JP2018053996A - 2モータ車両駆動装置 - Google Patents

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勇介 澁谷
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Abstract

【課題】 ケーシングの軸受支持部の強度を低下させることなく、軸受へ潤滑油を供給することができる2モータ車両駆動装置を提供する。
【解決手段】 左右の駆動輪を独立に駆動させる2基の電動モータ1L,1Rと、2基の電動モータ1L,1Rの動力を個別に減速して左右の駆動輪に伝達する2基の平行軸歯車減速機からなる減速機2L,2Rとを備え、2基の減速機2L,2Rを左右並列に収容する減速機ケーシング20を中央にしてその左右に2基の電動モータを固定配置し、減速機ケーシング20は、中央ケーシング20aと中央ケーシング20aの両側面に固定される左右の側面ケーシング20bL,20bRからなり、中央ケーシング20aには、中央に仕切り壁21が設けられ、仕切り壁21によって左右に2つの収容室22L,22Rに分割し、中央ケーシング20aのボス部に、ボス部の外周面と軸受嵌合穴内周面とを連通する潤滑油穴50を設けた。
【選択図】 図1

Description

この発明は、左右の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる2基の電動モータと減速機を備える2モータ車両駆動装置に関するものである。
左右の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる2基の電動モータと減速機を一体化した2モータ車両駆動装置は、特許文献1に開示されている。この2モータ車両駆動装置は、左用の駆動力は、左側の電動モータから左列の歯車を介してドライブシャフトまで伝達され、右用の駆動力は、右側の電動モータから右列の歯車を介してドライブシャフトまで伝達される。
この種の2モータ車両駆動装置は、左右の駆動輪のそれぞれについて独立に駆動用の電動モータを備えるので、一つの電動モータによって左右の駆動輪を駆動させる1モータ車両駆動装置で使用される、一つの電動モータの駆動力を左右に振り分けるデファレンシャルギア等が不要になる、という利点を有する。
また、2モータ車両駆動装置は、左右の駆動輪のそれぞれについて独立に駆動用の電動モータを備えるので、左右の駆動輪の駆動力を異ならせることが容易であり、旋回時に旋回内側の車輪より旋回外側の車輪に多くの駆動力を発生させることで、旋回性能が向上する等の走行性能の向上が容易である。
本出願人は、2モータ車両駆動装置100として、図12に示すものを出願している(特願2015−50858号参照)。この2モータ車両駆動装置100の構成は、2基の減速機102L、102Rを左右並列に収容する減速機ケーシング120を中央にして、その減速機ケーシング120の左右に2基の電動モータ101L、101Rのモータケーシング103L、103Rを固定配置する構造を採用し、左右の電動モータ101L、101Rは、モータケーシング103L、103R内に収容されている。
この2モータ車両駆動装置100における減速機ケーシング120は、内部に左右列の歯車を保持するために、中央ケーシング120aと、左右の側面ケーシング120bL、120bRの3つのケーシングに分割された構造になっている。
中央ケーシング120aには、中央に仕切り壁121が設けられている。減速機ケーシング120は、この仕切り壁121によって左右に2分割され、2基の減速機102L、102Rを収容する独立した左右の収容室122L、122Rが並列に設けられている。
減速機102L、102Rは、左右対称形に設けられ、モータ軸112aから動力が伝達される入力歯車123aを有する入力歯車軸123と、この入力歯車123aに噛み合う大径歯車124aと出力歯車125aに噛み合う小径歯車124bを有する中間歯車軸124と、出力歯車125aを有し、減速機ケーシング120から引き出されて駆動輪に駆動力を伝達する出力歯車軸125とを備える。
減速機102L、102Rの入力歯車軸123の両端は、中央ケーシング120aの仕切り壁121の左右両面に形成したボス部127aの軸受嵌合穴と側面ケーシング120bL、120bRに形成したボス部127bの軸受嵌合穴に嵌め込まれた転がり軸受128a、128b介して回転自在によって支持されている。
中間歯車軸124は、外周面に入力歯車123aに噛み合う大径歯車124aと出力歯車125aに噛み合う小径歯車124bを有する。この中間歯車軸124の両端は、中央ケーシング120aの仕切り壁121の両面に形成したボス部132の軸受嵌合穴と側面ケーシング120bL、120bRに形成したボス部133の軸受嵌合穴に嵌め込まれた転がり軸受134a、134bを介して支持されている。
