JP7246849B2 - 有機微粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
ところが二官能架橋性モノマー、特にアルカンジオールジ(メタ)アクリレートが残存した場合には、粒子を乾燥しても残存量が減少せず、異臭の原因となることが判明した。特に前記有機微粒子は、通常、水系溶媒の存在下で重合(例えば懸濁重合)されるため、重合物(粒子)中に二官能架橋性モノマーの未反応部が生じると、重合部(架橋部)が該未反応モノマーとラジカルとの接触障壁となるため、二官能架橋性モノマーを高いレベルで低減することは極めて難しい。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、配合するフィルムの臭気を高度に防止可能な有機微粒子を提供することにある。
[1] (メタ)アクリル系モノマーと二官能架橋性モノマーとを、水系溶媒の存在下、熱重合開始剤を共存させて重合する有機微粒子の製造方法であり、
前記熱重合開始剤が、10時間半減期温度が40℃以上である重合開始剤(B)と、該重合開始剤(B)よりも10時間半減期温度が3℃以上高い重合開始剤(A)とを、重合開始剤(A)と重合開始剤(B)の質量比(重合開始剤(A)/重合開始剤(B))が0.25~0.75となる範囲で含み、
前記重合開始剤(A)と重合開始剤(B)の合計が、前記(メタ)アクリル系モノマーと二官能架橋性モノマーの合計100質量部に対して、2.4~3.75質量部であることを特徴とする方法。
[2] 前記重合開始剤(A)及び重合開始剤(B)が、いずれも過酸化物系重合開始剤である[1]に記載の有機微粒子の製造方法。
[3] 前記重合開始剤(A)が55~100℃の範囲に10時間半減期温度を有するアルキルパーオキシエステル型開始剤であり、前記重合開始剤(B)が50~75℃の範囲に10時間半減期温度を有するジアシルパーオキサイド型開始剤である[1]又は[2]に記載の有機微粒子の製造方法。
[4] 前記(メタ)アクリル系モノマーが(メタ)アクリル酸C1-4アルキルエステルであり、前記二官能架橋性モノマーがアルカンジオールジ(メタ)アクリレートである[1]~[3]のいずれか1つに記載の有機微粒子の製造方法。
[5] (メタ)アクリル系モノマー由来の構成単位と、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート由来の構成単位を有し、該アルカンジオールジ(メタ)アクリレート由来の構成単位の量が、該アルカンジオールジ(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル系モノマーに由来する構成単位100質量部に対して10質量部以上である共重合架橋体であり、
モノマーとしてのアルカンジオールジ(メタ)アクリレートの濃度が29ppm(質量基準)以下である有機微粒子。
[6] 前記(メタ)アクリル系モノマーが(メタ)アクリル酸C1-4アルキルエステルである[5]に記載の有機微粒子。
[7] 質量平均粒子径が0.5μm以上40μm以下である[5]又は[6]に記載の有機微粒子。
[8] [5]~[7]のいずれか1つに記載の有機微粒子を含む熱可塑性樹脂フィルム。
平均粒子径(Dw)の変動係数(%)=(平均粒子径(Dw)の標準偏差σ/平均粒子径(Dw))×100
前記ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートのアルキレングリコール単位の繰り返し数は、例えば2~150であることが好ましく、より好ましくは2~23、さらに好ましくは2~5、最も好ましくは2または3である。アルキレングリコール単位の繰り返し数が少ないほど融点が低くなり、常温でも液体になって、取り扱い性が向上する。
中でも、二官能架橋性モノマーとしては、アルカンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましく、2つの(メタ)アクリル酸と炭素数が2~4程度の1つのアルカンジオールとから構成されるアルカンジオールジ(メタ)アクリレートがより好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
