JP2008029170A - 電動機の冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハウジング11が傾斜しても電動機を均一に冷却することが可能な、電動機の冷却構造を提供する。
【解決手段】電動機を収納するハウジング11と、ハウジング11の上部に形成された冷却油供給口90と、冷却油供給口90から供給される冷却油をコイル14aに誘導する冷却油誘導部材60と、冷却油誘導部材60の上部に形成された冷却油貯留部64と、冷却油誘導部材60を電動機と同軸上で回動自在に支持する回動機構70と、冷却油誘導部材60を重力方向に対して所定の角度に維持するフロート66と、を備える。
【選択図】図4
【解決手段】電動機を収納するハウジング11と、ハウジング11の上部に形成された冷却油供給口90と、冷却油供給口90から供給される冷却油をコイル14aに誘導する冷却油誘導部材60と、冷却油誘導部材60の上部に形成された冷却油貯留部64と、冷却油誘導部材60を電動機と同軸上で回動自在に支持する回動機構70と、冷却油誘導部材60を重力方向に対して所定の角度に維持するフロート66と、を備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、電動機の冷却構造に関するものである。
近年、車両用駆動源として、内燃機関に換えて、あるいは内燃機関とともに、モータ(電動機)を備えた車両が知られている。このような車両では、駆動によるモータの温度上昇を抑制するため、モータに冷却油を供給して冷却している。
特許文献1には、オイルポンプの吐出油量が少ない時でもモータコイルの冷却を行う冷却回路が記載されている。この冷却回路は、噴射面と噴射口とを有する冷却油噴射部を備え、噴射面は隣接するケースの周壁内面に対して油切れを良くするように不連続とされ、油がコイルエンドに滴下するように、噴射面の端部がコイルエンドの上部に位置づけられている。
特開平8−130856号公報
特許文献1には、オイルポンプの吐出油量が少ない時でもモータコイルの冷却を行う冷却回路が記載されている。この冷却回路は、噴射面と噴射口とを有する冷却油噴射部を備え、噴射面は隣接するケースの周壁内面に対して油切れを良くするように不連続とされ、油がコイルエンドに滴下するように、噴射面の端部がコイルエンドの上部に位置づけられている。
特許文献1に記載された技術は、噴射口または噴射面から油を滴下してモータコイルの冷却を行うものである。この場合、車両が坂路を走行するとき、車両とともにモータが傾斜するため、コイルに対して油を均等に供給することができないという問題がある。これにより、コイルの一部で温度が上昇するので、モータを保護するためパワーセーブが必要になる。なお油を均一に供給するため油量を増加させると、電動オイルポンプの消費電力が増加して、燃費が悪化することになる。
そこで本発明は、ハウジングが傾斜しても電動機を均一に冷却することが可能な、電動機の冷却構造の提供を課題とする。
そこで本発明は、ハウジングが傾斜しても電動機を均一に冷却することが可能な、電動機の冷却構造の提供を課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、コイル(例えば、実施形態におけるコイル14a)を巻き回したステータ(例えば、実施形態におけるステータ14)と、永久磁石(例えば、実施形態における永久磁石15a)を備えたロータ(例えば、実施形態におけるロータ15)とで構成される電動機(例えば、実施形態における電動機2)の冷却構造であって、前記電動機を収納するハウジング(例えば、実施形態におけるハウジング11)と、前記ハウジングの上部に形成された冷却油供給口(例えば、実施形態における冷却油供給口90)と、前記冷却油供給口から供給される冷却油を前記コイルに誘導する冷却油誘導部材(例えば、実施形態における冷却油誘導部材60)と、前記冷却油誘導部材の上部に形成された冷却油貯留部(例えば、実施形態における冷却油貯留部64)と、前記冷却油誘導部材を前記電動機と同軸上で回動自在に支持する回動機構(例えば、実施形態における回動機構70)と、前記冷却油誘導部材を重力方向に対して所定の角度に維持する角度維持手段(例えば、実施形態におけるフロート66または錘86)と、を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記冷却油が回収される前記ハウジングの内面は、円弧状