出力歯車軸125は、大径の出力歯車125aを有し、中央ケーシング120aの仕切り壁121の両面に形成したボス部135の軸受嵌合穴と側面ケーシング120bL、120bRに形成したボス部136の軸受嵌合穴に嵌め込まれた転がり軸受137a、137bによって支持されている。
出力歯車軸125のアウトボード側の端部は、側面ケーシング120bL、120bRに形成した開口部から減速機ケーシング120の外側に引き出され、引き出された出力歯車軸125のアウトボード側の端部の外周面に、等速ジョイント115の外輪部材がスプライン結合されている。
このような減速機102L、102Rの各歯車軸を支持する転がり軸受に対しては、焼き付き等の損傷を防ぎ、且つ転動疲労寿命の要求を満足させるために、軸受軌道面並びに転動体と保持器の接触部に適切な量の潤滑油を供給することが必要である。
転がり軸受へ潤滑油を供給する方法として、転がり軸受が挿入されるケーシングの軸受嵌合穴に溝を設け、ケーシングの軸受部に油溜まりを作って積極的に潤滑油を供給する構造が考えられる。図13は、上記した2モータ車両駆動装置の中央ケーシング120aを示す正面図、図14は、図13のB−B線断面図である。図13及び図14に示すように、中央ケーシング120aの仕切り壁121の左右両面に形成されたボス部127a、132a、135aに形成された軸受嵌合穴127c、132c、135cに溝145を設けた例を示している。図13及び図14に示すように、軸受嵌合穴127c、132c、135cの転がり軸受の外輪が嵌め込まれる面に2箇所、軸方向に連通する溝145を形成している。この溝145から潤滑油を軸受嵌合穴127c、132c、135cの内部に供給し、内部に油溜まりが形成される。なお、この図12及び図13に示すものは、軸受嵌合穴127c、132c、135cは貫通孔で形成され、左右の転がり軸受の間にはスペーサを挿入して組み立てられる。
電動モータの動力を減速機で減速して伝達すると、歯車の噛み合いによって転がり軸受に荷重が作用し、ケーシングの軸受嵌合穴に負荷が加わる。転がり軸受が挿入されているケーシングの軸受嵌合穴に溝を設けると、ケーシングの軸受嵌合穴の転がり軸受の外輪を支持する部分の断面が均一ではなくなる。軸受嵌合穴に溝がある構造と溝が無い構造を比較すると、溝がある場合、溝を形成した箇所の肉厚が薄くなり、肉厚が薄くなった部分に応力が集中するので、強度を高くするためにボス部の肉厚を上げる必要がある。そのため、ケーシングの重量が増える。
また、肉厚なボス部を鋳造する場合、本来強度が必要な軸受嵌合穴の内周面近傍に鋳巣が発生してしまい、強度が低下してしまう懸念がある。また、ボス部の周辺にリブ等補強部材を設けてボス部の強度を高くする場合には、リブ等の補強部材と歯車等の内部部品とが干渉しないように、減速機室の空間を大きくする必要がある。
更に、上記した2つの電動モータと2つの減速機を有する2モータ車両駆動装置では、左右それぞれの電動モータを異なる出力、異なる回転方向に作動させることができるため、2つの減速機を支持する中間ケーシングの軸受を支持する軸受嵌合穴周辺に加わる荷重が1つの電動モータによって左右の駆動輪を駆動させる1モータ車両駆動装置よりも大きくなることが考えられる。
また、左右の減速機を支えている中間ケーシングの軸受部は、1モータ用車両駆動装置のように、軸受嵌合穴の片側が外部空間と接することがないため、ケーシングから外部へ熱を放熱することができない。そのため、中央の仕切り壁に配置された軸受部の温度が上昇してしまう可能性がある。
特開平11−243664号公報
この発明は、上記した点に鑑み、ケーシングの軸受支持部の強度を低下させることなく、軸受へ潤滑油を供給することができる2モータ車両駆動装置を提供することを課題とする。
この発明は、左右の駆動輪をそれぞれ独立に駆動させる2基の電動モータと、この2基の電動モータの動力を個別に減速して左右の駆動輪に伝達する2基の減速機とを備え、減速機は、モータ軸からの動力が伝達される入力歯車を有する入力歯車軸と、駆動輪に駆動力を伝達する出力歯車を有する出力歯車軸と、入力歯車軸と出力歯車軸との間に設けられる中間歯車を有する1つ以上の中間歯車軸とを平行に配置した平行軸歯車減速機であり、この2基の減速機を左右並列に収容する減速機ケーシングを中央にしてその左右に2基の電動モータのモータケーシングを固定配置した2モータ車両駆動装置において、前記減速機ケーシングは、中央ケーシングとこの中央ケーシングの両側面に固定される左右の側面ケーシングからなり、前記中央ケーシングには、中央に仕切り壁が設けられ、前記減速機ケーシングは、この仕切り壁によって左右に2つの収容室に分割され、前記左右の減速機の各歯車軸同士がそれぞれ同軸に配置され、前記減速機の各歯車軸は、前記側面ケーシングと中央ケーシングの仕切り壁にそれぞれ設けられたボス部の軸受嵌合穴に嵌め込まれた軸受で支持され、前記中央ケーシングのボス部に、ボス部の外周面と前記軸受嵌合穴の内周面とを連通する潤滑油穴を設けたことを特徴とする。
