JP2017061959A - 車両駆動装置 - Google Patents

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勝則 佐藤
山本 哲也
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Abstract

【課題】転がり軸受の外輪の変形を抑制し、軸受機能を低下させることなく、転がり軸受の内部への潤滑油の供給を良好にした自動車用減速機付きモータ駆動装置を提供する。【解決手段】平行軸歯車減速機を有する車両駆動装置において、平行軸歯車減速機を構成する複数の歯車軸の両端部を、減速機ケーシングに転がり軸受34bを介して支持し、歯車軸を支持する転がり軸受が減速機ケーシングに設けられた軸受嵌合穴32bに嵌合され、軸受嵌合穴の内周面に、保油のための周方向溝46と、減速機を収容する空間と軸受嵌合穴の内部空間とを連通するとともに周方向溝と交差する連通溝45を設けている。【選択図】図6

Description

この発明は、電動モータと、この電動モータの動力を減速して駆動輪に伝達する減速機とを備えた車両駆動装置に関するものである。
車両駆動装置として、左右の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる2基の電動モータと減速機を備えるものが特許文献1に開示されている。
この種の車両駆動装置は、左右の駆動輪のそれぞれについて独立に駆動用の電動モータを備えるので、一つの共通の電動モータによって左右の駆動輪を駆動させる1モータ車両駆動装置のように、一つの電動モータの駆動力を左右に振り分けるデファレンシャルギア等が不要になる、という利点を有する。
特許文献1に開示された従来の2基の電動モータと減速機を備えた車両駆動装置は、図9に示すように、左右の駆動輪を個別に駆動する左右の電動モータ101L、101Rと電動モータ101L、101Rの回転を減速する減速機102L、102Rを備え、左右の電動モータ101L、101Rの中央に減速機102L、102Rを配置している。
減速機102L、102Rは、図9に示すように、モータ軸112から動力が伝達される入力歯車を有する入力歯車軸123と、等速ジョイント126および中間シャフト127からなるドライブシャフトを介して駆動輪に駆動力を伝達する出力歯車軸125とを備え、入力歯車軸123と出力歯車軸125とが平行かつオフセットした配置の平行軸歯車減速機である。
減速機102L、102Rの入力歯車軸123と出力歯車軸125との間には、1つ以上の中間歯車軸124(カウンター軸)が設けられる。
そして、左右の減速機102L、102Rは、一室の減速機ケーシング128内に並列に収容されている。
この減速機ケーシング128内には、左右の減速機102L、102Rを構成する歯車列を潤滑するために、所定量の潤滑油が封入されている。
一般的に車両駆動装置の減速機ケーシングは、アルミが用いられる。そして、その減速機ケーシングに、歯車軸を支持するための軸受が嵌め込まれる嵌合穴が設けられている。上記した平行軸歯車減速機の場合、歯車軸を支持するために軸の両端に軸受が配置され、軸受の外輪は減速機ケーシングに設けられた嵌合穴に収められる。そして、歯車軸と軸受内輪とは圧入され、嵌合穴と軸受外輪とは、すきま嵌合で取り付けられている。
この場合、減速機ケーシングに潤滑油が封入されていた場合でも軸受の外輪と嵌合穴との間での摩耗が多少なりとも発生し、減速機ケーシングのアルミの摩耗粉が不純物として潤滑油に混入する。
特開平11−243664号公報
潤滑油に混入した鉄系の不純物であれば、マグネットで回収することが可能であるが、アルミ粉などの非鉄系の不純物はマグネットで回収できないため、潤滑油中に拡散されることになる。軸受転走面や歯車歯面において、アルミ粉などの非鉄系の不純物は極力少なくすることが望まれ、減速機ケーシングの嵌合穴からアルミ粉などの非鉄系の摩耗粉を出さない対策が必要である。
