JP2023053754A - ウレタンフォームおよびウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

ウレタンフォームおよびウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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駿幸 田村
Toshiyuki Tamura
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Abstract

【課題】 優れた機能を有する新規なウレタンフォームを提供すること。【解決手段】 充填剤を含み、平均セル径が400μm以下であることを特徴とするウレタンフォーム。【選択図】 なし

Description

本発明は、ウレタンフォームおよびウレタンフォームの製造方法に関する。
ウレタンフォームに各種添加剤を加えることで、ウレタンフォームに所定の機能を付与することができる。
例えば、特許文献1では、ウレタンフォームにSAP等を添加することで保水性を向上させた親水性ウレタンフォームが提案されている。
特開平03-007716号公報
しかしながら、上記方法によって吸水性を向上させたウレタンフォームは、外観や風合いが悪い場合がある。そのため、外観や風合いを維持しつつも優れた機能を有する、新規なウレタンフォームが求められている。
以上を踏まえ、本発明は、優れた機能を有する新規なウレタンフォームの提供を課題とする。
本発明は、以下の通りである。
本発明は、充填剤を含み、平均セル径が400μm以下であることを特徴とするウレタンフォームである。
本発明は、充填剤を含むウレタンフォームであって、
下記で示される単位ウレタンフォーム重量当たりの吸水量が15g/g以上であり、下記で示されるフォーム保水率が50%以上であることを特徴とする、ウレタンフォームであってもよい。
(単位ウレタンフォーム重量当たりの吸水量)
フォームを25℃の蒸留水に1時間浸漬させた後、取り出したフォーム表面の水分を清浄で乾いた布ですべて拭き取り含水状態のフォームを得る。この含水状態のフォームの重量から乾燥状態のフォームの重量を減じた重量をフォーム吸水量とする。次いで、フォーム吸水量を乾燥状態のフォームの重量で除した重量を、単位ウレタンフォーム重量当たりの吸水量とする。
(フォーム保水率)
フォームを25℃の蒸留水に1時間浸漬させた後、取り出したフォーム表面の水分を清浄で乾いた布ですべて拭き取り含水状態のフォームを得る。この含水状態のフォームの重量から乾燥状態のフォームの重量を減じた重量をフォーム吸水量とする。次いで、含水状態のフォームの上に乾燥状態のろ紙を載せ、さらにその上に5.5kgの錘を載せて30秒フォームおよびろ紙を圧縮し、含水状態のフォームに含まれていた水を吸水したろ紙を得る。この含水状態のろ紙の重量から乾燥状態のろ紙の重量を減じた重量をろ紙吸水量とし、以下の式からフォーム保水率を求める。
フォーム保水率=(フォーム吸水量-ろ紙吸水量)/(フォーム吸水量)*100
前記ウレタンフォームは、EO含有量が30~60質量%であることが好ましい。
本発明は、ウレタンプレポリマーと充填剤と発泡剤とを含む原料組成物を発泡させる工程を含み、
前記原料組成物の粘度が5000mPa・s以上であり、
前記ウレタンプレポリマーは、NCO%が3~10%である
ことを特徴とする、ウレタンフォームの製造方法であってもよい。
本発明によれば、優れた機能を有する新規なウレタンフォームが提供される。
以下、本発明に係るウレタンフォームについて詳述する。
以下において、ある化合物が記載されている場合、その異性体も同時に記載されているものとする。
以下において、上限値と下限値とが別々に記載されている場合、任意の上限値と任意の下限値とを組み合わせた数値範囲が実質的に開示されているものとする。
以下において、ウレタンフォーム中のある成分の含有量を、原料組成物の固形分を基準とした原料組成物中の当該ある成分の含有量として読み替えることが可能である。
以下において、各粘度は、JIS Z8803:2011「液体の粘度測定方法」に準拠して測定したE型粘度である。測定は円すい-平板形回転粘度計を用いて行う。
<<<ウレタンフォームの成分>>>
ウレタンフォームは、ベース樹脂としてウレタンポリマーを含み、更に充填剤を含むことが好ましい。また、ウレタンフォームは、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。
以下、ウレタンフォームの成分として、ウレタンポリマー、充填剤、その他の成分について説明する。
<<ウレタンポリマー>>
ウレタンポリマーは、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させることで得られる。より詳細には、ウレタンポリマーは、通常、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とをポリイソシアネート化合物が過剰となるように反応させて得られるイソシアネート基末端のウレタンプレポリマーを合成した後に、当該ウレタンプレポリマーを更に反応させて得られる。
