JP7383661B2 - 段ボール用ライナ - Google Patents

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Description

本発明は、段ボール用ライナに関する。
近年、東南アジア向けの梱包用包装容器に用いられる段ボールシート用には、一般的な品質の段ボール用ライナが用いられている。段ボール用ライナは、木製や樹脂容器製に比べて軽量であり、クッション性を有することから内容物の破損しにくいため、精密機器をはじめ様々な分野で用いられている。
このような梱包用包装容器に用いられる多層抄き紙としては、例えば特許文献1には、第1層、第2層、第3層を順に有する紙製基材において、中層である第2層の密度よりも、外層である第1層及び第3層の密度を高くすることで、優れた両面印刷適性と両面ラミネート加工適性を有する紙製基材を得ることができる技術が開示されている(特許文献1参照)。ここでは、各層構成における密度の特性を変えることで印刷やラミネート加工適性を改善可能とする旨が開示されている。
特許文献2に開示されているクラフト紙においては、袋に加工されて使用されたときに、破袋を引き起こすことが少ないクラフト紙として、縦方向及び横方向の破断伸びが関与すること、さらに縦横の破断伸び等が特定の関係となるように製造されたクラフト紙とすることによって、伸び特性や強度特性に優れるクラフト紙が開示されている。特許文献3には、クラフトパルプをパルプスラリー濃度4.0から4.5重量%で重量平均繊維長2.3から4.0mmとなるように粘状叩解し、離解フリーネスが600mlから680mlとなるよう、該クラフトパルプを抄紙することにより、紙支持体の強度をJIS規格内に維持しつつ、高い透気性を紙支持体に付与することができ、低米坪で原料費を下げられ製造コストの低減が可能となる重包装用クラフト紙が開示されている。
このように、従来技術においては、引裂き強度、引張り強度、罫割れの抑制、印刷適性等の向上に対して重視されている。
特開2017-002433号公報 特開2014-053372号公報 特開2006-089889号公報
しかしながら、東南アジアでは未舗装の道路が多く、搬送時に路面の粗さに応じた振動により包装容器の破損が生じ易く、更に、国内においても異常気象と呼ばれるような高温多湿の環境が東南アジアでは常態的に生じている。また、このような段ボール用ライナの表面には商品情報等が印刷されたり、ラミネートフィルムが貼合されたりしているので、上記環境下においては、段ボール用ライナに十分な強度を要する。従って、未包装道路での衝撃や高温多湿の環境下の使用に対応した用途へ利用するためには、段ボール用ライナが優れた耐衝撃性を有し、搬送時や高温多湿の環境下における耐衝撃性を向上することが求められる。
一般的に段ボール用ライナの耐衝撃性を高める手法として、紙力を向上させるための紙力増強剤の多用が考えられるが、このような場合、段ボール用ライナ全体が硬くなり、罫割れの問題や薬品費用の高騰が問題となる。また、近年、段ボール用ライナにおいても古紙リサイクルや環境に優しい材質化が求められている。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、古紙パルプの再利用を図りつつ未舗装路面での搬送時や高温多湿の環境下における耐衝撃性を向上できる段ボール用ライナを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る段ボール用ライナは、少なくとも表面層、表下層及び裏面層を備え、上記表面層が針葉樹クラフトパルプを含有し、上記表面層における上記針葉樹クラフトパルプの含有量が80質量%以上であり、上記表下層が針葉樹クラフトパルプ及び段ボール古紙パルプを含有し、上記表下層における上記針葉樹クラフトパルプの含有量が25質量%以上35質量%以下であり、上記裏面層が段ボール古紙パルプ及び雑誌古紙パルプを含有し、上記裏面層における上記段ボール古紙パルプの含有量が30質量%以上70質量%以下であり、上記裏面層における上記雑誌古紙パルプの含有量が30質量%以上70質量%以下であり、総坪量に対する上記表面層の坪量の割合が20%以上35%以下であり、60℃、80%RHの雰囲気下における比破裂強さが3.45kPa・m/g以上である。
本発明の他の実施形態に係る段ボール用ライナの製造方法は、少なくとも表面層、表下層及び裏面層を備える段ボール用ライナの製造方法であって、走行するワイヤー上に噴出させたパルプ原料を抄紙する抄紙機を用いて原料パルプを抄紙する工程を備え、上記原料パルプが針葉樹クラフトパルプ、段ボール古紙パルプ、雑誌古紙パルプ又はこれらの組み合わせを含有し、上記表面層及び上記裏面層の上記抄紙工程における上記ワイヤーの走行速度Wに対する上記パルプ原料の噴出速度Jの比J/Wが、表下層のJ/Wよりも大きい。