そこで、この発明は、減速機ケーシングの嵌合穴からのアルミ粉などの非鉄系の摩耗粉の発生を抑制し、潤滑油内への不純物の混入を抑制した車両駆動装置を提供することを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、電動モータと、この電動モータの動力を減速して駆動輪に伝達する減速機とを備え、減速機は、モータ軸から動力が伝達される入力歯車を有する入力歯車軸と、駆動輪に駆動力を伝達する出力歯車を有する出力歯車軸と、入力歯車軸と出力歯車軸との間に設けられる中間歯車を有する1つ以上の中間歯車軸とを平行に配置して減速機ケーシング内に収容された車両駆動装置において、前記複数の歯車軸のうち少なくとも一つの歯車軸の両端部を、前記減速機ケーシングに転がり軸受を介して支持し、各歯車軸を支持する転がり軸受が減速機ケーシングに設けられた軸受嵌合穴に嵌合され、前記軸受嵌合穴の内周面に、保油のための周方向溝と、減速機を収容する空間と前記軸受嵌合穴の内部空間とを連通するとともに前記周方向溝と交差する少なくとも1つの連通溝が設けられていることを特徴とする。
前記連通溝を、歯車の噛み合いによって前記転がり軸受に作用する荷重の作用線と交差しない位置に設けるとよい。
また、前記周方向溝を、転がり軸受の軸方向中心線を避けた位置に設けることが望ましい。
また、前記周方向溝は、複数設け、この周方向溝は、前記転がり軸受の軸方向中心線に対して対象な位置に配置すればよい。
以上のように、この発明によれば、軸受嵌合穴の内周面に、保油のための周方向溝と、減速機を収容するケーシング内の空間と軸受嵌合穴の内部空間とを連通するとともに周方向溝と交差する少なくとも1つの連通溝とが設けられているので、潤滑油が連通溝から周方向溝に与えられて、減速機ケーシングの軸受嵌合穴と転がり軸受の外輪との隙間に潤滑油が供給され、軸受嵌合穴の摩耗を抑制して、減速機ケーシングの嵌合穴からのアルミ粉などの非鉄系の摩耗粉の発生を抑制することができる。
この発明を適用した車両駆動装置の実施形態を示す横断平面図である。 図1の減速機部分の拡大横断平面図である。 この発明に係る車両駆動装置を使用する電気自動車の一例を示す概略平面図である。 図1の実施形態の平面図である。 図1の実施形態の歯車列を軸方向から見た説明図である。 図1の破線で囲んだ領域VI部分の拡大図である。 図6のVII−VII線で断面にした説明図である。 図7のVIII−VIII線で断面にした説明図である。 従来の2モータ式の車両駆動装置を示す横断平面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示す2モータ式の車両駆動装置Aは、2基の減速機2L、2Rを左右並列に収容する減速機ケーシング20を中央にし、その減速機ケーシング20の左右に2基の電動モータ1L、1Rのモータケーシング3L、3Rを固定配置したものである。
図3に示す電気自動車Cは、前輪駆動方式であり、シャーシ51と、駆動輪としての前輪52と、後輪53と、左右の駆動輪をそれぞれに独立に駆動する2モータ式の車両駆動装置Aとを備え、2モータ式の車両駆動装置Aは、駆動輪である左右の前輪52の中央位置のシャーシ51上に搭載され、2モータ式の車両駆動装置Aの駆動力は、等速ジョイント15と中間シャフト16を介して左右の駆動輪である前輪52に伝達される。
なお、2モータ式の車両駆動装置Aの搭載形態としては、図3に示す前輪駆動方式の他、後輪駆動方式、四輪駆動方式でもよい。
2モータ式の車両駆動装置Aにおける左右の電動モータ1L、1Rは、図1に示すように、モータケーシング3L、3R内に収容されている。
モータケーシング3L、3Rは、円筒形のモータケーシング本体3aL、3aRと、このモータケーシング本体3aL、3aRの外側面を閉塞する外側壁3bL、3bRと、モータケーシング本体3aL、3aRの内側面に減速機2L、2Rと隔てる内側壁3cL、3cRとからなる。モータケーシング本体3aL、3aRの内側壁3cL、3cRには、モータ軸12aを引き出す開口部が設けられている。
