。典型的には試料は、
ヒト由来であるが、代替的に、ウマ、ウシ、ヒツジまたはブタなどの商業的に飼育される
動物由来などの別の哺乳動物由来であってもよく、代替的にネコまたはイヌなどの愛玩動
物であってもよい。代替的に植物由来の試料は、穀類、マメ、果実または野菜などの商品
作物(例えばコムギ、オオムギ、カラスムギ、セイヨウアブラナ、トウモロコシ、ダイズ
、イネ、バナナ、リンゴ、トマト、ジャガイモ、ブドウ、タバコ、マメ、レンズマメ、サ
トウキビ、ココア、ワタ)から典型的には得られる。
試料は、非生物学的試料であってよい。非生物学的試料は、好ましくは液体試料である
。非生物学的試料の例は、手術用液(surgical fluids)、水(飲料水、海水または河川
水など)および検査室検査のための試薬を含む。
試料は、典型的にはアッセイされる前に例えば遠心分離によってまたは、不要の分子ま
たは細胞(赤血球細胞など)をろ過して除く膜を通すことによって処理される。試料は採
取されてから直ちに測定されてよい。試料は、典型的にはアッセイの前に好ましくは−7
0℃より低くで、保存されてもよい。
ポアは、典型的には膜に存在する。任意の膜が本発明により用いられ得る。好適な膜は
、当技術分野において周知である。膜は、好ましくはスフィンゴミエリンを含む。膜は、
好ましくは両親媒性層である。両親媒性層は、少なくとも1つの親水性部分および少なく
とも1つの親油性または疎水性部分の両方を有するリン脂質などの両親媒性分子から形成
された層である。両親媒性分子は、合成的または天然に存在してよい。天然に存在しない
両親媒性物質および単層を形成する両親媒性物質は当技術分野において公知であり、例え
ばブロックコポリマー(Gonzalez-Perez et al.、Langmuir、2009、25、10447-10450)を
含む。ブロックコポリマーは、2つ以上のモノマーサブユニットが単一のポリマー鎖を作
製するように合わせて重合されているポリマー性材料である。ブロックコポリマーは、各
モノマーサブユニットによって寄与されている特質を典型的には有する。しかしブロック
コポリマーは、個別のサブユニットから形成されたポリマーが有さない固有の特質を有す
る場合がある。ブロックコポリマーは、水性媒体中でモノマーサブユニットの1つが疎水
性(すなわち親油性)であり、他のサブユニット(複数可)が親水性であるように操作さ
れ得る。この場合ブロックコポリマーは、両親媒性特質を有することができ、生物学的膜
を模倣する構造を形成できる。ブロックコポリマーは、ジブロック(2つのモノマーサブ
ユニットからなる)であってよいが、両親媒性として挙動するより複雑な配置を形成する
ように2つより多いモノマーサブユニットから構築される場合もある。コポリマーは、ト
リブロック、テトラブロックまたはペンタブロックコポリマーであってもよい。
両親媒性層は、単層または二重層であってよい。両親媒性層は、典型的には平面脂質二
重層または支持された二重層である。
両親媒性層は、典型的には脂質二重層である。脂質二重層は細胞膜のモデルであり、さ
まざまな実験研究のための優れたプラットフォームとして役立つ。例えば、脂質二重層は
、単一チャネル記録による膜タンパク質のin vitro調査のために用いられ得る。
代替的に脂質二重層は、さまざまな物質の存在を検出するためのバイオセンサーとして用
いられ得る。脂質二重層は、任意の脂質二重層であってよい。好適な脂質二重層は、これ
だけに限らないが平面状脂質二重層、支持された二重層またはリポソームを含む。脂質二
重層は好ましくは平面状脂質二重層である。好適な脂質二重層は、国際出願第PCT/G
B08/000563号(WO2008/102121として公開)、国際出願第PCT
/GB08/004127号(WO2009/077734として公開)および国際出願
第PCT/GB2006/001057号(WO2006/100484として公開)に
開示されている。
脂質二重層を形成するための方法は、当技術分野において公知である。好適な方法は実
施例に開示する。脂質二重層は、脂質単層が水溶液/空気界面にその界面に垂直である開
口部のいずれかの端を通って運ばれる、モンタルおよびミューラーの方法(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA.、1972;69:3561-3566)によって一般的には形成される。
モンタルおよびミューラーの方法は、タンパク質ポア挿入のために好適である良質な脂
質二重層を形成する対費用効果が高くて比較的簡単な方法であることから一般的である。
二重層形成の他の一般的方法は、チップディッピング、ペインティング二重層およびリポ
ソーム二重層のパッチクランピングを含む。
好ましい実施形態では、脂質二重層は国際出願第PCT/GB08/004127号(
WO2009/077734として公開)に記載のとおり形成される。別の好ましい実施
形態では、膜は、ソリッドステート層である。ソリッドステート層は生物由来ではない。
換言すると、ソリッドステート層は、生物または細胞などの生物学的環境由来でなく、ま
たはそれから単離されず、生物学的に入手可能な構造の合成的に製造されたバージョンで
もない。ソリッドステート層は、これだけに限らないがミクロ電子材料、Si、A
およびSiOなどの絶縁材料、ポリアミドなどの有機および無機ポリマー、Te
flon(登録商標)などのプラスチックまたは2要素添加硬化シリコンゴム(two-comp
onent addition-cure silicone rubber)などのエラストマーならびにガラスを含む有機
材料ならびに無機材料の両方から形成され得る。ソリッドステート層は、グラフェン(gr
aphene)などの一原子層からまたは数原子厚だけである層から形成され得る。好適なグラ
フェン(graphene)層は、国際出願第PCT/US2008/010637号(WO20
09/035647として公開)に開示されている。
方法は、(i)ポアを含む両親媒性層、(ii)ポアを含む単離された天然に存在する
脂質二重層、または(iii)挿入されたポアを有する細胞を用いて典型的には実行され
る。方法は、人工両親媒性層、例えば人口脂質二重層を用いて典型的には実行される。層
は、ポアに加えて他の膜貫通タンパク質および/または膜内タンパク質ならびに他の分子
を含んでもよい。好適な装置および条件は、下に考察される。本発明の方法は、典型的に
はin vitroで実行される。分析物、例えば標的ポリヌクレオチドは、膜にカップ
リングされ得る。これは、任意の公知の方法を用いてされ得る。膜が脂質二重層などの両
親媒性層である場合は(下に詳細に考察されるとおり)、分析物、例えば標的ポリヌクレ
オチドは、膜に存在するポリペプチドまたは膜に存在する疎水性アンカーを介して膜に好
ましくはカップリングされる。疎水性アンカーは、好ましくは脂質、脂肪酸、ステロール
、カーボンナノチューブまたはアミノ酸である。
分析物、例えば標的ポリヌクレオチドは膜に直接カップリングされ得る。分析物、例え
ば標的ポリヌクレオチドは好ましくは膜にリンカーを介してカップリングされる。好まし
いリンカーは、これだけに限らないがポリヌクレオチド、ポリエチレングリコール(PE
G)およびポリペプチドなどのポリマーを含む。ポリヌクレオチドが膜に直接カップリン
グされる場合、膜とポア内部との間の距離のためにポリヌクレオチドの末端まで特性決定
が継続できないことから、いくらかのデータが失われる。リンカーが用いられる場合、ポ
リヌクレオチドは完了まで処理され得る。リンカーが用いられる場合、リンカーはポリヌ
クレオチドの任意の位置に付着され得る。リンカーは、テールポリマーでポリヌクレオチ
ドに好ましくは付着される。
カップリングは、安定または一過的であってよい。ある種の応用に関してカップリング
の一過的な性質は好ましい。安定カップリング分子がポリヌクレオチドの5’末端または
3’末端のいずれかに直接付着された場合、二重層とポア内部との間の距離のためにポリ
ヌクレオチドの末端まで特性決定が継続できないことから、いくらかのデータが失われる
。カップリングが一過的である場合、カップリングされた端は無作為に二重層から遊離し
、ポリヌクレオチドは完了まで処理され得る。安定なまたは一過的連結を膜と形成する化
学基は、下により詳細に考察される。分析物、例えば標的ポリヌクレオチドは、コレステ
ロール(cholesterol)または脂肪酸アシル鎖を用いて両親媒性層、例えば脂質二重層に
一過的にカップリングされ得る。ヘキサデカン酸などの長さ6から30までの炭素原子を
有する任意の脂肪酸アシル鎖は用いられ得る。
好ましい実施形態では、分析物、例えば標的ポリヌクレオチドは、両親媒性層にカップ
リングされる。合成脂質二重層への分析物、例えば標的ポリヌクレオチドのカップリング
は、種々の異なるテザーリング戦略で既に実行されている。これらを下の表3に要約する
ポリヌクレオチドは、合成反応において修飾ホスホラミダイトを用いて官能基化される
ことができ、チオール、コレステロール(cholesterol)、脂質およびビオチン基などの
反応基の付加に容易に適合される。これらのさまざまな付着化学物質は、ポリヌクレオチ
ドに一連の付着選択肢をもたらす。さまざまな各修飾基は、わずかに異なる方法でポリヌ
クレオチドを繋ぎ止め、カップリングは常に永久的ではなく、二重層へのさまざまな残存
