JP2015015113A - ラミネート密閉電池 - Google Patents

ラミネート密閉電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2015015113A
JP2015015113A JP2013140113A JP2013140113A JP2015015113A JP 2015015113 A JP2015015113 A JP 2015015113A JP 2013140113 A JP2013140113 A JP 2013140113A JP 2013140113 A JP2013140113 A JP 2013140113A JP 2015015113 A JP2015015113 A JP 2015015113A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal foil
laminated
outer edge
exterior
resin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013140113A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6094808B2 (ja
Inventor
聡 犬飼
Satoshi Inukai
聡 犬飼
敦士 中島
Atsushi Nakajima
敦士 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2013140113A priority Critical patent/JP6094808B2/ja
Publication of JP2015015113A publication Critical patent/JP2015015113A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6094808B2 publication Critical patent/JP6094808B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)

Abstract

【課題】製造時における保護部材を設ける作業性を簡易にしつつ、ラミネート樹脂フィルムの外端縁部を確実に被覆して電池の信頼性を高めることができるラミネート密閉電池を提供する。
【解決手段】正極と負極とを有する発電要素体と、熱可塑性樹脂で金属箔をラミネートしたラミネート樹脂フィルム(21,22)よりなり、前記ラミネート樹脂フィルムの直線状の外端縁同士を該外端縁に沿って矩形に溶着して前記発電要素体の周縁を封止し該発電要素体を収納する外装(20)と、を備えるラミネート密閉電池において、前記外装の外端縁(E0long,E1)の溶着面(E0w)には、金属接着性を有し且つ前記熱可塑性樹脂フィルムよりも融点が低い接着性低融点樹脂層(23a)で少なくとも片方の表面が覆われた金属箔層(23m)を備えた金属箔部材(231)が挿入されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ラミネート樹脂フィルムよりなる外装に、発電要素体を収納して密閉状態に封止するラミネート密閉電池に関する。
ノート型コンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等電子機器の普及に伴い、これら電子機器を駆動するための二次電池の需要が拡大している。近年、これら電子機器においては、高機能化の進展に伴い消費電力が増大していることや、小型化が期待されていることから、二次電池の容量の増大が求められている。二次電池の中でも非水電解液二次電池(特に、リチウムイオン二次電池)は、高容量化が可能であることから種々の電子機器に利用されている。
非水電解液二次電池は、発電要素体を電池容器内に収納して構成できる。また、電池の軽量化を図れる電池容器として、ラミネート樹脂フィルムを外装材として利用する方法が広く知られており、発電要素体は密閉状態で収納可能となる。
このラミネート樹脂フィルムは、例えば金属箔に熱可塑性樹脂よりなる樹脂層を密着状態で積層させて成形されている。金属箔を用いることによりラミネート樹脂フィルムの厚さ方向の気密性が確保されている。また、樹脂層を積層することにより、金属箔単層の電池容器の種々の短所を補える他、熱溶着等の方法によってフィルム面に接着性を付与して開口部の封止を行い、フィルムの面方向の気密性が確保されるようになる。
例えば、ラミネート樹脂フィルム内に発電要素体を配置した状態でその周縁のラミネート樹脂フィルムを加圧状態で加熱し、樹脂層を溶融させ、重ね合わされたフィルムの外端縁同士を溶着し、密閉状態で発電要素体を収納したラミネート密閉電池が製造される。
また、ラミネート密閉電池は、複数個積み重ねる等して組電池として使用に供される場合がある。この際、金属製の筐体に各ラミネート密閉電池が収納され、組電池としての空間効率や剛性が担保されている。
ところで、代表的な非水電解液二次電池であるリチウムイオン二次電池では、電池の内部に水分が侵入すると電池性能が低下するという問題が提起されている。例えば、電池を外装するラミネート樹脂フィルム中の金属がアルミニウム箔の場合、アルムニウム箔が組電池の金属製の筐体と接触した状態で外部の水と接触すると、アルミニウムが腐食(電食)される現象が起こりうる。
また、所定の外形状をなすように、溶着後に外装の外端縁を切断して成形する製造工程を有する場合もあって、ラミネート樹脂フィルム中のアルミニウム箔は、フィルム外端縁の端面において不可避的に外部に露出してしまう。また、フィルム外端縁の端面は、組電池の構造上、金属製の筐体と接触し易くなっている。この部分のアルミニウム箔が腐食してしまうと、アルミニウム箔層の喪失分に応じて外装の気密性が劣化し、水分(水蒸気)がより容易に外装内部に浸入し易くなる。すると、浸入水分と電解質とが反応して例えばフッ酸が生成し、生成したフッ酸は発電要素体である電極などの部材を腐蝕し、電池性能の劣化が進む。
さらに、過充電や内部短絡により電池が発熱して異常に温度上昇する場合や高温下に放置される場合も起こりうる。このような場合に密閉電池の電池内部でガスが発生して外装内部の圧力が上昇すると、アルミニウム箔層の喪失により外端縁部の溶着強度が損なわれている状況下で、電池内側からのラミネート樹脂フィルム溶着面の剥離に拍車がかかる。電池の気密漏れによって最悪の場合では液漏れを起こしかねないという問題があった。
この問題に対して、特許文献1には、ラミネート密閉電池の外装であるラミネート樹脂フィルムの破損を防止するため、長辺側のフィルム外端縁部の端面を保護部材で覆う技術が記載されている。具体的には、接着剤を塗布又は両面テープを貼着した外端縁部を折り返して外装フィルムの外側面に貼りつけたり、外端縁部の端面にコの字型のソケットをかぶせた状態で同様に貼りつけたり、外端縁部を2回折りして端面が外部に露出しないようにしたりする方法が開示されている。この方法によれば、外端縁の溶着部を折り曲げた状態で固定する構成なので、金属筐体に接触しないように外端縁部の端面を保護できる。
特開2007−335309号公報
しかしながら、外端縁部の端面を保護することでラミネート樹脂フィルム中のアルミニウム箔の腐食を抑制し、水分の浸入を防いで電池性能維持し、耐久性能を向上することはできるが、それぞれの保護部材を設ける作業が必要となる。特に、両面テープ、接着剤を用いた固定では、高温高湿環境下で保護部材が剥離する可能性があり、例えば車載環境等には適していない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、製造時における作業性を簡易にしつつ、ラミネート樹脂フィルムの外端縁部を確実に被覆して電池の信頼性を高めることができるラミネート密閉電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明のラミネート密閉電池は、正極と負極とを有する発電要素体と、熱可塑性樹脂で金属箔をラミネートしたラミネート樹脂フィルムよりなり、ラミネート樹脂フィルムの直線状の外端縁同士を外端縁に沿って矩形に溶着して発電要素体の周縁を封止し発電要素体を収納する外装と、を備えるラミネート密閉電池において、外装の外端縁の溶着面には、金属接着性を有し且つ前記熱可塑性樹脂フィルムよりも融点が低い接着性低融点樹脂層で少なくとも片方の表面が覆われた金属箔層を備える金属箔部材が挿入されていることを特徴とする。
この構成によれば、外装の外端縁部の端面に、接着性低融点樹脂層の樹脂よりなり外端縁部の端面を保護する被覆を形成することができる。この被覆は、ラミネート樹脂フィルムの外端縁部を起点にその金属箔が腐食するのを防止する。よって、ラミネート密閉電池の信頼性を高めることができる。