電動モータ1L、1Rは、図1に示すように、モータケーシング本体3aL、3aRの内周面にステータ11を設け、このステータ11の内周に間隔をおいてロータ12を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。なお、電動モータ1L、1Rは、アキシャルギャップタイプのものを使用してもよい。
ロータ12は、モータ軸12aを中心部に有し、そのモータ軸12aはモータケーシング本体3aL、3aRの内側壁3cL、3cRの開口部からそれぞれ減速機2L、2R側に引き出されている。モータケーシング本体3aL、3aRの開口部とモータ軸12aとの間にはシール部材13が設けられている。
モータ軸12aは、モータケーシング本体3aL、3aRの内側壁3cL、3cRと外側壁3bL、3bRとに転がり軸受14a、14bによって回転自在に支持されている(図1)。
左右並列に設けられた2基の減速機2L、2Rを収容する減速機ケーシング20は、図1および図4に示すように、中央ケーシング20aとこの中央ケーシング20aの両側面に固定される左右の側面ケーシング20bL、20bRの3ピース構造になっている。左右の側面ケーシング20bL、20bRは、中央ケーシング20aの両側の開口部に複数のボルト26L,26Rによって固定されている(図4)。
減速機ケーシング20の側面ケーシング20bL、20bRのアウトボード側(車体外側)の側面と電動モータ1L、1Rのモータケーシング本体3aL、3aRの内側壁3cL、3cRとを、複数のボルト29によって固定することにより、減速機ケーシング20の左右に2基の電動モータ1L、1Rが固定配置される(図1、図4)。
中央ケーシング20aには、図1に示すように、中央に仕切り壁21が設けられている。減速機ケーシング20は、この仕切り壁21によって左右に2分割され、2基の減速機2L、2Rを収容する独立した左右の収容室が並列に設けられている。
減速機2L、2Rは、図1に示すように、左右対称形に設けられ、モータ軸12aから動力が伝達される入力歯車23aを有する入力歯車軸23L、23Rと、この入力歯車23aに噛み合う大径歯車24aと出力歯車25aに噛み合う小径歯車24bを有する中間歯車軸24L、24Rと、出力歯車25aを有し、減速機ケーシング20から引き出されて等速ジョイント15、中間シャフト16(図3)を介して駆動輪に駆動力を伝達する出力歯車軸25L、25Rとを備える平行軸歯車減速機である。左右2基の減速機2L、2Rの各入力歯車軸23L、23R、中間歯車軸24L、24R、出力歯車軸25L、25Rは、それぞれ同軸上に配置されている。
減速機2L、2Rの入力歯車軸23L、23Rの両端は、中央ケーシング20aの仕切り壁21の左右両面に形成した軸受嵌合穴27aと側面ケーシング20bL、20bRに形成した軸受嵌合穴27bに転がり軸受28a、28bを介して回転自在に支持されている。軸受嵌合穴27a、27bの底部は、転がり軸受28a、28bの外輪が当接する壁部より内周側は肉厚が薄く形成されて段付き形状になっている。
入力歯車軸23L、23Rのアウトボード側の端部は、側面ケーシング20bL、20bRに設けた開口部27cから外側に引き出されており、開口部27cと入力歯車軸23L、23Rの外側端部との間にはオイルシール31を設け、減速機2L、2Rに封入された潤滑油の漏洩および外部からの泥水などの浸入を防止している。
モータ軸12aは中空構造であり、この中空のモータ軸12aに、入力歯車軸23L、23Rが挿入される。入力歯車軸23L、23Rとモータ軸12aとは、スプライン(セレーションも含む以下同じ)結合されている。
