JP2018053009A - 窒化ホウ素粒子集合体を含む有機無機コンポジット材料の製造方法 - Google Patents

窒化ホウ素粒子集合体を含む有機無機コンポジット材料の製造方法 Download PDF

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【課題】高い熱伝導率を発現する有機無機コンポジット材料を製造する方法を提供することを課題とする。【解決手段】窒化ホウ素粒子集合体を含む有機無機コンポジット材料の製造方法であって、(i)窒化ホウ素粒子をシランカップリング剤で表面処理して、表面処理窒化ホウ素粒子を調製するステップと、(ii)(i)のステップで調製した表面処理窒化ホウ素粒子を造粒させて、窒化ホウ素粒子集合体を調製するステップと、(iii)(ii)のステップで調製した窒化ホウ素粒子集合体をマトリクス樹脂中に混合分散させて、有機無機コンポジット材料を調製するステップとを含む、前記方法に関する。【選択図】図4

Description

本発明は、窒化ホウ素粒子集合体を含む有機無機コンポジット材料の製造方法に関する。
近年、特に電気・電子分野では、電子部品の発熱が大きな問題となっている。電子部品の発熱部位及び/又はその周辺部位を保護するために、例えば、それらを放熱材料により封止したり、あるいは、放熱材料と接触させたりする。その結果、電子部品から放出された熱は、放熱材料を介して冷却媒体に移動される。
放熱材料としては、マトリクス樹脂に熱伝導性が高い無機フィラーを配合した熱伝導材(本明細書では、有機無機コンポジット材料ともいう)が知られている。有機無機コンポジット材料の熱伝導性を高めるためには、マトリクス樹脂に無機フィラーを多量に配合することが必要である。また、配合される無機フィラーが球形又はほぼ均一な形状である場合には、無機フィラー同士の接触点を増加させて熱伝導パスを形成するために、無機フィラーの配合量を増加させなければならない。
しかしながら、マトリクス樹脂に無機フィラーを多量に配合すると有機無機コンポジット材料の流動性が大きく低下してしまう。そのため、マトリクス樹脂に無機フィラーを多量に配合した有機無機コンポジット材料は、プリプレグなどの流動性を持たない材料に用いることはできるが、形状自由度の大きなトランスファー成形や射出成形などの注型用途に用いることは困難であった。
このような問題を解決するために、特許文献1には、六方晶系の窒化ホウ素を表面処理して端面に官能性第一及び第二アミン結合を形成し、それをポリベンゾオキサジン、エポキシ樹脂及びノボラック型又はレゾール型フェノール樹脂からなる群から選択されるポリマーに結合させたポリマー複合体(有機無機コンポジット材料)が開示されており、当該ポリマー複合体の粘度は、窒化ホウ素配合濃度とは無関係に実質的に減少される。
特許文献2には、特定の比表面積、全細孔容積、及び最大粒子径(体積基準)を有する窒化ホウ素凝集粒子であって、表面にごく小さな六方晶系の窒化ホウ素結晶の一次粒子が配置されているか、又は放射状に配置されている前記窒化ホウ素凝集粒子が開示されており、有機無機コンポジット材料において、当該窒化ホウ素凝集粒子の充填率を高くすることができる。
特開2001−192500号公報 特開2015−6980号公報
しかしながら、特許文献1に記載のポリマー複合体では、図1に示すように、窒化ホウ素同士が化学結合で連結されていないため、窒化ホウ素は個々でマトリクス樹脂中に分散してしまう。その結果、マトリクス樹脂と窒化ホウ素との界面が多くなり、マトリクス樹脂の高い熱抵抗により、ポリマー複合体の熱伝導率は低くなる。
特許文献2に記載の窒化ホウ素凝集粒子をマトリクス樹脂中に配合して有機無機コンポジット材料を調製した場合では、窒化ホウ素粒子を単に凝集させただけである窒化ホウ素凝集粒子には粒子間にマトリクス樹脂や空気が入り込みやすく、また、窒化ホウ素粒子同士が化学結合で連結されていない窒化ホウ素凝集粒子は凝集粒子の状態を維持する事が難しく壊れやすい。その結果、特許文献1と同様に、マトリクス樹脂と窒化ホウ素との界面が多くなり、マトリクス樹脂及び空気の高い熱抵抗により、有機無機コンポジット材料の熱伝導率は期待したほど上昇しない。
したがって、本発明は、高い熱伝導率を発現する有機無機コンポジット材料を製造する方法を提供することを課題とする。
全方向に高い熱伝導率を示す有機無機コンポジット材料を製造するためには、無機フィラーがマトリクス樹脂中に高い充填率で均一に分散し、且つ無機フィラー同士が接触するように配合することが必要である。