以下、ウレタンプレポリマーについて説明し、次いでポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物について説明する。
<ウレタンプレポリマー>
ウレタンプレポリマーの平均官能基数(イソシアネート基数)は通常2以上であり、2超3未満であることが好ましく、2.2以上2.7以下であることがより好ましい。
ウレタンプレポリマーは、ウレタンプレポリマー中のエチレンオキシド(EO)含有量が30~60質量%であることが好ましい。ウレタンプレポリマーのEO含有量をこのような範囲とすることで、ウレタンフォームを親水性とした際に、吸水速度、低膨潤性、吸水性、保水性、成形性等のバランスに優れるウレタンフォームとすることが可能となる。
ここで、ウレタンプレポリマーのEO含有量とは、ウレタンプレポリマーの全量を100質量%とした場合の、ウレタンプレポリマーに含まれるエチレンオキシドの質量%を示す。
ウレタンプレポリマーは、NCO%(イソシアネート含有率)が3~10%であることが好ましい。ウレタンプレポリマーのNCO%をこのような範囲とすることで、ウレタンフォームを親水性とした際に、吸水速度、低膨潤性、吸水性、保水性、成形性等のバランスに優れるウレタンフォームとすることが可能となる。
ウレタンプレポリマーのNCO%は、JIS K1603-1:2007「プラスチック-ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法 第1部:イソシアネート基含有率の求め方」のA法(トルエン/ジブチルアミン、塩酸法)に準拠して測定する。
ウレタンプレポリマーの25℃における粘度は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、3000~15000mPa・sであることが好ましく、5000~12000mPa・sであることがより好ましい。ウレタンプレポリマーの粘度は、例えば、ウレタンプレポリマーの分子量を調整することで変更可能である。
<ポリオール化合物>
ポリオール化合物は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されず、所望するポリウレタンフォームの特性を考慮して自由に選択することができる。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール等を挙げることができ、所望するポリウレタンフォームの特性を考慮して自由に選択することができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、脂肪族ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等、芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等、脂環族ジカルボン酸、例えばヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸及びヘキサヒドロイソフタル酸等、又はこれらの酸エステルもしくは酸無水物と、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール等、もしくは、これらの混合物との脱水縮合反応で得られるポリプロピレングリコールなどのポリエステルポリオール;ε-カプロラクトン、メチルバレロラクトン等のラクトンモノマーの開環重合で得られるポリラクトンジオール等を挙げることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、ジエチレングリコール等の多価アルコールの少なくとも1種と、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等とを反応させて得られるものを挙げることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルをそれぞれ重合させて得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等、及び、これらのコポリエーテルが挙げられる。また、グリセリンやトリメチロールエタン等の多価アルコールを用い、上記の環状エーテルを重合させて得ることもできる。
ポリエステルエーテルポリオールとしては、例えば、脂肪族ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等、芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等、脂環族ジカルボン酸、例えばヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸及びヘキサヒドロイソフタル酸等、又はこれらの酸エステルもしくは酸無水物と、ジエチレングリコール、もしくはプロピレンオキシド付加物等のグリコール等、又は、これらの混合物との脱水縮合反応で得られるものを挙げることができる。
