JP2018062583A - 熱可塑性樹脂用粒子、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、この微粒子を熱可塑性樹脂用添加剤として使用するにあたっては、耐熱性について改善の余地があった。
本発明の熱可塑性樹脂用粒子は、(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマー由来の構成単位と(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマー由来の構成単位との質量比が75:25〜95:5であって、上記(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマー由来の構成単位と上記(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマー由来の構成単位との合計が、全てのモノマー成分由来の構成単位100質量%中80質量%以上であり、窒素中での5%重量減少温度が350℃以上である。
本明細書において、(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマーとは、分子中に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有するモノマーである。(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマーは、上記(メタ)アクリロイル基以外に、上記(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマーと同様、例えばビニル基の如きラジカル重合性基のほか、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、イソシアヌレート基等のように、反応(結合)相手となる基が他のモノマーに存在する場合にエステル結合等を形成可能な縮合性反応基を有していてもよい。このような縮合性反応基も「重合性基」として作用しうる。
他のモノマーとしては、以下のモノマー、ならびにアクリロニトリルを例示できる。
1−3−1 スチレン系モノマー
上記他のモノマーとして、スチレン系モノマーが挙げられる。スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類;p−フェニルスチレン等の芳香環含有スチレン類;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン含有スチレン類;p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシル基含有スチレン類;p−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類;等が挙げられる。これらのスチレン系モノマーは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレンが好適である。上記スチレン系モノマーの含有量は、他のモノマーの合計100質量部中1〜95質量部が好ましく、30〜90質量部がより好ましく、さらに好ましくは50〜70質量部である。
上記他のモノマーとして、マレイミド系モノマーが挙げられる。マレイミド系モノマーとしては下記一般式(I)で表されるものが挙げられる。
上記マレイミド系モノマーの含有量は、他のモノマーの合計100質量部中0〜40質量部が好ましく、より好ましくは0〜25質量部、さらに好ましくは1〜25質量部である。
上記他のモノマーとして、2以上の重合性基を有するモノマーが挙げられる。2以上の重合性基を有するモノマーとしては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、および、これらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸;ジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ブチレングリコールジアリルエーテル、ヘキサンジオールジアリルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジアリルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル等の多官能アリルエーテル類などを使用できる。これらのモノマーは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る熱可塑性樹脂用粒子は、窒素中での5%重量減少温度が350℃以上であり、355℃以上が好ましく、360℃以上がより好ましい。窒素中での5%重量減少温度は、熱分析装置(例えば、「示差熱熱重量同時測定装置STA7200」株式会社日立ハイテクサイエンス製)を使用して、試料量10mgについて、窒素雰囲気中、流量200ml/分、昇温速度10℃/分で測定したTG(Thermo gravity)曲線から読み取ることができる。また、窒素中での10%重量減少温度は365℃以上であることが好ましく、370℃以上であることがより好ましく、375℃以上であることがさらに好ましい。本発明に係る熱可塑性樹脂用粒子は、窒素中での5%重量減少温度が350℃以上であり、且つ、窒素中での10%重量減少温度が365℃以上であることが好ましい。