より具体的には、溶着時には、外装の外端縁の溶着面に挿入された金属箔部材表面の接着性低融点樹脂が、ラミネート樹脂フィルムの熱可塑性樹脂よりも先に流動する。その際に、金属箔部材の金属箔層は、接着性低融点樹脂層の溶融樹脂が溶着面から外部にはみ出すようにその流動方向を良好に規制する。また、金属箔部材を溶着予定面に予めセットした後は、通常のラミネート樹脂フィルムの溶着工程と同様の作業を行うだけの簡易な方法で上記の被覆を形成することができる。
また、ラミネート樹脂フィルムと接着性低融点樹脂層との熱可塑性樹脂同士の接着強度は確保され、接着性低融点樹脂層は金属箔層と良好に接着するので、ラミネート樹脂フィルムの外端縁部の溶着強度は十分大きく確保される。
第1実施形態に係るリチウムイオン2次電池の斜視図であって、正極近辺を一部破断した図である。 同じく、リチウムイオン2次電池を構成する各部材について、外端縁部を折り返す前の平面配置を示す概略図である。 図1のIII- III線断面図である。 第2実施形態の電池について図2同様に各部材についての平面配置を示す概略図である。 第2実施形態の電池について図1のIII-III線断面に相当する図である。 第2実施形態の変形例の電池について図1のIII-III線断面に相当する図である。 第3実施形態の電池について図2同様に各部材についての平面配置を示す概略図である。 第3実施形態の電池について図1のVIII-VIII線断面図である。 第1変形例の電池について図1のIII-III線断面に相当する図である。 第2変形例の電池について図1のIII-III線断面に相当する図である。 第3変形例の電池について図1のIII-III線断面に相当する図である。
[第1実施形態]
以下、本発明のラミネート密閉電池をリチウムイオン二次電池(以下、単に電池Bとも記す)に適用した実施形態1について、図1ないし図3を参照しながら説明する。
本実施形態の電池Bは、図1に示すように、発電要素体を構成する積層型の電極体11及び非水電解液(図示せず)を、ラミネート樹脂フィルム21,22からなる外装20内に収納してなるものである。なお、図1において、符号Vは上下方向、Lは長手方向、Sは短手方向を意味する。
電極体11は、正極板11aと負極板11cとを有し、略方形の正極板11aと負極板11cとをセパレータ(図示せず)を介して交互に所定枚数積層してなり、略直方体状の全体形状を有する。正極板11aと負極板11cには、所定の方法で正極端子12と負極端子13がそれぞれ接続されており、正極端子12及び負極端子13は、外装20の相対向する一対の短手外端縁部E0a,E0cからそれぞれ反対方向に向けて外部に導出されている。電池Bは、正極端子12及び負極端子13を介して外部機器に接続し、適宜充放電を行うことで使用に供される。
正極板11aは、アルミニウムなどの金属により形成された正極集電体の両面にリチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質を含んだ正極合剤層を備えており、正極集電体には、アルミニウム製の正極端子12が溶接されている。また、負極板11cは、銅などの金属により形成された負極集電体の両面にリチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含んだ負極合剤層を備えており、負極集電体には、銅製の負極端子13が溶接されている。
外装20は、略長方形状をなす2枚のラミネート樹脂フィルム21,22を上下方向に重ね合わせ、外端縁212,222同士を長方形の4辺に沿って溶着して形成される。上側のラミネート樹脂フィルム21の中央には、電極体11を収納可能な方形状の凸部211が上方に突出してエンボス成形されている。凸部211の周縁の4方の外端縁212は、長方形の4辺に相当する長尺矩形状にそれぞれ形成され、それぞれ平坦なフランジ状をなす。この外端縁212の下面と、下面に重なり合わさる下側のラミネート樹脂フィルム22の外端縁222の上面とが熱溶着され、2枚のラミネート樹脂フィルム21,22間の開口部が封止されて外装20の外端縁部E0が形成される。外端縁部E0は、溶着前の上側のラミネート樹脂フィルム21の外端縁212の形状に対応して、同様に凸部211周縁の4方に長尺矩形状に形成され、溶着直後には平坦なフランジ状をなす。
また、溶着面E0wは外端縁部E0の4方の長尺矩形状に応じた領域を有しており、4方の外端縁部E0のうち、長辺側で相対向する一対の長手外端縁部E0longの溶着面E0wには、それぞれ金属箔部材231が挿入されている。長辺側の溶着面E0wに挿入される金属箔部材231の本体部は、2辺の長手外端縁部E0longの溶着面E0wに略相似小形の長尺矩形状をなす。また、金属箔部材231の本体部は、金属箔層23mの外側の端面23meが長手外端縁部E0longの端面E0eと同一面になるように挿入されている。
また、長手外端縁部E0longの端面E0eは、後述するように、金属箔部材231の低融点樹脂層23aをなす樹脂が溶融し、端面E0eから外部に流出し、端面E0eを覆った状態で固化した結果形成される外端面被覆部23aeで覆われる。外端面被覆部23aeは、ラミネート樹脂フィルム21,22の金属製のアルミニウム層21b,22bの端面が外装20の外部に露出しないように保護する部分である。
そして、2辺の長手外端縁部E0longは、外端縁部E0の形成後に凸部211の立ち上がり側面211aに添うように上方に折り返される。この結果、外装20長辺側の対向縁部には、2辺の折り返し形状保持縁部E1が形成される。この際、外端縁部E0longの溶着面E0wに挿入された金属箔部材231の本体部も外端縁部E0longと共に折り返されて、金属箔部材231には、長手方向に沿って折り曲げ部23b1が形成される。
また、4方の外端縁部E0のうち、短辺側で相対向する一対の短手外端縁部E0a,E0cにおいて、一方側の短手外端縁部E0a中央の上下のラミネート樹脂フィルム21,22の間からは、正極端子12が導出され、さらに正極端子12の図1において短手方向右側からは、負極リード端子23c1が引き出されている。負極リード端子23c1は、2辺の長手外端縁部E0longにそれぞれ挿入された2辺の金属箔部材231のうち、右側の1辺の金属箔部材231の本体部を一方側の短手外端縁部E0aに延長して形成されている。また、他方側の短手外端縁部E0c中央の上下のラミネート樹脂フィルム21,22の間からは、負極端子13が導出されている。
負極リード端子23c1は、金属箔部材231の本体部を一方側の短手外端縁部E0aの溶着面E0wに沿うように短手方向内側に90°屈曲させ、さらに正極端子12と接触しないように長手方向外側に90°屈曲させた形状で外装20の外部に引き出されている。また、他方側の溶接端縁部23c2は、金属箔部材231の本体部を他方側の短手外端縁部E0cに沿うように短手方向内側に90°屈曲させ溶着面E0w内において負極端子13に溶接されている。他方側の溶接端縁部23c2を介して負極端子13と接続する負極リード端子23c1は、一方側の短手外端縁部E0aにおいて上記のとおり引き出されて、正極端子12と共に正負間電圧検出用の端子とする部分であり、外部のECUに接続される。
なお、外装20の短手外端縁部E0a,E0cのそれぞれの溶着面E0wにおいて、正極端子12、負極端子13、及び溶接端縁部23c2の一部分が、上下方向からそれぞれタブフィルム12a,13aに挟まれている。タブフィルム12a,13aは、各金属端子と、ラミネート樹脂フィルムのアルミニウム層との間の絶縁性確保のために挿入されるフィルムである。
また、上側および下側の各ラミネート樹脂フィルム21,22は、図3に示すように、最も外側に形成されるフィルム層21a,22aと、このフィルム層21a,22aを所定の方法でラミネートしたアルミニウム箔からなるアルミニウム層21b,22bと、このアルミニウム層21b,22bの内側に形成される溶着層21c,22cとを順に積層した三層構造をなしている。フィルム層21a,22aの材料としては、ポリエチレンテレフタレートやナイロン等を用いることができ、溶着層21c,22cの材料としてはポリプロピレン等を用いることができる。
そして、金属箔部材231は、ステンレス製の金属箔からなる金属箔層23mの両面に低融点樹脂着層23aを積層した三層構造をなしている。
金属箔層23mは、箔状でありながらも自身の形状を保持可能な剛性を有している。よって、長辺側の外端縁部E0longと共に折り返されることによって、折り返し形状保持縁部E1の折り返し形状を保持可能になっている。金属箔部材231が挿入されていないフィルム二枚重ねのみからなる外端縁部を折り返した場合、折り返し外力を取り去った自然状態で放置すれば元の平坦形状に復元しかねない。一旦折り返し状に曲げ変形された金属箔層23mは、この復元力に抵抗して自身の形状を保持し、折り返し形状保持縁部E1を支えることができる。
