JP5572383B2 - 耐熱性に優れた有機重合体微粒子およびその製造方法、並びにこれを用いた光学用部材 - Google Patents

耐熱性に優れた有機重合体微粒子およびその製造方法、並びにこれを用いた光学用部材 Download PDF

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Description

本発明は、有機重合体微粒子に関し、より詳しくは、耐熱性に優れる有機重合体微粒子に関する。
従来、樹脂成形品の耐ブロッキング性や滑り性などの物性の向上や、更なる特性の付与を目的として、基材樹脂に、有機質あるいは無機質の微粒子を含有させた樹脂組成物が提案されている。かかる微粒子は、基材樹脂と混合して用いられることが多いため、微粒子の耐熱性が劣っていると、成形加工時の加熱により分解して、成形品の外観不良(ボイドや着色等)を起こしたり、機械的特性を低下させるという問題があるため、耐熱性に優れた微粒子が求められている。
例えば、特許文献1〜5には、−SH、−S−S−、−COOH、−NO2および−OHからなる群から選ばれる構造単位を有し、且つ、水に不溶で、モノマー成分に難溶な化合物の存在下でモノマー成分の懸濁重合を行うことにより得られる、耐熱性が向上された微粒子が開示されている。また、特許文献6には、1つの不飽和結合を有するモノビニル化合物と、分子中に2個以上の脂肪族の不飽和結合を有する化合物とを共重合させた、熱分解開始温度が260℃以上、350℃未満の有機高分子微粒子が記載されている。さらに、特許文献7には、耐熱性が360℃以上のジビニルベンゼン・スチレン架橋粒子が開示されており、当該粒子は、スチレンと、ジビニルベンゼンと、特定の有機化合物とをモノマー成分とし、耐熱性を向上させるために上記ジビニルベンゼンを特定量使用することが記載されている。特許文献8には、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを必須成分として含む熱分解開始温度が300℃以上の有機質無機質複合体微粒子が開示されている。
特開平6−73106号公報 特開平10−7730号公報 特開平7−165847号公報 特開平8−183807号公報 特開2003−171426号公報 特開平8−109318号公報 特開2006−16422号公報 特開2004−75995号公報
また、上述のような微粒子は、近年、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの各種ディスプレイ装置に光拡散性、反射防止防眩性を付与する光学用樹脂材料としても用いられており、かかる光学用途に使用する場合には高い耐熱性と共に、微粒子の色調が無色、透明に近く、かつ、加熱された場合においても色調の変化が少ないものであることが求められている。
しかしながら、いずれの技術でも今日の高い要求を満たすような物性(耐熱性や色調)を備えた微粒子を得ることは困難であった。
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、その目的は、耐熱性に優れ、初期の色調が良好であることに加え、加熱前後における色調の変化が少ない有機重合体微粒子とその製造方法を提供することである。
本発明の重合体微粒子とは、硫黄系酸化防止剤を必須的に含む酸化防止剤を10ppm以上(質量基準)含み、且つ、熱分解開始温度が290℃以上であるところに要旨を有するものである。このように、酸化防止剤として、硫黄系酸化防止剤を必須的に含むものは、耐熱性に優れると共に、微粒子の初期の色調も良好(無色、透明に近い)となるので好ましい。なお、上記酸化防止剤の含有量は100ppm以上であるのが好ましい。
上記有機重合体微粒子からなる粉体を、空気雰囲気下、100℃で1時間加熱した前後におけるb値の変化量(Δb)が1.0以下であるのが好ましい。
上記酸化防止剤は、さらにヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、およびラクトン系酸化防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含み、且つ、有機重合体微粒子に含まれるこれらの酸化防止剤の合計量が20ppm(質量基準)以上であるのが好ましい。また、上記熱分解開始温度は300℃以上であるのがより好ましい。
本発明の有機重合体微粒子は、硫黄系酸化防止剤と単量体成分とを含む単量体組成物をラジカル重合させて得られるものであり、且つ、上記単量体組成物中における硫黄系酸化防止剤の含有量が、単量体成分総量に対して100ppm以上であるのが好ましい。
本発明の製造方法とは、上記有機重合体微粒子の製造方法であって、硫黄系酸化防止剤を必須的に含む酸化防止剤の存在下で、単量体成分のラジカル重合を行うところに要旨を有するものである。
上記硫黄系酸化防止剤の含有量は、単量体成分総量に対して100ppm以上であるのが望ましい。
上記酸化防止剤は、さらにヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、およびラクトン系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であるのが好ましく、重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤または有機過酸化物系重合開始剤を用いることが推奨される。
さらに、本発明には、上記有機重合体微粒子を含む樹脂組成物も含まれる。また、この樹脂組成物から得られる光拡散板、および、基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも片面に、上記樹脂組成物を含む塗布液を塗工して得られる光拡散シート、並びに、上記樹脂組成物から得られる溶融押出成形体は、本発明の好ましい実施態様である。
本発明の有機重合体微粒子は、耐熱性が高められているため、加熱環境下においても好ましくない劣化が生じ難いものである。また、本発明の有機重合体微粒子は、初期の色調のみならず、加熱前後における色調変化が生じ難いものである。したがって、本発明の微粒子を含む樹脂組成物は、各種画像表示装置の光拡散板(シート)など無色で高い透明性が求められる光学用途等に好適である。また、本発明によれば、充分量の酸化防止剤を重合体微粒子中に分散させることができるので、優れた耐熱性を有し、この特性の偏析がない有機重合体微粒子を得ることができる。
従って、本発明の有機重合体微粒子は、光拡散板、光拡散シートおよび光拡散フィルム等の光学部材の材料として好適であり、本発明の有機重合体微粒子を用いて製造された光学部材は、輝度の低下や、着色を生じ難いものとなる。
本発明の有機重合体微粒子の形態を示す模式図である。
本発明の有機重合体微粒子とは、硫黄系酸化防止剤を必須的に含む酸化防止剤を10ppm以上(質量基準)含み、熱分解開始温度が290℃以上であるところに特徴を有するものである。
上述のように、有機重合体微粒子に対する要求は年々高まる傾向にあり、特に、他の樹脂と混合して使用する観点からは、耐熱性や色調などの物性を一層向上させることが求められている。そこで、まず、耐熱性を向上させる観点から検討を重ねた結果、本発明者らは、特定の酸化防止剤を含有する有機重合体微粒子は、耐熱性のみならず、初期の色調に優れ(無色・透明に近い)、且つ、加熱前後における色調の変化が少ないことを見出し、本発明を完成した。
本発明の有機重合体微粒子の熱分解開始温度は290℃以上である。熱分解開始温度が290℃未満では、当該微粒子を軟化溶融させた樹脂と混合する際に粒子が分解してしまい、有機重合体微粒子に由来する特性が得られなくなるのはもちろんのこと、成形品に着色やボイド等を生じる虞がある。より好ましくは300℃以上である。なお、本発明では、熱分析装置(例えば、株式会社島津製作所製のDTG−50Mなど)を使用して、後述する実施例に記載の条件下で有機重合体微粒子を熱分解させ、このとき得られたTG曲線のベースラインと急激な重量減少部分の接線との交点を熱分解開始温度とする(接線交点法)。
上述のように本発明の有機重合体微粒子は、酸化防止剤を含むものである。図1は、本発明の有機重合体微粒子の態様を模式的に表した図であるが、この図1に示すように酸化防止剤を含む本願発明の有機重合体微粒子態様としては、有機重合体微粒子の表面に酸化防止剤が付着する態様(第1の態様、図1の(a))、有機重合体微粒子の表面近傍に酸化防止剤を含有する層が存在する態様(第2の態様、図1の(b))、そして、有機重合体微粒子の内部全体に酸化防止剤が分散している態様(第3の態様、図1の(c))が挙げられる。特性の偏析を防止し、粒子全体が優れた耐熱性を示す有機重合体粒子とするためには、有機重合体微粒子の内部に、酸化防止剤が分散して存在している第3の態様が好ましい。なお、かかる有機重合体微粒子の態様は、微粒子を切断し、その切断面を、元素マッピング可能な分析装置(例えば、X線マイクロアナライザー(EPMA)等)で分析し、微粒子の表面近傍や微粒子内部の状態を観察することにより確認できる。
上記第1の態様の有機重合体微粒子は、重合により得られた重合体粒子(乾燥した微粒子、微粒子分散液のいずれでも良い)と、酸化防止剤(粉状、液状のいずれでもよい)とを混合することで得られ、表面に、酸化防止剤層を有する第2の態様の有機重合体微粒子は、重合後の微粒子分散液、あるいは、生成した有機重合体微粒子を、適当な溶剤に溶解あるいは分散させた酸化防止剤溶液中に浸漬させて、酸化防止剤を微粒子の表層部含浸させることにより得られる。さらに、有機重合体微粒子の内部に酸化防止剤が分散した第3の態様の有機重合体微粒子は、酸化防止剤の存在下で重合反応を行なう方法により得られるものである(詳しくは後述する)。なお、上記3態様の中でも第2、第3の態様が好ましく、特に、第3の態様の場合には、硫黄系酸化防止剤を使用することによる効果が高いため好ましい。
本発明の有機重合体微粒子は、硫黄系酸化防止剤を必須的に含むものである。ここで、硫黄系酸化防止剤とは、その構造中に硫黄原子を含むものを意味する。このように硫黄系酸化防止剤を必須の酸化防止剤成分とする有機重合体微粒子は、耐熱性に優れるのはもちろんのこと、初期の色調(b値)が低く、加熱前後における色調の変化、例えば、初期b値と、耐熱試験後のb値との差(Δb値)が小さくなり、色調の変化が少ないものとなる。さらに、硫黄系酸化防止剤の共存下で重合性単量体成分を重合させて本発明の有機重合体微粒子を得た場合には、他の酸化防止剤を用いる場合に比べて、重合反応時の誘導時間を短くすることができる。なお、本発明において、誘導時間とは、重合液を昇温し、液温が65℃に到達した時点で加熱をやめ65℃に保持した後、重合液が自己発熱で75℃に到達するまでの時間を意味する。また、重合液の温度が75℃に到達した時点を、重合開始時点とする。
