JP2018053997A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、能動ギアの第1係合部と従動ギアの第2係合部との間で円滑に結合状態を確立することができる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】動力伝達装置では、シフトドラム84に複数のカム溝91、93が形成され、クラッチアウター56と当接する当接面114が構成される摺動部材109がクラッチハブ57と係合し、摺動部材109を駆動するアーム部材116が配置され、アーム部材116はカム溝93に連結され、アーム部材116は、シフトドラム84の動作に伴い、摺動部材109を駆動するとともにクラッチアウター56と当接させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、動力入力側に連結されて、フリクション板を保持するクラッチアウターと、クラッチアウターに対して相対回転自在に支持されて、フリクション板に摩擦接合可能なクラッチ板を保持するクラッチハブと、クラッチハブに連結されて、第1係合部を有する能動ギアと、軸方向に変位可能に能動ギアに同軸に支持されて、軸方向基準位置から軸方向に作動位置に移動すると第1係合部に係り合う第2係合部を有する従動ギアと、軸方向に能動ギアを駆動するカムプロファイルを有するシフトドラムとを備えた動力伝達装置に関する。
特許文献1はドグクラッチ式変速機を開示する。ドグクラッチ式変速機では動力の伝達にあたって従動ギアの第2係合部に能動ギアの第1係合部は噛み合う。こうして入力軸の動力は能動ギアから従動ギアを経て出力軸の被駆動ギアに伝達される。特許文献1では第1係合部が第2係合部に当たって能動ギアの軸方向移動が阻止される場合でも、電動アクチュエーターにより能動ギアと従動ギアとの間で相対回転が引き起こされることから、第1係合部は第2係合部の隣接空間に確実に進入することができる。
特開2014−035064号公報
特許文献1では、前述のように第1係合部および第2係合部の間で円滑に結合状態が確立されるものの、相対回転の生成にあたって電動アクチュエーターが用いられることから、構造が複雑化し、同時に調達コストや製造コストも上昇してしまう。
本発明は、簡単な構造で、能動ギアの第1係合部と従動ギアの第2係合部との間で円滑に結合状態を確立することができる動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によれば、動力入力側に連結されて、フリクション板を保持するクラッチアウターと、前記クラッチアウターに対して相対回転自在に支持されて、前記フリクション板に摩擦接合可能なクラッチ板を保持するクラッチハブと、前記クラッチハブに連結されて、第1係合部を有する能動ギアと、軸方向に変位可能に前記能動ギアに同軸に支持されて、軸方向基準位置から軸方向に作動位置に移動すると前記第1係合部に係り合う第2係合部を有する従動ギアと、前記能動ギアと前記従動ギアとの組み合わせにより変更される複数の変速ギアを有し、前記変速ギアを稼動させるシフトドラムを備えた動力伝達装置において、前記シフトドラムには複数のカム溝が形成され、前記クラッチアウターと当接する当接面が構成される摺動部材が前記クラッチハブと係合し、前記摺動部材を駆動するアーム部材が前記カム溝に連結され、前記アーム部材は、前記シフトドラムの動作に伴い、前記摺動部材を駆動するとともに前記クラッチアウターと当接させる動力伝達装置は提供される。
第2側面によれば、第1側面の構成に加えて、前記アーム部材は、前記シフトドラムが前記能動ギアと前記従動ギアとが係合しないニュートラル位置にある場合に、前記シフトドラムに構成された前記カム溝により稼動される。
第3側面によれば、第1または第2側面の構成に加えて、前記シフトドラムは、前記変速ギアを稼動させる第1シフトドラムと、前記第1シフトドラムの端部に係合される第2シフトドラムとを含み、前記第2シフトドラムに前記アーム部材を稼動させる前記カム溝が構成され、前記シフトドラムを支持するクランクケースは前記第1シフトドラムと前記第2シフトドラムとの間に配置される。
第4側面によれば、第3側面の構成に加えて、前記第1シフトドラムには変速ギアを稼動させるシフトフォークが係合され、前記シフトフォークを支持するフォークシャフトが前記クランクケースに配置され、前記フォークシャフトは前記クランクケースを貫通するとともに、左右方向で前記クランクケースの前記第2シフトドラム側で、前記アーム部材を支持する。
第5側面によれば、第1〜第4側面のいずれかの構成に加えて、前記摺動部材には弾性部材が配置され、前記アーム部材は前記弾性部材と前記摺動部材とにより挟持されている。
第6側面によれば、第5側面の構成に加えて、前記クラッチハブにはリターンスプリングが配置され、前記リターンスプリングは前記摺動部材へ、前記クラッチアウターから引き離す方向の付勢力を与える。
第7側面によれば、第2側面の構成に加えて、動力伝達装置は、前記能動ギアおよび前記従動ギアを含む駆動ギアまたは被駆動ギアを支持する第1軸、並びに、前記駆動ギアまたは前記被駆動ギアに噛み合い可能な被駆動ギアまたは駆動ギアを支持する第2軸を含む多段変速機で、前記第1軸および前記第2軸の間で動力の伝達を切断するニュートラル状態が確立され、前記フリクション板および前記クラッチ板の間で摩擦接合が確立されると、エンジンの燃焼動作を停止する制御回路と、前記エンジンのクランクシャフトに接続されて、前記ニュートラル状態で前記摩擦接合が再び解除されると前記制御回路からの指令信号を受けてクランクシャフトを自動始動するスターターモーターとを備える。
