JP2018057242A - 車両用モータユニット - Google Patents
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Abstract
Description
この種の車両用モータユニットでは、モータを冷却するために冷媒が用られるが、特に高負荷時等発熱が顕著な時に、ロータの一部までが冷却用媒体(冷却用オイル)に浸漬されるようにしてモータの冷却効果を高める技術を本出願人は既に提案した(例えば、特許文献1参照)。
従って、ハウジングに「渡りハウジング」の部分を有しないコンパクトなモータユニットの場合には特許文献1の技術を適用できない。
車両用モータユニット。
前記中間容積部は冷却オイル面の上限位置を規制する冷却オイル面上限規制部を有しない、上記(1)の車両用モータユニット。
図1は、本発明の一実施形態としての車両用モータユニットにおける駆動力伝達系を示すスケルトン図である。
図1の車両用モータユニット1は、モータハウジング2とギヤハウジング3とがモータの軸方向に並べて接合されて一体になされたハウジング100を有する。モータハウジング2はモータ10を収容する。ギヤハウジング3はモータ10の駆動力をアウトプットシャフト101,102に伝達するギヤ部30を収納する。
ギヤハウジング3は、ギヤ部30の外周を囲むギヤハウジングブロック31と、ギヤハウジングブロック31のモータハウジング2側とは反対側の側面を覆うハウジングブロック32を含んで構成される。
出力ギヤ4に噛合する大径の入力ギヤ5が、その減速機シャフト6の周りに回転するように設けられている。減速機シャフト6の、入力ギヤ5とは反対側に延びた端部に、ファイナルドライブギヤ7が設けられている。ファイナルドライブギヤ7はファイナルドリブンギヤ8と噛合してディファレンシャル装置9(そのディファレンシャルケース)を回転駆動する。
尚、駆動力伝達経路におけるこれらのギヤ及びシャフトを含んでギヤ部30が構成される。
図3は、図2の実施形態の変形例としての車両用モータユニットの軸方向の断面を示す模式図である。
先ず、図2及び図3の実施形態における共通部分について説明する。
図2の車両用モータユニット1a及び図3の車両用モータユニット1bは、モータハウジング2とギヤハウジング3とがモータの軸方向、即ち、ロータシャフト14の方向に並べて接合されて一体になされたハウジング100aを有する。モータハウジング2のモータハウジングブロック21の内周側に自己の外周が接するようにステータコア11(11a)が設けられている。ステータコア11(11a)にはコイル13が巻装されている。ステータコア11(11a)の内周面に自己の外周が近接対向するようにロータコア12が設けられ、このロータコア12にはその外周に臨んでマグネット12aが埋設配置されている。
図2の車両用モータユニット1aは、そのモータハウジング2のモータハウジングブロック21の内周側に所定間隔を空けて自己の外周が対向するようにステータコア11が設けられている。
このステータコア11は、管状のステータホルダ111によって外周が隙間なく囲まれて拘束され、モータハウジングブロック21内に固定されている。詳細には、ステータホルダ111が、サイドハウジングブロック22側に設けられたそのフランジ部で、サイドハウジングブロック22からモータ10の軸方向内側に突設されたボス部221に対してボルト222で締結されることによって、ステータコア11がモータハウジングブロック21内に固定されている。
本実施形態においては、特に、ステータコア11の外周とモータハウジングブロック21の内面との間の上述の間隔S5を有するスペースに、後述する冷却オイルレベル調節部50が形成されている。
この冷却オイルレベル調節部50は、モータハウジング2のモータハウジングブロック21における底部23の内周面とモータ10のステータコア11外周面との間にモータの軸方向に伸びるようにして容器状に形成されている。このような冷却オイルレベル調節部50は、ギヤハウジング3(そのギヤハウジングブロック31)の少なくとも一部に及んで伸びるようにして容器状に形成されていてもよい。
