JP7324592B2 - オレフィン類重合用固体触媒成分、オレフィン類重合用触媒及びオレフィン類重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
内部電子供与性化合物として、チオエーテル基含有内部電子供与性化合物(a)及び硫黄を含有しない内部電子供与性化合物(b)を含有し、該チオエーテル基含有内部電子供与性化合物(a)は、チオエーテル基を1つ以上と、カルボン酸エステル基、カルボニル基、エーテル基及びカーボネート基からなる群から選ばれる含酸素電子供与性基を2つ以上と、を有する化合物であること、
を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分を提供するものである。
R1-O-CO-R2-S-R3-CO-O-R4 (1)
(式中、R1及びR4は、炭素数1~20の直鎖状アルキル基、炭素数3~20の分岐アルキル基、ビニル基、炭素数3~20の直鎖状アルケニル基、炭素数3~20の分岐アルケニル基、炭素数1~20の直鎖状ハロゲン置換アルキル基、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルキル基、炭素数2~20の直鎖状ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシクロアルケニル基、炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルキル基、炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルケニル基、炭素数6~24の芳香族炭化水素基、炭素数6~24のハロゲン置換芳香族炭化水素基であり、R1とR4は、同一であっても異なってもよい。R2及びR3は、2価の有機基であり、R2とR3は、同一であっても異なってもよい。)
で表されるチオエーテル基含有ジカルボン酸エステル化合物であることを特徴とする(1)~(4)いずれかのオレフィン類重合用固体触媒成分を提供するものである。
該内部電子供与性化合物が、チオエーテル基を1つ以上と、カルボン酸エステル基、カルボニル基、エーテル基及びカーボネート基からなる群から選ばれる含酸素電子供与性基を2つ以上と、を有するチオエーテル基含有内部電子供与性化合物(a)、及び硫黄を含有しない内部電子供与性化合物(b)であること、
を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法を提供するものである。
R1-O-CO-R2-S-R3-CO-O-R4 (1)
(式中、R1及びR4は、炭素数1~20の直鎖状アルキル基、炭素数3~20の分岐アルキル基、ビニル基、炭素数3~20の直鎖状アルケニル基、炭素数3~20の分岐アルケニル基、炭素数1~20の直鎖状ハロゲン置換アルキル基、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルキル基、炭素数2~20の直鎖状ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシクロアルケニル基、炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルキル基、炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルケニル基、炭素数6~24の芳香族炭化水素基、炭素数6~24のハロゲン置換芳香族炭化水素基であり、R1とR4は、同一であっても異なってもよい。R2及びR3は、2価の有機基であり、R2とR3は、同一であっても異なってもよい。)
で表されるチオエーテル化合物であることを特徴とする(6)のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法を提供するものである。
R2 pAlQ3-p (2)
(式中、R2は炭素数1~4のアルキル基を示し、Qは水素原子またはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数である。R2が複数存在する場合、複数のR2は互いに同一であっても異なってもよく、Qが複数存在する場合、複数のQは互いに同一であっても異なってもよい。)
で表される有機アルミニウム化合物を相互に接触させて得られたものであることを特徴とするオレフィン類重合用触媒を提供するものである。
内部電子供与性化合物として、チオエーテル基含有内部電子供与性化合物(a)及び硫黄を含有しない内部電子供与性化合物(b)を含有し、該チオエーテル基含有内部電子供与性化合物(a)は、チオエーテル基を1つ以上と、カルボン酸エステル基、カルボニル基、エーテル基及びカーボネート基からなる群から選ばれる含酸素電子供与性基を2つ以上と、を有する化合物であること、
を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分である。
R1-O-CO-R2-S-R3-CO-O-R4 (i)
R1-CO-O-R2-S-R3-O-CO-R4 (ii)
(式中、R1及びR4は、炭素数1~20の直鎖状アルキル基、炭素数3~20の分岐アルキル基、ビニル基、炭素数3~20の直鎖状アルケニル基、炭素数3~20の分岐アルケニル基、炭素数1~20の直鎖状ハロゲン置換アルキル基、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルキル基、炭素数2~20の直鎖状ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシクロアルケニル基、炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルキル基、炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルケニル基、炭素数6~24の芳香族炭化水素基又は炭素数6~24のハロゲン置換芳香族炭化水素基であり、R1とR4は、同一であっても異なってもよい。R2及びR3は、2価の有機基であり、R2とR3は、同一であっても異なってもよい。)
で表されるチオエーテル基含有ジエステル化合物が挙げられる。
*上記式中、C6H11はシクロヘキシル基を示し、C6H10はシクロへキシレン基を示す。
*上記式中、C6H5はフェニル基を示し、C6H4はフェニレン基を示す。
*上記式中、C6H5はフェニル基を示し、C6H4はフェニレン基を示す。
*上記式中、C6H4はフェニレン基を示し、C6H10はシクロへキシレン基を示す。
該内部電子供与性化合物が、チオエーテル基を1つ以上と、カルボン酸エステル基、カルボニル基、エーテル基及びカーボネート基からなる群から選ばれる含酸素電子供与性基を2つ以上と、を有するチオエーテル基含有内部電子供与性化合物(a)、及び硫黄を含有しない内部電子供与性化合物(b)であること、
