JP2019044326A - コート白ボール紙の製造方法 - Google Patents

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篤 田村
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寛暢 澤崎
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Abstract

【課題】 古紙パルプを使用しながらも、表面のきょう雑物を顕著に減少させ、食品や医薬品の包装用として好適なコート白ボール紙の製造方法を提供すること。【解決手段】 漂白化学パルプを主体としたパルプと填料とを含有する表層用パルプスラリー、古紙パルプを主体としたパルプを含有する表下層用パルプスラリー、古紙パルプを主体としたパルプを含有する中層用パルプスラリー、古紙パルプを主体としたパルプを含有する裏層用パルプスラリーを用いて、表層、表下層、中層、裏層を、それぞれの層を抄紙して抄き合わせて原紙を抄紙する工程と、原紙の表層の表面上に、顔料と接着剤とを含有する塗料で塗工量が10〜40g/m2の表塗工層を塗設する工程と、原紙の裏層の表面上に、顔料と接着剤とを含有する塗料で塗工量が0.5〜8g/m2の裏塗工層を塗設する工程と、を有し、裏層用パルプスラリーに用いられる古紙パルプの5質量%以上が雑誌古紙パルプである。【選択図】なし

Description

本発明は、古紙パルプを使用したコート白ボール紙の製造方法に関する。
コート白ボール紙は塗工白板紙の一種であり、表層、中層、裏層等の層からなるものである。古紙を多量に使用しており、白色度の求められる表層には白色顔料塗工層を設け、中層、裏層は古紙パルプを主体とした低白色度層として構成されることが一般的である。主として表層の表面に印刷され、包装用として加工された上で使用されることが多い。
一方、塗工白板紙としてはコート白ボール紙以外にも、表層、裏層共に漂白化学パルプを使用して白色顔料塗工層を設けた高級白板紙や、表裏共に漂白化学パルプ若しくは古紙パルプを使用して両面が白く、片面には印刷効果を上げるために白色顔料塗工層を設けた特殊白板紙が知られており、これらもコート白ボール紙と同様な目的で使用される。
これら3種類の塗工白板紙においては、通常、高級白板紙がもっとも高価であり、次いで特殊白板紙、コート白ボール紙の順であり、コート白ボール紙はもっとも安価なレベルに位置する。この価格の順位は漂白化学パルプの使用量の順位とほぼ一致しており、高級白板紙は原紙中のパルプの全量若しくはほとんどが漂白化学パルプから構成されているのに対して、コート白ボール紙の原紙においては逆に大半が古紙パルプから構成されており漂白化学パルプの使用はわずかである。
コート白ボール紙は一般的には3層〜9層の多層構造からなり、坪量は例えば270g/m2以上の厚紙である。コート白ボール紙の典型的な層構成は、表層、表下層、中層及び裏層からなるものであり、表層には顔料塗工層が塗設されている。
具体的には、表層は白層とも呼ばれる白色度の高い漂白化学パルプや上質系古紙パルプを含有する層である。次いで、表層に接する内側の表下層は白下層とも呼ばれ、主として新聞や雑誌古紙を原料として脱インキ処理された比較的白色度の高い古紙パルプ若しくは上記表層の原料又は当該古紙パルプと表層の原料の両方を使用した層である。中層は主として新聞や雑誌古紙を単に離解し、除塵した古紙パルプ若しくは新聞又は雑誌古紙を原料として脱インキ処理された比較的白色度の高い古紙パルプを単独で使用するか、又は併用した層であり、裏層は中層と同様な原料で構成される場合が多い。このように構成することにより、古紙の高度利用を図りつつも、白色度の高いコート白ボール紙を得ることができる。
コート白ボール紙は、古紙を大量に使用することに起因して、品質面において他の2種の塗工白板紙に比べて劣る点がいくつかあり、その中でも最大の違いはきょう雑物のレベルである。コート白ボール紙のきょう雑物の含有レベルは、通常の用途においては許容されるレベルであっても例えば、食品用や医薬品用のパッケージなどの非常にきょう雑物を嫌う用途では、コート白ボール紙の使用は敬遠され、主として高級白板紙や特殊白板紙が使用される場合が多い。きょう雑物が問題となるのは表面であるが、原紙中に存在する古紙由来の残インキ、ゴミが顔料塗工層で隠蔽できず観察される場合が多い。また、昇華型染料が古紙中に存在すると、製品製造時にはきょう雑物としては視認されないものが、時間の経過ともに発色し顕在化する場合もある。更に、裏面に存在するきょう雑物は箱等に加工されて使用する場合には直接問題とはならないことが多いが、粘着物が存在すると、表面に転写されて表面のきょう雑物となり、印刷・加工工程でトラブルを起こす原因となりうる。このような問題に対して、裏層の上に化学パルプを主体とした繊維層を5〜35g/m2設けるコート白ボール紙が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開2015−30930号公報
