JP6348312B2 - コアシェル粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コアシェル粒子の製造方法に関する。
樹脂粒子は、種々の用途に使用されており、特に、フィルムや成形加工品等のプラスチック製品、或いは、塗料、インキ、接着剤等の液状製品に添加されている。前記プラスチック製品や液状製品に樹脂粒子を添加する際には、原料となる樹脂成分、溶媒等において樹脂粒子の分散性が良好となる表面特性が求められる。また、樹脂粒子は、これら製品の原料中で混練、撹拌されるため、表面特性と併せて機械的強度も求められる。
このような課題を解決する樹脂粒子として、コアとシェルとで機能を分断してもたせることが可能なコアシェル粒子が志向されており、例えば、機械的強度を確保するためのコア粒子と、樹脂成分や溶媒中での分散性を確保するための表面特性を有するシェル層とから構成されるコアシェル粒子が知られている。例えば特許文献1では、(メタ)アクリル系モノマーと重合開始剤とを混合してコア粒子を形成した後、さらに重合開始剤を添加することなくスチレン系モノマーを加え、コア中の重合開始剤によってスチレン系モノマーを重合させ、スチレン系ポリマーでシェルを形成している。シェル層形成時に重合開始剤を添加しないのは、シェル層形成用モノマー(スチレン系モノマー)が単独で重合してしまってシェル層が形成されないことを防止するためである。
特開2012−136590号公報
しかし、シェル層形成時に重合開始剤を添加しない反応系では、コアシェル粒子の製造が可能となる一方で、得られたコアシェル粒子を乾燥させる際に、コアシェル粒子同士が凝集して粗大な2次凝集物が生じてしまうことがあった。さらにこの2次凝集物は、解砕も困難なため、分級等の付加的な工程が必要となる場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シェル層形成時に重合開始剤を添加しない、あるいは添加重合開始剤を少なくするなどして、コアシェル粒子を製造可能にする方法であっても、得られるコアシェル粒子の凝集を高度に防止できるコアシェル粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、シェル層(スチレン系ポリマー層)形成時に重合開始剤を添加しない、あるいは添加重合開始剤を少なくしてコアシェル粒子の製造を可能にする方法では、シェル層にスチレン系モノマーが残存しており、これが乾燥時の2次凝集の原因であることを発見した。そして、鋭意検討した結果、乾燥時にコアシェル粒子を撹拌しながら減圧条件下でスチレン系モノマーも除去していくと、乾燥時のスチレン系モノマー同士の反応を抑制でき、2次凝集を抑制できることを見出して、本発明を完成した。
すなわち本発明に係るコアシェル粒子の製造方法は、(メタ)アクリル系モノマーを、重合開始剤の存在下、液中で重合するコア粒子含有液調製工程、このコア粒子含有液とスチレン系モノマーとを混合し、スチレン系モノマーを重合するシェル形成工程、前記シェル形成工程で得られたコアシェル粒子を撹拌しつつ、減圧下、スチレン系モノマーを除去する工程を含むことを特徴とする。前記スチレン系モノマーの使用量は、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーの合計100質量部中、1質量部以上、40質量部以下であることが好ましい。また、前記シェル形成工程で、コア粒子含有液に重合開始剤を加えることなくスチレン系モノマーを重合させることが好ましい。前記重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーの合計100質量部に対して、0.1質量部以上、10質量部以下であることが好ましい。
前記スチレン系モノマー除去工程での加熱温度は60℃以上であり、かつ絶対圧力が10kPa以下であることが好ましい。また、コアシェル粒子中の前記スチレン系モノマーの残存量が500ppm(質量基準)以下になるまでスチレン系モノマーの除去を継続することが好ましい。
本発明の製造方法は、コアシェル粒子を撹拌しつつ、減圧下、スチレン系モノマーを除去する工程を含むため、シェル層形成時に、重合開始剤を加えることなくスチレン系モノマーを重合させて得られたコアシェル粒子であっても、得られたコアシェル粒子中のスチレン系モノマーの残存量を低減することができる。そのため、本発明の製造方法によれば、2次凝集が高度に抑制されたコアシェル粒子を得ることができる。
1.コアシェル粒子の製造方法
本発明のコアシェル粒子の製造方法は、以下のコア粒子含有液調製工程、シェル形成工程、スチレン系モノマーの除去工程を含む。
1−1.コア粒子含有液調製工程
本工程では、(メタ)アクリル系モノマーを、重合開始剤の存在下、液中で重合することにより、(メタ)アクリル系ポリマーが形成され、コア粒子含有液を調製することができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
前記(メタ)アクリル系モノマーとしては、単官能(メタ)アクリル系モノマー、多官能(メタ)アクリル系モノマーをいずれも用いることができる。単官能(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の環状エーテル含有アクリレート類;等が挙げられる。単官能(メタ)アクリル系モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート類が好ましく、コア粒子の形成が容易である観点からは、メチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また多官能(メタ)アクリル系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート等のアルキレンジ(メタ)アクリレート類、等の2官能(メタ)アクリル系モノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリル系モノマー;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能(メタ)アクリル系モノマー等が挙げられる。多官能(メタ)アクリル系モノマーとしては、2〜6官能(メタ)アクリル系モノマーが好ましく、より好ましくは2〜4官能(メタ)アクリル系モノマー、特に好ましくは2官能(メタ)アクリル系モノマーであり、最も好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類である。
上記(メタ)アクリル系モノマーは、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