本発明者は、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、窒化ホウ素粒子表面と特定のカップリング剤を反応させることにより複数の窒化ホウ素粒子同士が結合した表面処理窒化ホウ素粒子を生成し、表面処理窒化ホウ素粒子を造粒させて窒化ホウ素粒子集合体を調製し、その後、窒化ホウ素粒子集合体をマトリクス樹脂中に分散させることによって窒化ホウ素粒子集合体を含む有機無機コンポジット材料を製造したところ、得られた窒化ホウ素粒子集合体を含む有機無機コンポジット材料は、高い熱伝達性能を有していることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)窒化ホウ素粒子集合体を含む有機無機コンポジット材料の製造方法であって、
(i)窒化ホウ素粒子をシランカップリング剤で表面処理して、表面処理窒化ホウ素粒子を調製するステップと、
(ii)(i)のステップで調製した表面処理窒化ホウ素粒子を造粒させて、窒化ホウ素粒子集合体を調製するステップと、
(iii)(ii)のステップで調製した窒化ホウ素粒子集合体をマトリクス樹脂中に混合分散させて、有機無機コンポジット材料を調製するステップと
を含む、前記方法。
本発明の方法により得られた窒化ホウ素粒子集合体を含む有機無機コンポジット材料では、窒化ホウ素粒子集合体は、窒化ホウ素粒子同士が化学結合で連結した集合体であり、単なる凝集体よりも壊れにくく、窒化ホウ素粒子間の熱伝達が良好である。また、高い熱伝導率を有する窒化ホウ素粒子集合体が分散しているので、有機無機コンポジット材料全体としての熱伝導率も高い。
従来の有機無機コンポジット材料中の窒化ホウ素粒子の状態を模式的に表した図である。 本発明における表面処理窒化ホウ素粒子の調製スキームの一例である。 本発明における窒化ホウ素粒子集合体の調製スキームの一例である。 本発明における窒化ホウ素粒子集合体の一例ができるまでを模式的に表した図である。 本発明における窒化ホウ素粒子集合体の一例の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。なお、本発明の窒化ホウ素粒子集合体を含む有機無機コンポジット材料の製造方法は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。
本発明は、窒化ホウ素粒子集合体を含む有機無機コンポジット材料を製造する方法であって、(i)窒化ホウ素粒子をシランカップリング剤で表面処理するステップ(表面処理窒化ホウ素粒子の調製)、(ii)表面処理窒化ホウ素粒子を造粒させるステップ(窒化ホウ素粒子集合体の調製)、及び(iii)窒化ホウ素粒子集合体をマトリクス樹脂中に混合分散させるステップ(有機無機コンポジット材料の調製)を含む、前記方法に関する。
以下に(i)〜(iii)の各ステップについて説明する。
(i)窒化ホウ素粒子をシランカップリング剤で表面処理するステップ
本発明の(i)のステップでは、窒化ホウ素粒子をシランカップリング剤で表面処理して、表面処理窒化ホウ素粒子を調製する。
ここで、本発明で用いられる窒化ホウ素粒子としては、絶縁性である六方晶系の窒化ホウ素粒子(以下、h−BNともいう)を使用することができる。窒化ホウ素粒子としては、フィラー硬さや表面官能基の面から、六方晶系の窒化ホウ素粒子を使用することが好ましい。
窒化ホウ素粒子の粒径は、限定されるものではないが、例えばレーザー回折/散乱式の粒度分布測定装置で測定した場合に、メジアン径(体積基準)が、通常0.1μm〜1,000μm、好ましくは0.5μm〜500μm、より好ましくは1μm〜200μmである。
窒化ホウ素粒子の比表面積は、限定されるものではないが、例えばBET法で測定した場合に、通常0.5m/g〜25m/g、好ましくは1m/g〜20m/g、より好ましくは2m/g〜15m/gである。
窒化ホウ素粒子としては、例えば電気化学工業製のHGP、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製のPT110などを使用することができる。
本発明で用いられるシランカップリング剤は、窒化ホウ素粒子を被覆し、さらに窒化ホウ素粒子同士を結合するための表面処理剤として使用される。本発明で用いられるシランカップリング剤は、一つの分子中に、アルケニル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、メルカプト基、ウレイド基、スルフィド基、チオエステル基、イソシアネート基などの反応性官能基と、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基などの加水分解性基の両者を併せ持つ有機ケイ素化合物である。
