JP2018135467A - ホットメルト接着性樹脂積層体及び積層体 - Google Patents

ホットメルト接着性樹脂積層体及び積層体 Download PDF

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宏和 飯塚
Hirokazu Iizuka
宏和 飯塚
邦浩 武井
Kunihiro Takei
邦浩 武井
悠以子 丸山
Yuiko Maruyama
悠以子 丸山
鈴木 潤
Jun Suzuki
潤 鈴木
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Abstract

【課題】金属との接着時、充分な接着性を発揮し、高い接着性を維持できるホットメルト接着性樹脂積層体の提供。【解決手段】酸変性ポリオレフィン樹脂を含む第1の表面層21と、第1の中間層22と、基材層23と、第2の中間層24と、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む第2の表面層25と、をこの順で積層する積層体で、剥離強度が0.8N/mm以上であるホットメルト接着性樹脂積層体。第1又は第2の表面層21,25の一方又は両方がエラスマー樹脂を含み、基材層23がポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー又はメチルペンテンポリマーから選択される一種以上で、基材層23の厚みが100〜300μmで、第1又は第2の中間層22,24の膜厚が、1〜5μmで、変性ポリオレフィン樹脂と、エポキシ基を含む化合物又はイソシアネート化合物と、からなるホットメルト接着性樹脂積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、ホットメルト接着性樹脂積層体及び積層体に関する。
従来、被着体に接着する接着フィルムとしては、特許文献1に記載されているような、耐熱性樹脂フィルムからなる基材の両面に熱硬化性のエポキシ系接着剤層が形成されてなる3層構造からなる積層フィルムが知られている。
特開2013−28738号公報
従来の接着フィルムは、特に金属との接着を行った時、接着性が十分ではなかった。このため、過酷な耐久条件の後に接着性を十分に保つことができないという課題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、特に金属との接着を行った時、充分な接着性を発揮し、また、高い接着性を維持できるホットメルト接着性樹脂積層体及びこれらを用いた積層体を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は以下の構成を採用した。
[1]酸変性ポリオレフィン樹脂を含む第1の表面層と、第1の中間層と、基材層と、第2の中間層と、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む第2の表面層と、をこの順で積層してなる積層体であって、下記条件で剥離試験を行ったときの剥離強度が0.8N/mm以上であることを特徴とするホットメルト接着性樹脂積層体。
(剥離試験条件)
試験片:ステンレス板同士をホットメルト接着性樹脂積層体で加熱接着した積層体。ステンレス板の形状は、それぞれ、幅10mm、長さ50mm、厚さ30μmとする。ホットメルト接着性樹脂積層体の形状は、10mm×10mmとする。
試験条件:上記積層体を、pH2の酸溶液中に、1000時間保管する。その後、酸を拭き取り、23℃、湿度50%の条件で3時間乾燥する。その後、ステンレス板の一方を固定し、他方を引張速度300mm/分で引張ったときの剥離強度を測定する。
[2]前記第1の表面層又は第2の表面層のいずれか一方又は両方がエラストマー樹脂を含む、[1]に記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
[3]前記基材層が、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、メチルペンテンポリマー、からなる群より選択される1種以上である、[1]又は[2]に記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
[4]前記基材層の厚みが、100μm以上300μm以下である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
[5]前記第1の表面層又は第2の表面層のいずれか一方又は両方が架橋剤を含む、[1]〜[4]のいずれか1つに記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
[6]前記架橋剤が、フェノールノボラック変性エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有スチレン樹脂、又はエポキシ基含有ポリオレフィン樹脂からなる群から選択される1種以上である、[5]に記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
[7]前記第1の中間層又は第2の中間層の膜厚がそれぞれ1μm以上5μm以下である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
[8]前記第1の中間層又は第2の中間層が変性ポリオレフィン樹脂と、エポキシ基を含む化合物とからなる、[1]〜[7]のいずれか1つに記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
[9]前記第1の中間層又は第2の中間層が変性ポリオレフィン樹脂と、イソシアネート化合物とからなる、[1]〜[8]のいずれか1つに記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