を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分である。
該内部電子供与性化合物が、チオエーテル基を1つ以上と、カルボン酸エステル基、カルボニル基、エーテル基及びカーボネート基からなる群から選ばれる含酸素電子供与性基を2つ以上と、を有するチオエーテル基含有内部電子供与性化合物(a)、及び硫黄を含有しない内部電子供与性化合物(b)であること、
を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法である。
R2 pAlQ3-p (2)
(式中、R2は炭素数1~4のアルキル基を示し、Qは水素原子またはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数である。R2が複数存在する場合、複数のR2は互いに同一であっても異なってもよく、Qが複数存在する場合、複数のQは互いに同一であっても異なってもよい。)で表される有機アルミニウム化合物が好ましい。
R3 qSi(OR4)4-q (3)
(式中、R3は、炭素数1~12のアルキル基、ビニル基、炭素数3~12のアルケニル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、炭素数3~12のシクロアルケニル基、炭素数6~15の芳香族炭化水素基または置換基を有する炭素数6~15の芳香族炭化水素基を示し、R3が複数存在する場合、複数のR3は互いに同一でも異なってもよい。R4は、炭素数1~4のアルキル基、ビニル基、炭素数3~12のアルケニル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、炭素数6~12の芳香族炭化水素基または置換基を有する炭素数7~12の芳香族炭化水素基を示し、R4が複数存在する場合、複数のR4は互いに同一でも異なってもよい。qは0≦q≦3の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、 及び一般式(4):
(R5R6N)sSiR7 4-s (4)
(式中、R5及びR6は、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、ビニル基、炭素数3~20のアルケニル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシクロアルケニル基または炭素数6~20のアリール基を示し、R5及びR6は互いに同一でも異なってもよく、また互いに結合して環を形成してもよく、R5R6N基が複数存在する場合、複数のR5R6N基は互いに同一でも異なってもよい。R7は炭素数1~20のアルキル基、ビニル基、炭素数3~12のアルケニル基、炭素数1~20のアルコキシ基、ビニルオキシ基、炭素数3~20のアルケニルオキシ基、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシクロアルキルオキシ基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~20のアリールオキシ基を示し、R7が複数存在する場合、複数のR7は互いに同一でも異なってもよい。sは1から3の整数である。)で表されるアミノシラン化合物から選択される一種以上が挙げられる。
上記各成分を接触させる順序は任意であるが、例えば、以下の接触順序を例示することができる。
(i)(A)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分→(C)外部電子供与性化合物→(B)一般式(2)で表される有機アルミニウム化合物
(ii)(B)一般式(2)で表される有機アルミニウム化合物→(C)外部電子供与性化合物→(A)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分
(iii)(C)外部電子供与性化合物→(A)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分→(B)一般式(2)で表される有機アルミニウム化合物
(iv)(C)外部電子供与性化合物→(B)一般式(2)で表される有機アルミニウム化合物→(A)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分
上記接触例(i)~(iv)のうち、接触例(ii)が好適である。
なお、上記接触例(i)~(iv)において、「→」は接触順序を意味し、例えば、「(A)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分→(B)一般式(2)で表される有機アルミニウム化合物→(C)外部電子供与性化合物」は、(A)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分中に(B)一般式(2)で表される有機アルミニウム化合物を添加して接触させた後、(C)外部電子供与性化合物を添加して接触させることを意味する。
<オレフィン重合用固体触媒成分の調製>
窒素ガスで充分置換され、攪拌機を具備した容量500mlの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム10g 、トルエン50ml、内部電子供与性化合物として、フタル酸ジ(n-ブチル)(化合物(b1))3.2gを装入して、懸濁液形成した。次いで、四塩化チタン30ml及びトルエン20mlを用いて形成された溶液を、10℃の液温に保持した前記懸濁液中に添加した。
その後、液温を10℃から90℃まで昇温し、攪拌しながら、90℃で2時間反応させた。
反応終了後、得られた固体生成物を90℃のトルエン100mlで4回洗浄し、新たに四塩化チタン30ml及びトルエン70mlを加え、100℃に昇温し、1時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた固体生成物を100℃のトルエン100mlで2回洗浄し、3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(化合物(a1))0.2gを含むトルエン100mlを加え、100℃で1時間1時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、40℃のn-ヘプタン100mlで10回洗浄して、オレフィン重合用固体触媒成分(A-1)を得た。このとき、ジエトキシマグネシウムに対する3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチルの添加量は2.0質量%であり、また、3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計添加量に対する3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)の添加量は5.9質量%である。
