JP6314042B2 - 段ボール用中芯の製造方法及び段ボール用中芯 - Google Patents

段ボール用中芯の製造方法及び段ボール用中芯 Download PDF

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Description

本発明は、段ボール用中芯の製造方法及び段ボール用中芯に関する。
一般的に、段ボールは波形に成形された中芯の片面又は両面にライナーを貼合することによって製造され、箱や仕切り板等に加工されて梱包用資材として幅広い分野で用いられている。これらの段ボール箱等は、流通過程においては積み重ねられることが多いため、段ボールには高い圧縮強さが要求される。また、近年は省資源、経費削減、輸送エネルギー低減等の観点から段ボールの軽量化が進んでいるため、軽量化にも対応可能な程度の高い圧縮強度を有する段ボールが望まれている。特に、芯材として用いる中芯の圧縮強さが重視され、近年ではより軽量(低坪量)でありながら圧縮強さが同等である強化中芯の要求が増しており、例えばJIS−P3904「段ボール用中芯原紙」に記載のMC級であれば、坪量160g/mで横方向の圧縮強さが185N以上だったものを坪量120g/mで達成することが望まれている。
上記段ボールの圧縮強さを向上させる方法としては、例えば段ボールの原料となるパルプスラリーに紙力増強剤を内添する方法や中芯等の基紙表面に紙力増強剤を外添する方法等が挙げられる。このうち、紙力増強剤を基紙表面に外添する方法は、紙力増強剤を内添する方法に比して紙力増強剤の歩留りが高く、段ボールの圧縮強さを調整しやすいというメリットがある。
上述のような紙力増強剤を外添する方法としては、例えば基紙の両面に澱粉等の水溶性高分子を塗工する方法(特開2008−190064号公報参照)や基紙の両面に澱粉水溶液をフィルムトランスファー方式で塗工する方法(特開2009−114572号公報参照)等が提案されている。
しかし、上記従来の方法は、いずれも塗工された紙力増強剤が紙表面で成膜しやすく、紙の透気抵抗度が高まることにより吸水性が低下しやすい。その結果、コルゲーターでライナーと中芯とを貼合して段ボールを製造する際に、接着剤が紙の表面に留まり紙内部に浸透し難くなることにより、接着剤のアンカー効果が低下し、十分な貼合性が得られないおそれがある。
特開2008−190064号公報 特開2009−114572号公報
本発明は、上記事情に基づいてなされたものであり、坪量が低く軽量化されているにもかかわらず、十分な圧縮強さを有し、ライナーとの貼合性に優れる段ボール用中芯を製造できる段ボール用中芯の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、
原料パルプを抄紙して得られる中芯用基紙の少なくとも片面に紙力増強剤を主成分とする塗工液を塗工する塗工工程を有する段ボール用中芯の製造方法であって、
上記紙力増強剤が直鎖型ポリアクリルアミドを主成分としており、
上記塗工工程における塗工液の温度が50℃以上80℃以下、かつ粘度が4mPa・s以上25mPa・s以下であることを特徴とする。
当該段ボール用中芯の製造方法によれば、塗工工程における塗工液の温度を上記範囲内に調整することにより、直鎖型ポリアクリルアミドを主成分とする紙力増強剤の浸透性を向上することができる。その結果、紙力増強剤が中芯用基紙の内部に浸透し易くなり、当該段ボール用中芯の透気抵抗度の上昇を抑制することができるため、圧縮強さ及び貼合性に優れる段ボール用中芯を得ることができる。また、当該段ボール用中芯の製造方法は、上記低粘度の塗工液を用いることから紙力増強剤の濃度を高めることができるため、乾燥負荷が低減され生産性を向上することができる。さらに、当該段ボール用中芯の製造方法によれば、紙力増強剤を外添しているため紙力増強剤の歩留りロスがなく効果的に段ボール用中芯の圧縮強さを向上できる。
上記塗工液の固形分濃度としては、5質量%以上25質量%以下が好ましい。このように、塗工液の固形分濃度を上記範囲内とすることで、上述の紙力増強剤の浸透性をより向上させることができる。
上記直鎖型ポリアクリルアミドがアニオン性であるとよい。アニオン性ポリアクリルアミドは耐熱性を有し高温に加熱しても特性が損なわれ難い。そのため、アニオン性ポリアクリルアミドを紙力増強剤として用いることで塗工液の温度を高くすることができる。その結果、塗工液の粘度がより低減し浸透性が向上するため、当該段ボール用中芯の圧縮強さをさらに向上することができる。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、