前記中央ケーシングの軸受嵌合穴は、左右の収容室を連通する貫通孔で形成すればよい。
また、前記潤滑油穴は、仕切り壁の近くの前記ボス部に設ければよい。
また、同一の軸受嵌合穴に挿入される転がり軸受の間に、円環状のスペーサが配され、このスペーサに、潤滑油を転がり軸受の間に導く溝を設ければよい。このように、円環状のスペーサを配置し、左右の減速機を支持している転がり軸受が軸方向に移動しないようにし、軸受嵌合穴内の転がり軸受間を油溜まりとして機能する空間として維持する。また、円環状のスペーサに溝を設けることで、油溜まりへ出入りする油の経路を作り、軸受嵌合穴の外輪嵌合面と軸受外輪の間には油が流れないようにして、油溜まりに潤滑油が流れ込むようにする。
また、前記潤滑穴は、歯車の噛み合いによって発生する荷重の作用線上を避けて配置するとよい。
また、上部から潤滑油を導くための給油用の潤滑油穴と、下部へ潤滑油を排油するための排油用の潤滑油穴を設ければよい。
更に、前記仕切り壁に飛散した潤滑油を、前記潤滑穴に案内するリブ部を設ければよい。
この発明では、中央ケーシングのボス部に、ボス部の外周面と前記軸受嵌合穴内周面とを連通する潤滑油穴を設けたので、軸受嵌合穴にボス部の外周面から潤滑油を供給することができる。そして、ボス部の軸受嵌合穴の外輪嵌合面には、軸方向に延びる溝を設けていないので、応力集中の発生が抑制され、軸受嵌合穴の強度確保が容易となる。更に、軸方向に延びる溝を設けていないので、軸受外輪とハウジングの軸受外輪嵌合面の接触面積の変化が起きず、軸受外輪の変形への影響を無くすことができる。
この発明に係る2モータ車両駆動装置の実施形態を示す横断平面図である。 図1の実施形態の減速機の部分を拡大した横断平面図である。 この発明に用いられる中央ケーシングを示す斜視図である。 この発明に用いられる中央ケーシングを示す正面図である。 図4のA−A線断面図である。 この発明に用いられる円環状スペーサの一例を示す正面図である。 この発明に用いられる円環状スペーサの一例を示す側面図である。 この発明に用いられる円環状スペーサの他の例を示す正面図である。 この発明に用いられる円環状スペーサの他の例を示す側面図である。 この発明に係る2モータ車両駆動装置を使用する電気自動車の一例を示す概略平面図である。 この発明の実施形態の歯車列を軸方向から見た説明図である。 この発明の先願例に係る2モータ車両駆動装置を示す横断平面図である。 先願例に用いられる中央ケーシングを示す正面図である。 図13のA−A線断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図10に示す電気自動車Cは、前輪駆動方式であり、シャーシ71と、駆動輪としての前輪72と、後輪73と、左右の駆動輪としての前輪72をそれぞれに独立に駆動する2モータ車両駆動装置Aとを備え、2モータ車両駆動装置Aは、前輪72の中央位置のシャーシ71上に搭載され、2モータ車両駆動装置Aの駆動力は、等速ジョイント15とドライブシャフト16を介して左右の駆動輪としての前輪72に伝達される。
2モータ車両駆動装置Aの搭載形態としては、図10に示す前輪駆動方式、以外に後輪駆動方式、四輪駆動方式でもよい。
この発明に係る2モータ車両駆動装置Aは、図1及び図2に示すように、2基の減速機2L、2Rを左右並列に収容する減速機ケーシング20を中央にし、その減速機ケーシング20の左右に2基の電動モータ1L、1Rのモータケーシング3L、3Rを固定配置した構造を採用する。
左右の電動モータ1L、1Rは、図1に示すように、モータケーシング3L、3R内に収容されている。
モータケーシング3L、3Rは、円筒形のモータケーシング本体3aL、3aRと、このモータケーシング本体3aL、3aRの外側面を閉塞する外側壁3bL、3bRと、モータケーシング本体3aL、3aRの内側面に減速機2L、2Rと隔てる内側壁3cL、3cRとからなる。
電動モータ1L、1Rは、図1に示すように、モータケーシング本体3aL、3aRの内周面にステータ11を設け、このステータ11の内周に間隔をおいてロータ12を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。なお、図示はしなかったが電動モータ1L、1Rは、アキシャルギャップタイプのものを使用してもよい。
ロータ12は、モータ軸12aを中心部に有し、そのモータ軸12aはモータケーシング本体3aL、3aRの内側壁3cL、3cRの開口部からそれぞれ減速機2L、2R側に引き出されている。モータケーシング本体3aL、3aRの内側壁3cL、3cRの開口部とモータ軸12aとの間にはシール部材13が設けられ、外部から電動モータ1L、1Rの内部への埃や泥水の侵入を防止している。
モータ軸12aは、モータケーシング本体3aL、3aRの内側壁3cL、3cRと外側壁3bL、3bRとに転がり軸受14a、14bによって回転自在に支持されている(図1)。