裏面に存在する粘着物が表面に転移する問題は、裏層に配合する古紙パルプとして雑誌古紙パルプを使用した際に顕著となりやすい。雑誌古紙パルプは、背糊などに起因する粘着物を比較的多量に含んでいるためである。表面のきょう雑物を減少させるもっとも簡便な方法は、きょう雑物の大半が古紙に由来することから、古紙の配合率を減らして代わりにきょう雑物の少ないバージンパルプに置き換えることである。
しかしながら、この方法は、単に、よりグレードの高い特殊白板紙や高級白板紙の原料配合に近づけるだけであり、コート白ボール紙の有する最大の利点でもある古紙の高度利用という特性を失い、さらに経済的優位性を損なうことになる。別の方法として、使用する古紙をパルプ化する際に、脱インキ及び除塵効率を上げ、よりきょう雑物の少ないパルプにして使用するという方法も考えられる。この方法は一見優れた方法のように見えるが、脱インキや除塵に負荷をかけ過ぎると、原料の歩留まりを悪化させてコストアップになり、ひいてはコート白ボール紙の特長である経済性を損ねる結果となる。
本発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、古紙パルプを使用するにもかかわらず、表面のきょう雑物を顕著に減少させ、食品や医薬品の包装用として好適なコート白ボール紙の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的とするところは、コート白ボール紙において、最大の特長である価格面の有利性及び古紙パルプの高度利用、さらに良好な印刷・加工適性という特長を維持しつつ、よりグレードの高い白板紙の有する表面清潔感を達成することを目的とする。尚、雑がみやオフィスペーパーが含まれるミックス古紙も粘着物を比較的多く含むが、本発明においては、このミックス古紙も雑誌古紙と同様に扱うことができる。
本発明の他の目的並びに作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採る。即ち、本発明に係るコート白ボール紙の製造方法は、少なくとも表層、表下層、中層及び裏層の4層を有する原紙と、前記表層に塗設された顔料塗工層と有するコート白ボール紙の製造方法において、漂白化学パルプを主体としたパルプと填料とを含有する表層用パルプスラリー、古紙パルプを主体としたパルプを含有する表下層用パルプスラリー、古紙パルプを主体としたパルプを含有する中層用パルプスラリー、古紙パルプを主体としたパルプを含有する裏層用パルプスラリーを用いて、少なくとも、前記表層、前記表下層、前記中層、前記裏層を、それぞれの層を抄紙して抄き合わせる工程と、前記原紙の前記表層の表面上に、顔料と接着剤とを含有する塗料を塗工し、乾燥して、塗工量が10〜40g/m2の表塗工層を塗設する工程と、前記原紙の前記裏層の表面上に、顔料と接着剤とを含有する塗料を塗工し、乾燥して、塗工量が0.5〜8g/m2の裏塗工層を塗設する工程とを有し、前記裏層用パルプスラリーに用いられる古紙パルプの5質量%以上が雑誌古紙パルプであることを特徴とする。
ここで「表塗工層」とは表層に設けられた顔料塗工層を意味し、「裏塗工層」とは裏層に設けられた顔料塗工層を意味する。
本発明に係るコート白ボール紙の製造方法では、前記裏層の表面上に塗設する表塗工層用の塗料中に着色剤を含有させてもよい。このような構成によれば、裏面のきょう雑物が目立ちにくくすることができる。また、着色剤として黒色の着色剤を用いることによって、裏層の表面上に塗工した裏塗工層の白色度を低下させることができることから、従来のコート白ボール紙の裏面のねずみ色の外観に近づけることができる。
本発明によれば、コート白ボール紙の特長である経済性と古紙パルプの高度利用、良好な印刷・加工適性という特長を活かしつつ、これまで欠点とされた表面のきょう雑物や白色ムラのない、上級グレードの白板紙に匹敵する表面清潔性を具備したコート白ボール紙を提供することができる。特に、裏層に配合する古紙パルプとして粘着物を比較的多く含有する雑誌古紙パルプを用いても、裏面から表面への粘着物の転移が少なく、食品や医薬品の包装用としても使用に耐えるコート白ボール紙を提供することができる。
次に本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。また、本発明において、表層に設ける顔料塗工層を「表塗工層」といい、裏層に設ける顔料塗工層を「裏塗工層」ということがある。
