JP2018074168A - 電磁波シールドシートおよびプリント配線板 - Google Patents

電磁波シールドシートおよびプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】全体の厚さを薄くした場合でも絶縁層に傷付きが生じ難く、銀の導電性微粒子のみに依存せずに良好な導電性が得られる、電磁波シールドシートを提供する。
【解決手段】絶縁層と、導電層とを備えた電磁波シールドシートであって、前記導電層は、導電性微粒子、熱硬化性樹脂およびシリカ粒子を含み、前記シリカ粒子を熱硬化性樹脂100重量部に対して3〜95重量部含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板等の電子部品から発生する電磁波を遮蔽する電磁波シールドシートに関する。
プリント配線板は、配線回路から発生する電磁波を遮蔽するために電磁波シールド層を設置するのが一般的である。特に、スマートフォン等の携帯電話、あるいはデジタルカメラの電子機器は、ディスプレイ面積の増大に比例して、配線回路を流れる信号の伝送周波数が高くなる(高周波という)傾向がある。このように伝送周波数が高周波になると電磁波シールド層から漏洩した電磁波が他の電子機器の誤作動を誘発する。そのため悪影響を防止するため電磁波シールド層の重要性が増大している。
また、情報機器は、カメラ機能、GPS機能などの多機能を実現するためにプリント配線板の高密度化が進んでいる。さらに多機能化を進めるためには、配線回路をさらに高密度化する必要があるが、情報機器自体の大きさは無制限に拡大することは出来ないためプリント配線板の厚さを薄く設計することで高密度化を実現する必要がある。この薄さの追求は、電磁波シールド層として使用する電磁波シールドシートも例外ではない。
しかし、一般的に電磁波シールドシートの厚さを薄くすると電磁波シールド層の硬さが低下する傾向にある。そうすると例えばフレキシブルプリント基板(以下、FPCという)に積層して可動性のディスプレイの配線に使用した場合、当該ディスプレイを繰り返し可動すると電磁波シールド層の剥離や破断が発生する場合があった。
そこで特許文献1には、平均厚さ50〜300nm、平均粒径3〜10μmの薄片状金属粉と平均粒径3〜10μmの針状又は樹枝状金属粉金属粉と(B)バインダー樹脂を含有する導電性ペーストから形成された導電層に、保護層が積層された電磁波シールドシートが開示されている。
特開2011−187895号公報
しかし、従来の電磁波シールドシートは、絶縁層にハードコート層を設けていたが、電磁波シールドシートの厚さがさらに薄くなると絶縁層の傷付きを防止できず、電磁波シールド層の剥離や破断が発生する場合があった。一方電磁波シールドシートをFPCに熱プレス接着(本硬化ともいう)する際に導電層が側面からはみ出し、外観不良や他の部位と導通し、不良品になる問題もあった。
本発明は、電磁波シールドシート全体の厚さを薄くした場合でも絶縁層に傷付きが生じ難く、導電層がはみ出しにくい電磁波シールドシートの提供を目的とする。
本発明は、絶縁層と、導電層とを備えた電磁波シールドシートであって、前記導電層は、導電性微粒子、熱硬化性樹脂およびシリカ粒子を含み、前記シリカ粒子を熱硬化性樹脂100重量部に対して3〜95重量部含むことを特徴する構成の電磁波シールドシートである。
上記構成の本発明によれば、絶縁層の下地層ともいえる導電層の硬さを向上することが傷付き防止には重要である。すなわち、導電層にシリカ粒子を配合することで電磁波シールド層全体として柔軟性を損なわずに、絶縁層に傷が付き難い効果、および導電層がはみ出しにくい効果が得られた。
本発明により電磁波シールドシート全体の厚さを薄くした場合でも絶縁層に傷付きが生じ難く、導電層がはみ出しにくい電磁波シールドシートを提供できた。
本発明の電磁波シールドシートは、絶縁層と、導電層とを備えている。そして前記導電層は、導電性微粒子、熱硬化性樹脂およびシリカ粒子を含むことが必要である。本発明の電磁波シールドシートは、絶縁層の下地層といえる導電層にシリカ粒子を配合することで、導電層を硬くすることができる。本発明の電磁波シールドフィルムを備えたプリント配線板を電子機器の内部に組み込むと、導電層の硬さ故、絶縁層は、例えば電磁波シールド層が電子機器内の周辺部材と接触した場合、絶縁層に傷が付きにくくいため、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器の狭い空間に組み込まれて長期間使用された場合でも電磁波シールド層の剥離や破断が生じ難い効果が得られた。
<絶縁層>
本発明において絶縁層は、絶縁性樹脂組成物から形成できる。前記絶縁性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂および硬化剤を含むことが必要である。
前記熱硬化性樹脂は、柔軟性と接着性を有する樹脂を使用すればよい。具体的には、例えばポリエステル樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が好ましい。