具体的には、窒素置換を行ったガラス管中に前記分解速度測定用サンプルを封入したものを多数準備し、該ガラス管を所定の半減期測定温度に保ち、所定時間ごとに抜き取って内容物中の重合開始剤濃度を測定し、該測定温度での半減期を求める。重合開始剤濃度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて決定でき、分解物ピークと測定物ピークの分離が不十分であるなどHPLCが濃度測定系として不適切な場合にはガスクロマトグラフィー(GC)を用いてもよく、HPLC及びGCが不適切な場合の過酸化物系重合開始剤には活性酸素濃度の時間変化を記録することで半減期を求めてもよい。なお活性酸素濃度の決定にはヨード滴定法を採用することができる。
10時間半減期温度は、複数(例えば、3点以上)の半減期測定温度(ただし、各半減期測定温度は、約5℃刻みであり、その上限以下と下限以上の中に10時間半減期温度が含まれる)で半減期を測定した結果を片対数グラフにプロットすることで求めることができる。
ベンゾイルパーオキサイド(10時間半減期温度74℃)、ジラウロイルパーオキサイド(10時間半減期温度62℃)、ジオクタノイルパーオキサイド、ビス(オルトクロロベンゾイル)パーオキサイド、ビス(オルトメトキシベンゾイル)パーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド型開始剤、及びジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート型開始剤などの-C(O)OOC(O)-構造を有する過酸化物、
メチルエチルケトンパーオキサイドなどの二量化ケトン型開始剤、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのパーオキシアセタール型開始剤、1,1-ジ(t-ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン(商品名:パーヘキサHC(登録商標))などのパーオキシケタール型開始剤、t-ヘキシルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート(商品名:パーヘキシルO(登録商標))(10時間半減期温度70℃)、1,1,3,3-テトラメチルブトキシパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(商品名:パーオクタO(登録商標))(10時間半減期温度65℃)などのアルキルパーオキシエステル型開始剤などの-OO-C-OO-構造又は-OOC(=O)-構造を有する過酸化物、
クメンヒドロパーオキサイド(10時間半減期温度158℃)、t-ブチルヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイドなどの-COOH構造を有する過酸化物(ハイドロパーオキサイド型開始剤)等が挙げられる。
前記両性イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
中でも、重合安定性、懸濁安定性が良好である観点から、アニオン性界面活性剤が好ましく、ポリオキシアルキレンアリールエーテル硫酸塩がより好ましい。
水は、水系溶媒100質量部中、例えば、80質量部以上、好ましくは90質量部以上、さらに好ましくは95質量部以上、特に好ましくは99質量部以上である。十分量の水を含むことが懸濁安定性の観点から好ましい。
前記ラクトン系酸化防止剤としては、3-ヒドロキシ-5,7-ジ-tert-ブチル-フラン-2-オンとo-キシレンの反応生成物(CAS No.181314-48-7)等が挙げられ、前記ヒドロキシアミン系酸化防止剤としては還元型牛脂を原料としたアルキルアミンの酸化生成物等が挙げられ、前記ビタミンE系酸化防止剤としては3,4-ジヒドロ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(4,8,12-トリメチルトリデシル)-2H-ベンゾピラン-6-オール等が挙げられる。
回収した有機微粒子は、必要に応じて適宜乾燥してもよい。乾燥温度は、例えば、60℃以上であり、好ましくは70℃以上であり、また例えば90℃以下である。乾燥は、有機微粒子の水分量が、例えば、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下になるまで実施するのが好ましい。乾燥時間は、例えば、10時間以上、好ましくは12時間以上であり、例えば、20時間以下、好ましくは18時間以下である。
1.残存二官能架橋性モノマー(エチレングリコールジメタクリレート)量