時間をポリヌクレオチドにもたらす。一過的カップリングの有利点は、上に考察される。
ポリヌクレオチドのカップリングは、反応基がポリヌクレオチドに付加され得る限り多
数の他の手段によっても達成され得る。DNAのいずれかの端への反応基の付加は既に報
告されている。チオール基はポリヌクレオチドキナーゼおよびATPγSを用いてssD
NAの5’に付加され得る(Grant,G.P.およびP.Z.Qin (2007) "A facile method for att
aching nitroxide spin labels at the 5' terminus of nucleic acids." Nucleic Acids
Res 35(10):e77)。ビオチン、チオールおよびフルオロフォア(fluorophore)などの化
学基のより多様な選択は、修飾オリゴヌクレオチドをssDNAの3’に組み込むために
ターミナルトランスフェラーゼを用いて付加され得る(Kumar,A.,P.Tchenら、(1988)."Non
radioactive labeling of synthetic oligonucleotide probes with terminal deoxynucl
eotidyl transferase." Anal Biochem 169(2):376-82)。
代替的に反応基は、二重層に既にカップリングされたものに相補的なDNAの短片の付
加のために考慮される場合があり、付着はハイブリダイゼーションを介して達成され得る
。ssDNAの短片のライゲーションは、T4RNAリガーゼIを用いて報告されている
(Troutt,A.B.,M.G.McHeyzer-Williamsら、(1992)."Ligation-anchored PCR: a simple am
plification technique with single-sided specificity." Proc Natl Acad Sci U S A 8
9(20):9823-5)。代替的にssDNAまたはdsDNAのいずれかは、天然dsDNAに
ライゲーションされることができ、次いで2本鎖は熱的または化学的変性によって分離さ
れた。天然dsDNAについて、ssDNAの1片を二重鎖の1つもしくは両方の端に、
またはdsDNAを1つまたは両方の端へのいずれかで付加できる。次いで、二重鎖が融
解される際に、ssDNAが5’末端、3’末端もしくは両端でのライゲーションもしく
は修飾のために用いられ、dsDNAがライゲーションのために用いられた場合、各一重
鎖は5’または3’修飾のいずれかを有する。ポリヌクレオチドが合成鎖である場合、カ
ップリング化学はポリペプチドの化学合成の際に組み込まれ得る。例えばポリヌクレオチ
ドは、反応基が付着されたプライマーを用いて合成され得る。
ゲノムDNAのセクションの増幅のための一般的技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)を用いている。本明細書では、2個の合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いてD
NAの同じセクションの多数の複製物が作製される場合があり、各複製物について二重鎖
中の各鎖の5’は合成ポリヌクレオチドである。コレステロール(cholesterol)、チオ
ール(thiol)、ビオチン(biotin)または脂質などの反応基を有するアンチセンスプラ
イマーを用いるステップによって、増幅された標的DNAの各複製物は、カップリングの
ための反応基を含有する。
本発明の方法において用いられるポアは、本発明のポア(すなわち少なくとも1つの本
発明の変異体モノマーまたは少なくとも1つの本発明の構築物を含むポア)である。ポア
は、上に考察した任意の方法で化学的に修飾されていてもよい。ポアは、上に考察したと
おり標的分析物と相互作用できる共有結合アダプターで好ましくは修飾されている。
方法は、好ましくは標的ポリヌクレオチドを特性決定するためであり、ステップ(a)
は標的ポリヌクレオチドをポアおよびポリヌクレオチド結合タンパク質に接触させるステ
ップを含み、タンパク質はポアを通る標的ポリヌクレオチドの移動を制御する。ポリヌク
レオチド結合タンパク質は、ポリヌクレオチドに結合でき、ポアを通るその移動を制御で
きる任意のタンパク質であってよい。タンパク質がポリヌクレオチドに結合するかどうか
を決定することは当技術分野において簡単である。タンパク質は、典型的にはポリヌクレ
オチドの少なくとも1つの特質と相互作用し、修飾する。タンパク質は、個別のヌクレオ
チドまたはジ−もしくはトリヌクレオチドなどのヌクレオチドの短い鎖を形成するように
切断することによってポリヌクレオチドを修飾できる。成分は、それを特異的位置に方向
付けるまたは移動させること、すなわちその移動を制御することによって、ポリヌクレオ
チドを修飾できる。
ポリヌクレオチド結合タンパク質は、好ましくはポリヌクレオチド処理酵素(handling
enzyme)である。ポリヌクレオチド処理酵素は、ポリヌクレオチドの少なくとも1つの
特質と相互作用および修飾できるポリペプチドである。酵素は、個別のヌクレオチドまた
はジ−もしくはトリヌクレオチドなどのヌクレオチドの短い鎖を形成するように切断する
ことによってポリヌクレオチドを修飾できる。酵素は、それを特異的位置に方向付けるま
たは移動させることによって、ポリヌクレオチドを修飾できる。ポリヌクレオチド処理酵
素は、それが標的配列に結合でき、ポアを通るその移動を制御できる限り酵素活性を示す
必要はない。例えば酵素は、その酵素活性を除去するために修飾される場合があり、また
は酵素としての作用を妨げる条件下で用いられ得る。そのような状態は、下により詳細に
考察される。
ポリヌクレオチド処理酵素は、好ましくは核酸分解酵素由来である。酵素の構築物にお
いて用いられるポリヌクレオチド処理酵素は、より好ましくは酵素分類(EC)群3.1
.11、3.1.13、3.1.14、3.1.15、3.1.16、3.1.21、3
.1.22、3.1.25、3.1.26、3.1.27、3.1.30および3.1.
31のいずれかのメンバー由来である。酵素は、国際出願第PCT/GB10/0001
33号(WO2010/086603として公開)において開示されているもののいずれ
かであってよい。
好ましい酵素は、ポリメラーゼ、エキソヌクレアーゼ、ヘリカーゼおよび、ジャイレー
スなどのトポイソメラーゼである。好適な酵素は、これだけに限らないが、大腸菌(E. c
oli)由来エキソヌクレアーゼI(配列番号6)、大腸菌(E. coli)由来エキソヌクレア
ーゼIII酵素(配列番号8)、T.サーモフィラス(T. thermophilus)由来RecJ
(配列番号10)およびバクテリオファージラムダエキソヌクレアーゼ(配列番号12)
ならびにその変種を含む。配列番号10に示す配列またはその変種を含む3個のサブユニ
ットは、三量体エキソヌクレアーゼを形成するように相互作用する。酵素は、Phi29
DNAポリメラーゼ(配列番号4)またはその変種であってよい。酵素は、ヘリカーゼ
であってよく、またはヘリカーゼ由来であってよい。典型的ヘリカーゼは、Hel308
、RecDまたはXPD、例えばHel308Mbu(配列番号15)またはその変種で
ある。
配列番号4、6、8、10、12または15の変種は、配列番号4、6、8、10、1
2または15から変化したアミノ酸配列を有し、ポリヌクレオチド結合能力を保持してい
る酵素である。変種は、ポリヌクレオチドの結合を促進するならびに/または高塩濃度お
よび/もしくは室温でのその活性を促進する修飾を含んでよい。
配列番号4、6、8、10、12、または15のアミノ酸配列の全長にわたって変種は
、アミノ酸同一性に基づいてその配列に好ましくは少なくとも50%相同である。より好
ましくは変種ポリペプチドは、配列全体にわたって配列番号4、6、8、10、12、ま
たは15のアミノ酸配列にアミノ酸同一性に基づいて少なくとも55%、少なくとも60
%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少な
くとも85%、少なくとも90%およびより好ましくは少なくとも95%、97%または
99%相同である。少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%または95%の
アミノ酸同一性が200以上(例えば230、250、270もしくは280またはそれ
以上)のストレッチの連続アミノ酸にわたってある場合がある(「高い相同性」)。相同
性は、上に記載のとおり決定される。変種は、配列番号2を参照して上で考察した方法の
いずれかで野生型配列とは異なっている可能性がある。酵素は、考察したとおりポアに共
有結合的に付着されていてよい。
ナノポアを用いてポリヌクレオチドを配列決定するために2つの主な戦略、すなわち鎖
配列決定法およびエキソヌクレアーゼ配列決定がある。本発明の方法は、鎖配列決定法ま
たはエキソヌクレアーゼ配列決定いずれかに関する可能性がある。
鎖配列決定法ではDNAは、印加された電位に沿うまたは反対のいずれかでナノポアを
通って移行される。2本鎖DNA上で進行性にまたは加工性に作用するエキソヌクレアー
ゼは、ポアのcis側で印加された電位下で残りの1本鎖を通して供給するためにまたは
逆電位下でtrans側で用いられ得る。同様に2本鎖DNAを巻き戻すヘリカーゼも類
