JP2018070850A - ポリウレタン多孔粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち本発明は、以下の[1]〜[6]に示されるものである。
(1)前記撹拌翼の直径(p)が、ミキサーの内径に対して60%以上の長さがあるミキサーを用いて、
(2)前記撹拌翼の先端の周速が6.0m/s以上、15.0m/s以下になるように撹拌速度を調整することを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
脂肪族系ポリイソシアネートおよび脂環式ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種(一つ)を含む多官能イソシアネート化合物(I)と、
ポリカーボネート系ポリオールおよびポリエーテル系ポリオールからなる群より選ばれる少なくとも一種(一つ)を含む高分子量ポリオール化合物(P)、
さらに鎖延長剤(E)および架橋剤(X)の反応生成物であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
・回転式の撹拌混合用ミキサーを使用し、
・ミキサーの内径(d)に対して60%以上の有効長(p)を有する撹拌翼を用いて、
・撹拌翼先端の回転速度(周速)を6.0m/s以上、15.0m/s以下に設定し、
・水溶性のポロゲン(B)を、ミキサーの内径(d)に対して2%以上、30%以下の深さ(h)になるように仕込み、
・撹拌状態にした水溶性ポロゲン(B)に対して、無溶剤型ポリウレタン樹脂(A)の反応液を添加して、
ポロゲン(B)を内包したポリウレタン樹脂粒子を製造する方法に関するものである。
また、この製造方法により得られたポリウレタン樹脂粒子からポロゲンを溶出することで、ポリウレタン多孔粒子を得ることが可能である。
さらに、脂肪族もしくは脂環式のイソシアネート化合物(I)と、ポリカーボネート系もしくはポリエーテル系ポリオールを組み合わせた無溶剤型ポリウレタン樹脂を用いることで、耐加水分解性や耐熱性、耐黄変性に優れたポリウレタン樹脂粒子(およびこれを溶出した多孔粒子)を得ることができる。
まず、装置および造粒条件について説明する。
撹拌ミキサーの内面や撹拌翼の表面は、ポリウレタン反応液の付着汚れや、内容物の帯電の抑制、あるいは耐腐食性を鑑みて、SUS316やSUS304などのステンレススチール製であることが望ましい。
撹拌翼は、タービン翼、パドル型、ブレード翼が好ましく、更に好ましくはタービン翼、ブレード翼である。
本発明における撹拌翼選定の際の最も重要な点は、ミキサーの内径に対する撹拌翼の有効長の割合である。
使用するポロゲンの脆さや硬度によって最適な運転条件は異なるが、ポロゲンの粉砕が許容可能な、できるだけ速い回転数で、かつポリウレタン樹脂中にポロゲンが均一に分散する最短の処理時間で造粒を完了させることが、良品を製造するためには肝要である。
ポリオールの数平均分子量は、JIS K1557に従い、水酸基価より算出できる。
また、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)を用いてポリエチレン、ポリスチレン等に換算することでポリオールの数平均分子量を測定できる。
前記ポリカーボネート系ポリオールとポリエーテル系ポリオールの合計量は、質量比で高分子量ポリオール化合物(P)の75%以上を占めることが好ましく、更に好ましくは85%以上、最も好ましくは95%以上である。
本発明でのポリカーボネート系ポリオールの好ましい数平均分子量は400以上3,000以下であり、更に好ましくは400以上2,000以下、最も好ましくは400以上1,000以下である。数平均分子量が大きくなると液の粘度が増し、ポリウレタン樹脂(A)を調製する際の作業性が低下したり、多官能イソシアネート化合物(I)との混合性が悪くなり反応が不均一になる等の弊害が生まれやすい。
本発明では、高分子量ポリオール(P)に対するモル比は0.01以上0.20以下の割合であることが望ましい。0.01未満の場合はウレタン結合の凝集、いわゆるハードセグメントドメインが不足し、ポリウレタン樹脂(A)の強度や耐熱性が低下する。一方で上限を超える場合はハードセグメントドメインが過多となり、得られるポリウレタン樹脂(A)の柔軟性や靭性が失われやすい。
本発明における架橋剤(X)の特に好ましいものとしては、TMPが挙げられる。