本発明によれば、古紙パルプの再利用を図りつつ未舗装路面での搬送時や高温多湿の環境下における耐衝撃性を向上できる段ボール用ライナを提供できる。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の実施形態に係る段ボール用ライナは、少なくとも表面層、表下層及び裏面層を備える。上記表面層が針葉樹クラフトパルプを含有し、上記表面層における上記針葉樹クラフトパルプの含有量が80質量%以上である。上記表下層は針葉樹クラフトパルプ及び段ボール古紙パルプを含有し、上記表下層における上記針葉樹クラフトパルプの含有量が25質量%以上35質量%以下である。また、上記裏面層が段ボール古紙パルプ及び雑誌古紙パルプを含有し、上記裏面層における上記段ボール古紙パルプの含有量が30質量%以上70質量%以下であり、上記裏面層における上記雑誌古紙パルプの含有量が30質量%以上70質量%以下である。総坪量に対する上記表面層の坪量の割合が20%以上35%以下である。当該段ボール用ライナは、60℃、80%RHの雰囲気下における比破裂強さが3.45kPa・m/g以上である。
このように、上記表面層が針葉樹クラフトパルプを含有し、段ボール用の梱包材として最表面側に位置する表面層の針葉樹クラフトパルプの含有割合を高めることで、高温多湿の環境下における比破裂強さのみならず、高温多湿の環境下における表面強度の向上を図ることができる。また、段ボール用の梱包材として最裏面側に位置する裏面層の原料パルプの主成分として段ボール古紙パルプと雑誌古紙パルプとの併用を図ることで、コブサイズ度を低く設定しながら良好な貼合性を備えつつ、高温多湿の環境下における比破裂強さを向上できる。また、上記表下層が針葉樹クラフトパルプ及び段ボール古紙パルプを含有し、上記針葉樹クラフトパルプの含有量を上記範囲として段ボール古紙パルプの含有量を高めることで、古紙パルプの再利用を図りつつ、高温多湿の環境下における比破裂強さを向上できる。さらに、上記表面層が、段ボール用ライナ全体の20%から35%の坪量を占めることで、耐衝撃性の保持と段ボール用ライナの柔軟性とクッション性を担保でき、段ボール用ライナの高温多湿の環境下における比破裂強さを3.45kPa・m/g以上とすることができる。従って、当該段ボール用ライナによれば、未舗装路面での搬送時の衝撃に耐え、高温多湿の環境下においても優れた耐衝撃性を発揮することができる段ボール用ライナを提供することができる。また、本発明によれば、製函性にも優れた段ボール用ライナを得ることができる。このような段ボール用ライナは、特に東南アジア向けの梱包用包装容器に用いられる段ボールシート用として好ましく用いられる。
上記表面層及び上記裏面層がサイズ剤を含有し、上記表面層及び上記裏面層の計測時間2分におけるコブサイズ度が10g/m以上50g/m以下であることが好ましい。このように、上記表面層及び上記裏面層がサイズ剤を含有し、上記表面層及び上記裏面層の計測時間2分におけるコブサイズ度が上記範囲であることで、高温多湿の環境下で当該段ボール用ライナ中の湿度を抑制することができ、当該段ボール用ライナ品質維持を図ることができる。
上記表面層及び表下層が紙力増強剤を含有し、上記表下層の紙力増強剤の添加量が上記表面層の添加量よりも大きいことが好ましい。紙力増強剤を含有させることで耐衝撃性の向上を図ることができるが、紙力増強剤を含有することにより、紙層の柔軟性を損なうおそれがある。また、当該段ボール用ライナは、表面層において、耐衝撃性向上に寄与する針葉樹クラフトパルプの含有量が多い。このため、表面層よりも表下層の紙力増強剤の添加量を多くすることで、柔軟性を担保しつつ、罫割れ等の表面層の破断を抑制し、未舗装路面での搬送時や高温多湿の環境下における耐衝撃性をより向上できる。
当該段ボール用ライナの密度が0.65g/cm以上0.85g/cm以下であることが好ましい。当該段ボール用ライナの密度が上記範囲であることで、クッション性を付与し、紙力増強剤を必要以上に添加せずに、高い耐衝撃性を発揮得ることができる。
JIS-P8220(1998)に準拠して離解した離解パルプのフリーネスが420ml以上460ml以下であることが好ましい。当該段ボール用ライナの離解パルプのフリーネスが420ml以上460ml以下であることで、当該段ボール用ライナは高温多湿の環境下における比破裂強さを維持しつつ、製函適性を向上できる。
