JP2018063615A - 無人運転システムの遠隔操作方法と遠隔操作装置 - Google Patents

無人運転システムの遠隔操作方法と遠隔操作装置 Download PDF

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Abstract

【課題】自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両に乗り込んでの有人操作による操作負担を低減すること。【解決手段】自律走行が可能な無人運転車両V101〜V105と、無人運転車両V101〜V105を遠隔操作により走行可能とするリモートコントローラM115と、を備える。この無人搬送システムにおいて、自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両AとリモートコントローラM115の位置関係により遠隔操作位置が、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であるかどうかを判断する。遠隔操作位置が、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことが確認できる位置であると判断されると、遠隔操作により自律走行状態への復帰が可能な遠隔操作権限を与える。【選択図】図8

Description

本開示は、遠隔操作走行と自律走行が可能な無人運転車両を備える無人運転システムの遠隔操作方法と遠隔操作装置に関する。
従来例として、障害物を検出した際やシステムのフェイル時は、遠隔操作入力によらず車両を自動的に制動することで安全の確保を行っている携帯型通信装置を使用した自動車の遠隔制御操縦システムが知られている(特許文献1を参照)。
特開2015−506184号公報
しかしながら、上記従来例にあっては、自律走行中に異常(例えば、「センサの過検知/誤検知による回避不要な障害物の検出時」や「逆光等による瞬間的なセンサ異常時」)が発生したとき、遠隔での操作不能かつ車両停止状態となってしまう。このため、遠隔での操作不能かつ車両停止状態となった際は、停止車両に乗り込んでの有人操作によって自律走行に復帰させる等の対応操作が必要である、という問題があった。
本開示は、上記問題に着目してなされたもので、自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両に乗り込んでの有人操作による操作負担を低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示は、自律走行が可能な無人運転車両と、無人運転車両を遠隔操作により走行可能にする遠隔操作機器と、を備える。
この無人運転システムにおいて、無人運転車両の位置を検出する車両位置検出手段と、遠隔操作機器の位置を検出する機器位置検出手段と、を有する。
自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両と遠隔操作機器の位置関係により遠隔操作位置が、緊急停止車両の進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であるかどうかを判断する。
遠隔操作位置が、緊急停止車両の進行を妨げる障害物がないことが確認できる位置であると判断されると、遠隔操作により自律走行状態への復帰が可能な遠隔操作権限を与える。
このように、緊急停止車両と遠隔操作機器の位置条件が成立すると、遠隔操作による自律走行状態への復帰を可能にすることで、自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両に乗り込んでの有人操作による操作負担を低減することができる。
実施例1の遠隔操作方法と遠隔操作装置が適用された無人搬送システム(無人運転システムの一例)における走行環境例を示す走行環境説明図である。 実施例1の遠隔操作方法と遠隔操作装置が適用された無人搬送システムの構成を示すシステム構成図である。 実施例1の無人搬送システムでの搬送運用時における状態遷移を示す状態遷移図である。 実施例1における管制室のリモートモニタ/コントローラの詳細構成を示す構成図である。 実施例1における管制室のリモートモニタ/コントローラの処理系とリモートコントローラの詳細構成を示すブロック構成図である。 自律走行による緊急停止した車両の「エリア1範囲」と「エリア2範囲」の設定例を示すエリア範囲設定図である。 実施例1の無人搬送システムにおいて通常のとき各操作部から操作可能な通常操作権限を図示する操作権限表である。 実施例1の無人搬送システムにおいて無人運転車両が緊急停車したとき遠隔操作位置判断に応じて切り替えられる緊急停車時操作権限を図示する操作権限表である。 無人運転車両が障害物検出により停止したときの緊急停車対応処理の流れを示すフローチャートである。 無人運転車両が障害物検出により停止したときの作業者への異常発生通知作用を示す作用説明図である。 無人運転車両が回避不要な障害物検出により停止したときの強制走行による障害物回避作用を示す作用説明図である。 無人運転車両が回避不要な障害物検出により停止したときの有人操作による障害物回避作用を示す作用説明図である。 無人運転車両が回避不要な障害物検出により停止したとき操作者スキルによる遠隔操作制限作用を示す作用説明図である。 異常を発見して無人運転車両を遠隔操作により停止したときの緊急停車対応処理の流れを示すフローチャートである。 異常を発見して無人運転車両を遠隔操作により停止したとき意図しない発進の抑制作用例1を示す作用説明図である。 異常を発見して無人運転車両を遠隔操作により停止したとき意図しない発進の抑制作用例2を示す作用説明図である。
以下、本開示による無人運転システムの遠隔操作方法と遠隔操作装置を実現する最良の実施形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における遠隔操作方法と遠隔操作装置は、例えば、工場においてラインオフした完成車(搬送対象)を、無人運転による牽引車と搬送台車を用いて工場敷地内や埠頭などにて無人搬送する無人搬送システム(無人運転システムの一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「走行環境構成」、「全体システム構成」、「搬送運用時の状態遷移構成」、「リモートモニタ/コントローラ構成」、「操作権限判断/処理構成」、「エリア範囲と操作者スキルの設定構成」、「各操作部での操作権限の切り替え構成」に分けて説明する。
[走行環境構成]
図1は、実施例1の遠隔操作方法と遠隔操作装置が適用された無人搬送システムにおける走行環境例を示す。以下、図1に基づいて、無人搬送システムにおける走行環境構成の詳細を説明する。
無人搬送システムは、限定されたエリア内における規定の走行ルート上を、搬送台車を牽引する無人運転車両(V101〜V105)が、搬送対象を台車上に載せて目的地まで無人運転走行するシステムである。
搬送対象を載せる場所は一か所(D101)であり、搬送対象を降ろす場所は複数地点(D102〜D105)存在する。なお、搬送対象を載せる場所と搬送対象を降ろす場所のそれぞれが複数箇所の場合でも良い。
また、走行ルートは専用ルートではなく、その他のドライバーによる有人車両(O101〜O103)も同一エリアを走行し、無人運転車両(V101〜V105)と有人車両(O101〜O103)の交通を統制するルート内信号機(I101〜I104)が走行ルート上の各所に設置されている。
作業者は、載せ降し作業と次の目的地への発進作業を行う目的で、走行ルート上の載せ降し場(D101〜D105)の位置に、それぞれ1名ずつ配置している(ルート内作業者W101〜W105)。走行ルート外には、各システムのステータスを監視する目的で、屋内に設けられた管制室に1名配置している(管制室作業者W106)。
[全体システム構成]
図2は、実施例1の遠隔操作方法と遠隔操作装置が適用された無人搬送システムの構成を示す。以下、図2に基づいて、全体システム構成の詳細を説明する。
