JP2018056481A - アライメント装置およびアライメント方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの対象物をさらに精度良く位置合わせすることが可能な技術を提供する。
【解決手段】両対象物の非接触対向状態にて水平方向の位置ずれを補正する位置合わせ動作(S11〜S13)の実行後、両対象物が鉛直方向に相対移動して両対象物が接触し(S21)、接触状態にて両対象物の位置ずれ(第2の位置ずれ)が測定される(S22)。第2の位置ずれが許容範囲外であるときには、両対象物の接触状態が一旦解除される(S24)。両対象物の接触に伴って発生する位置ずれである接触起因ずれが、第2の位置ずれに基づき推定され(S25)、両対象物の接触解除状態にて両対象物の相対的位置関係(第3の位置ずれ)が測定される(S27)。目標状態(接触起因ずれの逆向きのずれの発生状態)とのずれが許容範囲外である(S28)場合、目標状態を達成するように第3の位置ずれが調整(S26)された後、両対象物の再接触動作が行われる(S21)。
【選択図】図11

Description

本発明は、2つの対象物の位置合わせを行うアライメント装置およびアライメント方法に関する。
2つの対象物の位置合わせを行う技術が存在する。たとえば、特許文献1においては、ヘッドに保持された部品とステージに保持された基板とを位置合わせをした上で接合し、当該部品を当該基板に実装する実装装置(接合装置)が記載されている。
このような装置においては、まず非接触状態で2つの被接合物の位置(詳細には水平位置)が検出される。そして、両被接合物の水平位置の検出結果に基づいて、当該両被接合物の水平方向における相対的な位置ずれを解消するように位置合わせ(アライメント)が行われ、その後に両被接合物が接近しさらには接触して当該両被接合物が接合される。
しかしながら、上記のような技術においては、非接触状態の両被接合物が接触する際において、種々の要因によって位置ずれが発生するなどの問題がある。たとえば、両被接合物が互いに接触する際に、ウエハの反り、ヘッドとステージとの相互間の傾き、および/または物理的な衝撃力等に起因して、両被接合物の水平位置が僅かながらずれてしまうことがある。
近年、加工技術の微細化が進展していることもあり、このような位置ずれが許容されない状況も出現しつつある。
これに対して、特許文献2では、次のような技術が提案されている。具体的には、第1の被接合物と第2の接合物との両被接合物が非接触で対向する状態において当該両被接合物のアライメント(第1のアライメントとも称する)が行われた後に、当該両被接合物が接触させられ、当該接触状態での両被接合物の位置ずれ(第2の位置ずれとも称する)(たとえば、右向きのずれ)が測定される。そして、当該両被接合物の接触状態が一旦解除された後に、当該第2の位置ずれを解消するように両被接合物が移動され、当該両被接合物が再び接触される。
より詳細には、当該両被接合物の接触状態が一旦解除された時点では、接触に起因して発生していた位置ずれが接触解除動作によって自然に一旦解消され、理想的には第1のアライメントの直後の状態(たとえば、ずれ量がゼロの状態)に戻る。そして、この状態から第2の位置ずれを解消するように両被接合物が相対的に移動された直後においては、例えば、両アライメントマークが合致しておらず寧ろ第2の位置ずれとは逆向きのずれ(たとえば左向きのずれ)が生じている状態に遷移する。そして、その後に両被接合物が再び接触すると、この再接触に起因するずれ(第2の位置ずれと同様のずれ)(たとえば右向きのずれ)が再び生じる。第2の位置ずれとは逆向きのずれ(たとえば左向きのずれ)が生じている状態において、第2の位置ずれと同様のずれ(たとえば右向きのずれ)が生じることによって、結果的に再接触状態において両被接合物の位置ずれをゼロに近づけること(両アライメントマークを(理想的には)丁度合致させること等)が可能である。
このような技術(後に詳述)によれば、接触に起因する位置ずれをより良好に補正することが可能である。
特開2008−85322号公報 特開2011−66287号公報
しかしながら、本願発明者は、各種の事情に起因して、上述の技術のみでは、両対象物(両被接合物)が互いに接触する際に生じるずれを必ずしも十分には低減できないことがある、ことを解明した。
当該事情としては、次のようなものが挙げられる。
たとえば、両被接合物の接触を一旦解除する際(換言すれば、両被接合物を引き剥がす際)に、接触解除に伴う衝撃等によって、被接合物を保持する保持部材(吸着部材)と当該被接合物とが互いにずれてしまい、保持部材と被接合物との間の位置関係がずれてしまうことがある、との事情が存在する。なお、その他の事情については後述する。
そこで、この発明の課題は、2つの対象物をさらに精度良く位置合わせすることが可能なアライメント技術を提供することにある。
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント方法であって、a)前記第1の対象物と前記第2の対象物とが非接触で対向する状態において、前記両対象物の位置ずれであって所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第1の位置ずれを測定するとともに、前記第1の位置ずれを補正して前記両対象物の位置合わせを行うステップと、b)前記ステップa)の後に、前記第1の対象物と前記第2の対象物とを前記所定方向において相対的に移動し前記第1の対象物と前記第2の対象物とを接触させるステップと、c)前記第1の対象物と前記第2の対象物との接触状態において、前記両対象物の位置ずれであって前記所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第2の位置ずれを測定するステップと、d)前記第2の位置ずれの測定動作の後に、前記両対象物を前記所定方向において相対的に移動して前記両対象物の接触状態を一旦解除するステップと、e)前記両対象物の接触に伴って発生する位置ずれである接触起因ずれを、前記第2の位置ずれに基づいて推定するステップと、f)前記両対象物の接触解除状態において、前記両対象物の相対的位置関係であって前記所定方向に垂直な平面内における相対的位置関係である第3の位置ずれを測定するステップと、g)前記接触起因ずれの逆向きの位置ずれが発生する状態を目標状態として設定し、前記両対象物の接触解除状態において、前記所定方向に垂直な平面内にて前記両対象物を相対的に移動して、前記目標状態を達成するように前記第3の位置ずれを調整するステップと、h)前記ステップg)の後に、前記両対象物を再び接触させる再接触動作を行うステップと、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明に係るアライメント方法において、前記ステップf)は、f−1)前記第1の対象物に付された第1のマークと前記第2の対象物に付された第2のマークとを読み取るステップと、f−2)前記第1のマークと前記第2のマークとの両マークを用いて測定された前記両マークの相互間の位置ずれに基づき、前記第3の位置ずれを測定するステップと、を有することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の発明に係るアライメント方法において、前記ステップf−1)においては、前記第1の対象物に付された前記第1のマークと前記第2の対象物に付された前記第2のマークとの前記両マークを含む撮影画像が取得され、前記ステップf−2)においては、前記撮影画像に基づいて前記両マークの位置ずれが測定されることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2の発明に係るアライメント方法において、前記ステップf−1)は、f−1−1)前記第1の対象物に付された前記第1のマークを読み取るステップと、f−1−2)前記ステップf−1−1)とは異なるタイミングで、前記第2の対象物に付された前記第2のマークを読み取るステップと、を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1の発明に係るアライメント方法において、前記ステップf)は、f−1)前記第1の対象物に付された第1のマークと前記第2の対象物に付された第2のマークとの両マークのうちの一方のマークのみを読み取るステップと、f−2)前記両マークのうちの他方のマークについて前記ステップf)よりも前に測定された位置と、前記ステップf−1)にて読み取られた前記一方のマークを用いて測定された位置とに基づき前記両マークの相対位置関係を取得するステップと、を有することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかの発明に係るアライメント方法において、前記ステップa)においては、前記第1の位置ずれが第1の許容範囲内に収まるまで前記両対象物の位置合わせが行われるとともに、前記第1の許容範囲内の残存ずれが求められ、前記ステップe)においては、前記ステップb)にて残存していたずれである前記残存ずれにも基づいて、前記接触起因ずれが推定されることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係るアライメント方法において、前記ステップh)の後に再びステップc)が実行され、前記ステップc)にて前記第2の位置ずれが第2の許容範囲内に収まる旨が判定されるまで、前記ステップd)〜h)およびステップc)がこの順序で繰り返し実行されることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7の発明に係るアライメント方法において、前記ステップe)においては、当該ステップe)の直前の前記ステップg)にて最終的に検出された前記両対象物の非接触状態での位置ずれと、当該ステップe)の直前の前記ステップc)で求められた前記第2の位置ずれとに基づいて、前記接触起因ずれが推定されることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1から請求項8のいずれかの発明に係るアライメント方法において、前記ステップe)においては、前記接触起因ずれに関する過去の複数の推定結果にも基づいて、前記接触起因ずれが推定されることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1から請求項9のいずれかの発明に係るアライメント方法において、前記目標状態とのずれが第3の許容範囲内に収まるまで、前記ステップf)における前記第3の位置ずれの測定動作と前記ステップg)における前記両対象物の相対的移動動作とが繰り返して行われることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1から請求項10のいずれかの発明に係るアライメント方法において、前記第1および第2の対象物は、それぞれ基板であり、前記ステップb)においては、少なくとも一方の対象物を撓ませて前記両対象物が部分的に接触する状態で前記両対象物の接触が開始されることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11の発明に係るアライメント方法において、前記ステップf)においては、前記両対象物の接触が解除された状態、且つ、前記少なくとも一方の対象物の撓みが戻され前記少なくとも一方の対象物が平坦である状態において、前記第3の位置ずれが測定されることを特徴とする。
請求項13の発明は、第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント装置であって、前記第1の対象物と前記第2の対象物とが非接触で対向した状態において、前記両対象物の位置ずれであって所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第1の位置ずれを測定する測定手段と、前記第1の位置ずれを補正して前記両対象物の位置合わせを行うアライメント手段と、前記第1の位置ずれの補正後において、前記第1の対象物と前記第2の対象物とを前記所定方向において相対的に移動して、前記第1の対象物と前記第2の対象物とを接触させる相対移動手段と、を備え、前記測定手段は、前記相対移動手段による相対移動動作により前記第1の対象物と前記第2の対象物とが接触した状態において、前記両対象物の位置ずれであって前記所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第2の位置ずれを測定し、前記相対移動手段は、前記第2の位置ずれの測定動作の後に、前記両対象物を前記所定方向において相対的に移動して前記両対象物の接触状態を一旦解除し、前記アライメント手段は、前記両対象物の接触に伴って発生する位置ずれである接触起因ずれを前記第2の位置ずれに基づいて推定し、前記測定手段は、前記両対象物の接触解除状態において、前記両対象物の相対的位置関係であって前記所定方向に垂直な平面内における相対的位置関係である第3の位置ずれを測定し、前記アライメント手段は、前記接触起因ずれの逆向きの位置ずれが発生する状態を目標状態として設定し、前記両対象物の接触解除状態において、前記所定方向に垂直な平面内にて前記両対象物を相対的に移動して、前記目標状態を達成するように前記第3の位置ずれを調整し、前記相対移動手段は、前記両対象物の前記接触状態が一旦解除され且つ前記両対象物が相対的に移動された後において、前記両対象物を再び接触させる再接触動作を行うことを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項13の発明に係るアライメント装置において、前記測定手段は、前記第3の位置ずれを測定するに際して、前記第1の対象物に付された第1のマークと前記第2の対象物に付された第2のマークとの両マークを読み取るとともに、前記第1のマークと前記第2のマークとの両マークを用いて測定された前記両マークの相互間の位置ずれに基づき前記第3の位置ずれを測定することを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14の発明に係るアライメント装置において、前記測定手段は、前記第3の位置ずれを測定するに際して、前記第1の対象物に付された前記第1のマークと前記第2の対象物に付された前記第2のマークとの前記両マークを含む撮影画像を取得するととともに、前記撮影画像に基づいて前記両マークの位置ずれを測定することを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項14の発明に係るアライメント装置において、前記測定手段は、前記第3の位置ずれを測定するに際して、前記第1の対象物に付された前記第1のマークを読み取るとともに、前記第1のマークの読み取りタイミングとは異なるタイミングで、前記第2の対象物に付された前記第2のマークを読み取ることを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項13の発明に係るアライメント装置において、前記測定手段は、前記第3の位置ずれを測定するに際して、前記第1の対象物に付された第1のマークと前記第2の対象物に付された第2のマークとの両マークのうちの一方のマークのみを読み取るとともに、読み取った前記一方のマークを用いて測定された位置と、前記両マークのうちの他方のマークについて前記第3の位置ずれの測定時点よりも前に測定された位置とに基づき前記両マークの相対位置関係を取得することを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項13から請求項17のいずれかの発明に係るアライメント装置において、前記アライメント手段は、前記第1の位置ずれが第1の許容範囲内に収まるまで前記両対象物の位置合わせを行い、前記測定手段は、当該位置合わせの後に未だ残存している前記第1の許容範囲内の残存ずれを求め、前記アライメント手段は、前記残存ずれにも基づいて前記接触起因ずれを推定することを特徴とする。