左右並列に設けられた2基の減速機2L、2Rを収容する減速機ケーシング20は、中央ケーシング20aとこの中央ケーシング20aの両側面に固定される左右の側面ケーシング20bL、20bRの3ピース構造になっている。左右の側面ケーシング20bL、20bRは、左右対象形状に形成されている。
左右の側面ケーシング20bL、20bRは、中央ケーシング20aの両側面の開口部に、複数のボルト(図示しない)によって固定されている。
減速機ケーシング20の側面ケーシング20bL、20bRのアウトボード側の側面と電動モータ1L、1Rのモータケーシング本体3aL、3aRの内側壁3cL、3cRとを、複数のボルト29によって固定することにより、減速機ケーシング20の左右に2基の電動モータ1L、1Rが固定配置されている(図1)。
中央ケーシング20aには、中央に仕切り壁21が設けられている。減速機ケーシング20は、この仕切り壁21によって左右に2分割され、2基の減速機2L、2Rを収容する独立した左右の収容室22L、22Rが並列に設けられている。
減速機2L、2Rは、図1及び図2に示すように、左右対称形に設けられ、モータ軸12aから動力が伝達される入力歯車23aを有する入力歯車軸23L、23Rと、この入力歯車23aに噛み合う大径歯車24aと出力歯車25aに噛み合う小径歯車24b(本実施形態では、出力歯車25aと小径歯車24bを中間歯車とする)を有する中間歯車軸24L、24Rと、出力歯車25aを有し、減速機ケーシング20から引き出されて等速ジョイント15、ドライブシャフト16を介して駆動輪72(図10参照)に駆動力を伝達する出力歯車軸25L、25Rとを備える平行歯車減速機である。左右の入力歯車軸23L、23R、中間歯車軸24L、24R、出力歯車軸25L、25Rはそれぞれ同軸に配置されている。
減速機2L、2Rの入力歯車軸23L、23Rの両端は、中央ケーシング20aの仕切り壁21の左右両面に形成したボス部27aと側面ケーシング20bL、20bRに形成したボス部27bに転がり軸受28a、28bを介して回転自在によって支持されている。中央ケーシング20aの仕切り壁21に形成されたボス部27aに設けられた軸受嵌合穴27cは左右の収容室22L、22Rを連通する貫通孔で形成されている。そして、この軸受嵌合穴27cに嵌め込まれる左右の転がり軸受28a、28aの間には、後述するように、軸方向ガタの調整も兼ねる円環状のスペーサ60が挿入され、互いの転がり軸受28a、28aは軸方向に移動することなく離間されている。この軸受嵌合穴27cに挿入されたスペーサ60で離間した空間が油溜まりとして機能する。
入力歯車軸23L、23Rのアウトボード側の端部は、側面ケーシング20bL、20bRに設けた開口部から外側に引き出されており、開口部と入力歯車軸23の外側端部との間にはシール部材31を設け、減速機2L、2Rに封入された潤滑油の漏洩を防止するとともに、外部から減速機2L、2Rの内部への埃や泥水の侵入を防止している。
入力歯車軸23L、23Rは、中空構造であり、この中空の入力歯車軸23L、23Rにモータ軸12aが挿入されている。入力歯車軸23とモータ軸12aとは、スプライン結合(セレーション結合も含む)されている。
中間歯車軸24L、24Rは、外周面に入力歯車23aに噛み合う大径歯車24aと出力歯車25aに噛み合う小径歯車24bを有する段付き歯車である。この中間歯車軸24L、24Rの両端は、中央ケーシング20aの仕切り壁21の両面に形成したボス部32aと側面ケーシング20bL、20bRに形成したボス部32bとに転がり軸受34a、34bを介して支持されている。中央ケーシング20aの仕切り壁21に形成されたボス部32aに設けられた軸受嵌合穴32cは左右の収容室22L、22Rを連通する貫通孔で形成されている。そして、この軸受嵌合穴32cに嵌め込まれる左右の転がり軸受34a、34aの間には、後述するように、軸方向ガタの調整も兼ねる円環状のスペーサ60が挿入され、互いの転がり軸受34a、34aは軸方向に移動することなく離間されている。この軸受嵌合穴32cに挿入されたスペーサ60で離間した空間が油溜まりとして機能する。
中間歯車軸24L、24Rは、中空構造であり、後述するように、中央ケーシング20aのボス部32aに設けられた潤滑油穴50から供給される潤滑油がこの中間歯車軸24L、24R内にも流れる軸芯給油を行えるように構成され、小径歯車24bを含めた中間歯車軸24L、24Rを冷却する。油浴形式の場合、出力歯車25aと噛み合う小径歯車24bは、潤滑油には浸かっておらず、はね掛けのより潤滑油が供給されることになる。また、出力歯車25aと噛み合う小径歯車24bはトルクが大きく発熱しやすい。そこで、この小径歯車24b部分を含め中間歯車軸24L、24Rを冷却するために軸芯給油を行うように構成している。