似の様式で用いられ得る。ポリメラーゼも用いられ得る。印加された電位と反対の鎖移行
を必要とする配列決定応用についての可能性もあるが、DNAは、逆電位下または電位な
しで最初に酵素によって「捕獲」されなければならない。次いで、結合に続いて電位は切
り替えられ、鎖はcisからtransへポアを通り抜け、電流により伸長されたコンホ
メーションに保持される。1本鎖DNAエキソヌクレアーゼまたは1本鎖DNA依存性ポ
リメラーゼは、直近に移行された1本鎖を制御された段階的様式で、transからci
sへ、印加された電位と反対にポアを通って引き戻す分子モーターとして作用できる。
一実施形態では標的ポリヌクレオチドを特性決定する方法は、標的配列をポアおよびヘ
リカーゼ酵素と接触させるステップを含む。任意のヘリカーゼが方法において用いられ得
る。ヘリカーゼは、ポアに関して2つのモードで働く場合がある。第一に方法は、好まし
くは印加された電圧から生じる場でポアを通る標的配列の移動を制御するようにヘリカー
ゼを用いて実行される。このモードでは、DNAの5’末端が最初にポア中に捕捉され、
酵素は標的配列が二重層のtrans側に最終的に移行されるまで場に沿ってポアを通る
ようにポアへのDNAの移動を制御する。代替的に方法は、ヘリカーゼ酵素が印加された
電圧から生じる場とは反対にポアを通る標的配列の移動を制御するように好ましくは実行
される。このモードではDNAの3’末端が最初にポアに捕捉され、酵素は、標的配列が
二重層のcis側に最終的に戻して排出されるまで印加された場とは反対にポアから引き
出されるように、ポアを通るDNAの移動を制御する。
エキソヌクレアーゼ配列決定では、エキソヌクレアーゼは標的ポリヌクレオチドの1つ
の末端から個別のヌクレオチドを放出し、個別のヌクレオチドは下に考察されるとおり同
定される。別の実施形態では標的ポリヌクレオチドを特性決定する方法は、標的配列をポ
アおよびエキソヌクレアーゼ酵素を接触とさせるステップを含む。上に考察の任意のエキ
ソヌクレアーゼ酵素は、方法において用いられ得る。酵素は、上に考察したとおりポアに
共有結合的に付着され得る。
エキソヌクレアーゼは、典型的にはポリヌクレオチドの一方の端に付き、配列を末端か
ら1ヌクレオチドずつ消化する酵素である。エキソヌクレアーゼは、5’から3’方向ま
たは3’から5’方向でポリヌクレオチドを消化できる。エキソヌクレアーゼが結合する
ポリヌクレオチドの末端は、用いられる酵素の選択および/または当技術分野において公
知の方法を用いて典型的には決定される。ポリヌクレオチドのいずれかの末端のヒドロキ
シル基またはキャップ構造は、ポリヌクレオチドの具体的な末端へのエキソヌクレアーゼ
の結合を妨げるまたは促進するために典型的には用いられ得る。
方法は、ヌクレオチドが上に考察したとおりヌクレオチドの特性決定または割合の同定
を可能にする速度でポリヌクレオチドの末端から消化されるようにポリヌクレオチドをエ
キソヌクレアーゼに接触させるステップを含む。これを行うための方法は、当技術分野に
おいて周知である。例えばEdman分解は、単一アミノ酸をポリペプチドの末端から連
続的に消化するために用いられ、それらは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用
いて同定され得る。類似の方法は、本発明において用いられ得る。
エキソヌクレアーゼが機能する速度は典型的には野生型エキソヌクレアーゼの最適速度
より遅い。本発明の方法におけるエキソヌクレアーゼ活性の好適な速度は、1秒あたり0
.5から1000ヌクレオチド、1秒あたり0.6から500ヌクレオチド、1秒あたり
0.7から200ヌクレオチド、1秒あたり0.8から100ヌクレオチド、1秒あたり
0.9から50ヌクレオチドまたは1秒あたり1から20もしくは10ヌクレオチドの消
化を含む。速度は、好ましくは1秒あたり1、10、100、500または1000ヌク
レオチドである。エキソヌクレアーゼ活性の好適な速度は、種々の方法で達成され得る。
例えば、活性の最適速度が低減した変種エキソヌクレアーゼは、本発明により用いられ得
る。
本発明の方法は、標的分析物、例えば標的ポリヌクレオチドの1つまたは複数の特性を
測定するステップを含む。方法は、標的分析物、例えば標的ポリヌクレオチドの2つ、3
つ、4つまたは5つ以上の特性を測定するステップを含み得る。標的ポリヌクレオチドに
関して、1つまたは複数の特性は、好ましくは(i)標的ポリヌクレオチドの長さ、(i
i)標的ポリヌクレオチドの同一性、(iii)標的ポリヌクレオチドの配列、(iv)
標的ポリヌクレオチドの二次構造および(v)標的ポリヌクレオチドが修飾されているか
否か、から選択される。(i)から(v)の任意の組合せは本発明により測定され得る。
(i)に関して、ポリヌクレオチドの長さは、標的ポリヌクレオチドとポアとの間の相
互作用の数を用いて測定できる。
(ii)に関して、ポリヌクレオチドの同一性は、多数の方法において測定され得る。
ポリヌクレオチドの同一性は、標的ポリヌクレオチドの配列の測定を伴ってまたは標的ポ
リヌクレオチドの配列の測定を伴わずに測定され得る。前者は、簡単であり、ポリヌクレ
オチドは配列決定され、それにより同定される。後者は、いくつかの方法で行われ得る。
例えばポリヌクレオチド中の具体的なモチーフの存在は(ポリヌクレオチドの残りの配列
を測定するステップを伴わずに)測定され得る。代替的に、方法における具体的な電気的
および/または光学的シグナルの測定は、標的ポリヌクレオチドを具体的な供給源由来で
あるとして同定できる。
(iii)に関して、ポリヌクレオチドの配列は、以前記載されたとおり決定され得る
。好適な配列決定方法、詳細には電気的測定を用いるものは、Stoddart Dら、Proc Natl
Acad Sci、12;106(19):7702-7、Lieberman KRら、J Am Chem Soc.2010;132(50):17961-72
および国際出願第WO2000/28312号に記載されている。
(iv)に関して、二次構造は、種々の方法において測定され得る。例えば方法が電気
的測定を含む場合、二次構造は残存時間における変化またはポアを通って流れる電流にお
ける変化を用いて測定され得る。これは、1本鎖と2本鎖のポリヌクレオチドの領域を区
別できるようにする。
(v)に関して、任意の修飾の存在または非存在は、測定され得る。方法は、好ましく
は標的ポリヌクレオチドが、メチル化によって、酸化によって、損傷によって、1つまた
は複数のタンパク質でまたは1つまたは複数の標識、タグもしくはスペーサーで修飾され
ているかどうかを決定するステップを含む。具体的な修飾は、下に記載の方法を用いて測
定され得るポアとの特異的な相互作用を生じる。例えばメチルシトシンは、各ヌクレオチ
ドとのその相互作用の際にポアを通って流れる電流に基づいてシトシンから区別され得る
本発明は、標的ポリヌクレオチドの配列を推定する方法も提供する。本発明は、標的ポ
リヌクレオチドを配列決定する方法をさらに提供する。
種々の異なる種類の測定が作出されてよい。これは、非限定的に:電気的測定および光
学的測定を含む。可能性のある電気的測定は、電流測定:インピーダンス測定、トンネル
測定(Ivanov APら、Nano Lett.2011 Jan 12;11(1):279-85)およびFET測定(国際出
願第WO2005/124888号)を含む。光学的測定は、電気的測定(Soni GVら、Re
v Sci Instrum. 2010 Jan;81(1):014301)と組み合わされ得る。測定は、ポアを通って流
れるイオン電流の測定などの膜貫通電流測定であってよい。
電気的測定は、Stoddart Dら、Proc Natl Acad Sci、12;106(19):7702-7、Lieberman K
Rら、J Am Chem Soc.2010;132(50):17961-72および国際出願第WO−2000/2831
2号に記載の標準的単一チャネル記録機器を用いて作出され得る。代替的に電気的測定は
、例えば国際出願第WO−2009/077734号および国際出願第WO−2011/
067559号に記載のマルチチャネル系を用いても作出され得る。
好ましい実施形態では、方法は、
(a)標的ポリヌクレオチドを本発明のポアおよびポリヌクレオチド結合タンパク質に接
触させて、標的ポリヌクレオチドがポアを通って移動し、結合タンパク質がポアを通る標
的ポリヌクレオチドの移動を制御するようにするステップ、ならびに
(b)ポリヌクレオチドがポアに対して移動するときにポアを通る電流を測定するステッ
プであって、電流が1つまたは複数の標的ポリヌクレオチドの特性を示し、それにより標
的ポリヌクレオチドを特性決定するステップ
を含む。
方法は、ポアが膜に挿入されている膜/ポア系を調べるのに好適である任意の装置を用
いて実行され得る。方法は、膜貫通ポアセンシングに好適である任意の装置を用いて実行
され得る。例えば装置は、水性溶液および、チャンバーを2つのセクションに分離する障
壁を含むチャンバーを含む。障壁はポアを含有する膜が形成される開口部を有する。
方法は、国際出願第PCT/GB08/000562号(WO2008/102120
)に記載の装置を用いて実行され得る。
方法は、分析物、例えば標的ポリヌクレオチドがポアに対して移動するときに、ポアを