無人運転車両V101〜V105は、車内にステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルを有する有人運転も可能な車両である。センサM101と、自動運転用認識判断プロセッサM102と、自動運転用制御コントローラM104と、を有する。
車載したセンサM101は、車両位置、車両運動量、車両周囲環境をセンシングデータとして取得する。なお、センサM101には、各無人運転車両V101〜V105の位置を検出するGPSシステムM101a(車両位置検出手段)と、車両周囲環境を撮像する車載カメラM101b(外界センサ)を含む。
自動運転用認識判断プロセッサM102は、センサM101からのセンシングデータと、地図/ルートデータM103に基づいて、自動運転のための認識判断を統合処理する。
自動運転用制御コントローラM104は、自動運転用認識判断プロセッサM102による認識判断結果に基づいて、車両の「走る・曲がる・止まる」を制御するための各制御指令値を計算する。そして、計算された各制御指令値を、ステアリングM105、アクセルM106、ブレーキアクチュエータM107を制御するための各車両ECUに入力することで、目的地までの自律走行を実現するようにしている。
目的地やルートは、地図/ルートデータM103に記録された仮想的なコースを追従走行するものであるが、AGV(Auto Guided Vehicle)のように、地上に埋設した磁気レール等の物理的な走行ルートを追従走行するものでも良い。
無人運転車両V101〜V105へ指令を行う目的で、車室内には、運転席に乗車して有人状態での操作指令を行うための車内操作盤M108が車載されている。車室外には、無人状態での操作指令を行うための車外操作盤M109が、走行ルート上の載せ降し場(D101〜D105)のそれぞれの位置に設置されている。そして、車外操作盤M109へルート内作業者W101〜W105からの操作入力があると、シーケンサM110を介して自動運転用制御コントローラM104に伝え、自律走行を制御する。
また、車内操作盤M108と車外操作盤M109には、自律走行中でも強制的に停車させることを目的として、停止ボタンが設けられている。各停止ボタンが押されると、車載されたメカブレーキ機構M111がシーケンサM110を介して作動され、ブレーキアクチュエータM107のペダルに介入することで制動をかける。
メカブレーキ機構M111は、自律走行制御中でも独立して作動し、また、自律走行制御指令よりも優先して作動されるもので、外部からの停止指令の他、車両のシステムフェイルやレーン逸脱等の自己判断の処理結果に基づいても作動されるものとする。
実施例1では、強制ブレーキとして、メカブレーキを用いているが、代替手段として、通常走行でのブレーキ指令を行うECUと独立かつ優先作動する専用ブレーキ制御ECUに置き替えても良い。
車載したワイヤレスモジュールM112と無線通信して、車両とコミュニケーションを図り、自律走行を制御するものとして、管制室のリモートモニタ/コントローラM113を有する。リモートモニタ/コントローラM113には、各無人運転車両V101〜V105のステータスを遠隔監視し、ステータス情報に基づいた個別停止指令や、地震等による運用困難な状況を想定した一斉停止指令が、基本機能として備わっている。
また、車載したワイヤレスモジュールM112は、その他の無線機器として、交差点等、コース上に設置された信号機M114(I101〜I104)とも交差点での発進/停止指令に関する無線通信を行っている。さらに、ルート内作業者W101〜W105は、それぞれリモートコントローラM115(遠隔操作機器)を所持しており、作業者付近で発生した異常時、車載したワイヤレスモジュールM112への無線通信で強制的に停止指令を送ることができる。
なお、このリモートコントローラM115には、GPSシステムが内蔵されており、ルート内作業者W101〜W105は運用中、常に携帯することで、管制室のリモートモニタ/コントローラM113からは、無線通信によりルート内作業者W101〜W105がエリア内のどの位置にいるかが分かる仕組みになっている。
最後に、車外に設置したスピーカ/回転灯M116を、車両ステータスや車両動作(一時停止、再発進、右左折、障害物停止、目的地停止、異常停止、等)に基づいて制御し、視覚的聴覚的に周囲へ注意喚起を行う。
[搬送運用時の状態遷移構成]
図3は、実施例1の無人搬送システムでの搬送運用時における状態遷移を示す。以下、図3に基づいて、搬送運用時の状態遷移構成の詳細を説明する。
搬送運用前、各車両V101〜V105は、搬送エリア近辺の車庫D106に保管されている。始業時に作業者による点検やセットアップを行った後、作業者が運転席に乗車して有人状態での手動運転もしくは自動運転にて、搬送対象の載せ場D101に移動して搬送運用を開始する。
搬送運用中は、載せ場D101から降ろし場D102〜D105を、作業者の発進指令を受けて無人で往復走行する。そして、終業時になると、再び作業者が運転席に乗車して有人状態での手動運転もしくは自動運転にて、降ろし場D102〜D105から車庫D106に戻る。
この搬送運用中であって載せ場D101と降ろし場D102〜D105の無人往復走行中に、メカブレーキM111の作動により停車した際(X101)、基本的には停車位置に作業者が出向く。そして、車外操作盤M109でステータスモニタの後、復旧作業のため、乗車して車内操作盤M108にてメカブレーキM111を解除する(X102)。復旧が完了すれば、そのまま無人運転走行もしくは有人走行にて、載せ場D101もしくは降ろし場D102〜D105に移動し、再び搬送運用を行う。
このメカブレーキM111の作動により停車したとき(X101)、緊急停止した無人運転車両V101〜V105(以下、「緊急停止車両」という。)とリモートコントローラM115の位置関係に応じて、リモートコントローラM115での遠隔操作権限が切り替えられる。そして、リモートコントローラM115に緊急停止車両を移動する遠隔操作権限が与えられると、これを携帯するルート内作業者W101〜W105は、遠隔操作で緊急停止車両を移動させて自律走行可能な状態まで復帰させ、メカブレーキM111を作動させて再停車する(X103)。
[リモートモニタ/コントローラ構成]
図4は、実施例1における管制室のリモートモニタ/コントローラM113の詳細構成を示す。以下、図4に基づいて、リモートモニタ/コントローラ構成を説明する。
管制室のリモートモニタ/コントローラM113は、図4に示すように、産業用ワークステーションのような高性能端末で、ワイヤレスモジュールが搭載された処理系L101を備える。この処理系L101は、自律走行中にメカブレーキM111の作動により走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両に対するリモートコントローラM115による遠隔操作位置に応じ、リモートコントローラM115に与える遠隔操作権限を追加する機能を有する。
リモートモニタ/コントローラM113は、搭載されたワイヤレスモジュールを介して、各無人運転車両V101〜V105、信号機等のルート上インフラ機器I101〜I104、ルート内作業者W101〜W105の各自が携帯するリモートコントローラM115と無線接続される。そして、それぞれのステータスモニタや制御信号の指令を行っている。
モニタL102には、無線通信により各機器から集約したデータを表示しており、管制室作業者W106は、通常時、キーボードL103のような入力デバイスを用いながら、運用監視をしている。
そして、遠隔操作用のステアリングホイールL104、ブレーキペダルL105、アクセルペダルL106、パーキングブレーキ、シフト、ウインカー、ハザード等の操作スイッチL107が設けられ、それぞれ処理系L101と接続されている。
モニタL102には、それぞれがどの位置でどんなステータスかを確認できるエリアマップL108と、各ステータスの詳細情報L109と、無人運転車両V101〜V105に車載されたセンサM101中の一つである各カメラの画像データL110と、無人運転車両V101〜V105の俯瞰イメージL111が表示されており、キーボードL103によって画像データ等の切替えが可能である。