シランカップリング剤としては、限定されるものではないが、例えば、アルケニル基を有するシランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、オクテニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシランなどが挙げられ、アクリル基を有するシランカップリング剤として、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、メタクリル基を有するシランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシオクチルトリメトキシシランなどが挙げられ、エポキシ基を有するシランカップリング剤として、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシオクチルトリメトキシシランなどが挙げられ、アミノ基を有するシランカップリング剤として、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩などが挙げられ、イソシアヌレート基を有するシランカップリング剤として、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられ、メルカプト基を有するシランカップリング剤として、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、ウレイド基を有するシランカップリング剤として、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、スルフィド基を有するシランカップリング剤として、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが挙げられ、チオエステル基を有するシランカップリング剤として、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランが挙げられ、イソシアネート基を有するシランカップリング剤として、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
シランカップリング剤の量は、窒化ホウ素粒子総重量に対して、通常50重量%〜200重量%になるように調整される。
本発明の(i)のステップは、湿式処理により実施することができる。窒化ホウ素粒子に均一に表面処理する観点から、本発明の(i)のステップは、湿式処理で実施することが好ましい。
(a)湿式処理による表面処理
本発明の(i)のステップにおける表面処理を湿式処理で実施する場合、表面処理は、例えば、室温(1℃〜30℃)で、溶媒中にシランカップリング剤及び窒化ホウ素粒子を添加して撹拌混合して懸濁液を調製し、懸濁液に触媒を添加して加熱撹拌処理して表面処理反応を行い、その後冷却、ろ過、洗浄、及び乾燥を経ることにより実施することができる。
溶媒としては、シランカップリング剤と相溶性のある溶媒が好ましく、限定されるものではないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール、アセトン及びそれらの混合物が挙げられる。溶媒としては、エタノールが好ましい。
溶媒の量は、限定されるものではないが、シランカップリング剤及び窒化ホウ素粒子の総重量が、懸濁液総重量に対して、通常10重量%〜50重量%、好ましくは20重量%〜40重量%になるように調整される。
撹拌混合の時間は、溶媒中で、シランカップリング剤と窒化ホウ素粒子が均一に分散するのに十分な時間であり、限定されるものではないが、通常10分以上、好ましくは20分以上である。
溶媒中へのシランカップリング剤及び窒化ホウ素粒子の添加順序は、限定されるものではないが、好ましくは溶媒中にまずシランカップリング剤を添加して撹拌混合し、シランカップリング剤が溶媒中に均一に分散された後に窒化ホウ素粒子を添加して撹拌混合する。
触媒は、シランカップリング剤と窒化ホウ素粒子表面の反応を促進する物質である。例えば、触媒としては、酸触媒又は塩基触媒を使用することができ、当該触媒によって、窒化ホウ素粒子表面のOH基とシランカップリング剤とが−O−Si−O−結合を形成する反応が促進される。触媒は、酸触媒が好ましく、酸触媒としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、などの無機酸、酢酸、クエン酸、などの有機酸が挙げられ、特に、塩酸が好ましい。
触媒の量は、限定されるものではないが、窒化ホウ素粒子1molに対して、通常0.005mol/L以上、好ましくは0.01mol/L以上の濃度になるように調整される。
加熱撹拌処理は、シランカップリング剤と窒化ホウ素粒子表面の反応を行うのに必要な温度及び時間で実施する。例えば、通常60℃〜100℃、通常30分以上、撹拌しながら加熱処理を行う。
加熱撹拌処理を実施した後は、冷却、ろ過、洗浄、(再度ろ過)及び乾燥を行う。洗浄は、未反応原料、反応副生成物、触媒などが十分に除去されるまで実施し、ろ液のpHが、通常6〜8になるまで洗浄する。乾燥は、通常、室温23℃で、1時間以上実施する。乾燥雰囲気は、限定されるものではなく、大気中、不活性ガス下、又は真空下であってよいが、乾燥の効率を向上させるために、真空下で実施することが好ましい。
