JP6187664B2 - リチウムイオン電池用外装材 - Google Patents
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Description
そこで、多層フィルムからなる外装材では内部にアルミニウム箔層が設けられ、外装材表面から電池内に水分が浸入することを抑制している。例えば、耐熱性を有する基材層/第1接着層/アルミニウム箔層/フッ酸による腐食を防止する腐食防止処理層/第2接着層/シーラント層が順次積層された外装材が知られている。該外装材を使用したリチウムイオン電池は、アルミラミネートタイプのリチウムイオン電池と呼ばれる。
そこで、基材層には、優れた成型性を有する二軸延伸ポリアミドフィルムが広く用いられている。また、二軸延伸ポリアミドフィルムは耐電解液性が充分でないため、二軸延伸ポリアミドフィルムの外側に二軸延伸ポリエステルフィルムを積層した積層フィルムを基材層に用いることも行われている(例えば、特許文献1)。
また、基材層に、MD方向に対して0°、45°、90°、135°の4方向の伸びがいずれも80%以上であるフィルムを用いることも提案されている(特許文献2)。
また、4方向の伸びがいずれも80%以上のフィルムを基材層に用いる場合も、成型を行う湿度環境によって充分な成型性が得られないことがある。
前記基材層が、JIS K 7209:2000で規定される吸水率が0.1%以上3%以下で、下記引張試験における10%延伸時の応力値がMD方向及びTD方向共に110MPa以下で、かつMD方向及びTD方向の少なくとも一方で70MPa以上であるナイロンフィルムからなることを特徴とする。
(引張試験)
23℃、40%RHの環境下で試料を24時間保管した後、23℃、40%RHの環境下、試料幅6mm、標点間距離35mm、引張速度300mm/分の条件で引張試験を行い、10%延伸時(変位量3.5mm)の応力値を測定する。
また、前記ナイロンフィルムの厚さは10〜40μmであることが好ましい。
また、前記ナイロンフィルムは、熱可塑性ポリエステルエラストマーが2質量%以上30質量%以下含有されていることが好ましい。
本実施形態のリチウムイオン電池用外装材1(以下、「外装材1」という。)は、図1に示すように、基材層11の一方の面側に、第1接着層12、金属箔層13、腐食防止処理層14、第2接着層15及びシーラント層16が順次積層された積層体である。外装材1は、基材層11が最外層、シーラント層16が最内層である。すなわち、外装材1は、基材層11を電池の外部側、シーラント層16を電池の内部側にして使用される。
基材層11は、リチウムイオン電池を製造する際のシール工程における耐熱性を付与し、加工や流通の際に起こり得るピンホールの発生を抑制する役割を果たす。
基材層11は、JIS K 7209:2000で規定される吸水率が0.1%以上3%以下で、下記引張試験における10%延伸時の応力値がMD方向及びTD方向共に110MPa以下で、かつMD方向及びTD方向の少なくとも一方で70MPa以上である樹脂フィルム(以下、「樹脂フィルム(A)」という。)からなる層である。基材層11が樹脂フィルム(A)からなることで、湿度環境に関わらず優れた成型性が得られ、また基材層11側の耐電解液性にも優れた外装材1となる。
23℃、40%RHの環境下で試料を24時間保管した後、23℃、40%RHの環境下、試料幅6mm、標点間距離35mm、引張速度300mm/分の条件で引張試験を行い、10%延伸時(変位量3.5mm)の応力値を測定する。
従来の外装材では、同じ外装材であっても冷間成型する際の成型性が異なることがあり、場合によっては充分な成型性が得られないことがあった。この問題について本発明者が検討したところ、外装材の保管時や成型時における湿度環境が外装材の成型性に大きく影響していることが判明した。具体的には、外装材が優れた成型性を有するには、基材層を形成する樹脂フィルムが一定の水分を含んだ状態であることが必要であることが判明した。一般にリチウムイオン電池は電解質と水分の反応を避けるため、ドライルームにて電解液の注入と封止が行われる。しかし、電解液を注入する前の外装材の保管時や成型加工時における湿度環境は厳密に管理されておらず、様々な条件となっている。従来の外装材では、保管時や成型加工時における湿度が高い場合は基材層が充分な水を含むことで優れた成型性が得られるが、保管時や成型加工時の湿度が低い場合は基材層中の水分量が不足し、フィルム特性が大きく変化して成型性が低下していたと考えられる。