本発明の他の実施形態に係る段ボール用ライナの製造方法は、少なくとも表面層、表下層及び裏面層を備える段ボール用ライナの製造方法であって、走行するワイヤー上に噴出させたパルプ原料を抄紙する抄紙機を用いて原料パルプを抄紙する工程を備え、上記原料パルプが針葉樹クラフトパルプ、段ボール古紙パルプ、雑誌古紙パルプ又はこれらの組み合わせを含有し、上記表面層及び上記裏面層の上記抄紙工程における上記ワイヤーの走行速度Wに対する上記パルプ原料の噴出速度Jの比J/Wが、表下層のJ/Wよりも大きい。
当該段ボール用ライナの製造方法は、針葉樹クラフトパルプ、段ボール古紙パルプ、雑誌古紙パルプ又はこれらの組み合わせを含有する原料パルプを抄紙する工程を備え、上記表面層及び上記裏面層の上記抄紙工程における上記ワイヤーの走行速度Wに対する上記パルプ原料の噴出速度Jの比J/Wが、表下層のJ/Wよりも大きいことで、良好な繊維配向比を得ることができる。その結果、未舗装路面での搬送時や高温多湿の環境下における耐衝撃性を向上できる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
<段ボール用ライナ>
本発明の実施形態に係る段ボール用ライナは、少なくとも表面層、表下層及び裏面層をこの順に備える。また、当該段ボール用ライナは、上記表下層と上記裏面層との間に単層又は複数の層を備えていてもよい。すなわち、当該段ボール用ライナは、少なくとも3層以上の多層抄き紙であればよく、4層以上の多層抄き紙である場合、上記表下層と上記裏面層との間に第2の表下層を備える構成や、上記表下層と上記裏面層との間に第2の裏面層を備える構成であることが好ましい。このように、表下層、裏面層又はこれらの組み合わせを多層構造とすることが好ましく、このような構造とすることにより、当該段ボール用ライナは紙層の柔軟性を高め、製函適性及び耐衝撃性の向上を図ることができる。
[表面層]
上記表面層は、針葉樹クラフトパルプ(NUKP)を含有する。
上記表面層における上記針葉樹クラフトパルプの含有量の下限としては、80質量%であり、90質量%が好ましい。上記表面層が針葉樹クラフトパルプ及び段ボール古紙パルプを含有し、段ボール用の梱包材として最表面側に位置する表面層の針葉樹クラフトパルプの含有割合を高めることで、高温多湿の環境下における比破裂強さのみならず、高温多湿の環境下における表面強度の向上を図ることができる。表面層における針葉樹クラフトパルプの含有量が80%を下回ると、所望の耐衝撃性を確保することが困難に成るおそれがある。また、表面層における針葉樹クラフトパルプの含有量が上記80%未満の場合、長繊維の含有量が減るため、表面層の強度が低下し、罫割れが発生しやすくなるおそれがある。なお、リサイクル性の点からは、古紙パルプを20%未満、耐衝撃性を低下させない範囲で用いることが好ましい。
[表下層]
上記表下層は、針葉樹クラフトパルプ(NUKP)及び段ボール古紙パルプを含有する。
上記表下層における上記針葉樹クラフトパルプの含有量の含有量の下限としては、25質量%であり、30質量%がより好ましい。上記針葉樹クラフトパルプの含有量の含有量の上限としては、35質量%であり、34質量%が好ましい。上記表下層が針葉樹クラフトパルプ及び段ボール古紙パルプを含有し、上記針葉樹クラフトパルプの含有量を上記範囲として段ボール古紙パルプの含有量を高めることで、古紙パルプの再利用を図りつつ、高温多湿の環境下における比破裂強さを向上できる。
[裏面層]
裏面層は、段ボール古紙パルプ及び雑誌古紙パルプを含有する。また、裏面層は、針葉樹クラフトパルプをさらに含有してもよい。
上記裏面における上記段ボール古紙パルプの含有量の含有量の下限としては、30質量%であり、31質量%が好ましい。上記段ボール古紙パルプの含有量の含有量の上限としては、70質量%であり、60質量%が好ましい。また、上記裏面における上記雑誌古紙パルプの含有量の含有量の下限としては、30質量%であり、50質量%が好ましい。上記雑誌古紙パルプの含有量の含有量の上限としては、70質量%であり、60質量%が好ましい。高温多湿の環境下での段ボール用ライナの品質を維持するためには、段ボール用ライナ中の湿度の増加を抑え、裏面層の貼合性を高めることを要することから、コブサイズ度を高く設定する必要があった。しかしながら、段ボール用の梱包材として最裏面側に位置する裏面層の原料パルプの主成分として段ボール古紙パルプと雑誌古紙パルプとの併用を図ることで、コブサイズ度を低く設定しながら良好な貼合性を備えつつ、段ボールライナに要求される製函適性を向上できる。