第1側面によれば、シフトドラムが特定の位置に動作すると、アーム部材が摺動部材を稼動させクラッチアウターに当接させる。それにより、一部動力を伝達し、連れ回りを発生しやすい状況を作り出すことが可能になる。そのため能動ギアはクラッチハブから動力を受け回転する。こうして能動ギアと従動ギアとの間で相対回転は引き起こされる。軸方向基準位置から作動位置に能動ギアが移動する際に、第1係合部が第2係合部に当たって能動ギアの軸方向移動が阻止される場合でも、相対回転によって第1係合部は第2係合部の隣接空間に進入することができる。こうして第1係合部および第2係合部の間で円滑に結合状態は確立されることができる。
第2側面によれば、シフトドラムがニュートラル位置にある場合には、能動ギアと従動ギアとが係合しておらず、その状態でフリクション板とクラッチ板との接合が解除された場合、クラッチハブと能動ギアとは動力源もしくは出力先と係合しない状況になる。そのような場合においても、本構造によれば、クラッチハブに一部動力を伝えることができるため、第1係合部および第2係合部の結合を行うことができる。また、その後、シフトドラムを稼働させることでアーム部材と摺動部材との稼動を解除することができる。
第3側面によれば、第1シフトドラムと第2シフトドラムとにシフトドラムを分割し、間にクランクケースを配置することで、第1シフトドラムと第2シフトドラムとの中間部を支持することができるため、シフトドラムを強固に支持できる。また、クランクケースを挟んで一方にシフトドラム、他方にクラッチ機構が配置されている状態であるため、第2シフトドラムをクランクケースのクラッチ機構側で近傍に配置することでアーム部材の構造を簡素にすることが可能になり、クランクケースも簡素に構成できる。
第4側面によれば、シャフトを共有化することにより部品点数を少なくすることができ、またクランクケースを貫通することで、強固に支持できる。
第5側面によれば、弾性部材と摺動部材とによりアーム部材を挟持することで、アーム部材を摺動部材と相対稼働可能で、外部から振動等により摺動部材が振動したとしても振動をアーム部材に伝えづらくできる。それに加え、摺動部材への摩擦負荷を低減することができる。
第6側面によれば、車体振動などにより非稼動時に摺動部材とクラッチアウターとが接触することを低減することができる。
第7側面によれば、フリクション板およびクラッチ板を含む摩擦クラッチが切断され、多段変速機でニュートラル状態が確立された後に、摩擦クラッチが再び接続状態に移行すると、エンジンではアイドルストップが実施され、エンジンの燃焼動作は停止する。このとき、駆動ギアを支持する入力軸に駆動力は入力されないことから、駆動ギアの回転は停止する。アイドルストップ時、被駆動ギアを支持する出力軸にも駆動力は入力されないことから、被駆動ギアの回転も停止する。その後、摩擦接合が再び解除されて摩擦クラッチが切断されると、スターターモーターはクランクシャフトを駆動し、続いてクラッチアウターが回転する。ニュートラル状態であることから摺動部材がクラッチアウターに当接しているため、能動ギアと従動ギアとの間で相対回転は引き起こされることから、第1係合部は第2係合部の隣接空間に進入することができる。こうして第1係合部および第2係合部の間で円滑に結合状態は確立されることができる。
自動二輪車の側面図である。 図1の2−2線に沿った断面図である。 多段変速機の構成を詳細に示す拡大部分断面図である。 多段変速機のシフト機構およびクラッチの構成を概略的に示す拡大部分断面図である。 アーム部材の形状を示す多段変速機の側面図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。ここで、車体の上下前後左右は自動二輪車に乗車した乗員の目線に基づき規定されるものとする。
図1は本発明の一実施形態に係る自動二輪車の全体構成を概略的に示す。自動二輪車11は車体フレーム12を備える。車体フレーム12の前端でヘッドパイプ13にはフロントフォーク14が操向可能に支持される。フロントフォーク14には車軸15回りで回転自在に前輪WFが支持される。車体フレーム12の後端でピボットフレーム16にはスイングアーム17が車幅方向に水平に延びる支軸18回りで揺動自在に支持される。スイングアーム17の後端には車軸19回りで回転自在に後輪WRが支持される。
フロントフォーク14にはヘッドパイプ13の上側でハンドルバー21が結合される。ハンドルバー21の左右両端にはグリップ22が取り付けられる。走行にあたって自動二輪車11の運転者は左右の手でそれぞれグリップ22を握る。左グリップ22にはクラッチレバー23が組み合わせられる。運転者は左手でクラッチレバー23を操作することができる。
前輪WFおよび後輪WRの間で車体フレーム12にはエンジン25が搭載される。エンジン25は、クランクケース26と、クランクケース26に結合されるシリンダーブロック27と、シリンダーブロック27に結合されるシリンダーヘッド28と、シリンダーヘッド28に結合されるヘッドカバー29とを備える。クランクケース26には、後輪WRの車軸19に平行に延びる軸線回りで回転するクランクシャフト31が収容される。クランクシャフト31は、シリンダーブロック27のシリンダーボアにスライド自在に嵌め合わせられるピストン(図示されず)の軸線方向運動に応じて回転する。クランクシャフト31の回転運動は後述される動力伝達装置を経て駆動スプロケット32に伝達される。駆動スプロケット32の回転運動はドライブチェーン33を介して後輪WRに固定の被駆動スプロケット34に伝達される。
エンジン25の上方で車体フレーム12には燃料タンク35が搭載される。燃料タンク35の後方で車体フレーム12には乗員シート36が搭載される。燃料タンク35からエンジン25の燃料噴射装置に燃料は供給される。自動二輪車11の運転にあたって乗員は乗員シート36を跨ぐ。