有機微粒子重合液1.0g(有機微粒子0.2g相当)、ブチルベンゼン(内部標準)0.015gをアセトン10gと混合し、2時間以上撹拌することで残存エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)を抽出する。その後、抽出液を0.45μm以下の孔径のフィルターでろ過し、ろ液中のEGDMAの量をガスクロマトグラフィーを用いて検量線法によって決定し、そこから有機微粒子中のEGDMA量を決定する。なおEGDMAは水不溶性であって重合液には溶解していない。そのため、重合液から単離乾燥した有機微粒子が含有するEGDMA量も、本項で求めた値と同様の数値になる。
有機微粒子中の残存EGDMA量とは、下記式に従って算出される、重合液固形分に対する残存EGDMA量である。すなわち、この値が有機微粒子中の残存EGDMA濃度となる。
二官能架橋性モノマー残存量(ppm)=重合液中のEGDMA濃度/重合液固形分×1,000,000
またガスクロマトグラフィー条件は以下の通りとする。
装置:株式会社島津製作所製「GC-2014」
カラム:DB-5MS(J&W Scientific製) 長さ30m、カラム径0.53mm、液相の膜厚1.50μm
気化室温度:280℃
検出器温度:320℃
注入量:0.5μL
キャリアガス(ヘリウム):全流量10mL/min、パージ流量3.0mL/min
カラム温度プログラム:50℃保持(開始から5分間)
2℃/minで昇温(60℃まで)
10℃/minで昇温(150℃まで)
150℃保持(3分間)
2℃/minで昇温(164℃まで)
20℃/minで昇温(300℃まで)
300℃保持(25分間)
EGDMA保持時間:約20分
乾燥有機微粒子約0.5gをメタノール液中で分散し、該有機微粒子によって持ち込まれたメタノール液中の水分量をカールフィッシャー容量滴定装置(平沼産業株式会社製の自動水分測定装置「AQV-300」)を用いて測定する。滴定剤にはアクアミクロンSS-Z 3mg(三菱化学株式会社製)を使用し、滴定剤の力価検定は脱イオン水を用いて行う。
有機微粒子約0.1gを、界面活性剤(「ネオぺレックス(登録商標)G15」、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、花王株式会社製)0.5gによくなじませた後、5分間、超音波を照射する。得られる分散粘性液に脱イオン水15gを加え、さらに超音波を照射して、粒子が分散している状態の有機微粒子分散液を調製する。精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製の「コールターマルチサイザーIII型」、アパーチャ50μm)を使用して、30,000個、100,000個の粒子の粒子径を測定し、質量基準の平均粒径および粒子径の変動係数を求める。
粒子径の変動係数(%)=(σ/d50)×100
ここで、σは質量基準の粒子径の標準偏差、d50は質量基準の平均粒子径を示す。
重合によって有機微粒子を調製した反応液中に残存するメタクリル酸メチル(MMA)の量を、前記1.残存二官能架橋性モノマー量の測定系を利用して評価する。また試料調製も、前記1.残存二官能架橋性モノマー量と同様に実施した。MMAの保持時間は約3.5分であり、その残存量は下記式に従って算出した。
MMA残存量(ppm)=重合液中のMMA濃度/重合液固形分×1,000,000
有機微粒子0.5gをメタノール25gに分散させ、室温にて3時間撹拌する。3時間後、超純水を75g加え、1時間撹拌を行う。撹拌終了後、分散液を0.45μm以下の孔径のフィルターでろ過する。ろ液がサンプル液となる。サンプル液中の界面活性剤(ハイテノール(登録商標)NF-08)量を高速液体クロマトグラフィー(High performance liquid chromatograpphy、HPLC)を用い、検量線法にて決定する。HPLC条件は以下の通りである。
カラム:CAPCELL PAK C18(株式会社資生堂製)
TYPE MG
粒子径 5μm
Size 4.6mmI.D.×250mm
カラム温度:40℃
溶離液:アセトニトリル/50mMりん酸(ナトリウム)緩衝溶液(pH=2.8)
Gradient条件
0分:アセトニトリル濃度 30体積%
0~30分:アセトニトリル濃度が直線的に増加(90体積%まで)
30~45分:アセトニトリル濃度 90体積%(一定)
流量:1mL/min