なお、当該段ボール用ライナの各層は、上記針葉樹クラフトパルプ、段ボール古紙パルプ及び雑誌古紙パルプ以外にその他のパルプとして、例えば茶古紙、クラフト封筒古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、上白古紙、ケント古紙、構造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、脱墨・漂白古紙パルプ等を用いることができる。また、必要に応じて、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、晒ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプを用いてもよい。
[添加剤]
(サイズ剤)
当該段ボール用ライナは、各層にサイズ剤を添加することが好ましい。当該段ボール用ライナの各層がサイズ剤を含有することで、高温多湿の環境下で当該段ボール用ライナ中の湿度に対する耐久性を高めることができ、当該段ボール用ライナ品質維持を図ることができる。上記サイズ剤としては、スチレン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、中性ロジンサイズ剤、ロジンサイズ剤などが挙げられる。これらの中でもロジンサイズ剤が好ましい。
上記ロジンサイズ剤としては特に限定されず、製紙分野で公知のものを用いることができる。ロジン系の物質は、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等のロジン類をフマル酸、マレイン酸、アクリル酸等のα,β-不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性した強化ロジンや、上記ロジン類をグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の多価アルコールを反応させて得られるロジンエステルを挙げることができる。また、本発明において、ロジン系サイズ剤には、これらの単独またはその混合物をエマルジョン化したもの、単独でエマルジョン化した後に混合したものも含まれる。さらに、上記エマルジョン化したものに、サイズ発現性をより向上させるために各種ポリマーを添加したものも含まれる。
各層のサイズ剤の添加量の下限としては、固形分で0.50kg/パルプtが好ましく、1.50kg/パルプtがより好ましい。また、各層のサイズ剤の含有量の上限としては、固形分で5.00kg/パルプtが好ましく、4.00kg/パルプtがより好ましい。サイズ剤の添加量を上記範囲とすることで、当該段ボール用ライナに十分な耐水性を付与し、高温多湿の環境下において当該段ボール用ライナ中の湿度に対する耐久性を高めることができる。また、カチオン化澱粉を更に加えることにより、各層の紙質強度が増強され、高い耐衝撃性の段ボール用ライナを得ることができる。なお、「kg/パルプt」とは、段ボール用ライナ1トンに対する添加量(kg)を表す。
(紙力増強剤)
当該段ボール用ライナは、各層に紙力増強剤を添加することが好ましい。紙力増強剤を添加することで、古紙の再生処理により疲弊し、比較的扁平なパルプ繊維からなる段ボール古紙パルプ及び雑誌古紙パルプの繊維間の結合が強められるので、60℃、80%RHの雰囲気下における比破裂強さをより向上できる。
紙力増強剤としては、澱粉系紙力増強剤、アクリルアミド系紙力増強剤、ビニルアルコール系紙力増強剤、アミドエポキシ系紙力増強剤などが挙げられ、これらの中でもアクリルアミド系紙力増強剤が好ましい。より好ましくは両性のポリアクリルアミド樹脂系の紙力増強剤が好ましい。両性のポリアクリルアミドはカチオンモノマー、アニオンモノマーをアクリルアミドと重合したものであり、自らのカチオン基を介して、パルプ繊維に直接定着する。また、両性のポリアクリルアミド樹脂系の紙力増強剤の特徴として分子構造、分子量をコントロールできる点がある。
上記表下層の紙力増強剤の添加量が上記表面層の添加量よりも大きいことが好ましい。紙力増強剤を含有させることで耐衝撃性の向上を図ることができるが、紙力増強剤を含有することにより、紙層の柔軟性を損なうおそれがある。また、当該段ボール用ライナは、表面層において、耐衝撃性向上に寄与する針葉樹クラフトパルプの添加量が多い。このため、表面層よりも表下層の紙力増強剤の添加量を多くすることで、柔軟性を担保しつつ、罫割れ等の表面層の破断を抑制し、未舗装路面での搬送時や高温多湿の環境下における耐衝撃性をより向上できる。さらに、裏面層の紙力増強剤の添加量も上記表面層の添加量よりも大きいことで、高温多湿の環境下における耐衝撃性をより向上できる。