中間歯車軸24L、24Rは、外周面に入力歯車23aに噛み合う大径歯車24aと出力歯車25aに噛み合う小径歯車24bを有する段付き歯車軸である。この中間歯車軸24L、24Rの両端は、中央ケーシング20aの仕切り壁21の両面に形成した軸受嵌合穴32aと側面ケーシング20bL、20bRに形成した軸受嵌合穴32bとに転がり軸受34a、34bを介して支持されている。そして、軸受嵌合穴32a、32bの底部は、転がり軸受34a、34bの外輪が当接する壁部より内周側は肉厚が薄く形成されて段付き形状になっている。
出力歯車軸25L、25Rは、大径の出力歯車25aを有し、中央ケーシング20aの仕切り壁21の両面に形成した軸受嵌合穴35aと側面ケーシング20bL、20bRに形成した軸受嵌合穴35bに転がり軸受37a、37bによって支持されている。そして、軸受嵌合穴35a、35bの底部は、転がり軸受37a、37bの外輪が当接する壁部より内周側は肉厚が薄く形成されて段付き形状になっている。
出力歯車軸25L、25Rのアウトボード側の端部は、側面ケーシング20bL、20bRに形成した開口部35cから減速機ケーシング20の外側に引き出され、引き出された出力歯車軸25L、25Rのアウトボード側の端部の外周面に、等速ジョイント15の外側継手部15aがスプライン結合されている。
出力歯車軸25L、25Rに結合された等速ジョイント15は、中間シャフト16を介して駆動輪52に接続される(図3)。
出力歯車軸25L、25Rのアウトボード側の端部と側面ケーシング20bL、20bRに形成した開口部35cとの間には、オイルシール39を設け、減速機2L、2Rに封入された潤滑油の漏洩および外部からの泥水などの侵入を防止している。
図6は、中間歯車軸24Lについて示しているが、中間歯車軸24Lを含め、入力歯車軸23L、23R、中間歯車軸24R、出力歯車軸25L、25Rの両端部には、転がり軸受28a、28b、34a、34b、37a、37bの内輪40が嵌め込まれ、そして、転がり軸受28a、28b、34a、34b、37a、37bの外輪41は中央ケーシング20aの軸受嵌合穴27a、32a、35aと、側面ケーシング20bL、20bRの軸受嵌合穴27b、32b、35bと、に嵌め込まれている。
転がり軸受28a、28b、34a、34b、37a、37bの内輪40と各歯車軸23L、23R、24L、24R、25L、25Rは、回転中心で回転できるように、締め代を持って嵌合(タイト嵌合)しており、転がり軸受28a、28b、34a、34b、37a、37bの外輪41と軸受嵌合穴27a、32a、35a27b、32b、35bは、各歯車軸の組み込み作用が容易となるように隙間を持って嵌合(ルーズ嵌合)している。そして、軸受嵌合穴27a、32a、35a、27b、32b、35bと転がり軸受の外輪41との間は、数10μmの隙間がある。
このような隙間を有する嵌合の場合には、軸受嵌合穴27a、32a、35a、27b、32b、35bの摩耗を防ぐために、この隙間に十分な潤滑油を供給する必要がある。そこで、この実施形態では、軸受嵌合穴27a、32a、35a、27b、32b、35bと転がり軸受の外輪41との間に積極的に潤滑油を供給するように構成している。
油浴方式では、減速機ケーシング下部に滞留する潤滑油が歯車によって掻き揚げられ、その際に生じる油飛沫が歯面や転がり軸受に供給される。そして、軸受内部に潤滑油を供給するためには、軸受内部に、軸方向に貫通する油の流れを生じさせることが効果的である。
そこで、この実施形態では、この流れを生じさせるための構造を採用している。図1の破線IVで囲んだ部分を拡大した図6、および図6のVII−VII線での断面である図7に示すように、転がり軸受34bが嵌合する軸受嵌合穴32bの内周面に、減速機を収容するケーシング20内の空間G1と軸受嵌合穴32bの内部空間G2とを連通する少なくとも1つの溝45が設けられている。すなわち、図6に示すように、転がり軸受34bを境にギヤ等が存在するケーシング20のギヤ空間G1と、ケーシング20の側面ケーシング20bLに設けた軸受嵌合穴32bによって閉鎖される空間を内部空間G2とすると、転がり軸受34bの外輪41が嵌合する側面ケーシング20bLに設けた軸受嵌合穴32bの内周面に、ギヤ空間G1と内部空間G2を連通させる連通溝45を1つ以上設けている。