本発明に係る熱可塑性樹脂用粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は、0.1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜30μm、さらに好ましくは0.5〜10μmである。平均粒子径が0.1μmよりも小さい場合、耐ブロッキング性効果および滑り性向上効果が十分に発現しないために多量の添加を必要としフィルムの機械的強度が損なわれるおそれがある。一方、平均粒子径が50μmよりも大きい場合、フィルムから粒子が脱落し易くなり、機械的強度の低下を引き起こすおそれがある。なお、本明細書において「平均粒子径」とは、「体積平均粒子径」のことである。
本発明の熱可塑性樹脂用粒子は、粒子径のCV値(変動係数)が15%以上であり、好ましくは15〜60%、より好ましくは20〜50%、さらに好ましくは25〜45%であり、特に好ましくは25〜40%である。CV値が15%より小さい粒子を得るには、懸濁重合の場合には分級工程を実施する必要があり、製造コストが高くなる。なお、CV値が大きいと粗大粒子の量が多くなり、フィルムから粒子が脱落し易くなり、機械的強度の低下を引き起こしやすくなるため好ましくない。
粒子径のCV値(変動係数)は、下記式に従って算出できる。
粒子径のCV値(%)=100×(粒子径の標準偏差/体積平均粒子径)
なお、粒子径の標準偏差は、体積基準の粒子径分布より求めた数値である。
本発明の熱可塑性樹脂用粒子では、懸濁重合により製造されるため、粒子径のCV値(変動係数)は15%以上となる。
本発明に係る熱可塑性樹脂用粒子は、酸化防止剤を含むものであってもよい。酸化防止剤を含むことにより、耐熱性をより向上できる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤、およびビタミンE系酸化防止剤などが挙げられる。なお、上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤とは、当該酸化防止剤の構造中に、パラ置換2,6−ジ−tert−ブチルフェノール構造を有するものを意味し、硫黄系酸化防止剤は、硫黄元素を含み、酸化防止機能を有するもの、リン系酸化防止剤は、その構造中にリン原子を含むもの、ラクトン系酸化防止剤は、環状のエステル構造を有するものを意味する。これらの構造は2種以上を同時に含んでいてもよく、この場合、本明細書では、主として酸化防止効果を発揮する部分に応じて、各酸化防止剤を分類する。
これらの中でも、アルキル基、アリール基が好ましく、特に好ましいのはアルキル基である。
本発明の熱可塑性樹脂用粒子の製造方法では、少なくとも界面活性剤の存在下で、モノマー成分の重合を行い、上記モノマー成分中、(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマーと(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマーとの質量比が75:25〜95:5であり、上記モノマー成分100質量%中、上記(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマーと上記(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマーとの合計が80質量%以上である。(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマーは一般的に粘度が高い傾向があり、後述の液滴懸濁体組成物を調製時に比較的小さな液滴径を得るためには多量の分散剤と強力な撹拌力が必要となる。これに対し、本発明の熱可塑性樹脂用粒子の製造方法では、少なくとも界面活性剤の存在下で反応させることにより、界面活性剤が分散剤として効果的に機能し、目的の粒子径の重合体粒子を得ることができる。また、界面活性剤は重合後の粒子へ残留しにくいため、耐熱性に非常に優れた熱可塑性樹脂用粒子を効率良く得ることができる。
2−1−1 界面活性剤
本発明の熱可塑性樹脂用粒子の製造方法で用いられる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は分散剤として使用される。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等がある。両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩がより好ましく、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルのアンモニウム塩がさらに好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂用粒子の製造方法では、界面活性剤以外の他の分散剤を併用してもよい。他の分散剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、トラガント、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;アルギン酸塩、ゼイン、カゼイン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、タルク、粘土、ケイソウ土、ベントナイト、水酸化チタン、水酸化トリウム、金属酸化物粉末等が挙げられる。
上記分散剤の合計使用量は、得られる熱可塑性樹脂用粒子の粒子径が所定の大きさとなるように、その組成や使用量を適宜調節して使用すべきものであり、例えば、モノマー成分の合計100質量部に対して例えば0.01質量部〜10質量部、より好ましくは0.05質量部〜5質量部、さらに好ましくは1質量部〜2質量部である。