中でも、前記(メタ)アクリル系モノマーとしては、単官能(メタ)アクリル系モノマーと多官能(メタ)アクリル系モノマーとを組み合わせることが好ましい。多官能(メタ)アクリル系モノマーを含む場合、多官能(メタ)アクリル系モノマーの使用量は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部中、0.1質量部以上であることが好ましい。多官能(メタ)アクリル系モノマーの使用量が多いほど、得られるコアシェル粒子の機械的強度が良好となり、耐熱性が向上するとともに、シェルの形成状態も良好となる。このため、多官能(メタ)アクリル系モノマーの使用量は、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは0.9質量部以上である。また、多官能(メタ)アクリル系モノマーの使用量は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部中、(メタ)アクリル系モノマー100質量部中、30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、16質量部以下であることがさらに好ましい。多官能(メタ)アクリル系モノマーの使用量が前記範囲であると、得られるコアシェル粒子の脆性が抑制され、圧縮応力下やせん断応力下でも破壊されにくくなる。
なお、本工程では、シクロヘキシル基等の単環式の脂環式炭化水素基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基等の多環式の脂環式炭化水素基;等の脂環式炭化水素基(特に飽和環式炭化水素基)を含有する(メタ)アクリル系モノマーが低減されていることが好ましい。これらの脂環式炭化水素基含有(メタ)アクリル系モノマーを低減すると、コアシェル粒子の脆性が抑制され、圧縮応力下やせん断応力下でも破壊されにくくなる。従って、脂環式炭化水素基含有(メタ)アクリル系モノマーは、(メタ)アクリル系モノマー100質量部中、20質量部以下が好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下、特に好ましくは0質量部、すなわち脂環式炭化水素基含有(メタ)アクリル系モノマーを使用しないことが好ましい。
本工程においては、(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な他のモノマーを使用してもよい。他のモノマーとしては、種々のビニル系モノマーが含まれ、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン系モノマー;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル系モノマー;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル系モノマー;アクリロニトリル等のニトリル系モノマー;(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー;N−ビニルピロリドン;等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。本工程で使用するその他のモノマーの使用量は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5質量部以下であり、さらに好ましくは2質量部以下である。
また、本工程においては、後述するスチレン系モノマーを用いることも可能であるが、得られるコアシェル粒子の脆性を抑制し、圧縮応力下、あるいはせん断応力下で破壊されにくくする観点からは、その使用量が抑制されていることが好ましい。従って、スチレン系モノマーの使用量は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下であり、0質量部、すなわち全く含まないことが特に好ましい。
また、(メタ)アクリル系モノマーの使用量は、本工程で使用する全モノマー(以下、「コア用モノマー」という場合がある。)100質量部中、80質量部以上であることが好ましく、より好ましくは90質量部以上、さらに好ましくは95質量部以上、特に好ましくは99質量部以上である。
上記重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤を好ましく使用できる。ラジカル重合開始剤としては、熱重合開始剤が好ましく、例えば、過酸化物系重合開始剤、アゾ化合物系重合開始剤が挙げられる。過酸化物系重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、オルトクロロベンゾイルペルオキシド、オルトメトキシベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド等が挙げられる。また、アゾ化合物系重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。
重合開始剤は、10時間半減期温度が40〜80℃(好ましくは50〜70℃)の範囲にあるものが好ましい。重合開始剤の10時間半減期温度がこの範囲にあれば、重合反応の制御が容易であるとともに、昇温による重合開始剤の除去が容易となる。このような観点からは、重合開始剤としては、過酸化物系重合開始剤が好ましい。
重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上であり、さらに好ましくは1質量部以上である。また、重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5質量部以下であり、さらに好ましくは3質量部以下である。また、重合開始剤の使用量は、コア用モノマー100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5質量部以下であり、さらに好ましくは3質量部以下である。
また、重合開始剤の使用量は、本工程で使用する(メタ)アクリルモノマーと、シェル形成工程で使用するスチレン系モノマーの合計100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上であり、さらに好ましくは1質量部以上である。また、重合開始剤の使用量は、前記(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーの合計100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、さらに好ましくは3質量部以下であり、特に好ましくは2質量部以下である。なお本発明の製造方法では、コア粒子含有液中に重合開始剤が残存するため、シェル形成工程では、この重合開始剤の作用により、スチレン系モノマーを重合させることができる。
また、重合開始剤の使用量は、本発明の製造方法で使用する全モノマー100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。