本実施形態に係るコート白ボール紙は、古紙パルプを原紙に配合する。日本製紙連合会制定方式(2008年4月)による原紙における古紙パルプ配合率は60質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上である。原紙における古紙パルプ配合率の上限値は、特に限定されないが、90質量%であることが好ましく、95質量%であることがより好ましい。
本発明においてコート白ボール紙用原紙は、表層、表下層、中層及び裏層の少なくとも4層から構成される。また必要に応じて原紙の表面に表面処理をしてもよい。原紙の表面は、表層の表面又は裏層の表面若しくは後述する繊維層を設けた場合は繊維層の表面である。表面処理としては、例えば顔料を含まず、表面紙力剤やサイズ剤を主成分とした水性塗工液を塗布することである。表面処理は、片面だけに施すか、又は両面に施してもよい。
表層は、漂白化学パルプを主体とした層である。表層の坪量は20〜60g/m2であることが好ましい。また、白色度は70〜88%であることが好ましく、75〜85%であることがより好ましい。表層を、バージンパルプである漂白化学パルプを主体とした層とすることで、きょう雑物を減少させることができる。表層の漂白化学パルプの配合率は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。表層の漂白化学パルプ配合率が50質量%未満では、きょう雑物が多くなる場合がある。表層の漂白化学パルプ配合率の上限値は、特に制限はないが、95質量%であることが好ましく、100質量%(すなわち表層のパルプの全量が漂白化学パルプである)ことがより好ましい。表層には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、漂白化学パルプ以外のパルプを配合してもよい。漂白化学パルプ以外のパルプは、例えば、古紙パルプ、未漂白化学パルプ、機械パルプである。ただし、本発明では表層の古紙パルプの使用は50質量%未満を選択することが好ましい。表層の特性としては、不透明度が重要である。すなわち、表下層に存在するきょう雑物を隠蔽するために、また表下層の白色度の影響を受けて発生する白色ムラを防止するために重要である。表層の不透明度を向上させる方法としては、各種の方法がある。もっとも簡単な方法は表層坪量を増加させることであり、白色度の向上、白色ムラの改善がなされる。しかし表層に古紙パルプを配合するにしても他の層に比べ原料コストが高いことから、製品全体のコストアップになり、表層坪量を単純に増加させる方法は、好ましい方法ではない。
表層は、填料を含有する。填料は、例えば、軽質炭酸カルシウム若しくは重質炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウム、タルク、クレー、焼成クレー、水酸化アルミニウム、二酸化チタンなどの無機填料、プラスチックピグメントなどの有機填料である。填料の配合率は、表層のパルプに対して、3〜12質量%であることが好ましく、4〜10質量%であることがより好ましい。3質量%未満では、不透明度及び白色度の向上効果が不十分となる場合がある。12質量%を超えると紙層強度が低下し、印刷時のピッキングトラブルの原因となる場合がある。
表層に填料として炭酸カルシウムを添加し、中性領域で抄紙する方法はコストアップにならず、有効な方法である。しかしながら、特に顔料として隠蔽性の比較的高いクレーを主体とする塗料を塗工する従来の板紙の製造においては、板紙の表層に炭酸カルシウムを内添填料として利用することは行われていなかった。この理由として、クレーを主顔料とした塗工層の隠蔽性が高いことから内添に炭酸カルシウムを使う必要性が低かったこと、内添に炭酸カルシウムを使用すると従来からある酸性ロジンサイズではサイズ性が低下しやすいこと、内添に炭酸カルシウムを使用すると歩留りが低下しやすいことなどが挙げられる。特に、古紙を利用する中層の白水が黒ずんでいるためその影響を受けやすく、表層に炭酸カルシウムを使用しても白色度の改善が得られないと考えられていた。しかしながら、白色度と隠蔽性に優れた性能を持つ炭酸カルシウムを表層に内添することで、不透明度の向上及び白色ムラの改善を好適に行うことが可能となる。
炭酸カルシウムの添加率は表層のパルプの量に対して、3〜12質量%であることが好ましく、より好ましくは4〜10質量%とする。3質量%に満たない添加率では不透明度、白色度向上への効果が不十分である場合がある。12量%を超えると紙層強度が低下し、印刷時のピッキングトラブルの原因となる場合がある。使用する炭酸カルシウムとしては各種のものが可能であるが、白色度、不透明度及び抄紙機ワイヤ摩耗性を考慮して軽質炭酸カルシウム若しくは湿式重質炭酸カルシウムのいずれか一方又はそれら両方であることが好ましい。なお、上質古紙パルプが含有する炭酸カルシウムが併存するために、紙層中の炭酸カルシウムの含有率は添加率より大きい値となるが、強度を考慮すると全炭酸カルシウム量として表層のパルプの量に対して15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5〜13質量%とする。表層には、填料以外に紙力剤、サイズ剤他通常の抄紙薬品の使用が可能である。
