JP2018059219A - 補強紙用クラフト紙及び補強紙用クラフト紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】左右両端のいずれからカットテープを引いても容易に補強紙が破断され、かつ破断時に補強紙の破片を生じない補強紙用クラフト紙及びこのクラフト紙の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の補強紙用クラフト紙は、未晒クラフトパルプ繊維を主成分とし、坪量70〜120g/m2の単層で構成され、一方の面の繊維配向比の絶対値と他方の面の繊維配向比の絶対値がいずれも3以下であり、上記一方の面の繊維配向比と上記他方の面の繊維配向比との差の絶対値が0.5以下である。本発明の補強紙用クラフト紙の製造方法では、調成した未晒クラフトパルプ繊維を主成分とするパルプスラリーを抄紙用ワイヤーに吐出する際の上記パルプスラリーの速度の上記抄紙用ワイヤーの速度に対する比率が0.98以下又は1.03以上で、坪量70〜120g/m2の単層で、表裏面の繊維配向比の差の絶対値が0.5以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、補強紙用クラフト紙及び補強紙用クラフト紙の製造方法に関する。
米、砂糖、セメント、樹脂等の粒状物、粉状物やペレットの充填、輸送や保管のためにクラフト紙袋が広く用いられている。クラフト紙袋には通常20〜50kgもの内容物が充填され、また充填、輸送や保管の段階から袋の開封時に至るまで破袋しないように要求されることから、クラフト紙袋には高い強度が付与される。そして、クラフト紙袋にさらに強度を付与すべく、クラフト紙袋の上部や下部のミシン目部分や糊貼り部分に補強紙と呼ばれる紙が縫い込まれたり、糊付けされたりすることが多い。
この補強紙の材料として重包装クラフト紙や伸長紙が一般に使用されるが、重包装クラフト紙や伸長紙はクラフト紙袋の胴部分にも用いられるので、上述のように高い強度が付与されており、これらを補強紙の材料とした場合は、補強紙を容易に破断できず、簡単に袋の開封ができないことがある。
そこで、補強紙の破断を容易にすべく、開封機構を備えるテープ(以下、「カットテープ」ともいう)が補強紙に貼り合わされたクラフト紙袋(以下、「イージーオープン型紙袋」ともいう)が上市され、またカットテープに関する技術も開示されている(下記特許文献1参照)。
特開2000−85792号公報
しかしながら、既存のイージーオープン型紙袋では、カットテープの左右両端のいずれか一方の端からカットテープを引くと容易に補強紙を破断できるが、他方の端からカットテープを引くと容易に補強紙を破断できず、無理に破断しようとすると補強紙がハの字状に裂けて簡単に袋の開封ができなかったり、破断の際に生じた補強紙の破片が袋の内側に入って異物混入の原因になる等の問題がある。また、カットテープの左右両端のいずれか一方の端からのみ袋の開封が容易であることは、右利きの者も左利きの者も開封作業を行いうる点から好ましくない。さらに、上記特許文献1記載の技術は開封時にカットテープが袋の内側に入らないようにするものであり、補強紙の破断性を改善するものではない。
本発明は、上述のような事情を鑑みてなされたものであり、カットテープの左右両端のいずれからカットテープを引いても容易に破断され、かつ破断の際に補強紙の破片を生じない補強紙用クラフト紙、及びこの補強紙用クラフト紙の製造方法の提供を目的とする。
本発明者は、補強紙用クラフト紙に含まれるパルプ繊維がクラフト紙の表裏面、更にはMD、CD両方向においても略同等の均一な地合を構成する場合は、いずれの向きに破断するかに関わらず、容易に補強紙を破断できることを見出し、この知見を基に本発明を完成した。ここで、MD方向とは、抄紙の流れの方向をいい、CD方向とは、水平面内においてMD方向と直交する方向をいう。
上記課題を解決するためになされた発明は、未晒クラフトパルプ繊維を主成分として含み、坪量が70g/m以上120g/m以下の単層で構成され、一方の面の繊維配向比の絶対値と他方の面の繊維配向比の絶対値がいずれも3以下であり、上記一方の面の繊維配向比と上記他方の面の繊維配向比との差の絶対値が0.5以下である補強紙用クラフト紙である。
当該補強紙用クラフト紙によれば、未晒クラフトパルプを主成分とし、坪量が上記範囲の単層とし、繊維配向比を上述のように調節することにより、クラフト紙袋としての作業性を損なうことなく、補強紙として十分な強度を有しつつ、クラフト紙全体として紙層を構成するパルプ繊維が表裏面、更にはMD、CD両方向においても略同等の均一な地合の性状を持たせているので、補強紙をMD方向と同じ向きに、あるいはCD方向と同じ向きに破断しても破断部位がハの字状に広がらず、容易に破断することができる。これにより、カットテープの左右両端のいずれからカットテープを引いても破断部位がハの字状に広がることが無く、容易に補強紙を破断することができる。
