JP2018064005A - 高周波パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のビア導体の構造に基づき、高周波信号の良好な伝送特性を実現可能な高周波パッケージを提供する。【解決手段】高周波パッケージ1は、複数の誘電体層Lのうち誘電体層L(1)に形成された信号配線10と、誘電体層L(11)に形成された信号配線11と、複数の誘電体層Lを積層方向に貫いて信号配線10、11の間を電気的に接続する複数のビア導体(20、21、22)と、複数のビア導体が配置される領域を取り囲むグランドビア導体群23とを備えている。複数のビア導体は、積層方向に沿って直線状に延びる直線ビア部20と、直線ビア部20の上下の斜めビア部21、22を含み、X方向に沿って接続点N1、直線ビア部20、接続点N4が順次ずれた位置に配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、高周波信号を伝送可能な高周波パッケージに関し、特に、電子部品が載置され、伝送線路を経由して高周波信号を伝送可能に構成された高周波パッケージに関するものである。
従来から、複数の誘電体層を含む積層基板上に半導体チップ等の電子部品を載置し、電子部品と外部基板の間で伝送される高周波信号の伝送線路を構成した高周波パッケージが用いられている。高周波信号の伝送特性が良好な高周波パッケージを実現するには、配線構造の設計が重要になる。すなわち、信号配線間の容量結合やインダクタンス成分の影響をできるだけ抑制するとともに、入出力部における反射損失を低減するためにインピーダンス整合を考慮した設計が求められる。この種の高周波パッケージにおける一般的な伝送線路としては、例えば、電子部品の端子から、上層の誘電体層に形成された信号配線と、積層方向に延びる複数のビア導体と、下層の誘電体層に形成された信号配線をそれぞれ経由して、外部端子まで電気的に接続される配線構造が知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。このうち、特許文献1、2、4に示される複数のビア導体は、各々の誘電体層を貫く個々のビア導体が積層方向に沿って直線状に延びる構造であるに対し、特許文献3に示される複数のビア導体は、断面で見たときに全体が斜め方向に延びる構造となっている。
特許第4413234号公報 特開2007−53411号公報 特開平6−21253号公報 特開2014−154593号公報
上記従来の配線構造は、上層及び下層のうち、コプレナー線路構造以外のグランド導体除去領域内の信号配線の長さを短縮することで、この部分のインダクタンス成分の影響の軽減を図っている。これに加えて、上記特許文献3の配線構造は、複数のビア導体には不連続な接続箇所が存在しないため、多重反射による影響を抑制する効果がある。しかしながら、特許文献3の配線構造においては、複数のビア導体の全体が斜め方向に延伸されるので、その周囲を取り囲むグランドビア導体との距離が一定に保たれず、この部分でインピーダンス整合を確保することが難しくなる。よって、上記従来の配線構造を採用したとしても、多重反射による影響の抑制と良好なインピーダンス整合とを両立して良好な高周波特性を実現することは困難であった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、多重反射による影響の抑制と良好なインピーダンス整合とを両立し、高周波信号の良好な伝送特性を実現可能な高周波パッケージを提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明の高周波パッケージは、積層された複数の誘電体層を含む積層基板に電子部品を載置可能な高周波パッケージであって、平面視において、前記電子部品の端子と接続される端子パッドから、前記複数の誘電体層のうち第1の誘電体層に形成された第1の接続点まで第1の方向に延びる第1の信号配線と、平面視において、前記複数の誘電体層のうち第2の誘電体層に形成された第2の接続点から、外部接続用のパッドまで前記第1の方向に延びる第2の信号配線と、前記複数の誘電体層を積層方向に貫き、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間を電気的に接続する複数のビア導体と、前記複数の誘電体層の各々には、平面視において前記複数のビア導体が配置される領域を取り囲むように形成されるグランド導体とを備えて構成される。