表下層は、古紙パルプを主体とした層であり、例えば、古紙パルプとして雑誌古紙パルプ又は新聞古紙パルプのいずれか一方又はその両方を含有させた層から構成される。雑誌古紙又は新聞古紙パルプは脱墨処理されたものが好ましい。表下層の坪量は20〜60g/m2であることが好ましく、より好ましくは30〜50g/m2である。白色度については50〜75%であることが好ましく、より好ましくは55〜70%である。50%に満たない白色度では白色ムラが起こりやすくなる場合がある。75%を超えるとコストアップとなり経済面で好ましくない。表下層の古紙パルプ配合率は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。きょう雑物の減少や白色度の向上のために、漂白化学パルプを主成分とする上質系古紙パルプや漂白化学パルプの使用は可能であるが、経済性と古紙配合率の維持の観点から表下層で使用するパルプの40質量%未満の使用に限定すべきである。
中層は、古紙パルプを主体とした層であり、例えば、古紙パルプとして主として新聞や雑誌古紙を単に離解し、除塵した古紙パルプを使用した層である。中層の坪量は、50〜400g/m2であることが好ましく、より好ましくは100〜350g/m2である。白色度は40〜65%であることが好ましく、より好ましくは45〜60%である。中層の古紙パルプ配合率は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
裏層は、古紙パルプを主体とした層であり、基本的に中層と同様な原料を使用するが、裏層のきょう雑物レベルは重要である。特に粘着物が存在すると、製造工程あるいは後工程で表面に転移して、表面のきょう雑物レベルをあげたり、印刷工程でのピッキングトラブルの原因物質になったりするおそれがある。従って、古紙パルプとしては、背糊などに起因する粘着物の混入割合が多い雑誌古紙をなるべく使用しない方がよいが、古紙パルプの5質量%以上を雑誌古紙パルプとしても、すなわち粘着物の混入が多くても、裏面から表面への粘着物の転移を防ぐことができる。尚、ここで「裏面」とは裏層の紙層表面をいい、「表面」とは表層に設けられた表塗工層の表面をいう。裏層の古紙パルプ配合率は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。裏層の古紙パルプ中の雑誌古紙パルプの割合は、10質量%以上であってもよく、上限は特に無い。裏層に配合される古紙パルプの全量が雑誌古紙パルプであってもよい。
裏層の表面に観察される、面積0.5mm2以上のきょう雑物は、1m2あたり1個未満であることが好ましい。粘着物の面積は広範囲に及ぶが、特に後工程でトラブルを起こす粘着物は、きょう雑物としては大きく、面積として約0.5mm2以上の領域に存在する。きょう雑物の全体量を減らすことは視感的には良いことではあるが、面積として0.5mm2以上のきょう雑物を選択的に減少させることが経済的には好ましいことである。裏層のきょう雑物減少方法としては周知の方法で行うことができる。たとえば古紙処理工程で除塵を強化し、粗大きょう雑物やインキ類をディスパーザーやニーダー等によって機械的に微細化する方法(機械分散処理)や脱インキ古紙パルプの混合使用等がある。裏層の坪量は通常20〜50g/m2であることが好ましく、より好ましくは25〜45g/m2である。その白色度は45〜65%であることが好ましく、より好ましくは50〜60%である。中層との白色度の差が大きいと裏面の白色ムラを起こしやすいために、中層と裏層との白色度の差は10%以内に制御することが好ましく、5%以内になるよう制御することがより好ましい。
以上の処理や原料の選択によってきょう雑物は大幅に減少できるが、ごくわずかに残存する粘着物が印刷時にトラブルを起こす場合がある。本願発明者等はこれを防止する方法を検討した結果、裏層に粘着物を固着する方法として、裏面(裏層の紙層表面)に裏塗工層を設けることが極めて効果的であることを見いだした。粘着物を裏層に固着し、表面(表塗工層の表面)への転移を防止するための裏塗工層の塗工量は0.5〜8g/m2であることが好ましく、より好ましくは2〜6g/m2である。塗工量が0.5g/m2未満では、粘着物を裏層に十分固着する力が不足する。逆に8g/m2以上になると外観としては特殊白板紙や高級白板紙に近く、また、コストアップになり、ひいてはコート白ボール紙の特長である経済性を損ねる結果となる。