また、上記遠隔操作用のデバイスL104〜L107は、管制室作業者W106が与えられた操作権限を反映させたときにのみ、デバイス操作が指令として反映され、通常時はデバイス操作をしても他に影響を与えない。
[遠隔操作権限の判断/処理構成]
図5は、実施例1における管制室のリモートモニタ/コントローラM113の処理系L101とリモートコントローラM115の詳細構成を示す。以下、図5に基づいて、遠隔操作権限の判断/処理構成を説明する。
リモートコントローラM115は、ルート内作業者W101〜W105の各自が携帯し、遠隔操作権限が与えられると、権限が与えられた操作入力により、無人運転車両V101〜V105の動作コントロールができる遠隔操作端末機器である。このリモートコントローラM115は、ワイヤレスモジュールM115aと、GPSシステムM115b(機器位置検出手段)と、車両情報表示部M115cと、遠隔操作入力部M115dと、操作者情報入力部M115eと、操作者情報記憶部M115fと、を有する。
ワイヤレスモジュールM115aは、処理系L101との無線通信により情報交換を行う。GPSシステムM115bは、リモートコントローラM115の位置を検出し、ワイヤレスモジュールM115aを介して処理系L101へ位置情報を伝える。車両情報表示部M115cは、車両の緊急停止による異常発生情報や遠隔操作権限が与えられている遠隔操作情報等を表示する。
遠隔操作入力部M115dは、遠隔操作権限が与えられている遠隔操作を入力する操作ボタン等であり、ボタン操作がなされると、ワイヤレスモジュールM115aを介して無人運転車両に無線伝達する。操作者情報入力部M115eは、リモートコントローラM115を携帯するルート内作業者W101〜W105毎の操作者スキルのライセンス情報を入力する。操作者情報記憶部M115fは、操作者スキルのライセンス情報を記憶し、ワイヤレスモジュールM115aを介して処理系L101へ位置情報を伝える。
リモートモニタ/コントローラM113の処理系L101は、緊急停止車両とリモートコントローラM115の位置関係の判断処理と、操作者スキルを加味した位置関係の判断結果に基づいて遠隔操作権限の切り替え処理を行う。この処理系L101は、ワイヤレスモジュールL101aと、遠隔操作入力処理ブロックL101bと、を備える。そして、遠隔操作入力処理ブロックL101bについては、操作権限情報記憶部L101cと、遠隔操作可能位置情報記憶部L101dと、操作者権限判断処理部L101eと、遠隔操作位置/権限判断処理部L101fと、遠隔操作処理部L101gと、を有する。
ワイヤレスモジュールL101aは、リモートコントローラM115との無線通信により情報交換を行う。遠隔操作入力処理ブロックL101bは、遠隔操作位置が、自律走行中に停止状態になった緊急停止車両の進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であると判断されると、リモートコントローラM115による遠隔操作権限を、通常時遠隔操作権限から緊急停車時遠隔操作権限に切り替える。
操作権限情報記憶部L101cは、通常時遠隔操作権限(図6)の情報を記憶している。遠隔操作可能位置情報記憶部L101dは、緊急停止車両からの距離が異なる遠隔操作可能範囲(エリア1範囲、エリア2範囲)を生成し、この範囲が記憶設定されている。操作者権限判断処理部L101eは、緊急停止車両に対し距離的に最も近い位置の作業者を、遠隔操作権限の切り替えが必要な操作者として選択する。なお、操作者が選択されると、操作者スキルのライセンス情報が、選択された操作者の個人情報として加えられる。
遠隔操作位置/権限判断処理部L101fは、遠隔操作可能範囲(エリア1範囲、エリア2範囲)に選択された操作者(作業者W101〜W105)が存在するか否かの判断を行い、判断結果を遠隔操作処理部L101gへ出力する。遠隔操作処理部L101gは、遠隔操作可能範囲に選択された操作者が存在しないと判断されると、通常時遠隔操作権限のままで遠隔操作権限を切り替えない。一方、遠隔操作可能範囲に選択された操作者が存在すると判断されると、操作者の操作スキルのライセンス情報を考慮し、通常時遠隔操作権限から緊急停車時操作権限に切り替えられる。
[エリア範囲と操作者スキルの設定構成]
エリア範囲とは、遠隔操作位置が緊急停止車両の進行を妨げる障害物がないことが確認できる位置であるかどうかを確認するために設定された緊急停止車両に対する遠隔操作位置の判断情報である。
このエリア範囲としては、緊急停止車両Aからの撮像視野範囲情報と、緊急停止車両Aの走行ルート情報と、緊急停止車両Aからの距離情報とに基づいて、図6に示すように、「エリア1範囲B」と「エリア2範囲C」が設定される。
ここで、撮像視野範囲情報とは、緊急停止車両Aの前方側中央部の位置に車載された車載カメラM101bにより撮像できる視野範囲の情報をいう。走行ルート情報とは、地図/ルートデータM103と緊急停止車両Aの停止位置情報にて求められるルート白線とルート敷地境界線を含む情報をいう。距離情報とは、緊急停止車両Aの前方中央部位置からほぼ等距離に設定される情報をいう。
「エリア1範囲B」は、撮像視野範囲情報にマッチングさせた拡がり角度を持つ径方向線b1,b1と、走行ルート情報によるルート敷地境界線b2と、距離情報による緊急停止車両Aの前方中央部位置から第1距離L1による円弧線b3に囲まれる領域に設定される。
「エリア2範囲C」は、撮像視野範囲情報にマッチングさせた拡がり角度を持つ径方向線c1,c1と、走行ルート情報によるルート敷地境界線c2と、距離情報による緊急停止車両Aの前方中央部位置から第2距離L2による円弧線c3に囲まれる領域に設定される。
つまり、「エリア2範囲C」は、「エリア1範囲B」の第1距離L1よりも長い第2距離L2にしたため、「エリア1範囲B」<「エリア2範囲C」という関係に設定される。そして、第1距離L1と第2距離L2は、自律走行中に随時更新される走行ルートと、更新される走行ルートを走行するときの車両速度により設定される。つまり、車両速度が高い走行ルート上での緊急停車であるほど、遠隔操作位置からの障害物の確認が難しくなるため、第1距離L1と第2距離L2を短くし、「エリア1範囲B」と「エリア2範囲C」の範囲が狭くされる。
操作者スキル(作業者の操作レベル)は、教育や安全意識,視力等を考慮して発行されるライセンス情報にて管理する。即ち、操作者スキルは、ライセンス情報に基づき、例えば、「操作レベル1」、「操作レベル2」、「操作レベル3」というように分けられ、操作者による遠隔操作入力の有効無効を判断し、車両動作に反映する。
つまり、操作者スキルが「操作レベル1」と「操作レベル2」の場合は、「エリア1範囲B」を用い、リモートコントローラM115による遠隔操作位置が「エリア1範囲B」内に存在すると緊急停止車両の進行を妨げるものがないことが確認できる位置とする。一方、操作者スキルが「操作レベル3」の場合は、「エリア2範囲C」を用い、リモートコントローラM115による遠隔操作位置が「エリア2範囲C」内に存在すると緊急停止車両の進行を妨げるものがないことが確認できる位置とする。
[各操作部での操作権限の切り替え構成]
図7は、実施例1の無人搬送システムにおいて通常のとき各操作部から操作可能な通常操作権限を表す。図8は、実施例1の無人搬送システムにおいて無人運転車両が緊急停車したときの遠隔操作位置判断に応じて切り替えられる緊急停車時操作権限を表す。以下、図7及び図8に基づいて、無人運転車両が緊急停車したとき、通常時操作権限に対しての操作権限の切り替え構成を説明する。
先ず、通常時操作権限の詳細を、図7に基づいて説明する。
車内操作部(車内操作盤M108+運転操作系)は、作業者が車内にドライバーとして乗車している状態で操作されるため、ステアリング、アクセル、ブレーキ、パーキングブレーキ、シフト等の、ドライバーが運転中にすべき操作は全て可能である。そして、自律走行のための発進指令やドライバー判断によるメカブレーキ作動、さらに、異常時のステータスモニタや復旧作業、メカブレーキの解除まで、ドライバー席付近に車載された車内操作盤M108より操作が可能である。