請求項19の発明は、請求項13から請求項18のいずれかの発明に係るアライメント装置において、前記第2の位置ずれが第2の許容範囲内に収まるまで、前記両対象物の接触状態を一旦解除する接触解除動作と、前記接触起因ずれの推定動作と、前記第3の位置ずれの測定動作と、前記目標状態を達成するように前記第3の位置ずれを調整する調整動作と、前記両対象物を再び接触させる前記再接触動作と、前記第2の位置ずれの測定動作と、が繰り返し実行されることを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項19の発明に係るアライメント装置において、前記アライメント手段は、前記再接触動作の直前の前記第3の位置ずれの調整動作にて最終的に検出された前記両対象物の非接触状態での位置ずれと、前記再接触動作の直後の前記第2の位置ずれの測定動作で求められた前記第2の位置ずれとに基づいて、前記接触起因ずれを推定することを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項13から請求項20のいずれかの発明に係るアライメント装置において、前記アライメント手段は、前記接触起因ずれに関する過去の複数の推定結果にも基づいて、前記接触起因ずれを推定することを特徴とする。
請求項22の発明は、請求項13から請求項21のいずれかの発明に係るアライメント装置において、前記目標状態とのずれが第3の許容範囲内に収まるまで、前記第3の位置ずれの測定動作と前記目標状態を達成するように前記第3の位置ずれを調整する調整動作とが繰り返して実行されることを特徴とする。
請求項23の発明は、請求項13から請求項22のいずれかの発明に係るアライメント装置において、前記第1および第2の対象物は、それぞれ基板であり、前記相対移動手段は、少なくとも一方の対象物を撓ませて前記両対象物が部分的に接触する状態から前記両対象物の接触を開始させることを特徴とする。
請求項24の発明は、請求項23の発明に係るアライメント装置において、前記測定手段は、前記両対象物の接触が解除された状態、且つ、前記少なくとも一方の対象物の撓みが戻され前記少なくとも一方の対象物が平坦である状態において、前記第3の位置ずれを測定することを特徴とする。
請求項25の発明は、第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント方法であって、a)前記第1の対象物と前記第2の対象物とが非接触で対向する状態において、前記両対象物の位置ずれであって所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第1の位置ずれを測定するとともに、前記第1の位置ずれを補正して前記両対象物の位置合わせを行うステップと、b)前記ステップa)の後に、前記第1の対象物と前記第2の対象物とを前記所定方向において相対的に移動し、前記両対象物が互いに接触し且つ前記両対象物の相互間に一定値以上の圧力が加えられた状態である高圧接触状態を形成するステップと、c)前記第1の対象物と前記第2の対象物との高圧接触状態において、前記両対象物の位置ずれであって前記所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第2の位置ずれを測定するステップと、d)前記第2の位置ずれの測定動作の後に、前記両対象物を前記所定方向において相対的に移動して、前記両対象物を前記高圧接触状態から、前記両対象物の相互間に前記一定値よりも小さな圧力が加えられて前記両対象物が接触する状態である低圧接触状態へと遷移させるステップと、e)前記両対象物に関する高圧接触状態の形成に伴って発生する位置ずれである高圧接触起因ずれを、前記第2の位置ずれに基づいて推定するステップと、f)前記両対象物の低圧接触状態において、前記両対象物の相対的位置関係であって前記所定方向に垂直な平面内における相対的位置関係である第3の位置ずれを測定するステップと、g)前記高圧接触起因ずれの逆向きの位置ずれが発生する状態を目標状態として設定し、前記両対象物の低圧接触状態において、前記所定方向に垂直な平面内にて前記両対象物を相対的に移動して、前記目標状態を達成するように前記第3の位置ずれを調整するステップと、h)前記ステップg)の後に、前記両対象物を再び前記高圧接触状態に遷移させる再加圧動作を行うステップと、を備えることを特徴とする。
請求項26の発明は、第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント装置であって、前記第1の対象物と前記第2の対象物とが非接触で対向した状態において、前記両対象物の位置ずれであって所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第1の位置ずれを測定する測定手段と、前記第1の位置ずれを補正して前記両対象物の位置合わせを行うアライメント手段と、前記第1の位置ずれの補正後において、前記第1の対象物と前記第2の対象物とを前記所定方向において相対的に移動し、前記両対象物が互いに接触し且つ前記両対象物の相互間に一定値以上の圧力が加えられた状態である高圧接触状態を形成する相対移動手段と、を備え、前記測定手段は、前記相対移動手段による相対移動動作により前記第1の対象物と前記第2の対象物との前記高圧接触状態が形成されている状態において、前記両対象物の位置ずれであって前記所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第2の位置ずれを測定し、前記相対移動手段は、前記第2の位置ずれの測定動作の後に、前記両対象物を前記所定方向において相対的に移動して、前記両対象物を前記高圧接触状態から、前記両対象物の相互間に前記一定値よりも小さな圧力が加えられて前記両対象物が接触する状態である低圧接触状態へと遷移させ、前記アライメント手段は、前記両対象物に関する高圧接触状態の形成に伴って発生する位置ずれである高圧接触起因ずれを、前記第2の位置ずれに基づいて推定し、前記測定手段は、前記両対象物の低圧接触状態において、前記両対象物の相対的位置関係であって前記所定方向に垂直な平面内における相対的位置関係である第3の位置ずれを測定し、前記アライメント手段は、前記高圧接触起因ずれの逆向きの位置ずれが発生する状態を目標状態として設定し、前記両対象物の低圧接触状態において、前記所定方向に垂直な平面内にて前記両対象物を相対的に移動して、前記目標状態を達成するように前記第3の位置ずれを調整し、前記相対移動手段は、前記第3の位置ずれが調整された後において、前記両対象物を再び前記高圧接触状態に遷移させる再加圧動作を行うことを特徴とする。
請求項1〜請求項26に記載の発明によれば、2つの対象物をさらに精度良く位置合わせすることが可能である。
接合装置の内部構造を示す側面図である。 接合装置の内部構造を示す側面図である。 ステージおよびヘッド付近を示す概略斜視図である。 一方の被接合物に付される2つのアライメントマークを示す図である。 他方の被接合物に付される2つのアライメントマークを示す図である。 両被接合物に関する撮影画像を示す図である。 1組のマークが互いにずれている状態を示す図である。 2組のマークの位置ずれを示す上面図である。 ずれΔθの算出を説明する図である。 ずれΔθの算出を説明する図である。 本実施形態に係るアライメント装置の動作を示すフローチャートである。 両対象物が水平方向にて正しく位置決めされた状態(非接触状態)を示す図である。 両対象物が水平方向にて正しく位置決めされた状態(接触状態)を示す図である。 正しい位置関係からずれている状態(接触状態)を示す図である。 第1のアライメント動作の直後(非接触状態)の様子を示す図である(第1の動作例)。 両対象物の接触状態(第2の位置ずれを有する状態)を示す図である。 接触解除状態(図15と同じ状態に戻った理想状態)を示す図である。 非接触状態にて接触起因ずれを解消するための移動動作を示す図である。 再接触直後の状態(理想状態)を示す図である。 再接触直後の状態(ずれαが存在する状態)を示す図である。 接触解除状態(ずれが存在する状態)を示す図である。 非接触状態にて接触起因ずれを解消するための移動動作を示す図である。 第1のアライメント動作の直後(非接触状態)にて残存ずれが存在する様子を示す図である(第2の動作例)。 両対象物の接触状態(第2の位置ずれを有する状態)を示す図である。 接触解除状態(図23と同じ状態に戻った理想状態)を示す図である。 非接触状態にて接触起因ずれを解消するための移動動作を示す図である。 再接触直後の状態(理想状態)を示す図である。 再接触直後の状態(ずれαが存在する状態)を示す図である。 非接触対向状態を有する両対象物を示す図である(第2実施形態)。 非接触対向状態にて上側対象物が撓まされた様子を示す図である 上側対象物が撓まされて接触が開始された様子を示す図である 上側対象物が平坦な状態で両対象物が接触している様子を示す図である。 真空吸着方式の保持機構を示す図である。 変形例に係るヘッド等を示す図である。 基板とモールドとの位置合わせ(ナノインプリント処理)を示す図である(非接触対向状態)。 基板とモールドとの位置合わせを示す図である(接触対向状態)。 基板とモールドとの位置合わせ(ナノインプリント処理)によって、モールドを用いて成形されたレンズが基板上の所定位置に配置される様子を示す図である。 ナノインプリント処理に関する別の変形例に係る動作を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.装置構成>
図1は、本発明の実施形態に係るアライメント装置1(1Aとも称する)の内部構造を示す図である。なお、以下、各図においては、便宜上、XYZ直交座標系を用いて方向等を示している。
アライメント装置1は、減圧下のチャンバ(真空チャンバ)2内で、被接合物(ここでは基板)91と被接合物(ここでは基板)92とを対向させて加圧および加熱し、両被接合物91,92を接合する装置である。このアライメント装置1は、ヘッド22に保持された基板92とステージ12に保持された基板91とを接合する接合装置であるとも表現される。なお、ここでは基板91,92として、半導体基板を例示するが、これに限定されず、ガラス基板などが用いられてもよい。また、両被接合物91,92は、それぞれ、(アライメント動作の)対象物などとも表現される。
ここでは、図12および図13にも示すように、基板(対象物)91と基板(対象物)92とを接合する状況を想定する。より詳細には、基板91のパッド(電極)93と基板92に形成されているチップ(部品)の金属バンプ(電極)94とが接合されることによって、両基板91,92が接合される。金属バンプ94としては、適宜のハンダ材料で形成される所謂ハンダバンプを用いることが可能である。また、金属バンプ94は、これに限定されず、Au(金)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等の各種の金属材料を用いて形成されるものであってもよい。なお、図12等においては、図示の都合上、パッド93および金属バンプ94が誇張して示されている。
また、両対象物91,92(パッド93および金属バンプ94)の接合表面には、表面活性化処理が予め施されている。ここでは、接合装置1の外部の装置において、両対象物91,92に対する表面活性化処理が予め施され、その後、当該両対象物91,92が接合装置1に搬入されるものとする。
表面活性化処理は、両対象物91,92の接合表面を活性化する処理であり、ビーム照射部を用いて特定物質(例えばアルゴン)を放出することにより実行される。当該ビーム照射部は、イオン化された特定物質(アルゴン等)を電界で加速し両対象物91,92の接合表面に向けて当該特定物質を放出することにより、両対象物91,92の接合表面を活性化する。換言すれば、ビーム照射部は、両対象物91,92の接合表面に向けてエネルギー波を照射することによって、両対象物91,92の接合表面を活性化する。ビーム照射部としては、原子ビーム照射装置およびイオンビーム照射装置等が用いられる。
この接合装置1は、両対象物91,92の処理空間である真空チャンバ2を備える。真空チャンバ2は、排気管6と排気弁7とを介して真空ポンプ5に接続されている。真空ポンプ5の吸引動作に応じて真空チャンバ2内の圧力が低減(減圧)されることによって、真空チャンバ2は真空状態にされる。また、排気弁7は、その開閉動作と排気流量の調整動作とによって、真空チャンバ2内の真空度を調整することができる。
上側の対象物92は、ヘッド22(より詳細にはその先端部に設けられた静電チャックあるいは機械式チャック等)によって保持される。同様に、下側の対象物91は、当該ステージ12(より詳細にはその先端部に設けられた静電チャックあるいは機械式チャック等)によって保持される。
ヘッド22は、当該ヘッド22に内蔵されたヒータ22hによって加熱され、ヘッド22に保持された対象物92の温度を調整することができる。同様に、ステージ12は、当該ステージ12に内蔵されたヒータ12hによって加熱され、ステージ12上の対象物91の温度を調整することができる。また、ヘッド22は、当該ヘッド22に内蔵された空冷式の冷却装置等によって当該ヘッド22自身を室温付近にまで急速に冷却することもできる。ステージ12も同様である。ヒータ12h,22h(特に22h)は、金属バンプ94を溶融させる加熱手段(溶融手段)等として機能するとともに、金属バンプ94を冷却して再び固化させる冷却手段(固化手段)等としても機能する。すなわち、ヒータ12h,22h(特に22h)は、金属バンプ94を加熱または冷却する加熱冷却手段として機能する。
これらのヘッド22およびステージ12は、いずれも、真空チャンバ2内において、移動可能に設置されている。
ステージ12は、スライド移動機構14によってY方向に移動(並進移動)可能である。ステージ12は、比較的奥側の待機位置と比較的手前側の接合位置(ヘッド22直下の位置(図1参照))との間でY方向において移動する。スライド移動機構14は高精度の位置検出器(リニアスケール)を有しており、ステージ12は高精度に位置決めされる。
ヘッド22は、アライメントテーブル23によってX方向およびY方向(水平平面に平行な2つの並進方向)に移動(並進移動)されるとともに、回転駆動機構25によってθ方向(Z軸に平行な軸周りの回転方向)に回転される。ヘッド22は、後述する位置認識部28による位置検出結果等に基づいてアライメントテーブル23および回転駆動機構25によって駆動され、X方向、Y方向、θ方向におけるアライメント動作が実行される。このように、鉛直方向(Z方向)に垂直な平面(水平平面)に沿った各方向(X方向、Y方向、θ方向)(端的に言えば水平方向)において、ステージ12とヘッド22とが相対的に移動することによって、ステージ12に保持された対象物91とヘッド22に保持された対象物92とが水平方向においてアライメントされる。
