JP6660688B2 - 接着性積層体、接着性積層体の製造方法、及び積層体 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、重量平均分子量が15000〜150000、且つ、固形分酸価が100〜300である、二塩基カルボン酸無水物変性ポリオレフィン樹脂を含有する、ポリオレフィン多層フィルム用接着性樹脂組成物が開示されている。
そのため、従来技術においては、金属、ガラス、プラスチックなどの各種の被着体に対して、優れた接着性及び耐久性を有する接着剤樹脂組成物は知られていなかった。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の90〜99.9質量部と、常温で固体であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の0.1〜10質量部と、を含有することを特徴とする接着性樹脂組成物である。
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の95〜99.9質量部と、前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の0.1〜5質量部と、を含有することが好ましい。
前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)が、ビスフェノールA構造を有するものであることが好ましい。
前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が、100〜300であることが好ましい。
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、融点が100〜180℃の無水マレイン酸変性ポリプロピレンであって、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の融点が、前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の融点よりも高いことが好ましい。
本発明の第二の態様は、接着性樹脂組成物を用いて接着剤を製造する方法であって、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)とを溶融混練することを特徴とする接着剤の製造方法である。
前記溶融混練が240〜300℃の加熱下で行われることが好ましい。
本発明の第三の態様は、接着性樹脂組成物を溶融混練して得られることを特徴とする接着剤である。
本発明の第四の態様は、第1の接着層、基材層、及び第2の接着層をこの順に備えてなる接着性積層体であって、前記第1の接着層又は第2の接着層のいずれか一方又は両方が、本発明の第三の態様に記載の接着剤からなることを特徴とする接着性積層体である。
本発明の第五の態様は、第1の接着層、第1の中間層、基材層、第2の中間層、及び第2の接着層をこの順に備えてなる接着性積層体であって、前記第1の接着層又は第2の接着層のいずれか一方又は両方が、本発明の第三の態様に記載の接着剤からなることを特徴とする接着性積層体である。
本発明の第六の態様は、第1の金属層、前記接着性積層体、及び第2の金属層をこの順に備えてなることを特徴とする積層体である。
本発明の第一の態様の接着性樹脂組成物は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の90〜99.9質量部と、常温で固体であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の0.1〜10質量部と、を含有するものである。
以下、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)を「(A)成分」、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)を「(B)成分」ということがある。
本発明において、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とは、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂であって、ポリオレフィン系樹脂中に、カルボキシ基や無水カルボン酸基等の酸官能基を有するものである。
(A)成分は、不飽和カルボン酸またはその誘導体によるポリオレフィン系樹脂の変性や、酸官能基含有モノマーとオレフィン類との共重合等により得られる。なかでも(A)成分としては、ポリオレフィン系樹脂を酸変性して得られたものが好ましい。
酸変性方法としては、有機過酸化物や脂肪族アゾ化合物等のラジカル重合開始剤の存在下で、ポリオレフィン樹脂と酸官能基含有モノマーとを溶融混練するグラフト変性が挙げられる。