前記熱硬化性樹脂は、硬化剤と反応できる架橋性官能基を有する。前記架橋性官能基は、例えば、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリン基、オキサジン基、シラノール基、アルコキシシラン基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、アジリジニル基、チオール基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、メチロール基、アセタール基及びケタール基など等が挙げられる。これらの中でも架橋後の耐熱性がより向上するためカルボキシル基、酸無水物基が好ましい。熱硬化性樹脂は、架橋性官能基を1種または2種以上有することができる。
前記硬化剤は、熱硬化性樹脂の架橋性官能基と反応できる官能基を2つ以上有する化合物が好ましい。架橋性官能基がカルボキシル基の場合、硬化剤は、エポキシ化合物、アリジリン化合物、イソシアネート化合物、ポリオール化合物、アミン化合物、メラミン化合物、シラン化合物、カルボジイミド化合物、金属キレート化合物等が好ましい。架橋性官能基が水酸基の場合、硬化剤は、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、金属キレート化合物が好ましい。また、架橋性官能基がアミノ基の場合、硬化剤は、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、金属キレート化合物が好ましい。
これら硬化剤の中でも、樹脂が酸価を有する場合(カルボキシル基を有する場合)は、エポキシ化合物およびアジリジン化合物が好ましい。
硬化剤は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、1〜70重量部使用することが好ましく、5〜60重量部がより好ましい。
前記絶縁性樹脂組成物には、必要に応じてシランカップリング剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤,充填剤,難燃剤等を添加しても良い。
絶縁層の厚みは、用途に応じて適宜設計可能であるが、約0.5μm〜25μmが好ましく、より好ましくは、約2μm〜15μmがより好ましい。絶縁層の厚みが、約0.5μm〜25μmにあることで柔軟性を維持したまま絶縁層の硬さがより向上できる。前記絶縁性樹脂組成物を使用する場合の絶縁層の形成方法は、後述する。
<導電層>
導電層は、導電性樹脂組成物を使用して形成できる。前記導電性樹脂組成物は、導電性微粒子、熱硬化性樹脂およびシリカ粒子を含むことが好ましい。
本発明において導電性微粒子は、金、白金、銀、銅、ニッケルなどの導電性金属およびその合金からなる金属の微粒子が好ましい。また単一組成の微粒子ではなく金属や樹脂を核体とし、その被覆層を導電性が高い素材で形成した導電性微粒子もコストダウンの観点から好ましい。前記核体は、ニッケル、シリカ、銅および樹脂から選択することが好ましく、導電性の金属およびその合金がより好ましい。前記被覆層は、導電性が優れる素材であればよく、導電性金属または導電性ポリマーが好ましい。導電性金属は、例えば、金、白金、銀、錫、マンガン、およびインジウム等、ならびにその合金が挙げられる。また導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げられる。これらの中でも導電性の面から銀が好ましい。
前記核体と被覆層からなる導電性微粒子は、核体100重量部に対して、1〜40重量部の割合で被覆層を有するのが好ましく、5〜30重量部がより好ましい。1〜40重量部で被覆すると、導電性を維持しながら、よりコストダウンができる。
前記核体と被覆層からなる導電性微粒子は、被覆層が核体で完全に覆うことが好ましい。しかし、実際には、核体の一部が露出する場合がある。このような場合でも核体表面面積の70%以上を導電性物質が覆っていれば、導電性を維持しやすい。
本発明において導電性微粒子の形状は、所望の導電性が得られればよく形状は限定されない。具体的には、例えば、球状、フレーク状、葉状、樹枝状、プレート状、針状、棒状、ブドウ状が好ましい。
前記導電性微粒子は、平均粒子径1〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましく、4〜15μmがさらに好ましい。平均粒子径が1〜100μmの範囲内にあることで、導電性がより向上し、さらに、例えば熱硬化性樹脂と配合して導電性樹脂組成物を製造した場合に、その溶液安定性をより向上できる。なお、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS 13320(ベックマン・コールター社製)を使用し、ト
ルネードドライパウダーサンプルモジュールにて、各導電性微粒子粉を測定して得たD50平均粒子径であり、粒子の積算値が50%である粒度の直径の平均粒子径を用いた。なお、屈折率の設定は1.6とした。
なお、導電性微粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡の拡大画像(約千倍〜1万倍)において無作為に選定した約20個の粒子を平均した数値から求めることもできる。この場合の平均粒子径も1〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましい。なお導電性微粒子に長軸方向と短軸方向が有る場合(例えば棒状粒子)は、長軸方向の長さで平均粒子径を算出する。