[10][1]〜[9]のいずれか1つに記載のホットメルト接着性樹脂積層体と被着体とを含む積層体。
本発明によれば、特に金属との接着を行った時、充分な接着性を発揮し、また、高い接着性を維持できるホットメルト接着性樹脂積層体及びこれらを用いた積層体を提供することができる。
本発明のホットメルト接着性樹脂積層体の一実施形態の概略構成を示す断面図である。 剥離試験に用いる装置の模式図である。 剥離試験に用いる試験片の積層状態を説明する模式図である。
<ホットメルト接着性樹脂積層体>
本発明は、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む第1の表面層と、第1の中間層と、基材層と、第2の中間層と、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む第2の表面層と、をこの順で積層してなる積層体であって、下記条件で剥離試験を行ったときの剥離強度が0.8N/mm以上であることを特徴とするホットメルト接着性樹脂積層体である。
(剥離試験条件)
試験片:ステンレス板同士をホットメルト接着性樹脂積層体で加熱接着した積層体。ステンレス板の形状は、それぞれ、幅10mm、長さ50mm、厚さ30μmとする。ホットメルト接着性樹脂積層体の形状は、10mm×10mmとする。
試験条件:上記積層体を、pH2の酸溶液中に、1000時間保管する。その後、酸を拭き取り、23℃、湿度50%の条件で3時間乾燥する。その後、ステンレス板の一方を固定し、他方を引張速度300mm/分で引張ったときの剥離強度を測定する。
以下、好適な実施の形態に基づき、本発明を説明する。
本発明のホットメルト接着性樹脂積層体は、各種の被着体、特に金属に対して優れた接着性を発揮する。さらに、本発明のホットメルト接着性樹脂積層体は特に金属に対する高い接着性を維持できる。また、本発明のホットメルト接着性樹脂積層体は、高温・多湿の環境で使用した場合にも高い接着性を維持できる。
本実施形態のホットメルト接着性樹脂積層体は、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む第1の表面層、第1の中間層、基材層、第2の中間層、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む第2の表面層、がこの順で積層されている。
図1は、本実施形態のホットメルト接着性樹脂積層体の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態のホットメルト接着性樹脂積層体2は、基材層23と、基材層23の一方の面に積層する第1中間層22と、基材層23の他方の面に積層する第2中間層24と、第1中間層22の基材層23とは反対側の面に積層する第1表面層21と、第2中間層24の基材層23とは反対側の面に積層する第2表面層25と、を備えてなる。
すなわち、ホットメルト接着性樹脂積層体2は、図1に示すように、第1表面層21/第1中間層22/基材層23/第2中間層24/第2表面層25がこの順に積層されてなる5層構成からなる。
・第1、第2の表面層
本実施形態において、第1、第2の表面層は酸変性ポリオレフィン樹脂を含む。
・酸変性ポリオレフィン樹脂
酸変性ポリオレフィン樹脂(以下、「(A)成分」と記載する)は、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂であって、ポリオレフィン系樹脂中に、カルボキシ基や無水カルボン酸基等の酸官能基を有するものである。
(A)成分は、不飽和カルボン酸またはその誘導体によるポリオレフィン系樹脂の変性や、酸官能基含有モノマーとオレフィン類との共重合等により得られる。なかでも(A)成分としては、ポリオレフィン系樹脂を酸変性して得られたものが好ましい。
酸変性方法としては、有機過酸化物や脂肪族アゾ化合物等のラジカル重合開始剤の存在下で、ポリオレフィン樹脂と酸官能基含有モノマーとを溶融混練するグラフト変性が挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレン又はα−オレフィンとのランダム共重合体、プロピレンとエチレン又はα−オレフィンとのブロック共重合体等が挙げられる。なかでも、ホモポリプロピレン(プロピレン単独重合体;以下、「ホモPP」ということがある。)、プロピレン−エチレンのブロック共重合体(以下、「ブロックPP」と言うことがある。)、プロピレン−エチレンのランダム共重合体(以下、「ランダムPP」と言うことがある)等のポリプロピレン系樹脂が好ましく、特にランダムPPが好ましい。
共重合する場合の前記オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、α−オレフィン等のオレフィン系モノマーが挙げられる。
酸官能基含有モノマーは、エチレン性二重結合と、カルボキシ基又はカルボン酸無水物基とを同一分子内に持つ化合物であって、各種の不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸、又はジカルボン酸の酸無水物が挙げられる。
カルボキシ基を有する酸官能基含有モノマー(カルボキシ基含有モノマー)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ナジック酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、テトラヒドロフタル酸、エンド−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸(エンディック酸)などのα,β−不飽和カルボン酸モノマーが挙げられる。
カルボン酸無水物基を有する酸官能基含有モノマー(カルボン酸無水物基含有モノマー)としては、無水マレイン酸、無水ナジック酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水エンディック酸などの不飽和ジカルボン酸無水物モノマーが挙げられる。