当該段ボール用中芯の製造方法により製造され、坪量が130g/m以下、圧縮強さ(横)が185N以上、透気抵抗度が55秒/100ml以下である段ボール用中芯である。
当該段ボール用中芯は、中芯用基紙の少なくとも片面に塗工される塗工液に含まれる紙力増強剤の主成分として直鎖型ポリアクリルアミドを用いることで、坪量が130g/m以下と軽量化されているにもかかわらず、圧縮強さ(横)が185N以上と高い圧縮強さを有する。また、当該段ボール用中芯は、透気抵抗度が55秒/100ml以下であることにより、貼合する際の接着剤が当該段ボール用中芯の内部に浸透しやすいため、接着剤のアンカー効果を高めることができ優れた貼合性を有する。これは、上記直鎖型ポリアクリルアミドが高分子でありながら比較的粘度が低く、高温に加熱して中芯用基紙に塗工することで基紙中に浸透することによる。つまり、上記直鎖型ポリアクリルアミドを主成分とする塗工液が中芯用基紙内部に浸透し易いため、中芯用基紙表面での紙力増強剤の塗膜形成が抑制される。これにより、紙力増強剤が中芯用基紙内部に浸透しパルプ繊維を接着することで圧縮強さが高まり、また、中芯用基紙表面での塗工液の塗膜形成が抑制されることで貼合時の接着剤の当該段ボール用中芯の内部への浸透を阻害しにくくなり、接着剤のアンカー効果が高まると推測される。
ここで、「直鎖型ポリアクリルアミド」とは、実質的に炭素原子を含む側鎖を持たないポリアクリルアミドを意味する。「坪量」とは、JIS−P8124(2011)に記載の坪量の試験方法に準じて測定される値をいう。「圧縮強さ(横)」とは、JIS−P8126(2005)に記載の圧縮強さの試験方法に準じて測定される横方向の圧縮強さをいう。「透気抵抗度」とは、JIS−P8117(2009)に記載の透気抵抗度の試験方法に準拠して測定される値をいう。
以上説明したように、本発明の段ボール用中芯の製造方法は、優れた圧縮強さ及び貼合性を有する段ボール用中芯を効率良く製造することができる。また、本発明の段ボール用中芯は、坪量が低く軽量化されているにもかかわらず、十分な圧縮強さを有し、ライナーとの貼合性に優れる。
以下、本発明の段ボール用中芯の実施の形態を詳説する。
<段ボール用中芯>
本発明の段ボール用中芯は、原料パルプを抄紙して得られる中芯用基紙を備え、この基紙の少なくとも片面に塗工液を塗工してなるものである。まず、本発明の特徴である塗工液について説明し、続いて他の構成要素について説明する。
[塗工液]
上記塗工液は、紙力増強剤を主成分として含有している。
(紙力増強剤)
上記紙力増強剤は、直鎖型ポリアクリルアミドを主成分とする。直鎖型ポリアクリルアミドは、(メタ)アクリルアミドのモノマーを共重合することにより得ることができる。また、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド等のN置換(メタ)アクリルアミドのいずれか一種以上を(メタ)アクリルアミドと併用してもよい。
本発明の紙力増強剤に用いる直鎖型ポリアクリルアミドは、アニオン性であることが好ましい。直鎖型ポリアクリルアミドのアニオンデマンドとしては300μeq/l以上600μeq/l以下が好ましく、350μeq/l以上550μeq/l以下がより好ましい。直鎖型ポリアクリルアミドのアニオンデマンドが上記下限未満の場合、直鎖型ポリアクリルアミドの耐熱性が低下し、塗工液を高温に加熱した際に直鎖型ポリアクリルアミドの分子構造が破壊されるおそれがある。一方、直鎖型ポリアクリルアミドのアニオンデマンドが上記上限を超えると凝集物の発生量が多くなり、塗工性及び浸透性が低下するおそれがある。なお、アニオンデマンドとは、カチオン性物質の電荷の総量であり、カチオンデマンド測定装置で計測される。このカチオンデマンド測定装置としては、例えばmutek社製のカチオンデマンド測定装置(型番PCD03)等を用いることができる。
また、直鎖型ポリアクリルアミドのpHは、重合反応終了後、酸やアルカリを用いて適宜調整することができる。この酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸などを挙げることができる。またアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸化物、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン等のアミン塩基などを挙げることができる。