ポリオール化合物は、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
ポリオール化合物(特に、ポリエーテルポリオール)は、ジオール又はトリオールであることが好ましい。
ポリオール化合物(特に、ポリエーテルポリオール)は、数平均分子量が、250~5000であることが好ましく、500~3000であることがより好ましく、500~2000であることが特に好ましい。数平均分子量は、ASTM標準試験D5296に準じたゲル浸透クロマトグラフィーによって求められたものである。
ここで、ウレタンフォーム又はウレタンプレポリマー中のEO含有量を所定範囲とするために、ポリオール化合物は、ポリオール化合物全体を基準として、EO含有量が20~80質量%であることが好ましく、30~70質量%であることがより好ましい。
<<ポリイソシアネート化合物>>
本発明にかかるポリイソシアネート化合物は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されず、所望するポリウレタンフォームの特性を考慮して自由に選択することができる。
ポリイソシアネート化合物は、2官能であってもよいし、3官能以上であってもよい。
2官能のポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)、m-フェニレンジイソシネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)、2,4’-ジフェニルメタンジアネート(2,4’-MDI)、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’-MDI)、水素添加MDI、キシリレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添加XDI、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、などの芳香族系のもの、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式のもの、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどのアルキレン系のものなどが挙げられる。
3官能以上のポリイソシアネートとしては、例えば、1-メチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,5-トリメチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、ビフェニル-2,4,4’-トリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4”-トリイソシアネート、ポリメリックMDI、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、1,8-ジイソシアナトメチルオクタン等が挙げられる。
また、ポリイソシアネート化合物は、これらの変性体、誘導体等を含むことができる。
ポリイソシアネート化合物は、脂肪族イソシアネートであることが好ましい。
ポリイソシアネート化合物は、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
<<充填剤>>
充填剤は、特に限定されず、無機系充填剤であっても有機系充填剤であってもよい。
充填剤の具体例としては、例えば、金属酸化物(酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等)、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素材料(カーボンブラック、グラファイト等)、堆積岩(珪藻土等)、シリカ、セラミックス、ケイ酸カルシウム(例えば、アタパルジャイト等)、粘土鉱物(例えば、タルク、雲母、モンモリロナイト、ベントナイト等)を例示することができる。
充填剤は、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
充填剤は、平均粒子径が、100μm以下が好ましく、50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが特に好ましい。充填剤の平均粒子径の下限値は特に限定されないが、例えば、0.1μm、0.2μm又は0.5μmである。充填剤の平均粒子径は、X線透過式粒度分布測定器(島津サイエンス東日本株式会社製SediGraph)によって測定されたD50の値である。
ウレタンフォーム中の充填剤の含有量は、特に限定されないが、ウレタンフォーム全量を基準として、0.1~25質量%であることが好ましく、0.5~20質量%であることがより好ましく、1~15質量%であることが特に好ましい。