この連通溝45により、連通溝45から流入した油が内部空間G2を経由して転がり軸受34bの内部空間を通り排出される流れ、又は転がり軸受34bから流入した油が内部空間G2を経由して連通溝45を通り排出される流れが生じる。そして、連通溝45から流入した潤滑油は、軸受嵌合穴32bと転がり軸受34bの外輪41との間に積極的に供給される。
さらに、図7及び図7のVIII−VIII線での断面である図8に示すように、この軸受嵌合穴32bの内周面には、保油のための周方向溝46が設けられ、この周方向溝46が連通溝45と交差し、両者は連通する。この実施形態においては、周方向溝46に対して連通溝45が直交するように設けられているが、この周方向溝46と連通溝45とは連通されればよく、直交して設けるものには限らない。そして、連通溝45から供給された潤滑油は周方向溝46に流れ、軸受嵌合穴32bの内周面と転がり軸受34bの外輪41との間に潤滑油が保油されることになり、軸受嵌合穴32bの摩耗を抑制することができる。そして、周方向溝46と連通溝45とは連通されているので、少ない潤滑油量でも確実に軸受嵌合穴32bと転がり軸受34bの外輪41との間に潤滑油を保油させることができる。
尚、説明を簡単にするため、転がり軸受28a、28b、34a、34b、37a、37bの構成部品である内輪40、外輪41、転動体42、連通溝45及び周方向溝46は符号を共通にしている。
上記した連通溝45は、周方向溝46に潤滑油を供給させ、軸受外輪と軸受嵌合穴32bとの接触面に油を供給するだけでよい、即ち、保油できればよいので、潤滑油を排出するための連通溝45は必ずしも必要ではなく、1つの連通溝45を設けるだけでよい。但し、複数の連通溝45を設け、潤滑油の排出を行い、転がり軸受の内部への潤滑油の流れを良好にしてもよい。
図1、図6、図7および図8においては、便宜上、転がり軸受34bが取り付けられる側面ケーシング20bLの軸受嵌合穴32bについて説明したが、他の転がり軸受28a、28b、34a、37a、37bが嵌め込まれる中央ケーシング20aの軸受嵌合穴27a、32a、35aと、側面ケーシング20bLの軸受嵌合穴27b、35bと、側面ケーシング20bRの軸受嵌合穴27b、32b、35b部分にも同様に、各軸受嵌合穴の内周面に、ギヤ空間G1と内部空間G2を連通させる連通溝45を1つ以上設けている。この軸受嵌合穴32bの内周面には、連通溝45と交差して保油のための周方向溝46が設けられている。
ところで、ケーシング20の軸受嵌合穴の内周面、すなわち、転がり軸受の外輪が嵌合する面に上記の連通溝45を設ける場合、転動体42がこの連通溝45の位相を通過する際、転動体42を介して外輪41に作用する荷重により外輪41が変形する虞がある。この外輪41の変形に伴い、外輪軌道面の真円度などが悪化し、振動・音響や耐久性などに悪影響を与えることが考えられる。
図3に示す電気自動車Cに搭載された2モータ式の車両駆動装置Aにおける、インボード側(車体内側)からアウトボード側を見た場合の、減速機2Lの入力歯車軸23L、中間歯車軸24L、出力歯車軸25Lの歯車の配置を図5に示す。入力歯車軸23Lは出力歯車軸25Lより車両前方に位置し、中間歯車軸24Lは入力歯車軸23Lおよび出力歯車軸25Lより上方に位置している。車両前進時の出力歯車軸25Lの回転方向は、図中に矢印で示すように時計回りである。ここで、減速機2Rについては、図5を鏡面対称とした関係となる。図5に示すように、歯車同士の回転噛み合わせ時に、転がり軸受内部には、ある周方向範囲にわたり、転動体と軌道輪間に荷重が作用する負荷圏が存在する。そして、最も荷重が大きいのが当該荷重作用線上である。図5には、どの方向に荷重作用線が生じるかを示している。
そこで、この実施形態では、転がり軸受に作用する荷重の作用線とこの連通溝45が交差しないようにして、減速機ケーシング20の軸受嵌合穴の内周面に連通溝45を設けている。