なお、直鎖型ポリアクリルアミドには、(メタ)アクリルアミドモノマー以外にも本発明の効果を損なわない範囲でその他のモノマー類を共重合することが可能である。その他のモノマー類としては、例えばスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アリルアルコール、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
上記直鎖型ポリアクリルアミドの製造方法としては、従来公知の方法を採用することができ、例えば攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた反応容器にモノマー成分及び水を仕込み、過酸化水素等の重合開始剤を加え、また必要に応じてイソプロピルアルコール等の重合調節剤を適宜使用し、温度40〜95℃で1〜5時間程度反応させることにより製造することができる。
上記直鎖型ポリアクリルアミドの塗工量としては、片面あたり固形分換算で0.2g/m以上3.0g/m以下が好ましく、0.4g/m以上2g/m以下がより好ましく、1.0g/m以上1.8g/m以下がさらに好ましい。直鎖型ポリアクリルアミドの塗工量が上記上限を超えると当該段ボール用中芯が硬くなり、加工性が低下するおそれや、当該段ボール用中芯の貼合性が低下するおそれがある。一方、直鎖型ポリアクリルアミドの塗工量が上記下限未満の場合、当該段ボール用中芯の圧縮強さが低下するおそれがある。
(その他の添加剤)
上記塗工液は、本発明の効果に影響のない範囲内で、上記直鎖型ポリアクリルアミドの他に、例えば上記直鎖型ポリアクリルアミド以外のポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、澱粉、サイズ剤、pH調整剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、防腐剤、耐水化剤、蛍光消去剤等の公知の種々の添加剤を、単独で、あるいは2種以上を含有していてもよく、また別に塗工してもよい。
上記塗工液の固形分濃度は5質量%以上25質量%以下が好ましく、7質量%以上20質量%以下がより好ましく、10質量%以上18質量%以下がさらに好ましい。塗工液の固形分濃度が上記上限を超えると、塗工性が低下したり、当該段ボール用中芯の透気抵抗度が高まるおそれがある。一方、塗工液の固形分濃度が上記下限未満の場合、紙力増強剤の塗工量が低下し圧縮強さが低下するおそれがある。
[中芯用基紙]
中芯用基紙は、通常、原料パルプ等を含むパルプスラリーを抄紙して得られる。中芯用基紙は一層構造でも良いし、多層構造でも良い。
(原料パルプ)
上記原料パルプとしては、公知のものを用いることができ、古紙パルプ、バージンパルプ又はこれらの組み合わせたものを適宜用いることができる。なお、バージンパルプよりも古紙パルプを多く用いることが省資源化の観点から好ましい。
古紙パルプとしては、例えば茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ(DIP)又は離解・脱墨・漂白古紙パルプ等が挙げられる。これらの古紙パルプの中でも、段ボール古紙から製造される古紙パルプが好ましい。
バージンパルプとしては、例えば広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ(MP);ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的又は機械的に製造されたパルプ等が挙げられる。
原料パルプにおける古紙パルプの含有率としては、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。原料パルプにおける古紙パルプの含有率を上記範囲とすることにより、資源の有効利用等の環境性を向上することができる。
(内添紙力増強剤)
上記パルプスラリーには、上記原料パルプの他に内添紙力増強剤を更に添加するとよい。内添紙力増強剤としては、乾燥紙力増強剤や湿潤紙力増強剤があり、乾燥紙力増強剤としては、例えばカチオン澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられ、湿潤紙力増強剤としては、例えばポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性付与PAM等が挙げられる。これらの中で、歩留りが優れ、また中芯用基紙の表面に塗工するポリアクリルアミドとの相溶性が良好である点から、ポリアクリルアミドが好ましい。
上記内添紙力増強剤の電荷としては特に限定されず、カチオン性、アニオン性又は両性のいずれを用いてもよい。これらのうち、微小異物の発生が少なく、圧縮強さの向上効果に優れ、貼合用の接着剤の吸収性に優れる点で両性の内添紙力増強剤が好ましく、特に両性ポリアクリルアミドが好ましい。