ウレタンフォームが充填剤を含むことにより、フォームの変形が調整される、セルの表面形状が複雑化する等し、ウレタンフォームの有する性能を調整することが可能と考えられる。特に、ウレタンフォームを親水性とした際に、吸水速度、低膨潤性、吸水性、保水性、成形性等のバランスに優れるウレタンフォームとすることが可能となる。
<<その他の成分>>
その他の成分としては、ウレタンポリマー以外の樹脂成分や公知の添加剤が挙げられる。公知の添加剤は、例えば、触媒、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤等が挙げられる。
その他の成分は、ウレタンフォーム全量を基準として、10質量%以下、5質量%以下、又は、2質量%以下等とすることができる。
<<<ウレタンフォームの構造>>>
ウレタンフォームの大きさや厚み等は、用途に応じて適宜変更可能である。
<<平均セル径>>
ウレタンフォームの平均セル径は、400μm以下であることが好ましく、350μm以下であることがより好ましい。下限値については特に限定されないが、例えば、10μm、20μm又は50μmである。
ウレタンフォームの平均セル径の測定は以下の方法で行うことができる。
走査型電子顕微鏡(SEM、株式会社キーエンス製、VHXD-500)を用いて、樹脂発泡体の断面のセル写真を撮影する。その後、画像処理ソフトImage-ProPLUS(MediaCybernetics社製、6.3ver)を用いて、各セル径を計測する。より具体的には、SEM画像を読み取り、コントラストでセルを認識するため、コントラストを調節する。次に、画像処理でセルの形状を読み取る(真円ではなく、形状をそのまま認識する)。次に、測定項目として「直径(平均)」を選択する。次に、オブジェクトの重心を通る径を2度刻みで測定しそれを平均した値として、各セル径を算出する。
ウレタンフォームのセル径は、原料組成物の粘度、原料組成物中の発泡剤の含有量、硬化条件、原料組成物に対する圧力やせん断応力の条件等を変更することで調整することができる。
<<<ウレタンフォームの物性/性質>>>
<<吸水量>>
ウレタンフォームは、下記で示される単位ウレタンフォーム重量当たりの吸水量が15g/g以上であることが好ましい。
(単位ウレタンフォーム重量当たりの吸水量)
フォームを25℃の蒸留水に1時間浸漬させた後、取り出したフォーム表面の水分を清浄で乾いた布ですべて拭き取り含水状態のフォームを得る。この含水状態のフォームの重量から乾燥状態のフォームの重量を減じた重量をフォーム吸水量とする。次いで、フォーム吸水量を乾燥状態のフォームの重量で除した重量を、単位ウレタンフォーム重量当たりの吸水量とする。
<<保水率>>
ウレタンフォームは、下記で示されるフォーム保水率が50%以上であることが好ましい。
(フォーム保水率)
フォームを25℃の蒸留水に1時間浸漬させた後、取り出したフォーム表面の水分を清浄で乾いた布ですべて拭き取り含水状態のフォームを得る。この含水状態のフォームの重量から乾燥状態のフォームの重量を減じた重量をフォーム吸水量とする。次いで、含水状態のフォームの上に乾燥状態のろ紙を載せ、さらにその上に5.5kgの錘を載せて30秒フォームおよびろ紙を圧縮し、含水状態のフォームに含まれていた水を吸水したろ紙を得る。この含水状態のろ紙の重量から乾燥状態のろ紙の重量を減じた重量をろ紙吸水量とし、以下の式からフォーム保水率を求める。
フォーム保水率=(フォーム吸水量-ろ紙吸水量)/(フォーム吸水量)*100
ウレタンフォームは、吸水量及び保水率がこのような範囲となることで、吸水速度、低膨潤性、吸水性、保水性、成形性等のバランスに優れるウレタンフォームとすることが可能となる。
<<密度>>
ウレタンフォームの密度は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、例えば、70~150kg/mとすることが好ましく、80~120kg/mであることがより好ましい。
ウレタンフォームの密度は、JIS K7222:2005「発泡プラスチック及びゴム-見掛け密度の求め方」に従い測定することができる。具体的には、ウレタンフォームの密度は、ウレタンフォームを長さ100mm×幅100mm×厚み2mmに加工し、測定した質量を体積で除した値として得ることができる。
また、ウレタンフォーム全体を基準としたウレタンフォームのEO(エチレンオキサイド)含有量が、15~60%であることが好ましく、30~60%であることがより好ましい。ウレタンフォームのEO含有量がこのような範囲となることで、吸水速度、低膨潤性、吸水性、保水性、成形性等のバランスに優れるウレタンフォームとすることが可能となる。
<<<ウレタンフォームの製造方法>>>
ウレタンフォームは、公知の方法に基づいて製造することが可能である。例えば、ウレタンフォームの製造方法は、ウレタンプレポリマーと発泡剤とを含む原料組成物を発泡させる工程を含む。
また、原料組成物は、充填剤を含むことが好ましい。
原料組成物が充填剤を含むことにより、原料組成物の粘度を増加させ、且つ、発泡工程における原料組成物中の気体(例えば、イソシアネートと水との反応生成物である二酸化炭素)を保持する。その結果、原料組成物の発泡挙動に悪影響を与えない範囲でウレタンフォームのセルを微細化することが可能となる。