このため、図3においては、図2との共通部には同一の符号を附して示し、それら各部についての個々の説明は省略する。
図3の車両用モータユニット1bにおける図2の車両用モータユニット1aとの相違点は、車両用モータユニット1aではステータホルダ111を用いてステータコア11をモータハウジングブロック21内に固定していたのに対し、車両用モータユニット1bでは、このようなステータホルダ111を用いずに、ステータコア11をモータハウジングブロック21内に固定している点である。
図3の例においても、図2の例におけると同様に、ステータコア11の外周とモータハウジングブロック21の内面との間の上述の間隔S6を有するスペースに、後述する冷却オイルレベル調節部50が形成されている。
図3の車両用モータユニット1bにおけるその余の機械的構成は、図2の車両用モータユニット1aと略同様である。
尚、図2及び図3の車両用モータユニット1a及び1bは、モータ10の軸方向が車両の左右方向と略平行となるように該当する車両に配置される。
図4から図7は、冷却オイルレベル調節部の軸(モータ10のロータシャフト14)に直交する方向の断面を示す模式図である。
このうち、図4は車両が平坦路を定常速で走行中の状態を後方容積部の構成に着目して示す図、図5は車両が登坂路を走行中の状態を示す図、図6は車両が平坦路を定常速で走行中の状態を前方容積部の構成に着目して示す図、図7は車両が降坂路を走行中の状態を示す図である。
図4から図7において、図2及び図3との対応部は同一の符号を附して示している。
冷却オイルレベル調節部50は、モータハウジング2のモータハウジングブロック21における底部23の内周面と、該内周面に対向するステータコア11外周面との間の空間を含む領域を流体を湛える部分とする容器状をなし、モータ10の軸方向にギヤハウジングブロック31の少なくとも一部に及んで伸びるように形成されている。
後方容積部52は、図4及び図6におけるように、当該車両が平坦路R0(水平面)に位置した姿勢において、モータ10のロータコア12の下端位置12Pに等しい水準位置の冷却オイル面上限規制部521を有する。冷却オイル面上限規制部521は後方容積部52内の冷却オイル60の液面の位置を自己の水準位置以内に規制する面部を有する部材である。
一方、中間容積部53は、前方容積部51や後方容積部52におけるような冷却オイル面上限規制部を有さず、従って、中間容積部53では冷却オイル60は上方にオーバーフローし得る。
従って、車両が登坂路を走行中や加速中でモータ10が高負荷状態にある場合には、ロータコア12に対しても冷却オイル60による冷却効果がその軸方向の全長に亘って顕著に及び、車両が登坂路を走行中や加速中であってモータ10が高負荷の状態にあっても、モータ10の過熱が効果的に抑制される。
図8は、冷却オイルレベル調節部の軸(モータ10のロータシャフト14)に直交する方向の断面を示す模式図であり、図9から図11の断面図における断面の切り方を示す図である。図9は図8におけるA-A線断面図であり、図10は図9からモータのロータとステータを除外して示す図であり、図11は図8の冷却オイルレベル調節部よりも上部のB-B線断面図である。
図8から図11において、既述の図4から図7との対応部は同一の符号を附して示し、個々の説明は省略する。
図12は、本発明に関連する車両用モータユニットにおける駆動力伝達系を示すスケルトン図である。
図12の車両用モータユニット1は、モータハウジング2とギヤハウジング3とがモータの軸方向に並べて接合されて一体になされたハウジング100を有する。モータハウジング2はモータ10を収容する。ギヤハウジング3はモータ10の駆動力をアウトプットシャフト101,102に伝達するギヤ部30を収納する。
ギヤハウジング3は、ギヤ部30の外周を囲むギヤハウジングブロック31と、ギヤハウジングブロック31のモータハウジング2側とは反対側の側面を覆うハウジングブロック32を含んで構成される。