前記複数のビア導体は、前記第1の誘電体層よりも下方の誘電体層に形成された上端部から、前記第2の誘電体層よりも上方の誘電体層に形成された下端部までを、前記積層方向に沿って直線状に延びる直線ビア部と、前記第1の接続点から前記直線ビア部の前記上端部までを斜め方向に延びる第1の斜めビア部と、前記第2の接続点から前記直線ビア部の前記下端部までを斜め方向に延びる第2の斜めビア部とを含み、平面視で前記第1の方向に沿って、前記第1の接続点、前記直線ビア部、前記第2の接続点が順次ずれた位置に配置されることを特徴としている。
本発明の高周波パッケージによれば、第1の信号配線と、複数のビア導体と、第2の信号配線とを含む伝送線路を経由して高周波信号が伝送され、このうちの複数のビア導体は、第1の信号配線側の第1の接続点から第2の信号配線側の第2の接続点に至るまで、第1の斜めビア部と直線ビア部と第2の斜めビア部とを連結した構造を有する。この場合、平面視で第1の方向に沿って、第1の接続点、直線ビア部、第2の接続点の各位置を順次ずらした配置とすることで、第1及び第2の信号配線のグランド導体除去領域内の信号配線の長さを短縮してインダクタンス成分を低減することができる。そして、本発明の配線構造により、積層方向に隣接するビア導体同士の不連続な接続箇所に起因する多重反射を抑制できるとともに、複数のビア導体の全体を斜め方向に配置する場合に比べて第1及び第2の斜めビア部の長さを短縮し、インピーダンスを整合させることができるので良好なインピーダンス整合を確保しやすくなる。
本発明において、第1及び第2の斜めビア部の各々は、複数の誘電体層のうちの2層又は3層の誘電体層を貫くビア部とすることができる。この場合、第1及び第2の斜めビア部の各々が形成される部分は、複数の誘電体層の全体の厚さに対して15%から30%までの範囲の厚さを有することが望ましい。第1及び第2の斜めビア部の各々が形成される部分の厚さが薄すぎると、インダクタンス成分の影響によりインピーダンスを整合することができなくなる。また、第1及び第2の斜めビア部の形成部分の厚さが厚すぎると、斜めビア部のインピーダンスが低くなりインピーダンス整合に支障を来す。
本発明において、第1及び第2の斜めビア部のビア径は、平面視で直線ビア部のビア径と比べて同一又は僅かに大きく設定することができる。ここで、「僅かに大きい」とは直線ビア部のビア径に対して、第1及び第2の斜めビア部のビア径が数%(0.1〜15%)大きいことを示す。この場合、直線ビア部と第1及び第2の斜めビアの各々は、所望の特性インピーダンスとなるように、それぞれのビア径を設定することが望ましい。高周波パッケージの伝送線路の特性インピーダンスを、例えば50Ωで設計する場合、直線ビア部に対し第1及び第2の斜めビアのそれぞれのビア径を適切に調整することで対応可能である。
本発明によれば、高周波パッケージにおける高周波信号の伝送線路として、上下の信号配線の間を接続する複数のビア導体を、第1の斜めビア部、直線ビア部、第2の斜めビア部を連結し、かつ平面視で第1の方向に沿う所定の配置順を規定することで、上下の信号配線のグランド導体除去領域内の信号配線の長さを短縮してインダクタンス成分を低減しつつ、複数のビア導体の不連続な接続箇所からの多重反射を抑制し、さらに積層方向の中央の直線ビア部によりインピーダンス整合の確保を容易化することができる。よって、これらが相まって、高周波パッケージにおける高周波信号の伝送特性の向上が可能となる。
本実施形態の高周波パッケージ1の部分的な領域の断面図である。 図1に示す高周波パッケージ1の領域を誘電体層L(1)の上方から見た平面図である。 図1の配線構造に関し、斜めビア部21、22の各々の形成部分が全体の15〜30%の範囲の厚さとなる変形例である。 従来の配線構造を有する比較例に関する模式的な断面図である。 比較例(図4)のSパラメータの検証結果を示す図である。 本実施形態(図1)のSパラメータの検証結果を示す図である。 比較例(図4)のインピーダンスの検証結果を示す図である。 本実施形態(図1)のインピーダンスの検証結果を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に述べる実施形態は本発明を適用した形態の一例であって、本発明が本実施形態の内容により限定されることはない。