また、低融点樹脂着層23aの材料としては、ラミネート樹脂フィルム21,22の溶着層21c,22cをなすポリプロピレン等の樹脂よりも融点が低く(成形温度が200℃以下)、かつ、金属箔層23m及びポリプロピレン等への接着性が高い樹脂を使用できる。より具体的には、酸変性ポリオレフィン、低融点アクリル樹脂を好適に使用することができる。特に好ましくは、酸変性ポリオレフィンとして、TOYOBO社製のポリオレフィン用ホットメルト接着剤である商品名「トーヨータック」(無水マレイン酸変性ポリプロピレン)を使用することができる。また、低融点アクリル樹脂として、代表的にはポリメタクリル酸メチル樹脂を好ましく使用できる。
本実施形態の電池Bは、例えば以下の方法により製造することができる。
所定の方法で作製した正極板11aと負極板11cをセパレータを介した状態で所定の複数枚交互に積層させる。正負の各電極板11a、11cに正負の各電極端子12,13を溶接する。また、周囲との絶縁を確保するために電極体11の最外周をセパレータで巻回する。
別途、上記のラミネート樹脂フィルムを準備する。ラミネート樹脂フィルムは1枚あたりで150〜200μmの厚さを有する。ラミネート樹脂フィルムを所定の大きさに切断し、電極体11を収納するための凸部211をプレス成型する。
また、別途、金属箔部材231を準備する。具体的には、厚み10μm程度のステンレス製の金属箔の両面に、酸変性ポリオレフィンの樹脂層又はポリメタクリル酸メチルの樹脂層を積層する。ペレット状、シート状いずれでも、適宜加熱下で塗布したり貼着したりして好適に密着状態で積層できる。低融点樹脂層23aの厚みは20〜50μmとすることができる。この樹脂層を積層したステンレス箔を上記の金属箔部材231の形状に切断する。
そして、上記の電極体11を上側のラミネート樹脂フィルム21の凸部211の内側に収納する。正極端子12及び負極端子13のそれぞれが、フィルムの外端縁212から突出した状態で収納される。また、溶着予定面であるフィルムの外端縁212の長辺側の2辺のうち片辺に、屈曲形状の金属箔部材231の本体部を配置すべく、金属箔部材231の溶接端縁部23c2を負極端子13に溶接し、負極リード端子23c1を外端縁から引き出す。また、長辺側の他辺に、本体部だけのストレート形状の金属箔部材231を配置する。
さらに、電極体11を収納した上側のラミネート樹脂フィルム21の上方から、下側のラミネート樹脂フィルム22を重ね合わせる。この際、長辺側の2辺の外端縁212、222間には、金属箔部材231が挿入されており、低融点樹脂層23aと溶着層21c,22c、又は溶着層21c,22c同士が対向した状態で下側のラミネート樹脂フィルム22を重ね合わせる。
別途調製した電解液を注入する。
電解液が注入された状態で、重ね合わせたラミネート樹脂フィルムの外端縁同士を溶着して封止する。加圧条件下で加熱する溶着作業開始時には、ラミネート樹脂フィルム21,22の熱可塑性樹脂(溶着層21c、22cの樹脂)の融点未満でフィルムが未だ溶融しない状態の低温時でも、金属箔部材231の低融点樹脂層23aの樹脂が最初に溶融する。すると、液化した低融点樹脂層23aの溶融樹脂は、金属箔層23mの表面を流動方向の案内面として、ラミネート樹脂フィルムの溶着(予定)面E0wに沿って外装の外端縁部E0の外部方向に滑らかに流動し、さらに溶着面E0wから外装20の外部に容易にはみ出してその端面E0eを覆う。
この後に本来の溶着層21c,22cの溶着温度まで温度上昇するのに伴って、ラミネート樹脂フィルムの熱可塑性樹脂よりなる溶着層22c,22cが溶融し、ラミネート樹脂フィルムの溶着層21c,22c同士の、又はラミネート樹脂フィルムの溶着層21c,22cと金属箔部材231の低融点樹脂層23aとの、溶融樹脂がそれぞれの境界面において相溶して溶着する。
溶着作業後に常温に戻った後には、長辺側の溶着面E0wに金属箔部材231が挿入された状態で外装の外端縁部E0が溶着及び封止される。また、外端縁の端面E0eには、外端縁部E0longから外部にはみ出して端面E0eを覆ったそのままの状態で固化した低融点樹脂層23aの樹脂よりなる外端面被覆部23aeが形成される。外端面被覆部23aeは、溶融樹脂が金属箔層23mの表面に沿って滑らかに端面E0eに移動、はみ出した結果形成されるので、端面E0e全面を良好にかさぶた状に覆う。
溶着後、ラミネート樹脂フィルムの外端縁部E0longを凸部211の立ち上がり側面211aに沿うように折り返して折り返し形状保持縁部E1を成形する。
初期充放電処理を行い、本発明のラミネート密閉電池の一つの実施形態であるリチウムイオン二次電池が製造される。
外装20の外端縁部E0のうち折り返し形状保持縁部E1が金属製の筐体Cや水分、塩分等に接触したとしても端面E0eが外端面被覆部23aeで保護されていて、ラミネート樹脂フィルム中のアルミニウム層21b,22bを介した導電現象が生じない。アルミニウム金属箔の腐食が抑止され、折り返し形状保持縁部E1の溶着強度が維持されて外装の耐久性が高められ、電池Bの信頼性が高められている。
以上詳述したことから明らかなように、第1実施形態のラミネート密閉電池Bは、正極板11aと負極板11cとを有する発電要素体と、熱可塑性樹脂よりなる溶着層21c,22cで金属箔のアルミニウム層21b,22bをラミネートしたラミネート樹脂フィルム21,22よりなり、ラミネート樹脂フィルムの直線状の外端縁212,222同士を該外端縁に沿って矩形に溶着して発電要素体の周縁を封止し該発電要素体を収納する外装20と、を備え、外装の外端縁の溶着面E0wには、金属接着性を有し且つ熱可塑性樹脂フィルムよりも融点が低い金属接着性を有する低融点樹脂層23aで両表面が覆われた金属箔層23mを備えた金属箔部材231が挿入されていることを特徴とする。
この構成によれば、外装の外端縁の端面E0eに、金属接着性を有する低融点樹脂層23aの樹脂よりなり、外端縁の端面E0eを保護する外端面被覆部23aeを形成することができる。この外端面被覆部23aeは、ラミネート樹脂フィルムよりなる外端縁部E0long(E1)を起点にそのアルミニウム層21b,22bが腐食するのを防止する。よって、ラミネート密閉電池Bの信頼性を高めることができる。
より具体的には、溶着時には、ラミネート樹脂フィルム21,22の外端縁212,222の溶着予定面に挿入された金属箔部材231表面の低融点樹脂層23aの樹脂が、ラミネート樹脂フィルムの熱可塑性樹脂よりも先に流動する。その際に、金属箔部材231の金属箔層23mは、低融点樹脂層23aの溶融樹脂が溶着面E0wから外部にはみ出すようにその流動方向を良好に規制する。また、金属箔部材231を溶着予定面に予めセットした後は、通常のラミネート樹脂フィルムの溶着工程と同様の作業を行うだけの簡易な方法で外端面被覆部23aeを形成することができる。
また、ラミネート樹脂フィルム21,22と低融点樹脂層23aとの熱可塑性樹脂同士の接着強度は確保され、低融点樹脂層23aは金属箔層23mと良好に接着するので、ラミネート樹脂フィルムの外端縁部E0long(E1)の溶着強度は十分大きく確保される。
また、外装20は、発電要素体を収納するためのその方形状の周縁に沿った凸部211がエンボス成形された上側のラミネート樹脂フィルム21と、下側のラミネート樹脂フィルム22の外端縁212,222同士を溶着して成形されており、外装の外端縁部(折り返し形状保持縁部E1)は、凸部211の立ち上がり面211aに添うように折り返して形成されており、さらに、金属箔層23mは、自身の形状を保持可能な剛性を有しており、外装の外端縁部は、溶着面E0wに挿入された金属箔部材231の外端縁と共に折り返して形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、片側のラミネート樹脂フィルム21だけがエンボス成形された凸部211を有する外装を有するので、同形状の発電要素体を収納して外装の外端縁部に同じ溶着面積を確保して封止する条件下では、凸部が形成されず電極体の側面に沿うように外端縁部を単に折り返した外装等と比較して、外装の全体形状を小型化可能であり、電池Bの体積当たりの容量確保の観点で有利になる。また、外端縁の溶着面E0wに自身の形状を保持可能な剛性を有するステンレスの金属箔層23mを備えた金属箔部材231が挿入されており、外端縁部のラミネート樹脂フィルムと共に金属箔層23mの外端縁部も折り返されているので、この結果形成される折り曲げ部23b1部分が折り返し形状保持縁部E1の折り返し形状を保持する効果を奏する。
より具体的には、電池の使用中において、振動や加圧等の外力が働いても、折り返し形状保持縁部E1(外端縁部)の折り曲げ形状が保持されるので電池の耐久性を向上できる。また電池内部においてガスが発生して内部から加圧される場合であっても、同様に折り曲げ形状が保持されるので、電池の耐久性を向上できる。
また、正極端子12及び負極端子13は外装の外端縁部E0のうち相対向する一対の短手外端縁部E0a、E0cからそれぞれ外部に導出され、金属箔層23mは導電性を有するステンレスよりなり、金属箔部材231片端の溶接端縁部23c2は、負極端子13が導出される一方の短手外端縁部E0cの溶着面E0wにおいて負極端子13に接続され、金属箔部材231は、他方の短手外端縁部E0aから金属箔部材231の他端を外部に引き出して延出させた負極リード端子部23c1を有することを特徴とする。