出力ギヤ4に噛合する大径の入力ギヤ5が、その減速機シャフト6の周りに回転するように設けられている。減速機シャフト6の、入力ギヤ5とは反対側に延びた端部に、ファイナルドライブギヤ7が設けられている。ファイナルドライブギヤ7はファイナルドリブンギヤ8と噛合してディファレンシャル装置9(そのディファレンシャルケース)を回転駆動する。
尚、駆動力伝達経路におけるこれらのギヤ及びシャフトを含んでギヤ部30が構成される。
図13は、図12にその駆動力伝達系を示した車両用モータユニット1の軸方向の断面を示す模式図である。
図14は、図12の車両用モータユニットの冷却オイルレベル調節器の軸に直交する方向の断面を示す模式図であり、車両が平坦路を定常速で走行中の状態を示す図である。
図15は、図12の車両用モータユニットの冷却オイルレベル調節器の軸に直交する方向の断面を示す模式図であり、車両が登坂路を走行中の状態を示す図である。
図13、図14、及び、図15において、図12との対応部には同一の符号を附してある。
ギヤハウジング3におけるモータハウジング2との接合部近傍の底部33に冷却オイルレベル調節器40が自己の底部41が接合されて配置される。但し、冷却オイルレベル調節器40はその底部41がギヤハウジング3の底部33に接合された形態を採って配置されることは必須ではない。
本実施形態では特に、冷却オイルレベル調節器40(後述するその容積排除体400)は、ギヤハウジング3のギヤハウジングブロック31の一部として形成されている。
本実施形態では、上述のような容積排除体400の冷却オイル60への浸漬の度合いに応じて容積排除作用が変化することを利用して、冷却オイルの液面61の液位を調節する。当該車両が登坂路にある場合や、加速しながら前進している場合には、容積排除体400の冷却オイル60の液面61に対する傾度や、冷却オイル60における慣性力によって、容積排除体400が冷却オイル60に没する部分の体積が大きくなる。このため、容積排除体400が相対的に多くの流体(冷却オイル60)を排除する結果、冷却オイルの液面61が上昇する。
図14は、車両が平坦路を定常速で走行中である場合を示し、このとき冷却オイル60の冷却オイルの液面61は略水平である。この状態における容積排除体400が冷却オイル60中に没している部分による容積排除の程度(冷却オイル60を排除している体積)をV0とし、冷却オイルの液面61の水準位置をL0とする。
換言すれば、容積排除体400が冷却オイル60中に没している体積がV0であるとき、冷却オイルの液面61の水準位置はL0である。
従って、車両が登坂路を走行中でモータ10が高負荷状態にある場合には、ロータコア12に対しても冷却オイル60による冷却効果がその軸方向の全長に亘って顕著に及び、モータ10が高負荷の状態にあっても、モータ10の過熱が効果的に抑制される。
更に、本例の車両用モータユニット1では、既述のような容積排除体400をギヤハウジング3に設けるため、モータハウジングとステータコアとの間にスペースが無いタイプの車両用モータユニット(例えば、モータハウジングにステータコアが焼嵌めされたタイプのもの)に適用するにも支障がない。
(1)本実施形態の車両用モータユニット1aは、モータ10を収容するモータハウジング2とモータ10の駆動力をアウトプットシャフト101,102に伝達するギヤ部30を収納するギヤハウジング3とがモータ10の軸方向に並べて接合されて一体になされたハウジング100を有し、モータハウジング2の内周面とモータ10のステータコア11外周面との間にモータ10の軸方向に伸びるように容器状の冷却オイルレベル調節部50が配される。この冷却オイルレベル調節部50は、該容器状の内部における当該車両の後方寄りに、当該車両が平坦路に位置した姿勢において、モータ10のロータコア12の下端位置12Pに等しい水準位置の冷却オイル面上限規制部521を有すると共に冷却オイル面上限規制部521を有しない部分に連通するように形成された後方容積部52を有している。