なお、本発明に係る硫黄系酸化防止剤には、従来公知の酸化防止剤として知られるものに加えて、硫黄元素を含み、酸化防止機能を有する化合物が含まれる。以下、本明細書において硫黄系酸化防止剤とは、特に断りのない限り、硫黄元素を含み、且つ、酸化防止機能を有する化合物を意味する。
従来公知の硫黄系酸化防止剤としては、芳香環を有するものとして、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等、芳香環を有さないものとして、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジドデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3−チオプロピオネート、ジトリデシル−3,3−チオジプロピオネート等などが挙げられる。これらの中でも、チオエーテル系化合物(C−S−C結合を有する)が好ましく、特に、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましい。これらの硫黄系酸化防止剤は、安価に入手できるので好ましい。
また、下記式(1)で表される構造単位を有する化合物(I)も、本発明に係る硫黄系酸化防止剤として好ましく使用できる。
Figure 0005572383
尚、式(1)中、nは1〜5の整数(好ましくは、n=2)を意味する。
化合物(I)の中でも、上記式(1)で表される構造単位を分子内に2個以上有する化合物が好ましい。より好ましくは、上記式(1)で表される構造単位を分子内に2〜4個有する化合物であり、特に好ましいのは、上記式(1)で表される構造単位を分子内に4個有する化合物である。
また、上記化合物(I)の中でも、下記式(2)で表される構造単位を有する化合物(II)が好ましい。化合物(II)としてより好ましいのは、分子中に下記式(2)で示される構造単位を2〜4個有する化合物であり、さらに好ましくは、下記式(2)で示される構造単位を4個有する化合物である。
Figure 0005572383
ここで、nは1〜5の整数(好ましくはn=2)であり、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基であり、Rは置換基を有していてもよい。
上記アルキル基としては、耐熱性向上の効果が高い点で、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、より好ましくは3〜20、さらに好ましくは6〜18、特に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基である。例えば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、ミリスチル基、オクタデシル基(ステアリル基)等のアルキル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、トリル基、o−キシリル基などが挙げられる。これらの中でも、フェニル基、ヒドロキシフェニル基が好ましい。
アラルキル基としては、ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、フェニルベンジル基、ナフチルメチル基などが挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基などが挙げられる。
これらの中でも、アルキル基、アリール基が好ましく、特に好ましいのはアルキル基である。
上記置換基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などが例示される。
上記式(2)で表される構造単位を4個有する化合物(II)としては、例えば、ペンタエリスリチルテトラキス(3−アルキルチオプロピオネート)化合物が好ましく挙げられる。具体的には、ペンタエリスリチルテトラキス(3−メチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−エチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−プロピルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ブチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ヘキシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−オクチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−トリデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−フェニルチオプロピオネート)などが例示される。中でも、炭素数3〜20のアルキル基を有するものが好ましく、さらに好ましくはアルキル基の炭素数が6〜18、特に好ましくはアルキル基の炭素数が12〜18の化合物である。
特に、炭素数12のアルキル基を有する、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)は工業的に入手し易く好ましい。
また、化合物(I)の中でも、下記式(3)で示される構造単位を有する化合物(III)も、本発明に係る硫黄系酸化防止剤として好ましく用いられる。
Figure 0005572383
式(3)中、nは1〜5の整数(好ましくはn=2)である。
上記式(3)で示される構造単位を有する化合物(III)の中でも、下記式(4)で示される構造単位を有する化合物はより好ましい。
Figure 0005572383
nは1〜5の整数(好ましくはn=2)である。
式(4)中、R2およびR3は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であり、また、R2およびR3は置換基を有していてもよい。なお、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基としては、上記化合物(II)におけるR1の場合と同様のものが好ましく例示できる。尚、R2およびR3として好ましいのは、アルキル基、アリール基であり、特に好ましいのは、アルキル基である。
上記置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基などが例示される。
式(4)で表される構造単位を有する化合物(III)としては、例えば、ジアルキル−3,3’−チオジプロピオネート化合物が好ましく挙げられる。具体的には、ジメチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジエチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジプロピル−3,3’−チオジプロピオネート、ジブチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジヘキシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジオクチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジドデシル−3,3’−チオジプロピオネート(ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート)、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル−3,3’−チオジプロピオネート(ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート)などが例示される。これらの中でも、炭素数3〜20のアルキル基を有するものが好ましく、より好ましくはアルキル基の炭素数が6〜18の化合物、さらに好ましくはアルキル基の炭素数が12〜18の化合物である。
特に、炭素数12〜18のアルキル基を有するジドデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル−3,3’−チオジプロピオネートは工業的に入手が容易であるので好ましい。
なお、本発明に係る有機重合体微粒子は、硫黄系酸化防止剤を単独で含むものであってもよいが、硫黄系酸化防止剤に加えて、その他の酸化防止剤を含むものであってもよい。その他の酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤、およびビタミンE系酸化防止剤などが挙げられる。なお、上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤とは、当該酸化防止剤の構造中に、パラ置換2,6−ジ−tert−ブチルフェノール構造を有するものを意味し、リン系酸化防止剤は、その構造中にリン原子を含むもの、ラクトン系酸化防止剤は、環状のエステル構造を有するものを意味する。これらの構造は2種以上を同時に含んでいてもよく、この場合、本明細書では、主として酸化防止効果を発揮する部分に応じて、各酸化防止剤を分類する。
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−1−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルベンゼンとの反応生成物、ジエチル[[3,5‐ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、オクタデシル−3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2’,3−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]プロピオノヒドラジド等;リン系酸化防止剤としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト等;ラクトン系酸化防止剤としては、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンの反応生成物(CAS No.181314-48-7)等;還元型牛脂を原料としたアルキルアミンの酸化生成物等のヒドロキシルアミン系酸化防止剤;3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−ベンゾピラン−6−オール等のビタミンE系酸化防止剤が挙げられる。