本コア粒子含有液調製工程は、通常、水系溶媒中、界面活性剤の存在下で実施され、例えば、懸濁重合、エマルション重合などによって、好ましくは懸濁重合によってコア粒子が調製される。この様な重合法を採用することによって、コア粒子を球形にでき、また粒径のそろったコア粒子を得ることができる。懸濁重合法では、(メタ)アクリル系モノマー、重合開始剤、界面活性剤、及び、水系溶媒を含むコア組成溶液を調製し、強制撹拌した後、重合温度に加熱して、重合反応を開始する。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらは単独で用いても、適宜組み合わせて用いてもよい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリウム等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステルエステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩;アルカンスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸塩;アルキルリン酸エステル塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩;ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル塩等のポリオキシアルキレンアリールエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩;等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアルキルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩等が例示できる。
非イオン性界面活性剤には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックコポリマー等が含まれる。
両性界面活性剤は、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド等である。
中でも、重合安定性、懸濁安定性が良好である観点から、アニオン性界面活性剤が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩がより好ましい。
本工程において、界面活性剤の使用量は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましい。界面活性剤の使用量が多いほど、懸濁安定性が良好となる。また、界面活性剤の使用量は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対し、5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。界面活性剤の使用量がこの範囲にあると、スチレン系モノマー除去時の着色を抑制することができる。また、界面活性剤の使用量は、コア用モノマー100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上であり、5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
水系溶媒は、水単独であってもよく、水と非水溶媒との組み合わせであってもよいが、懸濁安定性の観点から、十分量の水を含むことが好ましい。水は、水系溶媒100質量部中、例えば、80質量部以上、好ましくは90質量部以上、さらに好ましくは95質量部以上、特に好ましくは99質量部以上である。前記水としては、工業用水であってもよく、脱イオン水等を適宜使用できる。
また、前記非水溶媒としては、水溶性有機溶媒が好ましい。非水溶媒、特に水溶性有機溶媒を使用することにより、得られるコア粒子の粒子径を制御することができる。前記水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチルプロピルアルコール、2−メチル−2−プロパノール等のアルコール溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル溶媒;等が挙げられる。中でも、炭素数4以下のアルコール溶媒が好ましく、炭素数3のアルコール溶媒がより好ましく、2−プロパノールが特に好ましい。
非水溶媒を使用する場合、その使用量は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましい。非水溶媒の使用量が多いほど、得られるコア粒子の粒子径を小さくすることができ、例えば、(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対して、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることがさらに好ましい。また、非水溶媒の使用量は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることがさらに好ましい。非水溶媒の使用量が前記範囲であると、懸濁安定性が良好である。
また、非水溶媒の使用量は、コア用モノマー100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上であり、10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5質量部以下である。
本工程において、水系溶媒の使用量は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対して、100質量部以上であることが好ましく、より好ましくは120質量部以上、さらに好ましくは140質量部以上である。また、水系溶媒の使用量は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対して、200質量部以下であることが好ましく、より好ましくは160質量部以下、さらに好ましくは150質量部以下である。また、水系溶媒の使用量は、コア用モノマー100質量部に対して100質量部以上であることが好ましく、より好ましくは120質量部以上、さらに好ましくは140質量部以上であり、200質量部以下であることが好ましく、より好ましくは160質量部以下、さらに好ましくは150質量部以下である。
本工程において、水系溶媒の使用量は、固形分(モノマー、重合開始剤、界面活性剤、添加剤)100質量部に対して、100質量部以上であることが好ましく、より好ましくは120質量部以上、さらに好ましくは140質量部以上である。また、水系溶媒の使用量は、固形分100質量部に対して、200質量部以下であることが好ましく、より好ましくは160質量部以下、さらに好ましくは150質量部以下である。
また、コア組成溶液は、重合反応に影響を及ぼさない範囲で、沈降防止剤、防カビ剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等公知の添加剤を含有していてもよい。