車外操作部としては、車載された車外操作盤M109と、管制室のリモートモニタ/コントローラM113と、ルート内作業者W101〜W105の各自が携帯するリモートコントローラM115とがある。
車外操作盤M109からは、載せ降し作業を行う荷役場から、車外から自律走行を開始するための発進指令と、作業者が危険を察知して車外から行うメカブレーキM111の作動指令と、停止時の車両ステータスモニタとが可能である。
管制室のリモートモニタ/コントローラM113からは、遠隔からのメカブレーキM111の作動指令と、稼働時の各車両のステータスモニタとが可能である。
作業者が携帯するリモートコントローラM115からは、作業者の近傍に限定される位置からの遠隔手動操作によるメカブレーキM111の作動指令のみが可能である。
ちなみに、自律走行においては、自動制御により「走る・曲がる・止まる」の運転操作が行われ、自己判断によってメカブレーキM111が自律作動する。
なお、自律走行中の発進指令として、
(a)停止線での停車時における安全確認後の再発進
(b)センサM101で検出した障害物と接触回避のための停車時における安全確認後の再発進
(c)信号機のある交差点での停車時における青信号で通行許可が降りた後の再発進
については、基本機能として有する。しかし、荷役場にて停車中からの再発進やメカブレーキM111が作動した後の再発進については、自動では行われず、作業者が権限を有する操作部により手動で行うものとする。
次に、無人運転車両が緊急停車したとき、遠隔操作位置の判断により切り替えられる緊急停車時遠隔操作権限を、図8に基づいて説明する。
作業者が携帯するリモートコントローラM115には、図7に示すように、通常時遠隔操作権限として、メカブレーキM111を作動させる遠隔操作権限のみが与えられている。これに対し、緊急停止車両に対する遠隔操作位置が、自律走行中に緊急停車した無人運転車両の進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であると判断されると、リモートコントローラM115による遠隔操作権限が追加される。
即ち、基本的には、リモートコントローラM115よる緊急停車時遠隔操作権限として、図8に示すように、メカブレーキM111を解除して発進の準備をする遠隔操作権限と、発進指令を出して強制走行する遠隔操作権限と、が通常時遠隔操作権限に追加される。
但し、遠隔操作による強制走行中のアクセル操作に関しては、加速上限と車速上限が設けられており、強制走行中はいつでも停車できるような低速走行に限定される。
次に、作用を説明する。
実施例1の作用を、「障害物検出による緊急停車対応処理作用」、「障害物検出による緊急停車シーンでの障害物回避作用」、「作業者スキルによる操作制限作用」、「異常発見による緊急停車対応処理作用」、「意図しない発進の抑制作用」、「無人搬送システムの遠隔操作特徴作用」に分けて説明する。
[障害物検出による緊急停車対応処理作用]
図9は、無人運転車両が障害物検出により停止したときの緊急停車対応処理の流れを示す。以下、図9の各ステップについて説明する。このフローチャートは、無人運転車両が障害物検出により停止すると開始される。
ステップS1では、無人運転車両が障害物検出により停止すると、緊急停止車両からリモートモニタ/コントローラM113を経由してリモートコントローラM115へ異常処理要求を出し、ステップS2へ進む。
ここで、緊急停止車両からリモートコントローラM115へ異常処理要求が出されると、リモートコントローラM115を携帯する複数のルート内作業者W101〜W105が、自律走行している無人運転車両が緊急停車したことを知ることができる。
ステップS2では、ステップS1での異常処理要求に続き、無人運転車両の緊急停車が知らされたルート内作業者W101〜W105により緊急停止車両の走行ルート上に走行を妨げる障害物が存在するか否かを確認する。緊急停止車両の走行ルート上に走行を妨げる障害物が存在せずに走行可能と判断されると、ステップS3へ進む。一方、緊急停止車両の走行ルート上に走行を妨げる障害物が存在することで走行不可能と判断されると、ステップS7へ進む。
ステップS3では、ステップS2での走行可能であるとの判断、或いは、ステップS4での操作位置障害物確認不可能であるとの判断、或いは、ステップS6での障害物回避未完であるとの判断に続き、リモートコントローラM115によりメカブレーキ解除操作入力と強制走行操作入力を行い、ステップS4へ進む。
ここで、強制走行操作入力を行なうのは、緊急停止車両の走行ルート上に走行を妨げる障害物の存在の有無を確認できる作業者である。
ステップ4では、ステップS3での強制走行操作入力に続き、緊急停止車両、障害物、リモートコントローラM115の位置情報に基づいて、作業者の遠隔操作位置において障害物が回避不要な障害物であるとの確認が可能であるか否かを判断する。Yes(操作位置障害物確認可能)の場合はステップS5へ進み、No(操作位置障害物確認不可能)である間はステップS3へ戻る。
ここで、操作位置障害物確認可能と判断されると、強制走行操作入力を行なう作業者が携帯するリモートコントローラM115に対し、メカブレーキ解除指令(発進準備指令)・強制走行指令(発進指令)の遠隔操作権限が与えられる。
ステップS5では、ステップS4での操作位置障害物確認可能であるとの判断に続き、リモートコントローラM115に対するメカブレーキ解除と強制走行の遠隔操作入力を有効とし、回避不要な障害物を無視して緊急停止車両を強制走行させ、ステップS6へ進む。
ステップS6では、ステップS5での障害物無視強制走行に続き、障害物の回避を完了したか否かを判断する。Yes(障害物回避完了)の場合はステップS8へ進み、No(障害物回避未完了)の場合はステップS3へ戻る。
ステップS7では、ステップS2にて緊急停止車両の走行ルート上に走行を妨げる障害物が存在することで走行不可能と判断されると、緊急停止車両の近くにいる作業者が、手作業により走行を妨げる障害物を除去し、ステップS8へ進む。
ステップS8では、ステップS6での障害物回避完了であるとの判断、或いは、ステップS7での障害物除去に続き、自律走行状態に復帰した無人運転車両の走行モードを、遠隔操作走行モードから自律走行モードに切り替え、緊急停車対応処理を完了する。
[障害物検出による緊急停車シーンでの障害物回避作用]
先ず、図9及び図10に基づいて、無人運転車両が障害物検出により停止したときの作業者への異常発生通知作用を説明する。
例えば、草木等の回避不要な障害物検出により停止したときは、図9のフローチャートにおいて、ステップS1へ進み、緊急停止車両Aからリモートモニタ/コントローラM113を経由してリモートコントローラM115へ異常処理要求が出される。
このように、異常処理要求が出されると、図10に示すように、複数のリモートコントローラM115で異常発生通知を無線により受信する。そして、受信した複数のリモートコントローラM115では、メカブレーキの作動により緊急停車した車両があることが、画面表示やランプ点灯や警報音等により報知される。よって、リモートコントローラM115を携帯する複数のルート内作業者W101〜W105は、自律走行している無人運転車両が緊急停車したことを知ることができる。
次に、図9及び図11に基づき、無人運転車両が回避不要な障害物検出により停止したときの強制走行による障害物回避作用を説明する。
複数のルート内作業者W101〜W105のうち、いずれかの作業者からの目視確認により走行可能と判断されると、図9のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進む。そして、ステップS4にて、走行可能と判断した作業者からの目視確認により障害物が回避不要な障害物と判断されるまでは、ステップS3→ステップS4へと進む流れが繰り返され、メカブレーキ解除と強制走行の遠隔操作入力があっても、これらの遠隔操作入力を無効とする。