この構成によれば、1つのセル状の電池Bにおいて、正極端子12と負極端子13とが外装の相対向する2辺の短手外端縁部E0a、E0cからそれぞれ反対方向に向けて導出されている場合でも、正極端子12と、溶接端縁部23c2を介して負極端子13に接続された負極リード端子23c1と、を同一の1辺の短手外端縁部E0aから同じ方向に向けて引き出せる。よって、このセル電池を組電池化した際に、各セル電池の電圧検出のためのECUとの配線の取り回しを容易にできる効果を奏する。
また、金属箔層23mの厚みは、10μm〜500μmであることを特徴とする。
この構成によれば、金属箔層23mを10μm〜500μmの範囲の厚みを有する汎用の金属箔材料で形成することにより、外装20の外端縁部E0long(E1)の剛性を適切な範囲に維持できる。
すなわち、金属箔層23mの厚みが10μmより小さいと、金属箔部材231の剛性が不十分で折り返し形状保持縁部E1の折り返し状態を保持できず、耐久性向上の効果が不足しかねない。500μmより大きいと、外端縁部E0longの剛性が大きくなり過ぎて折り返し加工の作業効率が損なわれかねない。ステンレス製の金属箔層23mの厚みが10μm程度であると特に好ましい。
また、金属箔層23mは、アルミニウム、ステンレス、銅のいずれかの金属を主成分とすることを特徴とする。
この構成によれば、アルミニウム、ステンレス、銅のいずれの金属材料でも適当な剛性を有しており、外装20全体のコンパクトさ維持できる範囲のなるべく薄い厚みでも好適に自身の形状を保持できる。また、いずれの金属材料でも適当に小さい電気抵抗率を有しており、容易に金属薄層の両端抵抗を小さくでき、電池のエネルギー損失を抑えることができる。
また、金属接着性を有する低融点樹脂層23aは、酸変性ポリオレフィン樹脂又は低融点アクリル樹脂のいずれかの樹脂を原料とすることを特徴とする。
酸変性ポリオレフィン樹脂又は低融点アクリル樹脂は金属接着性を有するので、金属箔層23mの金属材料に対して良好に接着できる。よって、溶着面E0wの溶着強度を十分確保できる。また、酸変性ポリオレフィン樹脂又は低融点アクリル樹脂は、ラミネート樹脂フィルムの溶着層21c,22cの熱可塑性樹脂より先に溶融するので、溶着時に速やかに溶着(予定)面E0w間を流動できる。よって、外端面被覆部23aeを良好に形成しうる。
また、金属箔層23mの表面は、クロメート処理されていることを特徴とする。
この構成によれば、金属箔層23m表面の耐食性を高めることができる。
具体的には、リチウムイオン二次電池において密閉電池内部でフッ酸が生成した場合等に、溶着面E0wに挿入されている金属箔層23mが腐食されるのを防止して溶着強度を維持できうる。
[第1実施形態の変形例]
上述した第1実施形態では、金属箔部材231の低融点樹脂層23aが金属箔層23mの両面に積層される3層構造としたがこの構成に限られない。低融点樹脂層23aが片面に積層される2層構造であっても構わない。低融点樹脂層23aが金属箔層23m片面だけに積層されている場合でも、低融点樹脂層23aの溶融樹脂を外端縁部から外部に流出させて、端面E0eを被覆する外端面被覆部23aeを形成することができる。
また、上側のラミネート樹脂フィルム21だけが凸部211を有する片側エンボス成形の外装の例を示したがこの構成に限られない。両側エンボス成形の外装であっても、折り返し形状保持縁部E1の折り返し形状が保持されて外装の小型化を維持しながら耐久性を確保することができる。
また、長辺側の2辺の外端縁部のうち片方の1辺の金属箔部材231の本体部を延出させて負極リード端子23c1を形成する構成を示したが、他方の金属箔部材231の本体部を延出させて同様に正極リード端子を形成する構成でも構わない。さらに、2辺両方の金属箔部材231,231がそれぞれ反対方向に延出されて正極リード端子及び負極リード端子を形成する構成でも構わない。いずれの構成でも、組電池化した際に、各セル電池の電圧検出のためのECUとの配線の取り回しを容易に行える。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の電池B2について、主に第1実施形態と異なる構成に関して説明する。第2実施形態に係る電池B2は、第1実施形態と同様に、積層型の電極体11及び非水電解液を、ラミネート樹脂フィルム21,22からなる外装20内に収納してなるものであり、金属箔部材232の構成が第1実施形態と異なっている。なお、以下の第1実施形態と異なる各実施形態及び変形例の説明において、第1実施形態と同構成については同符号を付して図示し、また、説明を省略する。
第2実施形態の金属箔部材232は、上側のラミネート樹脂フィルム21の凸部211を形成する凸曲部211cの内表面211bをも連続的に覆うように溶着面E0wに挿入される。つまり、図4及び図5に示すように、金属箔部材232の本体部は、溶着面E0wよりもフィルム内側に配置する凸部211の内表面をも一部覆う幅広に形成されている。
金属箔部材232は、第1実施形態と同様に、長辺側の2辺の長手外端縁部E0longに沿って2本挿入され、金属箔部材232の本体部における金属箔層23mの外側の端面23meを、外端縁部E0longの端面E0eに揃えて挿入される。溶着後には、外端縁部E0longは第1実施形態と同様に折り返されて、金属箔部材232には折り曲げ部23b1が形成されている。
また、金属箔部材232の本体部における内側の端面23miは、凸部211の凸曲部211cよりも短手方向内側に配置される。つまり溶着面E0wより短手方向内側に配置される金属箔部材232の部分は、凸部211の内表面を覆うように密着され、凸部211の立ち上がり側面211aの裏面である内側面、及び凸部211の底面に向けて添うように上側のラミネート樹脂フィルム21と共に屈曲されている。金属箔部材232には、この底面と内側面とがなす角度に凸曲部211cに沿って屈曲された第2の折り曲げ部23b2が形成され、内側面と溶着面E0wとがなす角度に凹曲部211dに沿って屈曲された第3の折り曲げ部23b3が形成されている。
以上説明したことから明らかなように、第2実施形態のラミネート密閉電池B2は、金属箔部材232は、凸部211を形成する凸曲部211cの内表面211bをも連続的に覆うように、溶着面E0wに挿入された金属箔部材の部分とひと続きにつながって形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、凸部211の凸曲部211cの内表面211bを覆う金属箔部材232の部分には、凸曲部211cに沿った第2の折り曲げ部23b2が形成される。また、金属箔部材232の凸曲部211cの内表面211bを覆う部分と溶着面E0wに挿入される部分とは連続的にひと続きにつながって形成されており、金属箔部材232には、凸部211と溶着面E0wとがなす角度に屈曲する第3の折り曲げ部23b3が形成される。よって、金属箔部材232中の金属箔層23mは自身の形状を保持する剛性を有するので、第2及び第3の各折り曲げ部23b2、23b3に沿って、凸曲部211cの曲げ形状及び溶着面E0w内端部の曲げ形状をも保持できる効果を奏する。
より具体的には、電池内部でガスが発生する場合には、ラミネート樹脂フィルムの屈曲成形部分である凸部211の凸曲部211cや溶着面E0wの内端部では、電池内部の圧力上昇により集中的に応力が生じ、損傷を受ける可能性が高まる。ここで、金属箔部材232が挿入ないし密着する屈曲形状の剛性が充分保持されており、応力への抵抗力が高められることで損傷が生じるのを抑止することができ、外装の耐久性を向上させることができる。
[第2実施形態の変形例]
上述した第2実施形態では、1枚状の金属箔部材232において、折り曲げ部23b1と第2折り曲げ部23b2と第3折り曲げ部23b3と、が形成されている構成を示したが、折り曲げ部23b1と第2折り曲げ部23b2とが別個の金属箔部材231,233によってそれぞれ形成されていても構わない。
すなわち、図6に示すとおり、折り返し形状保持縁部E1は、溶着面E0wに挿入された低融点樹脂層23aで表面が覆われ且つ自身の形状を保持可能な剛性を有する金属箔層23mを備えた金属箔部材231と共に折り返して形成されており、凸部211を形成する凸曲部211cは、低融点樹脂層23aで少なくとも片方の表面が覆われ且つ自身の形状を保持可能な剛性を有する他の金属箔層23mを備えた他の金属箔部材233で内表面211bが覆われている構成とすることができる。
この構成によれば、第1実施形態と同様に、金属箔部材231が折り返し状に挿入されることによって、外端縁部E0longを折り返して形成される折り返し形状保持縁部E1の形状が保持されるとともに、他の金属箔部材233によって凸曲部211cの内表面211bが覆われているので、凸部211の屈曲形状の剛性を高めることもできる。よって、外装20の耐久性を高めることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の電池B3について、主に第1及び第2の各実施形態と異なる構成に関して説明する。第3実施形態に係る電池B3は、金属箔部材234の構成が第1実施形態と異なっている。