共重合する場合の前記オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、α−オレフィン等のオレフィン系モノマーが挙げられる。
カルボキシ基を有する酸官能基含有モノマー(カルボキシ基含有モノマー)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ナジック酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、テトラヒドロフタル酸、エンド−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸(エンディック酸)などのα,β−不飽和カルボン酸モノマーが挙げられる。
カルボン酸無水物基を有する酸官能基含有モノマー(カルボン酸無水物基含有モノマー)としては、無水マレイン酸、無水ナジック酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水エンディック酸などの不飽和ジカルボン酸無水物モノマーが挙げられる。
これらの酸官能基含有モノマーは、(A)成分において1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
酸変性に用いた酸官能基含有モノマーの一部が未反応である場合は、未反応の酸官能基含有モノマーによる接着力の低下を防ぐため、予め未反応の酸官能基含有モノマーを除去したものを(A)成分として用いることが好ましい。
(B)成分は、常温で固体であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂である。常温において固体である(B)成分を用いることで、溶融混練によって前記(A)成分と(B)成分とを重合させる場合にも、(A)成分の溶融温度に合わせて溶融混練を行うことができ、且つ、その際に(B)成分の特性が損なわれ難くなる。
(B)成分の一例としては、下記一般式(1)で表される樹脂が挙げられる。
式(1)で表される樹脂中は、下記(i)〜(iii)の少なくともいずれか1つを満たすことが好ましい。
(i)R1及びR2の両方がメチル基、(ii)R3及びR4の両方がメチル基、(iii)R5及びR6の両方がメチル基
例えば、上記(i)を満たすことにより、式(1)においてR1及びR2が結合する炭素原子と、当該炭素原子が結合する2つのヒドロキシフェニル基と、がビスフェノールAから誘導される構造を構成することとなる。
また、(A)成分の酸官能基の一部と、(B)成分のエポキシ基の一部とが反応し、(A)成分と(B)成分の架橋構造ができ、この架橋構造により樹脂の強度が補強され、優れた接着性と共に良好な耐久性が得られるものと考えられる。
本発明の接着剤組成物は、所望により混和性のある添加剤、付加的な樹脂、可塑剤、安定剤、着色剤等を適宜含有することができる。
本発明の第二の態様である接着剤の製造方法は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)とを溶融混練するものである。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)としてはそれぞれ、上述した第一の態様の(A)成分、(B)成分と同様である。前記(A)成分と、前記(B)成分とを含有する前記接着剤樹脂組成物を、公知の装置を用いて溶融混練することにより、(A)成分と(B)成分とを反応させることができる。
溶融混練の装置としては、一軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、プラストミル、加熱ロールニーダーなどを使用することができる。(A)成分及び(B)成分の反応時における、(B)成分のエポキシ基の分解を抑制するため、水分等のエポキシ基と反応し得る揮発成分は、予め装置外へ除去しておき、且つ、反応中に揮発成分が発生する場合には脱気等により随時装置外へ排出することが望ましい。
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)が、酸官能基として酸無水物基を有する場合、前記(B)成分のエポキシ基との反応性が高く、より穏和な条件下で反応が可能となるため好ましい。
なお、混練温度は、溶融混練装置から押し出された直後における、溶融状態の接着性樹脂組成物に、熱電対を接触させる等の方法によって測定することが可能である。
本発明の第三の態様である接着剤は、前記第一の態様の接着剤樹脂組成物を溶融混練して得られるものであって、溶融混練の方法は上述した第二の態様と同様である。本発明の接着剤は、(A)成分と(B)成分とを含有する前記接着性樹脂組成物からなるものであるため、金属、ガラス、プラスチック等の各種の被着体同士を、経時劣化や環境劣化が抑制された状態で良好に接着させることができる。
本発明の第四の態様の接着性積層体は、第1の接着層、基材層、及び第2の接着層をこの順に備えてなり、前記第1の接着層又は第2の接着層のいずれか一方又は両方が前記第三の態様の接着剤からなる。