上記酸化防止剤の中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、およびラクトン系酸化防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種以上のものであるのが好ましい。特に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、リン系酸化防止剤としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、ラクトン系酸化防止剤としては、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンの反応生成物が好ましい。
上記酸化防止剤は、本発明に係る有機重合体微粒子中に約10ppm以上含まれているが、好ましくは15ppm以上であり、より好ましくは50ppm以上であり、さらに好ましくは100ppm以上であり、特に好ましくは200ppm以上、500ppm以上であるのがより一層好ましく、最も好ましいのは0.1%以上である。酸化防止剤の含有量が少なすぎる場合には、耐熱性向上の効果が得られ難い場合がある。上限は特に限定されないが、5%以下であるのが好ましく、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。なお、本発明に係る有機重合体微粒子が、硫黄系酸化防止剤を単独で含むものである場合、その含有量は、上記含有量の範囲内とするのが好ましい。一方、本発明に係る有機重合体微粒子が、硫黄系酸化防止剤に加えて、その他の酸化防止剤を含む場合には、これらの酸化防止剤の含有量の合計が上記範囲内となるようにするのが好ましい。
本発明に係る有機重合体微粒子は、硫黄系酸化防止剤の形態で硫黄元素を含むものであるのが好ましい。また、有機重合体微粒子における硫黄元素の含有量は、硫黄原子の量に換算して1ppm以上であるのが好ましい。より好ましくは10ppm以上であり、さらに好ましくは55ppm以上であり、特に好ましくは110pm以上であり、5500ppm以下であるのが好ましく、より好ましくは3300ppm以下、特に好ましくは1100ppm以下である。また、好ましい範囲としては、10〜5500ppmであるのが好ましく、より好ましくは55〜3300ppmであり、さらに好ましくは110〜1100ppmである。
本発明に係る有機重合体微粒子における硫黄元素の存在態様としては、(1)硫黄系酸化防止剤としてのみ含まれる態様と、(2)硫黄系酸化防止剤として含まれるものと、硫黄系酸化防止剤とは異なる形態で含まれるものとが共存する態様、があり得るが、後者(2)の態様の場合は、より耐熱性に優れるため好ましい。上記(2)の態様の硫黄系酸化防止剤とは異なる形態は、(3)有機重合体微粒子中に、硫黄原子が硫黄系酸化防止剤に由来する成分として含まれている形態(例えば、有機重合体微粒子の合成中に、当該有機微粒子を構成するポリマー鎖に取り込まれた形態)であるのが好ましい。上記(3)の形態は、例えば、硫黄系酸化防止剤の共存下で単量体成分のラジカル重合を行う場合に生成する。
本発明に係る有機重合体微粒子中の酸化防止剤の含有量は、後記実施例において詳述するが、例えば、有機重合体微粒子を適当な溶媒に溶解させた後、あるいは、有機重合体微粒子から酸化防止剤を溶媒中に抽出させた後、高速液体カラムクロマトグラフィー(例えば、株式会社資生堂製の「NANOSPACE SI−2」など)により分析し、予め酸化防止剤のみを用いて作成した標準溶液の検量線から、有機重合体微粒子中の酸化防止剤含有量を算出することができる。また、硫黄元素の含有量は、例えば、誘導結合高周波プラズマ発光分光分析法(ICP:Inductively Coupled Plasma)や、質量分析法により分析できる。
本発明の有機重合体微粒子を構成する単量体成分としては、(メタ)アクリル系モノマーや、この(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーがいずれも使用可能である。
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの(メタ)アクリル系モノマーは1種を単独で用いてもよく、複数種を組合せて用いてもよい。なお、本発明に係る有機重合体微粒子は、上記(メタ)アクリル系モノマーを主成分とするものであるのが好ましく、具体的には上記(メタ)アクリル系モノマーを50〜100質量%含むものが好ましく、より好ましくは60〜100質量%を上記(メタ)アクリル系モノマーとすることが推奨される。
また、上述の(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーとして、分子中に複数の重合性二重結合基を有する架橋性(メタ)アクリル系モノマーを使用してもよい。かかる単量体成分を用いることで、分子間に架橋構造を有する有機重合体微粒子が得られる。このような架橋性(メタ)アクリル系モノマーとしては、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸デカエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタデカエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタコンタヘクタエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、メタクリル酸アリル、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、テトラメタクリル酸ペンタエリスリトール、ジメタクリル酸フタル酸ジエチレングリコール等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。
さらに、上述の(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーとして、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン系モノマー、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、および、これらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等の架橋剤、ポリブタジエンおよび特公昭57−56507号公報、特開昭59−221304号公報、特開昭59−221305号公報、特開昭59−221306号公報、特開昭59−221307号公報等に記載される反応性重合体などを使用してもよい。
上記(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なモノマー成分は、1種を単独で使用してもよく、また、複数を組合せて用いてもよい。
本発明の有機重合体微粒子は、平均粒径が0.5〜40μmであるのが好ましい。より好ましくは0.5〜30μmであり、さらに好ましくは1〜20μmである。なお、上記「平均粒径」とは、コールター原理を使用した精密粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター社製の「コールターマルチサイザーIII」)により測定される値である。
また、酸化防止剤を含む本発明の有機重合体微粒子は、初期b値が−1.0〜3であるのが好ましい。より好ましくは−0.5〜1.5であり、さらに好ましくは−0.3〜1.0である。ここで、b値は、その値が大きいほど有機重合体微粒子が黄味を帯びていることを示しており、小さいほど(マイナスの値)青味を帯びていることを示し、b値が0付近では、無色であることを示す。なお、上記初期b値は、製造直後の有機重合体微粒子の色相を示しており、すなわち、初期b値が上記範囲である本発明の有機重合体微粒子は、限りなく無色に近い色調を有するものであると言える。
なお、上記b値は、色差計により測定されるL,a,bのうちのb値を意味する。例えば、b値は、日本電色工業株式会社製の分光色差計「SE2000」を用いて、有機重合体微粒子の粉体状態における反射光を測定することにより求められる。
また、本発明に係る有機重合体微粒子は、空気雰囲気下、100℃で1時間加熱した前後におけるb値の変化量(Δb)が1.0以下であるのが好ましい。より好ましくは0.5以下であり、さらに好ましくは0.1以下であり、特に好ましくは0.05以下である。Δbの値が小さい程、加熱後における有機重合体微粒子の色相の変化が少ないことを示す。
次に、本発明の有機重合体微粒子の製造方法について説明する。上述のように、本発明に係る有機重合体微粒子は、様々な方法(第1の態様、第2の態様、第3の態様)等で製造できるが、これらの中でも、酸化防止剤の存在下で重合反応を行なう方法(第3の態様)により得られるものであるのが好ましい。すなわち、本発明の製造方法とは、酸化防止剤の存在下で、単量体成分のラジカル重合を行うところに特徴を有する方法である。このように、酸化防止剤の存在下で重合反応を進行させれば、生成する重合体内に酸化防止剤が取り込まれるため、酸化防止剤の偏析が生じ難く、生成する有機重合体微粒子中に酸化防止剤が分散し、耐熱性に優れた有機重合体微粒子が得られる。
なお、酸化防止剤はラジカルを捕捉する効果を有するため、フリー(遊離)ラジカルを重合反応の原動力とするラジカル重合では、通常、酸化防止剤は用いられない。これは、反応系内に酸化防止剤が存在すると、重合反応が進行し難くなり、重合率が低下するためである。したがって、酸化防止剤の存在下でラジカル重合するという点は、本発明と従来技術との最大の相違点である。
また、上述したように、本発明では硫黄系酸化防止剤を用いるため、他の酸化防止剤を用いる場合に比べて、重合反応が開始するまでの誘導時間を短くすることができる。
本発明法においては、乳化重合、懸濁重合、シード重合などの公知の重合方法はいずれも採用できる。これらの中でも懸濁重合法やシード重合法が好ましい。重合反応時には溶媒を使用してもよく、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチルなどのエステル類等の有機溶媒が使用できる。
懸濁重合とは、一般的には、単量体成分からなる単量体組成物を、水に分散、懸濁させることにより得られた液滴懸濁体組成物を重合せしめることにより、重合体微粒子が水中に分散含有されてなる分散液を得る方法である。
液滴懸濁体組成物を調製する際には、単量体組成物を水中に懸濁させる手段として従来公知の分散、懸濁方法、装置を採用することができる。例えば、T.K.ホモミキサー、ラインミキサー(例えばエバラマイルダー(登録商標))などの高速攪拌機が使用できる。