界面活性剤、(メタ)アクリル系モノマー、重合開始剤、水系溶媒の添加順序は特に限定されないが、例えば、まず水系溶媒と界面活性剤とを混合し、次いで、(メタ)アクリル系モノマーと重合開始剤とを混合することが好ましい。また、重合安定性の観点からは、予め(メタ)アクリル系モノマーに重合開始剤を溶解させておくことが好ましい。
前記強制撹拌は、公知の乳化分散装置を用いて行うことができる。乳化分散装置としては、例えば、マイルダー(荏原製作所製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス社製)等の高速せん断タービン型分散機;ピストン型高圧式均質化機(ゴーリン社製)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディックス社製)等の高圧ジェットホモジナイザー;超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製)等の超音波式乳化分散機;アトライター(三井鉱山社製)等の媒体撹拌分散機;コロイドミル(日本精機製作所製)等の強制間隙通過型分散機等を用いることができる。なお、上記強制撹拌の前に、通常のパドル翼等で予備撹拌しておいてもよい。
撹拌速度は、例えば、5000rpm以上が好ましく、6000rpm以上がより好ましい。撹拌速度が大きいほど、得られるコア粒子の粒子径を小さくすることができる。また、撹拌時間は、通常30〜90分であることが好ましい。撹拌時間が長いほど、コア粒子の粒子径を小さくすることができ、粒子径分布を狭くすることができる。また、撹拌時間が前記範囲にあると、液温の上昇を防ぐことができ、重合反応の制御が容易となる。
また、(メタ)アクリル系モノマー(コア用モノマー)の重合温度は、40〜100℃が好ましく、50〜90℃がより好ましい。重合温度は、用いる重合開始剤の種類によって適宜調整でき、例えば、用いる重合開始剤の10時間半減期温度より2〜4℃高い温度とすることが好ましい。10時間半減期温度は、重合開始剤の分解の目安となる温度であるが、重合温度が前記範囲にあると、重合開始剤の分解が適度に進行し、得られるコアシェル粒子における重合開始剤の残存量が低減されると同時に、重合安定性も良好である。具体的に、使用する重合開始剤がラウリルペルオキシドの場合、ラウリルペルオキシドの10時間半減期温度が62℃であることから、重合温度は64〜66℃とすることが好ましい。
また、重合時間は、5〜600分であることが好ましく、10〜300分であることがより好ましい。重合時間が前記範囲にあると、重合度を適度に高め、粒子の機械的特性を向上できる。重合雰囲気は、窒素雰囲気、希ガス雰囲気等の不活性雰囲気であることが好ましい。
1−2.シェル形成工程
本工程では、前記コア粒子含有液調製工程で得られたコア粒子含有液とスチレン系モノマーとを混合する。コア粒子中の重合開始剤によってスチレン系モノマーの重合反応が進行するため、コア粒子表面にシェル層(スチレン系ポリマー層)を形成できる。
前記スチレン系モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−エチルビニルベンゼン、m−エチルビニルベンゼン、p−エチルビニルベンゼン等の単官能スチレン系モノマー;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の多官能スチレン系モノマー;等が挙げられる。スチレン系モノマーは、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
中でも、前記スチレン系モノマーとしては、単官能スチレン系モノマーと多官能スチレン系モノマーとを組み合わせることが好ましい。この場合、多官能スチレン系モノマーの使用量は、スチレン系モノマー100質量部中、0.1質量部以上であることが好ましい。多官能スチレン系モノマーの使用量が多いほど、得られるコアシェル粒子の機械的強度が良好となり、耐熱性が向上する。このため、多官能スチレン系モノマーの使用量は、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは2質量部以上である。また、多官能スチレン系モノマーの使用量は、スチレン系モノマー100質量部中、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。多官能スチレン系モノマーの使用量が前記範囲にあると、得られるコアシェル粒子の脆性が抑制され、圧縮応力下やせん断応力下でも破壊されにくくなる。
また、スチレン系モノマーの使用量は、コア粒子含有液100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であり、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは7質量部以下である。
スチレン系モノマーの使用量は、コア粒子含有液調製工程で用いる(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは12質量部以上であり、30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは17質量部以下である。スチレン系モノマーの使用量がこの範囲にあると、コア粒子の粒子径とシェルの厚さの比率が適度な範囲となる。
スチレン系モノマーの使用量は、コア粒子含有液調製工程で用いる(メタ)アクリル系モノマーと本工程で使用するスチレン系モノマーの合計100質量部中、1質量部以上、40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは7質量部以上、特に好ましくは10質量部以上である。スチレン系モノマーの割合が大きいほど、圧縮応力下やせん断応力下で、コアシェル粒子の破砕を抑制しやすくなる。また、スチレン系モノマーの使用量は、コア粒子含有液調製工程で用いる(メタ)アクリル系モノマーと本工程で使用するスチレン系モノマーの合計100質量部中、30質量部以下であることがより好ましく、さらに好ましくは25質量部以下、特に好ましくは15質量部以下である。スチレン系モノマーの使用量が前記範囲にあると、シェル層の厚みが厚くなりすぎないため、シェル層の割れを抑制でき、また、樹脂中にコアシェル粒子を分散させたときの透明度が良好となる。
また、スチレン系モノマーの使用量は、コア用モノマーと本工程で使用するスチレン系モノマーの合計100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは7質量部以上であり、40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下である。