第3実施形態の金属箔部材234は、エンボス形成された上側のラミネート樹脂フィルム21の内表面全体213を覆うようにラミネート樹脂フィルム21に積層されている。つまり、図7及び図8に示すように、第1実施形態と同様に金属箔層23mの両面に低融点樹脂層23aを備えた1枚の3層構造の金属箔部材234が、同じく3層構造の上側のラミネート樹脂フィルム21の内側に積層されている。つまりラミネート樹脂フィルム21は、外側から順にフィルム層21a、アルミニウム層21b、溶着層21c、低融点樹脂層23a、金属箔層23m、低融点樹脂層23aの6層積層構造をなす。例えば、予め上側のラミネート樹脂フィルム21と同形状にエンボス成形した金属箔部材234をラミネート樹脂フィルム21の内表面全体213に重ね合わせて積層できる。
また、金属箔部材234の短辺側の一方の短手外端縁部234aにおいて、電極体11の収納時に正極端子12と重なり合う部分には、所定の方法で絶縁部材234a2が設けられており、正極端子12との絶縁が確保されている。金属箔部材234の他方の短手外端縁部234cにおいて、負極端子13と重なり合う部分には、所定の方法で負極端子13との溶接部234c2が形成されている。そして、負極リード端子234c1は、短手外端縁部234aにおいて正極端子12の短手方向右側に配置する部分を、短手外端縁部E0aから小長方形状に外部に延出させて形成されている。これにより、溶接部234c2を介して負極端子13と接続する負極リード端子234c1は、一方側の短手外端縁部E0aにおいて上記のとおり引き出されて、正極端子12と共に正負間電圧検出用の端子とされる。
以上説明したことから明らかなように、第3実施形態のラミネート密閉電池B3は、金属箔部材234は、エンボス形成された上側のラミネート樹脂フィルム21の内表面全体213を覆うようにラミネート樹脂フィルム21に重なり合わされていることを特徴とする。
この構成によれば、上側のラミネート樹脂フィルム21の内表面全体213に金属箔部材234が積層されるので、凸部211がエンボス成形された上側のラミネート樹脂フィルム21の剛性が最も大きく確保され、外装20全体に亘ってよりよく耐久性を高められる。
また、金属箔部材234の外端縁部を溶着面に挿入するために、ラミネート樹脂フィルム21,22に対して金属箔部材234を配置決めする作業をより容易に行える。
具体的には、上側のラミネート樹脂フィルム21に対して、これと同形状の金属箔部材234を揃えて重ね合わせる工程と、この状態でラミネート樹脂フィルム21,22の外端縁212,222同士を溶着する工程とを経て、外装20の外端縁部E0に金属箔部材234の外端縁部を挿入することができる。つまり、他の実施形態では、ラミネート樹脂フィルム21の外端縁212の長辺側2辺に2本状の金属箔部材の本体部をそれぞれに配置する手間な作業工程を経たうえで外端縁212,222同士の溶着を行うが、本実施形態では不要となる。
また、正極端子12及び負極端子13は外装の外端縁のうち一対の短手外端縁部E0a、E0cからそれぞれ外部に導出され、金属箔層23mは導電性金属よりなり、金属箔部材234の他方の短手外端縁部234cは、負極端子13の他方の短手外端縁部E0cの溶着面E0wにおいて溶接部234c2を介して負極端子13に接続され、金属箔部材234は、一方の短手外端縁部E0aにおいて、一方の短手外端縁部234aを正極端子12と電気的に絶縁するとともに、一方の短手外端縁部234aを外部に引き出して延出させた負極リード端子234c1を有することを特徴とする。
この構成によれば、1つのセル状の電池B3において、正極端子12と負極端子13とが外装の相対向する2辺の短手外端縁部E0a、E0cからそれぞれ反対方向に向けて突出形成されている場合でも、正極端子12と、負極端子13に接続された負極リード端子234c1と、を同一の1辺の短手外端縁部E0aから同じ方向に向けて引き出せる。よって、このセル電池B3を組電池化した際に、各セル電池B3の電圧検出のためのECUとの配線の取り回しを容易にできる効果を奏する。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能であることはいうまでもない。
[第1変形例]
上述した各実施形態では、外装の外端縁部は、溶着面に挿入された自身の形状を保持可能な剛性を有する金属箔部材の外端縁部と共に折り返して形成されている構成について示したがこの例に限られない。溶着面に挿入される金属箔部材の剛性が自身の形状を保持できるほど十分でなくとも構わない。また、金属箔部材235の外端縁部が外装の外端縁部と共に折り返されていない構成でも構わない。
例えば、図9に示すとおり、外装の外端縁の溶着面E0wに、金属接着性を有し且つ熱可塑性樹脂フィルムよりも融点が低い低融点樹脂層23aで両面が覆われた金属箔層23mを備えた金属箔部材235が挿入されている電池において、外装20は、発電要素体を収納するためのその方形状の周縁に沿った凸部211が少なくとも片方にエンボス成形されたラミネート樹脂フィルムの外端縁同士を溶着して成形されており、外装の外端縁部E0longは、凸部211の立ち上がり側面211aに添うように折り返して形成されている構成とすることができる。
この構成であっても、簡易な作業で、長手外端縁部E0longの端面E0eに外端面被覆部23aeを形成でき、ラミネート樹脂フィルムの外端縁部E0longの端面E0eを起点に腐食するのを防げる。
つまり、他の実施形態同様に、溶着時に外端縁部E0longの端面E0eから低融点樹脂層23aの溶融樹脂を外部にはみ出させることができる。
[第2変形例]
また、上述した各実施形態では、金属箔部材は金属箔層の両面に低融点樹脂層を備える構成を示したが、この例に限られない。例えば、図10に示すとおり、金属箔部材236は、ラミネート樹脂フィルムの外端縁部E0longに沿って半幅に2つ折りにされ、折り山236bが外端縁部E0longの端面E0eと反対側に配置されている構成とすることができる。
この構成によれば、金属箔部材236の低融点樹脂層23aの樹脂うち、半幅に2つ折りにされて金属箔層23mに挟み込まれ、折り山236bより外端縁部E0longの端面E0e側方向にしか流動路を有さない樹脂を溶着時に流動させ、より確実に端面E0eを覆う外端面被覆部236aeを形成することができる。よって、ラミネート樹脂フィルムの外端縁部E0の端面E0eを起点に腐食するのをよりよく防げる。
[第3変形例]
また、上述した各実施形態では、金属箔部材の低融点樹脂層23aは、金属箔層23mの表面に沿って均一の肉厚を有する構成を示したが、この例に限られない。例えば、図11に示すとおり、金属箔部材237は、外装の外端縁部E0longの側において低融点樹脂層237aの厚みが肉厚に形成されている構成とすることができる。
この構成によれば、ラミネート樹脂フィルムの外端縁部E0longの端面E0e近辺において、肉厚に形成されている分だけ金属箔部材237の低融点樹脂層237aの樹脂の流動量をより多く確保できるので、より確実に端面E0eを覆う外端面被覆部236aeを形成することができる。よって、ラミネート樹脂フィルムの外端縁部E0の端面E0eを起点に腐食するのをよりよく防げる。
また、他の実施形態ではラミネート樹脂フィルムの長辺側の長手外端縁部E0longを折り返して外装20を形成する構成を示したが、外端縁部E0は必ずしも折り返されていなくても構わない。例えば電極体11の高さに応じた厚みを有する全体が略平板状の外装でも構わない。
また、外装は、ラミネート樹脂フィルムの少なくとも片方に発電要素体を収納する凸部がエンボス成形されている構成を示したが、エンボス成形されないラミネート樹脂フィルムを用いる構成でも構わない。例えば1枚のラミネート樹脂フィルムによって電極体を包み込み、三方又は四方を溶着等して密閉する方法を例示できる。
また、上記した各変形例の2つ折り状の金属箔部材236や、端面近くの低融点樹脂層が肉厚の金属箔部材237を実施形態1ないし3の各電池に用いる構成でも構わない。
[ラミネート密閉電池]
以下、本発明のラミネート密閉電池にについて上述した各実施形態の他、拡張ないし補足的に説明を行う。本発明のラミネート密閉電池は、上記した外装を備える電池であること以外は従来公知のラミネート密閉電池と同様の構成とすることができ、電池の種類は特に限定されない。また、本発明のラミネート密閉電池において、発電要素体は、正極と負極を有する構成であれば特に限定されるものではない。
まず、発電要素体への水分の浸入が大きな問題になるリチウムイオン二次電池などの非水電解液二次電池に採用することが望ましい。非水電解液二次電池は、正極活物質を正極集電体に保持してなる正極板、負極活物質を負極集電体に保持してなる負極板、電解質を非水溶媒に溶解させてなる非水電解液を、必要であれば正極板と負極板との間にセパレータを配した状態で有する発電要素体を、外装に収納して形成できる。なお、その他の水分の浸入が問題にならない電池であっても電池内外の密閉性は高い方が望ましいことが多いため、本発明に係るラミネート密閉電池とすることができる。