この固体触媒成分(A-1)中、Mg含有量は19.7質量%、Ti含有量は2.5質量%、Cl含有量は61.8質量%、S含有量は0.1質量%であった。固体触媒成分(A-1)中のS含有量から見積もられる固体触媒成分(A-1)中の3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)含有量は0.6質量%であり、フタル酸ジ(n-ブチル)(b1)含有量は18.1質量%であり、内部電子供与性化合物の含有量(3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計含有量)は18.7質量%であり、3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計含有量に対する3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)含有量の割合は3.2質量%である。
窒素ガスで完全に置換された内容積2.0リットルの撹拌機付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム1.32ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.13ミリモル及び上記固体触媒成分(A-1)をチタン原子換算で0.0026ミリモル装入し、オレフィン重合用触媒を形成した。
次いで、水素ガス1.5リットル及び液化プロピレン1.4リットルをオートクレーブに装入し、20℃で5分間予備重合を行った後、70℃まで昇温し、70℃で1時間の重合反応を行うことにより、プロピレン重合体を得た。固体触媒成分1g当たりの重合活性は46,200g-PP/g-catであった。
立山科学工業株式会社製小型メルトインデクサL-248-4531にプロピレン重合体を5g入れ、230℃に加温して1000秒保持した後、溶融流れ性(MFR)を測定(MFR-1)し、ASTM D 1238、JIS K 7210に準じて測定したMFR(MFR-2)との比を求めたところ、MFR-1/MFR-2=3.3であった。
<オレフィン重合用固体触媒成分の調製>
内部電子供与性化合物として、3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)0.2gに代えて、3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)0.6gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分(A-2)を得た。このとき、ジエトキシマグネシウムに対する3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチルの添加量は6.0質量%であり、また、3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計添加量に対する3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)の添加量は15.8質量%である。
この固体触媒成分(A-2)中、Mg含有量は19.5質量%、Ti含有量は3.0質量%、Cl含有量は61.0質量%、S含有量は0.5質量%であった。固体触媒成分(A-2)中のS含有量から見積もられる固体触媒成分(A-2)中の3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)含有量は3.1質量%であり、フタル酸ジ(n-ブチル)(b1)含有量は15.2質量%であり、内部電子供与性化合物の含有量(3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計含有量)は15.7質量%であり、3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計含有量に対する3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)含有量の割合は19.7質量%である。
固体触媒成分(A-1)に代えて、固体触媒成分(A-2)を用いること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、固体触媒成分1g当たりの重合活性は13,300g-PP/g-catであった。
固体触媒成分(A-1)で得られたポリプロピレン重合体に代えて、固体触媒成分(A-2)で得られたポリプロピレン重合体とすること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、MFR-1/MFR-2=4.5であった。
<オレフィン重合用固体触媒成分の調製>
内部電子供与性化合物として、3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)0.2gに代えて、3-チアアジピン酸ジメチル(a2)0.6gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分(A-3)を得た。このとき、ジエトキシマグネシウムに対する3-チアアジピン酸ジメチル(a2)の添加量は6.0質量%であり、また、3-チアアジピン酸ジメチル(a2)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計添加量に対する3-チアアジピン酸ジメチル(a2)の添加量は15.8質量%である。
この固体触媒成分(A-3)中、Mg含有量は18.9質量%、Ti含有量は2.9質量%、Cl含有量は60.8質量%、S含有量は0.5質量%であった。固体触媒成分(A-3)中のS含有量から見積もられる固体触媒成分(A-3)中の3-チアアジピン酸ジメチル(a2)含有量は2.9質量%であり、フタル酸ジ(n-ブチル)(b1)含有量は15.4質量%であり、内部電子供与性化合物の含有量3-チアアジピン酸ジメチル(a2)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計含有量)は15.9質量%であり、3-チアアジピン酸ジメチル(a2)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計含有量に対する3-チアアジピン酸ジメチル(a2)含有量の割合は18.2質量%である。
固体触媒成分(A-1)に代えて、固体触媒成分(A-3)を用いること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、固体触媒成分1g当たりの重合活性は8,200g-PP/g-catであった。