内添紙力増強剤の添加量としては、パルプスラリーに含まれるパルプ(絶乾量)1トンあたり固形分で2kg以上20kg以下が好ましく、5kg以上15kg以下がより好ましい。内添紙力増強剤の添加量が上記上限を超えると、抄紙系内に紙力増強剤が堆積し微小異物が発生するおそれがある。一方、内添紙力増強剤の添加量が上記下限未満の場合、十分な紙力向上効果が得られないおそれがある。
本発明では、塗工する外添紙力増強剤として上記直鎖型ポリアクリルアミドを用い、この直鎖型ポリアクリルアミドを片面あたり0.2g/m以上3.0g/m以下塗工することに加え、内添紙力増強剤として両性ポリアクリルアミドをパルプスラリーに含有させることで、より圧縮強さに優れ、接着剤の吸収性に優れる段ボール用中芯が得られるため好ましい。一般的に、内添紙力増強剤は歩留りが悪く、系内で循環するため泡立ちの要因となり、泡立ちが発生すると濾水性や操業性に問題が発生しやすいが、内添紙力増強剤として両性ポリアクリルアミドを用いることにより、アニオン性やカチオン性の内添紙力増強剤と比べて泡立ちを抑制することができるため、製造効率を低下させることなく圧縮強さを向上することができる。このように内添紙力増強剤を用いて中芯用基紙自体の圧縮強さを向上することに加え、上記直鎖型ポリアクリルアミドを塗工することにより、上記直鎖型ポリアクリルアミドが基紙内部に浸透してさらにパルプ繊維の接着力を向上することができるため、より圧縮強さを向上することができる。
(その他の添加剤)
上記中芯用基紙には、上記内添紙力増強剤の他に、例えば滑剤、サイズ剤、公知の填料、填料分散剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、蛍光消去剤等の公知の種々の添加剤を、単独で、あるいは2種以上を混合して添加してもよい。
<品質等>
当該段ボール用中芯のJIS−P8124(2011)「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した坪量としては130g/m以下であり、115g/m以上125g/m以下が好ましく、116.4g/m以上123.6g/m以下がより好ましい。当該段ボール用中芯の坪量が上記上限を超えると近年の軽量化、省資源化の要請に反することとなる。一方、当該段ボール用中芯の坪量が上記下限未満の場合、十分な圧縮強さが得られないおそれがある。
当該段ボール用中芯のJIS−P8126(2005)「紙及び板紙−圧縮強さ試験方法−リングクラッシュ法」に準拠して測定した圧縮強さ(横)としては185N以上が好ましく、188N以上280N以下がより好ましく、190N以上270N以下がさらに好ましい。当該段ボール用中芯の圧縮強さ(横)が上記上限を超えると加工性が低下するおそれがある。一方、当該段ボール用中芯の圧縮強さ(横)が上記下限未満の場合、段割れが生じるおそれや、例えば坪量120g/mでJIS−P3904「段ボール用中しん原紙」記載のMC級160g/mの圧縮強さを満足できないおそれがある。なお、圧縮強さ(横)は、例えば塗工する紙力増強剤の種類や量、内添する紙力増強剤の種類や量、繊維の配向性や原料パルプの種類を調整することにより調節することができるが、塗工する紙力増強剤として上記直鎖型ポリアクリルアミドを用いることでより容易に上記圧縮強さ(横)とすることができる。
当該段ボール用中芯のJIS−P8113(2006)「紙及び板紙−引張特性の試験方法−第2部:定速試験法」に準拠して測定した引張強度(縦)としては2.5kN/m以上が好ましく、5kN/m以上20.0kN/m以下がより好ましく、8kN/m以上15kN/m以下がさらに好ましい。当該段ボール用中芯の引張強度(縦)が上記上限を超えると加工性が低下するおそれがある。一方、当該段ボール用中芯の引張強度(縦)が上記下限未満の場合、例えば坪量120g/mで、JIS−P3904「段ボール用中しん原紙」記載のMC級160g/mの圧縮強さを満足できないおそれがある。
当該段ボール用中芯のJIS−P8117(2009)「紙及び板紙−透気度及び透気抵抗度試験方法(中間領域)−ガーレー法」に準じて測定した透気抵抗度としては55秒/100ml以下が好ましく、35秒/100ml以上53秒/100ml以下が好ましく、40秒/100ml以上50秒/100ml以下がより好ましい。透気抵抗度が上記上限を超える場合、貼合用の接着剤が当該段ボール用中芯の内部に染み込み難くなりアンカー効果が低下するおそれがある。一方、透気抵抗度が上記下限未満の場合、貼合用の接着剤が当該段ボール用中芯の内部に過剰に浸透することにより、当該段ボール用中芯とライナーとの貼合性が低下するおそれがある。透気抵抗度は、例えば塗工する紙力増強剤の種類や量、内添する紙力増強剤の種類や量、原料パルプの種類やフリーネス等を調整することにより調節することができるが、塗工する紙力増強剤として上記直鎖型ポリアクリルアミドを用いることで圧縮強さを向上させると共に、より容易に上記透気抵抗度とすることができるため好ましい。