図1及び図2を参照して、本実施形態の高周波パッケージの構造の概要について説明する。図1は、本実施形態の高周波パッケージ1の部分的な領域の断面図を示し、図2は、図1に示す高周波パッケージ1を誘電体層L(1)の上方から見た平面図を示している。本実施形態の高周波パッケージ1には、図1及び図2には示されない領域(図1の右側)に半導体チップ等の電子部品(不図示)が載置され、その電子部品の複数の端子と外部回路との間の電気的接続のために本発明の配線構造が形成されている。図1及び図2では、電子部品の端子に接続される1個の端子パッド(不図示)から高周波パッケージ1の底面の1個の外部接続用のパッド(不図示)に至る1つの伝送線路に適用される配線構造が例示される。
図1に示す高周波パッケージ1の積層基板は、全部で複数の誘電体層Lが積層された構造を有している。このうち、上層から順に番号を付した11層の誘電体層L(1)〜L(11)は、本発明の配線構造の形成領域に含まれる複数の誘電体層に相当する。図1には示されないが、高周波パッケージ1に載置された電子部品を取り囲むように壁状の2層の誘電体層Lを、11層の誘電体層L(1)〜L(11)の上部に形成してもよい。各々の誘電体層Lは、それぞれに必要な電気的特性に応じた厚さに形成され、その表面には各々に固有の導体パターンが形成されている。例えば、複数の誘電体層Lからなる積層基板は、比較的高い誘電率を有する高温焼成の多層セラミックにより形成される。
本発明に係る配線構造の形成領域のうち、最上層の誘電体層L(1)(本発明の第1の誘電体層)の表面には、前述の1個の端子パッドから延伸される信号配線10(本発明の第1の信号配線)が形成されている。また、最下層の誘電体層L(11)(本発明の第2の誘電体層)の裏面には、外部接続用の1個のパッドに延伸される信号配線11(本発明の第2の信号配線)が形成されている。図1の下部には、便宜上、紙面横方向をX方向(本発明の第1の方向)と定め、複数の誘電体層Lの積層方向をZ方向と定め、X方向及びZ方向をそれぞれ矢印にて示している。なお、X方向の+(プラス)側の方向を左方向、及び、X方向の−(マイナス)側の方向を右方向とする。また、Z方向の+(プラス)側の方向を上方向、及び、Z方向の−(マイナス)側の方向を下方向とする。同様に、図2の下部には、平面視でX方向に直交する方向(図1の紙面垂直方向)をY方向と定め、X方向及びY方向をそれぞれ矢印にて示している。よって、上下の各信号配線10、11は、いずれもX方向に延びる伝送線路である。
上下の信号配線10、11は、誘電体層L(1)〜L(11)をZ方向に貫く複数のビア導体を介して電気的に接続されており、信号配線10から信号配線11への信号伝送が可能となっている。図1に示すように、これら複数のビア導体からなるビア部は、Z方向の中央の5層の誘電体層L(4)〜L(8)を貫いてZ方向に沿って直線状に延びる直線ビア部20と、上部の3層の誘電体層L(1)〜L(3)を貫いて斜め方向に延びる斜めビア部21と、下部の3層の誘電体層L(9)〜L(11)を貫いて斜め方向に延びる斜めビア部22とに区分される。なお、複数のビア導体の個数については特に制約されないが、例えば、11層の誘電体層L(1)〜L(11)の各1層に1つのビア導体を形成し、上下に隣接するビア導体同士を接続導体を介して接続する場合は、11個のビア導体が多段接続される構造になる。
図1には、4つの接続点N1、N2、N3、N4が示されている。すなわち、上部から順に、接続点N1(本発明の第1の接続点)を介して信号配線10と斜めビア部21の上端部が接続され、接続点N2を介して斜めビア部21の下端部と直線ビア部20の上端部が接続され、接続点N3を介して直線ビア部20の下端部と斜めビア部22の上端部が接続され、接続点N4(本発明の第2の接続点)を介して斜めビア部22の下端部と信号配線11が接続される。ここで、各接続点N1〜N4のX方向の位置に着目すると、図1に示すように、1対の接続点N2、N3はX方向の中央に位置し、そこを基準として、接続点N1が右側に距離X1だけ離れ、接続点N4が左側に同様の距離X1だけ離れている。また、図1の例では、上下1対の斜めビア部21、22は、いずれもZ方向及びX方向で長さが等しく、XZ面内において同じ角度で延伸している。