表面層の紙力増強剤の添加量の下限としては、固形分で0.40kg/パルプtが好ましく、0.8kg/パルプtがより好ましい。また、各層の紙力増強剤の添加量の上限としては、固形分で9.0kg/パルプtが好ましく、8.0kg/パルプtがより好ましい。表面層の紙力増強剤の添加割合が上記上限を超えると、濾水性が悪化し、抄紙機のプレスパートの圧搾及び脱水工程でパルプ原料が排出されやすい。また、上記プレスパートにおいて、ロールに貼り付いた湿紙を剥がすときに用いられるドクターブレードにパルプ原料の粕が付着し、表面層の品質が低下するおそれがある。一方、表下層及び裏面層の紙力増強剤の添加量の下限としては、固形分で6.0kg/パルプtが好ましく、6.4kg/パルプtがより好ましい。また、表下層及び裏面層の紙力増強剤の添加量の上限としては、固形分で8.0kg/パルプtが好ましく、7.0kg/パルプtがより好ましい。各層の紙力増強剤の添加量を上記範囲とすることで、当該段ボール用ライナの柔軟性を担保しつつ60℃、80%RHの雰囲気下における比破裂強さを向上できる。
(その他の添加剤)
本発明においては、表面層、表下層、中層、裏面層等の各層からなる段ボール用ライナに、本発明の目的とする効果を損ねない範囲で各種製紙用添加剤を含有させてもよい。例えば、歩留まり向上剤、顔料分散剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、蛍光消去剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤、硫酸バンド等の薬品定着剤、ポリアミド、ポリアミン、エピクロルヒドリン等の耐水化剤、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の填料、塩基性染料、酸性染料、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料などの公知の添加剤を単独又は2種以上を併用して添加することができる。
[段ボール用ライナの物性]
(坪量)
坪量は、JIS-P8124(2011)に準拠して測定される。本発明の更なる好ましい形態においては、段ボール用ライナの全体の坪量は、120g/mから250g/mであることが好ましく、130g/mから240g/mであることがより好ましい。また、段ボール用ライナを構成する裏面層の坪量は、25g/mから115g/mであることが好ましく、30g/mから110g/mであることがより好ましい。表面層の坪量は、38g/mから52g/mであることが好ましく、40g/mから50g/mであることより好ましい。表下層の坪量は、20g/mから85g/mであることが好ましく、39g/mから80g/mであることがより好ましい。本発明の段ボール用ライナにおいては、全体の坪量を上記範囲内とすることにより、製函時の成形性を良好にすることができ、かつ高温多湿の環境下においても成型後に内容物を充填した際の包装容器の破損を抑制することができる。
上記表面層においては、総坪量に対する上記表面層の坪量の割合の下限としては、20%であり、21%が好ましい。また、総坪量に対する上記表面層の坪量の割合の上限としては、35%であり、32%が好ましい。上記表面層の坪量の割合が上記範囲であることで、高温多湿の環境下における耐衝撃性を保持しつつ、当該段ボール用ライナの柔軟性とクッション性を担保できる。
(密度)
当該段ボール用ライナの密度の下限としては、0.65g/cmが好ましく、0.67g/cmがより好ましい。上記紙厚の上限としては、0.85g/cmが好ましく、0.80g/cmがより好ましい。当該段ボール用ライナの密度が上記範囲であることで、クッション性を付与し、紙力増強剤を必要以上に添加せずに、高い耐衝撃性を発揮得ることができる。また、表下層の密度が、表面層の密度及び裏面層の密度よりも小さいことが好ましい。表下層の密度を表面層の密度及び裏面層の密度よりも小さくすることで、高温多湿の環境下における耐衝撃性をより向上できる。表下層の密度の下限としては、0.48g/cmが好ましく、0.50g/cmがより好ましい。表下層の密度の上限としては、0.95g/cmが好ましく、0.82g/cmがより好ましい。
(紙厚)
紙厚は、JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定される。当該本発明の段ボール用ライナの全体の紙厚は、178μmから370μmであることが好ましく、180μmから360μmであることがより好ましい。また、段ボール用ライナを構成する裏面層の紙厚は、38μmから145μmであることが好ましく、40μmから140μmであることがさらに好ましい。表下層の紙厚は、45μmから165μmであることが好ましく、49μmから160μmであることがさらに好ましい。なお、表下層が上述したように多層構造である場合は、表下層を構成する層の合計の紙厚が上記範囲であることが好ましい。また、表面層の紙厚は、52μmから62μmであることが好ましく、53μmから60μmであることがさらに好ましい。段ボール用ライナの全体の紙厚と、各層の紙厚を上記範囲内とすることにより、耐衝撃性と製函性を高めることができる。