また、上記単量体組成物の液滴の粒子径を制御し、安定化させるためには、液滴懸濁体組成物の調製時に、後述する分散安定剤を共存させることが好ましい。なお、前記第3の態様「酸化防止剤が微粒子の内部に含有される態様」の微粒子を調製する際には、酸化防止剤を単量体組成物に分散溶解させておくのが好ましい。
重合開始剤(後述する)は、重合反応時に懸濁体組成物中に存在していればよいが、液滴懸濁体組成物調製時に、単量体組成物相あるいは水相に分散、溶解させておくのが好ましく、特に、単量体組成物に予め溶解せしめておく態様が好ましい。重合反応は、撹拌下で行うことが好ましい。撹拌は、パドル翼、タービン翼、ブルーマージン翼、プロペラ翼など従来公知の撹拌翼を用いた撹拌を採用し得る。
したがって、懸濁重合は、以下の工程よりなるものであるのが好ましい。
(1)単量体成分に重合開始剤、酸化防止剤を分散、溶解することにより単量体組成物を調製する工程、
(2)分散安定剤(必要に応じて用いられる)を分散、溶解してなる水中に、前記単量体組成物を懸濁させて液滴懸濁体組成物を調製する工程、
(3)前記液滴懸濁体組成物の重合反応を開始させ(加熱するなどにより)、液滴状の単量体組成物を重合せしめ、重合体微粒子が水中に分散含有されてなる分散液を調製する工程。
酸化防止剤としては上述のものが用いられるが、本発明の製造方法は、酸化防止剤の存在下で、上述の単量体成分をラジカル重合させるものであるため、酸化防止剤は、上記単量体成分や重合溶媒に溶解するものであるのが好ましい。酸化防止剤の配合量は、単量体成分総量に対して0.01(100ppm)〜5質量%とするのが好ましい。より好ましくは0.05(500ppm)〜3質量%であり、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。なお、酸化防止剤として、硫黄系酸化防止剤を単独で用いる場合、硫黄系の酸化防止剤と他の酸化防止剤とを併用する場合のいずれの場合も、上記配合量の範囲とするのが好ましい。
重合反応には、重合開始剤を用いてもよく、また、放射線の照射や、熱を加えて重合を開始させる方法を採用してもよい。上記重合開始剤としては、通常、ラジカル重合に用いられるものはいずれも使用可能であり、例えば、過酸化物系開始剤や、アゾ系開始剤等が使用可能である。
上記過酸化物系開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3‐ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メチキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。これらの重合開始剤は、重合性単量体成分に対して、0.01〜20質量%、特に、0.1〜10質量%使用するのが好ましい。
重合温度は、60〜100℃であるのが好ましく、より好ましくは65〜95℃、さらに好ましくは70〜90℃である。重合反応は2〜7時間とするのが好ましく、より好ましくは2.5〜5時間であり、さらに好ましくは3〜4.5時間である。また、重合反応は、pH4〜10の範囲で行うのが好ましい。
また、重合反応時には、重合反応を安定に進めるため、分散安定剤を使用しても良い。上記分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、トラガント、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤;両性イオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤、その他アルギン酸塩、ゼイン、カゼイン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、タルク、粘土、ケイソウ土、ベントナイト、水酸化チタン、水酸化トリウム、金属酸化物粉末等が用いられる。
上記アニオン性界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等がある。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等がある。
カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等がある。両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド等がある。
上記分散安定剤は、所望する有機重合体微粒子のサイズに応じてその使用量を適宜調整すればよい。例えば、粒子径1〜20μmの有機重合体微粒子を得たい場合であれば、単量体成分100質量部に対して0.01〜10部、より好ましくは0.05〜5部、さらに好ましくは1〜2部とすることが推奨される。
上記酸化防止剤や分散安定剤以外にも、必要に応じて各種添加剤を使用してもよい。具体的には、顔料、可塑剤、重合安定剤、蛍光増白剤、磁性粉、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤などが挙げられる。
一方、シード重合法とは、乳化重合法の一態様であり、有機重合体微粒子の前駆体となるシード粒子を製造し、このシード粒子に重合性の単量体成分を吸収させた後、単量体成分を重合させて有機重合体微粒子を得る方法である。シード重合法は、他の重合方法に比べて、重合体微粒子の重合度や粒子径のコントロールがより容易に行えるという利点がある。また、シード粒子を構成する単量体成分とシード粒子に吸収させる単量体成分とで、単量体成分組成を変更することで、重合体微粒子の物性をコントロールできる。
シード重合法を採用する場合、酸化防止剤の添加のタイミングは、シード粒子の製造段階、重合性単量体成分の吸収段階のいずれであってもよいが、酸化防止剤による効果を有効に発揮させる観点からは、吸収段階で酸化防止剤を添加し、単量体成分と同時にシード粒子中に吸収させるのが好ましい。単量体成分と、硫黄系酸化防止剤を必須的に含む酸化防止剤とを含む単量体組成物を、シード粒子に吸収させることがより好ましい。
酸化防止剤の配合量は、懸濁重合法の場合と同様、単量体成分総量に対して0.01質量%以上とするのが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。特に0.1〜1質量%が好適である。
シード粒子は、水と乳化剤を含む反応溶媒中で、単量体成分を分散、重合させる事で得られる。単量体成分としては、上述の(メタ)アクリル系モノマー、これと共重合可能なモノマーのいずれも使用可能である。
上記乳化剤としては、上述の各種界面活性剤を使用できるが、中でも、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。乳化剤の使用量は、単量体成分の種類や所望の粒子径によって適宜選択すればよいが、通常、シード粒子の原料として用いる単量体成分に対して0.01〜10質量%とするが好ましい。より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、8質量%以下とするのがより好ましく、さらに好ましくは5質量%以下である。
重合開始剤も、上記懸濁重合法の場合と同様のものが使用可能である。使用量は、単量体成分に対して0.01〜20質量%とするのが好ましい。より好ましくは0.1〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
シード粒子の製造時の反応温度は20〜70℃とするのが好ましい。シード粒子の粒子径は、重合体微粒子の用途に応じて適宜決定すればよいが0.1〜5μmであるのが好ましい。
次いで、得られたシード粒子に重合性単量体成分(好ましくは、単量体成分と、硫黄系酸化防止剤を必須的に含む酸化防止剤とを含む単量体組成物)を吸収させる(吸収工程)。このとき使用する単量体成分の組成は、シード粒子と同じ組成であってもよく、また、所望の用途や物性に応じて変更してもよい。なお、単量体成分は、あらかじめ、水(反応溶媒)、乳化剤、重合開始剤と混合したプレエマルション(単量体分散液)の状態でシード粒子の懸濁液中に添加するのが好ましい。
乳化剤としては、シード粒子の製造で使用したものと同じのものが挙げられ、配合量は、プレエマルションに含まれる単量体成分に対して0.01〜10質量%とするが好ましい。より好ましくは0.05〜8質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。また、重合開始剤としては、懸濁重合の場合と同様のものが使用可能である。重合開始剤の使用量は、プレエマルションに含まれる単量体成分に対して0.01〜20質量%とするのが好ましい。より好ましくは0.1〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
吸収工程は0〜70℃で行うのが好ましく、より好ましくは15〜40℃である。
シード粒子が単量体成分(好ましくは、単量体成分と、硫黄系酸化防止剤を必須的に含む酸化防止剤とを含む単量体組成物)を吸収したことを確認した後、シード粒子内の重合性単量体を重合させる(重合工程)。尚、重合性単量体が吸収されたことは、吸収工程前後のシード粒子の粒子径を顕微鏡で観察することにより確認できる。すなわち、吸収工程終了後の粒子径が吸収工程開始前の粒子径に比べて大きくなっていれば、シード粒子内に単量体成分が吸収されていると判断できる。
重合を開始させる方法も特に限定されず、例えば、ラジカル重合開始剤を用いる方法、紫外線や放射線を照射する方法、熱を加える方法などにより重合反応系内にラジカルを発生させて、重合性単量体成分をラジカル重合させる方法が好ましい。
重合工程の反応条件(温度、時間、pH)は、懸濁重合法の場合と同様の条件が採用できる。また、必要に応じて各種添加剤を使用してもよい。
上記ラジカル重合反応により生成した有機重合体微粒子は、乾燥、さらに必要により分級など工程に供してもよい。なお、乾燥は180℃以下で行うのが好ましく、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは120℃以下である。乾燥機としては、箱型乾燥機などが使用できる。また、乾燥時の酸素濃度は、10容量%以下とするのが好ましい。より好ましくは5容量%以下であり、さらに好ましくは2容量%以下である。
以上説明した、酸化防止剤存在下、重合反応を行うことにより得られる本発明の有機重合体微粒子は、耐熱性に優れるのみならず、初期b値の値が低く、且つ、経時における色調の変化も生じ難いものである。したがって、本発明の有機重合体微粒子は、様々な用途、例えば、LCD等に用いる光拡散シートや導光板、あるいは、PDP、ELディスプレイおよびタッチパネル等に用いる光学用樹脂に含有させる光拡散剤やアンチブロッキング剤などの添加剤といった光学用途や、各種フィルム用のアンチブロッキング剤、滑剤などとしても好適に用いられる。