なお、図1の構造には制約されず、1対の斜めビア部21、22は、互いにX方向の距離及び延伸方向の角度が異なっていてもよい。ただし、平面視でX方向に沿って、端子パッド、接続点N1、接続点N2及びN3(直線ビア部20の平面視の位置)、接続点N4、外部接続用のパッドの順で位置が順次ずれる配置にする必要がある。かかる配置を逸脱すると、信号配線10、11の一方又は両方が長くなり過ぎたり、高周波信号の伝送方向が途中でX方向に反転するなどの不具合を招くことになる。また、直線ビア部20に関しては、Z方向に正確に平行な場合に限らず、インピーダンス整合が確保できる範囲内で、概ねZ方向に平行であればよい。
また、図1において、上層側の信号配線10と下層側の信号配線11は、それぞれの全体がX方向に直線状に延伸されているが、各信号配線10、11は部分的にX方向に延びる線路部分を含んでいればよい。例えば、上層側の信号配線10の接続点N1と電子部品用の端子パッドとのそれぞれの位置がY方向に若干ずれた配置である場合や、下層側の信号配線11の接続点N4と外部接続用のパッドのそれぞれの位置がY方向に若干ずれた配置である場合が想定される。
また、各々の誘電体層Lの周囲には、共通のグランドと電気的に接続されたグランド導体12が形成されている。図2に示すように、グランド導体12の中央には、直径Dの円形のグランド導体除去領域13が設けられ、グランド導体除去領域13の内部だけグランド導体12が除去されている。11層の誘電体層L(1)〜L(11)には、平面視で重なる配置でグランド導体12及びグランド導体除去領域13が形成されている。
さらに、図2に示すように、各々の誘電体層Lには、グランド導体12のうち円形のグランド導体除去領域13を取り囲むように配置されたグランド用の複数(図2では、10個)のビア導体からなるグランドビア導体群23が形成されている。図1に示すように、グランドビア導体群23の各々のビア導体は、各層の誘電体層Lの同じ位置に配置され、それぞれZ方向に貫いて多段に接続されている。平面視において、前述の直線ビア部20及び斜めビア部21、22は、円形のグランド導体除去領域13の範囲内に位置しているため、その周囲をグランド導体12が取り囲む配置となっている。
なお、図2では、グランド導体12に配置されたグランドビア導体群23は、いずれも円形のグランド導体除去領域13の近傍に配置されているが、グランド導体12の全体にわたって分布するグランドビア導体群23を配置することで、高周波パッケージ1のグランドを強化してもよい。
図1及び図2に示す配線構造の寸法例としては、例えば、グランド導体除去領域13の直径Dとして、D=1.25mmとし、接続点N1、N4の各々をグランド導体除去領域13の外周から0.15mm内側の位置に設定し、直線ビア部20及び斜めビア部21、22の各ビア径を0.11mm程度に設定することができる。
図1及び図2に示す配線構造を用いて高周波信号を伝送する場合、電子部品の端子から出力される高周波信号は、上層側の信号配線10から、斜めビア部21、直線ビア部20、斜めビア部22の順に経由した後、下層側の信号配線11に伝送されて外部接続用のパッドに達する。ここで、上下の信号配線10、11に着目すると、グランド導体12に対向する部分はコプレーナ線路構造としてインピーダンス整合を確保しやすいのに対し、グランド導体除去領域13に対向する部分はインダクタンス成分の影響でインピーダンスの不整合を生じやすい。そのため、上下の信号配線10、11のうちグランド導体除去領域13に対向する部分をできるだけ短くすることが望ましい。仮に、複数のビア導体の全てがZ方向に沿う直線状である場合は、信号配線10、11をグランド導体除去領域13の中心まで延伸する必要がある。しかし、本実施形態では、上下1対の斜めビア部21、22を設けたことにより、信号配線10、11の長さを、グランド導体除去領域13の中心から距離X1だけ短く構成することが可能となり、その分だけ信号配線10、11のインダクタンス成分を低減することができる。