固体触媒成分(A-1)で得られたポリプロピレン重合体代えて、固体触媒成分(A-3)で得られたポリプロピレン重合体とすること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、MFR-1/MFR-2=6.9であった。
<オレフィン重合用固体触媒成分の調製>
内部電子供与性化合物として、3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)0.2gに代えて、3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)1.2gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分(A-4)を得た。このとき、ジエトキシマグネシウムに対する3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)の添加量は12.0質量%であり、また、3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計添加量に対する3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)の添加量は27.3質量%である。
この固体触媒成分(A-4)中、Mg含有量は19.3質量%、Ti含有量は2.9質量%、Cl含有量は61.8質量%、S含有量は0.3質量%であった。固体触媒成分(A-4)中のS含有量から見積もられる固体触媒成分(A-4)中の3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)含有量は3.8質量%であり、フタル酸ジ(n-ブチル)(b1)含有量は14.2質量%であり、内部電子供与性化合物の含有量3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計含有量)は18.0質量%であり、3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計含有量に対する3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)含有量の割合は21.1質量%である。
固体触媒成分(A-1)に代えて、固体触媒成分(A-4)を用いること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、固体触媒成分1g当たりの重合活性は26,600g-PP/g-catであった。
固体触媒成分(A-1)で得られたポリプロピレン重合体に代えて、固体触媒成分(A-4)で得られたポリプロピレン重合体とすること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、MFR-1/MFR-2=3.8であった。
<オレフィン重合用固体触媒成分の調製>
内部電子供与性化合物として、3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)0.2gに代えて、3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)0.3gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分(A-5)を得た。このとき、ジエトキシマグネシウムに対する3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)の添加量は3.0質量%であり、また、3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計添加量に対する3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)の添加量は8.6質量%である。
この固体触媒成分(A-5)中、Mg含有量は19.6質量%、Ti含有量は2.6質量%、Cl含有量は61.4質量%、S含有量は0.1質量%であった。固体触媒成分(A-5)中のS含有量から見積もられる固体触媒成分(A-5)中の3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)含有量は1.0質量%であり、フタル酸ジ(n-ブチル)(b1)含有量は17.7質量%であり、内部電子供与性化合物の含有量3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計含有量)は18.7質量%であり、3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計含有量に対する3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)含有量の割合は5.3質量%である。
固体触媒成分(A-1)に代えて、固体触媒成分(A-5)を用いること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、固体触媒成分1g当たりの重合活性は51,500g-PP/g-catであった。
固体触媒成分(A-1)で得られたポリプロピレン重合体に代えて、固体触媒成分(A-5)で得られたポリプロピレン重合体とすること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、MFR-1/MFR-2=4.8であった。
<オレフィン重合用固体触媒成分の調製>
内部電子供与性化合物として、フタル酸ジ(n-ブチル)(b1)3.2gに代えて、(2-イソプロピル)(2-イソペンチル)-3,3-ジメトキシプロパン(b2)2.4gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分(A-6)を得た。
この固体触媒成分(A-6)中、Mg含有量は19.8質量%、Ti含有量は2.5質量%、Cl含有量は61.0質量%、S含有量は0.4質量%であった。固体触媒成分(A-6)中のS含有量から見積もられる固体触媒成分(A-6)中の3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)含有量は2.7質量%であり、(2-イソプロピル)(2-イソペンチル)-3,3-ジメトキシプロパン(b2)含有量は16.0質量%であり、内部電子供与性化合物の含有量3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)及び(2-イソプロピル)(2-イソペンチル)-3,3-ジメトキシプロパン(b2)の合計含有量)は18.7質量%であり、3,3‘-チオジプロピオン酸ビス(2-エチルヘキシル)(a3)及びフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)の合計含有量に対する3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)含有量の割合は14.4質量%である。