さらに、スチレン系モノマーの使用量は、本発明の製造方法で使用する全モノマー100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは7質量部以上であり、40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下である。
本工程では、スチレン系モノマーと共重合可能な他のモノマーを使用してもよい。他のモノマーとしては、種々のビニル系モノマーが含まれ、例えば、上記(メタ)アクリル系モノマー、オレフィン系モノマー、ハロゲン化ビニル系モノマー、カルボン酸ビニルエステル系モノマー、ニトリル系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマー、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。シェル形成工程で使用するその他のモノマーの使用量は、スチレン系モノマー100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下、特に好ましくは0質量部、すなわち使用しないことが好ましい。
本工程において、スチレン系モノマーの使用量は、本工程で使用する全モノマー(以下、「シェル用モノマー」という場合がある。)100質量部中、80質量部以上であることが好ましく、より好ましくは90質量部以上、さらに好ましくは95質量部以上、特に好ましくは99質量部以上である。さらに、シェル用モノマーの使用量は、コア用モノマー100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは12質量部以上であり、30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは17質量部以下である。スチレン系モノマーの使用量がこの範囲にあると、コア粒子の粒子径とシェルの厚さの比率が適度な範囲となる。
前記コア粒子含有液中には、重合開始剤が残存しており、本工程では、この重合開始剤の作用により、スチレン系モノマーの重合が進行する。従って、本工程では、重合開始剤を混合する必要がない。むしろ、重合開始剤を加えると、スチレン系モノマーが単独で重合してシェル層を形成しない恐れが高まるため、重合開始剤添加は好ましくないが、発明を阻害しない範囲で少量の重合開始剤を加えることは許容される。本シェル形成工程での重合開始剤の添加量は、例えば、スチレン系モノマー100質量部に対して、2質量部以下にすることが好ましく、さらに好ましくは0.1質量部以下である。
本工程において、コア粒子含有液とスチレン系モノマーとを混合するタイミングは、コア粒子含有液中の(メタ)アクリル系モノマー(コア用モノマー)の重合がほぼ完了した段階であることが好ましい。(メタ)アクリル系モノマー(コア用モノマー)の重合がほぼ完了した段階でスチレン系モノマーを混合することにより、(メタ)アクリル系モノマー(コア用モノマー)とスチレン系モノマー(シェル用モノマー)の共重合が抑制され、(メタ)アクリル系ポリマー(コア用モノマー)の機械的特性と、スチレン系ポリマー(シェル用モノマー)の表面特性とを併せもつコアシェル粒子が得られやすくなる。(メタ)アクリル系モノマー(コア用モノマー)の重合の進行度合いは、コア粒子含有液中の(メタ)アクリル系モノマー(コア用モノマー)の重合率を基準として定めることができ、重合がほぼ完了した段階とは、例えば、前記重合率が80〜99質量%であることが好ましく、85〜98質量%であることが好ましい。また、(メタ)アクリル系モノマー(コア用モノマー)の重合率が80〜99質量%(好ましくは85〜98質量%)である間に、スチレン系モノマーの混合を開始し、かつ全量を混合し終えることが好ましい。ここで、(メタ)アクリル系モノマー(コア用モノマー)の重合率は、(仕込みモノマー量−残存モノマー量)/(仕込みモノマー量)で定義する。また、残存モノマー量は、ガスクロマトグラフィを用いて測定できる。
前記(メタ)アクリル系モノマー(コア用モノマー)の重合率は、反応液温度の変化から推測することができる。例えば、実施例に記載の方法では、反応液温度が極大値を取るときの重合率がおよそ94質量%前後であるため、この付近でスチレン系モノマーの添加を開始することが好ましい。
スチレン系モノマーの重合温度は、40〜100℃が好ましく、50〜90℃がより好ましい。重合温度は、用いる重合開始剤の種類によって、適宜変更できる。また、重合時間は、5〜600分であることが好ましく、10〜300分であることが好ましい。重合時間が前記範囲にあると、重合度を適度に高め、粒子の機械的特性を向上できる。重合温度及び重合時間が前記範囲にあると、重合開始剤の分解が進行して、コアシェル粒子に残留する重合開始剤の量を低減できる。重合雰囲気は、窒素雰囲気、希ガス雰囲気等の不活性雰囲気であることが好ましい。
本工程において、コア粒子含有液とスチレン系モノマーとを混合する際には、スチレン系モノマーは、界面活性剤、及び、水系溶媒を含むシェル組成溶液を調製した後強制撹拌し、プレエマルションとして、コア粒子含有液に添加することが好ましい。これにより、スチレン系モノマーが反応液中に均一に分散するため、コア粒子表面に均一なシェルを形成することが容易となる。添加方法は一括添加、逐次添加のいずれでもよく、逐次添加する方法としては、例えば、滴下により添加する方法が挙げられる。
プレエマルション化に用いる界面活性剤としては、コア粒子含有液調製工程で使用できる界面活性剤として例示したものと同様の界面活性剤を用いることができ、アニオン性界面活性剤が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩がより好ましい。プレエマルション化に用いる界面活性剤の使用量は、スチレン系モノマー100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは0.7質量部以上である。界面活性剤の使用量が多いほど、プレエマルションの安定性が良好である。また、界面活性剤の使用量は、スチレン系モノマー100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2.5質量部以下である。界面活性剤の使用量がこの範囲にあると、スチレン系モノマー除去時の着色を抑制することができる。また界面活性剤の使用量は、シェル用モノマー100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは0.7質量部以上であり、5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2.5質量部以下である。
プレエマルション化に用いる水系溶媒としては、コア粒子含有液調製工程で使用できる水系溶媒として例示したものと同様の水系溶媒を用いることができる。