これに対し、本発明の外装材では、基材層を形成する樹脂フィルム(A)の10%延伸時の応力値が前記条件を満たすことで優れた成型性を有している。さらに、樹脂フィルム(A)は、吸水率が0.1%以上であることでフィルム中に水分が充分に確保され、かつ吸水率が3%以下であることでフィルム中の水分量が湿度環境によって変化し難い。そのため、樹脂フィルム(A)のフィルム特性は湿度環境によって変化し難い。これらのことから、本発明の外装材は湿度環境に関わらず優れた成型性を示すと考えられる。
また、樹脂フィルム(A)のMD方向及びTD方向の10%延伸時の応力値の下限値は、80MPaが好ましい。また、前記応力値の上限値は、100MPaが好ましい。
前記応力値が下限値以上であれば、より優れた成型性を有する外装材1となる。前記応力値が上限値以下であれば、より優れた成型性を有する外装材1となる。
樹脂フィルム(A)は、単層フィルムでも多層フィルムでもよいが、コスト面で有利な点から、単層フィルムが好ましい。樹脂フィルム(A)が多層フィルムの場合、多層フィルムとして、前記吸水率及び10%延伸時の応力値の条件を満たせばよい。なお、多層フィルムは、多層共押出し製法によって得られる単一基材を含む。
熱可塑性ポリエステルエラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントを有するポリエステルエラストマーである。
ハードセグメントとしては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の結晶性ポリエステルが挙げられる。なかでも、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
ソフトセグメントとしては、例えば、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール類;ポリカプロラクトン、ポリブチレンアジペート等のポリエステル等が挙げられる。なかでも、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
第1接着層12は、基材層11と金属箔層13を接着する層である。
第1接着層12を構成する接着剤としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等の主剤に、硬化剤として2官能以上の芳香族系又は脂肪族系イソシアネート化合物を作用させる2液硬化型のウレタン系接着剤が好ましい。
前記ウレタン系接着剤は、塗工後、例えば40℃で4日以上のエージングを行うことで、主剤の水酸基と硬化剤のイソシアネート基の反応が進行して強固な接着が可能となる。
第1接着層12の厚さは、接着強度、追随性、加工性等の点から、1〜10μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。
金属箔層13としては、アルミニウム、ステンレス鋼等の各種金属箔を使用することができ、防湿性、延展性等の加工性、コストの面から、アルミニウム箔が好ましい。アルミニウム箔としては、一般の軟質アルミニウム箔を用いることができる。なかでも、耐ピンホール性、及び成型時の延展性に優れる点から、鉄を含むアルミニウム箔が好ましい。
鉄を含むアルミニウム箔(100質量%)中の鉄の含有量は、0.1〜9.0質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。鉄の含有量が下限値以上であれば、外装材1は耐ピンホール性、延展性に優れる。鉄の含有量が9.0質量%以下であれば、外装材1は柔軟性に優れる。
金属箔層13の厚さは、バリア性、耐ピンホール性、加工性の点から、9〜200μmが好ましく、15〜100μmがより好ましい。
腐食防止処理層14は、電解液や、電解液と水分の反応により発生するフッ酸による金属箔層13の腐食を抑制する役割を果たす。また、金属箔層13と第2接着層15との密着力を高める役割を果たす。
腐食防止処理層14としては、塗布型、又は浸漬型の耐酸性の腐食防止処理剤によって形成された塗膜が好ましい。前記塗膜は、金属箔層13の酸に対する腐食防止効果に優れる。また、アンカー効果によって金属箔層13と第2接着層15の密着力をより強固にするので、電解液等の内容物に対して優れた耐性が得られる。