この車両用モータユニット1aでは、登坂時に車両の後部側が相対的に沈んで冷却オイルレベル調節部50内の後方容積部52における冷却オイル面上限規制部521が車両が水平面に位置するときの冷却オイル面よりも下方に変位すると、この変位により後方容積部52から溢れ出た冷却オイルが、後方容積部52と連通する領域に溢れ出て、この領域で、冷却オイル面上限規制部を有しない部分の冷却オイルの液面を上昇させる。このような液面の上昇により、モータ10では、そのステータコア11と共にロータコア12の下方の部分もその軸方向の全長に亘って冷却オイルに浸漬される。従って、車両が登坂路を走行中でモータが高負荷状態にある場合には、ロータコアに対しても冷却オイルによる冷却効果がその軸方向の全長に亘って顕著に及び、モータが高負荷の状態にあっても、モータ10の過熱が効果的に抑制される。
このため、当該車両が登坂路に在るときには、車両の後部側が相対的に沈んで後方容積部52から溢れ出た冷却オイルが、後方容積部52と連通する領域である中間容積部53に溢れ出て、この領域で、冷却オイル面上限規制部を有しない部分の冷却オイルの液面を上昇させる。このため冷却オイルの液面が、ロータコア12の下端位置よりも高い水準位置まで上昇する。即ち、ロータコア12の下部は軸方向の全長に亘って冷却オイルに浸漬されて、冷却される。
このため、当該車両が降坂路に在るときには、冷却オイルが前方容積部51側に偏るが、前方容積部51ではその冷却オイル面上限規制部511の水準位置が高いため、冷却オイルの液面の上昇が許容される。このため、中間容積部53側では冷却オイルのオーバーフローが生じない。従って、ロータコア12の下部は冷却オイルに浸漬されることがなく、無用な回転抵抗が発生しない。
既述の例では、モータ10による駆動力を、上述における車両用モータユニット1では、モータ10→ロータシャフト14→出力ギヤ4→入力ギヤ5→減速機シャフト6→ファイナルドライブギヤ7→ファイナルドリブンギヤ8→ディファレンシャル装置9という駆動力伝達経路でディファレンシャル装置9に伝達し、ディファレンシャル装置9からアウトプットシャフト101,102を介して左右の車輪に分配していたが、このような態様に限られない。例えば、左右の車輪にモータを備える態様を採り得る。
従って、これら変形変更して実施される車両用モータユニットも本発明に包摂される。
2…モータハウジング
3…ギヤハウジング
10…モータ
30…ギヤ部
40…冷却オイルレベル調節器
50…冷却オイルレベル調節部
51…前方容積部
52…後方容積部
53…中間容積部
100…ハウジング
101,102…アウトプットシャフト
400…容積排除体
511,521…冷却オイル面上限規制部
Claims (3)
- モータを収容するモータハウジングを有する車両用モータユニットであって、
前記モータの軸方向が車両の左右方向と略平行になるように配され、
前記モータハウジングの内周面と前記モータのステータ外周面との間に前記モータの軸方向に伸びる容器状の冷却オイルレベル調節部が配され、
前記冷却オイルレベル調節部は、その内部における前記車両の前後方向後方寄りに、前記車両が平坦路に位置した姿勢において、前記モータのロータコアの下端位置に等しい水準位置の冷却オイル面上限規制部を有すると共に前記冷却オイル面上限規制部を有しない部分に連通するように前記車両の前後方向後方側に形成された後方容積部を有している、
車両用モータユニット。 - 前記冷却オイルレベル調節部は、自己の内部における前記車両の前後方向前方寄りに、冷却オイル面の上限位置を規制する冷却オイル面上限規制部を有して形成された前方容積部と、前記前方容積部と後方容積部とに連通する中間容積部とを有し、
前記中間容積部は冷却オイル面の上限位置を規制する冷却オイル面上限規制部を有しない、
請求項1に記載の車両用モータユニット。 - 前記前方容積部は、前記車両が水平面に位置した姿勢において、前記モータのロータ下端位置よりも高い水準位置の冷却オイル面上限規制部を有する、
請求項2に記載の車両用モータユニット。
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