本発明では、高分子量ポリオール(P)に対するモル比は0.01以上0.20以下の割合であることが望ましい。0.01未満の場合は架橋剤を用いたことによる効果が見られず、0.20を超える場合はハードセグメントドメインが過多となり、得られるポリウレタン樹脂(A)の柔軟性や靭性が失われやすい。
触媒としては、一般に用いられているウレタン化触媒がいずれも使用できるが、3級アミン、4級アンモニウム塩等の、いわゆるアミン系の触媒は樹脂中の残存触媒による弊害(生体への悪影響や臭気)の点で好ましくない。好ましいのは金属系の触媒で、ビスマス、鉛、錫、鉄、チタン、ジルコニウム、アンチモン、ウラン、カドミウム、コバルト、トリウム、アルミニウム、水銀、亜鉛、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、銅、マンガン、カルシウム等の有機化合物、無機化合物等が挙げられる。
この中で最も好ましいものとしては、ビスマス系触媒、ジルコニウム系触媒が挙げられる。
触媒は、単独あるいは2種以上の混合物のいずれの形態で用いてもよい。
使用する触媒の量は他の原料の性質、反応条件、所望の反応時間等によって決定されるものであるので、特に制限されるものではないが、おおむねポリウレタン樹脂(A)の全質量の0.001〜0.05質量%が好ましく、0.002〜0.02質量%の範囲で使用されることがさらに好ましい。
PEGの数平均分子量としては、200〜1,500が好ましく、更に好ましくは300〜1,000、最も好ましくは400〜800である。
PEGを使用したプレポリマーの場合、導入量が下限を下回ると、高温多湿下(例えばポロゲンの溶出操作時)でポリウレタン樹脂(A)が白く濁る(可逆的な白化であり、乾燥させると透明に戻る)恐れがある。一方で導入量が上限を上回る場合、多官能イソシアネート化合物(I)の粘度が増し、ポリウレタン樹脂(A)を調製する際の作業性が低下したり、高分子量ポリオール化合物(P)との混合性が悪くなり反応が不均一になる等の弊害が生まれやすい。
(1) 高分子量ポリオール(P)、鎖長剤(E)、架橋剤(X)、必要に応じて触媒等の助剤を事前に混合し、温度を調整しておく。
(2) ポロゲン(B)を十分に予備乾燥し、水分を0.1%以下まで除去する。
(3) 撹拌翼を備えた撹拌混合用ミキサーにポロゲン(B)を仕込み、窒素ガスでパージする。
(4) 別のミキサーで、多官能イソシアネート化合物(I)と、(1)で予備混合したポリオールミックスを均一に混合する。
(5) この混合液を減圧操作等で十分に脱泡し、ポロゲンの仕込まれたミキサーの撹拌開始と同時に、ミキサー内へ滴下する。
(6) 所定の回転数および混合時間で、ポリウレタン樹脂(A)にポロゲン(B)が衣状に付着したポリウレタン樹脂粒子が得られる。
(7) ポリウレタン樹脂粒子の状態に応じて、打粉剤としてポロゲン(B)を追加し、低速で数秒〜数十秒撹拌して打粉する。
(8) 得られた粒子を密封容器に入れ、90℃雰囲気で2日間養生する。
(9) 任意の目開きの篩いで分級することで、ポリウレタン樹脂粒子が得られる。
このようにして得られたポリウレタン樹脂粒子は、図3に示したように外面にポロゲンをまとった球状の粒子である。
撹拌機、温度計、冷却管を備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、HDI(東ソー社製、NCO含有量:49.9質量%)を995g、フェノールを1.0g、1,3−ブタンジオール(ダイセル化学工業社製、以下1,3−BGという)を5g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、反応液を60℃に保ち、オクチル酸カリウム(東京化成工業社製)の20%ジエチレングリコール(アデカ社製)溶液を0.5g添加し、イソシアヌレート化反応を2時間行った。NCO含有量が39.5質量%に達した後、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート(城北化学工業社製、以下JP−508という)を0.3g添加し、停止反応を行った。この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留することで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート(以下PIという)1を37.1質量%の収率で得た。PI−1は透明な粘性液体で、NCO含有量が21.8質量%、GPC数平均分子量は680、式(1)に基づく平均官能基数は3.5、EO含有量(PEG含有量)は0質量%、遊離HDI含有量は0.2質量%であった。平均NCO官能基数は式(1)から算出した。