以下の説明においては、代表的なリチウムイオン二次電池を中心に適宜に説明を行う。
(外装)
本発明のラミネート密閉電池は、熱可塑性樹脂で金属箔をラミネートしたラミネート樹脂フィルムよりなる外装で発電要素体を収納する。本発明に係る外装は、ラミネート樹脂フィルムの外端縁同士を外端縁に沿って溶着して発電要素体の周縁を封止し、発電要素体を密閉状態に収納するものである。
外装は、発電要素体を収納するための収納部と、ラミネート樹脂フィルムの外端縁を重ね合わせて、外端縁同士を溶着した外端縁部とを有する。外装は、2枚以上のラミネート樹脂フィルムを組合わせ、発電要素体を収納して外端縁同士を溶着して密閉する構成でも、1枚のラミネート樹脂フィルムによって屈曲、巻回などにより発電要素体を包み込んだ状態で外端縁同士を溶着して密閉する構成でも、構わない。また、収納部は、プレス加工等によって、ラミネート樹脂フィルムに発電要素体の周縁の形状に沿った凸部をエンボス成形することにより良好に形成できる。
外端縁部は、収納本体部の内部に発電要素体を収納した後に、ラミネート樹脂フィルムの外端縁の溶着予定面を封止した結果形成される。外端縁部は、外装の開口部を封止して電池を密閉状態に維持する部分である。溶着により封止される溶着面部分の形状は限定されないが、溶着ないし接着強度を確保して信頼性を高める観点からは、溶着面の面積が大きい方が望ましい。一方、電池の単位体積当たりのエネルギー密度を高めるためには、ラミネート密閉電池の小型化を図るべきところ、直接電池反応に寄与しない外端縁部の面積は、最小限に抑えるのが望ましい。直方体状の発電要素体の周縁に沿って、ラミネート樹脂フィルムの直線状の外端縁を矩形状の溶着面を有するように溶着して外装を封止する方法は、電池の信頼性とエネルギー密度との均衡を維持する観点から望ましい。
ラミネート樹脂フィルムケースを構成するラミネート樹脂フィルムは、従来のラミネート樹脂フィルムケースに使用されているフィルムを用いることができる。
ラミネート樹脂フィルムは、金属箔(銅、アルミニウム、ステンレスなど)の片面又は両面に熱可塑性樹脂層を密着させてなる構成を有する。この場合に、内部の電解質に接触する部分と熱融着により接合する部分とで材料を変えることが可能になり適正な材料が選択できる。ラミネート樹脂フィルムは、例えば外周面を形成するフィルム層の樹脂が代表的にはポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド等の耐熱性樹脂よりなり、金属箔がアルミニウム箔よりなり、内周面を形成する溶着層の樹脂がポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンよりなるフィルムを用いることができる。また、金属箔、樹脂層のそれぞれは、多層が積層して形成されていてもよい。
なお、外装を形成するラミネート樹脂フィルムの金属箔や樹脂層は、水分透過性、強度、質量、化学的安定性など、必要に応じて選択することができる。また、ラミネート樹脂フィルム全体並びにそれぞれの樹脂層及び金属箔の厚さは、特に限定されるものではない。
金属箔部材は、金属箔(銅、アルミニウム、ステンレスなど)の片面または両面に熱可塑性樹脂であって、金属接着性を有しかつラミネート樹脂フィルムの特に溶着層の樹脂よりも融点が低い樹脂層を密着させてなる構成を有する。「融点が低い」は、例えば成形温度が200℃以下の樹脂を意味する。金属接着性を有する低融点樹脂層としては、酸変性ポリオレフィン、低融点アクリル樹脂などを好適に使用できる。
酸変性ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンにカルボキシル基、水酸基、無水マレイン酸基、アクリル酸基、アクリル酸エステル基等の金属と結合性を有する官能基が導入されたもの、主モノマーとしてのエチレン、プロピレン等のオレフィンとアクリル酸、酢酸ビニル、グリシジルメタクリレート、アクリル酸メチル等のコモノマーを重合して得られるオレフィン共重合体等公知のものを用いることができる。
また、例えば、主骨格を構成するポリプロピレンの全部又は一部に不飽和カルボン酸やその無水物がグラフト共重合してなる酸変性ポリプロピレンを用いることができる。
変性ポリプロピレンの主骨格を構成するポリプロピレンは、プロピレンのホモ重合体、又はプロピレンと他の単量体とからなるブロック共重合体又はランダム共重合体である。
他の単量体としては、例えば、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン等が挙げられ、これらはポリプロピレン中に1種又は2種以上の組合せが含まれていてもよい。
ポリプロピレンにグラフト共重合される不飽和カルボン酸又はその無水物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物などが挙げられる。
酸変性ポリプロピレンは、これらのグラフト単量体を1種単独又は2種以上の組合せを含んでいてもよい。これらの中でも、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが好ましい。
また、低融点アクリル樹脂としては、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等を用いることができ、ポリメタクリル酸メチルが好ましい。
また、金属箔部材は10μm程度の金属箔の両表面に、片面あたり20〜50μm程度の金属接着性低融点樹脂層を密着させて好適に使用できる。
(発電要素体)
発電要素体は、正負の電極体を有する。具体的には、正極板と負極板とをセパレータを介して積層した状態で形成した電極体、非水電解液を、有する構成を例示できる。このとき、積層体を巻回して巻回体としてもよい。さらに、巻回体を径方向に圧縮した扁平型の巻回体としてもよい。
負極板は、負極活物質、導電剤及び結着剤からなる負極合材を適切な溶媒に懸濁させて混合し、スラリーとしたものを負極集電体の片面又は両面に塗布し、乾燥することで作製することができる。
負極の活物質としては、特に限定されるものではなく、従来公知の負極活物質を用いることができる。具体的には、黒鉛などの容量を発現する物質を特に挙げることができる。
負極活物質は、従来公知の導電材や結着剤等の添加剤を含有していても良い。
導電材としては、炭素材料、金属粉、導電性ポリマーなどを用いることができる。導電性と安定性の観点から、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラックなどの炭素材料を使用することが好ましい。
結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素樹脂共重合体(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、SBR、アクリル系ゴム、フッ素系ゴム、ポリビニルアルコール(PVA)、スチレン・マレイン酸樹脂、ポリアクリル酸塩、カルボキシルメチルセルロース(CMC)などをあげることができる。
溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す)などの有機溶媒又は水などをあげることができる。
負極集電体としては、従来公知の集電体を用いることができ、銅、ステンレス、チタンあるいはニッケルからなる箔、メッシュなどを用いることができる。
正極板は、正極活物質、導電剤及び結着剤からなる正極合材を適当な溶媒に懸濁させて混合し、スラリーとしたものを正極集電体に塗布し、乾燥することで作製することができる。
正極の活物質としては、種々の金属酸化物、金属硫化物、リチウム含有酸化物、導電性高分子などを用いることができる。例えば、MnO2、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2、Li(1-x)MnO2、Li(1-x)Mn24、Li(1-x)CoO2、Li(1-x)NiO2、LiV23、V25、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリチオフェン、ポリピロール、及びそれらの誘導体、安定ラジカル化合物等を具体的に挙げることができる。なお、これらの正極活物質におけるxは0〜1の数を示す。各々にLi、Mg、Al、又はCo、Ti、Nb、Cr等の遷移金属を添加又は置換した材料等であってもよい。また、これらのリチウム−金属複合酸化物を単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いることもできる。
正極の導電材としては、黒鉛の微粒子、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノファイバなどのカーボンブラック、多孔質導電性炭素材料などが使用されるが、これらに限定されない。