当該補強紙用クラフト紙としては、一方の面のMD方向における繊維配向角とCD方向における繊維配向角との差の絶対値が1.5°以下であり、他方の面のMD方向における繊維配向角とCD方向における繊維配向角との差の絶対値も1.5°以下であることが好ましい。上記一方の面と他方の面の両方において、上記差の絶対値を1.5°以下とすることで、当該補強紙用クラフト紙の表裏面における紙層の均一性をより確保でき、より容易に補強紙を破断できるようになる。
当該補強紙用クラフト紙としては、ステキヒトサイズ度が30秒以下であり、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法18−2に準拠してインターナルボンドテスターを用いて測定される層間強度が200mJ以上400mJ以下であることが好ましい。このようにステキヒトサイズ度を下げることで補強紙としての強度が強まり、さらに層間強度を上記範囲とすることで、より容易に補強紙を破断できるようになる。また、当該補強紙用クラフト紙としては、CD方向の引張強度のMD方向の引張強度に対する比率が30%以上65%以下であり、JIS−P−8113(2006)に準拠して測定される伸びがMD方向で1.3%以上、かつCD方向で3.5%以上であることが好ましい。上記比率が30%未満であると、CD方向の引張強度が不足するおそれがある。一方、上記比率が65%を超えると、パルプ繊維がCD方向に配向する傾向が強くなって均一な地合を得にくくなり、補強紙を破断する場合に破断部位がハの字状に広がり容易に破断しないおそれがある。ここで、引張強度とは、JIS−P−8113(2006)に準拠して測定される引張強さ(kN/m)をいう。また、上記伸びが上記下限以上であることで当該補強紙用クラフト紙の引張エネルギー吸収量が増え、補強紙としての強度が向上する。ここで、引張エネルギー吸収量とは、クラフト紙を引張り破断させるのに要する単位面積当たりの仕事量(J/m)をいい、JIS−P−8113(2006)に準拠して測定される。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、未晒クラフトパルプ繊維を主成分として含むパルプスラリーを調成する工程と、上記パルプスラリーを抄紙用ワイヤーに吐出する工程と、上記吐出されたパルプスラリーから上記抄紙用ワイヤーを用いて湿紙を抄造する工程と、上記湿紙をさらに脱水乾燥する工程とを備え、上記パルプスラリーを抄紙用ワイヤーに吐出する工程において、上記吐出時の上記パルプスラリーの速度の上記抄紙用ワイヤーの速度に対する比率が0.98以下又は1.03以上であり、坪量が70g/m以上120g/m以下の単層で、一方の面の繊維配向比と他方の面の繊維配向比との差の絶対値が0.5以下に成るように抄紙される補強紙用クラフト紙の製造方法である。
当該補強紙用クラフト紙の製造方法によれば、表裏面、更にはMD、CD両方向においても略同等の均一な地合を有する補強紙用クラフト紙が得られる。このため、当該補強紙用クラフト紙の製造方法によれば、比較的容易な方法により、カットテープの左右両端のいずれからカットテープを引いても容易に破断され、かつ破断の際に補強紙の破片を生じない補強紙用クラフト紙を得ることができる。
本発明の補強紙用クラフト紙によれば、開封機構を備えるテープが補強紙に貼り合わされた、イージーオープン型のクラフト紙袋において、テープ取付け口の左端・右端のいずれからテープを引いても容易に補強紙を破断することができ、かつ破断の際に補強紙の破片が生じて袋の内側に混入するおそれがない。また、当該補強紙用クラフト紙は、後述の実施例で示すように十分な強度を有し加工適性にも優れるため、補強紙に限らず、重包装用クラフト紙袋を含むクラフト紙袋全般の胴部分にも使用することができる。一方、本発明の補強紙用クラフト紙の製造方法によれば、上記イージーオープン型のクラフト紙袋において、テープ取付け口の左端・右端のいずれからテープを引いても容易に補強紙を破断することができ、かつ破断の際に補強紙の破片が生じて袋の内側に混入するおそれがない補強紙用クラフト紙を簡便に得ることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る補強紙用クラフト紙と、本発明の別の一実施形態に係る補強紙用クラフト紙の製造方法とについて説明する。本発明の範囲は、これらの実施形態の構成に限定されず、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
<補強紙用クラフト紙>