図2に示されるように、クランクケース26は第1ケース半体26aおよび第2ケース半体26bを備える。クランクシャフト31は、第1ケース半体26aおよび第2ケース半体26bにそれぞれ嵌め込まれる軸受け37で第1ケース半体26aおよび第2ケース半体26bに回転自在に支持される。クランクケース26内でクランクシャフト31のクランクにはコネクティングロッド38が連結される。コネクティングロッド38はピストンの軸線方向運動をクランクシャフト31の回転運動に変換する。
エンジン25にはドグクラッチ式の多段変速機(動力伝達装置)39が組み込まれる。多段変速機39はクランクシャフト31の軸心に平行な軸心を有する入力軸41および出力軸42を備える。入力軸41および出力軸42は、第1ケース半体26aおよび第2ケース半体26bにそれぞれ嵌め込まれる軸受け43、44で第1ケース半体26aおよび第2ケース半体26bに回転自在に支持される。入力軸41は一次減速機構45を通じてクランクシャフト31に接続される。一次減速機構45は、クランクシャフト31に固定される駆動ギア45aと、出力軸42上に相対回転自在に支持される被駆動ギア45bとを備える。被駆動ギア45bは駆動ギア45aに噛み合う。出力軸42には駆動スプロケット32が結合される。
入力軸41上には4つの駆動ギアが配置される。駆動ギアは順番にロー駆動ギア46、4速駆動ギア47、3速駆動ギア48および2速駆動ギア49を含む。同様に、出力軸42上には順番に4つの被駆動ギアが配置される。被駆動ギアはロー被駆動ギア51、4速被駆動ギア52、3速被駆動ギア53および2速被駆動ギア54を含む。多段変速機39ではニュートラル状態、1速結合状態、2速結合状態、3速結合状態および4速結合状態で結合状態が選択的に切り替えられる。多段変速機39の詳細は後述される。
エンジン25には摩擦クラッチ55が組み込まれる。摩擦クラッチ55はクラッチアウター56およびクラッチハブ57を備える。クラッチアウター56に一次減速機構45の被駆動ギア45bは連結される。クラッチレバー23の操作に応じて摩擦クラッチ55ではクラッチアウター56およびクラッチハブ57の間で連結および切断が切り替えられる。摩擦クラッチ55の詳細は後述される。
エンジン25にはACG(交流発電機)スターター58が組み込まれる。ACGスターター58はローター59およびステーター61を備える。ローター59は、クランクケース26の第1ケース半体26aから突き出るクランクシャフト31に結合される。ローター59は周方向に配列される複数の磁石を有する。ローター59はステーター61の外周を囲む。ステーター61には周方向に配列される複数のコイルが巻き付けられる。コイルはローター59の回転時に磁石の軌道に向き合う軌道を辿る。クランクケース26の第1ケース半体26aには発電機カバー62が結合される。ステーター61は発電機カバー62に支持される。ローター59およびステーター61は発電機カバー62および第1ケース半体26aで区画される空間に収容される。ACGスターター58は、エンジン25の始動時にはクランクシャフト31を自動始動するスターターモーターとして機能し、エンジン25の始動が確認されると、交流発電機として機能する。
ACGスターター58には制御回路が接続される。制御回路は例えばECU(電子制御ユニット)で構成される。制御回路は例えば内蔵の記憶装置に格納される制御プログラム(ソフトウェア)に従ってアイドルストップ制御を実行することができる。アイドルストップ制御の実行にあたって、制御回路は、入力軸41および出力軸42の間で動力の伝達を切断するニュートラル状態を確立し、フリクション板およびクラッチ板の間で摩擦接合が確立されると、エンジン25の燃焼動作を停止する信号を出力する。その後、ニュートラル状態で摩擦接合が再び解除されると、制御回路は、スターターモーターの動作を指示する指令信号をACGスターター58に供給する。
図3に示されるように、多段変速機39ではロー駆動ギア46は入力軸41に刻まれる。4速駆動ギア47は入力軸41に対して相対回転自在かつ軸方向変位不能に入力軸41に支持される。3速駆動ギア48は第1シフター64に一体化される。第1シフター64は、入力軸41に刻まれるスプライン65に嵌め合わせられスプライン65上に相対回転不能かつ軸方向変位自在に支持される。2速駆動ギア49は入力軸41に対して相対回転自在かつ軸方向変位不能に入力軸41に支持される。
4速駆動ギア47および3速駆動ギア48の間には第1嵌め合い機構66が構成される。第1嵌め合い機構66は、第1シフター64に形成される複数の駆動突部67と、4速駆動ギア47に形成される複数の被駆動突部68とを備える。第1シフター64がスプライン65上で軸方向基準位置に位置すると、駆動突部67の軌道は被駆動突部68の軌道から離れる。このとき、4速駆動ギア47および第1シフター64の間では入力軸41の軸心回りで相対回転は許容される。第1シフター64が軸方向基準位置から4速駆動ギア47に向かって第1距離で変位して第1作動位置に移動すると、駆動突部67は4速駆動ギア47上で周方向に隣接する被駆動突部68同士の間に入り込む。駆動突部67は入力軸41の回転方向に被駆動突部68に面接触する。駆動突部67および被駆動突部68にはそれぞれ入力軸41の軸心を含む仮想平面内で広がる接触面が区画される。こうして被駆動突部68および駆動突部67は入力軸41の軸心回りに相互に噛み合う。噛み合い時、4速駆動ギア47は第1シフター64を介して入力軸41に相対回転不能に結合される。