また、ヘッド22は、Z軸昇降駆動機構26によってZ方向に移動(昇降)される。ステージ12とヘッド22とがZ方向に相対的に移動することによって、ステージ12に保持された対象物91とヘッド22に保持された対象物92とが接触し加圧されて接合される。なお、Z軸昇降駆動機構26は、複数の圧力検出センサ(ロードセル等)29,32により検出された信号に基づいて、接合時の加圧力を制御することも可能である。
また、接合装置1は、コントローラ100をさらに備えている。
コントローラ100は、アライメント動作および接合動作を制御する制御部である。
コントローラ100(図1)は、画像取得制御部101と、算出部102と、判定部103と、位置補正制御部104とを備える。
画像取得制御部101は、撮像部28M,28N等で構成される画像取得部(測定部)を制御する。当該画像取得部は、対向する2つの対象物の表面にそれぞれ配置された両アライメントマークの重なり画像(重畳画像)GA等を取得する。
算出部102は、画像取得制御部101の制御下で取得された撮影画像等に基づいて、所定平面内における両対象物91,92相互間の位置ずれ等を算出する。
判定部103は、両対象物91,92の相互間の所定平面内における位置ずれが許容誤差範囲内に収まっているか否か等を判定する。
位置補正制御部104は、アライメントテーブル23を駆動する駆動機構と回転駆動機構25とを備えて構成される位置補正部を制御し、両対象物91,92を相対的に駆動して位置ずれ等を補正する。
<1−2.アライメントマーク>
図2および図3に示すように、両対象物91,92には、それぞれ、位置合わせ用のマーク(以下、アライメントマークなどとも称する)MKが付されている。ここでは、一方の対象物91に2つのアライメントマークMK1a,MK1b(図2参照)が設けられ、他方の対象物92にも2つのアライメントマークMK2a,MK2b(図3参照)が設けられる。
対象物91に設けられた2つのアライメントマークMK1a,MK1b(MK1とも総称する)は、それぞれ、正方形の枠形状を有するパターンマークである(図4も参照)。一方、対象物92に設けられた2つのアライメントマークMK2a,MK2b(MK2とも総称する)は、十字形状を有するパターンマークである(図5も参照)。
アライメントマークMK1は、下側の対象物91の接合表面に配置されており、 アライメントマークMK2は、上側の対象物92の接合表面に配置されている。例えば、アライメントマークMK1の大きさ(長さ)H1とアライメントマークMK1の大きさ(長さ)H2とは、それぞれ、約数百μm(マイクロメートル)である。また、値H1は、値H2よりも若干大きい(たとえば、1〜2倍程度)。
図2に示すように、2つのアライメントマークMK1a,MK1bは、当該2つのマークMK1a,MK1b間距離が比較的大きくなるように、基板91上にて互いに大きく離れて配置される。より詳細には、基板91の両端付近において、これらのアライメントマークMK1a,MK1bが配置される。たとえば、300mm(ミリメートル)の直径を有する基板91において、アライメントマークMK1aが基板91の左端付近(たとえば、左端から中心側へ5mm(ミリメートル)の位置)に配置され、他方のアライメントマークMK1bが基板91の右端付近(たとえば、右端から中心側へ5mm(ミリメートル)の位置)に配置される。なお、2つのマークMK1a,MK1b間距離を大きくすることによれば、特に回転方向の位置ずれの検出精度および位置合わせ精度を向上させることが可能である。
図3に示すように、2つのアライメントマークMK2a,MK2bも同様に配置される。具体的には、2つのアライメントマークMK2a,MK2bは、基板92上にて互いに大きく離れて配置される。たとえば、300mm(ミリメートル)の直径を有する基板92において、アライメントマークMK2aが基板92の左端付近(たとえば、左端から中心側へ5mm(ミリメートル)の位置)に配置され、他方のアライメントマークMK2bが基板92の右端付近(たとえば、右端から中心側へ5mm(ミリメートル)の位置)に配置される。
図6に示すように、両対象物91,92が上下に対向配置された状態(対向配置状態)(図12も参照)において、対象物92のアライメントマークMK2aは、対象物91のアライメントマークMK1aの近傍領域に配置される。同様に、当該対向配置状態において、対象物92のアライメントマークMK2bは、対象物91のアライメントマークMK1bの近傍領域に配置される。
なお、両対象物91,92が正しく位置決めされている場合には、図6に示すように、アライメントマークMK2の十字形状部分が、アライメントマークMK1の正方形の枠形状部分の内側に内包される。より好適には、当該十字形状部分の中心位置と当該枠形状部分の中心位置とが丁度一致する。
<1−3.位置認識部>
接合装置1は、対象物91,92の水平位置(詳細にはX,Y,θ)を認識する位置認識部28を備えている。
図1に示すように、位置認識部28は、対象物91,92等に関する光像を画像データとして取得する撮像部(カメラ)28M,28Nを有する。撮像部28M,28Nは、それぞれ、同軸照明系を有している。なお、撮像部28M,28Nの各同軸照明系の光源としては、両対象物91,92およびステージ12等を透過する光(例えば赤外光)が用いられる。
位置認識部28は、アライメント動作のための位置測定動作を実行することが可能である。具体的には、位置認識部28は、両対象物91,92が対向する状態において、撮像部28M,28Nの各同軸照明系から出射された照明光の透過光および反射光に関する撮影画像(画像データ)GAを用いて、両対象物91,92の位置を認識することもできる。換言すれば、両対象物91,92の位置合わせ動作(アライメント動作)は、当該位置認識部(カメラ等)28により、両対象物91,92に付された2組のアライメントマーク(MK1a,MK2a),(MK1b,MK2b)の位置を同時に認識することによって実行される。
より詳細には、図1に示すように、撮像部28Mにおける同軸照明系の光源(不図示)から出射された光は、ミラー28eで反射されてその進行方向が変更され上方に進行する。当該光は、さらに、窓部2b(図1)および両対象物91,92の一部(あるいは全部)を透過した後に両対象物91,92の各マークMK1a,MK2aで反射されると、今度は逆向き(下向き)に進行する。そして、再び、窓部2bを透過してミラー28eで反射されて、その進行方向が左向きに変更され、撮像部28M内の撮像素子に到達する。位置認識部28は、このようにして両対象物91,92に関する光像(マークMK1a,MK2aを含む画像)を撮影画像GAa(図6参照)として取得し、当該画像GAaに基づいて両対象物91,92に付された或る1組のマーク(MK1a,MK2a)の位置を認識するとともに、当該1組のマーク(MK1a,MK2a)の相互間の位置ずれ(詳細には、位置ずれベクトル)(Δxa,Δya)を求める(図6および図7参照)。図7は、撮影画像GAaの一例を示す図であり、1組のマークMK1a,MK2aが互いにずれている状態を示している。
同様に、撮像部28Nにおける同軸照明系の光源(不図示)から出射された光は、ミラー28fで反射されてその進行方向が変更され上方に進行する。当該光は、さらに、窓部2b(図1)および両対象物91,92の一部あるいは全部を透過した後に両対象物91,92の各マークMK1b,MK2bで反射されると、今度は逆向き(下向き)に進行する。そして、再び、窓部2bを透過してミラー28fで反射されて、その進行方向が右向きに変更され、撮像部28N内の撮像素子に到達する。位置認識部28は、このようにして両対象物91,92に関する光像(マークMK1b,MK2bを含む画像)を撮影画像GAb(図6参照)として取得し、当該画像GAbに基づいて両対象物91,92に付された他の1組のマーク(MK1b,MK2b)の位置を認識するとともに、当該1組のマーク(MK1b,MK2b)の相互間の位置ずれ(位置ずれベクトル)(Δxb,Δyb)を求める。なお、ここでは、撮像部28M,28Nによる撮影画像GAa,GAbの撮影動作は、ほぼ同時に実行される。
図8は、2組のマークの位置ずれ(Δxa,Δya),(Δxb,Δyb)を示す上面図である。図8において、位置Q1は、アライメントマークMK1aの位置を示しており、位置Q2は、アライメントマークMK2aの位置を示している。また、位置Q3は、アライメントマークMK1bの位置を示しており、位置Q4は、アライメントマークMK2bの位置を示している。なお、図8においても、位置ずれは誇張して示されている。
その後、位置認識部28および算出部102(図1)は、協動して、これら2組のマークの位置ずれ(Δxa,Δya),(Δxb,Δyb)と2組のマークの幾何学的関係とに基づいて、X方向、Y方向およびθ方向における両対象物91,92の相対的ずれΔD(詳細にはΔx,Δy,Δθ)を算出する。たとえば、次式(1)〜(3)に基づいて各値Δx,Δy,Δθが算出される。
Figure 2018056481
Figure 2018056481
Figure 2018056481
なお、式(3)に代えて次式(4)を用いてもよい。
Figure 2018056481
そして、両対象物の相互間の位置ずれΔDが許容誤差範囲内に収まっていないと判定される場合(後述)には、たとえば、位置認識部28により認識された当該相対的ずれΔDが低減されるように、ヘッド22が2つの並進方向(X方向およびY方向)と回転方向(θ方向)との3つの方向のうちの少なくとも1つの方向に駆動される。これにより、両対象物91,92が相対的に移動され、上記の位置ずれΔDが補正される。
一方、両対象物の相互間の位置ずれが許容誤差範囲内に収まっていると判定される場合には、位置ずれ補正動作は行われず、アライメント動作は終了する。
このようにして、鉛直方向(Z方向)に垂直な平面(水平平面)内における位置ずれΔD(詳細にはΔx,Δy,Δθ)が測定され、当該位置ずれΔDを補正するアライメント動作が実行される。後述するように、位置ずれΔDの測定動作は、両対象物91,92の非接触状態において実行されるとともに、両対象物91,92の接触状態においても実行される。
<1−4.本実施形態における動作>
つぎに、図11のフローチャートを参照しながら、本実施形態に係る動作について更に詳細に説明する。図11は、接合装置1の動作を示すフローチャートである。
ここでは、図1等に示すように、両対象物91,92は、既に、非接触状態で(近接して)対向配置されているものとする。より詳細には、両対象物91,92が、微少な間隔(たとえば、数μm(マイクロメートル)〜数十μm程度)を空けて(すなわち非接触状態で)対向配置されているものとする。なお、この時点において、ラフアライメント動作によって、両対象物91,92が水平方向に大まかに位置決めされているものとする。
その後、ステップS11〜S13において、非接触状態におけるアライメント動作が実行される。このアライメント動作は、上述のラフアライメント動作よりも高精度であることから、ファインアライメントとも称される。
具体的には、ステップS11において、まず、非接触状態における両対象物91,92(図12参照)の撮影画像GAa,GAb(図6参照)が取得される。そして、当該2つの撮影画像GAa,GAbに基づいて両被接合物(対象物)91,92のX方向、Y方向およびθ方向の位置ずれ量(Δx,Δy,Δθ)(「第1の位置ずれ」とも称する)がそれぞれ求められる。
詳細には、Z方向に離間した両マークMK1a,MK2aを同時に読み取った画像GAaに基づきベクトル相関法を用いてずれ量(Δxa,Δya)が算出される。同様に、Z方向に離間した両マークMK1b,MK2bを同時に読み取った画像GAbに基づきベクトル相関法を用いてずれ量(Δxb,Δyb)が算出される。そして、当該ずれ量(Δxa,Δya),(Δxb,Δyb)に基づいて、両対象物91,92の水平方向における位置ずれ量(Δx,Δy,Δθ)が測定される。特に、Z方向に離間した両マークMK1a,MK2aを含む画像GAaをベクトル相関法を用いて解析することによれば、より高精度に位置を求めることが可能である。画像GAbについても同様である。
なお、ここでは、位置ずれ量(Δx,Δy,Δθ)が「第1の位置ずれ」として例示されているが、本発明は、これに限定されない。たとえば、θ方向のずれが無視できる場合には、位置ずれ量(Δx,Δy)が第1の位置ずれとして用いられても良い。あるいは、一次元のみの位置合わせを行う場合には、値Δxと値Δyとの一方のみが第1の位置ずれとして用いられても良い。第2の位置ずれ(後述)および第3の位置ずれ(後述)についても同様である。
また、ここでは、2組のアライメントマークを用いて求められた2つのずれ量(Δxa,Δya),(Δxb,Δyb)が利用されているが、これに限定されない。たとえば、1組のアライメントマークを用いて求められた1つのずれ量(Δxa,Δya)のみが利用されて、第1の位置ずれが算出されても良い。詳細には、ずれ量(Δxa,Δya)がそのまま「第1の位置ずれ」として用いられても良い。第2の位置ずれおよび第3の位置ずれについても同様である。
次のステップS12においては、両対象物91,92の相互間の位置ずれが許容誤差範囲内(第1の許容誤差範囲内)に収まっているか否かが判定される。
両対象物91,92の相互間の位置ずれが許容誤差範囲(単に、許容範囲とも称する)内に収まっていると判定される場合には、ステップS21に進む。ステップS21以後の処理については後述する。
一方、両対象物91,92の相互間の位置ずれが許容誤差範囲(第1の許容範囲)内に収まっていないと判定される場合には、ステップS13に進む。
ステップS13においては、当該位置ずれ(Δx,Δy,Δθ)を補正すべく、両対象物91,92が相対的に移動される。具体的には、ステージ12が固定された状態において、ヘッド22が位置ずれ(Δx,Δy,Δθ)を解消するように移動され、両対象物91,92がX方向、Y方向およびθ方向に相対的に移動される。これにより、両対象物91,92は、水平方向において、非常に高い精度(たとえば許容誤差が0.2マイクロメートル以内)でアライメントされる。
図12は、ステップS13の位置ずれ補正等によって両対象物91,92が水平方向において正しい位置関係を有する状態を示している。なお、図12においては、両対象物91,92は、鉛直方向(Z方向)に離間して配置されており、両対象物91,92は未だ接触していない。
ステップS13の後においては、再びステップS11に戻り、位置ずれ測定が行われる。その後、ステップS12の判定処理が再び行われる。そして、両対象物91,92の相互間の位置ずれが第1の許容範囲内に収まっているか否かに応じて分岐処理が再び行われる。
このようにして、ステップS11〜S13の処理が、必要に応じて繰り返され、第1の位置ずれが徐々に低減される。換言すれば、第1の位置ずれが第1の許容範囲内に収まるまで両対象物91,92の位置合わせ(第1のアライメント動作とも称する)が行われる。
両対象物91,92の相互間の位置ずれが第1の許容範囲内に収まっていると判定されると、ステップS12からステップS21に進む。たとえば、値Δx,Δyがそれぞれ閾値TH11(0.2マイクロメートル等)以内に収まっており且つ値Δθが閾値TH13(たとえば、0.00008(deg))以内に収まっているときに、両対象物91,92の相互間の位置ずれが第1の許容範囲内に収まっていると判定される。