また、本発明の第五の態様の接着性積層体は、第1の接着層、第1の中間層、基材層、第2の中間層、及び第2の接着層をこの順に備えてなる接着性積層体であって、前記第1の接着層又は第2の接着層のいずれか一方又は両方が、前記第三の態様の接着剤からなる。
第四及び第五の接着性積層体は、前記本発明の接着性樹脂組成物から形成され、フィルム、シート等の形状を有する積層体であって、接着性樹脂フィルムや、接着性樹脂シート等として多用途に用いることができる。
なかでも、線膨張係数が低く、当該接着性積層体を用いて金属等の被着体を接着した際にも層間剥離を起こしづらいことから、PEN、COP又はTPXが好ましく、COP又はTPXが特に好ましい。
線膨張係数の低い樹脂を用いることにより、積層体に熱がかかり、または冷却されたときに積層体の収縮が小さくなり、金属を含んだ積層体のひずみが小さくなる。
また、基材層に添加物として粒子状もしくは繊維状のフィラーを入れることができる。フィラーは耐熱性の高いフィラーであればよく、有機フィラー、無機フィラーが挙げられる。フィラーを入れることにより、ホットメルト接着性積層体の収縮力をさらに抑えることができ、ホットメルト接着性積層体自体の強度を上げることもできる。本発明においては、基材層の耐熱性、収縮性の観点から無機フィラーを添加することが好ましい。
無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの塩化物、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカなどの酸化物、タルク、スメクタイト、マイカ、カオリナイトなどの鉱物、炭素繊維や炭素粒子等の炭素化合物、ガラスからなる微粒子が挙げられる。また、形状としては球状、棒状、板状等が挙げられるが、板状の化合物が好ましい。
第1、第2の中間層に求められる接着性とは、基材層と接着層の積層体としての強度を保つための強度の事を指しており、接着性が高いと層間剥離が起きにくくなる。
第1、第2の中間層の形成材料は、第1、第2の中間層が上述の接着性を有するものであれば特に限定されないが、基材層の形成材料に応じて適宜選択される。
例えば、第1、第2の中間層の形成材料が、酸変性ポリプロピレン、メタロセン系ポリエチレンおよびメタロセン系ポリプロピレンの3成分からなる場合、これら3成分の合計を100質量部としたとき、メタロセン系ポリエチレンの配合量が30質量部〜50質量部、メタロセン系ポリプロピレンの配合量が30質量部〜40質量部であることが好ましく、酸変性ポリプロピレンの配合量が20質量部、メタロセン系ポリエチレンの配合量が50質量部、メタロセン系ポリプロピレンの配合量が30質量部であることが特に好ましい。前記中間層を用いて本発明の本発明の第五の態様、すなわち接着層/中間層/基材層/中間層/接着層の5層構成を構成する際は、溶融押出流涎により同時に製膜形成することが好ましい。
例えば、第1、第2の中間層の形成材料が、メチルペンテンポリマー、酸変性メチルペンテンポリマー、ポリブテン系エラストマーおよびポリプロピレンの4成分からなる場合、これら4成分の合計を100質量部としたとき、メチルペンテンポリマーの配合量が10質量部〜70質量部、さらに好ましくは20質量部〜50質量部、酸変性メチルペンテンポリマーの配合量が0質量部〜50質量部、さらに好ましくは0〜30質量部ポリブテン系エラストマーの配合量が5質量部〜40質量部、さらに好ましくは10〜30質量部、ポリプロピレンの配合量が5質量部〜40質量部であることが好ましい。前記中間層を用いて本発明の本発明の第五の態様、すなわち接着層/中間層/基材層/中間層/接着層の5層構成を構成する際は、溶融押出流涎により同時に製膜形成することが好ましい。
本発明の第六の態様の積層体は、第1の金属層、前記第四又は第五の態様の接着性積層体、及び第2の金属層をこの順に備えてなるものである。接着性積層体中の接着層が、本発明の接着性樹脂組成物から形成されるものであるため、金属同士を接着した場合にも良好な接着性及び耐久性を得ることが可能となる。第六の積層体に用いる接着性積層体は、その両面が金属層と接することから、前記第1及び第2の接着層の両方が本発明の接着性樹脂組成物(接着剤)からなることが好ましい。
本発明の積層体を用いて接着する被着体である第1の金属層及び第2の金属層は一般に知られている金属板、金属平面板もしくは金属箔を用いることができる。これらに用いられる金属としては例えば、鉄、銅、アルミニウム、鉛、亜鉛、チタン、クロムであってよく、合金であるステンレス等であってもよい。また、金属によるめっきや金属を含む塗料による塗布加工により表面加工処理をされた金属もしくは非金属を第1又は第2の金属層として用いてもよい。特に好ましくは、鉄、アルミニウム、チタン、ステンレス、表面加工処理処理をされた金属からなる金属平面板もしくは金属箔であり、これらを第1の金属層及び/又は第2の金属層として用いることにより、本発明の接着層が特に強固な接着力を発揮する。