前記導電性微粒子は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、50〜1500重量部を配合することが好ましく、100〜1000重量部がより好ましい。50〜1500重量部配合することで、導電性と接着性をより両立しやすくなる。
前記熱硬化性樹脂は、絶縁層で説明した熱硬化性樹脂を使用できる。絶縁層および導電層に使用する熱可塑性樹脂は、同一、または異なっていてもよい。
本発明においてシリカ粒子は、導電層を硬くする。すなわち、電磁波シールドシートの下地である導電層が固くなることで上層にある絶縁層の耐摩耗性が向上し、絶縁層の傷付きを抑制できる。また、導電層にシリカ粒子を添加することで導電層のはみ出しを抑制できる。前記シリカ粒子は、親水性シリカおよび疎水性シリカのいずれも使用できる。
前記シリカ粒子は熱硬化性樹脂100重量部に対して3〜95重量部配合することが好ましい。3重量部以上で所望の硬さが得易くなる。また95重量部以下で、導電層の接着強度が得易くなる。
また、前記シリカ粒子のBET比表面積は、50〜300m2/gが好ましい。前記範
囲にあることで導電層中にシリカ粒子を分散しやすくなり、接着強度もより向上できる。
また導電性樹脂組成物には、イオンキャッチャー剤を配合することが好ましい。前記イオンキャッチャー剤を配合すると、導電性微粒子の金属イオンに起因した導電性および接着強度の経時低下を抑制し易くなる。具体的には、例えば、N−サリシロイル−N’−アルデヒドラジン、N,N−ジベンザル(オキザルヒドラジド)、イソフタリック酸ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジン)、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンなどが挙げられる。これらの中でもデカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジドおよびN,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンが好ましい。
イオンキャッチャー剤は、導電性微粒子100重量部に対して、0.5〜30重量部使用することが好ましく、1〜20重量部がより好ましい。1〜20重量部使用することで導電性および接着性の経時低下をより抑制し易くなる。
導電性樹脂組成物は、導電性微粒子の分散安定性を向上するために増粘剤を配合できる。例えばポリカルボン酸化合物、ポリウレタン化合物、ウレア化合物、ポリアミド化合物等を含むことができる。
導電性樹脂組成物は、必要に応じてシランカップリング剤、防錆剤、還元剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤、充填剤、難燃剤などを配合できる。
導電性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂、硬化剤、導電性微粒子を混合し攪拌して得ることができる。前記攪拌は、ディスパーマットが一般的であるが、ホモジナイザーを使用することもできる。
本発明の電磁波シールドシートは、絶縁層および導電層を備えている。前記導電層の製造方法の1例を挙げると、例えば、絶縁性樹脂組成物および導電性樹脂組成物を剥離性シートに塗工して、それぞれ絶縁層および導電層を形成して製造できる。または、Tダイのような押出成形機により、絶縁層および導電層を形成して製造できる
前記塗工方法は、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレード方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピコート方式、ディップコート方式等の公知の塗工方法を使用できる。
前記導電層の厚みは、1〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましく、4〜15μmがさらに好ましい。厚みが1〜100μmの範囲にあることで導電性と、その他の物性を両立しやすくなる。
本発明の電磁波シールドシートは、上記のように得た導電層、および絶縁層を備えている。この電磁波シールドシートは、例えば、導電層に、予め絶縁性樹脂組成物を成形した絶縁層を貼り合わせることで製造できる。または、予め形成した導電層に、別途剥離性シート上に形成した絶縁層を貼り合わせることで製造することもできる。または、導電層に直接絶縁性樹脂組成物を塗工することで絶縁層を形成することでも製造できる。前記絶縁層には、さらに他の機能層を積層することもできる。他の機能層とは、ハードコート性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、低誘電率、高誘電率性または耐熱性等の機能を有する層である。