ステップS21においては、Z軸昇降駆動機構26を駆動することによって、ヘッド22を下降させて、両対象物91,92を接触させる(図13参照)。図13に示すように、両対象物91,92の接触状態においては、たとえば、対象物91の表面上の凸部であるパッド93と対象物92の表面上の凸部である金属バンプ94とが接触する。図13は、両対象物91,92が、水平方向において正しい位置関係を有する状態で、接触している様子を示している。
しかしながら、このような接触動作後においては、実際には、図14に示すように両対象物91,92は正しい位置関係(図13)からずれていることが多い。このような接触に伴う位置ずれは、仮に両対象物91,92が接触前に正しい位置関係を有していたとしても、両対象物91,92が接触する際に物理的な衝撃力が作用することなどに起因して生じ得る。
上記のような接触後の位置ずれを解消することを企図して、この実施形態に係る接合装置1は、対象物91と対象物92とが接触した状態において、両対象物91,92の水平方向における位置ずれ(「第2の位置ずれ」とも称する)を測定する。そして、当該接合装置1は、当該第2の位置ずれに基づいて両対象物の位置合わせを行う。このような動作によれば、両対象物91,92を水平方向において更に正確に位置決めした状態で、当該両対象物91,92を接合することが可能である。
具体的には、まず、ステップS22(図11)において、「接触状態」(接触対向状態)(図13および図14参照)における両対象物91,92の相互間の位置ずれ(第2の位置ずれ)が測定される。
なお、たとえば、このステップS22においても、ステップS11と同様に、第1の対象物に付された一のマークと第2の対象物に付された一のマークとの両マーク(MK1a,MK2a)を同時に含む撮影画像GAaが取得され、当該撮影画像GAaに基づいて当該両マークの位置ずれ(Δxa,Δya)が測定される。同様に、第1の対象物に付された他のマークと第2の対象物に付された他のマークとの両マーク(MK1b,MK2b)を同時に含む撮影画像GAbが取得され、当該撮影画像GAbに基づいて当該両マークの位置ずれ(Δxb,Δyb)が測定される。さらに、これらの2組の位置ずれ(Δxa,Δya),(Δxb,Δyb)に基づいて、両対象物91,92の位置ずれΔD(詳細にはΔx,Δy,Δθ)が算出(測定)される。
その後、ステップS23において、両対象物91,92の相互間における位置ずれ(第2の位置ずれ)が許容誤差範囲(第2の許容範囲)内に収まっているか否かが判定される。ステップS23の判定処理においては、ステップS12の判定処理と同様の処理が行われる。なお、第2の許容範囲は、第1の許容範囲と異なっていても良く或いは同じであってもよい。
ステップS23において、両対象物91,92の相互間の位置ずれが許容誤差範囲(第2の許容範囲)内に収まっていると判定されると、ステップS31(加熱加圧処理等)に進む。ステップS31については後述する。
一方、両対象物91,92の相互間における位置ずれが許容誤差範囲(第2の許容範囲)内に収まっていないと判定されると、ステップS23からステップS24に進む。
ステップS24においては、両対象物91,92がZ方向において相対的に離れる向きに移動され、両対象物91,92の接触状態が一旦解除される(図12参照)。詳細には、たとえばヘッド22が上昇されることによって、両対象物91,92の接触状態が解除される。
次のステップS25では、接合装置1は、両対象物91,92の接触に伴って発生する位置ずれ(「接触起因ずれ」とも称する)を、ステップS22で測定された第2の位置ずれに基づいて推定する。より詳細には、ステップS24での接触解除後の再接触動作(次回の接触動作)にて生じる接触起因ずれを推定する。ここでは、直前のステップS21の接触(1回目の接触)で生じていた接触起因ずれと同じ接触起因ずれが再び生じる可能性が高いと考えて、直前のステップS21の接触(1回目の接触)で生じていた接触起因ずれを求める。
たとえば、ステップS11にて両対象物91,92の位置ずれがゼロである場合には、第2の位置ずれ自体が、「接触起因ずれ」の推定値として算出される。なお、推定された当該接触起因ずれは、後述するステップS26〜S28にて利用される。
また、より好適には、当該接触起因ずれは、当該両対象物91,92の接触(ステップS21での接触)が発生する直前における両対象物91,92の非接触状態での位置ずれにも基づいて推定される。換言すれば、当該接触が発生した直後の位置ずれ(ステップS22)のみならず、当該接触が発生する直前の位置ずれにも基づいて、当該接触起因ずれが推定されることが好ましい。
たとえば、ステップS11〜S13の第1のアライメント動作において、両対象物91,92の位置ずれがゼロにはならず第1の許容範囲内のずれ(残存ずれ))が存在している場合には、当該残存ずれにも基づいて、接触起因ずれが推定されればよい。
また、(N+1)回目(ただし、Nは自然数)の接触解除後のアライメント動作(ステップS26〜S28等)で利用されるための接触起因ずれは、(N+1)回目の接触が発生する直前の位置ずれと当該接触が発生した直後の位置ずれとの双方に基づいて推定されることが好ましい。たとえば、「(N+1)回目の接触動作(ステップS21)の直前のステップS26で最終的に調整されステップS27で最終的に検出(測定)された相対位置関係(両対象物91,92相互間の非接触状態での位置ずれ)」(「前者」とも称する)と「当該(N+1)回目の接触動作(ステップS21)の直後のステップS22にて測定された第2の位置ずれ(両対象物91,92相互間の接触状態での位置ずれ)」(「後者」とも称する)との両者に基づいて推定されればよい。すなわち、「接触発生直前の位置ずれ」として前者が採用され且つ「接触発生直後の位置ずれ」として後者が採用されて、接触起因ずれが推定されればよい。
なお、ステップS27,S28,S26では、このようにして推定された接触起因ずれ(ステップS25で推定された接触起因ずれ)を反転させた位置ずれ(接触起因ずれの逆向きの位置ずれ)が発生する状態が、「目標状態」として設定される。
次のステップS27では、接合装置1は、両対象物91,92の接触解除状態(非接触状態)において、両対象物91,92の水平平面内における相対的位置関係(「第3の位置ずれ」とも称する)が測定される。なお、このステップS27においても、ステップS11と同様に、両マークMK1a,MK2aを同時に読み取った画像GAaに基づき位置ずれ(Δxa,Δya)が算出される。同様に、両マークMK1b,MK2bを同時に読み取った画像GAbに基づき位置ずれ(Δxb,Δyb)が算出される。そして、これらの位置ずれ(Δxa,Δya),(Δxb,Δyb)に基づいて、両対象物91,92の相互間における位置ずれ(Δx,Δy,Δθ)等が測定される。
さらに、ステップS28では、第3の位置ずれが目標状態を達成しているか否かが判定される。なお、上述のように、接触起因ずれ(ステップS25で推定された接触起因ずれ)を反転させた位置ずれ(接触起因ずれの逆向きの位置ずれ)が発生する状態が、「目標状態」として設定される。
詳細には、目標状態と現状態とのずれ(換言すれば、接触起因ずれを反転させた位置ずれと上述の第3の位置ずれとの間のずれ)が許容範囲内(第3の許容範囲内)であるか否かが判定される。なお、第3の許容範囲は、第1の許容範囲等と異なっていても良く或いは同じであってもよい。
目標状態と現状態とのずれが第3の許容範囲内に収まるときには、ステップS21に進む。
一方、目標状態と現状態とのずれが第3の許容範囲を超えているときには、ステップS26に進む。
ステップS26において、接合装置1は、両対象物91,92の相対位置位置関係に関する当該目標状態が達成されるように、水平平面内にて両対象物91,92を相対的に移動する。換言すれば、目標状態と現状態とのずれを低減すべくフィードバック制御が行われ、両対象物91,92が相対的に移動される。
具体的には、両対象物91,92の非接触状態(接触解除状態)、すなわち両対象物91,92が水平方向において自由に移動可能な状態にて、両対象物91,92が相対的に移動されて位置合わせ動作(アライメント動作)が実行される。詳細には、第3の位置ずれ(ステップS27)が補正された上で接触起因ずれ(ステップS25)の逆向きのずれを実現するような移動動作(相対移動動作)が実行される。
たとえば、ステップS27で測定された第3の位置ずれを補正するための駆動量とステップS25で求められた「接触起因ずれ」を解消するための駆動量(「接触起因ずれ」の逆向きのずれを発生させるための駆動量)とを合成した合成駆動量が求められる。そして、当該合成駆動量に基づいて、両対象物91,92が相対的に駆動される。より詳細には、ステージ12が固定された状態において、接触状態(ステップS22)で測定された第2の位置ずれ等を解消するようにヘッド22が水平方向(X方向、Y方向およびθ方向)に移動し、両対象物91,92が相対的に移動される。換言すれば、ステージを固定したままヘッドを水平方向に移動することによって、目標状態と現状態とのずれを低減するための駆動制御(フィードバック制御)が行われる。たとえば、対象物92が対象物91よりも右向きにずれている旨が接触状態で測定(ステップS22)されていた場合には、ステップS26では対象物92が対象物91に対して左向きに移動された状態(目標状態)を実現するための駆動動作が行われる。
このようにステップS26では、両対象物の接触解除状態において、両対象物を相対的に移動して、目標状態を達成するように第3の位置ずれが調整される。
その後、再びステップS27で第3の位置ずれが測定される。
さらに、次のステップS28では、第3の位置ずれが目標状態を達成しているか否かが再度判定される。詳細には、目標状態と現状態とのずれ(換言すれば、接触起因ずれを反転させた位置ずれと最新の第3の位置ずれとの間のずれ)が許容範囲内(第3の許容範囲内)であるか否かが判定される。なお、第3の許容範囲は、第1の許容範囲等と異なっていても良く或いは同じであってもよい。
目標状態と現状態とのずれが第3の許容範囲内に収まるときには、ステップS21に進む。
一方、目標状態と現状態とのずれが第3の許容範囲を超えているときには、再びステップS26に戻る。そして、目標状態と現状態とのずれを低減すべくフィードバック制御が行われ、両対象物91,92が相対的に移動される。そして、再びステップS27にて第3の位置ずれ測定が行われ、ステップS28にて判定処理が実行される。
このようにして、ステップS26〜S28の処理が、必要に応じて繰り返される。換言すれば、第3の位置ずれに関する目標状態とのずれが第3の許容範囲内に収まるまで両対象物91,92の位置合わせ(第3のアライメント動作とも称する)が行われる。特に、ステップS27での測定位置に基づくフィードバック制御によって、目標状態が非常に正確に実現され得る。
第3の位置ずれに関する目標状態とのずれが第3の許容範囲内に収まっていると判定されると、ステップS28からステップS21に進む。
ステップS21において、接合装置1は、Z軸昇降駆動機構26を駆動して、ヘッド22を下降させ、両対象物91,92を再度接触させる。
そして、ステップS22の動作、すなわち接触状態における両対象物91,92の位置ずれ測定動作(ステップS22)等が再度実行される。
次のステップS23において、両対象物91,92の相互間における位置ずれ(2回目以後のステップS22で再び測定された第2の位置ずれ)が許容誤差範囲(第2の許容範囲)内に収まっていないと判定されると、ステップS23からステップS24に進み、ステップS24〜S28の動作が実行される。
一方、ステップS23において、両対象物91,92の相互間の位置ずれ(再測定された第2の位置ずれ)が許容誤差範囲(第2の許容範囲)内に収まっていると判定されると、ステップS31(加熱加圧処理等)に進む。
上記のような動作(特に、接触を一旦解除して接触起因ずれの逆向きのずれが予め生じている状態(目標状態)を形成して、再接触させる動作)が、1回あるいは複数回繰り返し実行されることによれば、両対象物91,92相互間における接触動作自体に起因する位置ずれが低減される。したがって、両対象物91,92は、接触後の最終状態においても、水平方向において非常に高い精度(たとえば誤差が0.2マイクロメートル以内)でアライメントされる。
ステップS31においては、両対象物91,92が加圧されるとともに加熱され(温度TM2(金属バンプ94の融点より大きな温度)にまで昇温され)、両対象物91,92が接合される。具体的には、対象物92の金属バンプ94が対象物91のパッド93に接触した状態で、金属バンプ94が加熱溶融されパッド93に対して接合される。その後、適宜の冷却期間を経て金属バンプ94が固化した後に加圧状態が解除される。このようにして、両対象物91,92が良好にアライメントされて接合される。
その後、両対象物91,92を適宜切断すること等によって、両対象物91,92の一部で構成されるデバイス(半導体デバイス等)が製造される。
以上のように、この実施形態に係る動作によれば、両対象物91,92を非常に高精度にアライメントすることが可能である。この結果、両対象物(両対象物)91,92等で構成されるデバイス(半導体デバイス)等が非常に精密に製造される。
特に、ステップS27において第3の位置ずれが測定された後、ステップS28を経て再び実行されるステップS26においては、両対象物91,92が水平方向に相対的に移動され、目標状態が達成されるように当該第3の位置ずれが補正される。これによれば、前回の接触が解除され且つ次の接触(再接触)の準備段階の非接触状態において、第3の位置ずれに関する目標状態を非常に正確に実現することが可能である。ひいては、当該準備段階の直後の再接触の後に、両対象物91,92のずれを非常に小さな値(たとえば、第2の許容範囲内)にまで低減することが可能である。
<1−5.第1の動作例>
図15〜図19は、本実施形態に係る動作の一例(第1の動作例)の概略を説明する図である。なお、これらの図では、両対象物91,92をそれぞれ1本の太線で簡略化して示す。また、両対象物91,92のそれぞれの代表位置を黒い点で示す。ここでは説明上、各両対象物91,92の右端位置を代表位置に設定しているが、これに限定されない。また、ここでは、説明の簡略化のため、紙面に平行な1つの方向(図面上の左右方向)における位置ずれのみを考慮するものとする。また、上下の両対象物91,92の双方が移動することもあるが、ここでは、下側の対象物91は(基準位置P0に対して)移動せず且つ上側の対象物92のみが移動しているように示している。
図15では、ステップS11〜S13のアライメント動作によって第1の位置ずれ(非接触状態での位置ずれ)がゼロになっている状況を想定する。
この状況において、ステップS21の接触動作が行われると、当該接触に起因するずれ(接触起因ずれ)が生じる(図16参照)。たとえば、5μm(マイクロメートル)程度の接触起因ずれが生じる。
ステップS22では、両対象物91,92の接触状態での位置ずれ(第2の位置ずれ)が測定される。図16では、(右向きの)ずれd2が第2の位置ずれとして測定されている。
ステップS23にて、ずれd2(たとえば5マイクロメートル)が第2の許容範囲内に収まっていない旨が判定されると、ステップS24にて、両対象物91,92の接触が一旦解除される。
この接触解除(ステップS24)に応じて、当該接触に起因して発生していた位置ずれが自然に一旦解消される。図17では、理想的に、第1のアライメントの直後の状態(ここではずれ量がゼロの状態)に戻った様子が示されている。
また、ステップS25にて、次回の接触動作(再接触動作)(ステップS21)における(接触起因ずれ)が推定される。ここでは、前回の接触動作で計測されたずれd2自体が、接触起因ずれとして推定される。