本発明の一実施形態に係る補強紙用クラフト紙は、未晒クラフトパルプ繊維を主成分として含み、坪量が70g/m以上120g/m以下の単層で構成され、一方の面の繊維配向比の絶対値と他方の面の繊維配向比の絶対値がいずれも3以下であり、上記一方の面の繊維配向比と上記他方の面の繊維配向比との差の絶対値が0.5以下である補強紙用クラフト紙である。本明細書で、「一方の面」とは、クラフト紙の表面及び裏面のいずれか一方の面をいい、「他方の面」とは、このクラフト紙の表面及び裏面のうち上記「一方の面」ではない面をいう。
(原料パルプ)
当該補強紙用クラフト紙の主成分である未晒クラフトパルプとしては、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)と広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)とが挙げられる。NUKPとLUKPとの質量比としては、75:25が好ましく、80:20がより好ましく、90:10がさらに好ましく、100:0が特に好ましい。上記質量比が75:25未満の場合、繊維長が長く繊維径が太いNUKPの含有量が不足してパルプ繊維間の結合が弱まり、補強紙としての強度が不足するおそれがある。なお、主成分とは、パルプスラリーの水を除く全原材料のうち、最も含有率が高い原材料をいい、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上を占めるものをいう。
また、当該補強紙用クラフト紙の原料パルプとしては、補強紙として必要な強度を失わない範囲で、未晒クラフトパルプ以外のパルプを使用することができる。未晒クラフトパルプと未晒クラフトパルプ以外のパルプとの質量比としては、75:25が好ましく、80:20がより好ましく、90:10がさらに好ましく、100:0が特に好ましい。上記質量比が75:25未満の場合、補強紙としての強度が不足するおそれがある。未晒クラフトパルプ以外のパルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹亜硫酸パルプ、広葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等の古紙パルプ、ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的又は機械的に製造される非木材パルプ等の種々のパルプが挙げられる。なお、引張強度、伸び、透気抵抗度等に影響のない範囲で古紙パルプを可能な限り多く配合することが、エネルギー原単位や環境負荷を軽減する観点から好ましい。
(原料パルプのフリーネス)
当該補強紙用クラフト紙の原料パルプのフリーネスとしては、450cc以上700cc以下が好ましく、500cc以上650cc以下がより好ましい。原料パルプのフリーネスが450cc未満の場合は、原料パルプの繊維長が短くなってクラフト紙の透気抵抗度が高くなることにより、クラフト紙袋の落下等の際に袋内部に大きな空気圧を生じて破袋を生じやすくなるおそれがある。一方、原料パルプのフリーネスが700ccを超える場合は、パルプ繊維間の結合が弱まってクラフト紙の引張強度や伸びが低下することにより、破袋が発生しやすくなるおそれがある。ここで、原料パルプのフリーネスとは、JIS−P−8121−2(2012)に準拠して測定されるカナダ標準ろ水度をいう。
(添加剤)
一般のクラフト紙と同様に、当該補強紙用クラフト紙にも、必要に応じサイズ剤、薬品定着剤、紙力増強剤、歩留り向上剤、耐水剤、耐油剤、消泡剤、填料、染料、顔料等の種々の薬剤を添加することができる。
サイズ剤の種類は特に限定されず、例えばロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)、ポリビニルアルコール(PVA)等の内添サイズ剤、酸化澱粉、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−メタクリル酸系共重合体等の表面サイズ剤などが挙げられる。サイズ剤の配合量も特に限定されないが、ロジン系サイズ剤の場合、例えば、原料パルプ固形分1tに対し0.1kg以上7kg以下とすることができる。
紙力増強剤の種類も特に限定されず、例えばカチオン化澱粉、両性澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の乾燥紙力増強剤、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性付与PAM等の湿潤紙力増強剤などが挙げられる。紙力増強剤を適度に添加することで、補強紙の破断の際に破片を生じにくくなり、破断性も改善される。紙力増強剤の配合量も特に限定されないが、ポリアクリルアミドの場合、例えば、原料パルプ固形分1tに対し3kg以上30kg以下とすることができる。ただし、カットテープで容易に補強紙を破断できるように紙力増強剤は必要最小限の量にとどめるのが望ましい。