表層、表下層、中層又は裏層には、本発明の効果を損なわない範囲内で、凝集助剤、紙力増強剤、色味付け染・顔料、サイズ剤を使用できる。また、抄紙時の操業性を向上させるために、歩留り向上剤、濾水向上剤、消泡剤を適宜用いることができる。これらは、本発明においては、例えば、表層のパルプ量に対して0.001〜5質量%添加することができる。具体的には、凝集助剤としては、例えば硫酸バンドが挙げられ、本発明においては、例えば、表層のパルプ量に対して0.01〜2質量%添加することができる。紙力増強剤としては、例えば澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアマイドが挙げられ、本発明においては、例えば、表層のパルプ量に対して0.01〜2質量%添加することができる。サイズ剤としては、例えば中性ロジンが挙げられ、例えば、表層のパルプ量に対して0.01〜2質量%添加することができる。表層、表下層、中層、裏層がそれぞれ抄紙され、抄合わせされて原紙が製造される。原紙の両面または片面には、必要に応じて顔料を含まず、表面紙力剤やサイズ剤を主成分とした水性塗工液を塗布して表面処理をしてもよく、該水性塗工液はサイズプレスやトランスファーロールコーター等の装置を使用し付与できる。また、カレンダー装置に水性塗工液を供給して付与(水光沢処理)してもよい。
本発明のコート白ボール紙の製造方法においては、原紙の表層側に表塗工層が塗設される。表塗工層は顔料と接着剤とを含有する塗料を塗工・乾燥することによって形成される。顔料としては湿式重質炭酸カルシウム、クレー(以降、カオリンということもある。)、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、プラスチックピグメント等の公知公用の顔料が単独で、又は組み合わせて適宜使用されるが、主として湿式重質炭酸カルシウムを使用することが好ましい。固形分64質量%以上でも流動性に優れ、ストリークの発生を抑制できる。湿式重質炭酸カルシウムを少なくとも顔料中60質量%以上用いることができ、好ましくは、65〜95質量%用いると良い。
接着剤としては、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(SBRラテックス)、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体などの共役ジエン系重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、酸化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられ、単独、又は二種以上混合して使用される。接着剤の使用量は、例えば、顔料100質量部に対して5〜30質量部とすることができる。その他、必要に応じて、塗料中には分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水などのpH調整剤、消泡剤、着色染料、着色顔料、耐水化剤、流動改質剤等を適宜使用する事もできる。表塗工層の形成は一般に下塗り層、上塗り層の二層が形成される。通常下塗り層では乾燥質量で5〜15g/m2、好ましくは8〜13g/m2、上塗り層で5〜13g/m2、好ましくは7〜12g/m2の範囲で塗工される。
下塗り層及び上塗り層を形成する塗工装置としては限定されるものではないが、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター及びゲートロールコーター、サイザーなどのロールコーターなどを適宜組み合わせて使用することができる。下塗り形成装置としてはロッドコーター、下塗り塗工層を設けた紙への上塗り形成装置としてはロッドコーター、ブレードコーターを使用することが好ましい。
表塗工層は、塗工量と不透明度とが重要である。本発明において塗工量は、下塗り層及び上塗り層の合計として10〜40g/m2とすることが必要であり、好ましくは15〜30g/m2とする。塗工量が10g/m2より低い場合には塗工層の不透明度が低くなり、表層以下の隠蔽性を確保できないか、仮に目標の不透明度に到達できたとしても、二酸化チタン等の高価な材料を多用することになり、著しいコストアップになることから好ましくない。一方、塗工量が40g/m2より多くなると、不透明度向上には好ましいが、後加工工程において罫線部での割れが発生したり、箱に成形する場合の接着性に悪影響を及ぼしたりする等の問題が起こりやすくなることから、避けるべきである。顔料塗工層の不透明度を上げるには周知の方法が適用できる。顔料塗工層の不透明度は、例えば、顔料塗工層に用いる顔料の種類、顔料塗工層の塗工量を調整することで所定の範囲に制御することができる。塗工量の制限を設ける本発明においては隠蔽性を向上させるために二酸化チタンの使用は有効な選択肢である。二酸化チタンの使用に伴うコスト増はクレーを湿式重質炭酸カルシウムに置き換えし、湿式重質炭酸カルシウムを高配合とすることで顔料塗工層のコストアップを抑えることが可能である。