これらの酸官能基含有モノマーは、(A)成分において1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
なかでも酸官能基含有モノマーとしては、後述する(B)成分との反応性が高いことから酸無水物基を有する酸官能基含有モノマーが好ましく、カルボン酸無水物基含有モノマーがより好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
酸変性に用いた酸官能基含有モノマーの一部が未反応である場合は、未反応の酸官能基含有モノマーによる接着力の低下を防ぐため、予め未反応の酸官能基含有モノマーを除去したものを(A)成分として用いることが好ましい。ここで「未反応」とは、酸変性に用いられないことを意味する。
なかでも(A)成分としては、金属に対する高い接着性を発揮できる観点から無水マレイン酸変性ポリプロピレンが好ましい。
本実施形態において、前記第1の表面層又は第2の表面層のいずれか一方又は両方が、さらに架橋剤樹脂又はエラストマー樹脂を含むことが好ましく、架橋剤樹脂及びエラストマー樹脂を含むことがより好ましい。
・架橋性樹脂
架橋性樹脂(以下、「(B)成分」と記載する)は、上記(A)成分と架橋構造を形成でき、さらに被着体との接着性を発揮できる樹脂であれば特に限定されない。本実施形態においては、フェノールノボラック変性エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有スチレン樹脂、又はエポキシ基含有ポリオレフィン樹脂からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
・・フェノールノボラック変性エポキシ樹脂
(B)成分としてのフェノールノボラック変性エポキシ樹脂(以下、「(B1)成分」と記載することがある。)は、常温(23℃)で固体である樹脂である。常温において固体である(B1)成分を用いることで、溶融混練によって前記(A)成分と(B1)成分とを重合させる場合にも、(A)成分の溶融温度に合わせて溶融混練を行うことができ、かつ、その際に(B1)成分の特性が損なわれ難くなる。
(B1)成分は、フェノールとホルムアルデヒドとを酸縮合して得られるフェノールノボラック樹脂を基本構造とし、その構造の一部にエポキシ基が導入された高分子化合物である。フェノールノボラック型エポキシ樹脂における1分子あたりのエポキシ基導入量は特に限定されない。本実施形態においては、エピクロルヒドリン等のエポキシ基原料とフェノールノボラック樹脂とを反応させることにより、フェノールノボラック樹脂中に多数存在するフェノール性水酸基に多数のエポキシ基を導入できる。これにより、多官能エポキシ樹脂を得ることができる。
これらの中でも、(B1)成分としては、基本骨格としてフェノールノボラック構造を有し、かつ、ビスフェノールA構造を併せて有する樹脂が好ましい。なお、(B1)成分中のビスフェノールA構造は、ビスフェノールAから誘導され得る構造であればよく、ビスフェノールAの両端水酸基がエポキシ基含有基等の基で置換されていてもよい。
(B1)成分の一例としては、下記一般式(1)で表される樹脂が挙げられる。
Figure 2018135467
[式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、nは0〜10の整数であり、Rはエポキシ基を有する基である。]
上記一般式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基である。nが2以上の整数の場合、R、Rはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
上記一般式(1)で表される樹脂中は、下記(i)〜(iii)の少なくともいずれか1つを満たすことが好ましい。
(i)RおよびRの両方がメチル基;
(ii)RおよびRの両方がメチル基;
(iii)RおよびRの両方がメチル基;
例えば、上記(i)を満たすことにより、上記一般式(1)においてRおよびRが結合する炭素原子と、当該炭素原子が結合する2つのヒドロキシフェニル基とがビスフェノールAから誘導される構造を構成することとなる。
上記一般式(1)中、Rはエポキシ基を有する基である。エポキシ基を有する基としては、エポキシ基、エポキシ基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられ、なかでもグリシジル基が好ましい。
(B1)成分のエポキシ当量(g/eq)は、100〜300であることが好ましく、200〜300であることがより好ましい。エポキシ当量(g/eq)は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量であって、この値が小さいほど樹脂中のエポキシ基が多いことを意味する。エポキシ当量の比較的小さい(B1)成分を用いることにより、(B1)成分の添加量を比較的少量とした場合にも、(B1)成分と被着体との接着性が良好となり、かつ、(B1)成分と前記(A)成分とが十分に架橋する。
このような(B1)成分としては、三菱化学社製のjER154、jER157S70、jER−157S65;DIC社製のEPICLON N−730A、EPICLON、N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、いずれも商品名)等の市販品を用いることもできる。
・・オキサゾリン基含有スチレン樹脂
(B)成分としてのオキサゾリン基含有スチレン樹脂(以下、「(B2)成分」と記載することがある。)は、数平均分子量が30000〜250000であることが好ましい。