なお、腐食防止処理層14は、金属箔層13の耐食性が充分に得られる塗膜であれば、前記塗膜には限定されない。例えば、リン酸塩処理、ベーマイト処理等によって形成した塗膜であってもよい。
腐食防止処理層14の厚さは、腐食防止機能、及びアンカーとしての機能の点から、10nm〜5μmが好ましく、20nm〜500nmがより好ましい。
第2接着層15は、腐食防止処理層14が形成された金属箔層13とシーラント層16を接着する層である。外装材1は、第2接着層15を形成する接着成分によって、熱ラミネート構成とドライラミネート構成に大きく分けられる。
熱ラミネート構成における第2接着層15を形成する接着成分としては、ポリオレフィン系樹脂を無水マレイン酸等の酸でグラフト変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂が好ましい。酸変性ポリオレフィン系樹脂は、無極性であるポリオレフィン系樹脂の一部に極性基が導入されていることから、ポリオレフィン系樹脂フィルム等で形成した無極性のシーラント層16と、極性を有する腐食防止処理層14の両方に強固に密着することができる。また、酸変性ポリオレフィン系樹脂を使用することで、電解液等の内容物に対する耐性が向上し、電池内部でフッ酸が発生しても第2接着層15の劣化による密着力の低下を防止しやすい。
第2接着層15に使用する酸変性ポリオレフィン系樹脂は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
前記ポリオレフィン系樹脂を変性する酸としては、カルボン酸、エポキシ化合物、酸無水物等が挙げられ、無水マレイン酸が好ましい。
無水マレイン酸変性ポリプロピレンの無水マレイン酸による変性率(無水マレイン酸変性ポリプロピレンの総質量に対する無水マレイン酸に由来する部分の質量)は、0.1〜20質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましい。
熱ラミネート構成の第2接着層15の接着成分のメルトフローレート(MFR)は、230℃、2.16kgfの条件において4〜30g/10分が好ましい。
熱ラミネート構成の第2接着層15の厚さは、2〜50μmが好ましい。
ドライラミネート構成の第2接着層15は、エステル基やウレタン基等の加水分解され得る結合部を有しているので、より高い信頼性が求められる用途には熱ラミネート構成の第2接着層15が好ましい。
シーラント層16は、外装材1においてヒートシールによる封止性を付与する層である。
シーラント層16としては、ポリオレフィン系樹脂、又はポリオレフィン系樹脂に無水マレイン酸等の酸をグラフト変性させた酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度、中密度、高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ホモ、ブロック、又はランダムポリプロピレン;プロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。これらポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
酸変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、第2接着層15で挙げたものと同じものが挙げられる。
また、シーラント層16は、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤等の各種添加剤が配合されてもよい。
シーラント層16の厚さは、10〜100μmが好ましく、20〜60μmがより好ましい。
以下、外装材1の製造方法について説明する。ただし、外装材1の製造方法は以下の方法に限定されない。
外装材1の製造方法としては、例えば、下記工程(1)〜(3)を有する方法が挙げられる。
(1)金属箔層13上に、腐食防止処理層14を形成する工程。
(2)金属箔層13における腐食防止処理層14を形成した側と反対側に、第1接着層12を介して基材層11を貼り合わせる工程。