出力歯車軸25L、25Rは、大径の出力歯車25aを有し、中央ケーシング20aの仕切り壁21の両面に形成したボス部35と側面ケーシング20bL、20bRに形成したボス部36に転がり軸受37a、37bによって支持されている。中央ケーシング20aの仕切り壁21に形成されたボス部35に設けられた軸受嵌合穴35cは左右の収容室22L、22Rを連通する貫通孔で形成されている。そして、この軸受嵌合穴35cに嵌め込まれる左右の転がり軸受37a、37aの間には、後述するように、軸方向ガタの調整も兼ねる円環状のスペーサ60が挿入され、互いの転がり軸受37a、37aは軸方向に移動することなく離間されている。この軸受嵌合穴35cに挿入されたスペーサ60で離間した空間が油溜まりとして機能する。
出力歯車軸25L、25Rのアウトボード側の端部は、側面ケーシング20bL、20bRに形成した開口部から減速機ケーシング20の外側に引き出され、引き出された出力歯車軸25L、25Rのアウトボード側の端部の内周面に、等速ジョイント15の外輪部材がスプライン結合(セレーション結合を含む)されている。
出力歯車軸25L、25Rに結合された等速ジョイント15は、ドライブシャフト16を介して駆動輪72に接続される(図10参照)。
出力歯車軸25L、25Rのアウトボード側の端部と側面ケーシング20bL、20bRに形成した開口部との間には、シール部材39を設け、減速機2L、2Rに封入された潤滑油の漏洩を防止するとともに、外部から減速機2L、2Rの内部への埃や泥水の侵入を防止している。
入力歯車軸23L、23R、中間歯車軸24L、24R、出力歯車軸25L、25Rの両端部には、転がり軸受28a、28b、34a、34b、37a、37bの内輪が嵌め込まれ、そして、転がり軸受28a、28b、34a、34b、37a、37bの外輪は中央ケーシング20aの各ボス部の軸受嵌合穴27c、32c、35cと、側面ケーシング20bL、20bRの軸受嵌合穴と、に嵌め込まれている。
そして、減速機2L、2Rの入力歯車軸23L、23R、中間歯車軸24L、24R、出力歯車軸25L、25Rを支持する転がり軸受28a、34a、37aに対しては、焼き付き等の損傷を防ぎ、且つ転動疲労寿命の要求を満足させるために、軸受軌道面並びに転動体と保持器の接触部に適切な量の潤滑油を供給する。油浴方式では、減速機ケーシング20の下部に滞留する潤滑油が歯車によって掻き揚げられ、その際に生じる油飛沫が歯面や転がり軸受に供給される。
単なる油浴潤滑では、転がり軸受が高速回転する場合は、転動体および保持器の回転運動によって、転がり軸受内部への潤滑油の流入が阻害される可能性が高まる。軸受内部に潤滑油を供給するためには、軸受内部に油溜まりを設けることが効果的である。
そこで、この実施形態では、転がり軸受34aが嵌合する軸受嵌合穴32cを有するボス部32aに、ボス部32aの外周面と軸受嵌合穴32cの内周面とを連通する潤滑油穴50を設けている。この潤滑油穴50は、図2に示すように、中央ケーシング20aの仕切り壁21から減速機の収容室22L、22R側へ少し離れ、減速機ケーシング20の空間と軸受嵌合穴32cの内周面を繋ぐように、この実施形態では、収容室22L、22Rから軸方向の中心部方向に向かって斜めに設けられている。同様に、転がり軸受28aが嵌合する軸受嵌合穴27cを有するボス部27a、転がり軸受37aが嵌合する軸受嵌合穴37cを有するボス部35aにも潤滑油穴50を設けている。
この実施形態では、仕切り壁21を境にして左右に一対の潤滑油穴50が設けられている。中央ケーシング20aの仕切り壁21に設けられたボス部27aの軸受嵌合穴27cを、転がり軸受28a、28aが突き当たる鍔部をなくした内径が一定のストレートの穴形状に形成し、収容室22L、22Rが連通するように形成されている。同様に、転がり軸受34aが嵌合する軸受嵌合穴32c、転がり軸受37aが嵌合する軸受嵌合穴35cも内径が一定のストレートの穴形状に形成し、収容室22L、22Rが連通するように形成されている。
中央ケーシング20aに設けられる潤滑油穴50につき、図3から図5を参照して説明する。図3は中央ケーシング20aを示す斜視図、図4は同正面図、図5は図4のA−A線断面図である。
中央ケーシング20aには、入力歯車軸を支持するためのボス部27a、中間歯車軸を支持するためのボス部32a、出力歯車軸を支持するためのボス部35aが仕切り壁21を挟んでそれぞれ設けられている。
ボス部27aには貫通孔からなる軸受嵌合穴27cが設けられる。ボス部27aの上部側、車両駆動装置Aをシャーシに搭載した時の上側半分の位置において、歯車の噛み合いによって転がり軸受に作用する荷重の作用線と交差しない位置に、ボス部27aの外周から軸受嵌合穴27cの内周面に到達する潤滑油穴50が設けられる。そして、ボス部27aの下部側、車両駆動装置Aをシャーシに搭載した時の下側半分の位置において、歯車の噛み合いによって転がり軸受に作用する荷重の作用線と交差しない位置に、ボス部27aの外周から軸受嵌合穴27cの内周面に到達する潤滑油穴50が設けられる。上側に設けられる潤滑油穴50が供給穴、下側に設けられる潤滑油穴50が排油穴となる。