平均NCO官能基数=NCO含有量×GPC数平均分子量/(100×42)・・・・・(1)
<GPC:数平均分子量の測定>
・測定器 :HLC−8220(東ソー社製)
・カラム :TSKgel(東ソー社製)
・G3000H−XL
・G2500H−XL
・G2000H−XL
・G1000H−XL
・キャリア:テトラヒドロフラン(THF)
・検出器 :RI(屈折率)検出器
・サンプル:0.5%THF溶液
・温度 :40℃
・流速 :1.000ml/min
・検量線 :標準ポリスチレン(東ソー社製)
・F−80(分子量:7.06×105、分子量分布:1.05)
・F−20(分子量:1.90×105、分子量分布:1.05)
・F−10(分子量:9.64×104、分子量分布:1.01)
・F−2(分子量:1.81×104、分子量分布:1.01)
・F−1(分子量:1.02×104、分子量分布:1.02)
・A−5000(分子量:5.97×103、分子量分布:1.02)
・A−2500(分子量:2.63×103、分子量分布:1.05)
・A−500(分子量:5.0×102、分子量分布:1.14)
合成例1と同様な反応容器に、IPDI(エボニック社製、NCO含有量:37.8質量%)を995g、フェノールを1.0g、1,3−BGを5g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、反応液を60℃に保ち、オクチル酸カリウムの20%ジエチレングリコール溶液を0.5g添加し、イソシアヌレート化反応を2時間行った。NCO含有量が31.0質量%に達した後、JP−508を0.3g添加し、停止反応を行った。この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留することで未反応のIPDIの一部を除去し、精製したPI−2を34.5質量%の収率で得た。PI−2は透明な粘性液体で、NCO含有量が20.0質量%、GPC数平均分子量は700、式(1)に基づく平均官能基数は3.3、EO含有量(PEG含有量)は0質量%、遊離IPDI含有量は15.0質量%であった。
なお、遊離IPDIを薄膜蒸留で0.2質量%まで留去した場合、NCO含有量=17.3質量%、融点=108℃の固体が得られた。
合成例1と同様な反応容器に、PI−1を900g、PEG−600(三洋化成工業社製ポリオキシエチレングリコール、末端OH官能基数2、数平均分子量600)を100g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を5時間行いPI−3を得た。PI−3は透明な粘性液体で、NCO含有量が19.3質量%であり、GPC数平均分子量が795、式(1)に基づく平均NCO官能基数は3.6であった。EO含有量(PEG含有量)は10質量%である。
合成例1と同様な反応容器に、PI−2を850g、PEG−1000(三洋化成工業社製ポリオキシエチレングリコール、末端OH官能基数2、数平均分子量1000)を150g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を5時間行いPI−4を得た。PI−4は透明な粘性液体で、NCO含有量が17.5質量%であり、GPC数平均分子量が815、平均NCO官能基数は3.4であった。EO含有量(PEG含有量)は15質量%である。
合成例1と同様な反応容器に、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(東ソー社製ミリオネートMT、NCO含有量:33.6質量%、以下MTという)を500g、PEG−1000を150g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を5時間行った。その後、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(東ソー社製ミリオネートMR−200、NCO含有量:30.8質量%、以下MR−200という)を350g追加し、均一に混合することでPI−5を得た。PI−5は茶褐色透明な粘性液体で、NCO含有量が26.3質量%であり、GPC数平均分子量が355、平均NCO官能基数は2.2であった。EO含有量(PEG含有量)は15質量%である。
表3に示す処方にしたがって、ポロゲン(B)を調製した。
塩化ナトリウム(以下、NaClと略す)にはナクルフォー5(ナイカイ塩業社製)を、所定の篩で適宜分級した上、使用する前には90℃の熱風乾燥機で48時間以上乾燥して用いた(B−1、平均粒径=135μm、ε=0.37)。