当該段ボール用中芯のJIS−P8140(1998)「紙及び板紙−吸水度試験方法−コッブ法」に準拠し、吸水時間10秒で測定した吸水度(表面及び裏面の平均)としては140g/m以上が好ましく、145g/m以上180g/m以下がより好ましく、150g/m以上175g/m以下がさらに好ましい。当該段ボール用中芯の吸水度(表面及び裏面の平均)が上記上限を超えると、当該段ボール用中芯の強度が不十分となるおそれがある。一方、当該段ボール用中芯の吸水度(表面及び裏面の平均)が上記下限未満の場合、段ボール中芯をライナーに貼り合わせる際の加工性が低下する場合がある。
当該段ボール用中芯の動的液体浸透性測定装置における信号強度が最大値を示すまでの時間としては0.5秒以下が好ましく、0.2秒以下がより好ましい。本発明者らは、段ボール用中芯の動的浸透性試験における信号強度が最大値を示すまでの時間がコルゲーターでの段ボール用中芯の貼合糊の吸水性の指標となること、特にシングルフェーサー側での貼合糊の吸水性の指標となることを見出している。動的液体浸透性測定装置における信号強度が最大値を示すまでの時間が上記上限を超えると、当該段ボール用中芯とライナーとを貼合する際の接着剤が当該段ボール用中芯の内部に染み込み難くなり、接着剤のアンカー効果が低下するおそれがある。なお、上記信号強度が最大値を示すまでの時間は、動的液体浸透性測定装置としてEmtec社の「SURFACE AND SIZING TESTER(EST−12)」を使用して測定した値である。
当該段ボール用中芯の動的液体浸透性測定装置における浸透開始から1秒後の信号強度としては、信号強度の最大値に対して50%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。本発明者らは、段ボール用中芯の動的浸透性試験における浸透開始から1秒後の信号強度の最大値に対する割合(%)がコルゲーターでの段ボール用中芯の貼合糊の吸水性の指標となること、特にダブルフェーサー側での貼合糊の吸水性の指標となることを見出している。動的液体浸透性測定装置における浸透開始から1秒後の信号強度が上記上限を超えると、当該段ボール用中芯とライナーとの貼合性が低下するおそれがある。なお、上記信号強度が最大値を示すまでの時間は、動的液体浸透性測定装置としてEmtec社の「SURFACE AND SIZING TESTER(EST−12)」を使用して測定した値である。
当該段ボール用中芯の動的液体浸透性測定装置における信号強度が最大値を示すまでの時間及び当該段ボール用中芯の動的液体浸透性測定装置における浸透開始から1秒後の信号強度の信号強度の最大値に対する割合(%)は、例えば塗工する紙力増強剤の種類や量、内添する紙力増強剤、サイズ剤の種類や量、原料パルプの種類やフリーネス等を調整することにより調節することができるが、塗工する紙力増強剤として上記直鎖型ポリアクリルアミドを用いることで圧縮強さが向上するとともに、より容易に上記数値範囲に調節することができるため好ましい。なお、内添、外添するサイズ剤は無添加とすることもできる。固形分濃度12.5質量%、かつ温度30℃における水溶液の粘度が9mPa・s以上25mPa・s以下である直鎖型ポリアクリルアミドを片面あたり固形分で0.5g/m以上3.0g/m以下塗工し、当該段ボール用中芯の動的液体浸透性測定装置における信号強度が最大値を示すまでの時間を0.5秒以下、かつ、当該段ボール用中芯の動的液体浸透性測定装置における浸透開始から1秒後の信号強度を信号強度の最大値に対して50%以下とすることにより、特に低坪量であるにもかかわらず、より圧縮強さに優れ、ライナーとの貼合性に特に優れる段ボール用中芯が得られるため好ましい。