上塗り層は、不透明度、白色度以外にも光沢度、平滑度等の白紙物性及び、印刷適性及び後加工適性を満足させるためには、湿式重質炭酸カルシウムに加えて、クレー及び二酸化チタンを配合することが好ましい。しかし、顔料コストの増加を抑えるためには、品質が許容される範囲内でクレー及び二酸化チタンの配合を減らして湿式重質炭酸カルシウムを高配合とする必要がある。上塗り層の湿式重質炭酸カルシウムの配合量は、上塗り層の全顔料に対して50質量%以上が好ましく、さらに好ましくは60質量%以上である。また上塗り層の塗工量はできる限り低めに抑えることが好ましく、下塗り層と同等若しくはそれ以下の塗工量とするのが好ましい。一方、下塗り層は顔料コストを抑えるためにできるかぎり安価な顔料を主体として構成することが好ましく、湿式重質炭酸カルシウムは少なくとも70質量%以上、好ましくは80質量%以上の配合とすることが好ましい。
本発明のコート白ボール紙の製造方法においては、原紙の裏層側に裏塗工層が塗設される。裏塗工層は顔料と接着剤とを含有する塗料を塗工・乾燥することによって形成される。顔料としては、表塗工層と同様に、湿式重質炭酸カルシウム、クレー、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、プラスチックピグメント等の公知公用の顔料が単独で、又は組み合わせて適宜使用されるが、主として湿式重質炭酸カルシウムを使用することが好ましい。固形分64質量%以上でも流動性に優れ、ストリークの発生を抑制できる。湿式重質炭酸カルシウムを少なくとも顔料中60質量%以上用いることができ、好ましくは、65〜95質量%用いると良い。
接着剤としては、表塗工層と同様に、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(SBRラテックス)、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体などの共役ジエン系重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、酸化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられ、単独、又は二種以上混合して使用される。接着剤の使用量は、例えば、顔料100質量部に対して5〜30質量部とすることができる。その他、必要に応じて、塗料中には分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水などのpH調整剤、消泡剤、着色染料、着色顔料、耐水化剤、流動改質剤等を適宜使用する事もできる。
裏塗工層を形成する塗工装置としては限定されるものではないが、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター及びゲートロールコーター、サイザーなどのロールコーターなどを適宜組み合わせて使用することができる。これらの中でもロッドコーター、ブレードコーター又はサイザーなどのロールコーターを使用することが好ましい。裏塗工層は比較的塗工量が少ないのでフィルム転写型の塗工装置を用いることができる。
裏塗工層は、粘着物を裏層に十分固着させることが重要である。本発明において裏塗工層の塗工量は、0.5〜8g/m2とする。より好ましくは2〜6g/m2である。更に好ましくは2.5〜4g/m2である。塗工量が0.5g/m2より低い場合には裏層の表面を十分に隠蔽することができず、結果として粘着物を裏層に固着させることができない。一方、塗工量が8g/m2より多くなると、外観としては特殊白板紙や高級白板紙に近く、また、コストアップになり、ひいてはコート白ボール紙の特長である経済性を損ねる結果となる。
本発明においては、裏塗工層の塗料中に着色剤を含有させてもよい。裏塗工層は、炭酸カルシウム等の白色顔料を多く含むことから、基本的には白色であり、きょう雑物が存在する場合には目立ちやすい。しかし、ここに着色剤を含有させることにより、きょう雑物を目立ちにくくすることができる。着色剤色剤としては各種のものが使用できるが、白色度を効率的に下げるためには黒色の色剤が効果的である。着色剤として黒色系の着色剤を用いることによって、裏塗工層の白色度を低下させることができることから、従来のコート白ボール紙の裏面のねずみ色の外観に近づけることも可能となる。
本発明では、本発明の効果を奏する限りにおいて、変形形態としても良く、例えば、表層、表下層、中層、裏層又は繊維層の各層を一つの層から構成するのではなく、複数の層により構成してもよい。例えば、中層を中層1と中層2とから構成し、中層1と中層2を抄紙するときに同じ紙料を用いる形態とするか、又は異なる紙料を用いる形態のいずれにしてもよい。他の層についても同じである。また顔料塗工層と原紙の間に紙力剤やサイズ剤等を含有するクリアー塗工層を設けてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、部および%とあるのはそれぞれ固形分質量部、固形分質量%を示す。
<表層用原料スラリーの調整>
広葉樹漂白化学パルプ(L−BKP)90部と針葉樹漂白化学パルプ(N−BKP)10部とを水中に分散しCSF350mlに調整したパルプスラリーに、湿式粉砕重質炭酸カルシウム(カービタル90(イメリスミネラルズジャパン社製 2μm以下90質量%))を10部、紙力増強剤としてポリアクリルアマイド(荒川化学工業社製 ポリストロン619)を0.2部、凝集助剤として硫酸バンドを0.2部、サイズ剤として中性ロジン(星光PMC社製 CC−1401)を0.3部、歩留り向上剤(栗田工業社製 HH220)を表層のパルプ量に対して0.03部添加して混合し、表層用原料スラリーとした。
<表下用原料スラリーの調整>
脱墨処理をした新聞古紙パルプ100部を水中に分散して表下層用の原料スラリーとした。
<中層用原料スラリーの調整>
離解処理のみで脱墨処理をしていない雑誌古紙パルプ100部を水中に分散して中層用の原料スラリーとした。
<裏層用原料スラリーの調整>
ニーダーで機械分散処理をし、脱墨処理をしていない新聞古紙パルプ50部と、同様に機械分散処理をし、脱墨処理をしていない雑誌古紙パルプ50部とを水中に分散して混合し、裏層用の原料スラリーとした。
<表塗工層用の下塗り塗料の調整>
カオリン(イメリス社製 コンツアー1500)10部と、湿式重質炭酸カルシウム(イメリスミネラルズジャパン社製 カービタル90)90部と、SBRラテックス11部と、リン酸エステル化澱粉4部とを水中に分散して混合し、濃度60質量%の表塗工層用の下塗り塗料を調整した。
<表塗工層用の上塗り塗料の調整>
カオリン(イメリス社製 DBグレーズ)22部と、湿式重質炭酸カルシウム(イメリスミネラルズジャパン社製 カービタル90)72部と、二酸化チタン(石原産業社製 PFC503)6部と、SBRラテックス15部、ステアリン酸カルシウム(東邦化学工業社製、LB2200S)0.6部、増粘剤0.1部、青色顔料0.01部、紫色顔料0.03部とを水中に分散して混合し、濃度66質量%の表塗工層用の上塗り塗料を調整した。
<裏塗工層用の塗料の調整>
カオリン(イメリス社製 コンツアー1500)10部と、湿式重質炭酸カルシウム(イメリスミネラルズジャパン社製 カービタル90)90部と、SBRラテックス11部と、リン酸エステル化澱粉4部とを水中に分散して混合し、濃度58質量%の裏塗工層の塗料を調整した。
<コート白ボール紙の作製>
各層用に調整した原料スラリーを用い、短網組み合わせ型抄紙機によって、表層を1層(坪量35g/m2)、表下層を1層(坪量50g/m2)、中層を4層(1層あたりの坪量55g/m2、4層合計220g/m2)、裏層を1層(坪量35g/m2)として全坪量340g/m2の原紙を抄き合わせ、ドライヤーにて乾燥後、カレンダー処理を行った。このカレンダー処理の際に、カレンダーロール間にデンプンの2%水溶液を供給してポンドをつくり、原紙の両面にデンプンを塗布した。デンプンの塗布量は乾燥固形分で原紙の両面あたり0.4g/m2であった。次いで、原紙の表層の表面上に、表塗工層の下塗り塗料をロッドコーターにて塗工量が9g/m2となるように塗工、乾燥した。次いで、表塗工層の下塗り塗料を塗工した塗工面に、表塗工層の上塗り塗料をロッドコーターにて塗工量が8g/m2となるように塗工、乾燥した。次いで、原紙の裏層の表面上に、裏塗工層用の塗料をロッドコーターにて塗工量が4g/m2となるように塗工、乾燥した。その後、カレンダー処理を行い、目的とするコート白ボール紙を得た。尚、原紙の抄紙から裏塗工層形成後のカレンダー処理までは一連の工程でおこない(いわゆるオンマシンコーティング)、抄速は250m/分であった。
コート白ボール紙の作製において、下塗り塗工層の塗工量を12g/m2、上塗り塗工層の塗工量を10g/m2とした以外は実施例1と同様にしてコート白ボール紙を得た。
表層用原料スラリーの調整において、湿式粉砕重質炭酸カルシウム(カービタル90 イメリスミネラルズジャパン社製)の配合量を4部に変更した以外は実施例2と同様にしてコート白ボール紙を得た。
コート白ボール紙の作製において、下塗り塗工層の塗工量を13g/m2、上塗り塗工層の塗工量を12g/m2とした以外は実施例1と同様にしてコート白ボール紙を得た。
表塗工層用の上塗り塗料の調製において、カオリン(イメリス社製 DBグレーズ)を25部とし、二酸化チタン(石原産業社製 PFC503)を15部とし、コート白ボール紙の作製において、下塗り塗工層の塗工量を8g/m2、上塗り塗工層の塗工量を7g/m2とした以外は実施例1と同様にしてコート白ボール紙を得た。