ステップS4にて障害物が回避不要な障害物であると判断されると、ステップS4からステップS5→ステップS6へと進み、遠隔操作入力によるメカブレーキ解除と強制走行を有効とし、障害物を無視して緊急停止車両Aのメカブレーキを解除し、強制走行により発進させる。そして、ステップS6にて障害物回避未完了と判断されている間は、ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れが繰り返され、緊急停止車両Aが強制走行を維持する。そして、ステップS6にて障害物回避完了と判断されると、ステップS6からステップS8へと進み、緊急停車対応処理が完了する。
即ち、複数のルート内作業者W101〜W105のうち、例えば、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことが確認できる「エリア1範囲B」に存在する操作者が、リモートコントローラM115により遠隔操作を行ったとする。このとき、緊急停止車両Aの前方位置にある障害物が、草木等の回避不要な障害物であると確認できる。このため、図11に示すように、操作者W101の遠隔操作入力が有効となり、メカブレーキが解除され、緊急停止車両Aが強制走行により発進し、回避不要な障害物である草木等を乗り越える。緊急停止車両Aが、障害物の乗り越え回避し自律走行状態に復帰すると、走行モードが、遠隔操作走行モードから自律走行モードに切り替えられ、自律走行に復帰する。
図9及び図12に基づき、無人運転車両が回避不要な障害物検出により停止したときの有人操作による障害物回避作用を説明する。
草木等の回避不要な障害物検出により停止したときであっても、作業者により障害物を目視確認できないときは、走行不可能と判断され、図9のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS7へと進む。つまり、遠隔操作により緊急停止車両Aを強制走行させることができない。このため、ステップS7にて、図12に示すように、視野外の操作者W102の遠隔操作入力が無効となり、例えば、緊急停止車両Aの近くにいる別の作業者が、手作業により障害物を除去することになる。
そして、ステップS7にて障害物の除去を有人による手作業にて完了すると、ステップS7からステップS8へと進み、緊急停車対応処理が完了する。障害物を除去した後は、自律走行状態に復帰した緊急停止車両Aの走行モードが、遠隔操作走行モードから自律走行モードに切り替えられ、自律走行に復帰する。
[作業者スキルによる操作制限作用]
図13に基づいて緊急停止車両Aが回避不要な障害物検出により停止したとき操作者スキルによる遠隔操作制限作用を説明する。
先ず、実施例1での緊急停車時遠隔操作権限は、下記の(a),(b),(c)に記載のように、エリア範囲と操作者スキルが考慮されて与えられる。
(a) 操作者が「操作レベル1」の場合、遠隔操作位置が「エリア1範囲B」に存在するとき、メカブレーキM111を解除して発進準備する遠隔操作権限が通常時遠隔操作権限に追加される。
(b) 操作者が「操作レベル2」の場合、遠隔操作位置が「エリア1範囲B」に存在するとき、メカブレーキM111を解除して発進準備する遠隔操作権限と、強制走行させる発進指令を出す遠隔操作権限とが通常時遠隔操作権限に追加される。
(c) 操作者が「操作レベル3」の場合、遠隔操作位置が「エリア2範囲C」に存在するとき、メカブレーキM111を解除して発進準備する遠隔操作権限と、強制走行させる発進指令を出す遠隔操作権限とが通常時遠隔操作権限に追加される。
図13に示す「エリア1範囲B」に存在する作業者W101が「操作レベル1」の場合には、作業者W101が携帯するリモートコントローラM115による遠隔操作権限に、メカブレーキM111の解除指令を出す操作権限が追加される。一方、図13に示す「エリア1範囲B」に存在する作業者W101が「操作レベル2」や「操作レベル3」の場合には、リモートコントローラM115による遠隔操作権限に、メカブレーキM111の解除指令を出す操作権限と、発進指令を出す操作権限とが追加される。このように、同じ「エリア1範囲B」に存在する作業者W101であっても、作業者W101が「操作レベル1」の場合には、「操作レベル2」や「操作レベル3」の場合よりも追加される遠隔操作権限が制限される。
図13に示す「エリア2範囲C」に存在する作業者W102が「操作レベル1」や「操作レベル2」の場合には、作業者W101が携帯するリモートコントローラM115による遠隔操作権限が追加されることがない。一方、図13に示す「エリア2範囲C」に存在する作業者W102が「操作レベル3」の場合には、リモートコントローラM115による遠隔操作権限に、メカブレーキM111の解除指令を出す操作権限と、発進指令を出す操作権限とが追加される。このように、同じ「エリア2範囲C」に存在する作業者W102のとき、作業者W102が「操作レベル3」の場合にのみ遠隔操作権限が追加され、作業者W102が「操作レベル1」や「操作レベル2」の場合には遠隔操作権限が制限(追加無し)される。
なお、作業者W103が図13に示す「エリア2範囲C」の外側に存在する場合は、作業者W103の操作レベルにかかわらず、作業者W103が携帯するリモートコントローラM115による遠隔操作権限が追加されることがない。
上記のように、操作者が遠隔操作熟練者(「操作レベル3」)の場合には、遠隔操作権限の追加が「エリア2範囲C」まで拡大されることで、遠隔操作の機会が増加し、緊急停止車両Aに乗り込んでの有人操作による負担をより低減することが可能になる。一方、操作者が新人等の遠隔操作未熟者(「操作レベル1」)の場合には、緊急停止車両Aに対する過剰な遠隔操作が抑えられ、安全な遠隔操作が可能になる。
[異常発見による緊急停車対応処理作用]
図14は、異常を発見して無人運転車両を遠隔操作により停止したときの緊急停車対応処理の流れを示す。以下、図14の各ステップについて説明する。このフローチャートは、異常を発見した作業者が操作器1(リモートコントローラM115-1)への遠隔操作により無人運転車両を緊急停止させると開始される。
ステップS21では、操作器1(リモートコントローラM115-1)による遠隔停止、或いは、ステップS23での操作器1からの操作指示継続に続き、操作器2(リモートコントローラM115-2)により発進指令を出し、ステップS22へ進む。
ステップS22では、操作器2(リモートコントローラM115-2)による発進指令に続き、操作器1(リモートコントローラM115-1)の位置が操作器2(リモートコントローラM115-2)の位置より遠いか否かを判断する。Yes(操作器1位置>操作器2位置)の場合はステップS24へ進み、No(操作器1位置≦操作器2位置)の場合はステップS23へ進む。
ステップS23では、ステップS22での操作器1位置≦操作器2位置であるとの判断に続き、操作器2(リモートコントローラM115-2)による発進指令を無効とし、操作器1(リモートコントローラM115-1)による遠隔停止指示を継続し、ステップS21へ戻る。
ステップS24では、ステップS22での操作器1位置>操作器2位置であるとの判断に続き、操作器1(リモートコントローラM115-1)による遠隔停止指示を無効とし、操作器2(リモートコントローラM115-2)による発進指令を有効とし、緊急停止車両を発進させ、遠隔操作走行モードから自律走行モードに切り替え、緊急停車対応処理を完了する。
[意図しない発進の抑制作用]
図14及び図15に基づき、異常を発見して無人運転車両を遠隔操作により停止したときの意図しない発進の抑制作用例1を説明する。
操作器1位置≦操作器2位置の位置関係にあるときは、図14のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23へと進む流れが繰り返される。つまり、ステップS23では、操作器2(リモートコントローラM115-2)による発進指令が無効とされ、操作器1(リモートコントローラM115-1)による遠隔停止指示が継続される。
例えば、図15に示すように、リモートコントローラM115-1を携帯している操作者1(作業者W101)が搭載車両ずれ等による異常を発見したとき、操作者1(作業者W101)がリモートコントローラM115-1への遠隔操作により無人運転車両を停止させる。次に、操作者1(作業者W101)は緊急停止車両Aに牽引される搭載車両ずれ等の確認を行っているとする。この操作者1(作業者W101)による確認中、操作者1(作業者W101)より緊急停止車両Aから離れた位置の操作者2(作業者W102)が緊急停止車両Aを発見し、緊急停止車両Aを遠隔操作により発進させる入力を行ったとする。このとき、操作者2(作業者W102)の緊急停止車両Aを発進させる遠隔操作入力を有効にすると、異常の確認作業中である操作者1(作業者W101)にとっては、緊急停止車両Aの意図しない発進になる。