(接着性樹脂フィルム)
表1中に示す(A)成分及び(B)成分を280℃2分間溶融混練後、押出成形により所定の厚さのフィルム状に成形して接着シートを得た。
(A)−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(融点140℃)
(A)−2:ポリプロピレン重合体(融点140℃)
(A)−3:無水マレイン酸変性1−ブテン−ポリプロピレン共重合体(融点150℃、1−ブテン:ポリプロピレン=50:50(質量比))
(B)−1:「jER157S70」(商品名、三菱化学社製)(ビスフェノールA構造を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂;粘度=80;エポキシ当量=210)
(B)−2:「jER154」(商品名、三菱化学社製)(フェノールノボラック型エポキシ樹脂;粘度=80;エポキシ当量=180)
厚さ300μm、縦10mm×横30mmのアルミニウム箔、厚さ300μm、縦10mm×横30mmのステンレス箔、及び、上記で得られた各例の接着シートを10mm×10mmに切出した接着シート片を用意した。
アルミニウム箔の短辺端部に、接着シート片の一端が揃うように重ねた後、さらに、接着シート片の他端にステンレス箔の短辺端部が揃い、且つ、接着シート片を介してアルミニウム箔とステンレス箔とが重なり合うように載置した。0.5MPaのの圧力をかけながら、150℃で5秒間貼り合わせることで、接着面積100m3、平面視で縦10mm×横50mmの大きさの積層体とした。
得られた各例の積層体のアルミニウム箔、ステンレス箔の端部をそれぞれ治具によりはさみ、速度=10mm/分、チャック間距離=20mmの条件で、引張せん断試験機を用いて引張せん断試験を行った。
下記評価基準に基づいて評価を行った。結果を「接着性」として表1中に併記する。
A:せん断力が320N以上であった。
B:せん断力が250N以上320N未満であった。
C:せん断力が200N以上250N未満であった。
D:せん断力が200N未満であった。
上記接着性評価と同様にして得られた各例の積層体を、95℃のお湯に100時間漬けて耐久試験を行った。耐久試験後の試験サンプルである積層体のアルミニウム箔、ステンレス箔の端部をそれぞれ治具によりはさみ、速度=10mm/分、チャック間距離=20mmの条件で、引張せん断試験機を用いて引張せん断試験を行った。
下記評価基準に基づいて評価を行った。結果を「耐久性」として表1中に併記する。
A:せん断力が250N以上であった。
B:せん断力が200N以上250N未満であった。
C:せん断力が100N以上200N未満であった。
D:せん断力が100N未満であった。
(接着性評価)
前記(A)−1の98質量部と、前記(B)−1の2質量部とを、表2に示す温度で2分間溶融混練後、押出成形により所定の厚さのフィルム状に成形して接着シートを得た。
得られた接着シートを用いて、上記接着性評価と同様にして積層体を作製し、上記同様に引張せん断試験を行った。
上記評価基準と同様に評価を行った結果を表2中に併記する。
実施例3−1〜3−5では、前記(A)−1の98質量部と、前記(B)−1の2質量部とを有する接着性樹脂組成物を用いた。
(A)成分及び(B)成分を有する接着剤組成物を280℃で2分間溶融混練後、PENと共に共押出成形を行い、「接着層(厚さ42μm)−PEN基材(厚さ75μm)−接着層(厚さ42μm)」の3層構成からなる接着性積層体を得た。
厚さ75μmのPEN基材の両面に、厚さ2.0μmの中間層を形成するように、マレイン酸変性プロピレン―ブテン共重合体の分散溶液を溶液塗布し、乾燥させた。
また、(A)成分及び(B)成分を有する接着剤組成物を280℃で2分間溶融混練後、押出成形して接着フィルム(厚さ40μm)を2枚製造した。
次いで、PEN基材の両面に設けられた中間層上に、別途得られた上記接着フィルムを載置して170℃で熱ラミネートし、「接着層−中間層−PEN基材−中間層−接着層」の5層構成からなる接着性積層体を得た。
(A)成分及び(B)成分を有する接着剤組成物を280℃で2分間溶融混練後、基材となるCOP、中間層となる、ポリプロピレンとメタロセン系ポリエチレンとメタロセン系ポリプロピレンとスチレン系熱可塑性エラストマーとの混合ポリマーと共に共押出成形を行い、「接着層(厚さ27μm)−中間層(厚さ15μm)−COP基材(厚さ75μm)−中間層(厚さ15μm)−接着層(厚さ27μm)」の5層構成からなる接着性積層体を得た。
(A)成分及び(B)成分を有する接着剤組成物を280℃で2分間溶融混練後、基材となるTPX、中間層となる、メチルペンテンポリマーとポリブテンとポリプロピレンとの混合ポリマーと共に共押出成形を行い、「接着層(厚さ27μm)−中間層(厚さ15μm)−TPX基材(厚さ75μm)−中間層(厚さ15μm)−接着層(厚さ27μm)」の5層構成からなる接着性積層体を得た。