3速駆動ギア48および2速駆動ギア49の間には第2嵌め合い機構69が構成される。第2嵌め合い機構69は、第1シフター64に形成される複数の駆動突部71と、2速駆動ギア49に形成される複数の被駆動突部72とを備える。第1シフター64がスプライン65上で軸方向基準位置に位置すると、駆動突部71の軌道は被駆動突部72の軌道から離れる。このとき、第1シフター64および2速駆動ギア49の間では入力軸41の軸心回りで相対回転は許容される。第1シフター64が軸方向基準位置から2速駆動ギア49に向かって第2距離で変位して第2作動位置に移動すると、駆動突部71は2速駆動ギア49上で周方向に隣接する被駆動突部72同士の間に入り込む。駆動突部71は入力軸41の回転方向に被駆動突部72に面接触する。駆動突部71および被駆動突部72にはそれぞれ入力軸41の軸心を含む仮想平面内で広がる接触面が区画される。こうして駆動突部71および被駆動突部72は入力軸41の軸心回りに相互に噛み合う。噛み合い時、2速駆動ギア49は第1シフター64を介して入力軸41に相対回転不能に結合される。
ロー被駆動ギア51は相対回転自在かつ軸方向変位不能に出力軸42に支持される。ロー被駆動ギア51は入力軸41上のロー駆動ギア46に噛み合う。4速被駆動ギア52は第2シフター73に一体化される。第2シフター73は、出力軸42に刻まれるスプライン74に嵌め合わせられスプライン74上に相対回転不能かつ軸方向変位自在に支持される。3速被駆動ギア53は出力軸42に対して相対回転自在かつ軸方向変位不能に出力軸42に支持される。2速被駆動ギア54は出力軸42に刻まれるスプラインに嵌め合わせられスプライン上に相対回転不能かつ軸方向変位不能に支持される。2速被駆動ギア54は入力軸41上の2速駆動ギア49に噛み合う。
ロー被駆動ギア51および4速被駆動ギア52の間には第3嵌め合い機構75が構成される。第3嵌め合い機構75は、第2シフター73に形成される複数の駆動突部76と、ロー被駆動ギア51に形成される複数の被駆動突部77とを備える。第2シフター73がスプライン74上で軸方向基準位置に位置すると、駆動突部76の軌道は被駆動突部77の軌道から離れる。このとき、第2シフター73およびロー被駆動ギア51の間では出力軸42の軸心回りで相対回転は許容される。第2シフター73が軸方向基準位置からロー被駆動ギア51に向かって第3距離で変位して第3作動位置に移動すると、駆動突部76はロー被駆動ギア51上で周方向に隣接する被駆動突部77同士の間に入り込む。駆動突部76は出力軸42の回転方向に被駆動突部77に面接触する。駆動突部76および被駆動突部77にはそれぞれ出力軸42の軸心を含む仮想平面内で広がる接触面が区画される。こうして駆動突部76および被駆動突部77は出力軸42の軸心回りに相互に噛み合う。噛み合い時、ロー被駆動ギア51は第2シフター73を介して出力軸42に相対回転不能に結合される。
4速被駆動ギア52および3速被駆動ギア53の間には第4嵌め合い機構78が構成される。第4嵌め合い機構78は、第2シフター73に形成される複数の駆動突部78と、3速被駆動ギア53に形成される複数の被駆動突部79とを備える。第2シフター73がスプライン74上で軸方向基準位置に位置すると、駆動突部78の軌道は被駆動突部79の軌道から離れる。このとき、第2シフター73および3速被駆動ギア53の間では出力軸42の軸心回りで相対回転は許容される。第2シフター73が軸方向基準位置から3速被駆動ギア53に向かって第4距離で変位して第4作動位置に移動すると、駆動突部78は3速被駆動ギア53上で周方向に隣接する被駆動突部79同士の間に入り込む。駆動突部78は出力軸42の回転方向に被駆動突部79に面接触する。駆動突部78および被駆動突部79にはそれぞれ出力軸42の軸心を含む仮想平面内で広がる接触面が区画される。こうして駆動突部78および被駆動突部79は出力軸42の軸心回りに相互に噛み合う。噛み合い時、3速被駆動ギア53は第2シフター73を介して出力軸42に相対回転不能に結合される。
実施形態において第1係合部は能動ギア51の側面に形成され、周方向に並ぶ複数の係合孔(または窪み)77であり、第2係合部は従動ギア52に構成される係合孔77と同数の係合突起76で構成されている。各係合孔77の間には能動ギア51の径方向に延びる第1係合部が構成され、第2係合部すなわち係合突起76と、第2係合部が周方向で当接することにより動力伝達を行う。ただし、先に述べるとおり本実施形態では係合突起76が係合孔77と係合しない場合、係合突起76が第1係合部と軸方向で当接し軸方向移動が阻止される場合がある。なお、能動ギア51に係合突起を設け、従動ギア52に係合孔を設ける構成でもよい。後述する変速ギアの構成においても同様であり便宜上突起と記載するものの、孔の間に構成される径方向に延びる係合部でも突部であってもよい。
入力軸41上で第1シフター64すなわち3速駆動ギア48が軸方向基準位置に位置し、出力軸42上で第2シフター73すなわち4速被駆動ギア52が軸方向基準位置に位置すると、入力軸41上の4速駆動ギア47は出力軸42上の4速被駆動ギア52に噛み合い、入力軸41上の3速駆動ギア48は出力軸42上の3速被駆動ギア53に噛み合う。4速駆動ギア47および2速駆動ギア49は入力軸41に対して相対回転する。ロー被駆動ギア51および3速被駆動ギア53は出力軸42に対して相対回転する。この状態では入力軸41から出力軸42に回転力は伝達されない。多段変速機39ではニュートラル状態が確立される。
ニュートラル状態から出力軸42上で第2シフター73すなわち4速被駆動ギア52が軸方向基準位置から第3作動位置に移動すると、第3嵌め合い機構75で第2シフター73の駆動突部76はロー被駆動ギア51の被駆動突部77に噛み合う。ロー被駆動ギア51は出力軸42に結合される。このとき、第2シフター73の移動に伴って4速被駆動ギア52は入力軸41の4速駆動ギア47から外れる。4速駆動ギア47および4速被駆動ギア52の噛み合いは解消される。ロー被駆動ギア51に伝達される入力軸41の回転力は出力軸42を駆動する。こうして多段変速機39では1速が確立される。