ここにおいて、仮に、ステップS27,S28が行われることなくステップS26が行われた後に、再びステップS21に戻るものとする。
具体的には、ステップS26では、図18に示すように、接触起因ずれ(ここでは第2の位置ずれに等しい)を解消するような相対移動動作が予め行われる。具体的には、たとえば、図16に示すように両対象物91,92の接触状態にて右向きのずれd2が生じている場合には、ずれd2に対応する移動が逆向き(左向き)に行われる。この結果、理想的には、接触起因ずれの逆向きの位置ずれが発生している状態に到達する。なお、この状態が「目標状態」である。換言すれば、両アライメントマークが合致しておらず寧ろ接触起因ずれ(ここでは(右向きの)ずれd2(+5μm))とは逆向きのずれ(たとえば、左向きのずれ(−d2)(−5μm))が生じている状態に遷移する(図18)。
図18のような目標状態が正確に実現されている場合には、その後に、ステップS21に戻って両被接合物が再び接触すると、この再接触に起因するずれ(接触起因ずれ(たとえば第2の位置ずれと同様のずれ))(たとえば右向きのずれd2)が再び生じる(図19参照)。
推定された接触起因ずれとは逆向きのずれ(たとえば左向きのずれ)が生じている状態(図18)において、推定された当該接触起因ずれと同様のずれ(たとえば右向きのずれd2)が実際に生じることによって、結果的に再接触状態において両被接合物の位置ずれをゼロに近づけること(両アライメントマークを(理想的には)丁度合致させること等)が可能である。図19では、2回目のステップS21においても、1回目のステップS21でのずれd2と同じずれが発生し、両対象物91,92の位置ずれがゼロになっている状態(理想的な状態)が示されている。
このような動作によれば、両対象物91,92を高精度に位置決めすることが可能である。
ただし、上述のように、本願発明者は、「種々の事情によって、両被接合物が互いに接触する際に生じるずれを必ずしも十分には低減できないことがある」、ことを解明した。すなわち、本願発明者は、上述の動作のみでは、必ずしも十分な精度で位置決めすることができないこと、を解明した。
当該事情としては、次のようなものが挙げられる。
たとえば、上述したように、両対象物91,92の接触を一旦解除する際(換言すれば、両対象物91,92を引き剥がす際)に、接触解除に伴う衝撃等によって、対象物(たとえば92)を保持する保持部材(たとえばヘッド22)と当該対象物とが互いにずれてしまい、当該保持部材と当該対象物との間の位置関係がずれてしまうことがある(図21参照)。図17の理想状態と比較すると判るように、図21では、接触解除直後にてずれd3(たとえば、2μm(マイクロメートル)程度)が発生している状況が示されている。
あるいは、両被接合物の相互間における傾きが存在する場合には、ヘッド(一方の対象物を保持する保持部材)がステージ(他方の被接合物を保持する保持部材)の傾きに沿って水平方向(たとえば、右方向)に移動しつつ下降して、両被接合物が互いに接触する。このような状況にて両対象物91,92の接触が解除される(たとえば、ヘッドを上昇させる)際において、一方の対象物を保持する保持部材(たとえばヘッド)の剛性が弱いときには、当該保持部材(および当該一方の対象物)が水平方向において元の位置(接触前の位置)(図17参照)に戻らずに、当該元の位置からのずれ(水平方向のずれ)が発生することがある。この場合にも、ずれd3(図21参照)が生じ得る。
さらに、図18に示すように、ずれd2を解消するような相対移動が行われた際に、ヘッドの駆動誤差に起因して、ずれd2を解消するための位置への移動が必ずしも十分には正確ではない(正確な目標状態に到達できていない)ことがある。より詳細には、左向きに5μm(マイクロメートル)駆動する指令値に基づいてヘッド22を駆動しても、実際には、4.7μm(マイクロメートル)しか駆動されていないことがあり得る。
そこで、この実施形態においては、ステップS24,S25の次に、ステップS26〜S28(特に、ステップS27,S28)の動作が実行される。具体的には、(両対象物91,92の接触解除後の)両対象物91,92の接触解除状態(図18参照)において、所定方向に垂直な平面内にて当該両対象物が相対的に移動され、目標状態を達成するように第3の位置ずれが調整される。詳細には、ステップS27で第3の位置ずれが測定された後、接触起因ずれ(ステップS25で推定された接触起因ずれ)の逆向きのずれ(接触起因ずれを反転させたずれ)を生じさせるような相対移動動作(ステップS26)が行われる。
より具体的には、ステップS24,S25の直後に、ステップS27の測定動作が行われ、ずれd3(たとえば、右向きに2μm(図21参照))が測定される。そして、当該ずれd3が第3の許容範囲に収まっていない旨がステップS28で判定され、ステップS26に進む。
次に、ステップS26において、ずれd3の逆向きのずれ(たとえば、左向きに2μmのずれ)とずれd2の逆向きのずれ(たとえば、左向きに5μmのずれ)とを合成(合算)したずれ(ずれベクトル)を実現するような駆動動作(ヘッド22を左向きに7μm駆動する駆動動作)が行われる(図22参照)。ずれd3の逆向きの相対移動を発生させる駆動動作は、両対象物91,92の相対位置関係を理想的な状態(ずれゼロの状態)(図17参照)に戻すことを目指す駆動動作である。更にずれd2の逆向きのずれを発生させる駆動動作は、両対象物91,92の相対位置関係を、接触起因ずれの逆向きのずれを意図的に発生させること(図18および図22参照参照)を目指す駆動動作である。
そして、ステップS27の測定動作が再び行われた後に、ステップS28の判定動作が再び行われる。仮に、駆動誤差等によって目標状態との誤差が第3の許容範囲内に収まっていないときには、当該誤差を解消するような駆動動作(ステップS26)が再び行われる。このような動作が繰り返されることによって、目標状態との誤差が第3の許容範囲内に収まる。たとえば、左向きにずれd2(例えば、左向きに5μm)が生じた状態(目標状態)(図18参照)が正確に(理想的に)実現される。なお、ステップS26の駆動動作における駆動誤差も、ステップS27の検出結果を反映したフィードバック制御(視覚フィードバック制御)によって徐々に低減される。
この後、ステップS21の再接触動作が行われると、上述のように、両対象物91,92を高精度に位置決めすることが可能である(図19参照)。
なお、2回目のステップS21において、1回目のステップS21でのずれd2とは異なる接触起因ずれ(d2+α)が発生する場合には、(仮にステップS28で理想的な目標状態が実現されたとしても)両対象物91,92の位置ずれとしてずれαが生じ得る(図20参照)。
当該ずれαが第2の許容範囲内である場合には、ステップS23からステップS31へと進み、両対象物91,92の位置合わせが完了する。
一方、当該ずれαが第2の許容範囲内でない場合には、ステップS23からステップS24に進み、ステップS24〜S28,S21〜S23の処理が再び実行される。この際には、図20での接触の直前のずれ(−d2)(図18)と図20での接触の直後に測定されたずれαとに基づいて、接触起因ずれが推定される。具体的には、両者の差分のずれ(+α−(−d2))(右向きのずれ(d2+α))が接触起因ずれとして推定され、今度は、このずれ(d2+α)を反転させたずれ(逆向きのずれ)(−(d2+α))が発生した状態が目標状態として設定されて、ステップS26〜S28の処理が実行される。その後、再び接触動作(ステップS21)が行われ、再び、ステップS22にて第2の位置ずれ測定が行われる。このような動作が繰り返されることによって、両対象物91,92のずれが第2の許容範囲内に収まり、位置合わせが完了する。特に、上述のように、ステップS26〜S28のアライメント動作を伴うことによって目標状態が比較的良好に実現されるので、比較的少ないリトライ回数(一旦接触解除を行った後に再接触させる動作の回数)で、両対象物91,92のずれを第2の許容範囲内に収めることが可能である。
このように、2回目以後のステップS25においては、(N+1)回目(ただし、Nは自然数)の接触解除後のアライメント動作(ステップS26〜S28等)で利用されるための接触起因ずれは、(N+1)回目の接触が発生(ステップS21)した直後の位置ずれ(ステップS22)と当該接触が発生する直前の位置ずれ(ステップS27)との双方に基づいて推定される。具体的には、「(N+1)回目の接触動作(ステップS21)の直前のステップS26,S27で調整された相対位置関係(両対象物91,92相互間の位置ずれ)」と「当該(N+1)回目の接触動作の直後のステップS22にて測定された第2の位置ずれ」との両者の差分のずれとして推定される。
以上のような動作によれば、特にステップS26,S27,S28の処理によって、前回の接触が解除され且つ次の接触(再接触)の準備が完了した段階の非接触状態において、第3の位置ずれに関する目標状態(図18および図22参照)を非常に正確に実現することが可能である。ひいては、当該準備段階の直後の再接触の後に、両対象物91,92のずれを非常に小さな値(たとえば、第2の許容範囲内)にまで低減することが可能である。
<1−6.第2の動作例>
図23〜図27は、本実施形態に係る別の動作例(第2の動作例)の概略を説明する図である。これらの図は、図15〜図19と同様の図である。
ただし、この動作例においては、たとえば、ステップS11〜S13のアライメント動作における残存ずれd1が、接触動作(ステップS21)の直前の位置ずれとして取得される。そして、接触動作(ステップS21)の直後のステップS22で取得された第2の位置ずれd2が、接触動作(ステップS21)の直後の位置ずれとして取得される。さらに、接触動作(ステップS21)の直前の位置ずれd1と直後の位置ずれd2とに基づいて、接触起因ずれが推定される。
より詳細には、この第2の動作例では、ステップS11〜S13のアライメント動作によって第1の位置ずれ(非接触状態での位置ずれ)がゼロにはならず第1の許容範囲内のずれ(残存ずれ)d1(例えば、0.1マイクロメートル)が存在している状況(図23参照)を想定する。
この状況において、ステップS21の接触動作が行われると、当該接触に起因するずれ(接触起因ずれ)が生じる(図24参照)。
ステップS22では、両対象物91,92の接触状態での位置ずれ(第2の位置ずれ)が測定される。図24では、ずれd2が第2の位置ずれとして測定される。
ステップS23にて、ずれd2(たとえば5マイクロメートル)が第2の許容範囲内に収まっていない旨が判定されると、ステップS24にて、両対象物91,92の接触が一旦解除される。
この接触解除に応じて、当該接触に起因して発生していた位置ずれが自然に一旦解消される。図25では、理想的に、第1のアライメントの直後の状態(ここでは微少なずれd1が存在する状態)に戻った様子が示されている。
また、ステップS25にて、次回の接触動作(再接触動作)(ステップS21)における(接触起因ずれ)が推定される。ここでは、図24に示すように両対象物91,92の接触状態にて右向きのずれd2が生じており、第1のアライメント動作にてずれd1が残存していた場合を想定し、ずれd2とずれd1との差分(d2−d1)が、接触起因ずれとして推定される。
ここにおいて、仮に、ステップS27,S28が行われることなくステップS26が行われた後に、再びステップS21に戻る場合には次のような動作が行われる。
具体的には、ステップS26では、図26に示すように、接触起因ずれ(ここでは(d2−d1))を解消するような相対移動動作が行われる。この結果、理想的には、接触起因ずれ(d2−d1)の逆向きの位置ずれが発生している状態に到達する。この状態が「目標状態」である。換言すれば、両アライメントマークが合致しておらず寧ろ接触起因ずれ(ここでは「ずれ(d2−d1)」)とは逆向きのずれ(たとえば左向きのずれ)が生じている状態に遷移する(図26)。
その後、ステップS21に戻って、両被接合物が再び接触すると、この再接触に起因するずれ(接触起因ずれ)(たとえば右向きのずれ(d2−d1))が再び生じる(図27参照)。
推定された接触起因ずれとは逆向きのずれ(たとえば左向きのずれ(−(d2−d1)))が生じている状態(図26)において、当該接触起因ずれと同様のずれ(たとえば右向きのずれ(d2−d1))が生じることによって、結果的に再接触状態において両被接合物の位置ずれをゼロに近づけること(両アライメントマークを(理想的には)丁度合致させること等)が可能である。図27では、2回目のステップS21においても、1回目のステップS21でのずれ(d2−d1)と同じずれが発生し、両対象物91,92の位置ずれがゼロになっている状態(理想的な状態)が示されている。
ただし、上述のように、種々の事情によって、両被接合物が互いに接触する際に生じるずれを必ずしも十分には低減できないことがある。
これに対して、この第2の動作例においても、ステップS24,S25の次に、ステップS26〜S28(特に、ステップS27,S28)の動作が実行される。
詳細には、ステップS24,S25の直後に、ステップS27の測定動作が行われ、ずれd3(たとえば、右向きに2μm(図21参照))が測定される。そして、当該ずれd3が第3の許容範囲に収まっていない旨がステップS28で判定され、ステップS26に進む。
次に、ステップS26において、ずれd3の逆向きのずれ(たとえば、左向きに2μmのずれ)とずれ(d2−d1)の逆向きのずれ(たとえば、左向きに4.9μmのずれ)とを合成(合算)したずれ(ずれベクトル)を実現するような駆動動作(ヘッド22を左向きに6.9μm駆動する駆動動作)が行われる。ずれd3の逆向きの相対移動を発生させる駆動動作は、両対象物91,92の相対位置関係を理想的な状態(ずれゼロの状態)(図17参照)に戻すことを目指す駆動動作である。更にずれ(d2−d1)の逆向きのずれを発生させる駆動動作は、両対象物91,92の相対位置関係を、接触起因ずれの逆向きのずれを意図的に発生させること(図18参照)を目指す駆動動作である。
そして、ステップS27の測定動作が再び行われた後に、ステップS28の判定動作が再び行われる。仮に、駆動誤差等によって目標状態との誤差が第3の許容範囲内に収まっていないときには、当該誤差を解消するような駆動動作(ステップS26)が再び行われる。このような動作が繰り返されることによって、目標状態との誤差が第3の許容範囲内に収まる。たとえば、左向きにずれ(d2−d1)(例えば、左向きに4.9μm)が生じた状態(目標状態)(図26参照)が正確に(理想的に)実現される。なお、ステップS26の駆動動作における駆動誤差も、ステップS27の検出結果を反映したフィードバック制御(視覚フィードバック制御)によって徐々に低減される。
これによれば、前回の接触が解除され且つ次の接触(再接触)の準備が完了した段階の非接触状態において、第3の位置ずれに関する目標状態(図26参照)を非常に正確に実現することが可能である。ひいては、当該準備段階の直後の再接触の後に、両対象物91,92のずれを非常に小さな値(たとえば、第2の許容範囲内)にまで低減することが可能である。
また、1回の再接触動作(2回目のステップS21)の直後のステップS23にて、第2の位置ずれが第2の許容範囲内に収まらない場合には、再びステップS24〜S28の動作が繰り返される。
2回目以後のステップS25においては、(N+1)回目(ただし、Nは自然数)の接触解除後のアライメント動作(ステップS26〜S28等)で利用されるための接触起因ずれは、(N+1)回目の接触が発生(ステップS21)した直後の位置ずれ(ステップS22)と当該接触が発生する直前の位置ずれ(ステップS27)との双方に基づいて推定される。
