JP2018073647A - 蓄電デバイス用外装材 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の蓄電デバイス用外装材(以下、単に「外装材」と称する。)1を示す断面図である。
金属箔層11としては、アルミニウム、銅、銅合金、ステンレス、ニッケル、鉄、マグネシウム、チタン等からなる各種金属箔を使用することができ、これらのうち、防湿性、延展性等の加工性の面から、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔が好ましい。さらに、コストの面からアルミニウム箔がより好ましい。アルミニウム箔としては、一般の軟質アルミニウム箔を用いることができる。なかでも、耐ピンホール性及び成型時の延展性に優れる点から、鉄を含むアルミニウム箔が好ましい。
基材層13は、蓄電デバイスを製造する際のシール工程における耐熱性や、電解液が付着しても変質しない耐電解液性を外装材1に付与するとともに、加工や流通の際に起こり得るピンホールの発生を抑制する役割を果たす。
第一の腐食防止層12及び第二の腐食防止層14(以下、「腐食防止層」という)は、電解液や、電解液と水分の反応により発生するフッ酸による金属箔層11の腐食を抑制する役割を果たす。また、基材層13と金属箔層11、および金属箔層11とシーラント接着層15との密着力を高める役割を果たす。
シーラント接着層15は、第二の腐食防止層14が形成された金属箔層11とシーラント層16とを接着する層である。外装材1は、シーラント接着層15を形成する接着成分によって、熱ラミネート構成とドライラミネート構成との大きく二つに分けられる。
シーラント層16は、外装材1においてヒートシールによる封止性を付与する層である。シーラント層16としては、ポリオレフィン系樹脂、又はポリオレフィン系樹脂を無水マレイン酸等の酸を用いてグラフト変性させた酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。
以下、本実施形態の外装材1の製造方法について説明する。具体的には、同製造方法として下記工程(1)〜(3)を有する方法が挙げられるが、下記内容は一例であり、外装材1の製造方法は下記の内容に限定されない。
工程2:金属箔層11の第一の面に形成された第一の腐食防止層12上に、基材層用原料(樹脂材料)を用いて基材層13を形成する工程。
工程3:金属箔層11の第二の面に形成された第二の腐食防止層14上に、シーラント接着層15を介してシーラント層16を貼り合わせる工程。
金属箔層11の両面に、例えば腐食防止処理剤を塗布し、これを乾燥して第一の腐食防止層12及び第二の腐食防止層14を形成する。腐食防止処理剤としては、前記したセリアゾール処理用の腐食防止処理剤、クロメート処理用の腐食防止処理剤等が挙げられる。腐食防止処理剤の塗布方法は特に限定されず、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコート等、各種方法を採用できる。あるいは、金属箔層11の表面を酸化処理することにより、金属箔層11の両面に金属箔層11を構成する金属元素に由来する金属酸化物の層(第一の腐食防止層12及び第二の腐食防止層14)を形成する。なお、金属箔層11の一方の面を腐食防止処理剤により処理し、他方の面を酸化処理してもよい。
金属箔層11の第一の面に形成された第一の腐食防止層12上に、基材層となる基材層用原料(樹脂材料)を塗布し、これを乾燥して基材層13を形成する。塗布方法は特に限定されず、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコート等、各種方法を採用できる。塗工後は、例えば60℃にて7日間のエージング処理で硬化促進を得ることができる。
基材層13、第一の腐食防止層12、金属箔層11及び第二の腐食防止層14がこの順に積層された積層体の、第二の腐食防止層14上にシーラント接着層15を形成し、積層体とシーラント層16を形成する樹脂フィルムを貼り合わせる。この際、シーラント接着層15及びシーラント層16を共押出ししすることで積層体に積層することもできる。
実施例及び比較例の外装材の作製に使用した材料を以下に示す。
腐食防止層B−1:酸化セリウム層(層厚100nm)
腐食防止層B−2:酸化クロム層(層厚100nm)
腐食防止層B−3:酸化アルミ層(層厚100nm)
金属箔C−1:軟質アルミニウム箔8021材(東洋アルミニウム社製、厚さ30μm)
金属箔C−2:銅箔(JX金属社製、厚さ30μm)
金属箔C−3:ステンレス箔(日本金属社製、厚さ30μm)
腐食防止層D−1:酸化セリウム層(層厚100nm)
接着樹脂E−1:無水マレイン酸でグラフト変性したポリプロピレン系樹脂(商品名「アドマー」、三井化学社製、層厚10μm)
熱融着樹脂F−1:ポリプロピレン系樹脂(商品名「プライムポリプロ」、プライムポリマー社製、層厚20μm:滑剤である不飽和脂肪酸アマイド含有)
金属箔C−1、C−2又はC−3の一方の面に腐食防止層D−1をダイレクトグラビア塗工にて形成した。次に腐食防止層D−1が形成されていない金属箔C−1、C−2又はC−3の他方の面に、腐食防止層B−1、B−2又はB−3をダイレクトグラビア塗工にて形成した。実施例においては、金属箔C−1、C−2又はC−3において腐食防止層B−1、B−2又はB−3を形成した面に、それぞれ基材層用原料A−1(実施例1)〜A−11(実施例15)のいずれかを塗工し、基材層(塗工層)を形成した。
以下の方法に従って各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
各例で得られた外装材を幅60mm、長さ120mmにカットし、測定用おもり(幅60mm、長さ100mm)に基材層面が外側になるよう取り付けた。また、測定機本体側の試料として、外装材を幅85mm、長さ250mmにカットし、測定機本体へ基材層面が外側になるよう取り付けた。測定機は摩擦測定機AN−S2(東洋精機製作所社製)を用いた。測定機本体へ取り付けた外装材の基材層とおもりに取り付けた外装材の基材層が接するようにおもりを設置し、測定機の測定台を傾斜させ、おもりが滑り出す角度(弧度法)の正接を静摩擦係数とした(JIS P8147 傾斜法)。得られた静摩擦係数について、以下の基準に従って評価した。
「A」:静摩擦係数が0.20未満。
「B」:静摩擦係数が0.20以上、0.25未満。
「C」:静摩擦係数が0.25以上。
Claims (7)
- 少なくとも基材層、金属箔層、シーラント接着層及びシーラント層をこの順に備え、
前記基材層が反応性基を有しないシリコーン系滑剤を含有する、蓄電デバイス用外装材。 - 前記シリコーン系滑剤が、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリジメチルシロキサン、フロロアルキル変性ポリジメチルシロキサン、長鎖アルキル変性ポリジメチルシロキサン、高級脂肪酸エステル変性ポリジメチルシロキサン及びフェニル変性ポリジメチルシロキサンよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記基材層がポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂及びアルキド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記基材層中の前記シリコーン系滑剤の含有量が0.5〜5.0質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記金属箔層がアルミニウム箔、銅箔又はステンレス箔からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記金属箔層が両面に腐食防止層を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記シーラント接着層が酸変性ポリオレフィン樹脂からなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用外装材。
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