ニュートラル状態から入力軸41上で第1シフター64すなわち3速駆動ギア48が軸方向基準位置から第2作動位置に移動すると、第2嵌め合い機構69で第1シフター64の駆動突部71は2速駆動ギア49の被駆動突部72に噛み合う。2速駆動ギア49は入力軸41に結合される。このとき、第1シフター64の移動に伴って3速駆動ギア48は出力軸42の3速被駆動ギア53から外れる。3速駆動ギア48および3速被駆動ギア53の噛み合いは解消される。入力軸41の回転力は2速駆動ギア49に伝達される。入力軸41の2速駆動ギア49は出力軸42の2速被駆動ギア54に噛み合うことから、入力軸41の回転力は出力軸42を駆動する。こうして多段変速機39では2速が確立される。
ニュートラル状態から出力軸41上で第2シフター73すなわち4速被駆動ギア52が軸方向基準位置から第4作動位置に移動すると、第4嵌め合い機構78で第2シフター73の駆動突部78は3速被駆動ギア53の被駆動突部79に噛み合う。3速被駆動ギア53は出力軸42に結合される。このとき、第2シフター73の移動に伴って4速被駆動ギア52は入力軸41の4速駆動ギア47から外れる。4速駆動ギア47および4速被駆動ギア52の噛み合いは解消される。3速被駆動ギア53に伝達される入力軸41の回転力は出力軸42を駆動する。こうして多段変速機39では3速が確立される。
ニュートラル状態から入力軸41上で第1シフター64すなわち3速駆動ギア48が軸方向基準位置から第1作動位置に移動すると、第1嵌め合い機構66で第1シフター64の駆動突部67は4速駆動ギア47の被駆動突部68に噛み合う。4速駆動ギア47は入力軸41に結合される。このとき、第1シフター64の移動に伴って3速駆動ギア48は出力軸42の3速被駆動ギア53から外れる。3速駆動ギア48および3速被駆動ギア53の噛み合いは解消される。入力軸41の回転力は4速駆動ギア47に伝達される。入力軸41の4速駆動ギア47は出力軸42の4速被駆動ギア52に噛み合うことから、入力軸41の回転力は出力軸42を駆動する。こうして多段変速機39では4速が確立される。
図4に示されるように、多段変速機39にはシフト機構81が組み込まれる。シフト機構81は入力軸41の軸心に平行に延びるフォークシャフト82を備える。フォークシャフト82にはシフトフォーク83が軸方向に変位自在に支持される。シフトフォーク83はフォークシャフト82の軸心に直交する方向に延びて入力軸41上の第1シフター64に連結される。
シフト機構81はシフトドラム84を備える。シフトドラム84はフォークシャフト82の軸心に平行に延びる軸線85回りで回転自在に支持される。シフトドラム84は、駆動ギア46、47、48、49および被駆動ギア51、52、53、54の組み合わせで構成される変速ギアを稼働させる第1シフトドラム84aと、第1シフトドラム84aの端部に係合される第2シフトドラム84bとを含む。第1シフトドラム84aの端部にはクランクケース26の第2半体26bに形成される滑り軸受け86に回転自在にスライド支持される軸体87が区画される。軸体87の端面に第2シフトドラム84bは同軸に重ねられ軸体87にねじ88で締結される。軸体87の端面と第2シフトドラム84bとには両者の境界面を横切る回り止めピン89が差し込まれる。回り止めピン89は軸線85回りで第1シフトドラム84aおよび第2シフトドラム84b間の相対回転を阻止する。このようにシフトドラム84を支持するクランクケース26は第1シフトドラム84aおよび第2シフトドラム84bの間に配置される。第1シフトドラム84aの基準面および第2シフトドラム84bの基準面より軸体87および滑り軸受け86の直径は小径に構成され、そのためねじ88で締結することでクランクケース26に固定されることができる。
第1シフトドラム84aの外周面には第1カム溝91が刻まれる。第1カム溝91は回転角に応じてシフトドラム84の軸線85の方向に変位する。第1カム溝91には、フォークシャフト82の軸心に直交する方向にシフトフォーク83から突き出るピン92が挿入される。こうしてシフトドラム84の回転に応じてフォークシャフト82に沿ってシフトフォーク83は移動する。シフトフォーク83の移動は入力軸41上で第1シフター64の移動を引き起こす。こうして第1シフトドラム84aは、第1シフター64に連結されて、入力軸41の軸方向に第1シフター64の変位を生み出す。同様なシフト機構は出力軸42上の第2シフター73にも関連づけられる。
第2シフトドラム84bの外周面に第2カム溝93が刻まれる。第2カム溝93は、第1カム溝91のニュートラル状態確立時の回転角位置に対応してシフトドラム84の軸線85の方向に第1シフトドラム84aから遠ざかるように変位する。
クラッチアウター56は、前述の被駆動ギア45bを外周に保持するクラッチギア94と、入力軸41の軸心回りで相対角変化可能にクラッチギア94に支持される保持部材95とを備える。クラッチギア94は多段変速機39の入力軸41の軸心回りに相対回転自在にクラッチハブ57に支持される。クラッチギア94はクランクシャフト31上の駆動ギア45aに噛み合う。駆動ギア45aは、クランクケース26の第2ケース半体26bから突き出るクランクシャフト31に相対回転不能に結合される。こうして規定の減速比でクランクシャフト31の回転はクラッチギア94に伝達される。
保持部材95には複数枚のフリクション板96が保持される。フリクション板96は入力軸41の軸方向に変位可能に保持部材95に支持される。フリクション板96は保持部材95とともに回転する。保持部材95とクラッチギア94との間には、周方向に衝撃を吸収する弦巻ばね97およびダンパー98が配置される。クランクシャフト31の動力はクラッチギア94を経て入力軸41の軸心回りに保持部材95に伝達される。