たとえば、2回目のステップS21において、1回目のステップS21での接触起因ずれ(d2−d1)とは異なる接触起因ずれ(d2−d1+α)が発生するとき(図28参照)等においては、両対象物91,92の位置ずれとしてずれαが生じ得る(図28参照)。この場合にも第1の動作例と同様の動作が行われればよい。ただし、この場合には、図28での接触の直前のステップS27で測定されたずれ(−(d2−d1))(図26)と図28での接触の直後のステップS22で測定されたずれαとに基づいて、接触起因ずれが推定される。具体的には、両者の差分のずれ(α−(−(d2−d1)))(右向きのずれ(d2−d1+α))が接触起因ずれとして推定され、今度は、このずれ(d2−d1+α)を反転させたずれ(逆向きのずれ)(−(d2−d1+α))が発生した状態が目標状態として設定されて、ステップS26〜S28の処理が実行される。その後、再び接触動作(ステップS21)が行われ、再び、ステップS22にて第2の位置ずれ測定が行われる。
このような動作が繰り返されることによって、両対象物91,92のずれが第2の許容範囲内に収まり、位置合わせが完了する。上述のように、特に、ステップS26〜S28のアライメント動作を伴うことによって目標状態が比較的良好に実現されるので、比較的少ない回数で、両対象物91,92のずれを第2の許容範囲内に収めることが可能である。
<2.第2実施形態>
上記第1実施形態の思想は、一方の基板をその中心から外周部に向けて撓ませた状態で当該一方の基板と他方の基板と接合する際の位置合わせにおいて適用されるようにしてもよい。第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
まず、基板を撓ませて接合する動作の概略について説明する。
図29〜図32は、第2実施形態に係る接合動作(基板の変形(撓み)を伴う接合動作)の概略を示す図である。
図29においては、基板91がステージ41に保持され、基板92がヘッド42に保持されている。
この第2実施形態では、ステージ12(図1参照)に代えてステージ41が設けられ、ヘッド22に代えてヘッド42が設けられている(図29等参照)。また、第2実施形態では、基板91,92の保持機構として、真空吸着方式の保持機構45が採用される。図33に示すように、保持機構45は、外側保持部45aと内側保持部45bとを備えている。外側保持部45aと内側保持部45bとは、その吸着作用を個別に機能させることが可能である。外側保持部45aの吸着溝と内側保持部45bの吸着溝とのうち外側保持部45aの吸着溝でのみ基板92を保持した状態で、突出機構43で基板92の中央部分を下方に押下すること(センタープッシュ)によって、上側の基板92を、その中心から外周部に向けて下向きに凸になるように撓ませる(弾性変形させる)ことが可能である。逆に、突出機構43の押下力を無くし、外側保持部45aの吸着溝と内側保持部45bの吸着溝との双方で基板92を吸着することによって、基板92を平坦な状態で保持することが可能である。
図29においては、基板92が平坦な状態でヘッド42によって保持されている。また、基板92と基板91とは非接触状態で対向配置されている。
図29の状態から、突出機構43によるセンタープッシュ(基板中央部に対する押下)が行われることによって、上側の基板92は、その中心部が外周部よりも下向きに突出した状態(下向きに凸)になるように撓む(弾性変形する)(図30参照)。
次に、ヘッド42が下降し、当該上側の基板92の中心部を下側の基板の中心部に接触させる(図31)。そして、突出機構43の押下力(突出量)を徐々に低減して上側の基板92の撓みを徐々に解消させつつ中心部から徐々に外周部に向けて下側の基板91との接触部分を増大させていくことによって、上側の基板92と下側の基板91とが接合される(図32)。このように、一方の対象物(基板)92を撓ませて両対象物91,92が部分的に接触する状態(図31参照)から当該両対象物の接触が開始され、当該両対象物が最終的に互いに接触される(図32参照)。
このような接合は、たとえば、その表面を親水化して2つの基板を貼り合わせる際に用いられる。これによれば、空気の巻き込みによるボイドの発生を回避ないし抑制することが可能である。
さて、このような接合において、2つの基板を対向させた状態(図30および図31参照)(特に、一方の基板が撓ませられ且つ当該一方の基板の中央部と他方の基板の中央部とが接触した状態(図31参照))において、当該2つの基板の位置合わせが行われる際に、上述の思想が適用されるようにしてもよい。
特に、このような接合においては、特に両対象物91,92の接触を一旦解除する際(換言すれば、両対象物91,92を引き剥がす際)に、接触解除に伴う衝撃等によって、対象物(たとえば対象物92)を保持する保持部材(ヘッド42)と当該対象物とが互いにずれてしまい、当該保持部材と当該対象物との間の位置関係がずれてしまうこと(図21参照)が生じ易い。
第2実施形態においては、このような事情を考慮して、第1実施形態と同様の動作が実行される。
ステップS11〜S13(非接触状態での第1のアライメント動作)においては、対象物(基板)92は、未だ撓んでおらず平坦な状態でヘッド42に保持されている。
その後、ステップS21に遷移する直前に、両対象物91,92のうちの一方(ここでは対象物92)を撓ませて、両対象物91,92の接触動作が開始される(図31参照)。ステップS21の接触動作においては、最終的に、対象物92は平坦な状態へと遷移する(図32参照)。すなわち、両対象物91,92の接触が開始(図31参照)された後、撓まされていた一方の対象物が平坦な状態に戻った状態で当該両対象物が互いに接触する(図32参照)。このステップS21においては、上述のように、当該接触動作によってずれ(接触起因ずれ)が発生する。
次に、ステップS22にて第2の位置ずれが測定される。ステップS22においては、平坦な状態を有する対象物92と、当該対象物92に対向する対象物91との相互間の水平方向の位置ずれが「第2の位置ずれ」として測定される。
さらに、ステップS23の後に、ステップS24に進む。
ステップS24では、たとえば、ステップS21での接触動作の逆順の動作(接触状態→非接触状態)が行われる。具体的には、一方の対象物(たとえば、92)が平坦な状態(接触状態)から下向きに凸の状態(基板92が撓まされ基板92の中央部分のみが接触している状態)に戻された後に、両対象物91,92の接触が解除される(非接触状態)。
ただし、ステップS24の接触解除動作(換言すれば、両対象物の引き剥がし動作)においては、上述のように、たとえば、接触解除に伴う衝撃等によって、基板92と当該基板92を保持するヘッド42とが互いにずれてしまい、ヘッド42と基板92との間の位置関係がずれてしまうことがある(図21参照)。
そこで、この第2実施形態においても、ステップS25〜S28の動作によって、両対象物91,92の相互間の位置関係が調整される。具体的には、両対象物91,92の相互間の位置関係が目標状態に到達するように調整される。
第2実施形態では、ステップS27においては、対象物92の撓みを戻して当該対象物92を平坦な状態に遷移させた状態(図29参照)で、第3の位置ずれが測定される。より詳細には、突出機構43の押圧力を無くすとともに、外側保持部45aの吸着溝と内側保持部45bの吸着溝との双方で対象物92を吸着し直すことによって、対象物92を平坦な状態で保持する。そして、保持機構45によって吸着し直され且つ平坦な状態で保持された対象物92と、対向する対象物91との相対位置関係が測定される。たとえば、第1実施形態と同様の測定動作が行われる。また、目標状態とのずれが第3の許容範囲内に収まるまで、ステップS26〜S28の動作が繰り返される。
また、第2の位置ずれ量が第2の許容範囲内に収まるまで、ステップS24〜S28,S21〜S23の動作が繰り返して実行される。
以上のような動作によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
また特に、ステップS27にて、対象物92が平坦な状態に一旦戻されることによれば、対象物92の撓みに起因する新たな位置誤差が生じることを回避することが可能である。仮に、対象物92が撓んだ状態においては、当該撓みに起因して特に対象物92の外周側では水平方向に対して斜行するため、対象物92のマーク位置が当該斜行に起因してずれてしまう。これに対して、第2実施形態のステップS27においては、対象物92が平坦な状態に一旦戻された上で第3の位置ずれが測定されるので、上述の斜行に起因するずれ(対象物92の撓みに起因する新たな位置誤差)の発生を回避することが可能である。このように、ステップS27(および/またはステップS11)での測定とステップS22での測定とが両対象物91,92が平坦な状態で行われるので、対象物92の撓みに起因する新たな位置誤差の発生を回避することが可能である。ひいては、接触起因ずれをより正確に推定することが可能である。
なお、ステップS21の接触動作の完了後において、両対象物91,92の少なくとも一方の対象物の全範囲が平坦な状態に戻った状態であることを必ずしも要しない。たとえば、両対象物の中央部分から両対象物の外周端よりも若干内側の部分(たとえばマーク配置部分の付近の部分)に亘る範囲(部分領域)が平坦な状態に戻って互いに接触しているものの、両対象物の外周端部が互いに接触していない状態等であってもよい。より具体的には、ステップS21の接触動作の全期間(開始から完了までの全期間)において、接合装置1(ヘッド42)は、突出機構43の押下力を維持したまま(突出機構43を突出させたまま)対象物92を対象物91に対して比較的強い力で押し付けつつ、外側保持部45aの吸着溝と内側保持部45bの吸着溝とのうち(内側保持部45bの吸着溝による吸着力を解除して)外側保持部45aの吸着溝のみで基板92を吸着する。特に、接触動作の開始時点から完了時点へと進むにつれて(両対象物の距離が低減されるとともに)両対象物の相互間の加圧力(ヘッド42の下向きの押し付け力)が徐々に増大されていく。これによれば、加圧力の増大に伴って各対象物の中央部分から外周部分に向けて両対象物の接触部分が徐々に拡大していくものの、(接触動作の完了時点でも)両対象物の外周端部を互いに接触させずに、両対象物の中央部分から両対象物のマーク配置部分(外周端よりも若干内側の部分)に亘る範囲(部分領域)を平坦な状態で互いに接触させることが可能である。このような接触状態は、図31に類似した状態であって、図31に示す接触範囲(中央部分付近のみの範囲)よりもさらに広い範囲に亘って両対象物が接触している状態である。このような状態で仮接合(ステップS21)しておくことによれば、両対象物91,92はその外周部(外縁部)付近では互いに接触(接合)していないので、後のステップS24の接触解除処理(基板剥離処理)において、当該外周部からの剥離が比較的容易に開始され外周部から中心部へと両対象物91,92の剥離が徐々に進行する。したがって、ステップS21で両対象物91,92がその外周部でも互いに接触(接合)する場合に比べて、比較的容易に両対象物91,92を互いに剥がすことが可能である。
また、ステップS21の完了直後でも突出機構43の押圧力が維持される場合、その後のステップS24においては、突出機構43の押圧力を無くすことによって両対象物91,92の接触が解除されるようにしてもよい。より詳細には、たとえば、突出機構43の突出量を低減して突出機構43の押圧力を無くすとともに、外側保持部45aの吸着溝と内側保持部45bの吸着溝との双方で対象物92を吸着することによって、両対象物91,92の接触が解除されるようにしてもよい。
また、上記第2実施形態においては、真空吸着式の保持機構が例示されているが、これに限定されない。基板の保持機構としては、たとえば、静電チャック方式、メカニカル式などの各種の方式が採用されてもよい。また、図34に示すように、薄板状で可撓性を有する押圧板44を用いて、基板(たとえば92)を撓ませるようにしてもよい。より具体的には、突出機構43の突出に応じて押圧板44を弾性変形させ、この押圧板44の弾性変形に沿って基板92を撓ませるようにしてもよい。図34では、当該基板92は、その外周部に対してその内周部(基板中央部分)が下方に突出するように(下に凸の状態で)撓まされている。
また、ここでは、上側の基板92のみが撓まされているが、これに限定されず、逆に、下側の基板91のみが撓まされてもよい。あるいは、上側の基板92と下側の基板91との双方が撓まされてもよい。下側の基板91を撓ませるためには、ヘッド42側に設けられた各種の機構(突出機構および保持機構45等)が、ステージ41側に設けられればよい。これらの場合にも、上記と同様の動作が行われればよい。
<3.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記各実施形態等においては、ステップS25の処理は、ステップS24の処理の直後に行われているが、これに限定されず、逆にステップS24の処理の直前(ステップS23とステップS24との間)に行われるようにしてもよい。あるいは、ステップS23の直前(ステップS22とステップS23との間)に、ステップS25の処理が行われるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態(第1の動作例および第2の動作例等)では、前回の接触動作の直前における両対象物91,92の位置ずれ(第1の位置ずれ(ステップS11)或いは調整後の第3の位置ずれ(ステップS27))と前回の接触動作の直後における両対象物91,92の位置ずれ(第2の位置ずれ)との差のみに基づいて接触起因ずれが算出されている(ステップS25)が、これに限定されない。
たとえば、ステップS25において、過去の複数回の接触時における接触起因ずれの算出値にも基づいて、最新の接触起因ずれが算出されるようにしてもよい。具体的には、過去および現在の推定値の平均値(たとえば、5.6μm)が、最新の接触起因ずれとして算出されるようにしてもよい。換言すれば、過去の複数の推定結果に関する統計処理(平均処理等)を行い、当該統計処理の結果に基づいて、最新の接触起因ずれが推定されるようにしてもよい。
ここにおいて、上記第1実施形態では、直前のステップS21の接触動作(たとえば、1回目の接触動作)で生じていた接触起因ずれと同じ接触起因ずれが次の接触動作(たとえば、2回目の接触動作)でも再び生じる可能性が高いと考えて、上述のようにして接触起因ずれが推定されている。
しかしながら、実際には、(N+1)回目(たとえば、2回目)の接触動作では、直前のN回目(たとえば1回目の接触)で生じていた接触起因ずれとは異なる接触起因ずれが生じ得る。すなわち、接触に起因するずれ(接触起因ずれ)は、毎回同じではなく、当該接触起因ずれには「ばらつき」が存在する。より詳細には、接触起因ずれは、1回目の接触動作で「6.0μm」、2回目の接触動作で「5.2μm」、3回目の接触動作で「5.6μm」、4回目の接触動作で「5.9μm」、5回目の接触動作で「5.3μm」などのように、接触動作ごとに異なる値を有すること(「ばらつき」を有すること)がある。そのため、次回の接触起因ずれは、前回の接触起因ずれとは異なっていることもある。