仕切り壁21を挟んでそれぞれ設けられているボス部27aは、上側と下側にそれぞれ1個の潤滑油穴50が設けられている。
ボス部32aには貫通孔からなる軸受嵌合穴32cが設けられる。ボス部32aの上部側において、歯車の噛み合いによって転がり軸受に作用する荷重の作用線と交差しない位置に、ボス部32aの外周から軸受嵌合穴32cの内周面に到達する潤滑油穴50が設けられる。この実施形態では、上側に2個の潤滑油穴50が設けられている。そして、ボス部32aの下部側において、歯車の噛み合いによって転がり軸受に作用する荷重の作用線と交差しない位置に、ボス部32aの外周から軸受嵌合穴32cの内周面に到達する潤滑油穴50が設けられる。この実施形態では、下側に1個の潤滑油穴50が設けられる。上側に設けられる潤滑油穴50が給油用の潤滑油穴、下側に設けられる潤滑油穴50が排油用の潤滑油穴となる。
仕切り壁21を挟んでそれぞれ設けられているボス部27aは、上側2個と下側に1個の潤滑油穴50が設けられている。
上記した実施形態は、給油または排油する潤滑油穴50は左右の収容室22L、22Rの空間にそれぞれに設けているが、左右どちらか一方の収容室の空間に設けても良い。また、一方の収容室の空間から給油、他方の収容室の空間へ排油でも良いし、給油側、排油側それぞれ1つ以上配置しても良い。
仕切り壁21の壁面を伝わる潤滑油を潤滑油穴50に案内するために、仕切り壁21にリブ211、212が設けられている。リブ211、212は強度を保持するだけでなく、潤滑油を潤滑油穴50に案内する機能を有する。
仕切り壁21に設けられる各ボス部は壁面から凸状に突出するが、壁面を伝わる潤滑油を潤滑油穴50に案内するために、仕切り壁21にリブ211、212を設けることで、壁を伝う潤滑油を潤滑油穴50へ導く経路を容易に作成できる。
潤滑油穴50を形成する軸方向には、ケーシング20aのリブなどの部材が存在しないような角度と配置とすることで、加工や鋳抜きピンによる形状作成が可能となる。
ボス部35aには貫通孔からなる軸受嵌合穴35cが設けられる。ボス部35aの上部側において、歯車の噛み合いによって転がり軸受に作用する荷重の作用線と交差しない位置に、ボス部35aの外周から軸受嵌合穴35cの内周面に到達する潤滑油穴50が設けられる。そして、ボス部35aの下部側において、歯車の噛み合いによって転がり軸受に作用する荷重の作用線と交差しない位置に、ボス部35aの外周から軸受嵌合穴35cの内周面に到達する潤滑油穴50が設けられる。上側に設けられる潤滑油穴50が供給穴、下側に設けられる潤滑油穴50が排油穴となる。
仕切り壁21を挟んでそれぞれ設けられているボス部35aは、上側と下側にそれぞれ1個の潤滑油穴50が設けられている。
図2に示すように、中央ケーシング20aの仕切り壁21に設けられるストレートの穴形状の軸受嵌合穴27cに、スペーサ60を挿入し、入力歯車軸23、23に取り付けられた転がり軸受28a、28aを軸受嵌合穴27cに左右からそれぞれ嵌め込む。軸受嵌合穴27cに嵌め込まれる左右の入力歯車軸23にそれぞれ取り付けられた転がり軸受28a、28aの間に、スペーサ60を挟み込むことで、転がり軸受28a、28aの軸方向の移動を規制している。このスペーサ60の厚さは、組み付ける各部品の寸法により決められる。
図4に示すように、軸減速機を収容するケーシング20内の空間と軸受嵌合穴32aの内部空間とを連通する潤滑油穴50が設けられている。すなわち、図2及び図4に示すように、スペーサ60を境に、潤滑油穴50から入り込んだ潤滑油が図2の矢印で示すように、転がり軸受34aの空間から中間歯車軸24L、24R内部に流れる。転がり軸受34aへの潤滑油供給と中間歯車軸24L、24Rへの軸芯給油が行われることになる。
同様に、軸受嵌合穴27c、軸受嵌合穴37cにも潤滑油穴50から潤滑油が入り込み、転がり軸受28a、37aの内部に流れ込み、潤滑油が供給される。
この潤滑油穴50から流入した潤滑油が転がり軸受の内部に流れ込む。このとき、スペーサ60に潤滑油が遮られないように溝61を設け、潤滑油が転がり軸受の間に流れるようにする。円環状のスペーサ60の空間が油溜まりとして機能する空間となる。溝61を設けることで、油溜りへ出入りする潤滑油の経路を作り、ボス部の外輪嵌合面と軸受外輪との間を潤滑油が流れ、転がり軸受への潤滑油が流れなくなることを防止している。
図6及び図7にスペーサ60の一例を示す。このスペーサ60は円環状の外周に凸部62を設け、軸受嵌合穴にこの凸部が嵌まり込む凹部が設けられ、この凸部と凹部で位相を合わせて潤滑油穴50から流れ込んだ潤滑油が溝を通り、軸受内部に入り込むように構成している。この場合、軸受嵌合穴に位置合わせの凹部を設ける必要があるが、位置合わせができれば良いので、凹部の深さも僅かで済み、応力集中を極力避けるように構成する。