プレエマルション化に用いる水系溶媒は、スチレン系モノマー100質量部に対して、200質量部以上であることが好ましく、より好ましくは300質量部以上、さらに好ましくは400質量部以上である。水系溶媒の使用量が多いほど、スチレン系モノマーの分散が容易となる。また、プレエマルション化に用いる水系溶媒の使用量は、スチレン系モノマー100質量部に対して、1000質量部以下であることが好ましく、より好ましくは700質量部以下、さらに好ましくは600質量部以下である。水系溶媒の使用量が前記範囲であると、重合速度を適度に速めることができる。
また、プレエマルション化に用いる水系溶媒の使用量は、固形分(モノマー、界面活性剤、添加剤)100質量部に対して、200質量部以上であることが好ましく、より好ましくは300質量部以上、さらに好ましくは400質量部以上である。1000質量部以下であることが好ましく、より好ましくは700質量部以下、さらに好ましくは600質量部以下である。
前記強制撹拌する方法としては、コア粒子含有液調製工程で使用した強制撹拌法と同様の方法を使用できる。撹拌速度は、例えば、6500rpm以上が好ましく、7500rpm以上がより好ましい。撹拌速度が大きいほど、プレエマルション中でのモノマー分散性が良好となる。また、撹拌時間は、通常10〜30分であることが好ましい。撹拌時間が長いほど、プレエマルション中でのモノマーの分散性を向上することができる。
プレエマルション(シェル組成溶液)の使用量は、コア粒子含有液100質量部に対して、15質量部以上であることが好ましく、より好ましくは25質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上である。また、50質量部以下であることが好ましく、より好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは38質量部以下である。
また、プレエマルション(シェル組成溶液)は、重合反応に影響を及ぼさない範囲で、沈降防止剤、防カビ剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等公知の添加剤を含有していてもよい。
1−3.スチレン系モノマー除去工程
以上のようにして調製されたコアシェル粒子(反応液)は、必要に応じて液体成分を低減してコアシェル粒子を濃縮した後、好ましくは固液分離した後、乾燥する。そして本発明では、この乾燥時に、単に溶媒を留去するのみならず、微量に残存しているスチレン系モノマーを十分に低減することが重要である。スチレン系モノマーを低減することによって、コアシェル粒子の2次凝集を抑制できる。
スチレン系モノマーを除去するには、減圧下、コアシェル粒子を撹拌するのが有効である。コアシェル粒子を減圧下で撹拌すると、スチレン系モノマーの揮発を促進でき、かつ乾燥時のスチレン系モノマー同士の反応を抑制でき、2次凝集を抑制できる。特にコアシェル粒子反応液から液体成分が除去され、実質的に粒子集合体状になった後でも、減圧下、コアシェル粒子を撹拌することで、残存スチレン系モノマーを十分なレベルにまで除去できる。
本スチレン系モノマー除去工程での圧力及び温度は、スチレン系モノマーの揮発除去に適した条件が採用でき、絶対圧力は、例えば、10kPa以下であることが好ましく、より好ましくは8kPa以下、さらに好ましくは7kPa以下である。絶対圧力が低い程、スチレン系モノマーの残存量を効率よく低減できる。また、本工程での絶対圧力は、例えば、1kPa以上であってもよく、4kPa以上、あるいは5kPa以上であってもよい。
本除去工程の温度は、前記圧力に応じて適宜設定でき、非加熱条件(例えば20℃以上)であってもよいが、スチレン系モノマーの除去効率を向上する趣旨から、加熱することが好ましい。本工程での加熱温度は、例えば、60℃以上であることが好ましく、より好ましくは70℃以上、さらに好ましくは75℃以上である。また、加熱温度は、130℃以下であることが好ましく、より好ましくは110℃以下、さらに好ましくは100℃以下、特に好ましくは90℃以下である。加熱温度が前記範囲にあると、コアシェル粒子の着色を抑制できる。
本工程では、加熱温度と絶対圧力のいずれも前記範囲とすることが好ましい。
本工程では、上述した様に、コアシェル粒子を撹拌することも重要である。撹拌することで、スチレン系モノマーの除去効率を高めることができ、かつ異なる粒子表面間で生じるスチレン系モノマー同士の反応も低減でき、2次凝集の防止効果を高めることができる。
撹拌手段は、公知の範囲から適宜選択でき、例えば、撹拌翼で機械的に撹拌するのが好ましい。機械的撹拌に使用できる撹拌機としては、スクリューミキサー、ナウターミキサー等のスクリュー型撹拌機;リボンミキサー等のリボン型撹拌機;等が好ましく、スクリュー型撹拌機がより好ましい。
本スチレン系モノマーの除去工程は、スチレン系モノマーの残存量が500ppm(質量基準)以下になるまで継続することが好ましく、450ppm(質量基準)以下になるまで継続することがより好ましい。
スチレン系モノマー残存量を前記範囲にするのに要する時間は、例えば50時間以上であることが好ましく、より好ましくは60時間以上、さらに好ましくは70時間以上である。
また、本発明では上述した様に、スチレン系モノマーの除去処理(除去工程)前に、コアシェル粒子反応液を濃縮又は固液分離してもよく、溶媒を除去(予備乾燥)してもよい。濃縮又は固液分離する方法としては、例えば、沈降濃縮、ろ過、遠心分離(デカンタ)、湿式ふるい分け、液体サイクロン等が挙げられ、遠心分離(デカンタ)が好ましい。
本スチレン系モノマー除去工程では、加熱温度によっては、コアシェル粒子が軟化し物理的に凝集する場合があるため、必要に応じて、乾燥後のコアシェル粒子を解砕することが好ましい。コアシェル粒子の軟化による物理的凝集物と、コアシェル粒子中の残存スチレン系モノマーによる2次凝集物とは、軽度の応力で解砕されるか否か(化学結合による凝集であるか否か)で、区別することができる。
2.コアシェル粒子
本発明の製造方法により得られたコアシェル粒子も本発明の技術的範囲に包含される。本発明の製造方法により得られるコアシェル粒子は、(メタ)アクリル系ポリマーを含むコア粒子と、その表面に形成されたスチレン系ポリマーを含むシェルとで構成される。また、コアシェル粒子は、スチレン系モノマーの残存量が500ppm(質量基準)以下であることが好ましい。スチレン系モノマーの残存量は、より好ましくは450ppm(質量基準)以下である。本発明のコアシェル粒子では、スチレン系モノマーの残存量が低減されているため、乾燥時の2次凝集が生じにくくなり、軽度の(応力の)解砕で粗大凝集物を低減することができる。このような解砕には、例えば、フードプロセッサー(中部工機株式会社製「PS−3000S」)を用いることができる。
本発明のコアシェル粒子において、コア粒子中の(メタ)アクリル系ポリマーの含有量は、コア粒子100質量部中、80質量部以上であることが好ましく、より好ましくは90質量部以上、さらに好ましくは95質量部以上、特に好ましくは99質量部以上である。コア粒子中の(メタ)アクリル系モポリマーの含有量は、上記コア用モノマー中の(メタ)アクリル系モノマーの使用量に基づいて算出できる。