これに対して、上述のような統計処理を施すことによれば、当該ばらつきを考慮し、「接触起因ずれ」を良好に推定すること(最も生じる可能性が高いずれ量を推定すること)が可能である。したがって、ステップS23で第2の位置ずれが第2の許容範囲に収まっている可能性を増大させることが可能である。
なお、接触起因ずれに関する過去の推定結果は、現在接合中の一組の対象物91,92に対する過去の推定結果に限定されず、別の一組の対象物91,92に対する過去の推定結果であってもよい。
また、上記各実施形態等においては、各マーク対(たとえば、MK1a,MK2a)(図12等参照)からの反射光(および透過光)を用いて当該マーク対の双方のアライメントマークMK1a,MK2aを同時に撮影した撮影画像GAが取得されている(図1等参照)が、これに限定されない。たとえば、各マーク対(たとえば、MK1a,MK2a)の部分を透過した透過光のみを用いて当該マーク対の双方のアライメントマークMK1a,MK2aを同時に撮影した撮影画像GAが取得されるようにしてもよい。より詳細には、両対象物91,92の上方側(一方側)に照明(光源)を設け、当該光源から出射された光を両対象物91,92のマーク部分(アライメントマークMK1a,MK2a)にて透過させる。そして、その透過光を、両対象物91,92の下方側(他方側)に設けられた撮像部を用いて撮像すればよい。
また、上記各実施形態等においては、上下のマークMK1a,MK2aを同時に読み取った画像GAaと上下のマークMK1b,MK2bを同時に読み取った画像GAbとに基づいて、両対象物91,92の相互間の位置ずれ(第3の位置ずれ)が測定される。
しかしながら、本発明は、これに限定されない。たとえば、下側対象物に付された一方のマークと上側対象物に付された他方のマークとの両マーク(MK1a,MK2a)を異なるタイミングで読み取るようにしてもよい。換言すれば、当該一方のマークを含む画像と当該他方のマークを含む画像とを(異なる時点で)別々に撮影するようにしてもよい。また、下側対象物に付された他のマークと上側対象物に付された他のマークとの両マーク(MK1b,MK2b)についても同様に、当該両マークを異なるタイミングで読み取るようにしてもよい。ただし、上記各実施形態等のように、上下の対象物に付された両マークを同時に読み取ることによれば、上側マークの読み取り時点と下側マークの読み取り時点との間での装置の振動に起因する測定誤差あるいは撮像系(フォーカス駆動系等)の駆動誤差等の影響を抑制することが可能である。
また、2つのアライメントマークMK1a,MK2aは、それぞれ別のカメラで撮影されてもよい。他の2つのアライメントマークMK1b,MK2bも同様である。
また、第3の位置ずれを測定する際(ステップS27)等において、一方の保持部材(たとえば下側保持部材)が非常に高い剛性を有しており移動しないとみなせる場合等においては、他方の保持部材(たとえば上側保持部材)によって保持される対象物のマークのみを新たに読み取るようにしてもよい。
たとえば、ステップS27においては、上側の対象物92に付されたマークMK2aと下側の対象物91に付されたマークMK1aとの両マーク(MK1a,MK2a)のうちの一方のマークMK2aのみを読み取るようにしてもよい。また、当該両マーク(MK1a,MK2a)のうちの他方のマークMK1aについては、接触解除動作(ステップS24)よりも前に測定された位置(たとえば、直前のステップS22等で測定された位置)がそのまま有効であるとみなすようにしてもよい。そして、直前のステップS22等で測定された下側マークMK1aの位置とステップS27で測定された上側マークMK2aの位置との差分に基づいて、ステップS27における両マーク(MK1a,MK2a)の相対位置関係が取得されてもよい。他のマーク対(MK1b,MK2b)についても同様である。このように、実質的にステップS27での上側マークMK2a(,MK2b)の位置のみに基づいて、第3の位置ずれが測定されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態等においては、2つのカメラ28M,28Nを用いて、2つの撮影画像GAa,GAbが並列的に(ほぼ同時に)撮影されているが、これに限定されない。たとえば、1つのカメラ28MをX方向および/またはY方向に移動することによって、各撮影画像GAa,GAbが逐次的に撮影されるようにしてもよい。換言すれば、水平方向に離間して配置された2つのアライメントマークMK1a,MK1bは、それぞれ別のカメラで撮影されてもよい。他の2つのアライメントマークMK2a,MK2bも同様である。
また、上記各実施形態等においては、照明の光源として、赤外光を出射するものが用いられているが、これに限定されず、たとえば、可視光等を出射するものであってもよい。
また、上記各実施形態等においては、基板と基板との位置合わせ(ウエハオンウエハ(WOW:Wafer-on-Wafer)接合技術)に本発明が適用される態様が例示されているが、これに限定されない。換言すれば、アライメント処理の対象物は、基板同士に限定されない。
たとえば、1枚の基板と複数のチップのそれぞれとの位置合わせ(チップオンウエハ(COW:Chip-on-Wafer)接合技術)に本発明が適用されてもよい。より詳細には、複数のチップ向けのそれぞれについて2つのアライメントマークが基板に設けられる(基板には、チップ数の2倍のアライメントマークが設けられる)。そして、当該各チップ向けに基板に設けられた2つのアライメントマークと各チップに設けられた2つのアライメントマークとが上述の手法によってアライメントされることによって、各チップと基板との位置合わせが行われればよい。
あるいは、チップ同士の位置合わせ(チップオンチップ(COC:Chip-on-Chip)接合技術)に本発明が適用されてもよい。
また、ナノインプリント処理における、基板とモールド(透明金型等)との位置合わせに本発明が適用されてもよい。より詳細には、基板とモールドとの両者を(アライメントの)対象物として、基板とモールドとの対向方向に垂直な平面内にて当該両者の位置合わせが行われる際に、上述の思想が適用されてもよい。なお、このような処理は、基板とモールドとの間に樹脂(光硬化性樹脂および熱可塑性樹脂等)を介在させた状態で、互いに対向配置された基板とモールドとの両者を接触させて加圧する装置(加圧装置とも称する)等において行われればよい。また、当該両者は、被加圧物とも称される。さらに、当該加圧装置は、樹脂を用いた各種の樹脂デバイスを製造する樹脂デバイス製造装置であるとも表現される。
たとえば、図35および図36に示されるように、樹脂88がその表面に塗布された基板82と当該樹脂に押し当てるべきモールド81とを水平方向(基板82の主面に平行な方向)(図35等における横方向等)にて正確に位置合わせする際に、上述の思想が適用されるようにしてもよい。なお、図35は、基板82とモールド81とが離間した状態を示す図であり、図36は、基板82とモールド81とが接触した状態を示す図である。
また、図37に示されるように、それぞれレンズ形状に合わせて作成された複数の凹部を有するモールド71を用いて、基板(ガラス基板等)72の一面において樹脂層73を成型して硬化させることにより、基板72の一面に複数のレンズ(73)を形成する場合に、上記の思想を適用することも可能である。特に、上述のアライメント技術を用いることによれば、各レンズを基板内の所定の位置に正確に配置することが可能である。
図37においては、モールド71に樹脂が塗布されて複数のレンズ73が形成された後(あるいは形成されている途中)に、当該モールド71が基板72に対して正確に位置決めされている様子が示されている。なお、図37においては、図示の都合上、比較的少数のレンズ73が記載されているが、多くの場合、実際には非常に多数のレンズ73が形成される。
また、特に、ナノインプリント処理等(未硬化の樹脂を介して接触する動作を伴う位置合わせ動作等)においては、上記各実施形態等と同様に、ステップS24にて接触を一旦解除しても良いが、これに限定されない。たとえば、ステップS24にて接触を解除する代わりに、両対象物の相互間に加わっている圧力を一定値PRよりも小さな値に低減し、両対象物が移動し易い状態へと当該両対象物の状態(接触状態)を遷移させるようにしてもよい。以下、このような改変例について図38を参照しながら詳細に説明する。なお、図38においては、基本的には第1実施形態等(図11参照)と同様の動作が行われる。以下、第1実施形態等(図11参照)との相違点を中心に説明する。
まず、ステップS11〜S13は、上記第1実施形態等と同様に行われる。
その後、最初のステップS21(S21b)〜S23(S23b)は、上記第1実施形態等と同様に行われる。なお、ステップS11〜S13の直後のステップS21(S21b)においては、両対象物がZ方向に相対的に移動した結果、当該両対象物が互いに接触し且つ当該両対象物の相互間に一定値PR以上の圧力が加えられた状態(「高圧接触状態」とも称する)が形成されている、とも表現される。高圧接触状態は、端的に言えば、両対象物が比較的強い力(後述する低圧接触状態に比べて強い力)で押さえつけられて接触した状態である。そして、ステップS23においては、当該高圧接触状態において、第2の位置ずれが測定される。
次のステップS24(S24b)においては、両対象物がZ方向において相対的に移動(互いに離れる向きに移動)して両対象物の相互間の加圧力が低減することに応じて、両対象物の状態が高圧接触状態から低圧接触状態へと遷移する。ここで、「低圧接触状態」は、当該両対象物の相互間に一定値PRよりも小さな圧力が加えられた状態で当該両対象物が接触している状態(たとえば、軽く触れ合っている程度の接触状態)である。このステップS24bでは、接触状態は継続されるものの、両対象物の相互間に作用する圧力が低減される。「高圧接触状態」においては、両対象物は、水平面内における自由な相対移動が困難であるのに対して、「低圧接触状態」においては、両対象物は、水平面内における自由な相対移動が容易である。
ステップS25(S25b)においては、両対象物に関する高圧接触状態の形成に伴って発生する位置ずれ(「高圧接触起因ずれ」とも称する)が、第2の位置ずれに基づいて推定される。「高圧接触起因ずれ」は、低圧接触状態から高圧接触状態への遷移、に伴って生じるずれであり、上述の各種の状況(たとえば、ヘッドとステージとの相互間の傾き)等に起因して生じ得る。「高圧接触起因ずれ」は、「接触起因ずれ」と同様にして推定される。たとえば、次回以降のステップS25bにおいては、その次のステップS21bにおける状態遷移(低圧接触状態から高圧接触状態への遷移)に伴って生じるずれ(「高圧接触起因ずれ」)が、「接触起因ずれ」に関する上述の各種手法と同様にして推定される。また、最初のステップS25bにおいては、「高圧接触起因ずれ」は非接触状態から高圧接触状態への遷移に伴って生じるずれと同様のずれである可能性が高いと考えて、直前のステップS21の接触(1回目の接触)で生じていた接触起因ずれを用いて「高圧接触起因ずれ」が推定される。
ステップS27(S27b)では、両対象物の低圧接触状態において、第3の位置ずれが測定される。
ステップS28(S28b)では、第3の位置ずれが目標状態を達成しているか否かが判定される。ここでは、「高圧接触起因ずれ」の逆向きの位置ずれが発生する状態が「目標状態」として設定される。
ステップS28(S28b)の次のステップS26(S26b)では、両対象物の低圧接触状態(移動可能状態)において、両対象物を水平面内にて相対的に移動して、「目標状態」を達成するように第3の位置ずれが調整される。
ステップS26,S27,S28が適宜(1回あるいは複数回繰り返して)実行された後、目標状態と現状態とのずれが第3の許容範囲内に収まる旨が判定されると、ステップS21(S21b)に進む。
2回目以降のステップS21b(第3の位置ずれが調整された後のステップS21b)では、両対象物がZ方向において相対的に移動(接近)するなどして両対象物の相互間の加圧力が増大され、両対象物の状態が低圧接触状態から高圧接触状態へと遷移する。換言すれば、両対象物を再び高圧接触状態に遷移させる動作(再加圧動作)が行われる。
そして、再びステップS22(S22b),S23(S23b)等の動作が行われる。以後、第1実施形態と同様に、必要に応じてステップS24(S24b)〜S28(S23b),S21(S21b),S22(S22b)の動作が繰り返し実行される。なお、ステップS31(S31b)では、樹脂の硬化処理等が行われる。
以上のような改変例に係る動作が行われるようにしてもよい。
1 接合装置(アライメント装置)
12,41 ステージ
22,42 ヘッド
23 アライメントテーブル
28M,28N カメラ(撮像部)
28e,28f ミラー
25 回転駆動機構
26 Z軸昇降駆動機構
28 位置認識部
43 突出機構
44 押圧板
45 保持機構
45a 外側保持部
45b 内側保持部
91,92 基板(対象物)
GAa,GAb 撮影画像
MK1a,MK1b,MK2a,MK2b アライメントマーク

Claims (26)

  1. 第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント方法であって、
    a)前記第1の対象物と前記第2の対象物とが非接触で対向する状態において、前記両対象物の位置ずれであって所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第1の位置ずれを測定するとともに、前記第1の位置ずれを補正して前記両対象物の位置合わせを行うステップと、
    b)前記ステップa)の後に、前記第1の対象物と前記第2の対象物とを前記所定方向において相対的に移動し前記第1の対象物と前記第2の対象物とを接触させるステップと、
    c)前記第1の対象物と前記第2の対象物との接触状態において、前記両対象物の位置ずれであって前記所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第2の位置ずれを測定するステップと、
    d)前記第2の位置ずれの測定動作の後に、前記両対象物を前記所定方向において相対的に移動して前記両対象物の接触状態を一旦解除するステップと、
    e)前記両対象物の接触に伴って発生する位置ずれである接触起因ずれを、前記第2の位置ずれに基づいて推定するステップと、
    f)前記両対象物の接触解除状態において、前記両対象物の相対的位置関係であって前記所定方向に垂直な平面内における相対的位置関係である第3の位置ずれを測定するステップと、
    g)前記接触起因ずれの逆向きの位置ずれが発生する状態を目標状態として設定し、前記両対象物の接触解除状態において、前記所定方向に垂直な平面内にて前記両対象物を相対的に移動して、前記目標状態を達成するように前記第3の位置ずれを調整するステップと、
    h)前記ステップg)の後に、前記両対象物を再び接触させる再接触動作を行うステップと、
    を備えることを特徴とするアライメント方法。
  2. 請求項1に記載のアライメント方法において、
    前記ステップf)は、
    f−1)前記第1の対象物に付された第1のマークと前記第2の対象物に付された第2のマークとを読み取るステップと、
    f−2)前記第1のマークと前記第2のマークとの両マークを用いて測定された前記両マークの相互間の位置ずれに基づき、前記第3の位置ずれを測定するステップと、
    を有することを特徴とするアライメント方法。
  3. 請求項2に記載のアライメント方法において、