に形成され、前記角度維持手段は、前記冷却油誘導部材の下部にフロート(例えば、実施形態におけるフロート66)を配置して構成されることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記角度維持手段は、前記冷却油誘導部材の下部に錘(例えば、実施形態における錘86)を配置して構成されることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記冷却油誘導部材は、前記コイルの外周を覆うように形成され、前記コイルの周方向における前記冷却油貯留部の幅は、前記ハウジングの最大傾斜角度に応じて設定されることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、冷却油誘導部材を重力方向に対して所定の角度に維持する角度維持手段を備えているので、ハウジングが傾斜しても、ハウジングの冷却油供給口から冷却油誘導部材の冷却油貯留部に冷却油を流入させることが可能になる。また、その冷却油貯留部から流出した冷却油を、ハウジング水平時と同様にコイルに誘導することが可能になる。したがって、ハウジングが傾斜しても電動機を均一に冷却することができる。
請求項2に係る発明によれば、回収された冷却油(以下「回収冷却油」という。)がハウジングの傾斜に伴って重力方向下側に移動しても、回収冷却油の表面から冷却油誘導部材の回動軸までの距離は変化しない。そのため、冷却油誘導部材はフロートにより回収冷却油の表面に浮いた状態に保持され、回収冷却油の移動に伴って回動する。したがって、冷却油誘導部材を重力方向に対して所定の角度に維持することができる。
請求項3に係る発明によれば、錘が重力方向下側に移動して冷却油誘導部材を回動させるので、冷却油誘導部材を重力方向に対して所定の角度に維持することができる。
請求項4に係る発明によれば、ハウジングが最大傾斜した場合でも、ハウジングの冷却油供給口から冷却油誘導部材の冷却油貯留部に冷却油を流入させることが可能になり、電動機を均一に冷却することができる。
以下、本発明の実施形態につき図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、車両の概略構成図である。図1に示す車両3は、内燃機関4と電動機5が直列に接続された駆動ユニット6を有するハイブリッド車であり、駆動ユニット6の動力がトランスミッション7を介して前輪Wf側に伝達される一方で、この駆動ユニット6と別に設けられた補助駆動用の駆動装置1の動力が後輪Wr側に伝達されるようになっている。駆動装置1は、DCブラシレスセンサレスモータで構成される電動機2(車輪駆動用電動機)を備えている。駆動ユニット6の電動機5および駆動装置1の電動機2は、PDU8(パワードライブユニット)を介してバッテリ9に接続されている。そしてバッテリ9からの電力供給と、各電動機5,2からバッテリ9へのエネルギー回生とが、PDU8を介して行われるようになっている。
(第1実施形態)
図1は、車両の概略構成図である。図1に示す車両3は、内燃機関4と電動機5が直列に接続された駆動ユニット6を有するハイブリッド車であり、駆動ユニット6の動力がトランスミッション7を介して前輪Wf側に伝達される一方で、この駆動ユニット6と別に設けられた補助駆動用の駆動装置1の動力が後輪Wr側に伝達されるようになっている。駆動装置1は、DCブラシレスセンサレスモータで構成される電動機2(車輪駆動用電動機)を備えている。駆動ユニット6の電動機5および駆動装置1の電動機2は、PDU8(パワードライブユニット)を介してバッテリ9に接続されている。そしてバッテリ9からの電力供給と、各電動機5,2からバッテリ9へのエネルギー回生とが、PDU8を介して行われるようになっている。
(駆動装置)
図2は駆動装置1の全体の正面断面図を示すものであって、同図の右側が車輪側であり、左側が車体中央側である。図2に示す駆動装置1のハウジング11は、全体が略円筒状に形成されている。そのハウジング11の内部には、車輪駆動用の電動機2と、この電動機2の駆動回転を減速する遊星歯車式減速機12と、この減速機12の出力を左右の車軸10A,10Bに分配する差動装置13とが、それぞれ車軸10Bと同軸になるように収容配置されている。