また、直線ビア部20及び斜めビア部21、22に着目すると、直線ビア部20が対称的な配置で各層のグランド導体12及びグランドビア導体群23に囲まれているのに対し、斜めビア部21、22は各層のグランド導体12及びグランドビア導体群23とは非対称な位置に配置されている。よって、直線ビア部20に比べると、斜めビア部21、22のインピーダンスの整合を確保しにくい。そのため、本実施形態では、斜めビア部21、22のXY面内の断面積を適切に設定することで、斜めビア部21、22のインピーダンス整合を確保している
さらに、従来の複数のビア導体の構造としては、例えば特許文献3に開示されるように複数のビア導体の全体が斜め方向に配置される構造や、例えば特許文献1、4に開示されるように複数のビア導体のうち上下に隣接するビア導体がX方向の異なる位置で接続導体を介して接続される構造が知られている。しかし、特許文献3の構造によれば、図1の直線ビア部20に相当する部分がなく斜め方向に長い距離を延伸されるため、ビア導体の位置によりインピーダンスが異なるので、インピーダンス整合が難しくなる。また、特許文献1、4の構造によれば、複数のビア導体がX方向に不連続に接続される箇所からの多重反射が避けらない。これに対し、本実施形態の構造によれば、前述したように斜めビア部21、22の長さが限られるので、全体的にインピーダンス整合が確保しやすいとともに、接続点N1、N2、N3、N4を含めてX方向に不連続となる接続箇所がないため前述の多重反射を回避することができる。本実施形態の配線構造に基づく具体的な高周波特性及びインピーダンス特性については後述する。
なお、図1及び図2に示す配線構造は一例であって、かかる構造に限定されることなく、本発明を適用することができる。例えば、図1では、11層の誘電体層L(1)〜L(11)のうち、直線ビア部20が5層分の範囲に形成され、斜めビア部21、22の各々が3層分の範囲に形成されるが、それぞれが貫く範囲の積層数を変更してもよい。本実施形態の配線構造に基づく高周波特性を考慮すると、全体の厚さに対し、斜めビア部21、22の各々を15〜30%の範囲の厚さを有する部分に形成し、直線ビア部20を残余の部分に形成することが望ましい。
図3は、図1の配線構造に関し、斜めビア部21、22の各々の形成部分が前述のように全体の15〜30%の範囲の厚さとなる一変形例を示している。なお、図3では、図1の配線構造のうち、11層の誘電体層L(1)〜L(11)、信号配線10、11、直線ビア部20及び斜めビア部21、22以外の構成要素については図1と相違がないので図示を省略している。具体的には、直線ビア部20が7層の誘電体層L(3)〜L(9)を貫き、上部の斜めビア部21が2層の誘電体層L(1)、L(2)を貫き、下部の斜めビア部22が2層の誘電体層L(10)、L(11)を貫く構造となっている。
しかし、図1の配線構造を例にとると、斜めビア部21、22の各々が貫く範囲の積層数は1層又は4層以上に設定するのは、いずれも前述の15〜30%の範囲を逸脱するので、良好な高周波特性の観点からは好ましくない。図1の配線構造の場合には、斜めビア部21、22の形成範囲が15〜30%の範囲となる条件は、積層数が2層(図3)又は3層(図1)に限られる。ただし、全体の誘電体層Lの積層数や各誘電体層Lの厚さを変更すれば、1層又は4層以上の積層数としても前述の条件を満たす場合がある。この条件に関し、斜めビア部21、22の各々を形成する範囲が相対的に短すぎると、インダクタンス成分の影響によりインピーダンスを整合することができなくなる。一方、斜めビア部21、22の各々を形成する範囲が相対的に長すぎると、直線ビア部20を形成する範囲が短くなり、いずれの場合も高周波特性の劣化を招く。
また、上下の斜めビア部21、22の断面形状と方向性は互いに異なっていてもよいが、図1及び図2における接続点N1〜N4のX方向の位置については制約がある。図1の例では、信号配線10の端部(右端)から、前述したように+(プラス)X方向に沿って、接続点N1の位置、接続点N2、N3の位置、接続点N4の位置、信号配線11の端部(左端)のように順次ずれた配置となる。この例では、接続点N1の位置が接続点N2、N3の位置より左側にある配置(接続点N1から接続点N2まで−(マイナス)X方向に信号配線10が延びる)、あるいは接続点N4の位置が接続点N2、N3の位置より右側にある配置(接続点N3から接続点N4まで−(マイナス)X方向に信号配線11が延びる)は、信号配線10、11の長さが長くなるので好ましくない。また、接続点N1、N4の位置が接続点N2、N3に対して同じ側にある配置(接続点N1から接続点N2まで+(プラス)X方向に信号配線10が延び、接続点N3から接続点N4まで−(マイナス)X方向に信号配線11が延びる)も、信号配線10、11の伝送方向の観点から好ましくない。