次に、本発明の樹脂組成物について説明する。本発明の樹脂組成物とは、上述の本発明の有機重合体微粒子を必須に含むものである。また、本発明の樹脂組成物には、透明のバインダー樹脂が含まれていてもよい。
上記樹脂組成物中に含まれる微粒子量は、樹脂組成物の用途や所望の特性に応じて適宜決定すれば良いが、通常、光拡散板などの光学用途に用いる場合であれば(下記(I)の態様)、バインダー樹脂100質量部に対して0.01質量部以上、20質量部以下とするのが好ましい。より好ましくは0.05質量部以上であり、さらに好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは10質量部以下であり、さらに好ましくは5質量部以下である。また、フィルム等の基材上に上記樹脂組成物を含む塗布液を塗工して得られる光拡散シートとして用いる場合であれば(下記(II)の態様)、バインダー樹脂100質量部に対して5質量部以上、600質量部以下とするのが好ましい。より好ましくは10質量部以上、500質量部以下であり、さらに好ましくは20質量部以上、400質量部以下である。有機重合体微粒子の含有量が多すぎる場合には、この樹脂組成物を使用して得られる成形体の強度が低下する場合があり、一方、少なすぎる場合には、有機重合体微粒子の使用により得られる効果(光拡散性など)が得られ難い場合がある。
上記樹脂組成物中に含まれる透明のバインダー樹脂は、特に限定されず、当該分野においてバインダー樹脂として使用されるものはいずれも用いることができる。例えば、(I)本発明の樹脂組成物を用いて形成される部材が、当該樹脂組成物そのものを板状、シート状などの形状に成形したものである場合(バインダー樹脂を、板状、シート状成形体の基材樹脂とする場合)であれば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクリロニトリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、非晶質ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、およびトリアセチルセルロース樹脂などが挙げられる。
また、(II)成形される部材が、予め準備された板状やシート状などの基材表面に、本発明の樹脂組成物を積層(コーティング、ラミネートなど)して一体化させて成るものである場合、バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、および、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、上記有機重合体微粒子および透明のバインダー樹脂以外にも、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、耐光性や耐UV性などの物性を高めるための紫外線吸収剤、架橋剤、蛍光増白剤、難燃剤などの各種添加剤などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上述のように、本発明に係る有機重合体微粒子は耐熱性に優れたものであるため、上記本発明の樹脂組成物から成形体を製造する場合にも加熱による劣化が生じ難く、また、上記透明のバインダー(または基材)樹脂中に本発明の有機重合体微粒子が分散、固定された成形体であるため、微粒子の熱変色に基づく着色が抑制されて無色性に優れ、光拡散性に優れ、高い輝度および高い透過性など優れた光学特性を発現することもできる。したがって、画像表示装置内において、光源からの光を画像表示面に均一に拡散させる光拡散シート(フィルム)や光拡散板などの光学用部材に、特に好適に用いられる。なお、成形体の形状はシート状(フィルム状)や板状に限られず、柱体、錐体、球などの成形体であっても良い。
例えば、本発明の樹脂組成物から得られる成形体が、光拡散シート(フィルム)のようなシート(フィルム)状の成形体である場合、その形態としては、面状部分を有し、バインダー樹脂により、有機重合体微粒子が固定されてなる構成を少なくとも一部に有している形態が挙げられる。例えば、(i)樹脂組成物そのものを、板状、または、シート状に成形した形態(光拡散板)、(ii)予め準備した板状やシート状の基材表面の一部または全体に、上記樹脂組成物から成る層を積層し、一体化させた形態(光拡散シート)等が挙げられる。上記(i)、(ii)のいずれの形態の場合にも、透明バインダー樹脂中に本発明に係る有機重合体微粒子が分散固定されているため、優れた光学特性を発揮することができる。
尚、上記「面状部分を有する」とは、一般的には、光学部材の形状が板状、シート状あるいはフィルム状のように、一定の面積の広がりを持った実質的に平らな表面部分がその形状の主たる構成要素となっていることを言うが、本発明では、係る態様には限られず、主たる構成要素ではなくても、その形状の少なくとも一部に実質的に平らな表面部分を有していれば良い。
上記(i)の形態の成形体を製造する方法としては、本発明の樹脂組成物を公知の押出機により溶融混練しながら押し出して板状(厚さ:1mm以上)、シート状(厚さ:200μm〜1mm未満)およびフィルム状(厚さ:1〜200μm未満)に成形する方法が挙げられる。また、フィルム状に成形された成形体を、従来公知の延伸装置を使用して一軸または二軸方向に延伸して、薄膜状の延伸フィルム(厚さ:5〜100μm)に成形することもできる。このとき、必要に応じて、耐光性や耐UV性などの物性を高めるため、上記光学用樹脂組成物に各種添加剤や安定剤および難燃剤などの添加物を加えて成形してもよい。光学特性の均一な成形体を得るためには、上記樹脂組成物は、予め、バインダー樹脂中に本発明に係る有機重合体微粒子を混合し、分散させておくことが好ましい。また同様に、上記添加物も樹脂組成物と混合しておいてもよい。
上記(ii)の形態の成形体を得る方法としては、予め準備した基材表面に、本発明の光学用樹脂組成物からなる層を積層する方法が挙げられる。積層方法は特に限定されず、上記光学用樹脂組成物を有機溶剤(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチルなどのエステル類など)に分散、溶解させて、これを基材(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;トリアセチルセルロース;シクロポリオレフィン、非晶質ポリオレフィンなどのオレフィン系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート樹脂系ポリマー;ポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂など)上に塗布すればよい(コーティング法、キャスト法など)。具体的な塗布方法としては、リバースロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法、およびスプレーコート法等の公知の積層方法が挙げられる。
また、基材表面に本発明の光学用樹脂組成物を積層した後、従来公知の延伸装置により、光学用樹脂組成物が積層された基材を一軸、または二軸方向に延伸させて延伸フィルムとしてもよい。この際、光学用樹脂組成物の塗布のタイミングは特に限定されず、フィルムの製造工程のいずれかの段階で、上記光学用樹脂組成物層を形成する方法(インライン方式)を採用し得る。また、上記基材を延伸して延伸フィルムを得た後、当該フィルム上に本発明の光学用樹脂組成物からなる層を形成する方法(オフライン方式)も採用できる。
本発明に係る光拡散シートならびに光拡散フィルムの膜厚は300μm以下、光拡散板の厚みは8mm以下であるのが好ましい。
上記本発明の樹脂組成物から得られる成形体としては、上述のように、光拡散板、光拡散シート、光拡散フィルム等の光学用部材、包装資材に用いられるアンチブロッキングフィルムなどが挙げられる。
光拡散板は、上記(i)の形態の成形体の製造方法に従って製造すればよい。すなわち、本発明の樹脂組成物を公知の押出機により溶融混錬しながら押し出して所望の厚み、形状に成形すればよい。光拡散板を製造する場合には、上述のバインダー樹脂の中でも、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などを使用するのが好ましい。
なお、本発明の樹脂組成物を溶融押出する際には、予め、上記有機重合体微粒子を一部のバインダー樹脂と溶融混錬してマスターバッチとしてから用いてもよく、また、押出機に供給する際に、上述のバインダー樹脂と上記有機重合体微粒子とを混合して用いてもよい。成形体における有機重合体微粒子の偏析を防止する観点からは、マスターバッチとして用いるのが好ましい。
光拡散フィルムは、上記(ii)の形態の成形体の製造方法に従って製造すればよい。すなわち、予め用意した基材上に、本発明の光学用樹脂組成物とバインダー樹脂とを含む塗布液(必要に応じて有機溶媒を含む)を塗布して、光学用樹脂組成物層を形成すればよい。光拡散フィルムを製造する場合には、上述のバインダー樹脂の中でも、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂を使用するのが好ましい。
なお、光拡散フィルムは、上記(i)の形態の製造方法に従って製造することもできる。また、必要に応じて得られた成形体を、一軸あるいは二軸方向に延伸してもよい。
アンチブロッキングフィルムは、上記(i),(ii)いずれの形態の製造方法に従っても製造することができる。(i)の形態の製造方法に従って製造する場合、具体的には、フィルムの基材樹脂と、本発明の有機重合体微粒子(アンチブロッキング剤として用いる)とを混合した樹脂組成物を熱溶融させてフィルムに成形すればよい。上記基材樹脂としては、熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル等が挙げられる。
このときの有機重合体微粒子の配合量は、例えば、熱可塑性樹脂に対して0.001〜5質量%とするのが好ましい。より好ましくは0.005〜3質量%であり、さらに好ましくは0.01〜2質量%である。通常、このような少量を配合することは難しいので、予め、所定量の有機重合体微粒子を配合したマスターバッチを製造し、熱可塑性樹脂に当該マスターバッチを配合してフィルム用熱可塑性樹脂を製造し、その後、上記フィルム用熱可塑性樹脂組成物を熱溶融させてフィルムに成形すればよい。フィルムの延伸が必要であれば、従来公知の延伸装置を用いて延伸処理を行えばよい。このとき、延伸装置としては、従来公知の延伸装置が使用可能であり、また、溶融温度、延伸倍率などの条件も、使用する基材樹脂やフィルムの用途に応じて適宜決定すればよい。