(B)成分が(B2)を含有すると、(B)成分のオキサゾリン基と前記(A)成分の酸官能基(例えばカルボキシ基、カルボン酸基、等)とが反応して架橋構造が形成される。例えば(A)成分の酸官能基がカルボキシ基の場合であれば、以下のような架橋反応が起こり、アミドエステル結合が形成される。その結果として、この架橋構造により樹脂の強度が補強され、優れた接着性と共に良好な耐久性が得られると推察される。
Figure 2018135467
オキサゾリン基含有スチレン樹脂は、スチレン系モノマーと、オキサゾリン基含有モノマーとを共重合して得られる樹脂である。
スチレン系モノマーとしては、スチレン及びその誘導体を用いることができる。具体的には、スチレン、α‐メチルスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン等のアルキルスチレン;クロロスチレン、フルオロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン等のハロゲン化スチレン等が挙げられる。なかでも、スチレンが好ましい。
オキサゾリン基含有モノマーは、オキサゾリン基を含有し、且つスチレン系モノマーと共重合が可能なモノマーであればその骨格は特に限定されるものではないが、オキサゾリン基とビニル基とを有するモノマーを好適に用いることができる。
オキサゾリン基含有ビニルモノマーとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、5−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4−アクリロイル−オキシメチル−2,4−ジメチル−2−オキサゾリン、4−メタクリロイルオキシメチル−2,4−ジメチル−2−オキサゾリン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−フェニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−(4−ビニルフェニル)−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン、4−エチル−4−ヒドロキシメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4−エチル−4−カルボエトキシメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等が挙げられる。なかでも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが好ましい。
このような(B2)成分としては、日本触媒社製のエポクロスRPS−1005(商品名)等の市販品を用いることができる。
スチレン系モノマー、オキサゾリン基含有モノマーとしては、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
・・エポキシ基含有ポリオレフィン樹脂
(B)成分としてのエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(以下、「(B3)成分」と記載することがある)は、オレフィン化合物とエポキシ基含有ビニルモノマーとを含むモノマーを共重合させて得られる主鎖、及び、前記主鎖に結合した側鎖を有する樹脂である。
・主鎖
(B3)成分の主鎖は、オレフィン化合物と、エポキシ基含有ビニルモノマーと、必要に応じて用いられるその他の任意のモノマーとを共重合させて得られる。
前記オレフィン化合物としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、α−オレフィン等のオレフィン系モノマーが挙げられる。
前記エポキシ基含有ビニルモノマーとしては、グリシジルメタクリレート(GMA)、グリシジルアクリレート等のグリシジルエステル類、アリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、エポキシブテン等のエポキシアルケン類等が挙げられる。
オレフィン化合物、エポキシ基含有ビニルモノマーとしては、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B3)成分の主鎖は、オレフィン化合物及びエポキシ基含有ビニルモノマー以外に、その他のモノマーの1種以上を含有していてもよい。その他のモノマーとしては、オレフィン化合物及びエポキシ基含有ビニルモノマーと共重合可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリルエステルモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー、スチレンモノマー等が挙げられる。
(B3)成分の主鎖となる共重合体において、各モノマー(化合物)の構成割合は特に限定されるものではないが、(B3)成分の主鎖を構成する全モノマーに対して、10〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%のエポキシ基含有ビニルモノマーを共重合させて得られる共重合体が好ましい。上記範囲内のエポキシ基含有ビニルモノマーを用いることにより、好適に被接着体との接着性を向上させることができる。
なかでも(B3)成分の主鎖としては、オレフィン化合物及びエポキシ基含有ビニルモノマーを共重合させて得られる共重合体が好ましく、エチレンとグリシジルメタクリレートとの共重合体が特に好ましい。
・側鎖
(B3)成分は、前記主鎖に結合した側鎖を有することにより、オレフィン系共重合体の強度、接着性、合成等の特性を改善することができる。側鎖は特に限定されるものではなく、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンを含有する重合体);(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル等のアルキル(メタ)アクリレートモノマーの1種以上を重合させて得られる(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。