図2は駆動装置1の全体の正面断面図を示すものであって、同図の右側が車輪側であり、左側が車体中央側である。図2に示す駆動装置1のハウジング11は、全体が略円筒状に形成されている。そのハウジング11の内部には、車輪駆動用の電動機2と、この電動機2の駆動回転を減速する遊星歯車式減速機12と、この減速機12の出力を左右の車軸10A,10Bに分配する差動装置13とが、それぞれ車軸10Bと同軸になるように収容配置されている。
ハウジング11の車輪側(図2の右側)には、電動機2が配置されている。
図3は電動機の拡大図である。電動機2は、ハウジング11の内周側に固定された環状のステータ14と、このステータ14の内周側に回転可能に収容配置された環状のロータ15とを備えている。ステータ14は、鋼板を積層してなるステータコア14bと、ステータコア14bに巻装される巻線(コイル)14aとを備えている。ロータ15は、鋼板を積層してなるロータコア15bと、該ロータコア15bに装着される複数の永久磁石15aとを備えている。
図2に戻り、ロータ15の内周側には、車軸10Bの外周側を囲繞する円筒軸16が結合されている。この円筒軸16が、車軸10Bと同軸となるように、ハウジング11の一方の端部壁17および中間壁18に軸受19を介して支持されている。
図3は電動機の拡大図である。電動機2は、ハウジング11の内周側に固定された環状のステータ14と、このステータ14の内周側に回転可能に収容配置された環状のロータ15とを備えている。ステータ14は、鋼板を積層してなるステータコア14bと、ステータコア14bに巻装される巻線(コイル)14aとを備えている。ロータ15は、鋼板を積層してなるロータコア15bと、該ロータコア15bに装着される複数の永久磁石15aとを備えている。
図2に戻り、ロータ15の内周側には、車軸10Bの外周側を囲繞する円筒軸16が結合されている。この円筒軸16が、車軸10Bと同軸となるように、ハウジング11の一方の端部壁17および中間壁18に軸受19を介して支持されている。
電動機2の車体中心側(図2の左側)には、遊星歯車式減速機12が配置されている。遊星歯車式減速機12は、サンギヤ21と、このサンギヤ21に噛合される複数のプラネタリギヤ22と、これらのプラネタリギヤ22を支持するプラネタリキャリア23と、プラネタリギヤ22の外周側に噛合されるリングギヤ24とを備えている。サンギヤ21は、車軸10Bの外周側に同軸に配置されたスリーブ25の外周に一体に形成され、このスリーブ25の一端側が電動機2側の円筒軸16に一体回転可能に結合されている。また、プラネタリギヤ22は、サンギヤ21に直接噛合される大径の第1ギヤ26と、この第1ギヤ26よりも小径の第2ギヤ27を有し、これらの第1ギヤ26と第2ギヤ27が同軸にかつ軸方向にオフセットした状態で一体に形成されている。リングギヤ24は、ハウジング11内の第1ギヤ26の軸方向側方位置に回転可能に配置され、その内周面が小径の第2ギヤ27に噛合されている。リングギヤ24は後述する油圧ブレーキ28の回転ドラム29に一体回転可能に保持され、この回転ドラム29を介してハウジング11内に回転可能に支持されている。そして電動機2の駆動力がサンギヤ21から入力されると、減速された駆動力がプラネタリキャリア23を通して出力されるようになっている。
遊星歯車式減速機12の車体中心側(図2の左側)には、差動装置13が配置されている。差動装置13は、内面側に回転可能なピニオン30が突設されたディファレンシャルケース31と、このディファレンシャルケース31内においてピニオン30,30に噛合される一対のサイドギヤ32a,32bを備え、これらの各サイドギヤ32a,32bが左右の車軸10A,10Bに夫々結合されている。ディファレンシャルケース31の外側面には、遊星歯車式減速機12の前述のプラネタリキャリア23が一体に延設されている。なおディファレンシャルケース31は、軸受33を介して、ハウジング11の車体中心側(図2の左側)の端部壁34および中間壁18に支持されている。
差動装置13の外周側には、油圧ブレーキ(油圧式断接手段)28が配置されている。この油圧ブレーキ28では、ハウジング11の内周面にスプライン嵌合された複数の固定プレート35と、回転ドラム29の一端側外周面にスプライン嵌合された複数の回転プレート36とが軸方向に交互に配置され、これらのプレート35,36が環状のピストン37によって圧接及び解除操作されるようになっている。ピストン37は、ハウジング11の端部壁34に形成された環状のシリンダ室38に進退自在に収容されている。そのシリンダ室38への高圧オイルの導入により、ピストン37が前進してプレート35,36が圧接される。また、シリンダ室38からオイルを排出することにより、ピストン37が後退してプレート35,36の圧接が解除される。