結着剤としては、例えば、PVDF、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、SBR、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、フッ素ゴムなどがあげられるが、これらに限定されない。
正極活物質などが分散する溶媒としては、通常は結着剤を溶解する有機溶剤が使用される。例えば、NMP、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどをあげることができるが、これらに限定されない。
正極集電体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル等からなる箔、メッシュなどを用いることができる。
電解液において電解質を溶解する非水溶媒は、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートより選ばれる少なくとも一種を主成分とする溶媒を用いることができる。
電解質は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF6、LiBF4、LiClO4及びLiAsF6から選ばれる無機塩、これらの無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO2CF33、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252及びLiN(SO2CF3)(SO249)等から選ばれる有機塩、並びにこれらの有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが望ましい。
電解質の濃度についても特に限定されるものではなく、用途に応じ、電解質及び有機溶媒の種類を考慮して適切に選択することが好ましい。
セパレータは、正極板及び負極板を電気的に絶縁し、電解液を保持する役割を果たす。セパレータは、例えば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いることができる。なお、セパレータは、正極と負極との絶縁を担保するため、正極及び負極よりもさらに大きいものとするのが好ましい。
電極体は、正極板及び負極板のそれぞれに電気的に接続された、導体よりなる電力取り出し用の部材を有する。電力取り出し用の部材は、ラミネート樹脂フィルム外装の内部と外部とを電気的に接続する。電力取り出し用の部材は、正極板及び負極板のそれぞれに電気的に接続した部材(例えば、電極端子)としたり、正極板及び負極板のそれぞれに設けられたタブとしたりすることができる。
電力取り出し用の部材は、ラミネート樹脂フィルムの溶着面に挿入された状態で固定することができる。なお、電力取り出し用の部材と溶着面の樹脂との間に、溶着面の樹脂とは異なる樹脂よりなる樹脂層を配していてもよい。
本発明に係るラミネート密閉電池を複数個組み合わせて組電池を形成してもよい。この場合、発電要素体がラミネート樹脂フィルムの外装に収納されてなる本発明の電池を、電気的に直列及び/又は並列に接続した状態で、金属や樹脂等の剛性を有する材質よりなる筐体に収納した構成とすることができる。
B,B2,B3:電池(ラミネート密閉電池)
11:電極体
12:正極端子
13:負極端子
20:外装
21,22:ラミネート樹脂フィルム
211:凸部
211a:立ち上がり側面
211b:(凸曲部の)内表面
211c:凸曲部
213:(ラミネート樹脂フィルムの)内表面全体
231,232,233,234,235,236,237:金属箔部材
23a:低融点樹脂層(接着性低融点樹脂層)
23ae,236ae,237ae:外端面被覆部
23b1:折り曲げ部
23b2:第2の折り曲げ部
23m:金属箔層
23c1,234c1:負極リード端子(金属箔状端子部)
0:外端縁部
0long:長手外端縁部
0a,E0c:短手外端縁部(電極導出外端縁)
0w:溶着面
0e:端面
1:折り返し形状保持縁部(外端縁部)

Claims (14)

  1. 正極(11a,12)と負極(11c,13)とを有する発電要素体と、
    熱可塑性樹脂(21a,22a,21c,22c)で金属箔(21b,22b)をラミネートしたラミネート樹脂フィルム(21,22)よりなり、前記ラミネート樹脂フィルムの直線状の外端縁同士を該外端縁に沿って矩形に溶着して前記発電要素体の周縁を封止し該発電要素体を収納する外装(20)と、を備えるラミネート密閉電池において、
    前記外装の外端縁(E0long,E1)の溶着面(E0w)には、金属接着性を有し且つ前記熱可塑性樹脂フィルムよりも融点が低い接着性低融点樹脂層(23a)で少なくとも片方の表面が覆われた金属箔層(23m)を備える金属箔部材(231〜237)が挿入されていることを特徴とするラミネート密閉電池。
  2. 前記金属箔部材(237)は、前記外装の外端縁の側において前記接着性低融点樹脂層(237a)の厚みが肉厚に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラミネート密閉電池。
  3. 前記金属箔部材(236)は、前記ラミネート樹脂フィルムの外端縁に沿って半幅に2つ折りにされ、折り山(236b)が外装の外端縁の端面(E0e)の反対側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラミネート密閉電池。
  4. 前記外装は、前記発電要素体を収納するためのその方形状の周縁に沿った凸部(211)が少なくとも片方にエンボス成形された前記ラミネート樹脂フィルム(21)の外端縁同士を溶着して成形されており、
    前記外装の外端縁は、前記凸部の立ち上がり面(211a)に添うように折り返して形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のラミネート密閉電池。
  5. 前記金属箔部材(231、232、234)の金属箔層は、自身の形状を保持可能な剛性を有しており、
    前記外装の外端縁(E1)は、前記溶着面に挿入された前記金属箔部材の外端縁と共に折り返して形成されていることを特徴とする請求項4に記載のラミネート密閉電池。
  6. 前記凸部を形成する凸曲部(211c)は、前記接着性低融点樹脂層で少なくとも片方の表面が覆われ且つ自身の形状を保持可能な剛性を有する金属箔層を備えた他の金属箔部材(233)で内表面(211b)が覆われていることを特徴とする請求項5に記載のラミネート密閉電池。
  7. 前記金属箔部材(232)は、前記凸部を形成する凸曲部の内表面をも連続的に覆うように、前記溶着面に挿入された前記金属箔部材の部分とひと続きにつながって形成されていることを特徴とする請求項5に記載のラミネート密閉電池。
  8. 前記金属箔部材(234)は、前記エンボス形成された前記ラミネート樹脂フィルムの内表面全体(213)を覆うように前記ラミネート樹脂フィルムに重なり合わされていることを特徴とする請求項5に記載のラミネート密閉電池。
  9. 前記正極及び負極は前記外装の外端縁のうち相対向する一対の電極導出外端縁(E0a、E0c)からそれぞれ外部に導出され、前記金属箔層は導電性金属よりなり、
    前記金属箔部材(231、232)の片端(23c2)は、前記正極又は負極のいずれか一方の前記電極導出外端縁(E0c)の溶着面において前記正極又は負極に接続され、
    前記金属箔部材は、他方の前記電極導出外端縁(E0a)から前記金属箔部材の他端を外部に引き出して延出させた正極又は負極の金属箔状端子部(23c1)を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のラミネート密閉電池。
  10. 前記正極及び負極は前記外装の外端縁のうち一対の電極導出外端縁からそれぞれ外部に導出され、前記金属箔層は導電性金属よりなり、
    前記金属箔部材(234)の外端縁のうち1辺(234c)は、前記正極又は負極のいずれか一方の前記電極導出外端縁の溶着面において前記正極又は負極に接続され、
    前記金属箔部材は、他方の前記電極導出外端縁において、前記金属箔部材の外端縁のうち他の1辺(234a)を負極又は正極と電気的に絶縁するとともに外部に引き出して延出させた正極又は負極の金属箔状端子部(234c1)を有することを特徴とする請求項8に記載のラミネート密閉電池。
  11. 前記金属箔層の厚みは、10μm〜500μmであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のラミネート密閉電池。
  12. 前記金属箔層は、アルミニウム、ステンレス、銅のいずれかの金属を主成分とすることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のラミネート密閉電池。