これに対し、操作器1位置≦操作器2位置の位置関係にあるとき、操作者2(作業者W102)の遠隔操作入力を無効にし、緊急停止車両Aに近い位置の操作者1(作業者W101)による緊急停止操作を継続することで、緊急停止車両Aの意図しない発進を抑制することができる。
図14及び図16に基づき、異常を発見して無人運転車両を遠隔操作により停止したときの意図しない発進の抑制作用例2を説明する。
操作器1位置>操作器2位置の位置関係にあるときは、図14のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS24へと進む流れが繰り返される。つまり、ステップS24では、操作器1(リモートコントローラM115-1)による遠隔停止指示が無効にされ、操作器2(リモートコントローラM115-2)による発進指令が有効とされ、緊急停止車両Aが発進する。
例えば、図15に示すように、リモートコントローラM115-1を携帯している操作者1(作業者W101)が搭載車両ずれ等による異常を発見したとき、操作者1(作業者W101)がリモートコントローラM115-1への遠隔操作により無人運転車両を停止させる。次に、操作者1(作業者W101)は緊急停止車両Aに牽引される搭載車両ずれ等の確認をし、確認を完了して再発進の指令をしないままで別作業へ行ったとする。このように、操作者1(作業者W101)が再発進を忘れたままで別作業へ離れたとき、操作者1(作業者W101)より緊急停止車両Aに近い位置の操作者2(作業者W102)が緊急停止車両Aを発見し、緊急停止車両Aを遠隔操作により発進させる入力を行ったとする。このとき、操作者2(作業者W102)の緊急停止車両Aを発進させる遠隔操作入力を無効にすると、緊急停止車両Aは停止状態のまま放置されてしまうことになる。
これに対し、操作器1位置>操作器2位置の位置関係にあるとき、操作者2(作業者W102)の遠隔操作入力を有効にすることで、停止状態のまま放置されている緊急停止車両Aを自律走行モードへ復帰させることができる。
[無人搬送システムの遠隔操作特徴作用]
実施例1では、自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両AとリモートコントローラM115の位置関係により遠隔操作位置が、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であるかどうかを判断する。遠隔操作位置が、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことが確認できる位置であると判断されると、遠隔操作により自律走行状態への復帰が可能な遠隔操作権限を与える。
即ち、自律走行中に異常(「センサの過検知/誤検知による回避不要な障害物の検出時」や「瞬間的なセンサ異常時」等)により走行停止状態が発生することがある。この場合、作業者が緊急停止車両の位置まで移動し、回避不要な障害物であるとの確認や障害物が無いことの確認をし、その後、車両に乗り込んで自律走行状態に復帰させる操作を行うと、作業者への操作負担が増加する。また、自律走行中に異常により走行停止状態が発生する場合には、遠隔操作で緊急停止車両を動かすことで障害を回避することが可能な場合が多くあり、遠隔操作可能な範囲を狭めてしまっている。
これに対し、各作業者W101〜W105が携帯しているリモートコントローラM115の位置(=遠隔操作位置)が、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことが確認できる位置であるとの位置条件が成立すると、遠隔操作により自律走行状態へ復帰可能にしている。このため、自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両Aに乗り込んでの有人操作による操作負担を低減することができる。
実施例1では、遠隔操作位置の判断をするとき、予め定められた走行ルート情報に基づいてエリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)を生成する。そして、遠隔操作位置が生成されたエリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)に存在すると、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であると判断する。
即ち、緊急停止車両AとリモートコントローラM115の位置関係を判断するとき、予め定められた走行ルート情報に基づいてエリア範囲を生成すると、緊急停止車両Aの進行方向や走行ルートが設定されるルート敷地境界線等が反映されたものとなる。従って、予め定められた走行ルート情報に基づいて生成されたエリア範囲により、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であるとの判断を行う際、位置判断に用いる適切なエリア範囲を生成することができる。
実施例1では、エリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)は、自律走行中に随時更新される走行ルート情報と、更新される走行ルートを走行するときの車両速度情報とに基づき、車両速度が高い走行ルート上での緊急停車であるほど狭い範囲に生成する。
即ち、同じ遠隔操作位置の場合、車両速度が高い走行ルート上での緊急停車であるほど、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことの確認が難しくなる。従って、障害物がないことの確認する際の難易度に応じてエリア範囲を生成することで、緊急停止前の車両速度にかかわらず、緊急停車時に障害物がないことを確認するのに適切なエリア範囲を生成することができる。
実施例1では、エリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)は、緊急停止車両Aに搭載された車載カメラM101bからの外界認識範囲情報とのマッチングによって拡がり角度を決める。
即ち、エリア範囲の拡がり角度の決め方の自由度は高く、例えば、狭い拡がり角度にすると、遠隔操作可能な範囲を狭めてしまう。一方、広い拡がり角度にすると、障害物がないことを確認できる位置と判断されても、緊急停止車両Aの前方位置の障害物を目視により確認できないという事態を招くことになる。これに対し、エリア範囲の拡がり角度を、車載カメラM101bからの外界認識範囲情報とのマッチングによって決めると、十分な拡がり角度を持つエリア範囲としながら、緊急停止車両Aの前方位置の障害物を目視確認可能なエリア範囲を生成することができる。
実施例1では、エリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)は、外界認識範囲情報とのマッチングによって決められた拡がり角度情報に、緊急停止車両AとリモートコントローラM115との距離情報を加えて生成する。
即ち、エリア範囲の生成に、緊急停止車両AとリモートコントローラM115との距離情報を加えて生成することで、緊急停止車両Aの前方位置の障害物を目視により確認する際の作業者レベルに対応するエリア範囲を生成することができる。
実施例1では、エリア1範囲B,エリア2範囲Cを生成するとき、リモートコントローラM115を操作する操作者のスキル情報を加味する。そして、スキル情報が熟練を示すほどエリア1範囲B,エリア2範囲Cの距離L1,L2を長くし、スキル情報が未熟を示すほどエリア1範囲B,エリア2範囲Cの距離L1,L2を短くする。
即ち、遠隔操作にて対応可能なエリア範囲は、リモートコントローラM115を操作する操作者のスキルによって異なり、熟練者であるほど広いし、未熟者であるほど狭い。従って、操作習熟度や安全管理能力など操作者のスキルに合わせて遠隔操作範囲を制限することによって、より安全な遠隔操作/車両動作を行うことができる。