一方、ハウジング11の車輪側(図2の右側)の端部壁17の外側には、オイルを供給するためのオイルポンプ40と、このオイルポンプ40を駆動するためのポンプ駆動用電動機41と、油圧ブレーキ28に供給するオイルを蓄圧状態で貯留するアキュムレータ42とが設けられている。これらは、一体ブロック状になってカバー43内に収容され、カバー43とともに端部壁17に固定されている。
オイルポンプ40は、油圧ブレーキ28の駆動や電動機2の冷却、動力伝達装置の潤滑などに使用されるオイルを供給するものである。オイルポンプ40は、外接形ギヤポンプ等で構成され、ポンプ作用を成すギヤ49の対が電動機41の外周側に並列に並んで配置されている。その一方のギヤ49には、歯車伝達機構50を介してポンプ駆動用電動機41の回転が伝達されるようになっている。そのポンプ駆動用電動機41は、環状のロータ44およびステータ45を備えたブラシレスモータ等で構成されている。
またアキュムレータ42は、軸方向に奥行きを持つ円環状の容積室51を備えている。この容積室51内には、環状のピストン52が進退自在に収容され、このピストン52が蓄圧用のスプリング53によって付勢されている。
またアキュムレータ42は、軸方向に奥行きを持つ円環状の容積室51を備えている。この容積室51内には、環状のピストン52が進退自在に収容され、このピストン52が蓄圧用のスプリング53によって付勢されている。
以上のように構成された駆動装置1によって後輪Wr側の車軸10A,10Bを駆動する場合には、オイルポンプ40から油を油圧ブレーキ28に供給し、固定プレート35と回転プレート36とを摩擦係合させることによって、リングギヤ24をハウジング11に固定する。こうしてリングギヤ24が固定されると、サンギヤ21とプラネタリキャリア23の間で駆動力が伝達されるようになる。このとき電動機2の駆動力は、遊星歯車式減速機12の設定減速比に従って減速され、差動装置13を通して車両左右の車軸10A,10Bに伝達される。
また、例えば下り坂等で後輪Wr側の回転速度が電動機2側の回転速度よりも大きくなった場合には、油圧ブレーキ28から油を排出し、固定プレート35と回転プレート36との摩擦係合を解除して、リングギヤ24の制動を開放する。これにより、車輪と電動機2の動力経路を切り離すことが可能になり、車軸10A,10B側の回転力に電動機2のロータ15が連れ回されることがなくなる。したがって、電動機2の過剰回転および車軸フリクションを防止することができる。
(冷却油誘導部材)
図3に示すように、ハウジング11の天井部には、オイルポンプから供給された冷却油を電動機2のコイル14aに供給する冷却油供給口90が設けられている。その冷却油供給口90とコイル14aとの間には、供給された冷却油をコイル14aの外周に誘導する冷却油誘導部材60が設けられている。なお冷却油供給口90および冷却油誘導部材60は、ステータコア14bの軸方向両側に配置されたコイル14aにそれぞれ対応して設けられている。
図3に示すように、ハウジング11の天井部には、オイルポンプから供給された冷却油を電動機2のコイル14aに供給する冷却油供給口90が設けられている。その冷却油供給口90とコイル14aとの間には、供給された冷却油をコイル14aの外周に誘導する冷却油誘導部材60が設けられている。なお冷却油供給口90および冷却油誘導部材60は、ステータコア14bの軸方向両側に配置されたコイル14aにそれぞれ対応して設けられている。
冷却油誘導部材60は、コイル14aの外周を覆うように配置されたカバー部62と、コイル14aの軸方向外側に配置された略円盤状の取付部69とが、樹脂材料等により一体成型されたものである。取付部69の中央部には、冷却油誘導部材60の回動機構70が設けられている。その回動機構70として、取付部69の中央部にベアリングホルダ72が固定され、そのベアリングホルダ72の内周にベアリング71が圧入され、そのベアリング71の内周がハウジング(中間壁18)に固定されている。これにより冷却油誘導部材60は、電動機2と同軸上で回動自在に支持されている。