  13. 前記接着性低融点樹脂層は、酸変性ポリオレフィン樹脂又は低融点アクリル樹脂のいずれかの樹脂を原料とすることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載のラミネート密閉電池。
  14. 前記金属箔層の表面は、クロメート処理されていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のラミネート密閉電池。
JP2013140113A 2013-07-03 2013-07-03 ラミネート密閉電池 Expired - Fee Related JP6094808B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013140113A JP6094808B2 (ja) 2013-07-03 2013-07-03 ラミネート密閉電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013140113A JP6094808B2 (ja) 2013-07-03 2013-07-03 ラミネート密閉電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015015113A true JP2015015113A (ja) 2015-01-22
JP6094808B2 JP6094808B2 (ja) 2017-03-15

Family

ID=52436725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013140113A Expired - Fee Related JP6094808B2 (ja) 2013-07-03 2013-07-03 ラミネート密閉電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6094808B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015079719A (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 トヨタ自動車株式会社 全固体電池
JP2017228381A (ja) * 2016-06-21 2017-12-28 Necエナジーデバイス株式会社 電池及び電池の製造方法
JP2018073646A (ja) * 2016-10-31 2018-05-10 凸版印刷株式会社 蓄電デバイス用外装材
JP2018073647A (ja) * 2016-10-31 2018-05-10 凸版印刷株式会社 蓄電デバイス用外装材
CN113725523A (zh) * 2020-05-25 2021-11-30 本田技研工业株式会社 电池单体及电池模组
WO2023176489A1 (ja) * 2022-03-16 2023-09-21 株式会社村田製作所 二次電池
WO2024150576A1 (ja) * 2023-01-10 2024-07-18 トヨタ自動車株式会社 ラミネート型電池、電池スタック及びラミネート型電池の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4851864B2 (ja) * 2006-06-23 2012-01-11 本田技研工業株式会社 燃料直噴ディーゼルエンジン

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004146183A (ja) * 2002-10-24 2004-05-20 Dainippon Printing Co Ltd 二次電池およびその製造方法
JP2010165481A (ja) * 2009-01-13 2010-07-29 Showa Denko Kk 電気化学デバイスおよびその製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004146183A (ja) * 2002-10-24 2004-05-20 Dainippon Printing Co Ltd 二次電池およびその製造方法
JP2010165481A (ja) * 2009-01-13 2010-07-29 Showa Denko Kk 電気化学デバイスおよびその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015079719A (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 トヨタ自動車株式会社 全固体電池
JP2017228381A (ja) * 2016-06-21 2017-12-28 Necエナジーデバイス株式会社 電池及び電池の製造方法
JP2018073646A (ja) * 2016-10-31 2018-05-10 凸版印刷株式会社 蓄電デバイス用外装材
JP2018073647A (ja) * 2016-10-31 2018-05-10 凸版印刷株式会社 蓄電デバイス用外装材
CN113725523A (zh) * 2020-05-25 2021-11-30 本田技研工业株式会社 电池单体及电池模组
CN113725523B (zh) * 2020-05-25 2024-05-31 本田技研工业株式会社 电池单体及电池模组
WO2023176489A1 (ja) * 2022-03-16 2023-09-21 株式会社村田製作所 二次電池
WO2024150576A1 (ja) * 2023-01-10 2024-07-18 トヨタ自動車株式会社 ラミネート型電池、電池スタック及びラミネート型電池の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6094808B2 (ja) 2017-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6094808B2 (ja) ラミネート密閉電池
US9048489B2 (en) Electrode assembly and lithium secondary battery using the same
KR100959090B1 (ko) 안전성이 개선된 파우치형 이차전지
JP5505218B2 (ja) 密閉型蓄電池
US8986879B2 (en) Pouch type rechargeable battery
US20080254348A1 (en) Battery pack
CN101414669B (zh) 电池组件及其制作方法
KR101111074B1 (ko) 구조적 안정성과 절연저항성이 우수한 전지셀
KR101405621B1 (ko) 이차전지용 파우치 포장재 및 파우치형 이차전지
US20090162749A1 (en) Electrode tab for secondary battery and secondary battery using the same
JP2006093147A (ja) リチウム二次電池用複合材料テープおよびこれを用いたリチウム二次電池
WO1997040539A1 (en) Non-aqueous electrolyte cell
KR101229228B1 (ko) 수분 차단성이 향상된 이차전지
KR20060053888A (ko) 비수성 전해질 전지
JP2009245879A (ja) ラミネート式電池及びそのラミネート式電池を備えた電池モジュール
KR20160128835A (ko) 파우치형 이차전지 및 그 제조방법
KR101375398B1 (ko) 전기절연성과 수분침투성이 개선된 파우치형 이차전지
KR101273472B1 (ko) 파우치형 이차 전지의 제조 방법 및 이에 의한 파우치형 이차 전지
JP6530423B2 (ja) 絶縁特性の強化した二次電池用パウチ及びその製造方法
KR20100016719A (ko) 전기절연성과 수분침투성이 개선된 파우치형 이차전지
KR20160141654A (ko) 리튬 이온 2차 전지
JP2010086753A (ja) 蓄電デバイス
CN111653691B (zh) 用于二次电池的袋及袋型二次电池
KR20160071108A (ko) 파우치형 이차전지 및 그 제조방법
KR100670512B1 (ko) 전지 외장재 및 이를 이용한 파우치형 이차 전지

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160909

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170201

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6094808

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees