JP2012219424A - 中芯原紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い生産性を維持しながら、圧縮強度および糊の吸収性のいずれにも優れた中芯原紙を提供すること。
【解決手段】段ボール用の中芯原紙であって、酸化度が3〜10mol%である酸化澱粉および網目状の水溶性高分子が表面に塗工されていることを特徴とする。また、水溶性高分子がポリアクリルアミドであることが好ましく、圧縮強度をより高めることが可能となる。更に、内添紙力剤として両性ポリアクリルアミドを含有することが好ましく、かかる構成を有することにより、系内に異物を発生させることなく、水溶性高分子や酸化澱粉を使用した際の圧縮強度の向上効果をさらに補填することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は中芯原紙に関する。さらに詳しくは、圧縮強度および糊の吸収性のいずれにも優れた中芯原紙に関する。
段ボールは軽量で安価なため、各種物品の包装、運搬に使用される産業上の基礎資材であり、一般に中芯原紙とライナをコルゲータで貼り合わせて製造される。段ボールはその用途から圧縮強度が要求され、特に芯材として用いる中芯原紙の圧縮強度が重視される。近年では、より軽量(低坪量)でありながら圧縮強度が同等である、強化中芯原紙の要求が増している。具体的には、JIS P 3904「段ボール用中芯原紙」に記載のMC級であれば、坪量160g/m2(横方向の圧縮強度が184N以上)を120g/m2で達成することが望まれており、140g/m2であれば110g/m2で達成することが望まれている。
強化中芯原紙を得るためには、たとえば内添紙力剤を大量に(80kg/絶乾パルプトン程度)配合して圧縮強度を向上させる方法があるが、この場合、歩留らなかった内添紙力剤が抄紙機系内で堆積して異物になり、紙に異物欠陥が発生して品質が悪化する問題がある。また、内添紙力剤は歩留りが悪く、添加から数時間は充分な効果が出ないため生産性が悪い傾向がある。一方、内添紙力剤に代えて外添紙力剤を塗工すると、紙表面で紙力剤が成膜して透気度が低下し、分子サイズの大きい糊が中芯原紙に吸収されない一方、分子サイズの小さい水が中芯原紙に吸収され、糊が中芯原紙上で不動化しやすくなり、ライナに糊が浸透しなくなって、中芯原紙とライナとが剥離する貼り合わせ不良が生じる問題がある。かかる問題を防ぐためには、糊の塗布量を増加させる必要があるが、コストアップになるだけでなく、コルゲータでの操業性の悪化(コルゲータ各部への糊粕の付着)、乾燥負荷上昇による段ボールシート製造速度の低下が発生する問題がある。このため、高い生産性を維持しながら中芯原紙の圧縮強度と糊の吸収性をともに向上させることは非常に困難である。
かかる課題を解決するために、特許文献1には、特定の繊維長を有する紙に澱粉を塗工し、特定の密度とすることで、圧縮強度および貼合適性に優れた中芯を得る技術が開示されている。また、特許文献2には、ワイヤーパートにおいて澱粉を含む積層体を形成し、さらに澱粉を塗工することで、圧縮強度および貼合適性に優れた中芯を得る技術について開示されている。しかしながら、いずれの特許文献に記載の発明をもってしても、圧縮強度および糊の吸収性が充分ではない。
特開2008−190064号公報 特開2009−114572号公報
そこで、本発明は、高い生産性を維持しながら、圧縮強度および糊の吸収性のいずれにも優れた中芯原紙を提供することを目的とする。
本発明の中芯原紙は、段ボール用の中芯原紙であって、酸化度が3〜10mol%である酸化澱粉および網目状の水溶性高分子が表面に塗工されていることを特徴とする。本発明は、かかる構成を有していることにより、高い生産性を維持しながら、圧縮強度および糊の吸収性のいずれにも優れた中芯原紙を提供することができる。
上記水溶性高分子がポリアクリルアミドであることが好ましい。かかる構成を有することにより、パルプ繊維間の結合力を補填し、圧縮強度をより高めることが可能となる。
上記中芯原紙が、内添紙力剤として両性ポリアクリルアミドを含有することが好ましい。かかる構成を有することにより、系内に異物を発生させることなく、上記水溶性高分子や酸化澱粉を使用した際の圧縮強度の向上効果をさらに補填することができる。
本発明によれば、高い生産性を維持しながら、圧縮強度および糊の吸収性のいずれにも優れた中芯原紙を提供することができる。
本発明の中芯原紙は、段ボール用の中芯原紙であって、酸化度が3〜10mol%である酸化澱粉および網目状の水溶性高分子が表面に塗工されていることを特徴とする。以下に本発明の構成について順を追って説明する。
<坪量>
中芯原紙は、JIS P 3904に規定されている表示坪量115〜200g/m2の規格商品が主流で流通しているものの、近年では省資源、軽量化が求められ、坪量が75g/m2前後の軽量中芯のニーズも多くなっており、本発明に基づく中芯は、前記軽量化においても、充分に必要な特性を示す段ボール用中芯原紙を製造できる。中芯原紙の坪量が110g/m2を超過する場合、外添する酸化澱粉が中芯原紙内部にまで浸透しにくいため圧縮強度が向上しにくい傾向がある。この場合、後述するように内添紙力剤を含有させて圧縮強度を向上させればよい。また、中芯原紙を多層抄紙して製造する場合は、中層の内添紙力剤の含有量を、表裏層よりも多くし、圧縮強度の低下を防止すればよい。
<原料パルプ>
原料パルプは、中芯原紙をJIS P8220:1998「パルプ‐離解方法」に準拠して離解し、得られた離解パルプのJIS P 8121:1995「パルプのろ水度試験方法」に準拠したフリーネスが400〜600ccCSF、好ましくは450〜530ccCSFになるように調整されたパルプであることが好適である。フリーネスが400ccCSF未満の場合、紙層中の平均繊維長が短くなるため圧縮強度が低下する傾向がある。他方、フリーネスが600ccCSFを超える場合、パルプ繊維同士の絡み合いが少なく、糊の吸収性が低下する傾向がある。なお、フリーネスの調節は、たとえば、原料として用いる古紙の選択、公知の叩解処理などの調節手段を取ることによって、行うことができる。
紙は微細繊維が多いほど紙層が密になりやすく、毛細管現象により糊の吸収性が高くなるため、微細繊維を多く含む古紙パルプを用いて紙層を形成することが好ましい。一方で、古紙パルプは繊維自体が脆くなっているため、古紙パルプの使用割合が多いほど、得られる紙質の強度は低く、圧縮強度も低い紙となる。しかしながら、本発明においては後述するとおり、酸化度が3〜10mol%である酸化澱粉および網目状の水溶性高分子を表面に塗工しているため、この高い糊の吸収性を維持しながら、圧縮強度に優れた中芯原紙を得ることができる。
<酸化澱粉>
本発明では、酸化度が3〜10mol%である酸化澱粉を用いる(以下、本発明の酸化澱粉とする)。本発明の酸化澱粉は、酸化度が3〜10mol%と適度に酸化され低分子化されているため、圧縮強度を向上させることができるとともに、中芯原紙に塗工された酸化澱粉の溶液が中芯原紙表面で成膜されにくく、貼合糊の吸収性の高い中芯原紙が得られるため、高い段ボールシート生産性を得ることができる。ここでいう高い段ボールシート生産性とは、貼合速度で250m/分以上、好ましくは300m/分以上である。
酸化度が3mol%未満の酸化澱粉は、充分に酸化されず低分子化していないため、圧縮強度が向上できるとしても、中芯原紙表面で成膜して貼合糊の吸収性が悪化し、段ボールシートの生産性が低下する問題がある。一方、酸化度が10mol%を超過する酸化澱粉では、酸化が進みすぎて低分子化されすぎており、圧縮強度が向上できない問題がある。
また、酸化澱粉以外の外添澱粉は、パルプ繊維間の繊維間結合を固着させて紙の強度を向上させることはできるが、澱粉が成膜することで皮膜が形成される。このように皮膜を形成すると、コルゲータでは水が中芯原紙に吸収されやすく貼合糊が流動性を失って固化しやすい一方、分子サイズが水よりも大きい糊は中芯原紙の表面上に残りやすく、中芯原紙に糊が吸収されないためアンカー効果に劣り、貼合後にライナと中芯とが剥離する問題がある。このため、糊が中芯原紙に浸透するよう、コルゲータでの貼合速度を低下させる必要があるとの問題がある。
本発明の酸化澱粉は、中芯原紙に対して外添される。本発明の酸化澱粉としては、従来から使用されている化工澱粉が好適に例示され、たとえば次亜塩素酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、過ヨウ素酸ナトリウム等による酸化反応によって、低分子量化と、分子中へのカルボシキル基、アルデヒド基、カルボニル基等の導入を行ったものが挙げられる。原料澱粉としては、たとえば小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、モチトウモロコシ粉、高アミロース含有トウモロコシ澱粉等が挙げられる。これらの中でも、タピオカ澱粉を使用する場合、得られる中芯原紙に高い耐折強度が付与され、段割れ防止効果が高くなる点から好ましい。
本発明の酸化澱粉は、塗工液(澱粉糊液)の状態で中芯原紙に塗工される。塗工量としては、フェノール硫酸法による澱粉の比色定量により分析した値で、中芯原紙中に、本発明の酸化澱粉が両面あたり2.0〜10g/m2、好適には2.5〜3.5g/m2含有されるように、中芯原紙の表裏面に塗工設備にて塗工される。本発明の酸化澱粉は、適度に酸化されており、澱粉の分子量を低下させ澱粉溶液を低粘度化および高濃度化できるため、乾燥負荷を低減して塗工速度を向上させ中芯原紙の生産性を向上させることができる。
なお、本発明の酸化澱粉の重量平均分子量は、定量的に定めることが困難であるが、たとえば60万〜300万が好ましく、80万〜280万が特に好ましい。かかる重量平均分子量を有する本発明の酸化澱粉は、中芯原紙表面で成膜されにくく、パルプ繊維間に吸収されやすい。
<水溶性高分子>
本発明においては、網目状の水溶性高分子を用いる。網目状の水溶性高分子を用いると、直鎖状や分岐状の水溶性高分子と比べて皮膜を形成しにくく糊の吸収性に優れる中芯原紙を得ることができる。すなわち、中芯原紙は乾燥する際に、パルプ繊維の網目隙間部分から水分が失われやすく、水が繊維間結合部分に移動しやすく、パルプ繊維が重なった繊維間結合部分の水分は乾燥の最終段階で失われるため、水の移動に伴い水中の薬品も繊維間結合部分に移動しやすくなる。つまり、複数のパルプ繊維にまたがって結合している直鎖状や分岐状の水溶性高分子は移動しにくく、分子サイズのより小さい網目状の水溶性高分子は移動しやすい。このため、同程度の分子量を有する水溶性高分子であれば、直鎖状や分岐状の水溶性高分子に比べて網目状の水溶性高分子の方が分子サイズが小さいため、繊維間結合部分に集中しやすくなる。これにより、網目状の水溶性高分子が不均一に存在しやすくなり、成膜しにくくなる。また、仮に成膜したとしても上記のとおり、パルプ繊維の網目隙間部分は成膜しにくく膜厚が薄いため、糊の吸収性の低下を最小限に抑えることができる。
また、網目状の水溶性高分子を用いることにより、直鎖状や分岐状の水溶性高分子を用いるよりも高い圧縮強度を有する中芯原紙を得ることができる。ここで、紙の紙力は、パルプ繊維同士が水素結合して強固に結びついて発現するところ、紙力剤は、このパルプ繊維に紙力剤の分子鎖が静電的に吸着し、複数のパルプ繊維同士を分子鎖で結合することで、紙力増強効果が得られる。このため、従来の紙力剤では、直鎖状や分岐状の水溶性高分子を主として使用し、多くのパルプ繊維同士を結びつきやすくすることを常識としているが、この場合、紙の引張強度や引裂強度は向上できるものの、充分な圧縮強度は得られなかった。しかしながら、上記した網目状の水溶性高分子を用いることで、直鎖状や分岐状の水溶性高分子では得られなかった圧縮強度向上効果を得ることができる。これは上記のとおり、パルプ繊維の繊維間結合部分に網目状の水溶性高分子が集まりやすいため、パルプ繊維同士の結びつきが特に強くなるためであると考えられる。
一方、直鎖状や分岐状の水溶性高分子を用いると、塗工した後、乾燥により成膜して中芯原紙表面に皮膜を形成する。このように皮膜を形成すると、上述のとおり中芯原紙に糊が吸収されないためアンカー効果に劣り、貼合後にライナと中芯原紙とが剥離するため、コルゲータでの貼合速度が低下する問題がある。ここで、上記成膜を防止するためには、水溶性高分子の融点を上げたり、各種添加剤により水溶性高分子の可塑性を低下させる方法があるが、いずれも水溶性高分子を硬化させるものであり、塗工時に粘度が上昇しやすくなるため、安定塗工できないという問題が生じる。
本発明で用いる網目状の水溶性高分子は、従来製紙用途で用いる水溶性高分子を架橋剤で架橋させることで、網目状にすることができる。水溶性高分子としては、たとえばカルボキシル基を有する水溶性高分子、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、トラントガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、プルラン、ポリエチレンオキシド、ビスコース、ポリビニルエチルエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリアクリル酸のヒドロキシル化誘導体、ポリビニルピロリドン/ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの水溶性高分子のうち、より少ない塗工量で高い圧縮強度向上効果が得られる観点から、PAMがより好ましい。特に後述するとおり、より少ない塗工量で塗工できるフィルム転写型の塗工方式を用いる場合、より少ない塗工量で圧縮強度を向上させやすいPAMを用いると、塗工層の塗膜が形成されにくい一方で糊の吸収性の低下を防止しやすいため好ましい。
なお、本発明でいう直鎖状とは、分子鎖が分岐しておらず、側鎖がない形状をいい、網目状とは、分子鎖同士が架橋して網目構造を形成している形状をいい、分岐状とは、主鎖に多数の側鎖が結合している形状をいう。また、網目状のPAMの製造方法としては、従来公知の方法を採用することができ、たとえば特開平07−278204号公報や特表平09−510889号公報に記載の方法を採用することができる。
水溶性高分子は、塗工液(水溶性高分子溶液)の状態で中芯原紙に塗工される。塗工量としては、中芯原紙表面に水溶性高分子が両面あたり0.5〜5.0g/m2、好適には1.0〜2.0g/m2含有されるように、中芯原紙の表裏面に塗工設備にて塗工される。
上述のとおり、酸化度が3〜10mol%である酸化澱粉および網目状の水溶性高分子を中芯原紙表面に塗工することで、圧縮強度および貼合性に優れた段ボールシートが得られる中芯原紙となる。すなわち、分子サイズが小さい酸化度が3〜10mol%の酸化澱粉を用いることで、中芯原紙上で成膜しにくくなり、コルゲータでの貼合糊の吸収性を向上できることに加えて、網目状の水溶性高分子を併用することでより成膜を防止でき、コルゲータの貼合糊が中芯原紙に吸収されやすくなる。これら酸化度が3〜10mol%である酸化澱粉および網目状の水溶性高分子を併用することにより、特に皮膜を形成しにくくコルゲータでの高速貼合性に優れるにも関わらず、さらに圧縮強度の向上も達成できる、中芯原紙が得られる。
本発明の酸化澱粉および水溶性高分子は、それぞれ単独で塗工してもよいが、工程の簡略化および乾燥負荷低減のため、混合して塗工することが好ましい。混合した場合の塗工量は、両面あたり2.5〜15g/m2、好適には3.5〜5.5g/m2である。混合割合は特に限定されず、上述の塗工量となるよう、適宜調整することができる。塗工液の濃度は、本発明の酸化澱粉および水溶性高分子の混合後の固形分換算で3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%程度で塗工することができる。