本発明の(i)のステップを湿式処理で実施した場合の1つの実施形態を図2に示す。
図2の実施形態では、まず、反応容器中に溶媒としてのエタノールを入れ、そこにシランカップリング剤を添加し、10分間撹拌混合する。その後、シランカップリング剤のエタノール溶液に窒化ホウ素粒子を添加し、さらに1時間撹拌混合して懸濁液を調製する。続いて、懸濁液に触媒として例えば塩酸(5mol/L)を添加し、撹拌混合後、懸濁液を80℃の液温になるまで加熱し、80℃で1時間加熱撹拌処理する。加熱撹拌処理終了後、反応懸濁液を冷却、ろ過してケーキを得て、ケーキをろ液のpHが7になるまでをエタノールにより洗浄する。洗浄後、ケーキを常温常圧下、で24時間加熱乾燥することにより表面処理窒化ホウ素粒子を得る。
本発明の(i)のステップにおいて、窒化ホウ素粒子をシランカップリング剤で表面処理することにより、窒化ホウ素粒子表面上にシランカップリング剤が被覆され、さらに窒化ホウ素粒子同士がシランカップリング剤を介して結合される。
(ii)表面処理窒化ホウ素粒子を造粒させるステップ
本発明の(ii)のステップでは、(i)のステップで調製した表面処理窒化ホウ素粒子を造粒させて、窒化ホウ素粒子集合体を調製する。
本発明の(ii)のステップは、湿式処理により実施することができる。表面処理窒化ホウ素粒子に均一に造粒する観点から、本発明の(ii)のステップは、湿式処理で実施することが好ましい。
(b)湿式処理による造粒
本発明の(ii)のステップにおける造粒を湿式処理で実施する場合、造粒は、例えば、室温(1℃〜30℃)で、溶媒中に表面処理窒化ホウ素粒子を添加して撹拌混合して分散液を調製し、その後各種造粒法で造粒することにより実施することができる。
溶媒としては、限定されるものではないが、表面処理窒化ホウ素粒子のシランカップリング剤と相溶性のある溶媒と、それと混和するプロトン性溶媒との混合溶媒が挙げられる。表面処理窒化ホウ素粒子のシランカップリング剤と相溶性のある溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール及びそれらの混合物が挙げられる。プロトン性溶媒としては、例えば水が挙げられる。表面処理窒化ホウ素粒子のシランカップリング剤と相溶性のある溶媒と、プロトン性溶媒との重量比は、通常3:1〜1:3である。溶媒としては、エタノールと水との混合溶媒が好ましい。エタノールと水との混合溶媒において、エタノールと水の重量比は、通常2:1〜1:2である。
溶媒の量は、造粒方法に依存して変化するため、限定されるものではないが、表面処理窒化ホウ素粒子の量が、分散液総重量に対して、通常10重量%以上になるように調整される。
撹拌混合の時間は、溶媒中で、表面処理窒化ホウ素粒子が均一に分散するのに十分な時間であり、限定されるものではないが、通常10分以上、好ましくは30分以上である。
造粒方法としては、例えばスプレー噴霧法、滴下法、四流体ノズルによるスプレー噴霧法、静電噴霧法などがある。
スプレー噴霧法の場合、例えば、本発明の(ii)のステップで作製した分散液を、通常80℃以上に加熱したテフロンコート鉄プレートに対し、通常5cm以上離れた距離からスプレー噴霧する。噴霧は、プレート一面が乾燥粉末で薄く覆われる状態まで行う。その後、加熱したプレートの温度で、通常10分以上乾燥し、窒化ホウ素粒子集合体を回収する。
滴下法の場合、例えば、本発明の(ii)のステップで作製した分散液を、通常150℃以上に加熱したテフロンコート鉄プレートに対し、通常10cm以上離れた距離から滴下する。滴下には、先端内径が、通常0.5mm〜3mm、好ましくは1mm〜2mmの市販のスポイトを使用し、プレート一面が乾燥粉末で薄く覆われる状態まで行う。その後、加熱したプレートの温度で、通常10分以上乾燥し、窒化ホウ素粒子集合体を回収する。
四流体ノズルによるスプレー噴霧法の場合、例えば、まず、表面処理窒化ホウ素粒子の量が、分散液総重量に対して、通常10重量%以上になるよう分散液を調整する。次に、有機溶媒対応の四流体ノズルを有する噴霧装置を用いて分散液を噴霧する。噴霧装置としては、例えば藤崎電機株式会社製のMDL−015MGCを使用することができる。噴霧条件は、分散液の送液を、通常1g/分以上、好ましくは3g/分以上に設定し、ガス流量を、通常5L/分以上、好ましくは10L/分以上に設定する。ガスとしては、限定されるものではないが、圧縮空気、不活性ガス、例えば窒素ガス、希ガスなどを使用することができる。噴霧・乾燥後、バグフィルターにより窒化ホウ素粒子集合体を回収する。
