JP2018053561A - 車両用ドアハンドル装置 - Google Patents

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永田 浩一
Koichi Nagata
浩一 永田
雄太 加納
Yuta Kano
雄太 加納
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Abstract

【課題】ハンドルとベース部との衝突による衝撃を緩和できる車両用ドアハンドル装置を提供する。
【解決手段】車両用ドアハンドル装置1は、車両のドアD取付けられるベース部2と、ベース部2に回転自在に支持される被支持部4aと、被支持部4aから延びる中空のアーム4bと、アーム4bの先端の開口部7aを覆うカバー8と、を有するハンドル4と、ハンドル4をベース部2に向けて付勢する付勢部材Sと、を備える。ベース部2は、ハンドル4のカバー8に当接することで当該ハンドル4の回転を制限する受け部5を有する。また、カバー8は、ハンドル4の回転方向において、受け部5と対向する位置に衝撃吸収部9を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用ドアハンドル装置に関する。
従来から、車両ドアの開閉操作を行うための車両用ドアハンドル装置として、乗員によって操作されるハンドルと、ハンドルを回転可能に支持するベース部と、ハンドルをベース部に向けて付勢するばねと、を備えるものが知られている。また、こうした車両用ドアハンドル装置の中には、ばねの付勢力によって、ハンドルがベース部に向けて回転する際のハンドルとベース部との衝突による衝撃を緩和するために弾性部を備えるものがある例えば、特許文献1に記載の車両用ドアハンドルにおいては、付勢部材によるハンドル本体部とドアパネル30との衝突を緩和するために、ドアパネル当接面に緩衝部材が設けられている。
特開2014−145224号公報
しかしながら、上記のような車両用ドアハンドル装置では、弾性部によって緩和できる衝撃に限度があり、こうした衝撃を緩和する点について改善の余地が残されていた。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハンドルとベース部との衝突による衝撃を緩和できる車両用ドアハンドル装置を提供することにある。
上記の課題を解決する車両用ドアハンドル装置は、車両のドアに取り付けられるベース部と、前記ベース部に回転自在に支持される被支持部と、前記被支持部から延びる中空のアームと、前記アームの先端の開口を覆うカバーと、を有するハンドルと、前記ハンドルを前記ベース部に向けて付勢する付勢部材と、を備え、前記ベース部は、前記ハンドルの前記カバーに当接することで当該ハンドルの回転を制限する受け部を有し、前記カバーは、前記ハンドルの回転方向において、前記受け部と対向する位置に衝撃吸収部を有する。
同構成によれば、乗員が付勢部材の付勢力に抗してドアハンドルを開いた後に当該ハンドルを離したときに、ハンドルのアームがベース部の受け部に衝突することで発生する衝撃が衝撃吸収部によって吸収される。また、ハンドルのアームが中空になっているため、アームが中実となっている場合に比較して、ハンドルがベース部の受け部に衝突する際の衝突力が低減される。こうして、この構成によれば、ハンドルとベース部との衝突による衝撃を緩和できる。
また、前記衝撃吸収部は、前記ハンドルの回転方向において、前記受け部に向かって隆起していることが好ましい。
同構成によれば、衝撃吸収部が受け部に向かって隆起しているため、ハンドルが受け部に衝突する際に、衝撃吸収部が受け部に衝突しやすくなる。言い換えれば、アームの先端が受け部に衝突しにくくなる。こうして、アームの先端が受け部に衝突することによる異音の発生やアームに対する衝突力の作用を抑制できる。
また、上記の車両用ドアハンドル装置において、前記カバーは、前記アームの先端に挿嵌する嵌合部を有し、前記嵌合部は、前記アームよりも軟質で、前記衝撃吸収部よりも硬質であることが好ましい。
同構成によれば、カバーとハンドルとを嵌合する嵌合部がハンドルよりも軟質であるため、カバーの嵌合部をハンドルのアームに挿入しやすくすることができる。また、嵌合部が衝撃吸収部よりも硬質であるため、カバーの材質が衝撃吸収部の材質のみから構成する場合と比較して、ハンドルからカバーを脱落しにくくすることができる。
一実施形態に係る車両用ドアハンドル装置の断面図である。 上記車両用ドアハンドル装置のハンドルの斜視図である。
以下、車両用ドアハンドル装置1の一実施形態を図1および図2に基づき詳細に説明する。なお、本実施形態の車両用ドアハンドル装置1は、車両ドアDのアウトサイドパネルに取り付けられるものとする。
図1に示すように、車両ドアハンドル装置1は、車両ドアDに取り付けられるベース部2と、車両ドアDを開閉する際に乗員が把持するハンドル4と、ハンドル4をベース部2に向けて付勢する付勢部材Sと、ベース部2にハンドル4を固定する固定軸3と、を備える。ベース部2は、車両の幅方向内側に向かって凹状をなしている。また、ベース部2は、ハンドル4に当接することでハンドル4の回転を制限する受け部5を有している。