図8及び図9にスペーサ60の他の例を示す。このスペーサ60は円環状の表面に複数の溝61を設け、潤滑油穴50と溝61との位相を合わせる必要をなくしたものである。この場合には、位相を合わせる必要がないので、軸受嵌合穴に凹部を設ける必要はない。
このスペーサ60の厚さは、組み付ける各部品の寸法により決められる。
そして、左右のケーシング20bL、20bRのボス部27b、32b、35bに設けられる軸受嵌合穴(図1及び図2参照)の加工は、一方向から行える。また、中央ケーシング20aの仕切り壁21に設けられる軸受嵌合穴27c、32c、35cの加工も、内径が一定のストレートの穴形状であるので、一方向から加工を行うことができ、左右減速機の歯車軸の同軸度確保が容易になり加工性が向上する。
上記したように、転がり軸受への潤滑油の経路を軸受嵌合穴の外輪嵌合面に設けた溝ではなく、潤滑油穴としたことで、軸受嵌合穴の断面の変化が少なくなり、強度確保が容易となる。軸受嵌合穴内への油溜まりへ潤滑油を導く経路を外輪嵌合面に溝として設けないことにより、軸受外輪と軸受嵌合穴の軸受外輪嵌合面の接触面積の変化が起きず、溝による軸受外輪の変形への影響を無くすことができる。
図10に示す電気自動車Cに搭載された2モータ式の自動車用減速機付きモータ駆動装置Aにおける、インボード側(車体内側)からアウトボード側を見た場合の、減速機2Lの入力歯車軸23L、中間歯車軸24L、出力歯車軸25Lの歯車の配置を図11に示す。入力歯車軸23Lは出力歯車軸25Lより車両前方に位置し、中間歯車軸24Lは入力歯車軸23Lおよび出力歯車軸25Lより上方に位置している。車両前進時の出力歯車軸25Lの回転方向は、図中に矢印で示すように時計回りである。ここで、減速機2Rについては、図4を鏡面対称とした関係となる。図11に示すように、歯車同士の回転噛み合わせ時に、転がり軸受内部には、ある周方向範囲にわたり、転動体と軌道輪間に荷重が作用する負荷圏が存在する。そして、最も荷重が大きいのが当該荷重作用線上である。図11には、どの方向に荷重作用線が生じるかを示している。
そこで、この実施形態では、転がり軸受に作用する荷重の作用線とこの潤滑油穴50が交差しないように、ケーシング20のボス部に潤滑油穴50を設けている。
このように構成することで、転動体がこの潤滑油穴50の位相を通過する際の外輪の変形を抑え、軸受機能の低下を防止することができる。
次に、荷重の作用線につき、図11のギヤ配列を参照して説明する。この実施形態では、荷重作用線は以下に定義される。
ここで、入力歯車23aと大径歯車24aよるギヤ噛み合い列をA列、小径歯車24bと出力歯車25aよるギヤ噛み合い列をB列とする。入力歯車軸23Lの軸心をO1、中間歯車軸24Lの軸心をO2、出力歯車軸25Lの軸心をO3とする。
図11において、L1A、L2Aは、軸心O1、軸心O2を結ぶ直線に垂直で、それぞれ、軸心O1と軸心O2を通る直線とする。L2B、L3Bは、軸心O2、軸心O3を結ぶ直線に垂直で、それぞれ、軸心O2と軸心O3を通る直線とする。
入力歯車23aと大径歯車24aによるギヤ噛み合い、すなわち、ギヤ列Aの噛み合いにより、加速時(ドライブ側)に、入力歯車軸23Lの転がり軸受28a、28bに作用する荷重の作用線をL1Dとする。
入力歯車23aと大径歯車24aとのギヤ列Aの噛み合いにより、減速時(コースト側)に、入力歯車軸23Lの転がり軸受28a、28bに作用する荷重の作用線をL1Cとする。
入力歯車23aと大径歯車24aとのギヤ列Aの噛み合いにより、加速時(ドライブ側)に、中間歯車軸24Lの転がり軸受34a、34bに作用する荷重の作用線をL2DAとする。
入力歯車23aと大径歯車24aとのギヤ列Aの噛み合いにより、減速時(コースト側)に、中間歯車軸24Lの転がり軸受34a、34bに作用する荷重の作用線をL2CAとする。
小径歯車24bと出力歯車25aによるギヤ列Bのギヤ噛み合い、すなわち、ギヤ列Bの噛み合いにより、加速時(ドライブ側)に、中間歯車軸24Lの転がり軸受34aに作用する荷重の作用線をL2DBとする。
小径歯車24bと出力歯車25aとのギヤ列Bの噛み合いにより、減速時(コースト側)に、中間歯車軸24Lの転がり軸受34a、34bに作用する荷重の作用線をL2CBとする。
小径歯車24bと出力歯車25aとのギヤ列Bの噛み合いにより、加速時(ドライブ側)に、出力歯車軸25Lの転がり軸受37a、37bに作用する荷重の作用線をL3Dとする。
小径歯車24bと出力歯車25aとのギヤ列Bの噛み合いにより、減速時(コースト側)に、出力歯車軸25Lの転がり軸受37a、37bに作用する荷重の作用線をL3Cとする。
1DとL1Aとの間、L1CとL1Aとの間は、それぞれ角度φをなす。
2DAとL2Aとの間、L2CAとL2Aとの間は、それぞれ角度φをなす。
2DBとL2Bとの間、L2CBとL2Bとの間は、それぞれ角度φ’をなす。
