JP2023139401A - 紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】引裂強さに優れた紙を提供すること。【解決手段】針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)と広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)とを、質量比でNUKP:LUKP=60:40~90:10の範囲内で含む紙。【選択図】なし
Description
本発明は、紙、特にクラフト紙またはライナーに関する。
クラフト紙は、クラフト法により製造されたパルプを原料とした、強度が高く丈夫で破れにくい紙であり、主に重包装用途や段ボールの材料、封筒、粘着テープ等に使用されている。クラフト紙は、例えば、重袋に加工されて、セメントや米、小麦粉などの各種製品を数十kg充填して、保管、輸送等するのに使用される。
また、段ボールは、波形に成形した中芯の片面あるいは両面にライナーをコルゲーターで貼り合わせて製造される。段ボールは、軽量で安価であるため、種々の物品の梱包に使用されている。段ボールは、運搬時等に梱包物が内側から衝突する、あるいは、保管時等に外部から衝撃を受ける場合がある。そのため、ライナーには、衝撃を受けても破れないように強度が要求される。
また、段ボールは、波形に成形した中芯の片面あるいは両面にライナーをコルゲーターで貼り合わせて製造される。段ボールは、軽量で安価であるため、種々の物品の梱包に使用されている。段ボールは、運搬時等に梱包物が内側から衝突する、あるいは、保管時等に外部から衝撃を受ける場合がある。そのため、ライナーには、衝撃を受けても破れないように強度が要求される。
このように、クラフト紙やライナーには高い強度が必要とされている。例えば、特許文献1には、袋に加工されたとき、破袋を引き起こすことが少ない、伸び特性や強度特性に優れたクラフト紙が提案されている。また、特許文献2には、圧縮強度、破裂強度、剛度等の強度に優れたライナーが提案されている。
このような強度が要求されるクラフト紙やライナーには、一般的に、繊維が長く、強度に優れた紙が得られるため、針葉樹パルプが配合される。そして、一方、広葉樹パルプを配合すると、針葉樹パルプ100%以下の場合より強度が下がることが知られている。
このような強度が要求されるクラフト紙やライナーには、一般的に、繊維が長く、強度に優れた紙が得られるため、針葉樹パルプが配合される。そして、一方、広葉樹パルプを配合すると、針葉樹パルプ100%以下の場合より強度が下がることが知られている。
本発明は、引裂強さに優れた紙を提供することを課題とする。
本発明の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)と広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)とを、質量比でNUKP:LUKP=60:40~90:10の範囲内で含むことを特徴とする紙。
2.前記LUKPのフリーネス(FL)が、300mlCSF以上600mlCSF以下であることを特徴とする1.に記載の紙。
3.繊維長2.0mm以上である繊維の割合が20%以上であることを特徴とする1.または2.に記載の紙
4.クラフト紙、またはライナーであることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の紙。
1.針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)と広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)とを、質量比でNUKP:LUKP=60:40~90:10の範囲内で含むことを特徴とする紙。
2.前記LUKPのフリーネス(FL)が、300mlCSF以上600mlCSF以下であることを特徴とする1.に記載の紙。
3.繊維長2.0mm以上である繊維の割合が20%以上であることを特徴とする1.または2.に記載の紙
4.クラフト紙、またはライナーであることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の紙。
本発明の紙は、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)と広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)を特定の範囲内で含むことにより、NUKP100%の場合と同等、またはそれ以上の比引裂強さを有している。本発明の紙は、比引裂強さに優れており、クラフト紙、ライナーに好適に用いることができる。
本発明は、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)と広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)とを、質量比でNUKP:LUKP=60:40~90:10の範囲内で含む紙に関する。本発明の紙は、NUKPとLUKPとをこの質量比の範囲内で含むことにより、LUKPを含むにも関わらず、NUKP100%の場合と同等、またはそれ以上の比引裂強さの紙を得ることができ、例えば、LUKPを含まない以外は同一である紙の比引裂強さに対して、比引裂強さを102%以上とすることができ、105%以上とすることもできる。NUKPとLUKPの質量比(NUKP:LUKP)は、70:30~85:15であることが好ましく、75:25~83:17であることがより好ましい。