図1および図2に示すように、ハンドル4は、その基端においてベース部2に回転自在に支持される被支持部4aと、被支持部4aから延びる中空のアーム4bと、アーム4bの先端の開口を覆うカバー8と、を有している。そして、アーム4bの先端は、ベース部2から支持されない自由端6となっている。
ハンドル4は、比較的強度を有する材料で構成されることが好ましい。詳しくは、ハンドル4のアーム4bは、車両の外側に設けられるため、側突事故等において車両用ドアハンドル装置1が設けられる車両ドアDのドアパネル等と同等の強度を確保することが好ましい。また、握りやすさや操作性の確保を考慮して、比較的硬質の材料で形成することが好ましい。
図2に示すように、被支持部4aには、固定軸3が挿通される固定孔3aが形成されている。そして、固定孔3aに挿通した固定軸3をベース部2に固定することで、ハンドル4が固定軸3の軸回りに回転可能となる。
ハンドル4のアーム4bは、固定孔3aの軸方向と交差する方向に被支持部4aから延設されている。アーム4bの内部空間(空洞)7は、アーム4bの長手方向に沿うように形成されている。また、アーム4bの内部空間7は、アーム4bの先端に開口している。詳しくは、アーム4bの内部空間7は、ハンドル4の回転方向において、ベース部2の受け部5と対向する位置に開口している。こうして、本実施形態のアーム4bは中空構造となっているため、中実構造とした場合に比較して、軽量に構成することができる。
カバー8は、衝撃吸収性を有する衝撃吸収部9と、内部空間7の開口部7aにスナップフィットにより挿嵌される嵌合部11を有している。図2に示すように、衝撃吸収部9には、中心に向かって隆起する隆起部10が設けられている。カバー8がアーム4bを取り付けた状態では、隆起部10は、ハンドル4の回転方向において、ベース部2の受け部5と対向することとなる。また、衝撃吸収部9は、内部空間7の開口部7aよりも大きく形成されている。このため、カバー8をアーム4bに取り付けた場合には、アーム4bの内部空間7の開口部7aがカバー8の衝撃吸収部9によって隙間なく覆われる。また、衝撃吸収部9は、ハンドル4およびベース部2の受け部5よりも軟質の材料、例えば、樹脂やゴムなどの材料で形成される。
なお、内部空間7に挿嵌されるカバー8の嵌合部11は、アーム4bよりも軟質で、衝撃吸収部9よりも硬質な部材によって形成される。アーム4bよりも軟質な部材を使用することにより、嵌合部11を内部空間7の開口部7aに挿入する際に、嵌合部11が弾性変形によりスムーズに開口部7a内に挿入され、かつ適度な安定感をもって開口部7a内に固定される。さらに、嵌合部11の部材としてカバー8よりも硬質な部材を用いることにより、嵌合部11が内部空間7の開口部7aと嵌合するに際して、車両ドアD開閉の際のハンドル操作による度重なる衝撃や、車両走行時の風等に影響されることなく嵌合力を保持する。
次に、本実施形態の車両用ドアハンドル装置1の作用について説明する。
乗員が車両ドアDを開く場合には、乗員が車両ドアDを開閉する際にアーム4bを引き、車両ドアDが開くまたは閉まる際にはアーム4bを離す動作をする。この際に、アーム4bの一端が自由端6となっている車両用ドアハンドル装置1の場合、アーム4bが固定孔3aに備えられた付勢部材Sにより、図1における地点Aから地点Bへ勢いよく移動する。この勢いにより、アーム4bの自由端6はベース部2の受け部5に強い衝撃で接触する。
ここで、本実施形態では、カバー8が衝撃吸収部9を有するため、ハンドル4とベース部2とが衝突することで発生する衝撃が衝撃吸収部9によって吸収される。また、ハンドル4のアーム4bが中空になっているため、アーム4bが中実となっている場合に比較して、アーム4bが軽くなり、ハンドル4がベース部2に衝突する際の衝突力が低減される。こうして、本実施形態によれば、ハンドル4とベース部2との衝突による衝撃を緩和できる。
また、図2に示すように、カバー8の衝撃吸収部9がベース部2の受け部5に向かって隆起しているため、ハンドル4がベース部2に衝突する際に、衝撃吸収部9がベース部2に衝突しやすくなる。言い換えれば、ハンドル4のアーム4bの先端がベース部2に衝突しにくくなる。こうして、アーム4bの先端がベース部2に衝突することによる異音の発生やアーム4bに対する衝突力の作用が抑制される。
さらに、カバー8とハンドル4とを嵌合する嵌合部11がハンドル4よりも軟質であるため、カバー8の嵌合部11をハンドル4のアーム4bに挿入しやすくなる。また、嵌合部11が衝撃吸収部9よりも硬質であるため、カバー8の材質が衝撃吸収部9の材質のみから構成する場合と比較して、ハンドル4からカバー8を脱落しにくくなる。
本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、ハンドル4のアーム4bの操作時に発生するアーム4の自由端6とベース部2の受け部5との強い衝撃を緩和するため、アーム4の操作時にアーム4の自由端6と受け部5が接触する位置にある開口部7aを覆うカバー8の一端に、衝撃吸収部9が形成されている。この衝撃吸収部9により、車両ドアDの開閉時において繰り返し発生するハンドル4のアーム4bとベース部2の受け部5との衝撃緩和に貢献している。これにより、乗員がドアハンドルを操作する際に生じるアーム4bと受け部5との衝撃を抑制する。