クラッチハブ57は相対回転不能に入力軸41に支持される。クラッチハブ57は、入力軸41に相対回転不能に装着されるガイド筒99と、ワッシャー101を介してガイド筒99に軸方向から押し当てられる保持部材102とを備える。ガイド筒99にクラッチギア94は相対回転自在に支持される。保持部材102の外周はクラッチアウター56の保持部材95で囲まれる。保持部材102には複数枚のクラッチ板103が保持される。クラッチ板103は入力軸41の軸方向に相対変位可能に保持部材102に支持される。クラッチ板103はフリクション板96同士の間に挟まれる。
摩擦クラッチ55は圧力板104およびクラッチリフター105を備える。圧力板104は入力軸41の軸方向に変位自在にクラッチハブ57に装着される。圧力板107はクラッチハブ57のフランジ57aとの間にフリクション板96およびクラッチ板103を挟み込む。圧力板104にはクラッチリフター105のリフター板106が締結される。リフター板106およびクラッチハブ57の間にはクラッチばね107が挟まれる。クラッチばね107はクラッチハブ57のフランジ57aに対して圧力板104を押し付ける弾性力を発揮する。クラッチばね107の働きでフリクション板96およびクラッチ板103は摩擦接合される。こうした摩擦接合に基づきクラッチアウター56はクラッチハブ57に結合される。
リフター板106にはリフターロッド108が連結される。リフターロッド108に対して入力軸41の軸心回りにリフター板106の相対回転は確保される。クラッチレバー23の操作に連動してリフターロッド108がクラッチばね107の弾性力に抗して押し込まれると、フリクション板96およびクラッチ板103の間で密着は解消される。摩擦クラッチ55は切断される。
クラッチハブ57のガイド筒99には摺動部材109が装着される。摺動部材109は、入力軸41の軸心回りで相対回転不能にクラッチハブ57に係合する。摺動部材109は、クラッチギア94から最も遠ざかる第1位置と、クラッチギア94に面で接触する第2位置との間で軸方向変位可能にガイド筒99に支持される。
摺動部材109には、ガイド筒99を囲んで、ガイド筒99に入力軸41の軸心回りに相対回転不能に係り合う環状体111と、環状体111から連続して、内側にクラッチギア94のボス94aを収容する円筒体112と、円筒体112から径方向外側に広がるフランジ体113とが区画される。環状体111には、クラッチギア94のボス94aに向き合って、摺動部材109の第2位置でボス94aの端面に当接する当接面114が規定される。ここでは、当接面114およびボス94aの端面は入力軸41の軸心に直交する。
クラッチハブ57のガイド筒99にはリターンスプリング115が配置される。リターンスプリング115は例えばガイド筒99を囲む皿ばねで構成される。リターンスプリング115は、ガイド筒99と摺動部材109との間に挟まれて、摺動部材109に、クラッチアウター56から引き離す方向に付勢力を付与する。こうしてリターンスプリング115は第1位置に摺動部材109を維持する役割を果たす。
摺動部材109には、入力軸41の軸心回りで摺動部材109に対して相対回転自在にアーム部材116が装着される。アーム部材116は、入力軸41の軸方向に摺動部材109のフランジ体113に受け止められて円筒体112の外周に沿って延びる。アーム部材116にはフォークシャフト82に相対回転可能に支持される筒体116aが区画される。筒体116aはフォークシャフト82に軸方向に相対変位可能に支持される。フォークシャフト82は、クランクケース26の第2ケース半体26bを貫通するとともに、左右方向でクランクケース26の第2シフトドラム84b側でアーム部材116を支持する。
アーム部材116は、筒体116aに固定されフォークシャフト82の軸心に直交する方向に延びて、第2シフトドラム84bの第2カム溝93に進入するピン117を有する。第2シフトドラム84bの回転中にピン117の動きは第2カム溝93で案内される。第2シフトドラム84bが軸線85回りで回転すると、第2カム溝93のカムプロファイルに基づきフォークシャフト82の軸方向にアーム部材116は変位する。
摺動部材109には弾性部材118が装着される。弾性部材118は例えば摺動部材109の円筒体112を囲む皿ばねで構成される。アーム部材116は摺動部材109のフランジ体113と弾性部材118とにより挟持される。弾性部材118の働きでアーム部材116は摺動部材109上でフランジ体113に押しつけられる。第2カム溝93のカムプロファイルに基づきクランクケース26の第2ケース半体26bから遠ざかるようにアーム部材116が変位すると、弾性部材118を介して摺動部材109に第1位置から第2位置に向かって推進力が作用し、摺動部材109の当接面114はクラッチギア94のボス94a(クラッチアウター56)に当接する。
図5(a)に示されるように、アーム部材116は、円筒体112の外周に倣った半環形状に形成される。アーム部材116は円弧面で円筒体112の外周に接する。その他、図5(b)に示されるように、アーム部材116は、円筒体112の外周を途切れなく囲む環状に形成されてもよい。アーム部材116は内側の円筒面で円筒体112の外周に接する。
走行中、摩擦クラッチ55ではフリクション板96およびクラッチ板103が摩擦接合する。クラッチハブ57はクラッチアウター56に連結される。多段変速機39では1速、2速、3速または4速のいずれかが確立される。クランクシャフト31の動力は摩擦クラッチ55および多段変速機39を経て決められた減速比で後輪WRに伝達される。
停止中、多段変速機39でニュートラル状態が確立されれば、運転者はクラッチレバー23を解放し摩擦クラッチ55を接続することができる。摩擦クラッチ55の接続に先立って、運転者は、いちど摩擦クラッチ55を切断し、多段変速機39でニュートラル状態を確立する。運転者が再びクラッチレバー23を解放すると、摩擦クラッチ55が再び接続状態に移行し、制御回路は多段変速機39のニュートラル状態および摩擦クラッチ55の再接続を検出する。制御回路はエンジン25でアイドルストップを実施する。例えばスロットル弁に制御回路から信号が供給され、エンジン25の燃焼動作は停止する。クランクシャフト31の回転は停止する。このとき、多段変速機39の入力軸41に駆動力は入力されないことから、駆動ギア46〜49の回転は停止する。アイドルストップ時、自動二輪車11は静止状態にあることから、多段変速機39の出力軸42にも駆動力は入力されない。被駆動ギア51〜54の回転も停止する。
走行の再開に先立って運転者はシフト操作に基づき多段変速機39で例えば1速を確立する。シフト操作に先立って運転者はクラッチレバー23を操作する。こうして摩擦接合が再び解除されて摩擦クラッチ55が切断されると、制御回路はACGスターター58に指令信号を供給する。ACGスターター58は指令信号を受けてクランクシャフト31を駆動する。一次減速機構45の働きでクラッチアウター56は回転する。
このとき、第1シフトドラム84aがニュートラル状態を確立すると、第2シフトドラム84bの動作に伴い、アーム部材116は摺動部材109を駆動するとともにクラッチアウター56に摺動部材109を当接させる。アーム部材116は、第2シフトドラム84bに区画されるカムプロファイルに応じて、軸方向にクラッチアウター56に摺動部材109を押しつける。これにより、クラッチアウター56からクラッチハブ57に一部動力を伝達し、クラッチアウター56とクラッチハブ57との間で連れ回りを発生しやすい状況を作り出すことが可能になる。ロー駆動ギア46は回転し、ロー駆動ギア46に噛み合うロー被駆動ギア51(能動ギア)は回転する。出力軸42は静止状態であるから、従動ギアを有する第2シフター64とロー被駆動ギア51との間で相対回転は引き起こされる。軸方向基準位置から第3作動位置に第2シフター73(従動ギア)が移動する際に、ロー被駆動ギア51の被駆動突部(第1係合突起)77が第2シフター73の駆動突部(第2係合突起)76に当たって第2シフター73の軸方向移動が阻止される場合でも、相対回転によってロー被駆動ギア51の被駆動突部(第1係合突起)77は第2シフター73の駆動突部(第2係合突起)76の隣接空間に進入することができる。こうして駆動突部(第2係合突起)76および被駆動突部(第1係合突起)77の間で円滑に結合状態は確立されることができる。
本実施形態では、第1シフトドラム84aが回転軸線85回りで特定の位置に動作すると、第1シフター64の駆動突部67、71は4速駆動ギア47の被駆動突部68および2速駆動ギア49の被駆動突部72からそれぞれ離脱し、第2シフター73の駆動突部76、78はロー被駆動ギア51の被駆動突部77および3速被駆動ギア53の被駆動突部79からそれぞれ離脱する。駆動突部67、71、76、78および被駆動突部68、72、77、79の組み合わせで変更される変速ギアではニュートラル状態が確立される。こうしたニュートラル位置に第1シフトドラム84aがある場合に、いわゆる能動ギアを有する第1シフター64および第2シフター73は従動ギア(4速駆動ギア47、2速駆動ギア49、ロー被駆動ギア51および3速被駆動ギア53)には係合しておらず、その状態でフリクション板96とクラッチ板103との接合が解除された場合に、クラッチハブ57と第1および第2シフター64、73とは動力源もしくは出力先と係合しない状況になる。そのような場合においても、本構造によれば、クラッチハブ57に一部動力を伝えることができるとともに、第1シフトドラム84aが特定の位置に稼働することに応じアーム部材116と摺動部材109との稼動を解除することができる。
シフトドラム84は第1シフトドラム84aおよび第2シフトドラム84bに分割される。第1シフトドラム84aは、駆動突部67、71、76、78および被駆動突部68、72、77、79の組み合わせで変更される変速ギアを稼働させる。第2シフトドラム84bにはアーム部材116を駆動する第2カム溝93が構成される。第1シフトドラム84aと第2シフトドラム84bとの間にはクランクケース26の第2ケース半体26bが配置される。第1シフトドラム84aは両持ち支持されるので第1シフトドラム84aの動作は安定化する。シフトドラム84は強固に支持される。また、クランクケース26の内側に第1シフトドラム84aが配置され、クランクケース26の外側に、すなわち、第1シフトドラム84aが配置される他方に摩擦クラッチ55が配置されることから、クランクケース26の外側に、すなわち摩擦クラッチ55と同側方に第2シフトドラム84bが配置されることで、アーム部材116の構造は簡素化されることができ、クランクケース26の構造も簡素化されることができる。
第1シフトドラム84aには変速ギアを稼動させるシフトフォーク83が係り合う。クランクケース26にはシフトフォーク83を支持するフォークシャフト82が配置される。フォークシャフト82は、クランクケース26を貫通するとともに、クランクケース26の外側でアーム部材116を支持する。シフトフォーク83とアーム部材116とでフォークシャフト82は共有化される。アーム部材116の配置にあたって部品点数の増加は抑制される。シフトフォーク82はクランクケース26に強固に支持されるので、アーム部材116の動作は安定化する。
本実施形態では、摺動部材109に弾性部材118が配置され、アーム部材116は弾性部材118と摺動部材109とにより挟持される。第2位置に摺動部材109を維持する際にアーム部材116の押しつけ力は摺動部材109に直接に伝達されるのではなく弾性部材118を介して伝達される。こうしてアーム部材116への摩擦負荷を低減することができる。
クラッチハブ57のガイド筒99にはリターンスプリング115が装着される。リターンスプリング115は、クラッチアウター56から引き離す方向に摺動部材109に弾性力を付与する。リターンスプリング115は第1位置に摺動部材109を保持する。このとき、リターンスプリング115の働きで、車体振動などにより摺動部材109とクラッチアウター56とが接触することを低減することができる。