固体触媒成分(A-1)に代えて、固体触媒成分(A-6)を用いること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、固体触媒成分1g当たりの重合活性は8,100g-PP/g-catであった。
固体触媒成分(A-1)で得られたポリプロピレン重合体に代えて、固体触媒成分(A-6)で得られたポリプロピレン重合体とすること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、MFR-1/MFR-2=2.1であった。
<オレフィン重合用固体触媒成分の調製>
内部電子供与性化合物として、3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(化合物(a1))0.2gを用いないこと以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分(B-1)を得た。
この固体触媒成分(B-1)中、Mg含有量は20.8質量%、Ti含有量は3.3質量%、Cl含有量は61.5質量%であった。固体触媒成分(B-1)中のフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)含有量は18.9質量%である。
固体触媒成分(A-1)に代えて、固体触媒成分(B-1)を用いること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、固体触媒成分1g当たりの重合活性は52,100g-PP/g-catであった。
固体触媒成分(A-1)で得られたポリプロピレン重合体に代えて、固体触媒成分(B-1)で得られたポリプロピレン重合体とすること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、MFR-1/MFR-2=8.5であった。
<オレフィン重合用固体触媒成分の調製>
内部電子供与性化合物として、3,3‘-チオジプロピオン酸ジメチル(a1)0.2gに代えて、ピメリン酸ジメチル(c1)0.6gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分(B-2)を得た。
この固体触媒成分(B-2)中、Mg含有量は19.8質量%、Ti含有量は2.5質量%、Cl含有量は61.2質量%であった。固体触媒成分(B-2)中のフタル酸ジ(n-ブチル)(b1)含有量は14.2質量%であり、ピメリン酸ジメチル(c1)の含有量は3.5質量%である。
固体触媒成分(A-1)に代えて、固体触媒成分(B-2)を用いること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、固体触媒成分1g当たりの重合活性は9,800g-PP/g-catであった。
固体触媒成分(A-1)で得られたポリプロピレン重合体に代えて、固体触媒成分(B-2)で得られたポリプロピレン重合体とすること以外は、実施例1と同様に行った。その結果、MFR-1/MFR-2=10.3であった。
Claims (5)
- 少なくとも、マグネシウム、チタン及びハロゲンを含有し、
内部電子供与性化合物として、チオエーテル基含有内部電子供与性化合物(a)及び硫黄を含有しない内部電子供与性化合物(b)を含有し、該チオエーテル基含有内部電子供与性化合物(a)は、
下記一般式(i):
R 1 -O-CO-R 2 -S-R 3 -CO-O-R 4 (i)
(式中、R 1 及びR 4 は、炭素数1~20の直鎖状アルキル基、炭素数3~20の分岐アルキル基、ビニル基、炭素数3~20の直鎖状アルケニル基、炭素数3~20の分岐アルケニル基、炭素数1~20の直鎖状ハロゲン置換アルキル基、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルキル基、炭素数2~20の直鎖状ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシクロアルケニル基、炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルキル基、炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルケニル基、炭素数6~24の芳香族炭化水素基又は炭素数6~24のハロゲン置換芳香族炭化水素基であり、R 1 とR 4 は、同一であっても異なってもよい。R 2 及びR 3 は、2価の有機基であり、R 2 とR 3 は、同一であっても異なってもよい。)
で表されるチオエーテル基含有ジエステル化合物であること、
を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分。 - 硫黄の含有量が0.1~10.0質量%であることを特徴とする請求項1記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記チオエーテル基含有内部電子供与性化合物(a)及び前記硫黄を含有しない内部電子供与性化合物(b)の合計含有量に対する前記チオエーテル基含有内部電子供与性化合物(a)の含有量の割合((a/(a+b))×100)が、0.5~50.0質量%であることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 少なくとも(A)請求項1~3いずれか1項記載のオレフィン類重合用固体触媒成分及び(B)下記一般式(2):
R2 pAlQ3-p (2)
(式中、R2は炭素数1~4のアルキル基を示し、Qは水素原子またはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数である。R2が複数存在する場合、複数のR2は互いに同一であっても異なってもよく、Qが複数存在する場合、複数のQは互いに同一であっても異なってもよい。)
で表される有機アルミニウム化合物を相互に接触させて、オレフィン類重合用触媒を得ることを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法。 - 請求項4記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法を行い得られるオレフィン類重合用触媒の存在下にオレフィン類の重合を行うことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法。
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