また、当該補強紙用クラフト紙には、本発明の目的に反しない範囲で、硫酸バンド等の薬品定着剤、カチオン化澱粉、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド等の歩留り向上剤、ポリアミド、ポリアミン、エピクロルヒドリン等の耐水剤、フッ素樹脂、シリコーンオイル等の耐油剤、シリコーン系消泡剤、非イオン系ポリエーテル消泡剤等の消泡剤、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の填料や各種の染料・顔料なども添加することができる。
(坪量)
当該補強紙用クラフト紙の坪量としては、70g/m以上120g/m以下であり、75g/m以上110g/m以下がより好ましく、80g/m以上100g/m以下がさらに好ましい。坪量が70g/m未満の場合は、補強紙としての強度が不足するおそれがある。一方、坪量が120g/mを超える場合は、強度が過剰になって補強紙にしたとき容易に破断できないおそれがあり、またこの補強紙を貼付したクラフト紙袋が重くなりすぎるおそれがある。ここで、坪量とは、JIS−P−8124(2011)に準拠して測定される米坪の値をいう。また、当該補強紙用クラフト紙は、補強紙にしたとき容易に破断できるように、多層抄き合わせではなく単層で構成される。
(繊維配向比及び繊維配向角)
紙はパルプ繊維の配向に沿って破れやすい性質があり、パルプ繊維がMD方向に対して斜めに配向した紙をMD方向と同じ向きに破る場合、破断部位は繊維配向に沿ってMD方向に対し斜めになりやすい。しかしながら、本発明では、一方の面の繊維配向比の絶対値と他方の面の繊維配向比の絶対値がいずれも3以下であり、上記一方の面の繊維配向比と上記他方の面の繊維配向比との差の絶対値が0.5以下であることで、当該補強紙用クラフト紙の表出面における繊維組成そのものと、表出面の地合の均一性を図ることが可能になり、クラフト紙全体としては、MD方向、CD方向又は厚さ方向における偏った紙質の強度差が生じ難くなり、紙層を構成する繊維自体の配向ムラが無い極めて良好な地合を有する補強紙用クラフト紙が得られる。そのため、当該補強紙用クラフト紙は、補強紙にしてMD方向と同じ向きに破る場合でも、破断部位がハの字状にならず容易に破断される。
繊維配向比又は繊維配向角の測定方法として染色繊維混抄法、X線回折法、軟X線法、光回折法、光散乱法、力学破断強度法、超音波法、マイクロ波法等の種々の方法が使用されているが、例えば野村商事株式会社の超音波伝導式配向性測定機「SST−4000」等により簡便に表面及び裏面の上記繊維配向比及び繊維配向角を測定することができる。本明細書で、「繊維配向比」とは、クラフト紙のMD方向の物理的特性値をCD方向の当該特性値で除した値をいい、超音波法により繊維配向比を測定する場合では、MD方向の超音波伝播速度をCD方向の超音波伝播速度で除した値をいう。一方、「繊維配向角」とは、パルプ繊維の配向のMD方向又はCD方向に対する角度(°)をいう。
(CD方向の引張強度)
当該補強紙用クラフト紙のCD方向の引張強度としては、2.8kN/m以上5.6kN/m以下が好ましく、3.5kN/m以上5.6kN/m以下がより好ましい。CD方向の引張強度が2.8kN/m未満の場合は、補強紙としての強度が不足するおそれがある。一方、CD方向の引張強度が5.6kN/mを超える場合は、特別な高強度用の原材料を使用する必要があり、また補強紙にすると容易に破断できないおそれがある。
(MD方向の引張強度)
当該補強紙用クラフト紙のMD方向の引張強度としては、6.0kN/m以上10.0kN/m以下が好ましく、8.0kN/m以上10.0kN/m以下がより好ましい。MD方向の引張強度が6.0kN/m未満の場合は、補強紙としての強度が不足するおそれがあり、またパルプ繊維のCD方向への配向が過度であり地合のムラを生じているおそれがある。一方、MD方向の引張強度が10.0kN/mを超える場合は、パルプ繊維のMD方向への配向が過度であるおそれがあり、また補強紙にすると容易に破断できないおそれがある。
(CD方向の引張強度のMD方向の引張強度に対する比率)
当該補強紙用クラフト紙の製造では、パルプスラリーの吐出速度の抄紙用ワイヤーの速度に対する比率(以下「J/W比」ともいう)、吐出されたパルプスラリーが抄紙用ワイヤーに着地する位置(以下「ジェット着地位置」ともいう)、フォーミングボードの位置、フォイルの配置・数・角度、坪量、表裏面の繊維配向比等の抄造条件を変化させ、表裏面並びにMD方向及びCD方向における地合の均一性を調整し、これによりCD方向の引張強度のMD方向の引張強度に対する比率(以下、「Y/T比」ともいう)を好ましくは30%以上65%以下、より好ましくは35%以上45%以下となるように制御する。Y/T比が上記範囲となることで、より一層、カットテープの左右両端のいずれからカットテープを引いても容易に破断されるようになる。