25…エンジン、26…クランクケース、26b…第2ケース半体、31…クランクシャフト、39…動力伝達装置(多段変速機)、41…第2軸(入力軸)、42…第1軸(出力軸)、51…能動ギア(ロー被駆動ギア)、52…従動ギア(4速被駆動ギア)、56…クラッチアウター、57…クラッチハブ、58…スターターモーター(ACGスターター)、76…第2係合突起(駆動突部)、77…第1係合突起(被駆動突部)、82…フォークシャフト、83…シフトフォーク、84…シフトドラム、84a…第1シフトドラム、84b…第2シフトドラム、91…カム溝(第1カム溝)、93…カム溝(第2カム溝)、96…フリクション板、103…クラッチ板、109…摺動部材、114…当接面、115…リターンスプリング、116…アーム部材、118…弾性部材。

Claims (7)

  1. 動力入力側に連結されて、フリクション板(96)を保持するクラッチアウター(56)と、
    前記クラッチアウター(56)に対して相対回転自在に支持されて、前記フリクション板(96)に摩擦接合可能なクラッチ板(103)を保持するクラッチハブ(57)と、
    前記クラッチハブ(57)に連結されて、第1係合部(77)を有する能動ギア(51)と、
    軸方向に変位可能に前記能動ギア(51)に同軸に支持されて、軸方向基準位置から軸方向に作動位置に移動すると前記第1係合部(77)に係り合う第2係合部(76)を有する従動ギア(52)と、
    前記能動ギア(51)と前記従動ギア(52)との組み合わせにより変更される複数の変速ギア(46、47、51、52)を有し、
    前記変速ギア(46、47、51、52)を稼動させるシフトドラム(84)を備えた動力伝達装置(39)において、
    前記シフトドラム(84)には複数のカム溝(91、93)が形成され、
    前記クラッチアウター(56)と当接する当接面(114)が構成される摺動部材(109)が前記クラッチハブ(57)と係合し、
    前記摺動部材(109)を駆動するアーム部材(116)が前記カム溝(93)に連結され、
    前記アーム部材(116)は、前記シフトドラム(84)の動作に伴い、前記摺動部材(109)を駆動させることで、前記摺動部材(109)を前記クラッチアウター(56)と当接させる
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の動力伝達装置において、前記アーム部材(116)は、前記シフトドラム(84)が前記能動ギア(51)と前記従動ギア(52)とが係合しないニュートラル位置にある場合に、前記シフトドラム(84)に構成された前記カム溝(93)により稼動されることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1または2に記載の動力伝達装置において、前記シフトドラム(84)は、前記変速ギア(46、47、51、52)を稼動させる第1シフトドラム(84a)と、前記第1シフトドラム(84a)の端部に係合される第2シフトドラム(84b)とを含み、前記第2シフトドラム(84b)に前記アーム部材(116)を稼動させる前記カム溝(93)が構成され、前記シフトドラム(84)を支持するクランクケース(26)は前記第1シフトドラム(84a)と前記第2シフトドラム(84b)との間に配置されることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項3に記載の動力伝達装置において、前記第1シフトドラム(84a)には変速ギア(46、47、51、52)を稼動させるシフトフォーク(83)が係合され、前記シフトフォーク(83)を支持するフォークシャフト(82)が前記クランクケース(26)に配置され、前記フォークシャフト(82)は前記クランクケース(26)を貫通するとともに、左右方向で前記クランクケース(26)の前記第2シフトドラム(84b)側で、前記アーム部材(116)を支持することを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、前記摺動部材(109)には弾性部材(118)が配置され、前記アーム部材(116)は前記弾性部材(118)と前記摺動部材(109)とにより挟持されていることを特徴とする動力伝達装置。
  6. 請求項5に記載の動力伝達装置において、前記クラッチハブ(57)にはリターンスプリング(115)が配置され、前記リターンスプリング(115)は、前記摺動部材(109)へ、前記クラッチアウター(56)から引き離す方向の付勢力を与えることを特徴とする動力伝達装置。
  7. 請求項2に記載の動力伝達装置において、
    前記能動ギア(51)および前記従動ギア(52)を含む駆動ギアまたは被駆動ギア(51、52、53、54)を支持する第1軸(42)、並びに、前記駆動ギアまたは前記被駆動ギアに噛み合い可能な被駆動ギアまたは駆動ギア(46、47、48、49)を支持する第2軸(41)を含む多段変速機で、前記第1軸(42)および前記第2軸(41)の間で動力の伝達を切断するニュートラル状態が確立され、前記フリクション板(96)および前記クラッチ板(103)の間で摩擦接合が確立されると、エンジン(25)の燃焼動作を停止する制御回路と、
    前記エンジン(25)のクランクシャフト(31)に接続されて、前記ニュートラル状態で前記摩擦接合が再び解除されると前記制御回路からの指令信号を受けてクランクシャフト(31)を自動始動するスターターモーター(58)と
    を備えることを特徴とする動力伝達装置。
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