本発明の紙は、NUKPとLUKPのほかに、古紙パルプや機械パルプ等を用いることもできる。しかし、全パルプに対するNUKPとLUKPの合計割合は高いほうが好ましく、具体的には、全パルプに対するNUKPとLUKPの合計割合は90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることがさらに好ましく、99質量%以上であることがよりさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
本発明において、LUKPのフリーネス(FL)が300mlCSF以上600mlCSF以下であることが好ましい。LUKPのフリーネス(FL)の値をこの範囲内とすることにより、長繊維と短繊維とが適切に絡み合い、引裂強さが向上すると推測される。LUKPのフリーネス(FL)は、350mlCSF以上550mlCSF以下であることがより好ましい。
NUKPのフリーネス(FN)は、400mlCSF以上600mlCSF以下であることが好ましい。
また、NUKPのフリーネス(FN)の値がLUKPのフリーネス(FL)の値より大きいことが好ましく、具体的には、この差(FN-FL)が0~250mlCSFであることが好ましい。
LUKPとNUKPは、混合して同時に叩解することも、別々に叩解(分離叩解)することもできるが、別々に叩解することが好ましい。別々に叩解することにより、透気抵抗度、平滑度等の物性の調整が容易となる。
また、NUKPのフリーネス(FN)の値がLUKPのフリーネス(FL)の値より大きいことが好ましく、具体的には、この差(FN-FL)が0~250mlCSFであることが好ましい。
LUKPとNUKPは、混合して同時に叩解することも、別々に叩解(分離叩解)することもできるが、別々に叩解することが好ましい。別々に叩解することにより、透気抵抗度、平滑度等の物性の調整が容易となる。
原料パルプは、叩解処理した後の濃度を0.1~1.0%に調整し、スリット幅が0.2~0.8mmの一次スクリーンを通過した調成パルプを用いることが、スクリーン詰まりを防止する点から好ましい。
本発明の紙は、紙を構成する全繊維に対する、繊維長が2.0mm以上の繊維の割合が20%以上であることが、引裂強さの点から好ましい。この割合は、22%以上であることがより好ましく、24%以上であることがさらに好ましい。
本発明の紙は、紙を構成する全繊維に対する、繊維長が2.0mm以上の繊維の割合が20%以上であることが、引裂強さの点から好ましい。この割合は、22%以上であることがより好ましく、24%以上であることがさらに好ましい。
本発明の紙は、必要に応じて公知の製紙用薬剤を紙料に加えたり(内添)、塗布したり(外添)することができる。また、本発明の紙は、その表面にクリア塗工層や顔料を含む顔料塗工層を設けることができる。
本発明の紙は、比引裂強さに優れており、例えば、クラフト紙、ライナーに好適に用いることができる。
本発明の紙の坪量は特に制限されず、その用途に応じて選択することができ、例えば、クラフト紙、ライナーとする場合は、それぞれの規格に応じた坪量とすることができる。
本発明の紙は、比引裂強さに優れており、例えば、クラフト紙、ライナーに好適に用いることができる。
本発明の紙の坪量は特に制限されず、その用途に応じて選択することができ、例えば、クラフト紙、ライナーとする場合は、それぞれの規格に応じた坪量とすることができる。
本発明の紙の抄紙方法は特に制限されず、クラフト紙やライナーといった紙を抄紙するための従来公知の湿式抄紙機、例えば長網式抄紙機、ツインワイヤフォーマ型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機、ギャップフォーマー等の抄紙機で抄造することができる。このうちギャップフォーマーは、高速抄紙が可能で生産効率が高く、本発明の紙の抄紙において好適である。また、抄幅の広いマシン(例えば5m以上)にて高速で抄紙する場合、例えば、紙の幅方向における両端部と中央部とでは、紙に働く張りの大きさや乾燥条件などに差が生じやすく、強度や伸び特性が不均一になる傾向があるが、マシン幅方向の繊維配向やJ/W比等のマシン条件等によりを調整することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、%は質量%を示す。
下記表1に示す組成で、所定のフリーネスのLUKPとNUKPを混合した紙料を用い、JIS P 8222を参考にシート形成およびプレス、乾燥し、手抄き紙を製造した。
得られた紙について、下記評価を行った。結果を表1に示す。
下記表1に示す組成で、所定のフリーネスのLUKPとNUKPを混合した紙料を用い、JIS P 8222を参考にシート形成およびプレス、乾燥し、手抄き紙を製造した。
得られた紙について、下記評価を行った。結果を表1に示す。
(透気抵抗度)
JIS P8117:2009に規定された方法により測定した。
(平滑度)
JIS P8155:2010に規定された方法により測定した。
(圧縮強さ)
JIS P8126:2015に規定された方法により圧縮強さを測定し、この測定値から比圧縮強さを算出した。
(破裂強さ)