また電磁波シールドシートが接着機能を有する場合、熱硬化性樹脂の架橋性官能基と硬化剤の官能基は、未反応状態(半硬化状態)で存在するのが一般的である。その後、電磁波シールドシートを使用する際、例えばFPCに重ね、または貼り付けた後に加熱圧着工程により本硬化することで所望の接着強度が得られる場合が多い。なお本発明においてアジリジン硬化剤を使用するとき、塗工の際の加熱乾燥でアジリジン硬化剤が熱硬化性樹脂の架橋性官能基と反応する場合があるが、かかる場合でも半硬化状態という。
前記剥離性シートは、紙またはプラスチックの基材の少なくとも一方に公知の剥離処理を行ったシートである。
なお電磁波シールドシートは、導電層または絶縁層の保護および取り扱いを容易にするため剥離性シートを貼り付けた状態で保存する場合が多い。
本発明の電磁波シールドシートは、電磁波をシールドする必要がある様々な用途に使用できる。例えば、リジッドプリント配線板は元より、フレキシブルプリント配線板、COF、TAB、フレキシブルコネクタ、液晶ディスプレイ、タッチパネル等に使用できる。また、パソコンのケース、建材の壁および窓ガラス等の建材、車両、船舶、航空機等の電磁波を遮蔽する部材としても使用できる。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の「部」及び「%」は、それぞれ重量部及び「重量%」に基づく値である。
実施例で使用した導電性微粒子を表1に示す。
表1の導電性微粒子2、7および8の製造例を以下に示す。
<製造例1>
予め下記原料が均一になるように攪拌混合した後、ジルコニアビーズと共にアイガーミルに投入し、30分間分散工程を行った。得られた微粒子をメチルエチルケトンで複数回デカンテーションを行った。さらに80℃のオーブンで乾燥することで平均粒子径10.9μmの導電性微粒子2を得た。
導電性微粒子1 :100.0部
トルエン :400.0部
オレイン酸 :10.0部
<製造例2>
予め下記原料が均一になるように攪拌混合した後、ジルコニアビーズと共にアイガーミルに投入し、30分間分散工程を行った。得られた微粒子をメチルエチルケトンで複数回デカンテーションを行った。さらにオーブンで乾燥することで平均粒子径8.9μmの導電性微粒子7を得た。
FCC-SP-99F(樹枝状銅粉 福田金属箔粉工業社製) :100.0部
トルエン :400.0部
オレイン酸 :10.0部
<製造例3>
予め下記原料が均一になるように攪拌混合した後、ジルコニアビーズと共にアイガーミルに投入し、60分間分散工程を行った。得られた微粒子をメチルエチルケトンで複数回デカンテーションを行った。さらにオーブンで乾燥することで平均粒子径21.1μmの導電性微粒子8を得た。
Ni-255T(ブドウ状ニッケル粉 福田金属箔粉工業社製) :100.0部
トルエン :400.0部
オレイン酸 :10.0部
<熱硬化性樹脂>
ウレタン樹脂:トーヨーケム株式会社製、酸価=10mgKOH/g、アミン価=0.1mgKOH/g
エポキシエステル樹脂:トーヨーケム株式会社製、酸価=30mgKOH/g
アクリル樹脂:トーヨーケム株式会社製/酸価=350mgKOH/g
表2に使用したシリカの性状を示す
<実施例1>
ウレタン樹脂を100部、導電性微粒子1を300部、デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジドを5.0部、シリカ粉末NX90G(日本アエロジル株式会社)を10部
容器に仕込み、不揮発分が40%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(=2:1)の混合溶剤を加えた。この混合物をディスパーで5分間攪拌を行うことで導電性樹脂組成物を得た。
得られた導電性樹脂組成物の100部に、硬化剤としてエポキシ化合物(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量=189g/eq、「JER828」、ジャパンエポキシレジン社製)10部およびアジリジン系硬化剤(日本触媒製「ケミタイトPZ−33」)2.0部を加えディスパーで10分攪拌した後、剥離性シートに、乾燥厚みが5μmになるようにバーコーターを使用して塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで導電層を得た。
別途、ウレタン樹脂を100部、硬化剤としてエポキシ化合物(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量=189g/eq、「JER828」、ジャパンエポキシレジン社製)10部およびアジリジン化合物10部を加えディスパーで10分攪拌した後、剥離性シートに、乾燥厚みが6μmになるようにバーコーターを使用して塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで絶縁層を得た。そして導電層に絶縁層を重ねた後、150℃、2MPpa、30分間の条件で熱圧着することで電磁波シールドシートを得た。
<実施例2〜18、比較例1〜2>
原料を表3および表4に記載した種類および配合量に変更した以外は実施例1と同様に行うことで、電磁波シールドシートを得た。
得られた電磁波シールドシートを下記評価項目に従い測定した。結果を表5および表6に示す。
[鉛筆硬度]
得られた電磁波シールドシートを縦50mm・横50mmの大きさに準備し試料とした。前記試料を厚さ2mmのステンレス板に150℃、2MPaの条件で30分間熱圧着を行い本硬化させた。次いで絶縁層の剥離性シートを剥がし、JIS K 5400に準拠して、鉛筆引っかき試験機(No.553−M、株式会社安田精機製作所)を用いて、絶縁層の鉛筆硬度を測定した。具体的には試料の絶縁層に、鉛筆(三菱鉛筆社製)を45度の角度で、上から1kgの荷重を掛け5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。これを5回繰り返し、5回中2回以上の傷が生じた鉛筆の1ランク下の鉛筆の硬度を鉛筆硬度とした。評価基準は以下の通りである。
○:HB以上。実用上問題ない。
×:HB未満。実用不可。
[表面抵抗値]
得られた電磁波シールドシートを縦50mm・横50mmの大きさに準備し試料とした。前記試料を150℃、2MPaの条件で30分間熱圧着を行い本硬化させた。次いで導電層の剥離性シートを剥がし、導電層の表面抵抗値を三菱化学アナリテック社製「ロレスターGP」の四探針プローブを用いて測定した。評価基準は以下の通りである。
◎:0.2[Ω/□]未満。実用上問題ない。
○:0.2[Ω/□]以上、0.6[Ω/□]未満。実用上問題ない。
△:0.6[Ω/□]以上、1.2[Ω/□]未満。実用上問題ない。
×:1.2[Ω/□]以上。実用不可。
[耐摩耗性]
得られた電磁波シールドシートを幅40mm・長さ150mmの大きさに準備し、その導電層の剥離性シートを剥がし、厚さ75μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン300H」)に150℃、2MPa、30minの条件で圧着することで試料を作成した。次いで絶縁層の剥離性フィルムを剥がした絶縁層に対して、別途前記同様に準備した試料の絶縁層を学振式磨耗試験機(テスター産業社製)にセットして荷重200gf、ストローク120mm、往復速度30回/minの条件で、絶縁層と絶縁層を磨耗させることで絶縁層に外観不良が発生するまでの回数を評価した。評価基準は以下の通りである。
○:20000回以上。実用上問題ない。
△:10000回以上20000回未満。実用上問題ない。
×:10000回未満。実用不可。
[接着強度]
得られた電磁波シールドシートを幅25mm・長さ70mmに準備し試料とした。試料から導電層の剥離性シートを剥がし、導電層に厚さ50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)を150℃、2.0MPa、30minの条件で圧着することで本硬化した。次いで接着強度測定のために試料を補強する目的で絶縁層の剥離性シートを剥がし、絶縁層に、トーヨーケム社製接着シートを用い、厚さ50μmのポリイミドフィルムを、150℃、1MPa、30minの条件で圧着することで「ポリイミド/電磁波シールドシート/接着シート/ポリイミド」の構成の積層体を得た。この積層体を引張試験機(島津製作所社製)を使用して23℃50%RHの雰囲気下、剥離速度50mm/min、剥離角度90°で、導電層とポリイミドフィルムとの界面を剥離することで剥離強度を測定した。
○:4N/25mm以上。実用上問題ない。
×:4N/25mm未満。実用不可。
[はみ出し性]
導電層のはみ出し性を次の方法で評価した。得られた導電性樹脂組成物を厚さ50μmのポリイミドフィルム(「カプトン200EN」)に乾燥膜厚が8μmになるように塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで導電層を形成し積層体1を得た。積層体1に穴あけ機で直径5mmの貫通穴を形成した。
別途、得られた絶縁性樹脂組成物を厚さ50μmのポリイミドフィルム(「カプトン200EN」)に、乾燥膜厚が15μmになるように塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで絶縁層を形成し積層体2を得た。
次いで、積層体1の導電層と積層体2の絶縁層が接するように重ねた上150℃、2MPa、30minの条件で加熱圧着を行った。室温に冷却後、積層体1の穴部分を拡大鏡で観察し、導電層が穴にはみ出した長さを測定した。評価基準は以下の通りである。
○:はみ出した長さが0.1mm未満で穴の直径が4.8mmより大きい
×:はみ出した長さが0.1mm以上で穴の直径が4.8mm以下

Claims (3)

  1. 絶縁層と、導電層とを備えた電磁波シールドシートであって、
    前記導電層は、導電性微粒子、熱硬化性樹脂およびシリカ粒子を含み、
    前記シリカ粒子を熱硬化性樹脂100重量部に対して3〜95重量部含むことを特徴とする電磁波シールドシート。
  2. 前記シリカ粒子のBET比表面積が50〜300m2/gであることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールドシート。
  3. 請求項1または2記載の電磁波シールドシートを備えたプリント配線板。
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