なかでも(B)成分の側鎖としては、スチレンを含有する重合体が好ましく、例えばポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体が挙げられる。なかでも、ポリスチレンが特に好ましい。
(B3)成分が側鎖としてポリスチレンを含んだ重合体であると、溶融状態での流動性が向上する。そのため、本発明のホットメルト接着性樹脂フィルムを加熱接着時に適度な流動性を持ち、被着体にエポキシ基が接触しやすくなり、接着強度並びに耐久性が向上すると考えられる。
上記のような主鎖及び側鎖を有する(B3)成分は、例えば、常法により得られた主鎖共重合体と、側鎖を構成するモノマーと、有機過酸化物や脂肪族アゾ化合物等のラジカル重合開始剤とを用いたグラフト重合により得ることができる。
(B3)成分の融点は80〜120℃であって、90〜110℃であることが好ましい。
このような融点を有する(B3)成分は、主鎖及び側鎖を構成するモノマー種を適宜選択することにより得ることができる。
上記範囲の融点を有する(B3)成分を用いることにより、常法及び一般的な装置を用いた場合にも、当該(B3)成分の融点よりも十分に高い温度で、前記(A)成分と(B3)成分とを溶融混練することが可能となる。また、優れた耐久性を有する接着剤や接着層を得ることができる。さらに、溶融混練を用いて前記(A)成分と(B3)成分とを反応させる場合、(A)成分に比して(B3)成分の融点が低いことが好ましい。上記範囲の融点を有する(B3)成分を用いることにより、(A)成分の選択の自由度を高めることができる。
このような(B3)成分としては、日油株式会社製のモディパーA1100、A4100、A4400(いずれも商品名)等の市販品を用いることもできる。
本実施形態においては、(A)成分の酸官能基と、(B3)成分のエポキシ基との双方が、被着体(特に被着体が有する水酸基等の官能基)に対する接着性官能基として機能することにより、金属、ガラス、プラスチックなどの各種の被着体に対して、優れた接着性を奏することが可能となると考えられる。
また、(A)成分の酸官能基の一部と、(B3)成分のエポキシ基の一部とが反応し、(A)成分と(B3)成分の架橋構造ができ、この架橋構造により樹脂の強度が補強され、優れた接着性と共に良好な耐久性が得られるものと考えられる。
また、(B3)成分は、スチレン系モノマー及びオキサゾリン基含有モノマー以外に、その他のモノマーの1種以上を含有していてもよい。その他のモノマーは、これらモノマーと共重合可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリルエステルモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー等が挙げられる。
(B3)成分において、各モノマーの構成割合は特に限定されるものではないが、(B3)成分を構成する全モノマーに対して、5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%のオキサゾリン基含有モノマーを共重合させて得られる樹脂が好ましい。上記範囲内のオキサゾリン基含有モノマーを用いることにより、前記(A)成分と(B3)成分とを十分に架橋させ、良好な耐久性を得ることができる。
(B3)成分の数平均分子量は、3万〜25万であり、5万〜20万が好ましく、6万〜10万がさらに好ましく、6万〜8万が最も好ましい。数平均分子量が上記範囲内の(B3)成分を用いることにより、(A)成分と(B3)成分との相溶性が向上し、(A)成分と(B3)成分とを十分に架橋させることが可能となる。
本発明実施形態において、(A)成分80〜99質量部に対して、(B)成分は1〜20質量部で含有される。なかでも、(A)成分85〜99質量部に対して、(B)成分が1〜15質量部含有されることが好ましい。
本実施形態のホットメルト接着性樹脂積層体が、エラストマー樹脂を含有することにより、被着体との接着性を維持できる。
・エラストマー樹脂
エラストマー樹脂(以下、「(C)成分」と記載する)は、エラストマーとしての特性を備える成分であればよく、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー等が挙げられる。
なかでも、オレフィン系エラストマーが好ましく、例えば、ポリスチレン等からなるハードセグメントと、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等からなるソフトセグメントとを有するブロック共重合体が挙げられる。オレフィン系エラストマーに使用可能なオレフィン系重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−エチレン共重合体等の芳香族オレフィン−脂肪族オレフィンの共重合体が挙げられる。
本実施形態において、オレフィン系エラストマーはスチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SBS)に水素添加して完全に分子内の不飽和結合を開環させたスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、または、ポリプロピレンと相溶性の良好なプロピレン系エラストマーであることが好ましい。
本実施形態において、(C)成分としては、例えばJSR株式会社のダイナロン、旭化成ケミカルズ株式会社のタフテックHシリーズ、クレイトンポリマー株式会社のクレイトンGポリマーなどが挙げられる。
プロピレン系エラストマーとしては、例えば住友化学株式会社のタフセレン、出光興産株式会社のエルモーデュなどが挙げられる。