    前記ステップf−1)においては、前記第1の対象物に付された前記第1のマークと前記第2の対象物に付された前記第2のマークとの前記両マークを含む撮影画像が取得され、
    前記ステップf−2)においては、前記撮影画像に基づいて前記両マークの位置ずれが測定されることを特徴とするアライメント方法。
  4. 請求項2に記載のアライメント方法において、
    前記ステップf−1)は、
    f−1−1)前記第1の対象物に付された前記第1のマークを読み取るステップと、
    f−1−2)前記ステップf−1−1)とは異なるタイミングで、前記第2の対象物に付された前記第2のマークを読み取るステップと、
    を有することを特徴とするアライメント方法。
  5. 請求項1に記載のアライメント方法において、
    前記ステップf)は、
    f−1)前記第1の対象物に付された第1のマークと前記第2の対象物に付された第2のマークとの両マークのうちの一方のマークのみを読み取るステップと、
    f−2)前記両マークのうちの他方のマークについて前記ステップf)よりも前に測定された位置と、前記ステップf−1)にて読み取られた前記一方のマークを用いて測定された位置とに基づき前記両マークの相対位置関係を取得するステップと、
    を有することを特徴とするアライメント方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のアライメント方法において、
    前記ステップa)においては、前記第1の位置ずれが第1の許容範囲内に収まるまで前記両対象物の位置合わせが行われるとともに、前記第1の許容範囲内の残存ずれが求められ、
    前記ステップe)においては、前記ステップb)にて残存していたずれである前記残存ずれにも基づいて、前記接触起因ずれが推定されることを特徴とするアライメント方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のアライメント方法において、
    前記ステップh)の後に再びステップc)が実行され、
    前記ステップc)にて前記第2の位置ずれが第2の許容範囲内に収まる旨が判定されるまで、前記ステップd)〜h)およびステップc)がこの順序で繰り返し実行されることを特徴とするアライメント方法。
  8. 請求項7に記載のアライメント方法において、
    前記ステップe)においては、当該ステップe)の直前の前記ステップg)にて最終的に検出された前記両対象物の非接触状態での位置ずれと、当該ステップe)の直前の前記ステップc)で求められた前記第2の位置ずれとに基づいて、前記接触起因ずれが推定されることを特徴とするアライメント方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載のアライメント方法において、
    前記ステップe)においては、前記接触起因ずれに関する過去の複数の推定結果にも基づいて、前記接触起因ずれが推定されることを特徴とするアライメント方法。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載のアライメント方法において、
    前記目標状態とのずれが第3の許容範囲内に収まるまで、前記ステップf)における前記第3の位置ずれの測定動作と前記ステップg)における前記両対象物の相対的移動動作とが繰り返して行われることを特徴とするアライメント方法。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載のアライメント方法において、
    前記第1および第2の対象物は、それぞれ基板であり、
    前記ステップb)においては、少なくとも一方の対象物を撓ませて前記両対象物が部分的に接触する状態で前記両対象物の接触が開始されることを特徴とするアライメント方法。
  12. 請求項11に記載のアライメント方法において、
    前記ステップf)においては、前記両対象物の接触が解除された状態、且つ、前記少なくとも一方の対象物の撓みが戻され前記少なくとも一方の対象物が平坦である状態において、前記第3の位置ずれが測定されることを特徴とするアライメント方法。
  13. 第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント装置であって、
    前記第1の対象物と前記第2の対象物とが非接触で対向した状態において、前記両対象物の位置ずれであって所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第1の位置ずれを測定する測定手段と、
    前記第1の位置ずれを補正して前記両対象物の位置合わせを行うアライメント手段と、
    前記第1の位置ずれの補正後において、前記第1の対象物と前記第2の対象物とを前記所定方向において相対的に移動して、前記第1の対象物と前記第2の対象物とを接触させる相対移動手段と、
    を備え、
    前記測定手段は、前記相対移動手段による相対移動動作により前記第1の対象物と前記第2の対象物とが接触した状態において、前記両対象物の位置ずれであって前記所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第2の位置ずれを測定し、
    前記相対移動手段は、前記第2の位置ずれの測定動作の後に、前記両対象物を前記所定方向において相対的に移動して前記両対象物の接触状態を一旦解除し、
    前記アライメント手段は、前記両対象物の接触に伴って発生する位置ずれである接触起因ずれを前記第2の位置ずれに基づいて推定し、
    前記測定手段は、前記両対象物の接触解除状態において、前記両対象物の相対的位置関係であって前記所定方向に垂直な平面内における相対的位置関係である第3の位置ずれを測定し、
    前記アライメント手段は、前記接触起因ずれの逆向きの位置ずれが発生する状態を目標状態として設定し、前記両対象物の接触解除状態において、前記所定方向に垂直な平面内にて前記両対象物を相対的に移動して、前記目標状態を達成するように前記第3の位置ずれを調整し、
    前記相対移動手段は、前記両対象物の前記接触状態が一旦解除され且つ前記両対象物が相対的に移動された後において、前記両対象物を再び接触させる再接触動作を行うことを特徴とするアライメント装置。
  14. 請求項13に記載のアライメント装置において、
    前記測定手段は、前記第3の位置ずれを測定するに際して、前記第1の対象物に付された第1のマークと前記第2の対象物に付された第2のマークとの両マークを読み取るとともに、前記第1のマークと前記第2のマークとの両マークを用いて測定された前記両マークの相互間の位置ずれに基づき前記第3の位置ずれを測定することを特徴とするアライメント装置。
  15. 請求項14に記載のアライメント装置において、
    前記測定手段は、前記第3の位置ずれを測定するに際して、前記第1の対象物に付された前記第1のマークと前記第2の対象物に付された前記第2のマークとの前記両マークを含む撮影画像を取得するととともに、前記撮影画像に基づいて前記両マークの位置ずれを測定することを特徴とするアライメント装置。
  16. 請求項14に記載のアライメント装置において、
    前記測定手段は、前記第3の位置ずれを測定するに際して、前記第1の対象物に付された前記第1のマークを読み取るとともに、前記第1のマークの読み取りタイミングとは異なるタイミングで、前記第2の対象物に付された前記第2のマークを読み取ることを特徴とするアライメント装置。
  17. 請求項13に記載のアライメント装置において、
    前記測定手段は、前記第3の位置ずれを測定するに際して、
    前記第1の対象物に付された第1のマークと前記第2の対象物に付された第2のマークとの両マークのうちの一方のマークのみを読み取るとともに、
    読み取った前記一方のマークを用いて測定された位置と、前記両マークのうちの他方のマークについて前記第3の位置ずれの測定時点よりも前に測定された位置とに基づき前記両マークの相対位置関係を取得することを特徴とするアライメント装置。
  18. 請求項13から請求項17のいずれかに記載のアライメント装置において、
    前記アライメント手段は、前記第1の位置ずれが第1の許容範囲内に収まるまで前記両対象物の位置合わせを行い、
    前記測定手段は、当該位置合わせの後に未だ残存している前記第1の許容範囲内の残存ずれを求め、
    前記アライメント手段は、前記残存ずれにも基づいて前記接触起因ずれを推定することを特徴とするアライメント装置。
  19. 請求項13から請求項18のいずれかに記載のアライメント装置において、
    前記第2の位置ずれが第2の許容範囲内に収まるまで、
    前記両対象物の接触状態を一旦解除する接触解除動作と、
    前記接触起因ずれの推定動作と、
    前記第3の位置ずれの測定動作と、
    前記目標状態を達成するように前記第3の位置ずれを調整する調整動作と、
    前記両対象物を再び接触させる前記再接触動作と、
    前記第2の位置ずれの測定動作と、
    が繰り返し実行されることを特徴とするアライメント装置。
  20. 請求項19に記載のアライメント装置において、
    前記アライメント手段は、前記再接触動作の直前の前記第3の位置ずれの調整動作にて最終的に検出された前記両対象物の非接触状態での位置ずれと、前記再接触動作の直後の前記第2の位置ずれの測定動作で求められた前記第2の位置ずれとに基づいて、前記接触起因ずれを推定することを特徴とするアライメント装置。
  21. 請求項13から請求項20のいずれかに記載のアライメント装置において、
    前記アライメント手段は、前記接触起因ずれに関する過去の複数の推定結果にも基づいて、前記接触起因ずれを推定することを特徴とするアライメント装置。
  22. 請求項13から請求項21のいずれかに記載のアライメント装置において、
    前記目標状態とのずれが第3の許容範囲内に収まるまで、前記第3の位置ずれの測定動作と前記目標状態を達成するように前記第3の位置ずれを調整する調整動作とが繰り返して実行されることを特徴とするアライメント装置。
  23. 請求項13から請求項22のいずれかに記載のアライメント装置において、
    前記第1および第2の対象物は、それぞれ基板であり、
    前記相対移動手段は、少なくとも一方の対象物を撓ませて前記両対象物が部分的に接触する状態から前記両対象物の接触を開始させることを特徴とするアライメント装置。
  24. 請求項23に記載のアライメント装置において、
    前記測定手段は、前記両対象物の接触が解除された状態、且つ、前記少なくとも一方の対象物の撓みが戻され前記少なくとも一方の対象物が平坦である状態において、前記第3の位置ずれを測定することを特徴とするアライメント装置。
  25. 第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント方法であって、
    a)前記第1の対象物と前記第2の対象物とが非接触で対向する状態において、前記両対象物の位置ずれであって所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第1の位置ずれを測定するとともに、前記第1の位置ずれを補正して前記両対象物の位置合わせを行うステップと、
    b)前記ステップa)の後に、前記第1の対象物と前記第2の対象物とを前記所定方向において相対的に移動し、前記両対象物が互いに接触し且つ前記両対象物の相互間に一定値以上の圧力が加えられた状態である高圧接触状態を形成するステップと、
    c)前記第1の対象物と前記第2の対象物との高圧接触状態において、前記両対象物の位置ずれであって前記所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第2の位置ずれを測定するステップと、
    d)前記第2の位置ずれの測定動作の後に、前記両対象物を前記所定方向において相対的に移動して、前記両対象物を前記高圧接触状態から、前記両対象物の相互間に前記一定値よりも小さな圧力が加えられて前記両対象物が接触する状態である低圧接触状態へと遷移させるステップと、
    e)前記両対象物に関する高圧接触状態の形成に伴って発生する位置ずれである高圧接触起因ずれを、前記第2の位置ずれに基づいて推定するステップと、
    f)前記両対象物の低圧接触状態において、前記両対象物の相対的位置関係であって前記所定方向に垂直な平面内における相対的位置関係である第3の位置ずれを測定するステップと、
    g)前記高圧接触起因ずれの逆向きの位置ずれが発生する状態を目標状態として設定し、前記両対象物の低圧接触状態において、前記所定方向に垂直な平面内にて前記両対象物を相対的に移動して、前記目標状態を達成するように前記第3の位置ずれを調整するステップと、
    h)前記ステップg)の後に、前記両対象物を再び前記高圧接触状態に遷移させる再加圧動作を行うステップと、
    を備えることを特徴とするアライメント方法。
  26. 第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント装置であって、
    前記第1の対象物と前記第2の対象物とが非接触で対向した状態において、前記両対象物の位置ずれであって所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第1の位置ずれを測定する測定手段と、
    前記第1の位置ずれを補正して前記両対象物の位置合わせを行うアライメント手段と、
    前記第1の位置ずれの補正後において、前記第1の対象物と前記第2の対象物とを前記所定方向において相対的に移動し、前記両対象物が互いに接触し且つ前記両対象物の相互間に一定値以上の圧力が加えられた状態である高圧接触状態を形成する相対移動手段と、
    を備え、
    前記測定手段は、前記相対移動手段による相対移動動作により前記第1の対象物と前記第2の対象物との前記高圧接触状態が形成されている状態において、前記両対象物の位置ずれであって前記所定方向に垂直な平面内における位置ずれである第2の位置ずれを測定し、
    前記相対移動手段は、前記第2の位置ずれの測定動作の後に、前記両対象物を前記所定方向において相対的に移動して、前記両対象物を前記高圧接触状態から、前記両対象物の相互間に前記一定値よりも小さな圧力が加えられて前記両対象物が接触する状態である低圧接触状態へと遷移させ、
    前記アライメント手段は、前記両対象物に関する高圧接触状態の形成に伴って発生する位置ずれである高圧接触起因ずれを、前記第2の位置ずれに基づいて推定し、
    前記測定手段は、前記両対象物の低圧接触状態において、前記両対象物の相対的位置関係であって前記所定方向に垂直な平面内における相対的位置関係である第3の位置ずれを測定し、
    前記アライメント手段は、前記高圧接触起因ずれの逆向きの位置ずれが発生する状態を目標状態として設定し、前記両対象物の低圧接触状態において、前記所定方向に垂直な平面内にて前記両対象物を相対的に移動して、前記目標状態を達成するように前記第3の位置ずれを調整し、
    前記相対移動手段は、前記第3の位置ずれが調整された後において、前記両対象物を再び前記高圧接触状態に遷移させる再加圧動作を行うことを特徴とするアライメント装置。
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