検出器:UV 230nm
ピーク位置:約16.7、23.4、27.8min(3つのピークの合計面積に基づいて検量線を作成し、濃度を決定する)
検量線用サンプル:「ハイテノール(登録商標)NF-08」(第一工業製薬株式会社製)のメタノール/超純水(体積比:25/75)溶液を、濃度を変えて数点作成する。
また実施例、比較例で用いた重合開始剤の10時間半減期温度は、以下のようにして決定した。
(6.1)ラウリルパーオキシド(LPO)
所定のガラス製容器に重合開始剤(LPO)を計量し、容器内を窒素置換し0.1mol/Lになるようにベンゼンを加え溶解させ封入することで重合開始剤溶液を調製した。その溶液を所定の温度(55℃、60℃、65℃、70℃)にした恒温槽に浸し、重合開始剤を熱分解させた。時間の経過とともに減少する重合開始剤の濃度を測定した。
55℃、60℃、65℃、70℃における時間と重合開始剤(LPO)の濃度をプロットすることで各々の温度での半減期(t1/2)(単位:時間)を求めた。横軸に絶対温度の逆数(1/T)をとり、縦軸にlnt1/2の関係をプロットし、このプロットより求められた直線から半減期が10時間となる温度を算出し、これを10時間半減期温度とした。
上述した所定の温度における重合開始剤(LPO)の濃度測定は以下に示す条件で高速液体クロマトグラフィー(High performance liquid chromatograpphy、HPLC)を用いて行った。
カラム:CAPCELL PAK C18(株式会社資生堂製)
TYPE MG
粒子径 5μm
Size 4.6mmI.D.×250mm
カラム温度:45℃
溶離液:アセトニトリル
流量:0.5mL/min
検出器:UV 230nm
この測定法によって求まるLPOの10時間半減期温度は62℃であった。
(6.2)t-ヘキシルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート(PHO)、1,1,3,3-テトラメチルブトキシ パーオキシ-2-エチルヘキサノエート(POO)
重合開始剤(PHO又はPOO)の濃度決定を以下に示す条件でガスクロマトグラフィーを用いて行う以外は、(6.1)と同様にした。
装置:株式会社島津製作所製「GC-2014」
カラム:TC-WAX(GL Science製) 長さ30m、
カラム径0.53mm、液相の膜厚1.00μm
気化室温度:120℃
検出器温度:200℃
カラム温度:70℃
注入量:0.5μL
キャリアガス(ヘリウム):全流量10mL/min、パージ流量3.0mL/min
この測定法によって求まるPHOの10時間半減期温度は70℃であり、POOの10時間半減期温度は65℃であった。
攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器および温度計を備えたフラスコに、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(商品名「ハイテノール(登録商標)NF-08」、第一工業製薬株式会社製)6質量部を溶解した脱イオン水519.1質量部を仕込んだ。そこへ予め調製しておいた、モノマーとしてのメタクリル酸メチル(MMA)288質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)72質量部、重合開始剤(B)としてのラウリルパーオキシド(日油株式会社製、商品名「パーロイルL」)(別名ジラウロイルパーオキサイド)(略記号LPO)4.32質量部(モノマー質量に対し1.2質量%)と重合開始剤(A)としてのt-ヘキシルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油株式会社製、商品名「パーヘキシルO」)(略記号PHO)2.16質量部(モノマー質量に対し0.6質量%)及び酸化防止剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン製、商品名「Irganox(登録商標)1010」、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート])1.8質量部(モノマーに対して0.5質量%)を仕込み、T.K.ホモミクサー MARK II model 2.5(プライミクス株式会社製)を用い、5500rpmで8分間攪拌して均一な懸濁液とした。