本発明の熱可塑性樹脂用粒子の製造方法におけるモノマー成分の(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマーと(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマーとの質量比は75:25〜95:5であり、80:20〜95:5が好ましく、85:15〜95:5がより好ましく、88:12〜92:8がさらに好ましい。また、(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマーと(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマーに加えて、他のモノマーを重合させてもよい。上記モノマー成分100質量%中、上記(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマーと上記(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマーとの合計は80質量%以上であり、好ましくは90質量%以上であり、95質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。
(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマー、(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマー、他のモノマーとしては、上記と好ましい態様を同じとする。
また、上記モノマー成分に加えて、例えば、顔料、可塑剤、重合安定剤、蛍光増白剤、磁性粉、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤等の添加剤、重合開始剤、酸化防止剤等を加えてもよい。なお、重合反応は溶媒中で行うことが好ましいが、この場合、上記他の成分を加えたモノマー組成物は予め調製したものを溶媒に投入してもよいし、各構成成分や添加剤等を別々に溶媒に投入し、溶媒中で混合してもよい。
(1)モノマー成分に重合開始剤、酸化防止剤を分散、溶解することによりモノマー組成物を調製する工程、
(2)少なくとも界面活性剤を含む分散剤を分散、溶解してなる溶媒中に、上記モノマー組成物を懸濁させて液滴懸濁体組成物を調製する工程、
(3)上記液滴懸濁体組成物の重合反応を開始させ(加熱するなどにより)、液滴状のモノマー組成物を重合し、重合体微粒子が溶媒中に分散含有されてなる分散液を調製する工程。
−S−S−基を有する化合物として具体的には、ジアリルジスルフィド、ジチオジプロピオン酸ジオクチルエステル等が挙げられる。
−COOH基を有する化合物としては、例えばケイ皮酸、安息香酸、クロル安息香酸、フタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。
−NO2基を有する化合物としては、ニトロベンゼン、ニトロトルエン、ニトロキシレン、ニトロナフタリン、ニトロアニリン等が挙げられる。
またOH基を有する化合物としては、アミノクレゾール、アミノナフトール、m−クレゾール、オキシアントラセン、オキシアントラキノン、オキサントロン、3−オキシ−9−アントロン、オキシナフトキノン、ジオキシアントラセン、ジオキシアントラキノン、1,5−ジオキシナフタリン、1,8−ジオキシナフタリン、2,6−ジオキシナフタリン、3,5−ジメチルフェノール、ナフトール等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂用粒子は、従来の粒子に比べて、窒素中での5%重量減少温度が高く、耐熱性に優れる。従って、本発明の熱可塑性樹脂用粒子は、窒素雰囲気下等の非酸化性雰囲気中で樹脂に対して溶融混合した場合に分解物を発生し難く、樹脂の着色や残留気泡等を生じにくいため、樹脂用添加剤として好適に使用できる。特にフィルム用添加剤として好適に使用できる。本発明の熱可塑性樹脂用粒子を添加する樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、好ましくはポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、比較的融点が高く、溶融混合を高い温度で行う必要があるポリエステル樹脂の添加剤として本発明の熱可塑性樹脂用粒子を用いると、より本発明の効果が発揮される。
上述したように、本発明の熱可塑性樹脂用粒子は樹脂用添加剤として有用である。また、本発明の熱可塑性樹脂用粒子は耐熱性に優れるため、溶融加工温度を高くすることができ、より低い溶融粘度での混合が可能となる。そのため、樹脂に対する熱可塑性樹脂用粒子の配合量を高くしても、熱可塑性樹脂用粒子を均一に分散させやすい。よって、本発明の熱可塑性樹脂用粒子と樹脂とを含むマスターバッチも好ましい態様である。
本発明の熱可塑性樹脂用粒子と樹脂とを含む樹脂組成物も好ましい態様である。本発明の熱可塑性樹脂用粒子は、窒素雰囲気下等の非酸化性雰囲気中で樹脂に対して溶融混合した場合に分解物を発生しにくいため、着色や残留気泡等が抑制された樹脂組成物が得られる。また、本発明の熱可塑性樹脂用粒子は、樹脂組成物を加熱成型する際にも、分解物を発生しにくいため、着色や残留気泡等が抑制された樹脂成型体が得られる。樹脂組成物は、上記マスターバッチと樹脂とを混合して調製してもよいし、本発明の熱可塑性樹脂用粒子と樹脂を混合して、直接、樹脂組成物を調製してもよい。
樹脂組成物を、フィルム等に成型する方法としては、射出成形、押出成形等の加熱成形;樹脂組成物を溶剤で希釈して、液状の樹脂組成物を基材となる支持体に塗布する方法;等が挙げられる。