また、図1及び図2では、1系統の伝送線路を構成する配線構造を示したが、複数の伝送線路を構成する場合は、高周波パッケージ1内に、図1及び図2の構造を並列に複数個形成すればよい。例えば、差動伝送線路を構成する場合、図1及び図2の構造を対称的に配置し、それぞれを経由する2系統の伝送線路を構成すればよい。
次に、図4〜図8を参照して、本実施形態の高周波パッケージ1の電気的特性について説明する。以下では、本実施形態の配線構造の電気的特性との対比のための比較例として、複数のビア導体の全体が斜め方向に延伸される従来の配線構造を想定する。図4は、特許文献3の配線構造を有する比較例に関し、11層の誘電体層L(1)〜L(11)を貫く全てのビア導体からなる斜めビア部30を介して上下の信号配線10、11が電気的に接続される構造の模式的な断面図を示している。なお、図4では、図1の配線構造のうち、11層の誘電体層L(1)〜L(11)、信号配線10、11以外の構成要素は図1と相違がないので図示を省略している。
図5は、比較例(図4)のSパラメータの検証結果を示しており、図6は、本実施形態(図1)のSパラメータの検証結果を示している。図5及び図6では、周波数40GHz以下の範囲で、電子部品の端子から、それぞれの配線構造を経由して外部接続用のパッドに至る伝送線路に対し、シミュレーションによりSパラメータの周波数特性を検証したものである。Sパラメータとしては、反射特性を表すS11、S22及び透過特性を表すS21が含まれるが、高周波特性の良否は主にSパラメータS11、S22に基づいて判断することができる。なお、図5で用いた斜めビア部30と図6で用いた直線ビア部20及び斜めビア部21、22とは、いずれもビア径がXY面内で0.11mmに設定されるものとする。
まず、図5に示す比較例においては、特に20GHzを超えるような高周波帯域において反射損失(S11、S22)の劣化が顕著であり、高周波信号の伝送特性としては不十分であることがわかる。これに対し、図6に示す本実施形態においては、広い周波数範囲にわたって反射損失を抑制でき、図5に比べて高周波信号の伝送特性を改善することができる。これは、上述したように、直線ビア部20及び斜めビア部21、22を連結した構造により、多重反射を回避しつつ、斜めビア部21、22を短縮してインピーダンス不整合の影響を抑制することの効果によるものである。
次に、図7は、比較例(図4)のインピーダンスの検証結果を示しており、図8は、本実施形態(図1)のインピーダンスの検証結果を示している。図7及び図8では、図5及び図6の場合と同様の条件で、シミュレーションにより信号配線とビア導体の各位置のインピーダンス特性を検証したものである。なお、図7及び図8においては、電子部品用の端子パッド側からパルス信号を入力し、信号配線とビア導体の各位置から端子側への反射信号に基づいて計算したインピーダンスを示している。また、図7には、パルス信号の入力位置からの距離に対応する時間領域の区分として、a部(信号配線10の領域)、b部(信号配線10近傍の斜めビア部30の領域)、c部(斜めビア部30の中央領域)、d部(信号配線11近傍の斜めビア部30の領域)、e部(信号配線11の領域)をそれぞれ示している。
一般的には、伝送線路の特性インピーダンスを50Ωとして設計することが前提であり、この場合は時間範囲の全体にわたって50Ωを保つことが理想的である。図7及び図8のいずれの特性においても、時間範囲の特定部分でインピーダンスの変動が増加しているが、これは主に入力部から接続点N1〜N4などの接合箇所までの距離を反映している。しかし、図7に示す比較例に比べ、図8に示す本実施形態においては、インピーダンスの変動幅が相対的に小さくなっており、前述のSパラメータの検証結果と相まって、本実施形態の配線構造の採用により高周波特性の向上に有効であることが確認された。