以下、ウレタンフォームの好ましい製造方法を説明する。
<<ウレタンプレポリマーの製造>>
所定量のポリイソシアネート化合物の入った反応容器に、所定量のポリオール化合物及び必要に応じて触媒を滴下し、その後反応容器内を加熱、攪拌させることで、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させ、ウレタンプレポリマーを製造する。反応温度は、特に限定されないが、通常50~120℃、好ましくは60~100℃である。反応時間は特に限定されないが、通常1~15時間である。
ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物については前述の通りである。
触媒は、ポリウレタンフォームの製造に用いられる公知のものを使用することができる。例えば、アミン系触媒、有機金属系触媒等が挙げられる。
アミン系触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルホリン、N-エチルモルホリン等が挙げられる。
有機金属系触媒としては、例えば、スターナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、オクテン酸鉛、オクチル酸カリウム等を挙げることができる。
触媒は単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
触媒の配合量は、ポリオール化合物及びイソシアネート化合物の全量を100質量部とした場合に、0.001~5.0質量部であることが好ましい。
<<原料組成物の調製>>
ウレタンプレポリマー、発泡剤、充填剤を含む原料組成物を準備する。原料組成物は、必要に応じてその他の成分(整泡剤やその他の添加剤)を含んでいてもよい。
ウレタンプレポリマー、充填剤、その他の成分については前述の通りである。
<発泡剤>
発泡剤は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されない。発泡剤としては、例えば、水、ペンタン、シクロペンタン、メチレンクロライド、炭酸ガス等を挙げることができる。これらは単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
発泡剤は、水を含むことが好ましい。発泡剤として、水を用いた場合には、プレポリマーに含まれるイソシアネート基と水との反応時に炭酸ガスを発生し、その炭酸ガスによってウレタンフォームの発泡が行われる。
発泡剤の配合量は、ウレタンプレポリマーを100質量部とした場合に、10~40質量部であることが好ましく、15~30質量部であることがより好ましい。
<<発泡/硬化>>
原料組成物を、攪拌し、発泡させ、硬化させ、ウレタンフォームを製造する。
発泡は、反応は通常15~120℃、好ましくは15~60℃の温度で行われる。反応時間は通常1~10分である。
<粘度>
原料組成物を発泡させる工程において、原料組成物の粘度は5000mPa・s以上であることが好ましい。原料組成物の粘度をこのような範囲とすることで、ウレタンフォームのセル径を所望の範囲とすることが容易になり、吸水速度、低膨潤性、吸水性、保水性、成形性等のバランスに優れるウレタンフォームを得ることが容易となる。
原料組成物の粘度は、ウレタンプレポリマーの粘度を調整すること、充填剤の含有量を調整すること、原料組成物の温度を調整すること等により変更することができる。
<<<ウレタンフォームの用途>>>
ウレタンフォームは、種々の用途に使用することが可能であるが、吸水用とすることが好ましい。ウレタンフォームは、具体的には、ワイプ材、育苗培地、生理用品、創傷被覆材等に用いることが好ましい。
以下、実施例および比較例により、本発明について詳細に説明するが、本発明は以下には何ら限定されない。
<<<原料>>>
<<ポリオール>>
使用したポリオールを表1に示す。
<<イソシアネート)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)
<<触媒>>
TIB Chemical社製 KAT 716LA
<<発泡剤>>

<<整泡剤>>
ADEKA社製 プルロニック(登録商標)L-64
<<フィラー>>
使用したフィラーを表2に示す。
Figure 2023053754000001
Figure 2023053754000002
<<ウレタンプレポリマー>>
各実施例及び比較例のウレタンフォームに用いられるウレタンプレポリマーは、表に示したポリオール、イソシアネート、触媒を反応槽に計量し、60℃に加熱、8時間反応させた。
<ウレタンプレポリマーのNCO%>
反応完了後に得られた各実施例及び比較例のNCO%を、JIS K1603-1:2007「プラスチック-ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法 第1部:イソシアネート基含有率の求め方」のA法(トルエン/ジブチルアミン、塩酸法)に準拠して測定した。
<ウレタンプレポリマーのEO含有率>