図4は第1実施形態の冷却油誘導部材の説明図であり、図4(b)は図3のA−A線における断面図である。図4(b)に示すように、ハウジング11内の底部には、冷却油供給口90から供給された冷却油が回収されるようになっている。そのハウジング11の内面は、円弧状に形成されている。また冷却油誘導部材60の下端部は、回収された冷却油(以下「回収冷却油」という。)98の表面と略同じ高さに形成されている。その冷却油誘導部材60には、冷却油誘導部材60を重力方向に対して所定の角度に維持する角度維持手段が設けられている。その角度維持手段として、冷却油誘導部材60の下端部には、冷却油誘導部材60を回収冷却油98の表面に浮いた状態に保持するフロート66が装着されている。このフロート66は、カバー部62と一体成型された樹脂ケースの内部に、冷却油より比重の軽い材料を充填して構成することが可能である。例えば、樹脂ケースの内部を空洞としてもよい。なお樹脂ケースを形成することなく、冷却油より比重の軽い材料をそのまま冷却油誘導部材60に装着してフロート66を構成してもよい。
冷却油誘導部材60のカバー部62の上部には、冷却油貯留部(以下「貯留部」という。)64が形成されている。この貯留部64は、ハウジング11の天井部に形成された冷却油供給口90と対向するように配置され、冷却油溜めとして機能する。コイル14aの周方向(車両前後方向;図4(b)の左右方向)における貯留部64の長さは、車両が通行しうる傾斜路の最大登坂角度(ハウジング11の最大傾斜角度)αに応じて設定されている。すなわち、冷却油誘導部材60の回動軸Pの垂直上方から±αの角度範囲に、貯留部64が形成されている。なお角度αは、例えば10°〜20°程度である。
冷却油誘導部材60のカバー部62と、ハウジング11の内面との間には、貯留部から流出した冷却油が流通しうる程度の隙間が設けられている。この隙間は、例えば3mm程度である。
図4(a)は冷却油誘導部材の平面図である。冷却油誘導部材60のカバー部62には、コイルに冷却油を滴下するための、複数の貫通孔63,65が形成されている。各貫通孔63,65は、コイルの周方向に略等分に配置されている。なお図4(a)に示すように、複数の貫通孔63が千鳥状に2列に配置されていてもよい。また、貯留部64の底面に形成された貫通孔65の直径は、貯留部64以外に形成された貫通孔63の直径より小さくなっている。
図4(a)は冷却油誘導部材の平面図である。冷却油誘導部材60のカバー部62には、コイルに冷却油を滴下するための、複数の貫通孔63,65が形成されている。各貫通孔63,65は、コイルの周方向に略等分に配置されている。なお図4(a)に示すように、複数の貫通孔63が千鳥状に2列に配置されていてもよい。また、貯留部64の底面に形成された貫通孔65の直径は、貯留部64以外に形成された貫通孔63の直径より小さくなっている。
図5(a)は、車両水平時における電動機の冷却作用の説明図である。ハウジング11の底部には回収冷却油98が存在し、その回収冷却油98の表面に浮いた状態で冷却油誘導部材60が保持されているので、冷却油誘導部材60の貯留部64は上端部に位置している。そのため、ハウジング11の冷却油供給口90から供給された冷却油は、冷却油誘導部材60の貯留部64に流入する。その冷却油の一部は、貯留部64に形成された貫通孔からコイル14aに滴下される。ただし、貯留部64に形成された貫通孔の直径は比較的小さいので、貯留部64内の冷却油量は徐々に増加する。貯留部64が満杯になると、冷却油は、車両上方に位置する貯留部64から車両前方および車両後方に向かって均等に流出する。流出した冷却油は、カバー部62の表面に沿ってコイル14aの周方向に誘導され、カバー部62に形成された貫通孔からコイル14aに滴下される。これにより、コイル14aの周方向に対して均等に冷却油を供給することができる。
図5(b)は、車両傾斜時における電動機の冷却作用の説明図である。車両が最大登坂角度αの傾斜路を走行する場合には、ハウジング11が、重力方向(図5(b)の上下方向)に対して角度αだけ傾斜する。これに伴って、回収冷却油98はハウジング11の新たな底部に移動する。ここで、ハウジング11の内面は円弧状に形成されているので、回収冷却油98の表面から冷却油誘導部材の回動軸Pまでの距離は一定に保たれる。そのため、冷却油誘導部材60はフロート66により回収冷却油98の表面に浮いた状態を維持しつつ、回収冷却油98の移動に伴って回動する。したがって、冷却油誘導部材60は重力方向に対して所定の角度に維持され、貯留部64は常に上端部に位置することになる。