また、アンチブロッキングフィルムは、上記(ii)の形態の成形体の製造方法に従って製造することもできる。すなわち、予め用意した基材上に、本発明の光学用樹脂組成物とバインダー樹脂とを含む塗布液を塗布して、光学用樹脂組成物層を形成すればよい。
本発明の有機重合体微粒子は良好な耐熱性を備えている。したがって、本発明の有機重合体微粒子をアンチブロッキング剤として使用すれば、樹脂組成物をフィルムに加工する際に高い加工温度に曝されても有機重合体微粒子が変色し難いので、フィルムの着色が抑制される。上記アンチブロッキングフィルムは、一般包装資材、食品包装フィルム等の食品包装資材、或いは、医薬品包装フィルム等の医薬品包装資材として好適に用いられる。
本発明の有機重合体微粒子は、上述した光学用材料以外にも、例えば静電荷像現像用トナー用添加剤、化粧板用添加剤、人工大理石用添加剤、クロマトグラフィーのカラム充填剤、液晶表示パネルのギャップ調整剤、コールターカウンターの表示粒子、免疫診断薬用担体、フィルム用アンチブロッキング剤、化粧料用添加剤などとしても好適に用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、特に断らない限り、質量部を「部」、質量%を「%」と表すことがある。各種測定及び評価は以下の方法に従って行った。
[分解温度]
有機重合体微粒子の熱分解開始温度は、熱分析装置(DTG−50M、株式会社島津製作所製)を使用して、試料量15mg、昇温速度10℃/分(最高到達温度500℃)、空気中、流量20ml/分の条件で測定した。まず、精密天秤を使用して、規定のアルミカップに15mgの試料を計り取り、このアルミカップを熱分析装置の所定の位置にセットし、空気が規定流量(20ml/分)流れるように調整し、装置が安定した後、昇温を開始した。このとき得られたTG曲線のベースライン(水平線部)の延長線と、質量減少部分(右下がりの斜線部)の接線との交点を有機重合体微粒子の熱分解開始温度とした。
[色差]
下記実験例で得られた有機重合体微粒子35gをポリエチレン製の無色透明の袋(80mm×60mm)に詰め、袋の厚みを1.5cm程度にした測定試料を作製した。色差計(商品名「SE−2000」、日本電色工業社製)を使用し、試料測定前に標準白色板を測定して補正した後、試料の測定を行った。色差は、製造直後、加熱試験後の有機重合体微粒子についてそれぞれ測定し、製造直後の値を初期b値、加熱試験後の値を加熱後b値とし、これらの差(加熱後b値−初期b値)をΔb値として表に示した。
なお、加熱試験は次のようにして行った。有機重合体微粒子約100gを15cm×20cmの容器に広げ、これを100℃に加熱した熱風乾燥機内に1時間放置した後、取り出し、空気中で室温まで放冷した。加熱試験後の有機重合体微粒子についても同様の方法で色差測定を行った。
[有機重合体微粒子中の酸化防止剤(リン系、フェノール系)の含有量−1]
試料溶液の調製
秤量した試料(有機重合体微粒子)1gをクロロホルム10mlと混合し、超音波処理を行い微粒子中の溶解成分を抽出した。得られた溶液にメタノール100mlを加えてポリマー成分を不溶化させた後、ろ過し、得られた溶液を濃縮した。次いで、ここにクロロホルムを2ml加えて希釈し、さらにアセトニトリルを加えて全量を10mlとした。得られた溶液を、孔径0.45μmのフィルターでろ過して、試料溶液とした。
標準溶液の調製
25mlメスフラスコに下記実施例、比較例で使用した酸化防止剤12mgを秤量し、クロロホルム5mlを加えて溶解させた後、アセトニトリルで希釈して25ml溶液(濃度480ppm)を調製した。この溶液を適宜アセトニトリルで希釈して標準溶液(96ppm,19.2ppm,3.8ppm)とした。この標準溶液を高速液体クロマトグラフィー(株式会社資生堂製「NANOSPACE SI−2」、カラム:株式会社資生堂製「CAPCELL PAK MG」膜厚5μm、1.5mmID×150mm、検出器:フォトダイオードアレイ)により分析し、検量線を作成した。
酸化防止剤の含有量の測定
上記手順により調製した試料溶液を、高速液体クロマトグラフィー(株式会社資生堂製「NANOSPACE SI−2」、カラム:株式会社資生堂製「CAPCELL PAK MG」膜厚5μm、1.5mmID×150mm、検出器:フォトダイオードアレイ)により分析し、予め標準溶液で作成した検量線から、下記実施例および比較例の有機重合体微粒子に含まれる酸化防止剤量を算出した。なお、測定条件は以下の通りである。
測定条件
カラム恒温槽 :40℃
溶離液 :メタノール/アセトニトリル=50/50
流量 :100μl/min
サンプル注入量 :10μl
検出波長 :280nm
[有機重合体微粒子中の酸化防止剤(硫黄系)の含有量−2]
試料溶液の調製
秤量した試料(有機重合体微粒子)0.2gを、±α−トコフェロール(5%トルエン溶液)1mlおよびクロロホルム3mlの混合溶液中に入れ、15分間、超音波処理を行い微粒子を分散させ、室温で静置し、有機重合体微粒子中の硫黄系酸化防止剤を抽出した。15時間経過後、再度15分間の超音波処理を行い、2昼夜室温にて静置し、有機重合体微粒子中の硫黄系酸化防止剤を抽出した。その後、抽出液を孔径0.45μmのディスクフィルターでろ過した後、溶媒を留去し、得られた残留物全量をトルエン15mlに溶解させて、試料溶液とした。
標準溶液の調製
溶媒としてトルエンを使用したこと以外は、上記[酸化防止剤の含有量−1]と同様の方法で標準溶液(96ppm,19.2ppm,3.8ppm)を調整し、液体クロマトグラフ質量分析計(LS−MS、株式会社資生堂製「NANOSPACE SI−2」、検出器:サーモクエスト社製「LC-Q DECA XP」)により分析し、検量線を作成した。
硫黄系酸化防止剤の含有量の測定
上記手順により調製した試料溶液を、高速液体クロマトグラフィー(株式会社資生堂製「NANOSPACE SI−2」、検出器:サーモクエスト社製「LC-Q DECA XP」)により分析し、予め標準溶液で作成した検量線から、下記実施例および比較例の有機重合体微粒子に含まれる硫黄系酸化防止剤量を算出した。なお、測定条件は以下の通りであり、下記条件により5回測定し、得られた測定値の平均値を含有量とした。
測定条件
検出方法(方式):イオントラップ型
検出条件 :イオン化法
APPI法 正イオン検出 M/z:50〜2000
APPI法 負イオン検出 M/z:50〜2000
カラム温度 :45℃
溶離液 :トルエン
流速 :100μl/min
[有機重合体微粒子中の硫黄元素含有量]
有機重合体微粒子に含まれる硫黄元素の含有量は、後記実施例・比較例で得られた有機重合体微粒子を酸水溶液で分解したものを試料とし、誘導結合高周波プラズマ発光分光分析装置(ICP、島津製作所製「ICPE−9000」)により定量した。
[平均粒径、変動係数]
有機重合体微粒子0.025gを、界面活性剤(「ハイテノール(登録商標)N−08」、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、第一工業製薬株式会社製)の濃度を1%に調製したイオン交換水8gに分散させて有機重合体微粒子分散液を調整し、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製の「コールターマルチサイザーIII」、アパーチャ50μm)を使用して、30,000個の粒子の粒子径を測定し、質量基準の平均粒径および粒子径の変動係数を求めた。
粒子径の変動係数(%)=(σ/d50)×100
ここで、σは粒子径の標準偏差、d50は、質量基準の平均粒子径を示す。
実験例1 有機重合体微粒子の作製
<実施例1>
攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器および温度計を備えたフラスコに、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(商品名「ハイテノール(登録商標)NF−08」、第一工業製薬株式会社製)1部を溶解した脱イオン水900部を仕込んだ。そこへ予め調製しておいたメタクリル酸メチル75部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)25部、ラウリルパーオキサイド(LPO)2部(モノマーに対して2質量%)および硫黄系酸化防止剤(株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブ(登録商標)AO−412S」、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート))0.5部(モノマーに対して0.5質量%)を仕込み、T.K.ホモジナイザー(特殊機化工業(株)製)により3500rpmで4分間攪拌して均一な懸濁液とした。
次いで、窒素ガスを吹き込みながら反応溶液が65℃になるまで加熱し、65℃で反応容器を保温し、自己発熱により液温が75℃に到達した時点を反応開始とし、この温度で1.5時間攪拌を続けた後、重合液をさらに85℃まで昇温させて2時間撹拌して重合反応を完了させた。その後、反応液(懸濁液)を冷却し、瀘過して、重合生成物を濾取し、これを熱風乾燥機(ヤマト科学株式会社製)で80℃3時間乾燥して有機重合体微粒子を得た。
得られた有機重合体粒子は、平均粒径が7.5μm、変動係数が41.0%であった。また、得られた樹脂粒子の色差は、初期b値0.71、加熱試験後のb値は0.72であった。熱分解開始温度は305℃であった。結果および重合反応時の状態を表1に示す。
<実施例2>
酸化防止剤として、硫黄系酸化防止剤(株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブ(登録商標)AO−412S」)0.4部と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「Irganox(登録商標)1010」、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])0.1部を混合して用いたこと以外は、実施例1と同様にして有機重合体微粒子を製造した。
得られた有機重合体粒子は、平均粒径が7.1μm、変動係数が40.2%であった。得られた有機重合体粒子の色差、熱分解開始温度等を表1に示す。
<実施例3>
開始剤を、ABN−V2部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして有機重合体微粒子を製造した。
得られた有機重合体粒子は、平均粒径が7.0μm、変動係数が36.8%であった。得られた有機重合体微粒子の色差、熱分解開始温度等を表1に示す。