(伸び)
当該補強紙用クラフト紙は、クラフト紙袋のミシン目部分や糊貼り部分の補強に用いられるため、大きな応力がかかりやすいCD方向には特に強度が要求される。このため、当該補強紙用クラフト紙のCD方向の伸びとしては、3.5%以上10.0%以下が好ましく、4.5%以上10.0%以下がより好ましく、5.5%以上10.0%以下がさらに好ましい。上記伸びが3.5%未満の場合は、CD方向の強度が不足するおそれがある。逆に、上記伸びが10.0%を超える場合は、補強紙にすると容易に破断できないおそれがある。一方、当該補強紙用クラフト紙のMD方向の伸びとしては、1.3%以上が好ましい。上記伸びが1.3%未満の場合は、MD方向の強度が不足するおそれがある。ここで、伸びとは、JIS−P−8113(2006)に準拠して測定される伸び(%)をいう。
(層間強度)
当該補強紙用クラフト紙の層間強度としては、200mJ以上400mJ以下が好ましい。層間強度が200mJ未満の場合は、補強紙としての強度が不足するおそれがある。逆に、層間強度が400mJを超える場合は、補強紙にすると容易に破断できないおそれがある。ここで、層間強度とは、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法18−2に準拠してインターナルボンドテスターを用いて測定されるクラフト紙を厚さ方向に層間剥離するのに要する荷重をいう。
(ステキヒトサイズ度)
当該補強紙用クラフト紙のステキヒトサイズ度としては、30秒以下が好ましい。30秒を超える場合、補強紙としての強度が不足するおそれがある。ここで、ステキヒトサイズ度とは、JIS−P−8122(2004)に準拠して測定されるサイズ度(水の浸透抵抗度)をいう。
(透気抵抗度)
当該補強紙用クラフト紙の透気抵抗度としては、10秒以上120秒以下が好ましく、10秒以上60秒以下がより好ましく、10秒以上30秒以下がさらに好ましい。透気抵抗度が10秒未満である場合は、原料パルプのフリーネスを高める等の対応が必要となり、一定の引張強度や伸びを得ることが難しくなるおそれがある。一方、透気抵抗度が120秒を超える場合は、通気性が悪く、内容物を充填したクラフト紙袋を落とした場合等では袋の内側に大きな空気圧を生じ、破袋するおそれがある。ここで、透気抵抗度とは、JIS−P−8117(2009)に準拠して測定される、100mLの空気がクラフト紙を透過するのに要する時間(秒)をいう。
<補強紙用クラフト紙の製造方法>
本発明の別の一実施形態に係る補強紙用クラフト紙の製造方法は、未晒クラフトパルプ繊維を主成分として含むパルプスラリーを調成する工程と、上記パルプスラリーを抄紙用ワイヤーに吐出する工程と、上記吐出されたパルプスラリーから上記抄紙用ワイヤーを用いて湿紙を抄造する工程と、上記湿紙をさらに脱水乾燥する工程とを備え、上記パルプスラリーを抄紙用ワイヤーに吐出する工程において、上記吐出時の上記パルプスラリーの速度の上記抄紙用ワイヤーの速度に対する比率が0.98以下又は1.03以上であり、坪量が70g/m以上120g/m以下の単層で、一方の面の繊維配向比と他方の面の繊維配向比との差の絶対値が0.5以下に成るように抄紙される補強紙用クラフト紙の製造方法である。
(抄紙法・抄紙機)
当該補強紙用クラフト紙の製造方法では、抄紙方法について特に限定されず、酸性抄紙法、中性抄紙法、アルカリ性抄紙法のいずれであってもよい。抄紙機も特に限定されず、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ギャップフォーマー抄紙機、円網抄紙機等の公知の種々の抄紙機を使用することができる。
(ジェット着地位置の制御)
抄紙工程では、ジェット着地位置が吐出装置(ストックインレット)側に近づくほどクラフト紙のパルプ繊維がMD方向に配向する傾向が強くなり、逆にジェット着地位置が一定の範囲内で次工程(プレスパート)側に近づくほどクラフト紙のパルプ繊維がCD方向に配向する傾向が強くなる。さらに、ジェット着地位置が上記一定の範囲を超えてプレスパート側に近づくと、再びパルプ繊維がMD方向に配向する傾向が強くなる。ここで、ジェット着地位置は、主に(1)パルプスラリーと抄紙用ワイヤーとの相対的な速度差、(2)パルプスラリーの吐出角度(特に仰角ないし俯角)と(3)抄紙用ワイヤーの上面に対するパルプスラリー吐出口(スライスリップ)の高さに影響されるが、(2)の吐出角度の調整は必ずしも容易ではなく、(3)の高さの調整も設備上制約のあることが多い。そこで、本発明者は、比較的調整が容易で、(1)の相対的な速度差と相関の強いJ/W比によりジェット着地位置を制御し、これによってMD方向への繊維配向とCD方向への繊維配向との調整を図ることとした。すなわち、請求項4に示すように、J/W比を0.98以下とすることでジェット着地位置をストックインレット側に近づけ、あるいはJ/W比を1.03以上とすることでジェット着地位置を上記一定の範囲を超えてプレスパート側に近づけることにより、パルプ繊維のMD方向への配向を促してMD方向への繊維配向とCD方向への繊維配向とをバランスさせるようにした。