ハウジング11の傾斜に伴って、冷却油供給口90も角度αだけ傾斜する。ところが、冷却油誘導部材60の貯留部64は、回動軸Pの垂直上方から±αの角度範囲に形成されているので、角度αだけ傾斜した冷却油供給口90に対向して配置される。これにより、冷却油供給口90から供給された冷却油は、車両水平時と同様に冷却油誘導部材60の貯留部64に流入する。そして貯留部64が満杯になると、冷却油は、車両水平時と同様に車両上方に位置する貯留部64から車両前方および車両後方に向かって均等に流出する。流出した冷却油は、カバー部62の表面に沿ってコイル14aの周方向に誘導され、カバー部62に形成された貫通孔からコイル14aに滴下される。したがって、車両傾斜時においても、車両水平時と同様に、コイル14aの周方向に対して均等に冷却油を供給することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
図6は第2実施形態の冷却油誘導部材の説明図であり、図6(a)は冷却油誘導部材の平面図であり、図6(b)は図3のA−A線に相当する部分における断面図である。図6(b)に示すように、第2実施形態の冷却油誘導部材80では、コイル14aの上半部を覆うようにカバー部82および取付部89が一体成型されている。カバー部82の上部には、第1実施形態と同様の貯留部84が形成されている。この貯留部84は、冷却油誘導部材80の回動軸Pの垂直上方から±αの角度範囲に形成されている。また図6(a)に示すように、カバー部82には、第1実施形態と同様の複数の貫通孔83,85が形成されている。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
図6は第2実施形態の冷却油誘導部材の説明図であり、図6(a)は冷却油誘導部材の平面図であり、図6(b)は図3のA−A線に相当する部分における断面図である。図6(b)に示すように、第2実施形態の冷却油誘導部材80では、コイル14aの上半部を覆うようにカバー部82および取付部89が一体成型されている。カバー部82の上部には、第1実施形態と同様の貯留部84が形成されている。この貯留部84は、冷却油誘導部材80の回動軸Pの垂直上方から±αの角度範囲に形成されている。また図6(a)に示すように、カバー部82には、第1実施形態と同様の複数の貫通孔83,85が形成されている。
図6(b)に戻り、取付部89の中央部には、第1実施形態と同様の回動機構70が設けられている。これにより冷却油誘導部材80は、電動機と同軸上で回動自在に支持されている。第2実施形態では、冷却油誘導部材80を重力方向に対して所定の角度に維持する角度維持手段として、取付部89の下端部に錘86が装着されている。この錘86の重さは、冷却油誘導部材80の下半部の重さが、上半部の重さ(貯留部84が冷却油で満杯になった状態における上半部の重さ)より重くなるように設定されている。
なお第2実施形態では、ハウジング11の内面が第1実施形態のような円弧状に形成されていない。
なお第2実施形態では、ハウジング11の内面が第1実施形態のような円弧状に形成されていない。
図7(a)は、車両水平時における電動機の冷却作用の説明図である。冷却油誘導部材80は回動自在に支持され、その下端部には錘86が装着されているので、貯留部84は上端部に位置している。冷却油供給口90から冷却油が供給され、貯留部84が満杯になると、冷却油は、車両上方に位置する貯留部84から車両前方および車両後方に向かって均等に流出する。流出した冷却油は、カバー部82の表面に沿ってコイル14aの周方向に誘導され、カバー部82に形成された貫通孔からコイル14aに滴下される。以上により、コイル14aの周方向に対して均等に冷却油を供給することができる。
図7(b)は、車両傾斜時における電動機の冷却作用の説明図である。車両が最大登坂角度αの傾斜路を走行する場合には、ハウジング11が重力方向(図7(b)の上下方向)に対して角度αだけ傾斜する。これに伴って、回収冷却油98は、傾斜したハウジング11の新たな底部に移動する。なお第2実施形態では、ハウジング11の内面が円弧状に形成されていないので、回収冷却油98の表面と冷却油誘導部材80の回動軸Pとの距離は変化する。しかしながら、冷却油誘導部材80は回動自在に支持され、その下端部には錘86が装着されているので、貯留部84は常に上端部に位置することになる。