(A)成分及び(B)成分を有する接着剤組成物を280℃で2分間溶融混練後、押出成形して接着フィルム(厚さ159μm)を製造した。
厚さ300μm、縦30mm×横30mmのアルミニウム箔に、各例の3層若しくは5層接着性積層体又は接着フィルムを30mm×30mmに切り出したものを積層し、その上に厚さ300μm、縦30mm×横30mmに切り出したステンレス箔の端部を載置して、0.5MPaの圧力をかけながら、150℃で5秒間貼り合わせて積層体とした。
この積層体を95℃のお湯に300時間漬け、浸漬後の積層体の状態を観察して評価を行った。結果を「積層体強度」として表3に示す。
A:目に見える剥がれがなく、積層体のゆがみも見られなかった。
B:目に見えて目立った、剥がれが見られず、大きなゆがみも見られなかった。
C:若干の剥がれ、もしくは若干の積層体のゆがみが見られたが、許容範囲内であった。
D:全面に剥がれが見られ、積層体がゆがんでいた。
Claims (11)
- 第1の接着層、第1の中間層、基材層、第2の中間層、及び第2の接着層をこの順に備えてなる接着性積層体であって、
前記第1の接着層又は前記第2の接着層のいずれか一方又は両方が、
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の90〜99.9質量部と、
常温で固体であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の0.1〜10質量部と、を含有する接着性樹脂組成物を溶融混練して得られる接着剤からなることを特徴とする接着性積層体。 - 前記基材層の形成材料が環状オレフィンポリマー(COP)であり、かつ、前記第1の中間層及び前記第2の中間層の形成材料は、酸変性ポリプロピレン、メタロセン系ポリエチレンおよびメタロセン系ポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の接着性積層体。
- 前記基材層の形成材料がメチルペンテンポリマー(TPX)であり、かつ、前記第1の中間層及び前記第2の中間層の形成材料は、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系エラストマーおよびポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の接着性積層体。
- 前記第1の中間層及び前記第2の中間層の形成材料は、カルボン酸によって酸変性されているオレフィン系ポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の接着性積層体。
- 前記接着性樹脂組成物が、
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の95〜99.9質量部と、
前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の0.1〜5質量部と、を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着性積層体。 - 前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)が、ビスフェノールA構造を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着性積層体。
- 前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が、100〜300である請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着性積層体。
- 前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、融点が100〜180℃の無水マレイン酸変性ポリプロピレンであって、
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の融点が、前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の融点よりも高い、請求項1〜7のいずれか一項に記載の接着性積層体。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の接着性積層体の製造方法であって、
前記接着性樹脂組成物を用いて前記接着剤を製造する工程において、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)とを溶融混練することを特徴とする接着性積層体の製造方法。 - 前記溶融混練が240〜300℃の加熱下で行われる請求項9に記載の接着性積層体の製造方法。
- 第1の金属層、請求項1〜8のいずれか一項に記載の接着性積層体、及び第2の金属層をこの順に備えてなることを特徴とする積層体。
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