また、図6及び図8に示すように、この連通溝45と交差して設けられる周方向溝46は、荷重の大きい転走面直下である軸方向中心線42Cを避けて設けている。軸受転走面直下に溝を設けると、溝部は外輪を支持できないため、転がり軸受の外輪41が変形して、転走面に悪影響を及ぼすので、この領域を避けて周方向溝46を設ければよい。
そして、この実施形態においては、周方向溝46は偶数、この例では2本設け、転走面を中心として転がり軸受の軸方向中心線42Cに対して対象な位置に配置している。周方向溝46を左右対称に設けることで、バランスがよくなる。ただし、周方向溝46を1本設けても、軸受嵌合穴内部には、潤滑油を保油させることはできる。
次に、荷重の作用線につき、図5のギヤ配列を参照して説明する。この実施形態では、荷重作用線は以下に定義される。
ここで、入力歯車23aと大径歯車24aよるギヤ噛み合い列をA列、小径歯車24bと出力歯車25aよるギヤ噛み合い列をB列とする。入力歯車軸23Lの軸心をO1、中間歯車軸24Lの軸心をO2、出力歯車軸25Lの軸心をO3とする。
図5において、L1A、L2Aは、軸心O1、軸心O2を結ぶ直線に垂直で、それぞれ、軸心O1と軸心O2を通る直線とする。L2B、L3Bは、軸心O2、軸心O3を結ぶ直線に垂直で、それぞれ、軸心O2と軸心O3を通る直線とする。
入力歯車23aと大径歯車24aによるギヤ噛み合い、すなわち、ギヤ列Aの噛み合いにより、加速時(ドライブ側)に、入力歯車軸23Lの転がり軸受28a、28bに作用する荷重の作用線をL1Dとする。
入力歯車23aと大径歯車24aとのギヤ列Aの噛み合いにより、減速時(コースト側)に、入力歯車軸23Lの転がり軸受28a、28bに作用する荷重の作用線をL1Cとする。
入力歯車23aと大径歯車24aとのギヤ列Aの噛み合いにより、加速時(ドライブ側)に、中間歯車軸24Lの転がり軸受34a、34bに作用する荷重の作用線をL2DAとする。
入力歯車23aと大径歯車24aとのギヤ列Aの噛み合いにより、減速時(コースト側)に、中間歯車軸24Lの転がり軸受34a、34bに作用する荷重の作用線をL2CAとする。
小径歯車24bと出力歯車25aによるギヤ列Bのギヤ噛み合い、すなわち、ギヤ列Bの噛み合いにより、加速時(ドライブ側)に、中間歯車軸24Lの転がり軸受34aに作用する荷重の作用線をL2DBとする。
小径歯車24bと出力歯車25aとのギヤ列Bの噛み合いにより、減速時(コースト側)に、中間歯車軸24Lの転がり軸受34a、34bに作用する荷重の作用線をL2CBとする。
小径歯車24bと出力歯車25aとのギヤ列Bの噛み合いにより、加速時(ドライブ側)に、出力歯車軸25Lの転がり軸受37a、37bに作用する荷重の作用線をL3Dとする。
小径歯車24bと出力歯車25aとのギヤ列Bの噛み合いにより、減速時(コースト側)に、出力歯車軸25Lの転がり軸受37a、37bに作用する荷重の作用線をL3Cとする。
1DとL1Aとの間、L1CとL1Aとの間は、それぞれ角度φをなす。
2DAとL2Aとの間、L2CAとL2Aとの間は、それぞれ角度φをなす。
2DBとL2Bとの間、L2CBとL2Bとの間は、それぞれ角度φ’をなす。
3DとL3Bとの間、L3CとL3Bとの間は、それぞれ角度φ’をなす。
角度φおよびφ’は、歯車の歯面圧力角、歯面ねじれ角に基づいて、次式で与えられる。
tanφ=tanα/cosβ
tanφ’=tanα’/cosβ’
ここで、α、α’は、歯面圧力角、β、β’は、歯面ねじれ角である。
すなわち、荷重の作用線は、軸心位置と歯車諸元(圧力角とねじれ角)によって定義できる。この発明では、軸心位置と歯車諸元(圧力角とねじれ角)によって得られた荷重作用線と交差しない位置で、連通溝45を1つ以上形成し、ギヤ空間G1と内部空間G2を連通させている。