(コブサイズ度)
コブサイズ度は、JIS-P8140(1998)に準拠して、計測時間を2分として測定する。当該段ボール用ライナのコブサイズ度の下限としては、10g/mが好ましく、20g/mがより好ましい。当該段ボール用ライナのコブサイズ度が上記下限未満である場合、高温多湿の環境下で当該段ボール用ライナ中の湿度を十分抑制することができないおそれがあるとともに、紙器等への加工時に貼合不良を招くおそれがある。一方、当該段ボール用ライナのコブサイズ度の上限としては、50g/mが好ましく、40g/mがより好ましい。当該段ボール用ライナのコブサイズ度が上記上限以上の場合、当該段ボール用ライナが吸湿により波うちやシワの発生を招くおそれがある。上記表面層及び上記裏面層の計測時間2分におけるコブサイズ度が上記範囲であることで、高温多湿の環境下で当該段ボール用ライナ中の湿度を抑制することができ、当該段ボール用ライナの品質維持を図ることができる。高温多湿の環境下での段ボール用ライナの品質を維持するためには、段ボール用ライナ中の湿度の増加を抑え、裏面層の貼合性を高めることを要することから、コブサイズ度を高く設定する必要があった。しかしながら、裏面層の原料パルプの主成分として段ボール古紙パルプと雑誌古紙パルプとの併用を図ることで、コブサイズ度を低く設定しながら良好な貼合性を備えつつ、高温多湿の環境下における比破裂強さを向上できる。
(比破裂強さ)
比破裂強さは、JIS-P8131(2009)に規定されている。比破裂強さは、上記JIS-P8131(2009)に準拠して測定されるキロパスカル(kPa)単位で表した紙の破裂強さを上記坪量で除した値である。当該段ボール用ライナの60℃、80%RHの雰囲気下における比破裂強さの下限としては、3.45kPa・m/gであり、3.80kPa・m/gがより好ましい。上記比破裂強さが上記範囲であることで、当該段ボール用ライナは、未舗装路面での搬送時や高温多湿の環境下における耐衝撃性を向上できる。上記「60℃、80%RH」については、JIS-P8111(1998)に準拠して測定する。
(離解パルプのフリーネス)
当該段ボール用ライナは、当該段ボール用ライナをJIS-P8220-1(2012)のパルプの離解方法に準拠して離解することによって離解パルプとし、この離解パルプをJIS-P8121-2(2012)のカナダ標準ろ水度試験方法に準拠して測定される離解後フリーネス(カナディアンスタンダードフリーネス:CSF)が420ml以上460ml以下であることが好ましい。当該段ボール用ライナの離解パルプのフリーネスの下限が420ml未満の場合、高温多湿の環境下における比破裂強さが低下するおそれがある。また、離解パルプのフリーネスの上限が460mlを超えると、抄紙性が低下することによる生産性の低下や製函適性の低下が生じるおそれがある。
(各層のカナディアンスタンダードフリーネス)
当該段ボール用ライナの表面層のカナディアンスタンダードフリーネスとしては、480ml以上600ml以下が好ましい。表下層のカナディアンスタンダードフリーネスとしては、400ml以上510ml以下が好ましい。裏面層のカナディアンスタンダードフリーネスとしては、375ml以上415ml以下が好ましい。当該段ボール用ライナのフリーネスを上記範囲内とすることにより、高温多湿の環境下においても優れた耐衝撃性を有し、搬送時や高温多湿の環境下における耐衝撃性をより向上できる。また、製函適性を向上する観点から、各層のカナディアンスタンダードフリーネスの大きさが表面層>表下層>裏面層の関係となるように、各層のカナディアンスタンダードフリーネスを調整することが高温多湿の環境下でも比破裂強さが高く、耐衝撃性に優れる段ボール用ライナを得るうえでより好ましい。
<段ボール用ライナの製造方法>
当該段ボール用ライナの製造方法は、少なくとも表面層、表下層及び裏面層を備える段ボール用ライナの製造方法である。当該段ボール用ライナの製造方法は、抄紙機を用いて原料パルプを抄紙する工程を備える。また、当該段ボール用ライナの製造方法は、各層を構成する原料パルプを所望のフリーネスとなるように叩解する工程を備えることが好ましい。
[叩解工程]
叩解工程では、各層を構成する原料パルプを所望のフリーネスとなるように叩解する。上記原料パルプは、針葉樹クラフトパルプ、段ボール古紙パルプ、雑誌古紙パルプ又はこれらの組み合わせを含有する。始めに、パルプ繊維を水に分散させて得たスラリーに、各紙層に対応した添加剤を必要に応じ添加して混合し、各紙層の紙料を調製する。