コート白ボール紙の作製において、下塗り塗工層の塗工量を9g/m2、上塗り塗工層の塗工量を8g/m2とした以外は実施例5と同様にしてコート白ボール紙を得た。
表層用原料スラリーの調整において、湿式粉砕重質炭酸カルシウム10部を、軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、TP121−6S)10部に変更し、コート白ボール紙の作製において、下塗り塗工層の塗工量を12g/m2、上塗り塗工層の塗工量を10g/m2とした以外は実施例5と同様にしてコート白ボール紙を得た。
裏塗工層用の塗料の調整において、黒色染料0.1部を更に添加した以外は実施例1と同様にしてコート白ボール紙を得た。
裏塗工層用の塗料の調整において、黒色染料0.8部を更に添加した以外は実施例1と同様にしてコート白ボール紙を得た。
裏塗工層用の塗料の調整において、黒色顔料0.2部を更に添加した以外は実施例1と同様にしてコート白ボール紙を得た。
表層用原料スラリーの調整において、パルプスラリーとして、広葉樹漂白化学パルプ(L−BKP)60部と、針葉樹漂白化学パルプ(N−BKP)10部と、上質系古紙パルプ30部とを水中に分散しCSF350mlに調整したパルプスラリーを用いた以外は実施例7と同様にしてコート白ボール紙を得た。
裏層用原料スラリーの調整において、ニーダーで機械分散処理をし、脱墨処理をしていない雑誌古紙パルプ100部を水中に分散して混合し、裏層用の原料スラリーとした以外は実施例1と同様にしてコート白ボール紙を得た。
コート白ボール紙の作製において、裏塗工層用の塗料をフィルム転写式のロールコーターにて塗工量が3g/m2となるように塗工した以外は実施例1と同様にしてコート白ボール紙を得た。尚、ロールコーターでの塗工は、裏塗工層のみ塗工し、原紙の表面(表塗工層の表面)には何ら塗工をしなかった。
表塗工層用の下塗り塗料の調整において、カオリン(イメリス社製 コンツアー1500)20部と、湿式重質炭酸カルシウム(イメリスミネラルズジャパン社製 カービタル90)80部と、SBRラテックス15部と、リン酸エステル化澱粉3部とを水中に分散して混合し、濃度60質量%の表塗工層用の下塗り塗料を調整し、また、裏塗工層用の塗料の調整において、カオリン(イメリス社製 コンツアー1500)20部と、湿式重質炭酸カルシウム(イメリスミネラルズジャパン社製 カービタル90)80部と、SBRラテックス15部と、リン酸エステル化澱粉3部とを水中に分散して混合し、濃度61質量%の裏塗工層の塗料を調整した以外は実施例1と同様にしてコート白ボール紙を得た。
表層用原料スラリーの調整において、パルプスラリーとして、広葉樹漂白化学パルプ(L−BKP)30部と、上質系古紙パルプ70部とを水中に分散しCSF350mlに調整したパルプスラリーを用いた以外は実施例7と同様にしてコート白ボール紙を得た。
コート白ボール紙の作製において、裏塗工層用の塗料をフィルム転写式のロールコーターにて塗工量が5g/m2となるように塗工した以外は実施例1と同様にしてコート白ボール紙を得た。尚、ロールコーターでの塗工は、裏塗工層のみ塗工し、原紙の表面(表塗工層の表面)には何ら塗工をしなかった。
実施例1〜16で得られたコート白ボール紙は、裏層に配合する古紙パルプとして粘着物を比較的多く含有する雑誌古紙パルプを用いても、裏面から表面への粘着物の転移が少なく、表塗工層表面のきょう雑物は少ないものであった。これにより、食品や医薬品の包装用としても使用に耐えるコート白ボール紙を提供することができる。

Claims (2)

  1. 少なくとも表層、表下層、中層及び裏層の4層を有する原紙と、前記表層に塗設された顔料塗工層と有するコート白ボール紙の製造方法において、
    漂白化学パルプを主体としたパルプと填料とを含有する表層用パルプスラリー、古紙パルプを主体としたパルプを含有する表下層用パルプスラリー、古紙パルプを主体としたパルプを含有する中層用パルプスラリー、古紙パルプを主体としたパルプを含有する裏層用パルプスラリーを用いて、少なくとも、前記表層、前記表下層、前記中層、前記裏層を、それぞれの層を抄紙して抄き合わせる工程と、
    前記原紙の前記表層の表面上に、顔料と接着剤とを含有する塗料を塗工し、乾燥して、塗工量が10〜40g/m2の表塗工層を塗設する工程と、
    前記原紙の前記裏層の表面上に、顔料と接着剤とを含有する塗料を塗工し、乾燥して、塗工量が0.5〜8g/m2の裏塗工層を塗設する工程と、を有し、
    前記裏層用パルプスラリーに用いられる古紙パルプの5質量%以上が雑誌古紙パルプであることを特徴とするコート白ボール紙の製造方法。
  2. 前記裏層の表面上に塗設する裏塗工層用の塗料中に着色剤を含有させることを特徴とする請求項1に記載のコート白ボール紙の製造方法。
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