(3)金属箔層13の腐食防止処理層14側に、第2接着層15を介してシーラント層16を貼り合わせる工程。
金属箔層13の一方の面に、腐食防止処理剤を塗布、乾燥して腐食防止処理層14を形成する。腐食防止処理剤としては、例えば、前記したセリアゾール処理用の腐食防止処理剤、クロメート処理用の腐食防止処理剤等が挙げられる。
腐食防止処理剤の塗布方法は特に限定されず、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコート等、各種方法を採用できる。
金属箔層13における腐食防止処理層14を形成した側と反対側に、第1接着層12を形成する接着剤を用いて、ドライラミネーション等の手法で基材層11を形成する樹脂フィルム(A)を貼り合わせる。
工程(2)では、接着性の促進のため、室温〜100℃の範囲でエージング(養生)処理を行ってもよい。
熱ラミネート構成の場合は、例えば、基材層11、第1接着層12、金属箔層13及び腐食防止処理層14がこの順に積層された積層体の腐食防止処理層14側に、押出ラミネート法によって第2接着層15を形成し、シーラント層16を形成する樹脂フィルムを貼り合わせる。シーラント層16の積層は、サンドイッチラミネーションにより行うことが好ましい。
ドライラミネート構成の場合は、例えば、前述の接着剤を使用し、前記積層体の腐食防止処理層14側に、ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ウエットラミネーション等の手法で、第2接着層15を介してシーラント層16を形成する樹脂フィルムを積層する。
なお、外装材1の製造方法は、前記工程(1)〜(3)を順次実施する方法に限定されない。例えば、工程(2)を行ってから工程(1)を行ってもよい。
なお、本発明の外装材を使用したリチウムイオン電池は、前記方法で製造したものには限定されない。
[使用材料]
本実施例で使用した材料を以下に示す。
(基材層11)
基材A−1:二軸延伸PETフィルム(熱可塑性ポリエステルエラストマー8質量%含有、厚み25μm)。
基材A−2:二軸延伸PETフィルム(熱可塑性ポリエステルエラストマー16質量%含有、厚み25μm)。
基材A−3:二軸延伸PETフィルム(熱可塑性ポリエステルエラストマー1質量%含有、厚み25μm)。
基材A−4:二軸延伸ナイロン6フィルム(厚み25μm)。
基材A−4について、試料幅15mm、標点間距離50mm、引張速度100mm/秒にてTD方向の伸びを測定したところ75%であった。
接着剤B−1:ウレタン系接着剤(商品名「A525/A50」、三井化学ポリウレタン社製)。
金属箔C−1:軟質アルミニウム箔8079材(東洋アルミニウム社製、厚さ40μm)。
処理剤D−1:酸化セリウム、リン酸、アクリル系樹脂を主体とした塗布型セリアゾール処理用の処理剤。
接着樹脂E−1:無水マレイン酸でグラフト変性したポリプロピレン系樹脂(商品名「アドマー」、三井化学社製)。
フィルムF−1:無延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ40μm)の内面となる側の面をコロナ処理したフィルム。
金属箔層13となる金属箔C−1の一方の面に処理剤D−1を塗布、乾燥して腐食防止処理層14を形成した。次に、金属箔層13における腐食防止処理層14の反対面に、接着剤B−1を用いたドライラミネート法により、基材A−1〜A−4のいずれかを貼り合せ、第1接着層12を介して基材層11を積層した。その後、60℃、6日間のエージングを行った。次に、得られた積層体の腐食防止処理層14側に押出し装置にて接着樹脂E−1を押出して第2接着層15を形成し、フィルムF−1を貼り合わせてサンドイッチラミネーションすることでシーラント層16を形成した。その後、得られた積層体に対し、160℃、4kg/cm2、2m/分の条件で加熱圧着することで外装材を作成した。
基材層11に使用した各フィルムについては、JIS K 7209:2000に準拠して吸水率を測定し、以下の基準で分類した。
吸水率G−1:吸水率が0.1%以上3%以下である。
吸水率G−2:吸水率が3%より大きい。
基材層11に使用した各フィルムについては、23℃、40%RHの環境下で24時間保管した後に、23℃、40%RHの環境下で引張試験(試料幅6mm、標点間距離35mm、引張速度300mm/分。)を行い、MD方向とTD方向のそれぞれの10%延伸時(変位量3.5mm)の応力値を測定して、以下の基準で分類した。