当該段ボール用中芯をJIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して離解した離解パルプのJIS−P8121(1995)「パルプのろ水度試験方法」に準拠して測定したフリーネスとしては、250mlCSF以上500mlCSF以下が好ましく、300mlCSF以上400mlCSF以下がより好ましい。上記フリーネスが上記上限を超えると、繊維同士の絡み合いが少なく、圧縮強さが低下するため、段潰れが生じやすくなるおそれがある。一方、上記フリーネスが上記下限未満の場合、透気抵抗度が高くなり、貼合時の接着剤が当該段ボール用中芯の内部に浸透し難くなることにより、接着剤のアンカー効果が低下し、貼合性が低下するおそれがある。なお、上記フリーネスは、例えば原料パルプの種類や配合量、パルプの叩解の程度等を変更することにより調整することができる。塗工する紙力増強剤として上記直鎖型ポリアクリルアミドを用いることに加え、当該段ボール用中芯を離解した離解パルプのフリーネスが250mlCSF以上500mlCSFとすることにより、より圧縮強さに優れ、ライナーとの貼合性に優れる段ボール用中芯となるため好ましい。
当該段ボール用中芯のJIS−P8118(1998)「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準じて測定した密度としては、0.55g/cm以上0.75g/cm以下が好ましく、0.60g/cm以上0.70g/cm以下がより好ましい。密度が上記上限を超えると、貼合時の接着剤が当該段ボール用中芯の内部に染み込み難くなることによりアンカー効果が低下するおそれがある。一方、密度が上記下限未満の場合、接着剤が当該段ボール用中芯の内部に染み込みすぎることにより貼合性が低下するおそれや、圧縮強さが低下するおそれがある。
<段ボール用中芯の製造方法>
当該段ボール用中芯の製造方法は、原料パルプを抄紙して得られる中芯用基紙の少なくとも片面に紙力増強剤を塗工する塗工工程を有する。当該段ボール用中芯は、一般に製紙に用いられるシステムで製造することができ、具体的には、例えばワイヤーパート、プレスパート、プレドライヤーパート、コーターパート、カレンダーパート、リールパートを含む製紙システム等を用いることができる。また、これ以外にも抄紙機とコーターパートとを分離したオフマシンコーターからなる製紙システムを用いても良く、抄紙機とソフトカレンダーを分離したオフマシンカレンダーからなる製紙システムを用いても良い。
紙力増強剤を塗工する塗工機としては、例えば、ゲートロールコーター、2ロールサイズプレス、フィルムプレス、シムサイザー、ロッドメタリングサイズプレスコーター、ブレードコーター、キャレンダー、バーコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター等を用いることができる。また、スプレー塗工機により中芯用基紙表面に塗工してもよい。これらの中でも、中芯用基紙表面に紙力増強剤を均一に塗工することができるフィルム転写方式のゲートロールコーター及びロッドメタリングサイズプレスコーターが好ましい。
上記塗工工程における塗工液は、紙力増強剤の被膜形成を抑制しつつ紙力増強剤の浸透性を高め圧縮強さを高めるため、塗工液の温度が低い場合には加温して塗工温度を高めることが好ましい。塗工液の塗工温度としては50℃以上80℃以下であり、53℃以上70℃以下が好ましく、55℃以上65℃以下がより好ましい。塗工液の塗工温度が上記下限未満の場合、紙力増強剤の粘度が高くなることにより、ゲートロールコーターのインナーロールとアウターロールとの間やロールサイズプレスにおける塗工液の跳ね上がり(ボイリング)やミストの発生により、塗工工程における操業性が低下したり、当該段ボール用中芯の透気抵抗度が高まり貼合性が低下するおそれがある。また、塗工液の塗工温度が上記上限を超える場合、オートグレーブが必要となり当該段ボール用中芯の製造コストが増大するおそれがある。なお、塗工液の塗工温度とは、塗工機出口での温度を意味する。
塗工液は加熱後、配管を通って塗工機出口から吐出され基紙に塗工されるため、この移送において加熱直後よりも温度が低下する。そのため、塗工液の加熱温度(系内の最高温度)としては70℃以上100℃以下が好ましく、75℃以上100℃以下がより好ましく、80℃以上100℃以下がさらに好ましい。また、塗工液の保温のために、移送配管等を保温又は加熱することが好ましい。
なお、塗工液の加熱は例えば蒸気で行うことができる。この加熱用蒸気の温度としては、100℃以上120℃以下が好ましく、95℃以上110℃以下がより好ましい。加熱用蒸気の温度が上記下限未満の場合、塗工液の温度を上記範囲内とすることができず、塗工液の粘度が高くなるおそれがある。一方、加熱用蒸気の温度が上記上限を超えると、ボイラや蒸気管等の耐圧を上昇させる必要があり、設備コストが大きくなるおそれがある。