通過する電流を測定するステップを含み得る。したがって装置は、電位を印加でき、膜お
よびポアを通る電気シグナルを測定できる電気回路も含む。方法は、パッチクランプまた
は電圧クランプを用いても実行され得る。方法は、電圧クランプの使用を好ましくは含む
本発明の方法は、分析物、例えば標的ポリヌクレオチドがポアに対して移動するときに
、ポアを通過する電流の測定を含み得る。膜貫通タンパク質ポアを通るイオン電流を測定
するための好適な条件は、当技術分野において公知であり、実施例で開示される。方法は
、膜およびポア全体に印加される電圧と共に典型的には実行される。用いられる電圧は典
型的には、+2Vから−2Vまで、典型的には−400mVから+400mVまでである
。好ましくは用いられる電圧は、−400mV、−300mV、−200mV、−150
mV、−100mV、−50mV、−20mVおよび0mVから選択される下限値および
+10mV、+20mV、+50mV、+100mV、+150mV、+200mV、+
300mVおよび+400mVから独立に選択される上限値を含む範囲内である。用いら
れる電圧は、より好ましくは100mVから240mVまでの範囲内、最も好ましくは1
20mVから220mVまでの範囲内である。印加される電位を増加させることによって
ポアによるさまざまなヌクレオチド間の識別を向上させることは可能である。
方法は、金属塩(例えばアルカリ金属塩)、ハロゲン化塩(例えばアルカリ金属塩化物
塩などの塩化物塩)などの任意の電荷担体の存在下で典型的には実行される。電荷担体は
、イオン液体または有機塩、例えばテトラメチル塩化アンモニウム、トリメチルフェニル
塩化アンモニウム、フェニルトリメチル塩化アンモニウムもしくは1−エチル−3メチル
イミダゾリウムクロリド(1-ethyl-3-methyl imidazolium chloride)を含み得る。上に
考察した例示的装置では、塩はチャンバー中の水性溶液中に存在する。塩化カリウム(K
Cl)、塩化ナトリウム(NaCl)または塩化セシウム(CsCl)が典型的には用い
られる。KClが好ましい。塩濃度は飽和であってよい。塩濃度は、3M以下があり得、
典型的には0.1から2.5Mまで、0.3から1.9Mまで、0.5から1.8Mまで
、0.7から1.7Mまで、0.9から1.6Mまでまたは1Mから1.4Mまでである
。塩濃度は、好ましくは150mMから1Mまでである。方法は、少なくとも0.4M、
少なくとも0.5M、少なくとも0.6M、少なくとも0.8M、少なくとも1.0M、
少なくとも1.5M、少なくとも2.0M、少なくとも2.5Mまたは少なくとも3.0
Mなどの少なくとも0.3Mの塩濃度を用いて好ましくは実行される。高塩濃度は、高い
信号対雑音比を提供し、通常の電流変動のバックグラウンドに対してヌクレオチドの存在
を示す電流が同定されることを可能にする。
方法は、緩衝剤の存在下で典型的には実行される。上に考察した例示的装置では、緩衝
剤はチャンバー中の水性溶液に存在する。任意の緩衝剤が本発明の方法において用いられ
得る。典型的には、緩衝剤はHEPESである。別の好適な緩衝剤はTris−HCl緩
衝剤である。方法は、4.0から12.0まで、4.5から10.0まで、5.0から9
.0まで、5.5から8.8まで、6.0から8.7までまたは7.0から8.8までま
たは7.5から8.5までのpHで典型的には実行される。用いられるpHは好ましくは
約7.5である。
方法は、0Cから100Cまで、15Cから95Cまで、16Cから90
Cまで、17Cから85Cまで、18Cから80Cまで、19Cから70
までまたは20Cから60Cまでで実行され得る。方法は典型的には室温で実行され
る。方法は、約37℃などの酵素機能を支持する温度で場合により実行される。
方法は、遊離ヌクレオチドまたは遊離ヌクレオチド類似物および、ヘリカーゼもしくは
エキソヌクレアーゼなどのポリヌクレオチド結合タンパク質の作用を促進する酵素補因子
の存在下で典型的には実行される。遊離ヌクレオチドは、上に考察した個々のヌクレオチ
ドの任意の1つまたは複数であってよい。遊離ヌクレオチドは、これだけに限らないがア
デノシン一リン酸(AMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(A
TP)、グアノシン一リン酸(GMP)、グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三
リン酸(GTP)、チミジン一リン酸(TMP)、チミジン二リン酸(TDP)、チミジ
ン三リン酸(TTP)、ウリジン一リン酸(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)、ウ
リジン三リン酸(UTP)、シチジン一リン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)
、シチジン三リン酸(CTP)、環状アデノシン一リン酸(cAMP)、環状グアノシン
一リン酸(cGMP)、デオキシアデノシン一リン酸(dAMP)、デオキシアデノシン
二リン酸(dADP)、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン
一リン酸(dGMP)、デオキシグアノシン二リン酸(dGDP)、デオキシグアノシン
三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン一リン酸(dTMP)、デオキシチミジン二リ
ン酸(dTDP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、デオキシウリジン一リン酸
(dUMP)、デオキシウリジン二リン酸(dUDP)、デオキシウリジン三リン酸(d
UTP)、デオキシシチジン一リン酸(dCMP)、デオキシシチジン二リン酸(dCD
P)およびデオキシチジン三リン酸(dCTP)を含む。遊離ヌクレオチドは、好ましく
はAMP、TMP、GMP、CMP、UMP、dAMP、dTMP、dGMPまたはdC
MPから選択される。遊離ヌクレオチドは、好ましくはアデノシン三リン酸(ATP)で
ある。酵素補因子は、ヘリカーゼを機能させる因子である。酵素補因子は、好ましくは二
価金属カチオンである。二価金属カチオンは好ましくはMg2+、Mn2+、Ca2+
たはCo2+である。酵素補因子は、最も好ましくはMg2+である。
標的ポリヌクレオチドはポアおよびポリヌクレオチド結合タンパク質と任意の順序で接
触され得る。標的ポリヌクレオチドがタンパク質およびポアと接触される場合、標的ポリ
ヌクレオチドは最初にタンパク質と複合体を形成することは好ましい。ポアに電圧が印加
される場合、標的ポリヌクレオチド/タンパク質複合体は次いでポアと複合体を形成し、
ポアを通るポリヌクレオチドの移動を制御する。
個別のヌクレオチドを同定する方法
本発明は、個別のヌクレオチドを特性決定する方法も提供する。換言すると標的分析物
は、個別のヌクレオチドである。方法は、ヌクレオチドがポアと相互作用し、相互作用の
ときにポアを通る電流を測定し、それによりヌクレオチドを特性決定するように、ヌクレ
オチドを本発明のポアに接触させるステップを含む。したがって本発明は、個別のヌクレ
オチドのナノポアセンシングを含む。本発明は、相互作用のときにポアを通る電流を測定
するステップおよびそれによりヌクレオチドの同一性を決定するステップを含む個別のヌ
クレオチドを同定する方法も提供する。上に考察した任意の本発明のポアは用いられ得る
。ポアは、上に考察したとおり、分子アダプターで好ましくは化学的に修飾されている。
ヌクレオチドは、電流がヌクレオチドに特異的な様式でポアを通る場合(すなわち、ヌ
クレオチドに関連する特徴的な電流がポアを通ることが検出される場合)に存在する。ヌ
クレオチドは、電流がヌクレオチドに特異的な様式でポアを通らない場合には存在しない
本発明は、ポアを通る電流にそれらが有するさまざまな効果に基づいて、類似の構造の
ヌクレオチドを識別するために用いられ得る。個別のヌクレオチドは、それらがポアと相
互作用する場合にその電流振幅から単一分子レベルで識別され得る。本発明は、具体的な
ヌクレオチドが試料に存在するかどうかを決定するためにも用いられ得る。本発明は、試
料中の具体的なヌクレオチドの濃度を測定するためにも用いられ得る。
ポアは、典型的には膜中に存在する。方法は、上に記載の任意の好適な膜/ポア系を用
いて実行され得る。
個別のヌクレオチドは、単一ヌクレオチドである。個別のヌクレオチドは、別のヌクレ
オチドまたはポリヌクレオチドにヌクレオチド結合によって結合していないものである。
ヌクレオチド結合は、別のヌクレオチドの糖基に結合されるヌクレオチドのリン酸基の1
つに関与する。典型的には個別のヌクレオチドは、少なくとも5、少なくとも10、少な
くとも20、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも500
、少なくとも1000または少なくとも5000ヌクレオチドの別のポリヌクレオチドに
ヌクレオチド結合によって結合されていないものである。例えば個別のヌクレオチドは、
DNAまたはRNA鎖などの標的ポリヌクレオチド配列から消化される。本発明の方法は
、任意のヌクレオチドを同定するためにも用いられ得る。ヌクレオチドは、上に考察した
いずれであってもよい。