本発明の酸化澱粉および水溶性高分子は、低粘度かつ高濃度の塗料として塗工されることが好ましい。本発明の酸化澱粉や水溶性高分子による皮膜を中芯原紙上に形成することで圧縮強度を向上できるが、一方で皮膜により糊が中芯原紙に吸収されにくくなる。このため、皮膜は形成させず、形成させたとしてもできるだけ薄くし、糊が中芯原紙に浸透しやすくすることで、段ボールシートの生産性を向上させることが好ましい。薄い皮膜であれば、塗工ムラにより発生した微小な未塗工部分によっても、糊が中芯原紙に浸透して貼合性(耐剥離性)を向上させることができる。このような薄い皮膜を形成させるためには、塗料濃度を増加させ中芯原紙表面に密度の高い塗工膜を形成させることが好ましい。塗料濃度を低下させて薄い塗工膜を形成させた場合、皮膜は形成しないものの圧縮強度も向上しにくくなるため好ましくない。
薄い塗工膜の形成は、たとえばフィルム転写型の塗工機により設けることができる。後述するが、ポンド式の塗工機では、高濃度の塗料を塗工しにくいため、薄い塗工膜を形成しにくい。
<内添紙力剤>
内添紙力剤は一般に歩留りが悪く、添加から数時間は充分な効果が出ないため生産性が悪い傾向があるが、本発明では、本発明の酸化澱粉および網目状の水溶性高分子を外添するため、塗工後すぐに製品を得ることができる。
しかしながら、本発明にかかる中芯原紙には、上記した本発明の酸化澱粉や網目状の水溶性高分子に加えて、補助的に内添紙力剤を併用することで、より圧縮強度を向上させることができる。内添紙力剤としては、一般に製紙用途で使用されるものでよく、分子鎖の形状も直鎖状、分岐状、網目状を問わない。
内添紙力剤の成分としては、特に限定されず、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤を使用することができる。これらの例としては、乾燥紙力剤としては、カチオン澱粉、PAM、CMC(カルボキシメチルセルロース)若しくはその塩であるカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース亜鉛等を用いることができる。湿潤紙力剤としては、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性付与PAM等を用いることができる。
内添紙力剤の電荷としては特に限定されず、カチオン性、アニオン性または両性のいずれの内添紙力剤を用いてもよい。この中でも両性の内添紙力剤を用いると、微小異物の発生が少ないため圧縮強度の向上効果に優れること、貼合糊の吸収性に優れることから特に好ましい。
ただし、内添紙力剤の添加量が多すぎる場合には、抄紙機系内に堆積して微小異物となる可能性がないとはいえず、この微小異物は欠陥とはとならない大きさや量であっても、パルプ繊維の繊維間結合を阻害する可能性があるため、圧縮強度を低下させる傾向がある。このため、内添紙力剤は50kg/絶乾パルプトン以下、好ましくは40kg/絶乾パルプトン以下とし、上記した本発明の酸化澱粉や網目状の水溶性高分子の補助的に使用することが好ましい。
上述のとおり、酸化度が3〜10mol%である酸化澱粉および網目状の水溶性高分子を中芯原紙表面に塗工することで、糊の吸収性に優れた段ボールシートが得られる中芯原紙となることに加えて、両性の内添紙力剤を含有させることで、特に圧縮強度に優れる中芯原紙が得られる。内添紙力剤は歩留りが悪く、系内で循環するため泡立ちの要因となり、泡立ちが発生すると濾水性や操業性に問題が発生しやすいが、内添紙力剤として両性PAMを用いると、アニオン性やカチオン性の内添紙力剤と比べて泡立ちが発生しにくいため、圧縮強度が低下しにくい。このため、本発明のごとく塗工層構成に特徴を持たせて圧縮強度を向上させた中芯原紙を連続して生産する場合において、さらに圧縮強度を向上させるためには、内添紙力剤として両性PAMを用いることが好ましい。