塩化カリウム(以下、KClと略す)には、特級試薬(和光純薬工業社製)を用い、同様に分級・乾燥して用いた(B−2、平均粒径=200μm、ε=0.95)。
ショ糖には、フロストシュガーFS−2(日新製糖社製)を用い、同様に分級・乾燥して用いた(B−3、平均粒径=41μm、ε=1.95)。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ダウ・ケミカル社製、メトセルHPMC)についても、同様に分級・乾燥して用いた(B−4、平均粒径=85μm、ε=1.88)。
さらに、粒度範囲の目安としてε値を記載した。なお、εの値が小さいほど粒度分布の幅が狭いことを意味している。
ε=(D90−D10)÷D50 ・・・・・(2)
HPMC : ヒドロキシプロピルメチルセルロース
D10 : 最も小粒径側から数えて10質量%の位置の粒子径
D50 : 最も小粒径側から数えて50質量%の位置の粒子径
D90 : 最も小粒径側から数えて90質量%の位置の粒子径
ε : 粒度分布幅の目安、ε=(D90−D10)÷D50
表4に示す処方にしたがって、高分子量ポリオール(P)、鎖延長剤(E)、架橋剤(X)、ウレタン化触媒をまず80℃で1時間混合し、ポリオール成分の混合物(以下ポリオールミックスという)を調製した。
混合には、自転公転型ミキサー(シンキー社製、ARE−310型、撹拌条件:2000rpm×120秒、脱泡条件:2200rpm×60秒)を用いた。
PCD−500 : 3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサメチレンジオールの混合物(モル比=9:1)と、ジエチルカーボネートを反応させ、留出したエタノールを除去して得られた、ポリカーボネート系ポリオール(高分子量ポリオール、東ソー製、分子量=500、官能基数=2.0)
PCD−1000 : 3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサメチレンジオールの混合物(モル比=5:5)と、ジエチルカーボネートを反応させ、留出したエタノールを除去して得られた、ポリカーボネート系ポリオール(高分子量ポリオール、東ソー製、分子量=1000、官能基数=2.0)
1,4−BD : 1,4−ブタンジオール(鎖延長剤、三菱化学社製、分子量=90.1、官能基数=2.0)
TMP : トリメチロールプロパン(架橋剤、三菱ガス化学社製、分子量=134.2、官能基数=3.0)
ビスマス系触媒 : ネオスタンU−600(日東化成社製、ビスマストリス(2−エチルへキサノエート)、Bi含有量18.0〜19.0%)
[E]/[P] : (鎖延長剤(E)の活性水素基のモル数[E]と高分子量ポリオール(P)の活性水素基のモル数[P]の比率)
[X]/[P] : (架橋剤(X)の活性水素基のモル数[X]と高分子量ポリオール(P)の活性水素基のモル数[P]の比率)
ポリオール成分の分子量:各ポリオール成分のモルあたりの分子量の平均値
ポリオールの官能基数:各ポリオール成分のモルあたりの官能基数の平均値
EO含有量 : 系内のポリエチレングリコール単位の質量%
撹拌混合用ミキサーとして、2リットルのポリプロピレン製ビーカー(AZONE社製)とハイフレックスディスパーザー(エスエムテー社製、HG−92特型)およびタービン翼の組み合わせ、または、高速混合機(日本コークス社製、FM−10型ヘンシェルミキサー)とブレード翼の組み合わせを用いた。
なお実施例8、9、10、11では、ミキサーの撹拌停止時点では粒子にタック性が残り、さらに粒子に柔軟性がやや認められたため、使用したポロゲン(B)の50%相当量を打粉剤としてミキサーへ追加投入し、撹拌翼の周速=3.0m/sで20秒間追加混合し、ポリウレタン樹脂粒子を回収した。
用いたポロゲン(B)が水溶性セルロース誘導体以外の場合は、90℃の温水で十分に洗浄することでポロゲン(B)を完全に溶出することができ、これを乾燥することでポリウレタン樹脂(A)の多孔粒子が得られた。多孔粒子の性状を表5に、外観を図4に示した。
平均細孔径 : 光学顕微鏡による観察で平均値を求めた。
細孔容積 : 水銀ポロシメーターで測定した。
ミキサー内壁面の状態:ポリウレタン樹脂粒子製造後の、ミキサー内部の状態。粒子が凝集したブロック塊の形成状態を判定した。◎:なし、○:ほとんどなし、△:僅かにあり、×:あり。
多孔粒子の形状 : ポリウレタン樹脂粒子からポロゲンを溶出した多孔粒子の形状。◎:球状、○:やや歪状、△:歪状が目立つ、×:不定形。