また、本発明のコアシェル粒子において、シェル中のスチレン系ポリマーの含有量は、シェル100質量部中、80質量部以上であることが好ましく、より好ましくは90質量部以上、さらに好ましくは95質量部以上、特に好ましくは99質量部以上である。シェル中のスチレン系ポリマーの含有量は、上記シェル用モノマー中のスチレン系モノマーの使用量に基づいて算出できる。
本発明のコアシェル粒子の体積平均粒子径は、0.6μm以上、2μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.8μm以上、1.6μm以下である。コアシェル粒子の体積平均粒子径がこの範囲にあると、光拡散性やアンチブロッキング性が良好となる。
本発明のコアシェル粒子において、コア粒子の体積平均粒子径は、0.5μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.6μm以上、さらに好ましくは0.7μm以上である。また、コア粒子の体積平均粒子径は、1.98μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.8μm以下であり、さらに好ましくは1.64μm以下、特に好ましくは1.5μm以下である。また、シェルの厚さは、0.01μm以上、0.4μm以下であることが好ましく、0.05μm以上、0.2μm以下であることが好ましい。シェルの厚さがこの範囲にあると、コア粒子を十分に被覆しながら、コア粒子の機械的特性をコアシェル粒子に反映させることができる。
また、本発明のコアシェル粒子において、コア粒子の体積平均粒子径とコアシェル粒子の体積平均粒子径との比(コア粒子/コアシェル粒子)は、例えば、0.8以上であることが好ましく、0.99以下であることが好ましい。前記比がこの範囲にあると、コアシェル粒子において、コア粒子の機械的特性が効果的に発揮されると同時に、コア粒子がシェルで十分に被覆されたものとなり、シェルによる表面特性が効果的に付与される。
コア粒子、コアシェル粒子の体積平均粒子径は、コールター原理を利用した精密粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター社製「コールター・マルチサイザー 3」)により測定できる。また、シェルの厚さは、下記式にて求めることができる。
シェルの厚さ=(コアシェル粒子の体積平均粒子径−コア粒子の体積平均粒子径)/2
本発明のコアシェル粒子は、その表面が疎水性であることが好ましい。コアシェル粒子の表面が疎水性であると、樹脂成分や有機溶媒中での分散性が良好となる。
疎水性の目安は、コアシェル粒子0.1gを、内径32mmの容器に入れた水30gの液面に浮かべて24時間静置したときの、前記コアシェル粒子の沈降量で判断することができる。コアシェル粒子の沈降量が少ないほど、コアシェル粒子の表面が疎水性であることを表す。
本発明のコアシェル粒子は、機械的強度に優れたものであることが好ましい。コアシェル粒子の機械的強度は、例えば、スチレン系モノマーの除去工程後のコアシェル粒子を、フードプロセッサー(中部工機株式会社製「PS−3000S」)等を用いて解砕した後でも、コアシェル粒子の割れや欠けが存在しないことで確認できる。
また、本発明のコアシェル粒子は、屈折率が1.4〜1.7であることが好ましく、より好ましくは1.43〜1.64である。屈折率がこの範囲にあると、樹脂中に分散させたときに、樹脂の透明性が損なわれない。また、この観点からは、コアシェル粒子と使用する樹脂の屈折率差は0.05以下であることが好ましい。主要な樹脂の屈折率の一例を示せば、ポリメチルメタクリレートは1.49、ポリスチレンは1.59、ポリエチレンは1.54、ポリプロピレンは1.48である。
本発明の製造方法により得られるコアシェル粒子は、凝集が高度に抑制されたものであるため光拡散性が良好であり、樹脂成分や溶媒等中の分散性や機械的強度も良好であることから、特に、光拡散板の光拡散層や集光層、或いは反射板の反射層に有用に用いられる。また、本発明のコアシェル粒子は、樹脂フィルム等に、滑り性やアンチブロックキング性を付与することもできる。さらには、小粒子径として比表面積を高めたものでは、タンパク質固定化用担体微粒子としても有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
以下、本発明の実施例で用いた評価方法について説明する。
<残存スチレン量の測定方法>
粒子2gに溶剤(メチルエチルケトン)30g、内部標準物質(ブチルベンゼン)0.02gに分散させ、3時間以上室温で撹拌した。得られた分散液をフィルター(目開き0.45μm)でろ過し、このろ液をガスクロマトグラフィにより測定して、スチレン含有量を分析した。ガスクロマトグラフィの測定条件は下記の通りであった。
ガスクロマトグラフィ測定条件
使用装置 GC−2014(島津製作所製)
温度条件 注入口温度 280℃
検出器温度 280℃
カラム条件 50℃ 3分保持 → 10℃/分 → 280℃ 20分保持
カラムタイプ DB−5MS(J&W社製)
<凝集物の含有量>
スチレン系モノマーの除去工程を経たコアシェル粒子をフードプロセッサー(中部工機株式会社製「PS−3000S」)で30秒間、解砕を行った。解砕されたコアシェル粒子200gを標準ふるい(目開き710μm)を用いてふるった時に、ふるいを通らずに上に残る塊状物(2次凝集物)の重量を測定し、スチレン系モノマーの除去工程で生じた2次凝集物量を評価した。
2次凝集物量が、コアシェル粒子の全量の5%未満の場合を○、5%以上の場合を×として評価した。
<実施例1>
コア組成溶液の調製
フラスコ(1)にメチルメタクリレート(MMA)204部、エチレングリコール(EGDMA)36部を仕込み、続いてラウリルペルオキシド4.8部を溶解させた。これとは別に、フラスコ(2)にポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標)NF−08」)2.4部を脱イオン水352部に溶解させた。溶解確認後、フラスコ(1)とフラスコ(2)の溶液を混合し、マイルダー(荏原製作所製)を用い、回転数6400rpmで70分間撹拌して、均一な懸濁液とした。
シェル組成溶液の調製
フラスコ(3)にスチレン33.5部、ジビニルベンゼン(57%DVB)2.3部を仕込んだ。これとは別に、フラスコ(4)に、前記「ハイテノールNF−08」0.7部を脱イオン水180部に溶解させた。フラスコ(3)とフラスコ(4)を混合し、前記マイルダーを用いて、回転数8000rpmで12分間撹拌して、シェル用懸濁液(プレエマルション)を調製し、シェル組成溶液を得た。
粒子合成