上記した実施形態では、転がり軸受28a、28b、34a、37a、37bが嵌め込まれる中央ケーシング20aの軸受嵌合穴27a、32a、35aと、側面ケーシング20bLの軸受嵌合穴27b、35bと、側面ケーシング20bRの軸受嵌合穴27b、32b、35b部分に連通溝45を設けているが、少なくとも1つの歯車軸を支持する転がり軸受が嵌合される軸受嵌合穴に連通溝を設ければよい。この場合、歯車にかかるトルクが一番大きい出力歯車軸25L、25Rを支持する転がり軸受が嵌合される軸受嵌合穴に連通溝を設けることが好ましい。
この発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内の全ての変更を含む。
1L、1R :電動モータ
2L、2R :減速機
3L、3R :モータケーシング
3aL、3aR :モータケーシング本体
3bL、3bR :外側壁
3cL、3cR :内側壁
11 :ステータ
12 :ロータ
12a :モータ軸
13 :シール部材
14a、14b :転がり軸受
15 :等速ジョイント
15a :外側継手部
16 :中間シャフト
20 :減速機ケーシング
20a :中央ケーシング
20bL、20bR :側面ケーシング
21 :仕切り壁
23L、23R :入力歯車軸
23a :入力歯車
24L、24R :中間歯車軸
24a :大径歯車
24b :小径歯車
25L、25R :出力歯車軸
25S :出力歯車軸部
25a :出力歯車
26L、26R :ボルト
27a、27b、32a、32b、35a、35b :軸受嵌合穴
27c :開口部
28a、28b、34a、34b、37a、37b :転がり軸受
29 :ボルト
31 :オイルシール
35c :開口部
39 :オイルシール
40 :内輪
41 :外輪
42 :転動体
42C :軸方向中心線
45 :連通溝
46 :周方向構
51 :シャーシ
52 :前輪
53 :後輪
A :自動車用減速機付き車両駆動装置
C :電気自動車
G1 :ギヤ空間
G2 :内部空間
α、α’ :歯面圧力角
β、β’ :歯面ねじれ角
φ、φ’ :角度
1、O2、O3 :軸心
1D、L1C、L2DA、L2CA、L2DB、L2CB、L3D、L3C :荷重作用線

Claims (4)

  1. 電動モータと、この電動モータの動力を減速して駆動輪に伝達する減速機とを備え、減速機は、モータ軸から動力が伝達される入力歯車を有する入力歯車軸と、駆動輪に駆動力を伝達する出力歯車を有する出力歯車軸と、入力歯車軸と出力歯車軸との間に設けられる中間歯車を有する1つ以上の中間歯車軸とを平行に配置して減速機ケーシング内に収容された車両駆動装置において、
    前記複数の歯車軸のうち少なくとも1つの歯車軸の両端部を、前記減速機ケーシングに転がり軸受を介して支持し、各歯車軸を支持する転がり軸受が減速機ケーシングに設けられた軸受嵌合穴に嵌合され、前記軸受嵌合穴の内周面に、保油のための周方向溝と、減速機を収容する空間と前記軸受嵌合穴の内部空間とを連通するとともに前記周方向溝と交差する少なくとも1つの連通溝が設けられていることを特徴とする車両駆動装置。
  2. 前記連通溝を、歯車の噛み合いによって前記転がり軸受に作用する荷重の作用線と交差しない位置に設けることを特徴とする請求項1に記載の車両駆動装置。
  3. 前記周方向溝は、転がり軸受の軸方向中心線を避けた位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両駆動装置。
  4. 前記周方向溝は、複数設けられ、この周方向溝は、前記転がり軸受の軸方向中心線に対して対象な位置に配置されている請求項3に記載の車両駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113757347A (zh) * 2021-08-18 2021-12-07 浙江夏厦精密制造股份有限公司 一种电动汽车用减速器

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