<その他の添加剤>
なお、本発明においては、たとえば滑剤、サイズ剤、填料分散剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、蛍光消去剤等の公知の種々の添加剤を、単独で、あるいは2種以上を混合して添加してもよい。
本発明の中芯原紙は、以上の構成を有しているため、優れた圧縮強度および糊の吸収性を有する。
本発明における圧縮強度としては、JIS−P8126のリングクラッシュ法に準拠する横方向圧縮強度を採用する。当該圧縮強度としては、坪量120g/m2であれば、坪量160g/m2のMA級を達成できる184N以上が好ましく、194N以上がより好ましく、204N以上がさらに好ましい。圧縮強度が184N未満の場合、MA級を達成できず作製した段ボールシートの強度が充分でない傾向がある。
本発明における糊の吸収性は、動的吸水性試験で評価した。動的吸水性はサイズテスター(商品名:EST、Emtec社製)を用い、測定開始1秒後の動的吸水性試験値を糊の吸収性の指標とした。動的吸水性としては、30%以下が好ましく、28%以下がより好ましく、25%以下がさらに好ましい。動的吸水性が30%を超える場合、サイズが強く皮膜が形成されていると考えられるため、中芯原紙内部への糊の吸収性が充分でなく、コルゲータでの貼合速度低下が発生しやすい。なお、動的吸水性試験値は紙片中に水が浸透するほど低下し、値が小さいほど吸水性が高いことを示す。
次に、本発明の中芯原紙を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
使用原料を以下に示す。
(水溶性高分子)
網目状PAM:ハリコートGA25(ハリマ化成(株)製、PAM系紙力剤)
直鎖状PAM:ハリコートG35(ハリマ化成(株)製、PAM系紙力剤)
分岐状PAM:PS462(荒川化学工業(株)製、PAM系紙力剤)
アクリル樹脂:ポリマセット500(荒川化学(株)製)に架橋剤を加えて架橋させ、網目状とした。
ポリビニルアミン:ルレデュアVI(星光PMC(株)製)に架橋剤を加えて架橋させ、網目状とした。
(澱粉)
酸化澱粉:次のとおり生澱粉(トウモロコシ生澱粉)を酸化して、表に記載の酸化度を有する澱粉を調製した。
澱粉15g(トウモロコシ生澱粉、日本コーンスターチ(株)製)を、750mlの実験室混合機を使用して600rpmで撹拌することによって水200mlに分散させた。所定量の次亜塩素酸ナトリウムを徐々に加え、塩酸を添加してpHを2.3の値に維持しながら、35℃の温度で60分間加水分解を生起させた。次いで、水酸化ナトリウム溶液を添加してpH値を7.5にした。次いで、撹拌機を2200rpmに設定し、さらに15分間反応を続けた。その後、25℃で30分間600rpmで撹拌しながら、95%エタノール250mlを添加した。次いで、生成物を遠心し、70%エタノール中に分散させ、再度遠心し、イソプロパノール中に再度分散させ、24時間放置した。生成物をろ過し、真空乾燥器中60℃で乾燥した。次亜塩素酸ナトリウムの量は、表1に記載の酸化度となるように調整した。なお、酸化澱粉の酸化度は、TAPPI METHOD T237 om-83に準拠してカルボキシル基含有量を測定し、グルコース単位中のカルボキシル基の含有割合(mol%)として算出した。
リン酸澱粉:スターコート#16(日本食品加工(株)製、尿素リン酸エステル化澱粉)
HES:COATMASTER K96F(三晶(株)製、ヒドロキシエチル化澱粉)
(内添紙力剤)
両性PAM:ハーマイドRB300(ハリマ化成(株)製)
カチオンPAM:ハリフィックスUF−570(ハリマ化成(株)製)
アニオンPAM:ハーマイドC10(ハリマ化成(株)製)