[抄紙工程]
次に、これらの原料スラリーを用いて、段ボール用ライナのpHが6以上8以下になるように中性域で抄紙機にて表面層、表下層、裏面層等の抄合せで抄紙する。上記抄紙工程では、走行するワイヤー上に噴出させたパルプ原料を抄紙する抄紙機を用いて原料パルプを抄紙する。抄紙機は特に限定されるものではなく、公知の抄紙機、例えば長網抄紙機、円網抄紙機、ハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマー等の抄紙機を使用することができ、3層以上の多層で抄紙される。
上記表面層及び上記裏面層の上記抄紙工程における上記ワイヤーの走行速度Wに対する上記パルプ原料の噴出速度Jの比J/Wは、表下層のJ/Wよりも大きい。上記表面層及び上記裏面層のJ/Wが表下層のJ/Wよりも大きいで、良好な繊維配向比を得ることができる。ここで、繊維配向比は、繊維の配向(配列)の度合いを示す尺度であり、パルプ繊維が抄紙機のワイヤー上に流出され、脱水、紙層が形成される過程で縦方向(抄紙機上のパルプ繊維の流れ方向)に並ぶ傾向のことである。繊維配向比は、数値が大きいほど配列の度合いが強いことを示す。表面層に高い強度を有する針葉樹クラフトパルプを用いることで、比破裂強さを向上できるが、表面層、表下層及び裏面層のJ/W比、換言すれば表面層、表下層及び裏面層の繊維配向性を上記関係とすることで、高温多湿の環境下における比破裂強さをより向上できる。
なお、抄紙工程後の印刷適性を高めるために、表面に塗工層を設けてもよい。
[プレス工程]
次に、加圧ロールによりプレスし、水分を除去する。
[乾燥工程]
次に、ドライヤーシリンダーにて乾燥する。
乾燥後には、平滑化処理を行うことにより、表面強度を向上できる。平滑化処理は、例えば加圧可能なリール間で段ボール用ライナを加圧処理することにより実施することが好ましい。平滑化処理を施すための各種仕上げ装置については特に制限はないが、例えばワインダー部前のマシンキャレンダー、および/またはスーパーキャレンダー、グロスキャレンダー、ソフトニップキャレンダー等に通紙することで製品仕上げが施される。
最後にリールに巻き取り、段ボール用ライナを得る。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
例えば当該段ボール用ライナは、上記表下層と上記裏面層との間に単層又は複数の中層を備えていてもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例の物性値の測定方法は以下のとおりである。
[坪量(g/m)]
JIS-P8142(1998)に記載の「紙及び板紙-坪量測定方法」に準拠して測定した。
[紙厚(μm)]
JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
[密度(g/cm)]
JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
[フリーネス(mL)]
得られた段ボール用ライナをJIS-P8220-1(2012)のパルプの離解方法に準拠して離解することによって離解パルプとし、この離解パルプをJIS-P8121-2(2012)のカナダ標準ろ水度試験方法に準拠して測定した。
[比破裂強さ]
60℃、湿度80%の高温多湿の恒温高湿環境内に6時間放置し、所定時間経過直後に取り出し、JIS-P8131(2009)に準拠して測定した。
[実施例1]
パルプスラリー中に、表に記載の原料を添加した。
(添加剤)
(1)ロジン系サイズ剤
ハリマ化成社の「NS-77P」 特殊ロジンサイズ剤(固形分50%)
(2)アクリルアミド系紙力増強剤
ハリマ化成社の「ハーマイドRB-520」:両イオン性ポリアクリルアミド(固形分20%)
[実施例2~実施例7及び比較例1~5]
原料の種類、添加量及び物性値を表1~表4に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~6、比較例1~5及び参考の段ボール用ライナを得た。なお、以下の表1及び表2中の「-」は、該当する成分を用いなかったことを示す。また、実施例2~6は、第2裏面層を備える。
Figure 0007383661000001
Figure 0007383661000002
Figure 0007383661000003
Figure 0007383661000004
[評価]
得られた各段ボール用ライナに対して、下記方法にて評価した。評価結果を表5に示す。
(1)坪量:JIS P 8124(1998)に準じて測定した。
(2)紙厚:JIS P 8118(1998)に準じて測定した。