実施例1では、自律走行中にリモートコントローラM115-1での遠隔操作による走行停止状態が発生したとき、リモートコントローラM115-1の位置とリモートコントローラM115-2の位置の緊急停止車両Aからの距離関係を判断する。そして、リモートコントローラM115-1の位置がリモートコントローラM115-2の位置以下の距離と判断されている間、リモートコントローラM115-2への遠隔操作を無効とし、リモートコントローラM115-1への遠隔操作による停車指示を継続する。
即ち、異常を発見して無人運転車両V101〜V105を遠隔操作により停止したとき、リモートコントローラM115-1の位置がリモートコントローラM115-2の位置以下の距離と判断されている間、リモートコントローラM115-2への遠隔操作が無効とされ、リモートコントローラM115-1への遠隔操作による停車指示が継続される。このため、異常を発見して無人運転車両V101〜V105を遠隔操作により停止したとき、緊急停止車両Aの意図しない発進を抑制することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1における無人搬送システムの遠隔操作方法と遠隔操作装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 物理的または仮想的に設定された走行ルートを無人運転により追従する自律走行が可能な無人運転車両V101〜V105と、無人運転車両V101〜V105を遠隔操作により走行可能とする遠隔操作機器(リモートコントローラM115)と、を備える。
この無人運転システム(無人搬送システム)において、無人運転車両V101〜V105の位置を検出する車両位置検出手段(GPSシステムM101a)と、遠隔操作機器(リモートコントローラM115)の位置を検出する機器位置検出手段(GPSシステムM115b)と、を有する。
自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両Aと遠隔操作機器(リモートコントローラM115)の位置関係により遠隔操作位置が、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であるかどうかを判断する。
遠隔操作位置が、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことが確認できる位置であると判断されると、遠隔操作により自律走行状態への復帰が可能な遠隔操作権限を与える(図8)。
このため、自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両Aに乗り込んでの有人操作による操作負担を低減する無人搬送システム(無人運転システム)の遠隔操作方法を提供することができる。
(2) 遠隔操作位置の判断をするとき、予め定められた走行ルート情報に基づいてエリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)を生成する。遠隔操作位置が生成されたエリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)に存在すると、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であると判断する(図6)。
このため、(1)の効果に加え、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であるとの判断を行う際、位置判断に用いる適切なエリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)を生成することができる。
(3) エリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)は、自律走行中に随時更新される走行ルート情報と、更新される走行ルートを走行するときの車両速度情報とに基づき、車両速度が高い走行ルート上での緊急停車であるほど狭い範囲に生成する(図6)。
このため、(2)の効果に加え、緊急停止前の車両速度にかかわらず、緊急停車時に障害物がないことを確認するのに適切なエリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)を生成することができる。
(4) エリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)は、緊急停止車両Aに搭載された外界センサ(車載カメラM101b)からの外界認識範囲情報とのマッチングによって拡がり角度を決める(図6)。
このため、(2)又は(3)の効果に加え、十分な拡がり角度を持つエリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)としながら、緊急停止車両Aの前方位置の障害物を目視確認可能なエリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)を生成することができる。
(5) エリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)は、外界認識範囲情報とのマッチングによって決められた拡がり角度情報に、緊急停止車両Aと遠隔操作機器(リモートコントローラM115)との距離情報を加えて生成する(図6)。
このため、(4)の効果に加え、緊急停止車両Aの前方位置の障害物を目視により確認する際の作業者レベルに対応するエリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)を生成することができる。
(6) エリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)を生成するとき、遠隔操作機器(リモートコントローラM115)を操作する操作者のスキル情報を加味する。そして、スキル情報が熟練を示すほどエリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)の距離L1,L2を長くし、スキル情報が未熟を示すほどエリア範囲(エリア1範囲B,エリア2範囲C)の距離L1,L2を短くする(図6)。
このため、(5)の効果に加え、操作習熟度や安全管理能力など操作者のスキルに合わせて遠隔操作範囲を制限することによって、より安全な遠隔操作/車両動作を行うことができる。
(7) 遠隔操作機器として、第1遠隔操作機器(リモートコントローラM115-1)と第2遠隔操作機器(リモートコントローラM115-2)とを有する。
自律走行中に第1遠隔操作機器(リモートコントローラM115-1)からの遠隔操作により走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両Aから第1遠隔操作機器(リモートコントローラM115-1)までの第1位置(操作器1位置)と、緊急停止車両Aから第2遠隔操作機器(リモートコントローラM115-2)までの第2位置(操作器2位置)との大小関係を判断する。
第1位置(操作器1位置)が第2位置(操作器2位置)以下の距離であると判断されている間、第2遠隔操作機器(リモートコントローラM115-2)への遠隔操作を無効とし、第1遠隔操作機器(リモートコントローラM115-1)への遠隔操作による停車指示を継続する(図14)。
このため、(1)〜(6)の効果に加え、異常を発見して無人運転車両V101〜V105を遠隔操作により停止したとき、緊急停止車両Aの意図しない発進を抑制することができる。
(8) 物理的または仮想的に設定された走行ルートを無人運転により追従する自律走行が可能な無人運転車両V101〜V105と、無人運転車両V101〜V105を遠隔操作により走行可能とする遠隔操作機器(リモートコントローラM115)と、を備える。
