JP2009006976A - 車両用ドア構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダ式ドアチェッカを備え、簡単な構造によって対側面衝突性能を向上した車両用ドア構造を提供する。
【解決手段】ドアアウタパネル10と、ドアインナパネル20と、ドアトリム30と、ドアインナパネルの一部をドアアウタパネル側に張り出させたドアチェッカ収容部21と、ドアチェッカ収容部とドアトリムとの間に配置され、シリンダ及びシリンダから突出したロッドを有し、両端部をドア及び車体に対しそれぞれ揺動可能に接続され、ドアを所定の位置で保持するドアチェッカ70と、ドアアウタパネルとドアインナパネルとの間に配置されたサイドインパクトビーム80とを備える車両用ドア構造を、ドアインナパネルのドアチェッカ収容部の上部又は下部に設けられ、車幅方向に伸在する壁面部23と、サイドインパクトビーム80とを、車幅方向において重なった位置に配置した構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用ドア構造に関するものであり、特に、ドアを任意の開位置で保持可能なシリンダ式のドアチェッカを有するものに関する。
自動車の乗員乗降用等に用いられ、ヒンジ機構によって揺動して開閉するドアには、ドアを複数の開度位置で保持可能なドアチェッカが設けられている。
従来、ドア内に固定されたゴムダンパと、ドアの開閉時にゴムダンパに対して相対移動しかつこのゴムダンパと圧接する山部及び谷部を有する摺動部とを有するドアチェッカが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、ドア全開時の車体側取付部への負荷を軽減する目的で、シリンダ機構を有するエアダンパを有するドアチェッカが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開平7−101246号公報 特開2006−274668号公報
車両用ドア構造において、側面衝突に対するドアの強度を向上し、乗員保護を図ることが要望されている。これに対し、ドア内に補剛や衝撃吸収用の部材を追加すれば、対側面衝突性能を向上することはできるが、この場合部品数が増加してドア構造が複雑化し、またドアの重量が増加して車両の走行性能が損なわれる。
本発明の課題は、シリンダ式ドアチェッカを備え、簡単な構造によって対側面衝突性能を向上した車両用ドア構造を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、車両外板の一部を構成するドアアウタパネルと、前記ドアアウタパネルの車室内側に配置されるドアインナパネルと、前記ドアインナパネルの車室内側に配置されるドアトリムと、前記ドアインナパネルの一部を前記ドアアウタパネル側に張り出させて形成されたドアチェッカ収容部と、前記ドアインナパネルの前記ドアチェッカ収容部と前記ドアトリムとの間に配置され、シリンダ及び該シリンダから突出したロッドを有し、一方の端部をドアに対し揺動可能に接続され、他方の端部を車体に対し揺動可能に接続され、前記ドアの開閉動作に応じて伸縮するとともに前記ドアを所定の位置で保持するドアチェッカと、前記ドアアウタパネルと前記ドアインナパネルとの間に配置され、車両の前後方向にほぼ沿って伸びたサイドインパクトビームとを備える車両用ドア構造であって、前記ドアインナパネルの前記ドアチェッカ収容部の上部又は下部に設けられ、車幅方向に伸在する壁面部の少なくとも一部と、前記サイドインパクトビームの少なくとも一部とを、車幅方向において重なった位置に配置したことを特徴とする車両用ドア構造である。
なお、本明細書、請求の範囲等において、車幅方向に延在する壁面部とは、車幅方向と延在方向が完全に一致したものに限らず、車幅方向に対して傾斜しているが車幅方向に広がりをもった壁面部を含むものとする。
本発明によれば、ドアインナパネルのドアチェッカ収容部の車幅方向に伸在する壁面部とサイドインパクトビームとを車幅方向において重なった位置に配置したことによって、車両の側面衝突時にサイドインパクトビームが外力によって車幅方向内側に変位してドアチェッカ収容部に当接すると、そこからさらに車幅方向内側に変位するためにはドアチェッカ収容部の壁面部を座屈させるエネルギが必要となる。そして、サイドインパクトビームがドアチェッカ収容部を押圧する荷重が壁面部の座屈荷重に満たない場合には、サイドインパクトビームのそれ以上の変位が防止される。また、サイドインパクトビームがドアチェッカ収容部を押圧する荷重が壁面部の座屈荷重を上回った場合であっても、壁面部の座屈変形によってエネルギが吸収されるので、乗員等をより効果的に保護することができる。
本発明は、シリンダ式ドアチェッカを備え、簡単な構造によって対側面衝突性能を向上した車両用ドア構造を提供する課題を、インナパネルの下端部をアウタパネル側に張り出させたドアチェッカ収容部内にドアチェッカを収容するとともに、ドアチェッカ収容部の上面部とサイドインパクトビームとを車幅方向において重なった位置に配置することによって解決した。