(3)密度:JIS P 8118(1998)に準じて坪量と紙厚から求めた。
(4)離解後フリーネス: 当該段ボール用ライナをJIS P 8220(1998)に準じて離解した後、JIS P 8121(1995)に記載の「パルプのろ水度試験方法」に準じて測定した。
(5)コブサイズ度
JIS-P8140(1998)に準拠して測定した。なお、本発明でいうコブサイズ度は、箔押し印刷を設ける側の表面層又は裏面層の面に水を2分間接触させて測定した値である。
(6)製函適性
実施例及び比較例で得た段ボール用ライナの製函性について評価した。なお、下記の評価における製函性とは製函時の折り曲げ易さと、折り曲げ部に割れがないことを意味する。
◎:製函性が非常に良好であり、実用上全く問題ない。
○:製函性が良好であり、実用上問題ない。
△:製函性がやや劣り、実用上問題がある。
×:製函性が著しく劣り、実用上問題である。
(7)破裂強さ及び比破裂強さ
60℃、80%RHの雰囲気下における破裂強さをJIS-P8131(2009)に準拠して測定した後、破裂強さを上記坪量で除して比破裂強さを求めた。
(8)高温多湿の環境下における耐衝撃性
実施例及び比較例で得た段ボール用ライナを用いて段ボールケースを製造し、60℃、80%RHの状況下で、コンテナ内で段ボールケースを搬送する試験を行い、段ボールケースの状態を目視にて判断した。
◎:搬送後の段ボールケースにひずみや穴あきは見られず、実用上全く問題ない。
○:搬送後の段ボールケースにひずみや表ライナのみ穴あきが見られるものの内容物は破損せず、風合いを損ねるが実用上問題ない。
△:搬送後の段ボールケースにひずみや裏ライナに至らない穴あきが見られ、内容物を破損する可能性が高く、実用上問題がある。
×:搬送後の段ボールケースにひずみや完全な穴あきが見られ、内容物を破損する可能性が非常に高く、実用上問題である。
Figure 0007383661000005
上記表5に示されるように、表面層における針葉樹クラフトパルプの含有量が80質量%以上であり、表下層における上記針葉樹クラフトパルプの含有量が25質量%以上35質量%以下であり、裏面層における段ボール古紙パルプの含有量が30質量%以上70質量%以下であり、裏面層における雑誌古紙パルプの含有量が30質量%以上70質量%以下であり、総坪量に対する表面層の坪量の割合が20%以上35%以下であり、60℃、80%RHの雰囲気下における比破裂強さが3.45kPa・m/g以上である実施例1~実施例7は、製函適性及び高温多湿の環境下における耐衝撃性が優れていた。
一方、表面層における針葉樹クラフトパルプの含有量が80質量%未満かつ比破裂強さが3.45kPa・m/g未満の比較例1、表下層における上記針葉樹クラフトパルプの含有量が25質量%未満であり、裏面層における段ボール古紙パルプの含有量が30質量%未満かつ比破裂強さが3.45kPa・m/g未満の比較例2、表下層における上記針葉樹クラフトパルプの含有量が25質量%未満かつ比破裂強さが3.45kPa・m/g未満の比較例3、比破裂強さが3.45kPa・m/g未満の比較例4及び裏面層における段ボール古紙パルプの含有量及び雑誌古紙パルプの含有量が30質量%未満の比較例5は、製函適性及び高温多湿の環境下における耐衝撃性のいずれかが劣っていた。
本発明の段ボール用ライナは、梱包用包装容器に用いられる段ボールシートや包装袋、固体保存用の容器用のライナとして好適に用いることができる。特に、東南アジア向けの梱包用包装容器に用いられる段ボールシートとして用いることが好適であり、また、高温多湿の環境下での流通分野等、様々な分野の産業用紙として用いることができる。

Claims (2)

  1. 少なくとも表面層、表下層及び裏面層を備え、
    上記表面層が針葉樹クラフトパルプを含有し、上記表面層における上記針葉樹クラフトパルプの含有量が80質量%以上であり、
    上記表下層が針葉樹クラフトパルプ及び段ボール古紙パルプを含有し、上記表下層における上記針葉樹クラフトパルプの含有量が25質量%以上35質量%以下であり、
    上記裏面層が段ボール古紙パルプ及び雑誌古紙パルプを含有し、
    上記裏面層における上記段ボール古紙パルプの含有量が30質量%以上70質量%以下であり、
    上記裏面層における上記雑誌古紙パルプの含有量が30質量%以上70質量%以下であり、
    上記裏面層の計測時間2分におけるコブサイズ度が10g/m 以上50g/m 以下である段ボール用ライナ。
  2. 60℃、80%RHの雰囲気下における破裂強さが468.0kPa以上である請求項1に記載の段ボール用ライナ。
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