ノニオンPAM:ハリコート1057(ハリマ化成(株)製)
評価方法を以下に示す。
(圧縮強度)
JIS P 8126:2005「紙および板紙−圧縮強さ試験方法−リングクラッシュ法」に準拠して、抄紙幅方向(横方向)について測定した。圧縮強度が204N以上であれば特に圧縮強度に優れ、194N以上であれば圧縮強度が良好であり、184N以上であれば圧縮強度があり実使用可能であり、184N未満であれば圧縮強度に劣り実使用できないものである。
(糊の吸収性)
動的吸水性試験で評価した。動的吸水性はサイズテスター(商品名:EST、Emtec社製)を用い、紙片(75mm×50mm)を両面テープでフォルダーに固定し、このフォルダーを、水350mlを満たした試験容器内に設けられた、超音波の発信素子と受信素子との間に沈めた。紙片と水とが接触してから0.025秒後に測定を開始し、サイズテスターのモニターに表示された動的吸水性試験値と経過時間とのグラフから、測定開始1秒後の動的吸水性試験値を読みとった。なお、測定用の超音波周波数は2MHzであった。
動的吸水性が25%以下であれば糊の吸収性に特に優れ、28%以下であれば糊の吸収性が良好であり、30%以下であれば糊の吸収性があり実使用可能であり、30%を超過すると糊の吸収性に劣り実使用できない。
(離解フリーネス)
中芯原紙をJIS P8220:1998「パルプ‐離解方法」に準拠して離解し、得られた離解パルプのJIS P 8121:1995「パルプのろ水度試験方法」に準拠してフリーネスを測定した。フリーネスは400〜600ccCSFであることが好ましく、特に450〜530ccCSFであることが好ましい。フリーネスが400ccCSF未満の場合、紙層中の平均繊維長が短くなるため圧縮強度が低下する傾向がある。フリーネスが600ccCSFを超える場合、パルプ繊維同士の絡み合いが少なく、糊の吸収性が低下する傾向がある。
(実施例1)
段ボール古紙パルプ60重量%と、雑誌古紙パルプ40重量%を混合した後、ダブルディスクリファイナーで叩解し、中芯原紙を離解した際の離解フリーネスが表1に記載の値となるよう、原料パルプスラリーを調製した。この原料パルプスラリーに、表1に記載の種類および量の内添紙力剤を含有させ、単層の湿紙を形成し、その後、湿紙を搾水し、プレドライヤーで乾燥させた。次いで、表1に記載の種類の澱粉および水溶性高分子を、それぞれ両面あたり表1に記載の塗工量となるよう混合した後、塗料濃度10質量%に調整して表1に記載の塗工量となるよう湿紙の表裏面にフィルム転写方式で塗布し、乾燥させて、坪量が120g/m2である中芯原紙を調製した。実施例2以降および比較例は、実施例1を元に、表に記載の条件となるよう変更して製造した。
Figure 2012219424
実施例の中芯原紙はいずれも、請求項1の構成を満たすため、上記各評価項目において良好な結果が得られた。すなわち、各実施例にかかる中芯原紙は、本発明の課題を解決できるものである。
これに対して、比較例の中芯原紙はいずれも、請求項1の構成を満たさないため、いずれかの評価項目において良好な結果が得ることができず、本発明の課題を必ずしも解決できないものである。
本発明の中芯原紙は、圧縮強度および糊の吸収性のいずれにも優れているため、当該中芯原紙を用いた段ボールシート等を高速度で効率よく製造することができる。

Claims (3)

  1. 段ボール用の中芯原紙であって、
    酸化度が3〜10mol%である酸化澱粉および網目状の水溶性高分子が表面に塗工されていることを特徴とする、中芯原紙。
  2. 前記水溶性高分子がポリアクリルアミドであることを特徴とする、請求項1記載の中芯原紙。
  3. 前記中芯原紙が、内添紙力剤として両性ポリアクリルアミドを含有することを特徴とする、請求項1または2記載の中芯原紙。
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