以下、本発明を適用した車両用ドア構造の実施例について説明する。
本実施例において、本発明の車両用ドア構造が適用されるドアは、例えば乗用車等の自動車の前席乗員用ドアである。
図1は、実施例のドアを側面側(車幅方向外側)から見た模式的透視図である。
図2は、図1のII−II部矢視断面図である。
ドア1は、車両の車室(キャビン)側部のドア開口に設けられ、その前端部に設けられたヒンジ軸回りに揺動して開閉するものである。
ドア1は、アウタパネル10、インナパネル20、ドアトリム30、ウインドウガラス40、ヒンジ50、ラッチ機構60、フリーストップチェッカ70、サイドインパクトビーム80等を備えて構成されている。
アウタパネル10は、車両外板の一部を構成する部分である。
インナパネル20は、アウタパネル10の車室内側の面部と間隔を隔てて対向して配置されている。これによって、アウタパネル10とインナパネル20との間には空間部が形成されている。インナパネル20の前方、下方、後方の端部は、アウタパネル10側に突出して形成され、その突端部においてアウタパネル10の対応する外周縁部と接合されている。
アウタパネル10及びインナパネル20は、例えば鋼板、アルミニウム合金板等の金属板をプレス加工したり、あるいは樹脂系材料等によって形成されている。
また、インナパネル20には、フリーストップチェッカ70を収容するドアチェッカ収容部21が形成される。ドアチェッカ収容部21は、インナパネル20の車両前方側における下端部(フリーストッパチェッカ70が配置される部分)を、アウタパネル10側に段状に張り出させて形成された部分である。
図2に示すように、ドアチェッカ収容部21は、側面部22及び上面部23を備えて構成されている。
側面部22は、略上下方向に伸びた平面状の部分であって、ドアチェッカ収容部21を車室内側から見た場合に凹部の底面となる部分である。側面部22は、インナパネル20の下端部とアウタパネル10の下端部との接合箇所と隣接して配置されている。
上面部23は、側面部22の上端部と、インナパネル20の他の部分(アウタパネル10側に張り出していない部分)との間にわたして設けられた面部であって、車幅方向にほぼ沿って延在しかつ車幅方向外側が内側よりやや下がった緩斜面となっている。これらの側面部22及び上面部23は、インナパネル20の他の部分と一体に形成されている。
また、側面部22の下端部と車体100のサイドシル101との間には、ウェザーストリップS1が配置されている。
ドアトリム30は、インナパネル20の車室内側の面部に装飾及び乗員保護等のために設けられる内装部材であって、例えば樹脂系材料によって形成されている。
ドアトリム30は、本体部31、ドアポケット部32、下面部33を備えている。
本体部31は、インナパネル20の車室内側の面部に添付されている。
ドアポケット部32は、本体部31の下端部から車室内側に張り出して形成された物入れ用の収容部である。
下面部33は、本体部31の下面部から車幅方向外側に伸びた面部である。この下面部33は、インナパネル20のドアチェッカ収容部21の下部を閉塞するものである。下面部33の車幅方向外側の端部は、ドアチェッカ収容部21の側面部22の下端部と隣接する位置に配置されている。また、下面部33と車体100のサイドシル101との間には、ウェザーストリップS2が配置されている。
ウインドウガラス40は、窓肩部(アウタパネル10及びインナパネル20の上端部)よりも上方のドア開口に開閉可能に設けられる。ウインドウガラス40は、図示しない昇降機構によってアウタパネル10及びインナパネル20に対して昇降可能とされ、下降時には空間部S内に収容される。
ヒンジ50は、車体に対してドア1をその軸回りに揺動(回動)可能に支持するものであって、インナパネル20の前端部に固定され、上下方向に離間して1対が設けられている。
ラッチ機構60は、ドア1の後端部に設けられ、車体側に設けられた図示しないストライカと係合し、ドア1を閉位置に保持するものである。
フリーストッパチェッカ(ドアチェッカ)70は、ドア1の開閉動作に応じて伸縮するシリンダ式のガスダンパを備え、ドア1を任意の開位置において保持するものである。フリーストッパチェッカ70は、シリンダ71、ロッド72等を備えている。
フリーストッパチェッカ70は、図2に示すように、上述したインナパネル20のドアチェッカ収容部21とドアトリム30との間に配置されている。
シリンダ71は、ドア1が全閉状態のときに長手方向がほぼ車両前後方向となるように配置され、その車両後方側の端部がドア1のインナパネル20の下端部に対して、ほぼ鉛直に配置された回転軸回りに揺動可能に連結されている。
ロッド72は、シリンダ71の内径側にこのシリンダ71とほぼ同心に挿入され、シリンダ71の車両前方側の端部から突き出して配置されている。ロッド72の後端部には図示しないピストンが設けられている。このピストンは、シリンダ71に対して移動する際に減衰力を発生させる。ロッド72の車両前方側の端部は、車体のドア開口に設けられた支点に対して、ほぼ鉛直に配置された回転軸回りに揺動可能に連結されている。