本実施形態において、ホットメルト接着性樹脂積層体が(C)成分を含有すると、金属に対し、高い接着性を発揮できる。その理由は以下のように推察される。前記(A)成分中の無水マレイン酸、(B)成分中のエポキシ基が被着体に結合する際、熱エネルギーが必要となる。一方、加熱圧着工程でホットメルト接着性樹脂積層体の表層の樹脂が溶融する際にも熱エネルギーが消費される。(C)成分であるエラストマー成分は軟化点が低く、低温でも溶融しやすいため、表層で消費される熱エネルギーの消費量を低減できると考えられる。このため、(A)成分と(B)成分が被着体に結合するために必要な熱エネルギーが十分供給される、金属との高い接着性を発揮できると推察される。
本実施形態において、(A)成分を必須成分とし、さらに(B)成分と(C)成分を含有する場合には、(C)成分の配合比は、(A)成分と(B)成分と(C)成分の総量中、1質量%以上20質量%以下が好ましい。
より具体的には、(A)成分80〜90質量部に対して、(B)成分は1〜5質量部で含有されることが好ましく、(C)成分は1〜10質量部含有されることが好ましい。
(剥離試験条件)
本実施形態のホットメルト接着性樹脂積層体は、下記剥離試験条件で測定した剥離強度が0.8N/mm以上であり、1.0N/mm以上が好ましく、1.2N/mm以上がより好ましい。この範囲内とすることで高い耐久性を発揮することができる。
上限値は特に制限されないが、例えば4.0N/mm以下、2.0N/mm以下とすることができる。
剥離強度が上記下限値以上であると、特に金属に対する高い接着性を発揮できる。
剥離試験の方法について、図2及び図3を用いて説明する。
剥離試験には、図3に示す積層体を試験片として用いる。試験片は、厚さ(L)30μm、長さ(L)50mm×幅(L)10mmのステンレス箔31と、厚さ(L)30μm、長さ(L)50mm×幅(L)10mmにカットしたステンレス箔32を用いる。アルミニウム箔31と、L7:10mm、L8:10mmにカットしたホットメルト接着性樹脂積層体30と、ステンレス箔32とを、一端を揃えてこの順で積層し、0.5MPaの圧力をかけながら、150℃で5秒間貼り合わせた積層体を試験片とする。
この積層体を、図2に示す水槽37に入れ、pH2の酸溶液(符号36)に1000時間浸漬する。その後、酸を拭き取り、23℃、湿度50%の条件で3時間乾燥する。
その後、ステンレス箔31を引張側になるように、ホットメルト接着性樹脂積層体30の端部の位置でステンレス箔31及びステンレス箔32をそれぞれ屈曲させ、把持具33で把持し、ステンレス箔32を把持具34で把持して固定し、ステンレス箔31を、符号35に示す引張方向に引張、剥離強度を測定する。引張速度は300mm/分とする。
試験に用いる酸は、pHが2であれば、塩酸、硝酸、硫酸のいずも用いることができるが、塩酸又は硫酸が好ましい。
・基材層
基材層23を構成する樹脂としては、充分な耐熱性を有する樹脂が好ましく、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂;環状オレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー、メチルペンテンポリマー(TPX)等のポリオレフィンポリマー等からなる合成樹脂フィルムが挙げられる。
基材層23に用いる樹脂としては、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、メチルペンテンポリマー、からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
基材層23の厚みは、25μm〜350μmであることが好ましく、100μm〜300μmであることがより好ましく、100μm以上200μm以下であることがより好ましい。
また、基材層23の厚みは、ホットメルト接着性樹脂積層体2全体の厚み(すなわち、基材層23、第1中間層22、第2中間層24、第1表面層21および第2表面層25の厚みの合計)の30%〜80%程度が好ましい。
・第1及び第2の中間層
第1中間層22および第2中間層24を構成する樹脂は、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂に対して良好な接着性を発現する樹脂である。具体的には、第1中間層22および第2中間層24を構成する樹脂としては、プロピレンと1−ブテンとの共重合体をマレイン酸変性した樹脂を用いることが好ましい。
第1中間層22および第2中間層24は、塗布により好ましく設けられ、層間の接着強度の観点から、第1中間層22および第2中間層24の厚さはそれぞれ0.5μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜5μmであることがより好ましい。
第1の中間層及び前記第2の中間層は架橋剤として、エポキシ基を含む化合物、オキサゾリン化合物、又はイソシアネート化合物を含有することが好ましく、エポキシ基を含む化合物又はイソシアネート化合物を含有することがより好ましい。これらの架橋剤を添加することにより、成膜後の乾燥時、表面層とのラミネート加工時、又はその後の加熱工程時の加熱により架橋し、中間層の分子架橋を増加させることができる。
[ホットメルト接着性樹脂積層体の製造方法]
本発明の一実施形態であるホットメルト接着性樹脂積層体の製造方法としては、例えば、溶液流涎法、溶融流涎法による製膜、および、塗布による積層、溶融押出し法よる積層方法が挙げられる。また、これらを組み合わせて積層フィルムとすることができる。
基材層23は溶融流涎法による製膜が好ましい。
本発明のホットメルト接着性樹脂積層体における、第1中間層22、第2中間層24は塗布による製膜、溶融押出し法による基材層への積層のいずれも採用することができる。中でも、第1中間層22、第2中間層24は塗布による積層が好ましい。