(繊維配向比の測定)
当該製造方法では、クラフト紙の厚さ方向の地合の均一性を図るべく、一方の面の繊維配向比と他方の面の繊維配向比との差の絶対値が0.5以下に成るように制御する。その際のクラフト紙の表面及び裏面の繊維配向比の測定は、抄紙機上の湿紙の表面及び裏面をオンライン型の繊維配向測定機で測定してもよく、製造したクラフト紙の表面及び裏面を上記の超音波伝導式配向性測定機等により測定してもよい。前者には測定結果を即時に繊維配向比の制御に反映できる利点があり、後者にはより正確に繊維配向比を測定できる利点がある。
(クレープ加工)
当該補強紙用クラフト紙は補強紙として用いられるため、当該製造方法では、必要に応じて紙を微細に収縮させ耐衝撃性を高めるクレープ加工を行うことができる。一般にクレープ加工は水分含有率が20%以上45%以下、好ましくは30%以上45%以下の湿紙に対して行うので、例えばドライヤーパートの中盤にクルパック装置を設置してクレープ加工を行うことができる。この加工の際、クルパック装置入口側の速度に対するクルパック装置出口側の速度の比率を92%前後にすると、CD方向の伸びを大幅に高めることができる。たとえば、ニップバーによる加圧を2.5kg/cmとして、クルパック装置入口側の速度を600m/分、クルパック装置出口側の速度を550m/分とすると、CD方向の伸びを7.0〜10.0%にすることができる。なお、クレープ加工の代わりに、紙を自由に収縮乾燥させる自由乾燥処理によってもCD方向の伸びを大幅に高めることができる。
(平滑化処理)
当該製造方法では、表面強度、接着剤との接着性等を高めるため、当該補強紙用クラフト紙の表面に平滑化処理を施してもよい。この平滑化処理は、例えば加圧可能なリール間で加圧処理することにより実施することが好ましい。また、当該補強紙用クラフト紙の表面に接するロールは、平滑な表面を有し、加熱可能な金属製ロールであることが好ましい。その他、マシンカレンダー、ソフトカレンダー等によるカレンダー処理、ヤンキードライヤーによる乾燥処理などにより平滑化処理を実施することもできる。さらに、本発明の目的に反しない範囲内で、耐油性、耐水性、光沢、印刷適性等の改善のために塗工処理や含浸処理を行うこともできる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例・比較例の各パルプスラリーの原材料の配合量は、水分を除いた固形分又は有効成分の質量基準の数値である。
[実施例1]
原料パルプのフリーネスが650ccとなるようにリファイナーで叩解・調整したNUKP100質量部に水道水9900質量部を加えて混合し、このNUKPを十分に分散させた後、サイズ剤(ハリマ化成グループ株式会社の「NES−500P」)0.20質量部、硫酸バンド(朝日化学工業株式会社)3.20質量部及び紙力増強剤としてのポリアクリルアミド(星光PMC株式会社の「DS−95」)2.45質量部を添加し、さらによく混合しパルプスラリーを調成した。このパルプスラリーを、ワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、サイズプレスパート及びカレンダーパートを備え、速度600m/分で運行中のツインワイヤー型抄紙機(ベルボンドフォーマー)のワイヤーパート上に速度618m/分(J/W比1.03)で、坪量が85g/mの単層で、両方の面の繊維配向比がいずれも1.9になるように吐出し、抄造して単層の補強紙用クラフト紙を得た。製造した補強紙用クラフト紙は、JIS−P−8111(1998)に準拠して温度23℃±1℃、相対湿度50±2%で調湿し、一部を繊維配向角等の測定用サンプルとし、残りを後述のクラフト紙袋試作時の補強紙用材料とした。
[実施例2〜3]
NULPとLUKPとの質量比、原料パルプフリーネス及びJ/W比を表1に示すように変更したことを除いて、実施例1と同様にして補強紙用クラフト紙を得た。
[実施例4〜5]
サイズ剤添加率及びJ/W比を表1に示すように変更したことを除いて、実施例1と同様にして補強紙用クラフト紙を得た。
[実施例6〜7]
硫酸バンド添加率及びJ/W比を表1に示すように変更したことを除いて、実施例1と同様にして補強紙用クラフト紙を得た。
[実施例8〜9]
紙力増強剤添加率、坪量及びJ/W比を表1に示すように変更したことを除いて、実施例1と同様にして補強紙用クラフト紙を得た。
[実施例10〜11]
J/W比を表1に示すように変更したことを除いて、実施例1と同様にして補強紙用クラフト紙を得た。
[実施例12〜13]