(2)内部空間7がアーム4bに形成されることにより、アーム4bの軽量化が図られることになる。アーム4bが軽量化されれば、アーム4bが操作された後に、ハンドル4の自由端6が付勢部材Sによりベース部2に勢いよく戻される際の衝撃をより緩和する。
(3)本実施形態では、カバー8の衝撃吸収部9において、ベース部2の受け部5と対向する面に受け部5に向かって隆起する隆起部10を設けている。この隆起部10により、衝撃吸収部9がベース部2の受け部5に衝突する面積を限定的にして衝撃音を低減している。カバー8のさらなる特徴として、ハンドル4の自由端6がベース部2の受け部5と接触する際に、カバー8の衝撃吸収部9がその衝撃を受ける面全体の広い面積で衝撃を受けることと比較して、狭い面積で衝撃を受けた方が、その衝撃音の低減に効果がある。このため、衝撃吸収部9の受け部5と対向する面を隆起させることで、衝撃を受ける面積を限定している。
(4)本実施形態では、内部空間7の開口部7aと嵌合する嵌合部11として、アーム4よりも軟質で、カバー8よりも硬質な部材が採用されている。アーム4よりも軟質な部材を用いることにより、嵌合部11が弾性変形によりスムーズに開口部7a内に挿入され、かつ適度な安定感をもって開口部7a内に固定される。さらに、嵌合部11の部材としてカバー8よりも硬質な部材を用いることにより、嵌合部11が開口部7aと嵌合するに際して、度重なるハンドル4の操作による衝撃や、車両走行時の風等に影響されることなく嵌合力を保持することができる。
(5)カバー8は、ハンドル4とベース部2とが衝突する際の衝撃吸収と、内部空間の覆いを兼ねるので、カバー8で2つの機能を果たすことができ、これにより、製造コストの低減に貢献する。
(6)ハンドル4のアーム4aを射出成形により製造する際に、肉厚な部分があると、樹脂の特性により冷却時に収縮し、結果として成形品の表面にへこみや窪み(いわゆるヒケ)が発生することがある。このヒケの発生を抑制するには、成形品において厚みがある部分に適当な凹部(いわゆる肉盗み)を形成することが好ましい。この点、本実実施形態では、アーム4aに上記の肉盗みに相当する中空構造が形成されているため、アーム4aの製造時におけるヒケの発生を回避できる。
(7)ハンドル4のアーム4aの先端が開口していると、車両の外観を損なう要因となるばかりか、車両走行時に風切音の原因となる等の不具合も発生させる可能性がある。さらに、車両用ハンドル装置1が車両の後部ドアに設置された場合、車両用ドアハンドル装置1が後部座席に着座する乗員の真横に位置する。そして、特に高速道路などにおいて車両が高速で走行する際に、開口部7a付近から発生する風切音の音量も大きくなった場合、後部座席に着座する乗員にとってこの風切音は非常に不快な音となる可能性がある。この点、本実施形態では、ハンドル4のアーム4aの先端の開口部7aをカバー8で覆れているため、開口部7aで発生する風切音を抑制できる
なお、本実施形態においては、車両用ドアハンドル装置1は、車両ドアDのアウトサイドパネルに取り付けられるものとしたが、車両ドアDのインサイドパネルに取り付けてもよい。
1…車両用ドアハンドル装置、2…ベース部、3…固定軸、3a…固定孔、4…ハンドル、4a…被支持部、4b…アーム、5…受け部、6…自由端、7…内部空間、7a…開口部、8…カバー、9…衝撃吸収部、10…隆起部、11…嵌合部、D…車両ドア、S…付勢部材。

Claims (3)

  1. 車両のドアに取り付けられるベース部と、
    前記ベース部に回転自在に支持される被支持部と、前記被支持部から延びる中空のアームと、前記アームの先端の開口を覆うカバーと、を有するハンドルと、
    前記ハンドルを前記ベース部に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
    前記ベース部は、前記ハンドルの前記カバーに当接することで当該ハンドルの回転を制限する受け部を有し、
    前記カバーは、前記ハンドルの回転方向において、前記受け部と対向する位置に衝撃吸収部を有する
    車両用ドアハンドル装置。
  2. 前記衝撃吸収部は、前記ハンドルの回転方向において、前記受け部に向かって隆起している請求項1に記載の車両用ドアハンドル装置。
  3. 前記カバーは、前記アームの先端に挿嵌する嵌合部を有し、
    前記嵌合部は、前記アームよりも軟質で、前記衝撃吸収部よりも硬質である請求項1又は請求項2に記載の車両用ドアハンドル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020066318A (ja) * 2018-10-24 2020-04-30 本田技研工業株式会社 自動車用ドア構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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