本発明のホットメルト接着性樹脂積層体における、第1表面層21、第2表面層25は溶液流涎法による製膜もしくは溶融流涎法による製膜により製膜を行い、その後ラミネートする方法、塗布による積層もしくは溶融押出し法よる積層を行う方法のいずれも採用することができる。本発明においては溶融流涎法による製膜を行いその後ラミネートすることが好ましい。
溶融流涎法による製膜により第1表面層21、第2表面層25を設けるときには、基材層23、第1中間層22および第2中間層24とは別に、単層のフィルムとして、溶融流涎により製膜することが好ましい。溶融流涎により製膜を行った表面層となるフィルムを、第1中間層22/基材層23/第2中間層24の積層体の表面に、第1表面層21、第2表面層25としてラミネートすることができる。この時、第1中間層22および第2中間層24はラミネート接着剤としても機能する。
溶液流涎により表面層を設ける場合、第1表面層21と第2表面層25は逐次的に塗布および乾燥を行って設ける方法、表裏同時に塗布および乾燥を行って設ける方法のいずれも採用することができる。
<積層体>
本発明の積層体は、第1の被着体、前記本発明のホットメルト接着性樹脂積層体、及び第1の被着体をこの順に備える。
接着層が、本発明のホットメルト接着性樹脂積層体から形成されるものであるため、被着体同士を接着した場合にも良好な接着性及び耐久性を得ることが可能となる。
本発明の積層体を用いて接着する被着体は、金属、ガラス、プラスチックなど各種の被着体を用いることができる。上記本発明のホットメルト接着性樹脂積層体は金属に対して高い接着性を発揮できるため、被着体として金属を好適に用いることができる。
金属は一般に知られている金属板、金属平面板もしくは金属箔を用いることができる。これらに用いられる金属としては例えば、鉄、銅、アルミニウム、鉛、亜鉛、チタン、クロムであってよく、合金であるステンレス等であってもよい。また、金属によるめっきや金属を含む塗料による塗布加工により表面加工処理をされた金属もしくは非金属を被着体として用いてもよい。特に好ましくは、鉄、アルミニウム、チタン、ステンレス、表面加工処理をされた金属からなる金属平面板もしくは金属箔であり、これらを被着体として用いることにより、本発明のホットメルト接着性樹脂積層体が特に強固な接着力を発揮する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<酸中剥離強度試験>
酸中剥離強度試験について、図2を用いて説明する。
まず、図3に示す積層体を試験片とした。厚さ(L)30μm、長さ(L)50mm×幅(L)10mmのステンレス箔31に、各実施例およびのホットメルト接着性樹脂積層体30を10mm(L)×10mm(L)に切り出したものを積層し、その上に厚さ(L)30μm、長さ(L)50mm×幅(L)10mmにカットしたステンレス箔32を載せて0.5MPaの圧力をかけながら、150℃で5秒間貼り合わせることで、積層体とした。積層の態様は、図3に示すように一端を揃えて積層した。
この積層体を、pH2の硫酸(符号36)に1000時間浸漬した。
その後、水槽37から積層体を取り出し、硫酸を拭き取った。その後、23℃、湿度50%の条件で、3時間乾燥させた。
その後、ステンレス箔31を引張側になるように、ホットメルト接着性樹脂積層体30の端部の位置でステンレス箔31及びステンレス箔32をそれぞれ屈曲させ、把持具33で把持し、ステンレス箔32を把持具34で把持して固定し、ステンレス箔31を、符号35に示す引張方向に引張、剥離強度を測定した。
引張速度は300mm/分で測定した。
<耐久性試験>
上記<酸中剥離強度試験>で用いた試験片と同様の積層体を試験片とした。
得られた積層体を、80℃、湿度95%の高温サーモ機の中に、1000時間投入した。
その後、積層体を取り出し、積層体の状態を観察し剥がれを目視により観察した。結果を下記表に示す。
下記の評価基準に基づいて評価を行った。
◎:目に見える剥がれがなく、良好であった。
○:目に見えて目立った剥がれが見られなかった。
△:ところどころに剥がれが見られた。
×:全面に剥がれが見られた。
<表面層1〜6の製造>
下記表1に示す(A)成分、(B)成分及び(C)成分を、280℃で2分間溶融混練後、押出成形により30μmのフィルムに成形して表面層1〜6を製造しホットメルト接着性樹脂フィルムを得た。このホットメルト接着性樹脂フィルムは5層構成とした場合は、表面層となる。
Figure 2018135467
表1中、各記号は以下の成分を意味する。[ ]内の数値は配合量(質量%)である。
・(A)−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン。
・(B)−1:エポキシ樹脂;前記式(1)の化合物であってR〜Rがそれぞれ独立にメチル基であり、n=5であり、Rはエポキシ基である化合物、軟化点=70℃、エポキシ当量=210)。
・(B)−2:グリシジルメタクリレート変性オレフィン;「モディパーA4100」(商品名、日油株式会社製)(エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体と、ポリスチレンとのグラフト重合体;主鎖中の全モノマーに対するグリシジルメタクリレートモノマーの割合=70質量%;融点97℃)。
・(B)−3:オキサゾリン基含有スチレン樹脂;「エポクロス RPS−1005」(商品名、日本触媒社製)(スチレンと2−イソプロペニル−2−オキサゾリンとを共重合させて得られた樹脂;数平均分子量=7万)。
・(C)−1:ポリプロピレン系エラストマー。
・(C)−2:ポリエチレン系エラストマー。
<中間層の製造>
下記表2に示す基材成分((A)成分)、架橋性成分((B)成分)及びその他の成分を、トルエンと酢酸エチルの溶媒に溶解し、中間層を形成するための塗布液を作成した。中間層の原料となる素材の構成を下記の表に示す。