多孔粒子からの芳香族アミンの溶出 : ポロゲン溶出後のポリウレタン多孔粒子を高温の水に浸漬し、溶出する芳香族アミンの有無で判断した。具体的には、イオン交換水100mlに多孔粒子1gを入れ、オートクレーブで121℃×8時間処理した。その後、室温まで冷却した試料を1000mlのナス型フラスコに入れ,さらに70mlのメタノールを追加して70℃で30分間加熱した。加熱終了後は2分以内に室温まで冷却し,tert−ブチルメチルエーテル50mlで芳香族アミンを有機層に抽出した。この抽出液に含まれる芳香族アミンを定性し、その上でGC−MS(ガスクロマトグラフ−質量分析計)およびHPLC(高速液体クロマトグラフ)で芳香族アミンの量を定量した。
回収ポロゲンの粒度分布:得られたポリウレタン樹脂粒子をルツボに入れて500℃で24時間焼成し、ポリウレタン樹脂を灰化して回収したポロゲン(B)の粒度分布
表5、表6に記載したように、本発明で得られたポリウレタン樹脂粒子、および、これらからポロゲン(B)を溶出したポリウレタン多孔粒子は、幅広い粒径範囲において細孔径分布がシャープなことを特徴としている。また、一般的なポリウレタンフォームのようにシリコーンや芳香族アミンなどの溶出物がないため、高い安全性が求められるライフサイエンス分野や食品分野に最適なものであることが確認できた。
<比較例1〜7>
表7に記載したように、比較例1〜6で得られた多孔体は、造粒安定性、粒子の形状、細孔の径および形状、耐溶出性の面から、実施例で得られた多孔体よりも下回る結果となった。
比較例3では、撹拌翼の回転速度(周速)が6.0m/sを下回ったことで撹拌・剪断力が不十分となり、粒子の形状が歪になった。
比較例4では、撹拌翼の回転速度(周速)が15.0m/sを上回ったことで撹拌・剪断力が過剰となり、造粒時にポロゲン(B)の粉砕が促進されてしまった結果、ポロゲン溶出後のポリウレタン多孔粒子の細孔径が小さくなった。
比較例5では、造粒槽へ仕込んだポロゲンの量が少な過ぎたために十分な撹拌混合ができず、内壁面に餅状の塊が形成され、ポリウレタン粒子の形状が歪になるなどの問題が生じた。
比較例7では、芳香族イソシアネートを使用したことにより、加水分解した際のポリウレタン多孔粒子から芳香族アミンが溶出した。
Claims (6)
- 回転式撹拌翼を有するミキサー内で、水に溶解するポロゲン(B)を撹拌した状態で、無溶剤型ポリウレタン樹脂(A)の反応液を添加し、ポロゲンを内包したポリウレタン樹脂粒子を製造する方法において、
(1)前記撹拌翼の直径(p)が、ミキサーの内径に対して60%以上の長さがあるミキサーを用いて、
(2)前記撹拌翼の先端の周速が6.0m/s以上、15.0m/s以下になるように撹拌速度を調整することを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。 - ポロゲン(B)が、ポリビニルアルコール(ケン化度70%以上98%未満)、末端をアルコキシ化したポリエチレングリコール、水溶性のセルロース誘導体、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、塩化ナトリウム、塩化カリウム、多糖類からなる群から選ばれた単独または2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
- ポロゲン(B)の平均粒径が5μm以上900μm未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
- ポロゲン(B)の粒度分布の指標ε{(D90−D10)÷D50}が2.00未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
- ポリウレタン樹脂(A)が、
脂肪族系ポリイソシアネートおよび脂環式ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種(一つ)を含む多官能イソシアネート化合物(I)と、
ポリカーボネート系ポリオールおよびポリエーテル系ポリオールからなる群より選ばれる少なくとも一種(一つ)を含む高分子量ポリオール化合物(P)、
さらに鎖延長剤(E)および架橋剤(X)の反応生成物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。 - 粒子の平均粒径が400μm以上3mm以下、平均細孔径が5μm以上900μm以下であって、かつ細孔容量が2.0cm^3/g以上であることを特徴とする多孔粒子。
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