サイドインパクトビーム(ドアビーム)80は、車両の側面衝突時におけるドア1の変形を抑制するために前後方向にわたして設けられた構造部材である。
サイドインパクトビーム80は、例えばアルミニウム系合金を引き抜き加工することによって、縦長の矩形閉断面の内部に上下二段の仕切を有するいわゆる目の字断面に形成されている。サイドインパクトビーム80の前端部及び後端部は、インナパネル20の前端部及び後端部にそれぞれ設けられた図示しない補剛部材(リンホースメント)に固定されている。
図2に示すように、サイドインパクトビーム80は、インナパネル20のドアチェッカ収容部21における上面部23と、車幅方向において重なった位置に配置されている。このため、例えば車両の側面衝突時に、サイドインパクトビーム80が車室内側へ変位した場合には、サイドインパクトビーム80は、ドアチェッカ収容部21の上面部23の車幅方向外側の端部と当接するようになっている。
以上説明した実施例によると、インナパネル20のドアチェッカ収容部21の上面部23とサイドインパクトビーム80とを車幅方向において重なった位置に配置したことによって、車両の側面衝突時にサイドインパクトビーム80が外力によって車幅方向内側に変位し、ドアチェッカ収容部21に当接すると、そこからさらに変位するためには上面部23を座屈させるエネルギが必要となる。そして、サイドインパクトビーム80がドアチェッカ収容部21を押圧する荷重が上面部23の座屈荷重に満たない場合には、サイドインパクトビーム80のそれ以上の変位が防止される。また、サイドインパクトビーム80がドアチェッカ収容部21を押圧する荷重が上面部23の座屈荷重を上回った場合であっても、この座屈変形によってエネルギが吸収されるので、乗員等をより効果的に保護することができる。
また、仮にフリーストッパチェッカをアウタパネルとインナパネルとの間に収容した場合には、インナパネルにロッド等を引き出すための開口を形成し、この開口からの水、埃等の侵入を防止するためのブーツ等を設ける必要があるが、本実施例ではこのような開口の形成等が不要となり、ドアの構造が簡素化される。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)実施例は、例えば運転席、助手席の乗降に用いられるフロントドアであるが、本発明はこれに限らず、2列目以降のシートの乗降に用いられるリアドアにも適用することができる。
(2)実施例は、ドアチェッカのシリンダをドア側、ロッドを車体側にそれぞれ接続しているが、シリンダを車体側、ロッドをドア側に接続してもよい。
(3)サイドインパクトビーム(ドアビーム)の構成は上述した実施例のような目の字断面を有するものに限らず、例えば丸パイプ等を用いたものであってもよい。
(4)実施例ではドアチェッカ収容部をインナパネルの下端部に形成し、ドアチェッカ収容部の上面部とサイドインパクトビームとを車幅方向において重なった位置に配置したが、本発明はこれに限らず、例えばドアチェッカ収容部がサイドインパクトビームに対して高い位置に配置される場合には、ドアチェッカ収容部の下面部とサイドインパクトビームとを重なった位置に配置しても同様の効果を得ることができる。
本発明を適用した車両用ドア構造の実施例を側面側から見た模式的透視図である。 図1のII−II部矢視断面図である。
符号の説明
1 ドア
10 アウタパネル
20 インナパネル
21 ドアチェッカ収容部
22 側面部
23 上面部
30 ドアトリム
40 ウインドウガラス
50 ヒンジ
60 ラッチ機構
70 フリーストップチェッカ
71 シリンダ
72 ロッド
80 サイドインパクトビーム
100 車体

Claims (1)

  1. 車両外板の一部を構成するドアアウタパネルと、
    前記ドアアウタパネルの車室内側に配置されるドアインナパネルと、
    前記ドアインナパネルの車室内側に配置されるドアトリムと、
    前記ドアインナパネルの一部を前記ドアアウタパネル側に張り出させて形成されたドアチェッカ収容部と、
    前記ドアインナパネルの前記ドアチェッカ収容部と前記ドアトリムとの間に配置され、シリンダ及び該シリンダから突出したロッドを有し、一方の端部をドアに対し揺動可能に接続され、他方の端部を車体に対し揺動可能に接続され、前記ドアの開閉動作に応じて伸縮するとともに前記ドアを所定の位置で保持するドアチェッカと、
    前記ドアアウタパネルと前記ドアインナパネルとの間に配置され、車両の前後方向にほぼ沿って伸びたサイドインパクトビームと
    を備える車両用ドア構造であって、
    前記ドアインナパネルの前記ドアチェッカ収容部の上部又は下部に設けられ、車幅方向に伸在する壁面部の少なくとも一部と、前記サイドインパクトビームの少なくとも一部とを、車幅方向において重なった位置に配置したこと
    を特徴とする車両用ドア構造。
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