ヌクレオチドは、リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸などの核酸配列の消化に
由来してもよい。核酸配列は、当技術分野において公知の任意の方法を用いて消化され得
る。好適な方法はこれだけに限らないが、酵素または触媒を用いるものを含む。核酸の触
媒消化はDeck et al.、Inorg. Chem.、2002; 41: 669-677に開示されている。
単一のポリヌクレオチド由来の個別のヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの全体または
部分を配列決定するために連続的様式でポアに接触され得る。ポリヌクレオチドを配列決
定することは、上により詳細に考察されている。
ヌクレオチドは、膜のいずれの側でもポアに接触されうる。ヌクレオチドは、膜のいず
れの側でもポアに導入され得る。ヌクレオチドは、ヌクレオチドが膜の他方の側にポアを
通すことができる膜の片側に接触され得る。例えばヌクレオチドは、その本来の環境がイ
オンまたはヌクレオチドなどの小分子のポアのバレルまたはチャネルへの進入を可能にし
、ヌクレオチドはポアを通過できるようにするポアの一端に接触される。その場合ヌクレ
オチドは、ポアのバレルまたはチャネルを通って膜を横切るときにポアおよび/またはア
ダプターと相互作用する。代替的にヌクレオチドは、ヌクレオチドがアダプターを介して
またはと共にポアと相互作用できる膜の片側に接触でき、ポアから解離でき、膜の同じ側
に残ることができる。本発明は、アダプターの位置が固定されているポアを提供する。結
果としてヌクレオチドは、好ましくはアダプターがヌクレオチドと相互作用できるように
するポアの末端に接触する。
ヌクレオチドは、ポアと任意の様式および任意の部位で相互作用できる。上に考察した
とおりヌクレオチドは、好ましくはアダプターを介してまたはと共にポアに可逆的に結合
する。最も好ましくはヌクレオチドは、それがポアを通って膜を横切るときにアダプター
を介してまたはと共にポアに可逆的に結合する。ヌクレオチドは、それがポアを通って膜
を横切るときにアダプターを介してまたはと共にポアのバレルまたはチャネルにも可逆的
に結合できる。
ヌクレオチドとポアとの相互作用の際に、ヌクレオチドはそのヌクレオチドに特異的な
様式でポアを通る電流に影響を与える。例えば具体的なヌクレオチドは、具体的な平均時
間から具体的な程度にポアを通る電流を低減させる。換言するとポアを通る電流は、具体
的なヌクレオチドに特徴的である。対照実験は、具体的なヌクレオチドがポアを通る電流
に有する効果を決定するために実行され得る。次いで本発明の方法を検査試料に実行する
ことの結果は、試料中の具体的なヌクレオチドを同定するためにまたは具体的なヌクレオ
チドが試料中に存在するかどうかを決定するために、そのような対照実験からのものと比
較され得る。ポアを通る電流の頻度は、具体的なヌクレオチドの指標となる様式で影響を
受け、試料中のヌクレオチドの濃度を決定するために用いられ得る。試料中の異なるヌク
レオチドの割合も算出され得る。例えばdCMPのメチル−dCMPに対する割合は算出
され得る。
方法は、上に考察した任意の装置、試料または条件の使用も含み得る。
センサーを形成する方法
本発明は、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセンサーの形成方法も提供する
。方法は、本発明のポアとポリヌクレオチド結合タンパク質、例えばヘリカーゼまたはエ
キソヌクレアーゼとの複合体を形成するステップを含む。複合体は、ポアとタンパク質と
を標的ポリヌクレオチドの存在下で接触させ、次いで、ポアに電位を印加するステップに
よって形成され得る。印加される電位は、上に記載のとおり化学電位または電圧電位であ
ってよい。代替的に複合体は、ポアをヘリカーゼに共有結合的に付着するステップによっ
ても形成され得る。共有結合付着のための方法は、当技術分野において公知であり、例え
ば国際出願第PCT/GB09/001679号(WO2010/004265として公
開)および第PCT/GB10/000133号(WO2010/086603として公
開)において開示されている。複合体は、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセ
ンサーである。方法は、本発明のポアとヘリカーゼとの複合体を形成するステップを好ま
しくは含む。上に考察した任意の実施形態は、この方法に等しく適用される。
本発明は、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセンサーも提供する。センサー
は、本発明のポアとポリヌクレオチド結合タンパク質との複合体を含む。上に考察したい
ずれの実施形態も本発明のセンサーに等しく適用される。
キット
本発明は、標的ポリヌクレオチドを特性決定、例えば配列決定するためのキットも提供
する。キットは、(a)本発明のポアおよび(b)ポリヌクレオチド結合タンパク質、例
えばヘリカーゼまたはエキソヌクレアーゼを含む。上に考察された任意の実施形態は、キ
ットに等しく適用可能である。
本発明のキットは、上に述べた任意の実施形態が実行されるようにする1つまたは複数
の他の試薬または器具を追加的に含んでよい。そのような試薬または器具は、次の:好適
な緩衝剤(複数可)(水性溶液)、対象から試料を得るための手段(容器もしくは、針を
含む器具など)、ポリヌクレオチド配列を増幅および/もしくは発現するための手段、上
に定義の膜または電圧もしくはパッチクランプ装置、の1つまたは複数を含む。試薬は、
液体試料が試薬を再懸濁するように乾燥状態でキット中に存在する場合がある。キットは
、キットが本発明の方法において用いられ得るようにする説明書、またはいずれの患者に
方法が用いられ得るかに関する詳細も場合により含む場合がある。キットは、場合により
ヌクレオチドを含み得る。
装置
本発明は、試料中の標的ポリヌクレオチドを特性決定、例えば配列決定するための装置
も提供する。装置は、(a)複数の本発明のポアおよび(b)複数のポリヌクレオチド結
合タンパク質、例えばヘリカーゼまたはエキソヌクレアーゼを含む。を含んでよい。装置
は、アレイまたはチップなどの分析物分析のための任意の従来装置であってよい。
装置は、
複数のポアを支持でき、ポアおよびタンパク質を用いてポリヌクレオチド特性決定または
配列決定を実施するために作動可能であるセンサーデバイス;
特性決定または配列決定を実施するための材料を保持するための少なくとも1つのリザー
バー;
少なくとも1つのリザーバーからセンサーデバイスに材料を制御可能に供給するように構
成された流体系;および
各試料を受けるための複数の容器を好ましくは含み、
流体系は、容器からセンサーデバイスに試料を選択的に供給するように構成されている。
装置は、国際出願、第PCT/GB10/000789号(WO2010/122293
として公開)、国際出願第PCT/GB10/002206号(未公開)または国際出願
第PCT/US99/25679号(WO00/28312として公開)において記載の
任意のものであってよい。
次の実施例は本発明を例示する。
実施例
ポア産生
DNA合成
ライセニンについてのポリペプチドをGenScript USA Inc.で合成し
、NdeIおよびHindIII制限部位を用いてpT7ベクターにクローニングした。
Met(ATG)についてのコドンを発現目的のためにDNAの最初に位置付け、2つの
停止コドン(TAA TGA)は翻訳を終結させるためにDNAの末端に位置付けた。
タンパク質発現およびオリゴマー形成
タンパク質を環状DNAのための大腸菌(E. coli)T7−S30抽出系を用いてカッ
プルしたin vitro転写および翻訳(IVTT)によって生成した。タンパク質は
、モノマー単位の発現におけるオリゴマー形成を促進するために脂質小胞を含有するスフ
ィンゴミエリン(SM)の存在下で発現させた。SM小胞を調製するために、クロロホル
ム中SM(Avanti Polar脂質、カタログ番号860062C)の25mg/
mL保存溶液0.5mLをクロロホルムを蒸発させるために37℃に置いた。クロロホル
ムが蒸発した時点で、TE緩衝液(10mM Tris、1mM EDTA、pH8.0
)5mLを脂質を可溶化するためにバイアルに加えた。次いで混合物を約1分間ボルテッ
クスし、窒素で急速冷凍した。次いで脂質混合物を37℃で融解し、ボルテックスし、再
度急速冷凍した。これを5〜6回繰り返した。脂質小胞の存在下でIVTTタンパク質1
00uLを生成するために、調製SM脂質小胞25μLを20,000g、10分間遠心
することによって沈殿させた。上清を除去した時点で、IVTTキット(Invitro
gen Expressway Maxi Expression Module、カタ
ログ番号45−4001)の構成要素、メチオニンL−[35S](Perkin El
mer、製品番号NEG009A005MC、特異的活性:>1000Ci(37.0T
Bq)/ミリモル)およびDNA鋳型を沈殿に製造者の説明書に従って加えた。簡潔には
、大腸菌(E.coli)slyD−抽出物20uL、アミノ酸を含まない2.5X IVPS
反応緩衝液20uL、50mMアミノ酸(メチオニン欠如)1.25uL、75mMメチ
オニン0.5uL、メチオニンL−[35S]0.5uL、T7酵素混合物1.0uL、