また、上記塗工工程における塗工液の粘度は、4mPa・s以上25mPa・s以下であり、8mPa・s以上20mPa・s以下が好ましく、9mPa・s以上18mPa・s以下がより好ましい。塗工液の粘度が上記上限を超えると、塗工工程における塗工機での操業性が低下したり、当該段ボール用中芯の透気抵抗度が高まり貼合性が低下するおそれがある。一方、紙力増強剤の塗工粘度が上記下限未満の場合、圧縮強さが低下するおそれや水分過剰となり乾燥時間が増えて生産性が低下するおそれがある。塗工液の粘度は、塗工する紙力増強剤の種類、濃度、塗工液の温度などを調整することにより調節することができるが、塗工する紙力増強剤として上記直鎖型ポリアクリルアミドを用いることで圧縮強さを向上させることができると共に、より容易に上記数値範囲に調節することができるため好ましい。
<段ボールの製造方法>
当該段ボール用中芯を用いて段ボールを製造する方法は特に限定されず、例えばシングルフェーサーで当該段ボール用中芯を波状に形成(段繰り加工)し、この中芯の一方段頂部に貼合用の接着剤を塗布した後、ライナーと貼り合せて片面段ボールを作成し、次に、この片面段ボールシートの中芯の他方段頂部にグルーマシンで貼合用の接着剤を塗布してダブルフェーサーに送り、ヒーティングパートで中芯の他方段頂部側にライナーを貼りあわせ、熱板等で加熱した後、クーリングパートで冷却することにより段ボールを得ることができる。
貼合用の接着剤としては、例えば澱粉等が挙げられ、具体的には、水、糊化澱粉(α化澱粉)、未糊化澱粉(β澱粉)、アルカリ化合物、硼素化合物等で構成される。主成分となる未糊化澱粉(β澱粉)としては、例えばとうもろこし澱粉、小麦澱粉、じゃがいも澱粉、タピオカ澱粉等の各種生澱粉やリン酸エステル化澱粉、アミノ化澱粉等のカチオン基で澱粉を化学修飾したカチオン化澱粉、酸で加水分解させ分子量を調整した酸化澱粉、α−アミラーゼで加水分解し分子量を調整した酵素変性澱粉等の化学変性された各種加工澱粉等を用いることができる。また、糊化澱粉(α化澱粉)としては、例えば酸加水分解澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉等の加工澱粉やハイアミロース澱粉等が挙げられる。また、耐水性を要求される耐水性段ボールには、例えばアクリル、SBR等の合成樹脂や澱粉と合成樹脂とを混合した接着剤を用いることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下においては特に断りのない限り、%は質量%を、薬品添加量はパルプ絶乾質量(t)当たりの固形分質量(kg)を意味する。
なお、本実施例における各測定値は、以下の方法にて測定した値である。
[粘度(単位:mPa・s)]
各実施例および比較例の塗工温度において、紙力増強剤を含む塗工液の粘度をデジタル式B型粘度計(東機産業社製、型番:TVB−10M)を用い、ローター回転数60rpmにて測定した。
[坪量(単位:g/m)]
JIS−P8124(2011)に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
[圧縮強さ(横)(単位:N)]
JIS−P8126(2005)に記載の「紙及び板紙−圧縮強さ試験方法−リングクラッシュ法」に準拠して段ボール用中芯の横方向について測定した。なお、試験片としては、幅12.7mm、長さ152.4mmのものを用いた。
[引張強度(単位:kN/m)]
JIS−P8113(2006)に記載の「紙及び板紙−引張特性の試験方法−第2部:定速試験法」に準拠してテンシロン万能試験機を用いて測定した。
[透気抵抗度(単位:秒)]
JIS−P8117(2009)の「紙及び板紙−透気度及び透気抵抗度試験方法(中間領域)−ガーレー法」に準拠してガーレー試験機を用いて測定した。
[吸水度(単位:g/m)]
JIS−P8140(1998)の「紙及び板紙−吸水度試験方法−コッブ法」に準拠して測定し、表面及び裏面の測定値を平均した。なお、吸水時間は10秒とした。
[段ボールの貼合性評価]
段ボール用中芯の両面に、ライナーとして大王製紙株式会社製「JEK」(坪量:210g/m)を、貼合速度170m/分、及び250m/分の条件で貼りあわせてA段シングルフルートを作製し評価に供した。具体的には、得られた段ボールシートのライナーと中芯との接着力をJIS−Z0402「段ボール接着力試験方法」により測定し、以下の基準に従い評価した。なお、コルゲーターは、ダイオーエンジニアリング株式会社製「アグナティGO−14QRC(設計貼合速度250m/分)」を使用し、試験はシングルフェーサー及びダブルフェーサー側について、それぞれ10個の試験片について行い、平均値を求めた。
(評価基準)
A:接着力が0.24N以上である。
B:接着力が0.20N以上0.24N未満である。
C:接着力が0.18N以上0.20N未満である。
D:接着力が0.18未満である。
[塗工機での操業性評価]