JIS P8112:2008に規定された方法により破裂強さを測定し、この測定値から比破裂強さを算出した。
(引張強さ)
JIS P8113:2006に規定された方法により引張強さを測定した。
JIS P8117:2009に規定された方法により測定した。
(平滑度)
JIS P8155:2010に規定された方法により測定した。
(圧縮強さ)
JIS P8126:2015に規定された方法により圧縮強さを測定し、この測定値から比圧縮強さを算出した。
(破裂強さ)
JIS P8112:2008に規定された方法により破裂強さを測定し、この測定値から比破裂強さを算出した。
(引張強さ)
JIS P8113:2006に規定された方法により引張強さを測定した。
(裂断長)
JIS P8113:2006に規定された方法により裂断長を測定した。
(破断伸び)
JIS P8113:2006に規定された方法により測定した。
(引張こわさ)
ISO/DIS 1924-3に規定された方法により測定した。
(引裂強さ)
JIS P-8116:2000に規定された方法により引裂強さを測定し、この測定値から比引裂強さを算出した。
(突刺し強さ)
JIS Z 1707の7.4突刺し強さ試験に規定された方法により突刺し強さおよび変位量を測定した。
(繊維長分布)
L&W Fiber Tester Plus(ABB社製)を使用して測定した。
JIS P8113:2006に規定された方法により裂断長を測定した。
(破断伸び)
JIS P8113:2006に規定された方法により測定した。
(引張こわさ)
ISO/DIS 1924-3に規定された方法により測定した。
(引裂強さ)
JIS P-8116:2000に規定された方法により引裂強さを測定し、この測定値から比引裂強さを算出した。
(突刺し強さ)
JIS Z 1707の7.4突刺し強さ試験に規定された方法により突刺し強さおよび変位量を測定した。
(繊維長分布)
L&W Fiber Tester Plus(ABB社製)を使用して測定した。
本発明である実施例1~4は、NUKP100%である比較例1より、また、本発明である実施例5は、NUKP100%である比較例5より、比引裂強さに優れていた。
パルプを高叩解するほど引裂強さは向上すると推測されたが、比較例2~4に示すとおり、LUKPのフリーネスが270mlCSFである比較例4は、LUKPのフリーネスがそれぞれ470mlCSF、370mlCSFである比較例2、3より比引裂強さに劣っていた。このことから、引裂強さに対する繊維間の結合には至適範囲が存在し、この範囲から外れると、繊維間の結合が増えても引裂強さが低下することが示唆された。
パルプを高叩解するほど引裂強さは向上すると推測されたが、比較例2~4に示すとおり、LUKPのフリーネスが270mlCSFである比較例4は、LUKPのフリーネスがそれぞれ470mlCSF、370mlCSFである比較例2、3より比引裂強さに劣っていた。このことから、引裂強さに対する繊維間の結合には至適範囲が存在し、この範囲から外れると、繊維間の結合が増えても引裂強さが低下することが示唆された。
Claims (4)
- 針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)と広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)とを、質量比でNUKP:LUKP=60:40~90:10の範囲内で含むことを特徴とする紙。
- 前記LUKPのフリーネス(FL)が、300mlCSF以上600mlCSF以下であることを特徴とする請求項1に記載の紙。
- 繊維長2.0mm以上である繊維の割合が20%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙
- クラフト紙、またはライナーであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022044912A JP2023139401A (ja) | 2022-03-22 | 2022-03-22 | 紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022044912A JP2023139401A (ja) | 2022-03-22 | 2022-03-22 | 紙 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023139401A true JP2023139401A (ja) | 2023-10-04 |
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ID=88205066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022044912A Pending JP2023139401A (ja) | 2022-03-22 | 2022-03-22 | 紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023139401A (ja) |
-
2022
- 2022-03-22 JP JP2022044912A patent/JP2023139401A/ja active Pending
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