応力値H−1:応力値がMD方向、TD方向共に70MPa以上110MPa以下である。
応力値H−2:MD方向及びTD方向のうち一方の応力値が70MPa以上110MPa以下で、他方の応力値が70MPa以下である。
応力値H−3:MD方向、TD方向の少なくとも一方の応力値が110MPaより大きい。
各例で得られた外装材の基材層表面に電解液を数滴滴下し、25℃、65%RHの環境下で24時間放置し、電解液を拭き取り、基材層表面の変質を目視にて確認した。評価は、以下の基準に従って行った。
「◎」:基材層表面の変質がない。
「○」:基材層表面における変質範囲が電解液接触面積の10%以下である。
「×」:基材層表面における変質範囲が電解液接触面積の10%を超える。
各例で得られた外装材を、150mm×190mmのブランク形状に切り取り、23℃、40%RHの環境下で24時間保管した後、23℃、40%RHの環境下で成型深さを変化させながら冷間成型し、成型性を評価した。また、保管環境(24時間)と成型加工環境を露点温度が−35℃となる湿度環境(温度23℃)とした以外は同様の条件の成型性も評価した。
パンチとしては、形状が100mm×150mm、パンチコーナーR(RCP)が1.5mm、パンチ肩R(RP)が0.75mm、ダイ肩R(RD)が0.75mmのものを使用した。評価は、以下の基準に従って行った。
「◎」:破断、クラックを生じさせずに、成型深さ7mm以上の深絞り成型が可能である。
「○」:破断、クラックを生じさせずに、成型深さ5mm以上7mm未満の深絞り成型が可能である。
「×」:成型深さ5mm未満の深絞り成型で破断、クラックが生じる。
前記作成方法により、表1に示す基材層構成の外装材を作成した。
耐電解液性及び成型性の評価結果を表1に示す。
一方、吸水率が0.1%以上3%以下であるが、MD方向及びTD方向の少なくとも一方の10%延伸時の応力値が110MPaより大きい比較例1の外装材は、40%RH及び露点温度が−35℃となる湿度のいずれの湿度環境下でも充分な成型性が得られなかった。
また、10%延伸時の応力値がMD方向及びTD方向共に70MPa以上110MPa以下であるが、吸水率が3%より大きい比較例2の外装材は、TD方向の伸びが80%未満であるものの、40%RHの湿度環境下では優れた成型性を示した。しかし、露点温度−35℃の湿度環境下では充分な成型性が得られなかった。これは、吸水率が4%であるためにフィルム中の水分量が変化しやすくなり、露点温度−35℃の湿度の低い環境では基材層を形成する樹脂フィルム中の水分が蒸発して不足し、フィルム特性が変化したためであると考えられる。
Claims (4)
- 基材層の一方の面側に、第1接着層を介して少なくとも金属箔層、腐食防止処理層、第2接着層及びシーラント層が順次積層されたリチウムイオン電池用外装材であって、
前記基材層が、JIS K 7209:2000で規定される吸水率が0.1%以上3%以下で、下記引張試験における10%延伸時の応力値がMD方向及びTD方向共に110MPa以下で、かつMD方向及びTD方向の少なくとも一方で70MPa以上であるナイロンフィルムからなることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
(引張試験)
23℃、40%RHの環境下で試料を24時間保管した後、23℃、40%RHの環境下、試料幅6mm、標点間距離35mm、引張速度300mm/分の条件で引張試験を行い、10%延伸時(変位量3.5mm)の応力値を測定する。 - 前記ナイロンフィルムの前記引張試験による10%延伸時の応力値がMD方向及びTD方向共に70MPa以上110MPa以下である請求項1に記載のリチウムイオン電池用外装材。
- 前記ナイロンフィルムの厚さが10〜40μmである請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用外装材。
- 前記ナイロンフィルムに熱可塑性ポリエステルエラストマーが2質量%以上30質量%以下含有されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用外装材。
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