<比較例1>
酸化防止剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして有機重合体微粒子を製造した。
得られた有機重合体粒子は、平均粒径が6.8μm、変動係数が36.5%であった。得られた有機重合体微粒子の色差、熱分解開始温度等を表1に示す。
<比較例2>
酸化防止剤を用いなかったこと以外は、実施例2と同様にして有機重合体微粒子を製造した。
得られた有機重合体粒子は、平均粒径が7.0μm、変動係数が37.6%であった。得られた有機重合体微粒子の色差、熱分解開始温度等を表1に示す。
<比較例3>
酸化防止剤として、リン系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「Irganox(登録商標)168」、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト)0.5部を単独で用いたこと以外は、実施例1と同様にして有機重合体微粒子を製造した。
得られた有機重合体粒子は、平均粒径が7.3μm、変動係数が41.4%であった。得られた有機重合体微粒子の色差、熱分解開始温度等を表1に示す。
Figure 0005572383
尚、表1中、LPOはラウリルパーオキサイドを示し、ABN−Vは2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を示す。比較例1〜3の硫黄酸化防止剤含有量、および、硫黄原子量はいずれも検出限界以下であった。
表1より、酸化防止剤の存在下で重合反応を行った実施例1〜3の有機重合体微粒子は、酸化防止剤を用いなかった比較例1の有機重合体微粒子に比べて熱分解開始温度が高く、耐熱性に優れるものであることが分かる。また、実施例1〜3の有機重合体微粒子はΔb値が低く、加熱試験前後における色調の変化が小さいものであることが分かる。
<実施例4>
攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器および温度計を備えたフラスコに、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(商品名「ハイテノール(登録商標)NF−08」、第一工業製薬株式会社製)1部を溶解した脱イオン水150部を仕込んだ。そこへ予め調製しておいたメタクリル酸メチル75部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)25部、ラウリルパーオキサイド(LPO)2部(モノマーに対して2質量%)および硫黄系酸化防止剤(株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブ(登録商標)AO−23」)0.5部(モノマーに対して0.5質量%)を仕込み、T.K.ホモジナイザー(特殊機化工業(株)製)により3500rpmで4分間攪拌して均一な懸濁液とした。
次いで、窒素ガスを吹き込みながら反応溶液が65℃になるまで加熱し、65℃で反応容器を保温し、自己発熱により液温が75℃に到達した時点を反応開始とし、この温度で1.5時間攪拌を続けた後、重合液をさらに85℃まで昇温させて2時間撹拌して重合反応を完了させた。その後、反応液(懸濁液)を冷却し、瀘過して、重合生成物を濾取し、これを熱風乾燥機(ヤマト科学株式会社製)で80℃3時間乾燥して有機重合体微粒子を得た。
得られた有機重合体粒子は、平均粒径が7.8μm、変動係数が39.5%であった。また、得られた樹脂粒子の色差は、初期b値0.78、加熱試験後のb値は0.8であった。熱分解開始温度は308℃であった。結果および重合反応時の状態を表2に示す。
<実施例5>
酸化防止剤として、硫黄系酸化防止剤の変わりに、硫黄系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「Irganox(登録商標)PS800FL」、ドデシル3,3’−チオジプロピオネート])0.5部を混合して用いたこと以外は、実施例4と同様にして有機重合体微粒子を製造した。
得られた有機重合体粒子は、平均粒径が7.3μm、変動係数が36.5%であった。得られた有機重合体粒子の色差、熱分解開始温度等を表2に示す。
<実施例6>
酸化防止剤として、硫黄系酸化防止剤の変わりに、硫黄系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「Irganox(登録商標)PS802FL」、ジオクタデシル3,3’−チオジプロピオネート])0.5部を混合して用いたこと以外は、実施例4と同様にして有機重合体微粒子を製造した。
得られた有機重合体粒子は、平均粒径が7.0μm、変動係数が35.7%であった。得られた有機重合体粒子の色差、熱分解開始温度等を表2に示す。
<実施例7,8>
酸化防止剤として硫黄系酸化防止剤(株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブ(登録商標)AO−412S」、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート))を使用し、その配合量を表2に記載のように変更したこと以外は実施例4と同様にして有機重合体微粒子を製造した。
得られた有機重合体粒子は、それぞれ平均粒径が7.6μm、変動係数が38.5%(実施例7)、平均粒径が8.0μm、変動係数が39.3%(実施例8)であった。有機重合体粒子の色差、熱分解開始温度等を表2に示す。
Figure 0005572383
表2より、酸化防止剤の存在下で重合反応を行った実施例4〜8の有機重合体微粒子は、酸化防止剤を用いなかった比較例1の有機重合体微粒子に比べて熱分解開始温度が高く、耐熱性に優れるものであることが分かる。また、実施例4〜8の有機重合体微粒子はΔb値が小さく、加熱試験前後における色調の変化が小さいものであることが分かる。
<実施例9>
攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器および温度計を備えたフラスコに、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(商品名「ハイテノール(登録商標)NF−08」、第一工業製薬株式会社製)1部を脱イオン水に溶解した溶液900部を仕込んだ。そこへ予め調製しておいたメタクリル酸メチル72.5部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)27.5部、ラウリルパーオキサイド(LPO)2部(モノマーに対して2質量%)および硫黄系酸化防止剤(株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブ(登録商標)AO−412S」、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート))0.5部(モノマーに対して0.5質量%)を仕込み、T.K.ホモジナイザー(特殊機化工業(株)製)により3500rpmで4分間攪拌して均一な懸濁液とした。
次いで、窒素ガスを吹き込みながら反応溶液が65℃になるまで加熱し、65℃で反応容器を保温し、自己発熱により液温が75℃に到達した時点を反応開始とし、この温度で1.5時間攪拌を続けた後、重合液をさらに84℃まで昇温させて2時間撹拌して重合反応を完了させた。その後、反応液(懸濁液)を冷却し、瀘過して、重合生成物を濾取し、これを熱風乾燥機(ヤマト科学株式会社製)で80℃3時間乾燥して有機重合体微粒子を得た。
得られた有機重合体粒子は、平均粒径が7.7μm、変動係数が39.1%であった。また、得られた樹脂粒子の色差は、初期b値0.85、加熱試験後のb値は0.87であった。熱分解開始温度は311℃であった。結果および重合反応時の状態を表3に示す。
<実施例10,11>
酸化防止剤の配合量を表3に記載の量に変更したこと以外は実施例9と同様にして、有機重合体微粒子を製造した。
得られた有機重合体微粒子の平均粒径はそれぞれ、平均粒径が8.2μm、変動係数が37.3%(実施例10)、平均粒径が8.0μm、変動係数が38.7%(実施例11)であった。
<比較例4>
酸化防止剤を用いなかったこと以外は、実施例7と同様にして有機重合体微粒子を製造した。
得られた有機重合体粒子は、平均粒径が7.9μm、変動係数が38.6%であった。得られた有機重合体微粒子の色差、熱分解開始温度等を表3に示す。
Figure 0005572383
比較例4において、硫黄系酸化防止剤含有量および全硫黄原子量は、いずれも検出限界以下であった。
表3より、酸化防止剤の存在下で重合反応を行った実施例9〜11の有機重合体微粒子は、酸化防止剤を用いなかった比較例4の有機重合体微粒子に比べて熱分解開始温度が高く、耐熱性に優れるものであることが分かる。また、実施例9の有機重合体微粒子はΔb値が小さく、加熱試験前後における色調の変化が小さいものであることが分かる。
実験例2 光拡散板の作製
ポリカーボネート樹脂(「ユーピロン(登録商標)E2000FN」,三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)100質量部と実施例1で作製した有機重合体微粒子3部とをドライブレンドし、射出成形機により10cm四方、厚さ2mmの拡散板No.1を作製した。
その他の実施例、比較例で作製した有機重合体についても、同様の方法で光拡散板No.2〜6を作製した。
[光拡散板の輝度]
分光放射計(「SR−3A」、株式会社トプコン製)、液晶テレビ「AQUOS(登録商標) LC−37AD5」(シャープ株式会社製)に備えられているバックライトユニットを用いて光拡散板の輝度を測定した。
上記バックライトユニットは、ディスプレイとほぼ同サイズの反射板上に複数の蛍光灯(冷陰極管)を備え、これを覆うように光拡散板が設けられた構造を有する。また、光拡散板上には、各種機能性層(拡散フィルム、BEF(輝度上昇フィルム))が設けられている。このバックライトユニットに備えられた光拡散板に換えて、各実施例で作製した有機重合体微粒子を含む光拡散板を使用し、さらに、この光拡散板上に機能性層(拡散フィルム、輝度上昇フィルム)を載せたものを、輝度測定の試料とした。予め蛍光灯の存在箇所を確認しておき、ランプ間(隣り合う蛍光灯と蛍光灯の間で、測定部の下部には蛍光灯は存在しない)、および、ランプ上(測定部の下部に、蛍光灯が存在している)における輝度を、光拡散板および機能性層側から、下記測定条件に従って測定した。なお、評価は、比較例1の有機重合体微粒子を用いて作製した拡散板を基準とし、相対比較することにより行った。また、このとき同時に光拡散板の色度を測定し(CIE法)、No.4の光拡散板と各光拡散板との相対色度をΔX,ΔYとして下記表2に示す。なお、ΔXおよびΔYは以下の式より算出した。