3DとL3Bとの間、L3CとL3Bとの間は、それぞれ角度φ’をなす。
角度φおよびφ’は、歯車の歯面圧力角、歯面ねじれ角に基づいて、次式で与えられる。
tanφ=tanα/cosβ
tanφ’=tanα’/cosβ’
ここで、α、α’は、歯面圧力角、β、β’は、歯面ねじれ角である。
すなわち、荷重の作用線は、軸心位置と歯車諸元(圧力角とねじれ角)によって定義できる。この発明では、軸心位置と歯車諸元(圧力角とねじれ角)によって得られた荷重作用線と交差しない位置で、潤滑油穴50を1つ以上形成し、軸受嵌合穴の内部に油溜まりを形成する。
これら軸受嵌合穴に設けられる軸心より上側の潤滑油穴50は、主として潤滑油が入り、軸心から下側の潤滑油穴50は、主として潤滑油が排出される。そして、潤滑油が転がり軸受の端面に沿って流れ、この端面に沿って流れる際に、転がり軸受の内部に潤滑油が供給される。
この発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において、更に種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、更に特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内の全ての変更を含む。
1L、1R 電動モータ
2L、2R 減速機
3L、3R モータケーシング
10 スペーサ
11 ステータ
12 ロータ
12a モータ軸
13 シール部材
14a、14b 転がり軸受
15 等速ジョイント
16 ドライブシャフト
20 減速機ケーシング
20a 中央ケーシング
20bL、20bR 側面ケーシング
21 仕切り壁
22L、22R 収容室
23L、23R 入力歯車軸
23a 入力歯車
24L、24R 中間歯車軸
24a 大径歯車
24b 小径歯車
25L、25R 出力歯車軸
25a 出力歯車
27a、32a、35a ボス部
27c、32c、35c 軸受嵌合穴
28a、28b、34a、34b、37a、37b 転がり軸受
50 潤滑油穴
60 スペーサ

Claims (7)

  1. 左右の駆動輪をそれぞれ独立に駆動させる2基の電動モータと、この2基の電動モータの動力を個別に減速して左右の駆動輪に伝達する2基の減速機とを備え、減速機は、モータ軸からの動力が伝達される入力歯車を有する入力歯車軸と、駆動輪に駆動力を伝達する出力歯車を有する出力歯車軸と、入力歯車軸と出力歯車軸との間に設けられる中間歯車を有する1つ以上の中間歯車軸とを平行に配置した平行軸歯車減速機であり、この2基の減速機を左右並列に収容する減速機ケーシングを中央にしてその左右に2基の電動モータのモータケーシングを固定配置した2モータ車両駆動装置において、
    前記減速機ケーシングは、中央ケーシングとこの中央ケーシングの両側面に固定される左右の側面ケーシングからなり、
    前記中央ケーシングには、中央に仕切り壁が設けられ、前記減速機ケーシングは、この仕切り壁によって左右に2つの収容室に分割され、
    前記左右の減速機の各歯車軸同士がそれぞれ同軸に配置され、前記減速機の各歯車軸は、前記側面ケーシングと中央ケーシングの仕切り壁にそれぞれ設けられたボス部の軸受嵌合穴に嵌め込まれた軸受で支持され、
    前記中央ケーシングのボス部に、ボス部の外周面と前記軸受嵌合穴内周面とを連通する潤滑油穴を設けたことを特徴とする2モータ車両駆動装置。
  2. 前記中央ケーシングの軸受嵌合穴は、左右の収容室を連通する貫通孔で形成していることを特徴とする請求項1に記載の2モータ車両駆動装置。
  3. 前記潤滑油穴は、仕切り壁の近くの前記ボス部の外周面に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の2モータ車両駆動装置。
  4. 同一の軸受嵌合穴に挿入される転がり軸受の間に、円環状のスペーサが配され、このスペーサに、潤滑油を転がり軸受の間に導く溝が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の2モータ車両駆動装置。
  5. 前記潤滑油穴は、歯車の噛み合いによって発生する荷重の作用線上を避けて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の2モータ車両駆動装置。
  6. 上部から潤滑油を導くための給油用の潤滑油穴と、下部へ潤滑油を排油するための排油用の潤滑油穴を設けたことを特徴とする請求項5に記載の2モータ車両駆動装置。
  7. 前記仕切り壁に飛散した潤滑油を、前記潤滑油穴に案内するリブ部が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の2モータ車両駆動装置。
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