この無人運転システム(無人搬送システム)において、無人運転車両V101〜V105の位置を検出する車両位置検出手段(GPSシステムM101a)と、遠隔操作機器(リモートコントローラM115)の位置を検出する機器位置検出手段(GPSシステムM115b)と、遠隔操作機器(リモートコントローラM115)による遠隔操作権限の切り替え制御を行うコントローラ(リモートモニタ/コントローラM113)と、を有する。
コントローラ(リモートモニタ/コントローラM113)は、自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両Aと遠隔操作機器(リモートコントローラM115)の位置関係により遠隔操作位置が、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であるかどうかを判断する。
遠隔操作位置が、緊急停止車両Aの進行を妨げる障害物がないことが確認できる位置であると判断されると、遠隔操作により自律走行状態への復帰が可能な遠隔操作権限を与える処理を実行する(図8)。
このため、自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両Aに乗り込んでの有人操作による操作負担を低減する無人搬送システム(無人運転システム)の遠隔操作装置を提供することができる。
以上、本開示の無人運転システムの遠隔操作方法と遠隔操作装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、遠隔操作機器として、ルート内作業者W101〜W105が携帯するリモートコントローラM115の例を示した。しかし、遠隔操作機器としては、携帯ができない固定され、操作者が存在する車外操作盤M109であっても良い。さらに、作業者が携帯するリモートコントローラと操作者が存在する車外操作盤の両方を遠隔操作機器としても良い。
実施例1では、遠隔操作位置の判断をするとき、予め定められた走行ルート情報に基づいて生成されたエリア1範囲B,エリア2範囲Cを用いる例を示した。しかし、遠隔操作位置の判断をするとき、エリア範囲を生成することなく、緊急停止車両位置と遠隔操作位置の距離と位置関係により遠隔操作位置を判断する例であっても良い。
実施例1では、本開示の遠隔操作方法と遠隔操作装置を無人搬送システムに適用する例を示した。しかし、本開示の遠隔操作方法と遠隔操作装置は、例えば、無人タクシーシステムや無人バレーパーキングシステムや無人バスシステムや無人トラックシステム等の他の無人運転システムに対しても適用することができる。要するに、物理的または仮想的に設定された走行ルートを無人運転により追従する自律走行が可能な無人運転車両と、無人運転車両を遠隔操作により走行可能とする遠隔操作機器と、を備える無人運転システムであれば適用できる。
V101〜V107 無人運転車両
A 緊急停止車両
M101 センサ
M101a GPSシステム(車両位置検出手段)
M108 車内操作盤
M109 車外操作盤
M111 メカブレーキ機構
M113 リモートモニタ/コントローラ(コントローラ)
M115 リモートコントローラ(遠隔操作機器)
M115-1 リモートコントローラ(第1遠隔操作機器)
M115-2 リモートコントローラ(第2遠隔操作機器)
M115b GPSシステム(機器位置検出手段)

Claims (8)

  1. 物理的または仮想的に設定された走行ルートを無人運転により追従する自律走行が可能な無人運転車両と、前記無人運転車両を遠隔操作により走行可能とする遠隔操作機器と、を備える無人運転システムにおいて、
    前記無人運転車両の位置を検出する車両位置検出手段と、
    前記遠隔操作機器の位置を検出する機器位置検出手段と、を有し、
    自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両と前記遠隔操作機器の位置関係により遠隔操作位置が、前記緊急停止車両の進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であるかどうかを判断し、
    前記遠隔操作位置が、前記緊急停止車両の進行を妨げる障害物がないことが確認できる位置であると判断されると、遠隔操作により自律走行状態への復帰が可能な遠隔操作権限を与える
    ことを特徴とする無人運転システムの遠隔操作方法。
  2. 請求項1に記載された無人運転システムの遠隔操作方法において、
    前記遠隔操作位置の判断をするとき、予め定められた走行ルート情報に基づいてエリア範囲を生成し、
    前記遠隔操作位置が生成された前記エリア範囲に存在すると、前記緊急停止車両の進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であると判断する
    ことを特徴とする無人運転システムの遠隔操作方法。
  3. 請求項2に記載された無人運転システムの遠隔操作方法において、
    前記エリア範囲は、自律走行中に随時更新される走行ルート情報と、更新される走行ルートを走行するときの車両速度情報とに基づき、前記車両速度が高い走行ルート上での緊急停車であるほど狭い範囲に生成する
    ことを特徴とする無人運転システムの遠隔操作方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載された無人運転システムの遠隔操作方法において、
    前記エリア範囲は、前記緊急停止車両に搭載された外界センサからの外界認識範囲情報とのマッチングによって拡がり角度を決める
    ことを特徴とする無人運転システムの遠隔操作方法。
  5. 請求項4に記載された無人運転システムの遠隔操作方法において、
    前記エリア範囲は、前記外界認識範囲情報とのマッチングによって決められた拡がり角度情報に、前記緊急停止車両と前記遠隔操作機器との距離情報を加えて生成する
    ことを特徴とする無人運転システムの遠隔操作方法。
  6. 請求項5に記載された無人運転システムの遠隔操作方法において、
    前記エリア範囲を生成するとき、前記遠隔操作機器を操作する操作者のスキル情報を加味し、前記スキル情報が熟練を示すほど前記エリア範囲の距離を長くし、前記スキル情報が未熟を示すほど前記エリア範囲の距離を短くする
    ことを特徴とする無人運転システムの遠隔操作方法。
  7. 請求項1から請求項6までの何れか一項に記載された無人運転システムの遠隔操作方法において、
    前記遠隔操作機器として、第1遠隔操作機器と第2遠隔操作機器とを有し、
    自律走行中に前記第1遠隔操作機器からの遠隔操作により走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両Aから前記第1遠隔操作機器までの第1位置と、緊急停止車両Aから前記第2遠隔操作機器までの第2位置との大小関係を判断し、
    前記第1位置が前記第2位置以下の距離であると判断されている間、前記第2遠隔操作機器への遠隔操作を無効とし、前記第1遠隔操作機器への遠隔操作による停車指示を継続する
    ことを特徴とする無人運転システムの遠隔操作方法。
  8. 物理的または仮想的に設定された走行ルートを無人運転により追従する自律走行が可能な無人運転車両と、前記無人運転車両を遠隔操作により走行可能とする遠隔操作機器と、を備える無人運転システムにおいて、
    前記無人運転車両の位置を検出する車両位置検出手段と、
    前記遠隔操作機器の位置を検出する機器位置検出手段と、
    前記遠隔操作機器による遠隔操作権限の切り替え制御を行うコントローラと、を有し、
    前記コントローラは、自律走行中に異常による走行停止状態が発生したとき、緊急停止車両と前記遠隔操作機器の位置関係により遠隔操作位置が、前記緊急停止車両の進行を妨げる障害物がないことを確認できる位置であるかどうかを判断し、
    前記遠隔操作位置が、前記緊急停止車両の進行を妨げる障害物がないことが確認できる位置であると判断されると、遠隔操作により自律走行状態への復帰が可能な遠隔操作権限を与える処理を実行する
    ことを特徴とする無人運転システムの遠隔操作装置。
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