(1) 体積平均粒子径
粒度分布測定装置(「コールターマルチサイザーIII型」ベックマンコールター社製)により30,000個の粒子の粒子径を測定し、体積基準の粒子径分布より、体積平均粒子径、粒子径の標準偏差を求めるとともに、下記式に従って粒子径のCV値(変動係数)を算出した。
粒子径のCV値(%)=100×(粒子径の標準偏差/体積平均粒子径)
得られた熱可塑性樹脂用粒子及びアクリル架橋粒子の熱分解評価は、熱分析装置(「示差熱熱重量同時測定装置STA7200」株式会社日立ハイテクサイエンス製)を使用して、試料量10mg、窒素雰囲気中、流量200ml/分、昇温速度10℃/分で測定した。そして、得られたTG(Thermo gravity)曲線から熱可塑性樹脂用粒子及びアクリル架橋粒子の耐熱性を評価した。
ビーカーにトリメチロールプロパントリメタクリレート[TMPTMA、(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマー]90部、メタクリル酸メチル[MMA、(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマー]10部、ラウリルパーオキサイド(LPO)0.5部、チオサリチル酸(TSA)1.0部を加え溶解した。撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器および温度計を備えたフラスコに、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(商品名「ハイテノール(登録商標)NF−08」、第一工業製薬株式会社製)1.0部を溶解した脱イオン水150部を仕込み、ビーカーの溶液を加え、T.K.ホモジナイザー(特殊機化工業株式会社製)により10000rpmで7分間撹拌して均一な懸濁液とし、脱イオン水250部を添加した。
次いで、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら液温が65℃になるまで加熱して、反応容器を65℃に保温した。自己発熱により液温が74℃に到達した時点を反応開始とし、この温度で1時間撹拌を続けた後、重合液をさらに85℃まで昇温させて1.5時間撹拌して重合反応を完了した。反応液を冷却、ろ過し、重合生成物を80℃、12時間熱風乾燥して、熱可塑性樹脂用粒子を得た。
トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)80部、メタクリル酸メチル(MMA)20部に変更したこと以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂用粒子を製造した。得られた熱可塑性樹脂用粒子の評価結果を表1に示した。
トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)100部に変更し、メタクリル酸メチル(MMA)を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にしてアクリル架橋粒子を製造した。得られたアクリル架橋粒子の評価結果を表1に示した。
トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)70部、メタクリル酸メチル(MMA)30部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてアクリル架橋粒子を製造した。得られたアクリル架橋粒子の評価結果を表1に示した。
トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)50部、メタクリル酸メチル(MMA)50部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてアクリル架橋粒子を製造した。得られたアクリル架橋粒子の評価結果を表1に示した。
Claims (3)
- (a)多官能(メタ)アクリレート系モノマー由来の構成単位と(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマー由来の構成単位との質量比が75:25〜95:5であって、
前記(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマー由来の構成単位と前記(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマー由来の構成単位との合計が、全てのモノマー成分由来の構成単位100質量%中80質量%以上であり、
窒素中での5%重量減少温度が350℃以上である、
熱可塑性樹脂用粒子。 - 請求項1に記載の熱可塑性樹脂用粒子と、熱可塑性樹脂とを含有する
マスターバッチ。 - 少なくとも界面活性剤の存在下でモノマー成分の重合を行い、
前記モノマー成分中、(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマーと(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマーとの質量比が75:25〜95:5であり、
前記モノマー成分100質量%中、前記(a)多官能(メタ)アクリレート系モノマーと前記(b)単官能(メタ)アクリレート系モノマーとの合計が80質量%以上である、
請求項1に記載の熱可塑性樹脂用粒子の製造方法。
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