ハウジング11の傾斜に伴って、冷却油供給口90も角度αだけ傾斜する。ところが、冷却油誘導部材80の貯留部84は、回動軸Pの垂直上方から±αの角度範囲に形成されているので、角度αだけ傾斜した冷却油供給口90に対向して配置される。これにより、冷却油供給口90から供給された冷却油は、車両水平時と同様に冷却油誘導部材80の貯留部84に流入する。そして貯留部84が満杯になると、冷却油は、車両水平時と同様に車両上方に位置する貯留部84から車両前方および車両後方に向かって均等に流出する。流出した冷却油は、カバー部82の表面に沿ってコイル14aの周方向に誘導され、カバー部82に形成された貫通孔からコイル14aに滴下される。したがって、車両傾斜時においても、車両水平時と同様に、コイル14aの周方向に対して均等に冷却油を供給することができる。
なお、この発明は上述した実施形態に限られるものではない。
例えば、実施形態では駆動装置の電動機に本発明の冷却構造を適用したが、それ以外の電動機に本発明を適用することも可能である。また冷却油として、コイルを冷却可能ないかなる冷媒を採用することも可能である。
例えば、実施形態では駆動装置の電動機に本発明の冷却構造を適用したが、それ以外の電動機に本発明を適用することも可能である。また冷却油として、コイルを冷却可能ないかなる冷媒を採用することも可能である。
2…電動機 11…ハウジング 14…ステータ 14a…コイル 15…ロータ 15a…永久磁石 60…冷却油誘導部材 64…冷却油貯留部 66…フロート(角度維持手段) 70…回動機構 80…冷却油誘導部材 84…冷却油貯留部 86…錘(角度維持手段) 90…冷却油供給口
Claims (4)
- コイルを巻き回したステータと、永久磁石を備えたロータとで構成される電動機の冷却構造であって、
前記電動機を収納するハウジングと、前記ハウジングの上部に形成された冷却油供給口と、前記冷却油供給口から供給される冷却油を前記コイルに誘導する冷却油誘導部材と、
前記冷却油誘導部材の上部に形成された冷却油貯留部と、前記冷却油誘導部材を前記電動機と同軸上で回動自在に支持する回動機構と、前記冷却油誘導部材を重力方向に対して所定の角度に維持する角度維持手段と、
を備えることを特徴とする電動機の冷却構造。 - 前記冷却油が回収される前記ハウジングの内面は、円弧状に形成され、
前記角度維持手段は、前記冷却油誘導部材の下部にフロートを配置して構成されることを特徴とする請求項1に記載の電動機の冷却構造。 - 前記角度維持手段は、前記冷却油誘導部材の下部に錘を配置して構成されることを特徴とする請求項1に記載の電動機の冷却構造。
- 前記冷却油誘導部材は、前記コイルの外周を覆うように形成され、
前記コイルの周方向における前記冷却油貯留部の幅は、前記ハウジングの最大傾斜角度に応じて設定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動機の冷却構造。
Priority Applications (1)
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JP2006201984A JP2008029170A (ja) | 2006-07-25 | 2006-07-25 | 電動機の冷却構造 |
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JP2018057241A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 本田技研工業株式会社 | 車両用モータユニット |
JP2018057242A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 本田技研工業株式会社 | 車両用モータユニット |
US11705781B2 (en) | 2021-07-16 | 2023-07-18 | GM Global Technology Operations LLC | System and method of active end-turn cooling for an interior permanent magnet motor |
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2006
- 2006-07-25 JP JP2006201984A patent/JP2008029170A/ja not_active Withdrawn
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