前記コア組成溶液を、撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに移し入れ、脱イオン水600部をさらに加えた。フラスコをウオーターバスに浸け、窒素ガスを吹き込みながら、バス温度を65℃に設定しフラスコ内温を昇温した。重合が開始し、フラスコ内温がバス温度を超えてピーク温度に達し、極大値を示した直後に、シェル用組成溶液を滴下ロートから滴下した。滴下終了後、バス温度を75℃に設定し、1.5時間反応させた後、バス温度を85℃に設定し、2時間反応させた後、冷却した。粒子径を測定すると1.2μmであった。
得られたコアシェル粒子含有液を金属製の金網(300メッシュ:目開き45μm)に通して、重合時に生成した粗大物を除去し、デカンタ装置により、白色沈殿物を取得した。
スチレン系モノマーの除去
得られた白色の沈殿物からスチレンモノマーを除去するためナウターミキサー(ホソカワミクロン社製)に仕込み、真空度50torr(絶対圧力6.67kPa)、ジャケット温度80℃に設定し、撹拌しながら72時間処理後、スチレン系モノマーを除去した実施例1のコアシェル粒子を取得した。
<実施例2>
コア組成溶液中の(メタ)アクリル系モノマーを、MMA204部、EGDMA36部の代わりに、MMA218.4部、EGDMA21.6部とした以外は実施例1と同様にして粒子合成を行い、スチレン系モノマーの除去処理まで行って実施例2のコアシェル粒子を得た。
<実施例3>
コア組成溶液中の(メタ)アクリル系モノマーを、MMA204部、EGDMA36部の代わりに、MMA228部、EGDMA12部とした以外は、実施例1と同様にして粒子合成を行い、スチレン系モノマーの除去処理まで行って実施例3のコアシェル粒子を得た。
<実施例4>
コア組成溶液中の(メタ)アクリル系モノマーを、MMA204部、EGDMA36部の代わりに、MMA232.8部、EGDMA7.2部とした以外は、実施例1と同様にして粒子合成を行い、スチレン系モノマーの除去処理まで行って実施例4のコアシェル粒子を得た。
<実施例5>
コア組成溶液中の(メタ)アクリル系モノマーを、MMA204部、EGDMA36部の代わりに、MMA237.6部、EGDMA2.4部とした以外は、実施例1と同様にして粒子合成を行い、スチレン系モノマーの除去処理まで行い実施例5のコアシェル粒子を得た。
<比較例1>
実施例1と同様にして、コアシェル粒子を合成し、白色沈殿物を得た。得られた白色沈殿物を熱風乾燥機により温度80℃で8時間乾燥させ、比較例1のコアシェル粒子を取得した。
<比較例2>
コア組成溶液中の(メタ)アクリル系モノマーを、MMA204部、EGDMA36部の代わりに、MMA218.4部、EGDMA21.6部とした以外は比較例1と同様にして、比較例2のコアシェル粒子を取得した。
<比較例3>
コア組成溶液中の(メタ)アクリル系モノマーを、MMA204部、EGDMA36部の代わりに、MMA228部、EGDMA12部とした以外は比較例1と同様にして、比較例3のコアシェル粒子を取得した。
<比較例4>
コア組成溶液中の(メタ)アクリル系モノマーを、MMA204部、EGDMA36部の代わりに、MMA232.8部、EGDMA7.2部とした以外は比較例1と同様にして、比較例4のコアシェル粒子を取得した。
<比較例5>
コア組成溶液中の(メタ)アクリル系モノマーを、MMA204部、EGDMA36部の代わりに、MMA237.6部、EGDMA2.4部とした以外は比較例1と同様にして、比較例5のコアシェル粒子を取得した。
実施例1〜5、比較例1〜5で得られたコアシェル粒子について、残存スチレン量、凝集物の含有量を測定した。コア粒子に使用した(メタ)アクリル系モノマーの組成(コア組成)、シェルに使用したスチレン系モノマーの組成(シェル組成)、前記(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーの比、得られたコアシェル粒子の粒子径、乾燥条件、残存スチレン量、凝集物の含有量評価を表1に示す。
Figure 0006348312
熱風乾燥により(減圧せず、かつ撹拌することなく)乾燥した比較例1〜5のコアシェル粒子では、重合工程後に生じた粗大凝集物を除去しても、乾燥後では凝集物が生じており、乾燥時に2次凝集物が生成したことがわかる。これに対して、撹拌しつつ、減圧下でスチレン系モノマーを除去した実施例1〜5のコアシェル粒子では、残存スチレン量が500ppm以下であり、2次凝集物の生成が高度に抑制されていることがわかる。
本発明の製造方法により得られるコアシェル粒子は、凝集が高度に抑制されたものであるため光拡散性が良好であり、樹脂成分や溶媒等中の分散性や機械的強度も良好であることから、特に、光拡散板の光拡散層や集光層、或いは反射板の反射層に有用に用いられる。また、本発明のコアシェル粒子は、樹脂フィルム等に、滑り性やアンチブロックング性を付与することもできる。さらには、小粒子径として比表面積を高めたものでは、タンパク質固定化用担体微粒子としても有用である。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル系モノマーを、重合開始剤の存在下、液中で重合するコア粒子含有液調製工程、
    このコア粒子含有液とスチレン系モノマーとを混合し、スチレン系モノマーを重合するシェル形成工程、
    前記シェル形成工程で得られたコアシェル粒子を撹拌しつつ、減圧下、スチレン系モノマーを除去しながら溶媒を留去する乾燥工程
    を含み、
    前記シェル形成工程では、前記コア粒子含有液に重合開始剤を加えることなく前記スチレン系モノマーを重合させるか、重合開始剤を加える場合は、その添加量を前記スチレン系モノマー100質量部に対して、2質量部以下とし、
    前記乾燥工程での加熱温度が60℃以上であり、かつ絶対圧力が10kPa以下であり、コアシェル粒子中の前記スチレン系モノマーの残存量が500ppm(質量基準)以下になるまでスチレン系モノマーの除去を継続することを特徴とするコアシェル粒子の製造方法。
  2. 前記スチレン系モノマーの使用量が、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーの合計100質量部中、1質量部以上、40質量部以下である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記コア粒子含有液調製工程では、前記重合開始剤の使用量が、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーの合計100質量部に対して、0.1質量部以上、10質量部以下である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記コア粒子が懸濁重合によって調製される請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記コア粒子の体積平均粒子径が0.5μm以上であり、前記コアシェル粒子の体積平均粒子径が0.6μm以上、2μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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