反応完了後に得られた各実施例及び比較例のウレタンプレポリマーのEO含有率を原料から算出した。
<ウレタンプレポリマーの粘度>
反応完了後に得られた各実施例及び比較例のウレタンプレポリマーの25℃における粘度を、JIS Z8803:2011「液体の粘度測定方法」に従い、円すい-平板形回転粘度計(東機産業社製 RE-85R)を用いてE型粘度として測定した。
<<発泡/硬化>>
表に示した量にて、ウレタンプレポリマーを含むA液を攪拌(2000rpm)し、次いで充填剤、発泡剤及び整泡剤を含むB液を投入し、30秒攪拌し、原料組成物(混合液)を調製した。攪拌後の原料組成物を、離型紙で挟んだ状態にして数分反応させ、60℃2hの処理により余剰の水を乾燥させた。
以上のようにして、厚みが2mmの各実施例(実施例17を除く。)及び比較例のウレタンフォームシートを得た。
実施例17に関しては、低圧注入器を使用し、以下の方法にてウレタンフォームを作製した。
タンクからギヤポンプで、ウレタンプレポリマーを含むA液と、発泡剤、整泡剤及び充填剤を含むB液とを、表に示す原料割合となるよう流量調整して使い捨てミキサーに送り、攪拌及び混合(2000rpm)し、吐出液(混合液)を離型紙に挟み室温で数分反応させた後、60℃2hの処理により余剰の水を乾燥させた。
注入機としてSOSEY社製のSUPER SHOT SERIES、STW-202 SNP-4を使用し、使い捨てミキサーとしてWONDER MIXのMサイズを使用した。
発泡に供された原料組成物の粘度を表に示す。
<<測定/評価>>
各ウレタンフォームの、EO含有量、密度、セル径、吸水速度、膨潤率、吸水量、保水率、成形性を測定した。測定結果を表に示す。
<吸水速度>
各実施例及び比較例のウレタンフォームの吸水速度は、実施例及び比較例のウレタンフォームサンプル片(長さ50mm×幅50mm×厚み2mm)を静置し、サンプル片の上方1cmの高さから、蒸留水を0.2cc滴下し、サンプル片表面に水滴が到達してから、サンプル片表面から鏡面反射が確認できなくなるまでの時間を測定し、吸水速度とした。鏡面反射の確認は、肉眼で行った。
<膨潤率>
ウレタンフォームの膨潤率は、各ウレタンフォームサンプル片(長さ50mm×幅50mm×厚み2mm)を25℃の蒸留水に1時間浸漬し、膨潤させ、膨潤後のウレタンフォームサンプル片の体積を測定し、乾燥状態(膨潤前)のウレタンフォームの体積で除した値に100を乗じて得た。
<単位ウレタンフォーム重量当たりの吸水量>
前述の方法に基づき、単位ウレタンフォーム重量当たりの吸水量を評価した。
<保水率>
前述の方法に基づき、フォーム保水率を評価した。
<成形性>
ウレタンプレポリマーと充填剤と発泡剤とを含む原料組成物を攪拌している最中に発泡が始まった場合、およびフォーム形成が著しく遅い場合を×とする。
Figure 2023053754000003
Figure 2023053754000004
Figure 2023053754000005

Claims (4)

  1. 充填剤を含み、平均セル径が400μm以下であることを特徴とするウレタンフォーム。
  2. 充填剤を含むウレタンフォームであって、
    下記で示される単位ウレタンフォーム重量当たりの吸水量が15g/g以上であり、下記で示されるフォーム保水率が50%以上であることを特徴とする、ウレタンフォーム。
    (単位ウレタンフォーム重量当たりの吸水量)
    フォームを25℃の蒸留水に1時間浸漬させた後、取り出したフォーム表面の水分を清浄で乾いた布ですべて拭き取り含水状態のフォームを得る。この含水状態のフォームの重量から乾燥状態のフォームの重量を減じた重量をフォーム吸水量とする。次いで、フォーム吸水量を乾燥状態のフォームの重量で除した重量を、単位ウレタンフォーム重量当たりの吸水量とする。
    (フォーム保水率)
    フォームを25℃の蒸留水に1時間浸漬させた後、取り出したフォーム表面の水分を清浄で乾いた布ですべて拭き取り含水状態のフォームを得る。この含水状態のフォームの重量から乾燥状態のフォームの重量を減じた重量をフォーム吸水量とする。次いで、含水状態のフォームの上に乾燥状態のろ紙を載せ、さらにその上に5.5kgの錘を載せて30秒フォームおよびろ紙を圧縮し、含水状態のフォームに含まれていた水を吸水したろ紙を得る。この含水状態のろ紙の重量から乾燥状態のろ紙の重量を減じた重量をろ紙吸水量とし、以下の式からフォーム保水率を求める。
    フォーム保水率=(フォーム吸水量-ろ紙吸水量)/(フォーム吸水量)*100
  3. 前記ウレタンフォームは、EO含有量が30~60質量%である、請求項1又は2記載のウレタンフォーム。
  4. ウレタンプレポリマーと充填剤と発泡剤とを含む原料組成物を発泡させる工程を含み、
    前記原料組成物の粘度が5000mPa・s以上であり、
    前記ウレタンプレポリマーは、NCO%が3~10%である
    ことを特徴とする、ウレタンフォームの製造方法。

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