なお、本実施形態の高周波パッケージ1の電気的特性に関し、図6及び図8では、前述のように直線ビア部20及び斜めビア部21、22のXY面内でのビア径がXY面内で0.11mmに設定される例を示したが、斜めビア部21、22のビア径を直線ビア部20に比べて若干増加させてもよい。斜めビア21、22のビア径を増加させることにより、インダクタンス成分が減少し、容量成分が増加することにより、インピーダンスを低くすることが可能となる。この場合、直線ビア部20及び斜めビア部21、22の最適なビア径は、高周波信号の周波数や高周波パッケージ1の製造条件など多様な要素によって定まるので、例えばシミュレーションに基づき適切に調整することが望ましい。また、図1の配線構造のように、11層の誘電体層L(1)〜L(11)のうち、斜めビア部21、22の各々の積層数を3層とする場合が最も良好な高周波特性が得られるが、この点に関しても前述の多様な要素に応じて最適な積層数が変わる可能性がある。
以上、本実施形態に基づき本発明の内容を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。例えば、本実施形態の高周波パッケージ1に載置される電子部品としては、半導体チップを含めた多様な電子部品を用いることができる。また、本実施形態の高周波パッケージ1において、誘電体層Lの積層数や構成材料は多様な選択が可能である。その他の点についても上記実施形態により本発明の内容が限定されるものではなく、本発明の作用効果を得られる限り、上記実施形態に開示した内容には限定されることなく適宜に変更可能である。
1…高周波パッケージ
10、11…信号配線
12…グランド導体
13…グランド導体除去領域
20…直線ビア部
21、22…斜めビア部
23…グランドビア導体群
L…誘電体層
N1、N2、N3、N4…接続点

Claims (5)

  1. 積層された複数の誘電体層を含む積層基板に電子部品を載置可能な高周波パッケージであって、
    平面視において、前記電子部品の端子と接続される端子パッドから、前記複数の誘電体層のうち第1の誘電体層に形成された第1の接続点まで第1の方向に延びる第1の信号配線と、
    平面視において、前記複数の誘電体層のうち第2の誘電体層に形成された第2の接続点から、外部接続用のパッドまで前記第1の方向に延びる第2の信号配線と、
    前記複数の誘電体層を積層方向に貫き、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間を電気的に接続する複数のビア導体と、
    前記複数の誘電体層の各々に形成され、平面視において前記複数のビア導体が配置される領域を取り囲むグランド導体と、
    を備え、
    前記複数のビア導体は、
    前記第1の誘電体層よりも下方の誘電体層に形成された上端部から、前記第2の誘電体層よりも上方の誘電体層に形成された下端部までを、前記積層方向に沿って直線状に延びる直線ビア部と、
    前記第1の接続点から前記直線ビア部の前記上端部までを斜め方向に延びる第1の斜めビア部と、
    前記第2の接続点から前記直線ビア部の前記下端部までを斜め方向に延びる第2の斜めビア部と、
    を含み、
    平面視で前記第1の方向に沿って、前記第1の接続点、前記直線ビア部、前記第2の接続点が順次ずれた位置に配置される、
    ことを特徴とする高周波パッケージ。
  2. 前記第1及び第2の斜めビア部の各々は、前記複数の誘電体層のうちの2層又は3層の誘電体層を貫くビア部であることを特徴とする請求項1に記載の高周波パッケージ。
  3. 前記第1及び第2の斜めビア部の各々が形成される部分は、前記複数の誘電体層の全体の厚さに対して15%から30%までの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波パッケージ。
  4. 前記第1及び第2の斜めビア部のビア径は、平面視で前記直線ビア部のビア径と比べて同一又は僅かに大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波パッケージ。
  5. 前記直線ビア部と前記第1及び第2の斜めビアの各々は、所望の特性インピーダンスとなるように前記ビア径が設定されていることを特徴とする請求項4に記載の高周波パッケージ。
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