Figure 2018135467
表2中、各記号は以下の成分を意味する。[ ]内の数値は配合量(質量%)である。
・(A)−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン
・(A)−2:カルボン酸変性ポリプロピレン
・(B)−1:エポキシ樹脂;前記式(1)の化合物であってR〜Rがそれぞれ独立にメチル基であり、n=5であり、Rはエポキシ基である化合物(ビスフェノールA構造を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂;軟化点=70℃;エポキシ当量=210)
・(D)−1:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート
得られた中間層を形成するための塗布液を基材上の両面に塗布、乾燥し、乾燥後の中間層の膜厚が3μmとなるように、中間層を形成し、第1の中間層/基材層/第2の中間層の層構成からなる積層体を製造した。
≪ホットメルト接着性樹脂積層体の製造≫
前記で得られたホットメルト接着性樹脂フィルムを表面層とし、前記で得られた第1の中間層、基材層、第2の中間層をこの順で有する積層体の両表面にラミネートして、第1の表面層、第1の中間層、基材層、第2の中間層、第2の表面層をこの順で有する5層構成からなるホットメルト接着性樹脂積層体を製造した。このとき各層の構成は表3に示す構成となるように積層を行った。
Figure 2018135467
表3中、各材料は以下のものを意味する。
・表面層1〜6:表1に示す表面層1〜6。
・中間層1〜2:表2に示す中間層1〜2。
・TPX:メチルペンテンポリマーからなる層。
・COC:環状オレフィンコポリマーからなる層。
・PEN:ポリエチレンナフタレートからなる層。
・COP:シクロオレフィンポリマー。
・PE :ポリエチレン。
・PET:ポリエチレンテレフタレート。
上記結果に示したとおり、実施例1〜10は、120℃で1000時間という過酷な条件に曝した場合であっても、金属板同士が剥がれることがなく、高い耐久性を有していた。これに対し、本発明を適用しない比較例1〜3は、金属板同士が剥離してしまった。
2:ホットメルト接着性樹脂積層体、21、25:表面層、22、24:中間層、23:基材層、30:ホットメルト接着性樹脂積層体、31、32:ステンレス箔、33、34:把持具、36:酸、37:水槽

Claims (10)

  1. 酸変性ポリオレフィン樹脂を含む第1の表面層と、第1の中間層と、基材層と、第2の中間層と、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む第2の表面層と、をこの順で積層してなる積層体であって、下記条件で剥離試験を行ったときの剥離強度が0.8N/mm以上であることを特徴とするホットメルト接着性樹脂積層体。
    (剥離試験条件)
    試験片:ステンレス板同士をホットメルト接着性樹脂積層体で加熱接着した積層体。ステンレス板の形状は、それぞれ、幅10mm、長さ50mm、厚さ30μmとする。ホットメルト接着性樹脂積層体の形状は、10mm×10mmとする。
    試験条件:上記積層体を、pH2の酸溶液中に、1000時間保管する。その後、酸を拭き取り、23℃、湿度50%の条件で3時間乾燥する。その後、ステンレス板の一方を固定し、他方を引張速度300mm/分で引張ったときの剥離強度を測定する。
  2. 前記第1の表面層又は第2の表面層のいずれか一方又は両方がエラストマー樹脂を含む、請求項1に記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
  3. 前記基材層が、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、メチルペンテンポリマー、からなる群より選択される1種以上である、請求項1又は2に記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
  4. 前記基材層の厚みが、100μm以上300μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
  5. 前記第1の表面層又は第2の表面層のいずれか一方又は両方が架橋剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
  6. 前記架橋剤が、フェノールノボラック変性エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有スチレン樹脂、又はエポキシ基含有ポリオレフィン樹脂からなる群から選択される1種以上である、請求項5に記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
  7. 前記第1の中間層又は第2の中間層の膜厚がそれぞれ1μm以上5μm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
  8. 前記第1の中間層又は第2の中間層が変性ポリオレフィン樹脂と、エポキシ基を含む化合物とからなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
  9. 前記第1の中間層又は第2の中間層が変性ポリオレフィン樹脂と、イソシアネート化合物とからなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のホットメルト接着性樹脂積層体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のホットメルト接着性樹脂積層体と被着体とを含む積層体。
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