ΔX=X1−X
ΔY=Y−Y
ここで、「X」,「Y」は、No.4の光拡散板の色度X,Yをそれぞれ表し、「X1」,「Y1」は、実施例および比較例の有機重合体微粒子を使用した各光拡散板の色度X,Yをそれぞれ表す。
測定条件
視野角 :0.2°
測定距離 :50cm
測定環境 :23℃、50%RH
Figure 0005572383
表4中、「Δx」,「Δy」は、CIE法による色度で、No.4の光拡散板と各光拡散板との相対色度を表す。なお、これらの値は輝度測定時に同時に測定される値である。「Δx」,「Δy」の値がいずれも負であり、且つ、その絶対値が大きいほど、No.4の光拡散板(比較例1の有機重合体微粒子を含む)と比較して着色度が改善されていること(無色性が高いこと)を意味している。一方、「Δx」,「Δy」が正の値であり、その値が大きいほど、No.4の光拡散板と比較して着色度が劣化していることを意味する。輝度に関しては、1%以上の差があれば、輝度差があると認められる。
上記表4より、実施例1〜3の有機重合体微粒子を使用したNo.1〜3の光拡散板は、光拡散板No.4やNo.5,6の光拡散板に比べて輝度が高く、かつ、着色の改善された、無色性に優れるものであることが分かる。
実験例3 光拡散フィルムの作製
バインダー樹脂として、アクリル系樹脂(メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=4/4/2(質量比)の共重合体)90部と、実施例1で作製した有機重合体微粒子100部、酢酸ブチル150部、デスモジュールN3200(住化バイエルウレタン社製)1部をディスパーにて混合し、塗布溶液を調整した。この塗布溶液を、バーコーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(「コスモシャイン(登録商標)A4300」、厚み100μm、東洋紡績株式会社製)の表面に塗布し、乾燥させ、光拡散フィルムNo.1を得た。
その他の実施例、比較例で製造した有機重合体についても、同様の方法により、光拡散フィルムNo.2〜6を作製した。
[光拡散フィルムの正面輝度]
バックライトユニットとして、シャープ株式会社製の液晶テレビ「AQUOS(登録商標) LC−37AD5」に用いられているバックライトユニットを用いた。このバックライトユニットは、光源および光拡散板を有している。このバックライトユニットの光拡散板上に、各実施例、比較例の有機重合体微粒子を含有する光拡散フィルムを載置し、この光拡散フィルムから50cm離れた位置に色彩輝度計(「BM−7」、株式会社トプコン製)を固定し、光拡散フィルムの正面輝度を測定した。
[光拡散板の正面輝度]
光拡散板上に、光拡散フィルムを載置しなかったこと以外は、上記光拡散フィルムの正面輝度の測定と同様にして、光拡散板の正面輝度を測定した。
[輝度上昇率および輝度上昇率比]
以下の式により、輝度上昇率および輝度上昇率比を算出した。なお、輝度上昇率は、その値が大きいほど、輝度を低下させ難いものであることを示す。
(輝度上昇率)=(光拡散フィルムの正面輝度)/(光拡散板の正面輝度)
(輝度上昇率比)=(光拡散フィルムの輝度上昇率)/(No.4の光拡散フィルムの輝度上昇率)
Figure 0005572383
表5より、実施例1〜3の有機重合体微粒子を用いて作製した光拡散フィルムNo.1〜3の輝度上昇率は、いずれも比較例1〜3の有機重合体微粒子を用いた光拡散フィルムNo.4〜6よりも高く、輝度を低下させ難いものであることが分かる。
実験例4 フィルムの作製
ポリプロピレン(メルトフローインデックス(MI)2g/10分、ヘプタン可溶分3%)99部と、実施例1で作製した有機重合体微粒子1部とを混合し、バンバリーミキサーにて230℃で練り込んでペレット化し、無色のペレット(1)を得た。次いで、このペレット(1)10部と上記ポリプロピレン90部とを混合し、押出機にて260℃でシート状に押出して未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムを、縦方向に140℃で5倍、横方向に175℃で9倍に延伸した後、フィルム一面にコロナ放電処理を施し、延伸ポリプロピレンフィルムNo.1を得た(厚み200μm)。得られた延伸ポリプロピレンフィルムNo.1を、10枚重ね合わせたときの着色の有無を目視で判断した。結果を表6に示す。
また、実施例1の有機重合体微粒子に換えて比較例1の有機重合体微粒子1質量部を用い、同様にして延伸ポリプロピレンフィルムNo.2を得た。着色の有無の評価結果を表6に示す。
Figure 0005572383
表6の結果より、本発明の有機重合体粒子を含むフィルムは、フィルム製造工程における加熱によっても着色を生じておらず、色調の変化が少ないものであることが確認された。
実施例12
乳鉢に、比較例1で得られた有機重合体微粒子100gと、硫黄系酸化防止剤(株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブ(登録商標)AO−412S」)0.5部とを添加し、混合した(図1(a)の態様)。
実施例13
トルエンに硫黄系酸化防止剤(株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブ(登録商標)AO−412S」)を溶解させて濃度が0.05質量%の硫黄系酸化防止剤溶液1kgを調整し、ここに、比較例1で得られた有機重合体微粒子100gを浸漬させ、攪拌しながら室温で14時間、有機重合体微粒子に酸化防止剤を含浸させた。その後、80℃以下で溶媒を減圧留去し、減圧乾燥を経て、酸化防止剤を含浸させた有機重合体微粒子を得た(図1(b)の態様)。
表7に、有機重合体粒子の色差、熱分解開始温度等を示す。
Figure 0005572383
表7より、実施例13,14のいずれも分解温度が290℃以上であり、また、加熱後の着色も抑えられていることが分かる。すなわち、本発明の有機重合体微粒子は、図1に示す(a)〜(c)いずれの態様であっても、耐熱性を有し、初期の色調に優れ、さらに、加熱前後の色調変化の少ない有機重合体微粒子である。
本発明の有機重合体微粒子は、優れた耐熱性を有するのみならず、初期の色調に優れ(無色、透明に近い)、加熱前後における色調の変化が少ないため、LCD等に用いる光拡散シート、光拡散板や導光板、あるいは、PDP、ELディスプレイおよびタッチパネル等に用いる光学用樹脂に含有させる光拡散剤といった光学用途や、各種フィルム用のアンチブロッキング剤などとしても好適に用いられる。

Claims (14)

  1. (メタ)アクリル系モノマーを含む単量体成分を重合してなり、
    硫黄系酸化防止剤としてチオエーテル系化合物を必須的に含む酸化防止剤を10ppm以上(質量基準)含み、
    平均粒径が0.5μm〜40μmであり、且つ、熱分解開始温度が290℃以上であることを特徴とするフィルム用のアンチブロッキング剤として用いられる有機重合体微粒子。
  2. 上記有機重合体微粒子からなる粉体を、空気雰囲気下、100℃で1時間加熱した前後におけるb値の変化量(Δb)が1.0以下である請求項1に記載の有機重合体微粒子。
  3. 上記酸化防止剤が、さらにヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、およびラクトン系酸化防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含み、有機重合体粒子に含まれるこれらの酸化防止剤の合計量が20ppm(質量基準)以上である請求項1または2に記載の有機重合体微粒子。
  4. 熱分解開始温度が300℃以上である請求項1〜3のいずれかに記載の有機重合体微粒子。
  5. 硫黄系酸化防止剤と単量体成分とを含む単量体組成物をラジカル重合させて得られるものであり、且つ、上記単量体組成物中における硫黄系酸化防止剤の含有量が、単量体成分総量に対して100ppm以上である請求項1〜4のいずれかに記載の有機重合体微粒子。
  6. 上記有機重合体微粒子の初期b値が−1.0〜3である請求項1〜5のいずれかに記載の有機重合体微粒子。
  7. 前記単量体成分が(メタ)アクリル系モノマーを50質量%〜100質量%含む請求項1〜6のいずれかに記載の有機重合体微粒子。
  8. (メタ)アクリル系モノマーを含む単量体成分を重合してなり、
    硫黄系酸化防止剤としてチオエーテル系化合物を必須的に含む酸化防止剤を10ppm以上(質量基準)含み、
    平均粒径が0.5μm〜40μmであり、且つ、熱分解開始温度が290℃以上であることを特徴とする有機重合体微粒子を含む樹脂組成物から得られる光拡散板、溶融押出成形体、または基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも片面に、上記樹脂組成物を含む塗布液を塗工して得られる光拡散シート
  9. 上記有機重合体微粒子からなる粉体を、空気雰囲気下、100℃で1時間加熱した前後におけるb値の変化量(Δb)が1.0以下である請求項8に記載の光拡散板、溶融押出成形体、または光拡散シート。
  10. 上記酸化防止剤が、さらにヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、およびラクトン系酸化防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含み、有機重合体粒子に含まれるこれらの酸化防止剤の合計量が20ppm(質量基準)以上である請求項8または9に記載の光拡散板、溶融押出成形体、または光拡散シート。
  11. 上記有機重合体微粒子の熱分解開始温度が300℃以上である請求項8〜10のいずれかに記載の光拡散板、溶融押出成形体、または光拡散シート。
  12. 硫黄系酸化防止剤と単量体成分とを含む単量体組成物をラジカル重合させて得られるものであり、且つ、上記単量体組成物中における硫黄系酸化防止剤の含有量が、単量体成分総量に対して100ppm以上である請求項8〜11のいずれかに記載の光拡散板、溶融押出成形体、または光拡散シート。
  13. 上記有機重合体微粒子の初期b値が−1.0〜3である請求項8〜12のいずれかに記載の光拡散板、溶融押出成形体、または光拡散シート。
  14. 前記単量体成分が(メタ)アクリル系モノマーを50質量%〜100質量%含む請求項8〜13のいずれかに記載の光拡散板、溶融押出成形体、または光拡散シート。
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