懸濁液に脱イオン水を900質量部追加し、窒素ガスを充満した重合釜に移液し、窒素ガスを吹き込みながら反応溶液が65℃になるまで加熱した。65℃で反応容器を保温し、自己発熱により液温がピーク温度(約80℃)に到達した時点を反応開始とし、反応溶液を75℃に保ちながら1.5時間攪拌を続けた(重合開始剤量が多い場合はピーク温度が85℃を越えないようにジャケット温度を適宜調節した)。その後、重合液をさらに85℃まで昇温させて4時間撹拌して重合反応を完了させた。その後、反応液(懸濁液)を50℃以下に冷却し、瀘過して、重合生成物を濾取した。これを熱風乾燥機(ヤマト科学株式会社製)を用いて85℃で14時間乾燥して有機微粒子を得た。有機微粒子の含水率は1%以下であった。該有機微粒子の二官能架橋性モノマー残存量、質量平均粒子径、及び変動係数を表1に示す。
PHO及びLPOの量を適宜変更する以外は、実施例1と同様にした。変更したPHO及びLPOの量と共に、結果を表1に示す。またPHO(重合開始剤(A))とLPO(重合開始剤(B))の比(A/B)及び合計量(A+B)と残存二官能架橋性モノマーとの関係を表2と図1に示す。
重合開始剤(A)及び重合開始剤(B)の組み合わせを、重合開始剤(A)としての1,1,3,3-テトラメチルブトキシ パーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油株式会社製、商品名「パーオクタO」)(略称POO)と重合開始剤(B)としてのLPOにし、これらの量を適宜変更する以外は、実験例1と同様にした。使用したPOO及びLPOの量と共に、結果を表3に示す。
Claims (5)
- メタクリル酸C 1-4 アルキルエステルとアルカンジオールジメタクリレートとを、水系溶媒の存在下、熱重合開始剤を共存させて重合する有機微粒子の製造方法であり、
前記熱重合開始剤が、10時間半減期温度が40℃以上75℃以下である重合開始剤(B)と、該重合開始剤(B)よりも10時間半減期温度が3~10℃高い重合開始剤(A)とを、重合開始剤(A)と重合開始剤(B)の質量比(重合開始剤(A)/重合開始剤(B))が0.25~0.75となる範囲で含み、
前記重合開始剤(A)と重合開始剤(B)の合計が、前記メタクリル酸C 1-4 アルキルエステルとアルカンジオールジメタクリレートの合計100質量部に対して、2.4~3.75質量部であり、
前記重合開始剤(A)及び重合開始剤(B)は、いずれも過酸化物系重合開始剤であり、
前記アルカンジオールジメタクリレートの量が、前記メタクリル酸C 1-4 アルキルエステルとアルカンジオールジメタクリレートの合計100質量部に対して、25質量部以下であり、
前記メタクリル酸C 1-4 アルキルエステルとアルカンジオールジメタクリレートの合計量が、前記有機微粒子を構成する全モノマー成分100質量部に対して、90質量部以上であることを特徴とする方法。 - 前記重合開始剤(A)が55~85℃の範囲に10時間半減期温度を有するアルキルパーオキシエステル型開始剤であり、前記重合開始剤(B)が50~75℃の範囲に10時間半減期温度を有するジアシルパーオキサイド型開始剤である請求項1に記載の有機微粒子の製造方法。
- メタクリル酸C 1-4 アルキルエステル由来の構成単位と、アルカンジオールジメタクリレート由来の構成単位を有し、該アルカンジオールジメタクリレート由来の構成単位の量が、該アルカンジオールジメタクリレート及びメタクリル酸C 1-4 アルキルエステルに由来する構成単位100質量部に対して10質量部以上25質量部以下であり、該メタクリル酸C 1-4 アルキルエステル及びアルカンジオールジメタクリレートに由来する構成単位の合計量が、共重合架橋体を構成する全モノマー由来の構成単位100質量部に対して、90質量部以上である共重合架橋体であり、
モノマーとしてのアルカンジオールジメタクリレートの濃度が29ppm(質量基準)以下であり、
10時間半減期温度が40℃以上75℃以下である重合開始剤(B)の分解物、及び該重合開始剤(B)よりも10時間半減期温度が3~10℃高い重合開始剤(A)の分解物を含み、前記重合開始剤(A)及び重合開始剤(B)がいずれも過酸化物系重合開始剤である有機微粒子。 - 質量平均粒子径が0.5μm以上40μm以下である請求項3に記載の有機微粒子。
- 請求項3又は4に記載の有機微粒子を含む熱可塑性樹脂フィルム。
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