400ng/uL(1ug)のDNA鋳型2.5uLおよびRNase不含有水4.25
uLを膜沈殿に加え、37℃、30分間インキュベートした。2X IVPSフィード(
IVPS feed)緩衝液25uL、50mMアミノ酸(メチオニン欠如)1.25u
L、75mMメチオニン0.5uL、メチオニンL−[35S]0.5uLおよびRNa
se不含有水22.75uLを含有するフィード緩衝液50uLを次いで混合物に加え、
37℃で追加的に90分間インキュベートした。次いで試料を20,000g、10分間
遠心し、上清を除去した。3X SDSを含有するLaemmli loading緩衝
液(1X)100uLを上清に加えた。次いで試料を7.5%ゲルでのSDS−PAGE
電気泳動に供した。
タンパク質精製
ゲルを50℃、3時間、紙(Whatman 3MM Chr)上、真空下で乾燥させ
、X−線フィルムに一晩(約18時間)曝露した。オートラジオグラフを鋳型として用い
て、タンパク質オリゴマーバンドを乾燥したゲルから切り出した。150uL TE緩衝
液中で再水和後、紙を除去した。次いでゲルを使い捨て乳棒を用いて粉砕し、スラリーを
25,000g、10分間での遠心分離によってCostar spin−X遠心チュー
ブフィルター(0.22μm孔CA膜、製品番号8160)を通してろ過した。次いでタ
ンパク質溶液(ろ液)を採取し、平面脂質二重層実験で用いた。
上の実施例1に記載のものと類似の手順を用いて、次のライセニン変異体を作り、精製
した:−ライセニン−(E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E13
5S)(変異E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E135Sを有す
る配列番号2)、ライセニン−(E85K/E92Q/E94S/E97S/D126G
)(変異E85K/E92Q/E94S/E97S/D126Gを有する配列番号2)、
ライセニン−(E76S/E85K/E92Q/E97S/D126G)(変異E76S
/E85K/E92Q/E97S/D126Gを有する配列番号2)、ライセニン−(E
71S/E85K/E92Q/E97S/D126G)(変異E71S/E85K/E9
2Q/E97S/D126Gを有する配列番号2)、ライセニン−(D68S/E85K
/E92Q/E97S/D126G)(変異D68S/E85K/E92Q/E97S/
D126Gを有する配列番号2)、ライセニン−(E85K/E92Q/E97S/D1
26G)(変異E85K/E92Q/E97S/D126Gを有する配列番号2)、ライ
セニン−(E84Q/E85K/E92Q/E97S/H103S/D126G)(変異
E84Q/E85K/E92Q/E97S/H103S/D126Gを有する配列番号2
)、ライセニン−(E84Q/E85K/M90S/E92Q/E97S/D126G)
(変異E84Q/E85K/M90S/E92Q/E97S/D126Gを有する配列番
号2)、ライセニン−(E84Q/Q87S/E85K/E92Q/E97S/D126
G)(変異E84Q/Q87S/E85K/E92Q/E97S/D126Gを有する配
列番号2)、ライセニン−(E84Q/E85S/E92Q/E97S/D126G)(
変異E84Q/E85S/E92Q/E97S/D126Gを有する配列番号2)、ライ
セニン−(E84S/E85K/E92Q/E97S/D126G)(変異E84S/E
85K/E92Q/E97S/D126Gを有する配列番号2)、ライセニン−(H81
S/E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G)(変異H81S/E84Q
/E85K/E92Q/E97S/D126Gを有する配列番号2)、ライセニン(Y7
9S/E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G)(変異Y79S/E84
Q/E85K/E92Q/E97S/D126Gを有する配列番号2)、ライセニン−(
F70S/E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G)(変異F70S/E
84Q/E85K/E92Q/E97S/D126Gを有する配列番号2)、ライセニン
−(H58S/E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126G)(変異H58S
/E84Q/E85K/E92Q/E97S/D126Gを有する配列番号2)、ライセ
ニン−(E92Q/E97S)(変異E92Q/E97Sを有する配列番号2)、ライセ
ニン−(E84Q/E85K/E92Q/E97S)(変異E84Q/E85K/E92
Q/E97Sを有する配列番号2)、ライセニン−(E84Q/E85K/D126G)
(変異E84Q/E85K/D126Gを有する配列番号2)、ライセニン−(E84Q
/E85K/D126G/E167A)(変異E84Q/E85K/D126G/E16
7Aを有する配列番号2)、ライセニン−(E92Q/E97S/D126G)(変異E
92Q/E97S/D126Gを有する配列番号2)、ライセニン−(E84D/E85
K/E92Q)(変異E84D/E85K/E92Qを有する配列番号2)、ライセニン
−(E84Q)(変異E84Qを有する配列番号2)、ライセニン−(D126N)(変
異D126Nを有する配列番号2)、ライセニン−(E92Q)(変異E92Qを有する
配列番号2)。
本実施例は、野生型ライセニン(配列番号2)ナノポアの1,2−ジフィタノイル−グ
リセロ−3−ホスホコリン脂質(DPhPC)二重層へのポア挿入を観察できたことを例
示する。検査した実験条件下ではDNA捕捉事象またはいかなるヘリカーゼ制御DNA移
動も観察できなかった。本実施例全般に使用される一般的な方法および基質を図1に示し
、図の解説に記載する。
材料および方法
PhiX174の約400bp断片を増幅するためにプライマーを設計した。これらの
プライマーの各5’末端は、50ヌクレオチド非相補性領域(ホモポリマーストレッチま
たは10ヌクレオチドホモポリマーセクションの反復単位のいずれか)を含んでいた。付
加的に順方向プライマーの5’末端を、2’−O−メチル−ウラシル(mU)ヌクレオチ
ド4個を含むように「キャップ」し、逆方向プライマーの5’末端を化学的にリン酸化し
た。その結果、これらのプライマー修飾は、ラムダエキソヌクレアーゼを用いる主にアン
チセンス鎖だけの制御された消化を可能にする。mUキャッピングがセンス鎖をヌクレア
ーゼ消化から保護する一方で、アンチセンス鎖の5'のPO4はそれを促進する。したが
って、ラムダエキソヌクレアーゼとのインキュベーション後に、二重鎖のセンス鎖だけが
インタクトで、1本鎖DNA(ssDNA)として残る。次いで、作製されたssDNA
を既に記載のとおりPAGE精製した。
本明細書に記載の全ての実験において用いたDNA基質設計を図2に示す。DNA基質
は、50T 5’−リーダーを有するPhiX由来のssDNAの400塩基セクション
からなる。50Tリーダー直後のこの鎖にアニールするのは、二重層の表面上のDNAを
濃縮し、捕捉効率を改善する3’コレステロール(cholesterol)タグを含有するプライ
マーである。
1,2−ジフィタノイル−グリセロ−3−ホスホコリン脂質(DPhPC、Avant
i Polar Lipids)二重層に挿入された単一の野生型ライセニン(配列番号
2)から電気計測値を得た。二重層は、モンタル−ミューラー技術によって開口部直径約
100μm、厚さ20μmのPTFEフィルム(Delrin chambers注文生
産)で形成され、2個の1mL緩衝溶液に分けた。全ての実験は、上記の緩衝溶液中で実
行した。単一チャネル電流を1440Aデジタイザーを備えたAxopatch 200
B amplifiers(Molecular Devices)で測定した。白金電
極を緩衝溶液に繋ぎ、cisコンパートメント(ナノポアおよび酵素/DNAの両方が添
加されている)をAxopatch headstageのアースに繋ぎ、transコ
ンパートメントをheadstageの探査電極に繋ぐ。
緩衝液(625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロ
シアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、10mM M
gCl)中での二重層中の単一野生型ライセニン(配列番号2)ポアを達成後、対照を
+120mVで5分間実行した。DNAポリヌクレオチド(配列番号13および14)な
らびにHel308 Mbu(配列番号15)を緩衝液(625mM KCl、100m
M Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェ
リシアン化カリウム(III)、10mM MgCl)50μLに加え、5分間予備イ
ンキュベートした(DNA=6nM、酵素(Hel308Mbu)=2μM)。予備イン
キュベーション混合物を電気生理学チャンバーのcisコンパートメント中の緩衝液(6
25mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリ
ウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、10mM MgCl)9
50μLに、ライセニンナノポア中のヘリカーゼ−DNA複合体の捕捉開始を試みるため
に加えた(最終濃度、DNA=0.3nM、酵素(Hel308Mbu)=100nM(
配列番号15)を生じる)。別の対照を+120mV、5分間で実行した。ヘリカーゼA
TPase活性を必要に応じてcisコンパートメントへのNTP(1mM ATP)の
添加によって開始させた。実験を+120mVの一定電位で実行した。
結果および考察
WTライセニン(配列番号2)ナノポアのDPhPC二重層への挿入を観察できた(図
3)。およそ280pAの安定オープンポア電流を観察した。しかしヘリカーゼ−DNA
基質混合物のcisコンパートメントへの添加では、DNA捕捉事象またはヘリカーゼ制
御DNA移動は観察されなかった。
本実施例は、未処理DNA鎖の変異体ライセニンナノポア(Lys−E84D/E85
K、変異E84D/E85Kを有する配列番号2)を通る移動を制御するためのHel3
08ヘリカーゼ(Hel308MBu、配列番号15)の使用を例示する。本実施例全体
において使用した一般的方法および基質は図1に示されており、図の説明に記載されてい
る。
電気計測を実施例2に記載のとおり取得した。緩衝条件(625mM KCl、100
mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフ
ェリシアン化カリウム(III))下で二重層中の単一ライセニン−E84D/E85K
(変異E84D/E85Kを有する配列番号2)ポアが達成された後に、MgCl(1
0mM)をcisコンパートメントに加え、対照を+120mV、5分間実行した。DN
Aポリヌクレオチド(配列番号13および14)ならびにHel308Mbu(配列番号
15)を緩衝液(625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mM
フェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、10
mM MgCl)50μLに加え、5分間、予備インキュベートした(DNA=6nM
、酵素=2μM)。この予備インキュベーション混合物を電気生理学チャンバーのcis
コンパートメント中の緩衝液(625mM KCl、100mM Hepes pH8.
0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(II
I)、10mM MgCl)950μLに、ライセニンナノポア中のヘリカーゼ−DN
A複合体の捕捉を開始するために加えた(最終濃度、DNA=0.3nM、酵素=100
nM(配列番号15)を生じる)。別の対照を+120mV、10分間実行した。ヘリカ
ーゼATPase活性をNTP(1mM ATP)のcisコンパートメントへの添加に
よって必要に応じて開始した。実験は+120または+180mVのいずれかの一定電位
で実行した。
結果および考察
図1に示すとおりヘリカーゼ−DNA基質のライセニン−E84D/E85K(変異E
84D/E85Kを有する配列番号2)への添加は、図4に示す特徴的な電流遮断を生じ
る(印加電位+180mV)。ヘリカーゼ結合を有さないDNAは、ナノポアと一過的に
相互作用し、電流の短期間(<<1秒間)の遮断を生じる。ヘリカーゼ結合および活性を
有するDNA(すなわち、ATPase作用の下でDNA鎖に沿って移動する)は、図4
に示すとおり電流の段階的変化を伴う長期間の特徴的な遮断レベルを生じる。ナノポア中
のさまざまなDNAモチーフは、特有の電流遮断レベルを生じる。
所与の基質について本発明者らは、DNA配列を反映する電流遷移の特徴的なパターン
を観察する(図4に例)。事象範囲は、およそ25pA(+180mVの印加電位におい
て)であると観察された。
本実施例は、未処理DNA鎖の変異体ライセニンナノポア(ライセニン−E92N/E
94N/E97N/D121N/D126N、変異E92N/E94N/E97N/D1
21N/D126Nを有する配列番号2)を通る移動を制御するためのHel308ヘリ
カーゼ(Hel308 MBu、配列番号15)の使用を例示する。本実施例全体におい
て使用した一般的方法および基質は図1に示されており、図の説明に記載されている。
電気計測を実施例2に記載のとおり取得した。緩衝条件(625mM KCl、100
mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフ
ェリシアン化カリウム(III))下で二重層中の単一ライセニン−E92N/E94N
/E97N/D121N/D126N(変異E92N/E94N/E97N/D121N
/D126Nを有する配列番号2)ナノポアが達成された後に、MgCl(10mM)
をcisコンパートメントに加え、対照を+120mV、5分間実行した。DNAポリヌ
クレオチド(配列番号13および14)ならびにHel308Mbu(配列番号15)を
緩衝液(625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロシ
アン化カリウム(II)、25mM フェリシアン化カリウム(III)、10mM M
gCl)50μLに加え、5分間予備インキュベートした(DNA=6nM、酵素=2
μM)。この予備インキュベーション混合物を電気生理学チャンバーのcisコンパート
メント中の緩衝液(625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75m
Mフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、10
mM MgCl)950μLにライセニンナノポア中のヘリカーゼ−DNA複合体の捕
捉を開始するために加えた(最終濃度、DNA=0.3nM、酵素=100nMを生じる
)。別の対照を+120mV、10分間実行した。ヘリカーゼATPase活性は、NT
P(1mM ATP)のcisコンパートメントへの添加によって必要に応じて開始した
。実験は+120mVの一定電位で実行した。
結果および考察
図1に示すヘリカーゼ−DNA基質のライセニン−E92N/E94N/E97N/D
121N/D126N(変異E92N/E94N/E97N/D121N/D126Nを
有する配列番号2)への添加は、図5に示す特性的電流遮断を生じる。ヘリカーゼ結合を
含まないDNAは、ナノポアと一過的に相互作用し、電流に短い遮断(<<1秒間)を生
じる。ヘリカーゼ結合を有し、活性な(すなわち、ATPase作用の下でDNA鎖に沿
って移動する)DNAは、図5に示す電流における段階的変化を含む長い特性的な遮断レ
ベルを生じる。ナノポア中のさまざまなDNAモチーフは、独特の電流遮断レベルを生じ
させる。所与の基質に関して本発明者らは、DNA配列を反映する電流移行の特性的パタ
ーンを観察する(図5の例)。事象範囲は、およそ60pAであると観察された。
本実施例は、未処理DNA鎖の変異体ライセニンナノポア(ライセニン−E84Q/E
85K/E92Q/E97S/D126G/E167A、変異E84Q/E85K/E9
2Q/E97S/D126G/E167Aを有する配列番号2)を通る移動を制御するた
めのHel308ヘリカーゼ(Hel308MBu、配列番号15)の使用を例示する。
本実施例全体において使用した一般的方法および基質は図1に示されており、図の説明に
記載されている。
電気計測を実施例2に記載のとおり取得した。緩衝条件(625mM KCl、100
mM Hepes pH 8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mM
フェリシアン化カリウム(III))下で二重層中の単一ライセニン−E84Q/E85
K/E92Q/E97S/D126G/E167A(変異E84Q/E85K/E92Q
/E97S/D126G/E167Aを有する配列番号2)ポアが達成された後に、Mg
Cl(10mM)をcisコンパートメントに加え、対照を+120mV、5分間実行
した。6個の変異の内、最初の5個(E84Q/E85K/E92Q/E97S/D12
6G)を領域44から126内に本発明により作った。最後(E167A)は、上に考察
したとおり領域外の追加的変異である。DNAポリヌクレオチド(配列番号13および1
4)ならびにHel308Mbu(配列番号15)を緩衝液(625mM KCl、10
0mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mM
フェリシアン化カリウム(III)、10mM MgCl)50μLに加え、5分間予
備インキュベートした(DNA=12nM、酵素=2μM)。この予備インキュベーショ
ン混合物を電気生理学チャンバーのcisコンパートメント中の緩衝液(625mM K
Cl、100mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)
、25mMフェリシアン化カリウム(III)、10mM MgCl)950μLに、
ライセニンナノポア中のヘリカーゼ−DNA複合体の捕捉を開始するために加えた(最終
濃度、DNA=0.6nM、酵素=100nMを生じる)。別の対照を+120mV、1