段ボール中芯用基紙に紙力増強剤を塗工する際の塗工機による操業性について、以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎:塗工時にミストが発生せず、断紙も発生しなかった。
○:塗工時のミストが少なく、断紙の発生も少なかった。
×:塗工時のミストが多い、または断紙が多く発生した。
<段ボール用中芯の製造>
[実施例1]
段ボール古紙パルプ60重量%と、雑誌古紙パルプ40重量%を混合した後、ダブルディスクリファイナーでJIS−P8121(1995)「パルプのろ水度試験方法」に準拠して測定したフリーネスが360mlCSFになるまで叩解し、原料パルプスラリーを調製した。この原料パルプスラリーに、内添紙力増強剤2種(両性PAM、星光PMC株式会社製「T−DS232」絶乾質量35kg/トン、固形分濃度30質量%、及び星光PMC株式会社製「T−DS482」絶乾質量5kg/トン、固形分濃度30質量%)及び歩留り剤(カチオン性ポリアクリルアミド、エカケミカルス株式会社の「エカPL2615H」200ppm)を添加し、オントップフォーマーにて単層の湿紙を形成し、その後、湿紙を搾水し、プレドライヤーで乾燥させた。次いで、表1に記載のとおり紙力増強剤(直鎖型PAM、ハリマ化成株式会社製「ハリコートG−38」、表1では「直鎖型PAM−A」と表記)を15質量%の濃度の塗工液とし、この塗工液を蒸気で90℃まで加熱し、片面あたり固形分換算で1.2g/mとなるように段ボール用中芯基紙の両面にゲートロールコーターにて塗工し、乾燥させ、実施例1の段ボール用中芯を得た。なお、塗工液ファイナルタンクでの塗工液温度は約57℃、粘度は14.4mPa・sであった。またこの実施例1の段ボール用中芯の坪量は121.4g/mであった。
[実施例2〜7、比較例1〜6]
紙力増強剤の種類濃度、塗工温度、塗工粘度、及び塗工量を表1に示すように変更したこと以外は上記実施例1と同様の操作を行い、実施例2〜7及び比較例1〜6の段ボール用中芯を得た。なお、比較例5及び6の紙力増強剤としては以下の薬品を用いた。
(比較例5)
分岐型ポリアクリルアミド、星光PMC株式会社の「T−DS132」(表1では「分岐型PAM」と表記)
分子鎖が分岐しており、固形分濃度12.5%、温度30℃での粘度は15mPa・sである。
(比較例6)
直鎖型ポリアクリルアミド、ハリマ化成株式会社の「ハリコートG−35」(表1では「直鎖型PAM−B」と表記)
固形分濃度12.5%、温度30℃での粘度は100mPa・sである。
Figure 0006314042
<品質評価>
得られた各段ボール用中芯について、上記方法にて坪量、圧縮強さ(横)、引張強度(縦)、透気抵抗度(ガーレー法)、吸水度(表及び裏の平均)、段ボールの貼合性及び塗工機での操業性についてそれぞれ評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006314042
上記表2に示されるように、本発明の段ボール用中芯は、優れた圧縮強さ及び貼合性を有することがわかる。また、紙力増強剤の塗工時の操業性にも優れる。
本発明の段ボール用中芯の製造方法は、坪量が低く軽量化されているにもかかわらず、十分な圧縮強さを有し、ライナーとの貼合性に優れる段ボール用中芯を製造することができる。従って、当該段ボール用中芯の製造方法は、環境問題に配慮しつつ軽量化の要請に応える段ボール用中芯の製造方法として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 原料パルプを抄紙して得られる中芯用基紙の少なくとも片面に紙力増強剤を主成分とする塗工液を塗工する塗工工程を有する段ボール用中芯の製造方法であって、
    上記紙力増強剤が直鎖型ポリアクリルアミドを主成分としており、
    上記塗工工程における塗工液の温度が50℃以上80℃以下、かつ粘度が4mPa・s以上25mPa・s以下であることを特徴とする段ボール用中芯の製造方法。
  2. 上記塗工液の固形分濃度が5質量%以上25質量%以下である請求項1に記載の段ボール用中芯の製造方法。
  3. 上記紙力増強剤がアニオン性である請求項1又は請求項2に記載の段ボール用中芯の製造方法。
  4. 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の段ボール用中芯の製造方法により製造され、坪量が130g/m以下、圧縮強さ(横)が185N以上、透気抵抗度が55秒/100ml以下である段ボール用中芯。
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