坪量及びJ/W比を表1に示すように変更したことを除いて、実施例1と同様にして補強紙用クラフト紙を得た。
[比較例1]
NULPとLUKPとの質量比、原料パルプフリーネス及び両方の面の繊維配向比の差の絶対値を表1に示すように変更したことを除いて、実施例1と同様にして補強紙用クラフト紙を得た。
[比較例2〜3]
サイズ剤添加率、坪量、両方の面の繊維配向比の差の絶対値及びJ/W比を表1に示すように変更したことを除いて、実施例1と同様にして補強紙用クラフト紙を得た。
[比較例4]
サイズ剤添加率、紙力増強剤添加率、両方の面の繊維配向比の差の絶対値及びJ/W比を表1に示すように変更したことを除いて、実施例1と同様にして補強紙用クラフト紙を得た。
[比較例5]
サイズ剤添加率、硫酸バンド添加率、両方の面の繊維配向比の差の絶対値及びJ/W比を表1に示すように変更したことを除いて、実施例1と同様にして補強紙用クラフト紙を得た。
[比較例6]
サイズ剤添加率、両方の面の繊維配向比の差の絶対値及びJ/W比を表1に示すように変更したことを除いて、実施例1と同様にして補強紙用クラフト紙を得た。
(試作条件)


Figure 2018059219
<試作品評価>
各実施例・比較例の測定用サンプルの坪量、一方の面及び他方の面の繊維配向比、一方の面及び他方の面のCD方向及びMD方向における繊維配向角、CD方向及びMD方向の引張強度及び伸び、層間強度、ステキヒトサイズ度並びに透気抵抗度を測定した。また、各実施例・比較例のクラフト紙を補強紙としてJIS−Z−0102の3.B−1(2004)に規定する「ひだなしバルブ付き底ばり袋」を製造した。この際、上記補強紙にカットテープを貼り合わせイージーオープン型紙袋とした。この製造時に後述の「製袋適性」の評価をした。そして、これらの紙袋をJIS−P−8111(1998)に準拠して温度23℃±1℃、相対湿度50±2%で調湿した後、後述の「破袋評価」、「左右両側からの開封容易性」及び「破片の発生の有無」の評価をした。これらの結果を表1〜表4に示す。
(坪量)
表1の「坪量(g/m)」は、JIS−P−8124(2011)に準拠して測定した。
(繊維配向比及び繊維配向角)
表1の「繊維配向比」及び表2の「繊維配向角(°)」は、上記の超音波伝導式配向性測定機「SST−4000」を使用し、クラフト紙の表面と裏面の各別に測定した。表2の「一方の面の繊維配向角の差の絶対値」は、表2の「一方の面のMD方向の繊維配向角」と「一方の面のCD方向の繊維配向角」との差の絶対値である。なお、「他方の面の繊維配向角の差の絶対値」も同様である。
(引張強度、Y/T比)
表3のCD方向及びMD方向の引張強度(kN/m)は、JIS−P−8113(2006)に準拠して測定し、これらの測定値を基に「Y/T比」を算出した。
(伸び)
表3のCD方向及びMD方向の伸び(%)は、JIS−P−8113(2006)に準拠して測定した。
(CD方向での引張強度と伸びとの積)
表3の「CD方向での引張強度と伸びとの積」は、大きな応力がかかりやすいCD方向の強度を詳細に検討するため、CD方向の引張強度の測定値(kN/m)とCD方向の伸びの測定値(%)との積として算出した。この値が10程度以上であれば、CD方向の強度が十分であるといえる。
(層間強度)
表3の「層間強度(mJ)」は、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法18−2に準拠してインターナルボンドテスターを用いて測定した。
(ステキヒトサイズ度)
表3の「ステキヒトサイズ度(秒)」は、JIS−P−8122(2004)に準拠して測定した。
(透気抵抗度)
表3の「透気抵抗度(秒)」は、JIS−P−8117(2009)に準拠して測定した。
(製袋適性)
表4の「製袋適性」では、各実施例・比較例の補強紙用クラフト紙を補強紙に用いてJIS−Z−0102の3.B−1(2004)に規定する「ひだなしバルブ付き底ばり袋」を製造する際の製造のしやすさ(補強紙への加工のしやすさ、補強紙の貼付のしやすさ等)を、下記のように3段階で評価した。
○:従来品よりも製造しやすい。
△:従来品と同等の製造のしやすさである。
×:従来品よりも製造し難く使用できない。
(破袋評価)
表4の「破袋評価」では、各実施例・比較例の補強紙用クラフト紙を補強紙に用いて製造した、JIS−Z−0102の3.B−1(2004)に規定する「ひだなしバルブ付き底ばり袋」に25kgずつ小麦粉を充填包装し、翌日、JIS−Z−0217(1998)に準拠して、これらの充填包装した袋を、高さ1.2mから樹脂製の床面に破袋するまで繰返し水平落下させたときの繰返しの回数を測定し、その回数を基に下記のように3段階で評価した。下記で、d=(各実施例・比較例の回数)−(従来品の回数)である。
○:従来品よりも破袋しにくい(d≧2)。
△:従来品と同程度の破袋のしやすさである(1≧d≧−1)。