0分間実行した。ヘリカーゼATPase活性は、NTP(1mM ATP)のcisコ
ンパートメントへの添加によって必要に応じて開始した。実験は+120または+180
mVのいずれかの一定電位で実行した。
結果および考察
図1に示すとおりヘリカーゼ−DNA基質のライセニンナノポア ライセニン−E84
Q/E85K/E92Q/E97S/D126G/E167A(変異E84Q/E85K
/E92Q/E97S/D126G/E167Aを有する配列番号2)への添加は、図6
に示す特徴的な電流遮断を生じる(+180mVの印加電位)。ヘリカーゼ結合を有さな
いDNAは、ナノポアと一過的に相互作用し、電流の短期間(<<1秒間)の遮断を生じ
る。ヘリカーゼ結合および活性を有するDNA(すなわち、ATPase作用の下でDN
A鎖に沿って移動する)は、図6に示すとおり電流の段階的変化を伴う長期間の特徴的な
遮断レベルを生じる。ナノポア中のさまざまなDNAモチーフは、特有の電流遮断レベル
を生じる。所与の基質について本発明者らは、DNA配列を反映する電流遷移の特徴的な
パターンを観察する(図6に例)。事象範囲は、およそ30pA(+180mVの印加電
位において)であると観察された。
本実施例は、多数の異なる変異体ライセニンナノポアを通る未処理DNA鎖の移動を制
御するためのHel308ヘリカーゼ(Hel308MBu、配列番号15)の使用を例
示する(検査した変異体ポアの表について表4を参照されたい)。本実施例において使用
した一般的方法および基質は図1に示されており、図の説明に記載されている。
電気計測を実施例2に記載のとおり取得した。緩衝条件(625mM KCl、100
mM Hepes pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフ
ェリシアン化カリウム(III))下で二重層中の単一ライセニン変異体ポア(下の検査
したナノポアの表を参照されたい)が達成された後に、MgCl(10mM)をcis
コンパートメントに加え、対照を+120mV、5分間実行した。DNAポリヌクレオチ
ド(配列番号13および14)ならびにHel308Mbu(配列番号15)を緩衝液(
625mM KCl、100mM Hepes pH8.0、75mM フェロシアン化
カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、pH8.0、10mM
MgCl)50μLに加え、5分間、予備インキュベートした(DNA=12、6ま
たは3nM、酵素=2μM)。この予備インキュベーション混合物を電気生理学チャンバ
ーのcisコンパートメント中の緩衝液(625mM KCl、100mM Hepes
pH8.0、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリ
ウム(III)、pH8.0、10mM MgCl)950μLに、ライセニンナノポ
ア中のヘリカーゼ−DNA複合体の捕捉を開始するために加えた(最終濃度、DNA=0
.6、0.3または0.15nM、酵素=100nMを生じる)。別の対照を+120m
V、10分間実行した。ヘリカーゼATPase活性は、NTP(1mM ATP)のc
isコンパートメントへの添加によって必要に応じて開始した。実験は+120mVまた
は+180mVのいずれかの一定電位で実行した。
結果および考察
図1に示すとおりヘリカーゼ−DNA基質(配列番号13および14)の単一ライセニ
ンナノポア(下の表4におけるポアの表を参照されたい)への添加は、図7〜12に示す
特徴的な電流遮断を生じる(印加電位+120または+180mV)。ヘリカーゼ結合を
有さないDNAは、ナノポアと一過的に相互作用し、電流の短期間(<<1秒間)の遮断
を生じる。ヘリカーゼ結合および活性を有するDNA(すなわち、ATPase作用の下
でDNA鎖に沿って移動する)は、検査した種々のライセニン変異体についての図7〜1
2に示すとおり電流の段階的変化を伴う長期間の特徴的な遮断レベルを生じる。ナノポア
中のさまざまなDNAモチーフは、特有の電流遮断レベルを生じる。
本実施例は、大腸菌(E. coli)発現を利用する変異体ライセニンナノポアの合成方法
を記載する。
材料および方法
大腸菌(E.coli)Rosetta2(DE3)pLysS細胞を構築物Strep−T
rxEco−TEV−ライセニンを含有するプラスミドで形質転換し、発現を0.2mM
IPTGの添加で誘導し、18℃に一晩おいた。細胞を400rpm、30分間で沈殿
させた。細胞沈殿物を50mM Tris、300mM NaCl 0.1μl/mlベ
ンゾナーゼ(benzonase)10μl/ml Calbiochem set Vプロテア
ーゼ阻害剤中の1X Bugbusterに再懸濁し、4℃、4時間放置した。可溶化物
を20000rpm、30分間遠心し、0.2μmフィルターを通した。
ろ過した可溶化物をStrepTrapカラムにロードし、100mM Tris、3
00mM NaCl、10mMデスチオビオチン、pH8.0中に溶出させた。Stre
p−TrxEco−TEVタグをStrepタグTEVプロテアーゼ(1:20w/w)
での4℃、一晩のインキュベーションによって除去した。いずれの未切断タンパク質、切
断されたタグおよびTEVプロテアーゼもstepビーズとのインキュベーションによっ
て除去した。ビーズを遠心分離によって除去し、スフィンゴミエリン(1mg/ml)を
上清に添加し、37℃に一晩置いた。
配列番号1は、ライセニンモノマーをコードしているポリヌクレオチド配列を示す。
配列番号2は、ライセニンモノマーのアミノ酸配列を示す。
配列番号3は、Phi29 DNAポリメラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を
示す。
配列番号4は、Phi29 DNAポリメラーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号5は、大腸菌(E. coli)由来sbcB遺伝子由来のコドン最適化ポリヌクレ
オチド配列を示す。それは、大腸菌(E. coli)由来エキソヌクレアーゼI酵素(Eco
Exo I)をコードする。
配列番号6は、大腸菌(E. coli)由来エキソヌクレアーゼI酵素(EcoExo I
)のアミノ酸配列を示す。
配列番号7は、大腸菌(E. coli)由来xthA遺伝子由来のコドン最適化ポリヌクレ
オチド配列を示す。それは、大腸菌(E. coli)由来エキソヌクレアーゼIII酵素をコ
ードする。
配列番号8は、大腸菌(E. coli)由来エキソヌクレアーゼIII酵素のアミノ酸配列
を示す。この酵素は、2本鎖DNA(dsDNA)の1本鎖の3’−5’方向での5’ヌ
クレオシド一リン酸の分配性消化(distributive digestion)を実施する。鎖での酵素開
始は、およそ4ヌクレオチドの5’オーバーハングを必要とする。
配列番号9は、T.サーモフィラス(T. thermophilus)由来recJ遺伝子由来コド
ン最適化ポリヌクレオチド配列を示す。それは、T.サーモフィラス(T. thermophilus
)由来のRecJ酵素(TthRecJ−cd)をコードする。
配列番号10は、T.サーモフィラス(T. thermophilus)由来RecJ酵素(Tth
RecJ−cd)のアミノ酸配列を示す。この酵素は、ssDNAから5’−3’方向で
5’ヌクレオシド一リン酸の加工性消化(processive digestion)を実施する。鎖での酵
素開始は、少なくとも4ヌクレオチドを必要とする。
配列番号11は、バクテリオファージラムダexo(redX)遺伝子由来コドン最適
化ポリヌクレオチド配列を示す。それは、バクテリオファージラムダエキソヌクレアーゼ
をコードする。
配列番号12は、バクテリオファージラムダエキソヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す
。配列は、三量体に会合する3個の同一のサブユニットの内の1つである。酵素は、ds
DNの1本鎖からヌクレオチドの高度な加工性消化を5’−3’方向で実施する(htt
p://www.neb.com/nebecomm/products/produc
tM0262.asp)。鎖での酵素開始は、5’リン酸を有するおよそ4ヌクレオチド
の5’オーバーハングを選択的に必要とする。
配列番号13および14は、実施例1、2、3、4、5および6において用いられるs
sDNAのポリヌクレオチド配列を示す。配列番号14は3’−コレステロールタグ(ch
olesterol tag)を有する。
配列番号15は、Hel308Mbuのアミノ酸配列を示す。
配列番号16は、ライセニン関連タンパク質(LRP)1のアミノ酸配列を示す。
配列番号17は、ライセニン関連タンパク質(LRP)1のアミノ酸配列を示す。
配列番号18は、ライセニン関連タンパク質(LRP)1のアミノ酸配列を示す。
配列番号19は、パラスポリン−2の活性化バージョンのアミノ酸配列を示す。全長タ
ンパク質は、そのアミノおよびカルボキシ末端で切断され、ポアを形成できる活性化バー
ジョンを形成する。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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