×:従来品よりも破袋しやすく使用できない(−2≧d)。
(左右両側からの開封容易性)
表4の「左右両側からの開封容易性」では、上記各「ひだなしバルブ付き底ばり袋」に25kgずつ小麦粉を充填包装し、翌日、カットテープの左右両端のそれぞれからカットテープを引いて補強紙を破断した際の補強紙の破断性について、下記のように3段階で評価した。
○:左端と右端のいずれからカットテープを引いても、破断部位がハの字状に広がらず容易に補強紙が破断される。
△:左端と右端のいずれか一方からカットテープを引くと破断部位がハの字状に広がらず容易に補強紙が破断されるが、他方からカットテープを引くと破断部位が少しハの字状に広がり、やや補強紙が破断されにくい。
×:左端と右端のいずれか一方からカットテープを引くと破断部位がハの字状に広がらず容易に補強紙が破断されるが、他方からカットテープを引くと破断部位がハの字状に広がり、補強紙が破断されにくい(従来品と同程度の開封容易性)。
(破片の発生の有無)
表4の「破片の発生の有無」では、上記各「ひだなしバルブ付き底ばり袋」に25kgずつ小麦粉を充填包装し、翌日、カットテープの左右両端のそれぞれからカットテープを引いて補強紙を破断した際の補強紙の破片の発生について、下記のように3段階で評価した。
○:左端と右端のいずれからカットテープを引いても破片を生じない。
△:左端と右端のいずれか一方からカットテープを引くと破片を生じないが、他方からカットテープを引くと破片を生じる場合がある。
×:左端と右端のいずれか一方からカットテープを引くと破片を生じないが、他方からカットテープを引くと頻繁に破片を生じる(従来品と同程度の破片発生頻度)。
(試作品評価)


Figure 2018059219


Figure 2018059219


Figure 2018059219
(総合評価)
本発明の実施例1〜13の全てにおいて、製袋適性、破袋評価、左右両側からの開封容易性及び開封時の破片発生の防止に優れ、カットテープの左右両端のいずれからカットテープを引いても容易に補強紙が破断され、かつ破断の際に補強紙の破片を生じないという当該課題を解決している。
本発明の補強紙用クラフト紙は、補強紙としての十分な強度・耐久性を有しつつ、いずれの向きにも容易に破断され、かつ破断の際に補強紙の破片を生じないため、カットテープと補強紙が貼り合わされたイージーオープン型のクラフト紙袋の補強紙として好適に用いることができる。また、当該補強紙用クラフト紙は、十分な強度・耐久性を有し、加工適性にも優れるため、米麦用、セメント用等の重包装用クラフト紙袋を含むクラフト紙袋全般の胴部分にも好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 未晒クラフトパルプ繊維を主成分として含み、
    坪量が70g/m以上120g/m以下の単層で構成され、
    一方の面の繊維配向比の絶対値と他方の面の繊維配向比の絶対値がいずれも3以下であり、
    上記一方の面の繊維配向比と上記他方の面の繊維配向比との差の絶対値が0.5以下である補強紙用クラフト紙。
  2. 一方の面のMD方向における繊維配向角とCD方向における繊維配向角との差の絶対値が1.5°以下であり、
    他方の面のMD方向における繊維配向角とCD方向における繊維配向角との差の絶対値も1.5°以下である請求項1に記載の補強紙用クラフト紙。
  3. ステキヒトサイズ度が30秒以下であり、
    JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法18−2に準拠してインターナルボンドテスターを用いて測定される層間強度が200mJ以上400mJ以下であり、
    CD方向の引張強度のMD方向の引張強度に対する比率が30%以上65%以下であり、
    JIS−P−8113(2006)に準拠して測定される伸びがMD方向で1.3%以上、かつCD方向で3.5%以上である請求項1又は請求項2に記載の補強紙用クラフト紙。
  4. 未晒クラフトパルプ繊維を主成分として含むパルプスラリーを調成する工程と、
    上記パルプスラリーを抄紙用ワイヤーに吐出する工程と、
    上記吐出されたパルプスラリーから上記抄紙用ワイヤーを用いて湿紙を抄造する工程と、
    上記湿紙をさらに脱水乾燥する工程と
    を備え、
    上記パルプスラリーを抄紙用ワイヤーに吐出する工程において、上記吐出時の上記パルプスラリーの速度の上記抄紙用ワイヤーの速度に対する比率が0.98以下又は1.03以上であり、坪量が70g/m以上120g/m以下の単層で、一方の面の繊維配向比と他方の面の繊維配向比との差の絶対値が0.5以下に成るように抄紙される補強紙用クラフト紙の製造方法。

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