静電噴霧法の場合、例えば、まず、表面処理窒化ホウ素粒子の量が、分散液総重量に対して、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上になるように分散液を調整する。次に、シリンジ針端を正極として、対極にはアルミ箔を用い接地する。シリンジ針端−アルミ箔間は、通常1cm以上、好ましくは3cm以上に設定する。その後、シリンジから、通常0.1mL/分以上の速度で分散液を供給し、印加電圧を、通常5kV以上、好ましくは10kV以上に調整して、通常5分間以上、好ましくは10分間以上静電噴霧を行う。
本発明の(ii)のステップでは、表面処理窒化ホウ素粒子同士の結合を強化するために、造粒する前に、表面処理窒化ホウ素粒子にさらに結合剤を添加して、加熱撹拌処理を実施することもできる。
結合剤としては、本発明の(i)のステップに記載したシランカップリング剤を使用することができる。結合剤としては、本発明の(i)のステップで用いたシランカップリング剤と同一のものが好ましい。
結合剤の量は、表面処理窒化ホウ素粒子総重量に対して、通常10重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは100重量%以上である。
加熱撹拌処理は、表面処理窒化ホウ素粒子同士を結合剤により結合するのに必要な温度及び時間で実施する。例えば、加熱撹拌処理では、本発明の(i)のステップの加熱撹拌処理と同等の条件を使用することができる。
加熱撹拌処理では、本発明の(i)のステップの加熱撹拌処理において用いた触媒を使用してもよい。
本発明の(ii)のステップを湿式処理で実施した場合の1つの実施形態を図3に示す。
図3の実施形態では、まず、反応容器中に溶媒としてのエタノール及び水の混合溶媒と、結合剤としてのシランカップリング剤とを添加し、5分〜15分間撹拌混合する。その後、表面処理窒化ホウ素粒子を添加し、さらに1時間〜2時間撹拌混合して分散液を調製する。続いて、分散液を60℃〜100℃に加熱し、0.5時間〜2時間加熱撹拌処理する。加熱撹拌処理終了後、反応分散液を冷却し、各種造粒法により造粒して、窒化ホウ素粒子集合体を得る。
本発明の(ii)のステップにおいて、表面処理窒化ホウ素粒子を造粒することにより、表面処理窒化ホウ素粒子が集合して窒化ホウ素粒子集合体が形成される。
本発明の(ii)のステップにおいて得られる窒化ホウ素粒子集合体の形状は、球状、扁平状、俵状、棒状などである。
本発明の(ii)のステップにおいて得られる窒化ホウ素粒子集合体の粒径は、SEM画像により測定した場合に、通常5μm以上、好ましくは8μm以上、より好ましくは12μm以上である。SEM画像による測定では、まず、無作為に100個の集合体を選択し、各集合体について短径及び長径を測定する。続いて、各集合体における短径及び長径の平均値を計算し、各集合体の直径とする。最後に、各集合体の直径を平均化し、得られた値を集合体の粒径とする。
窒化ホウ素粒子集合体の粒径が前記範囲になることにより、窒化ホウ素粒子集合体をマトリクス樹脂中に分散させた時の樹脂の流動性は、マトリクス樹脂中の窒化ホウ素粒子集合体の充填率が高くなっても、高いまま維持される。
図4は、本発明の(i)及び(ii)のステップにおいて、本発明の窒化ホウ素粒子集合体の一例ができるまでを模式的に表した図である。図4では、窒化ホウ素粒子同士が結合し、集合して窒化ホウ素粒子集合体を形成し、さらに窒化ホウ素粒子集合体同士が結合していることによって、熱伝導パスが形成される。その結果、本発明の窒化ホウ素粒子集合体は、基板又は下地に対し直角方向にも熱伝導性が高くなる。
(iii)窒化ホウ素粒子集合体をマトリクス樹脂中に混合分散させるステップ
本発明の(iii)のステップでは、(ii)のステップで調製した窒化ホウ素粒子集合体をマトリクス樹脂中に混合分散させて、有機無機コンポジット材料を調製する。
ここで、マトリクス樹脂は、窒化ホウ素粒子集合体を分散させるために用いる。本発明で用いられるマトリクス樹脂としては、絶縁性を有するものであれば特に限定されずに熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選択することができる。本発明で用いられるマトリクス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、及びそれらの1種以上の混合物などの熱硬化性樹脂、並びにポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルブチラート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、及びそれらの1種以上の混合物などの熱可塑性樹脂を挙げることができる。本発明で用いられるマトリクス樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。ポリビニルアルコール樹脂としては、例えば関東化学製のPVA#500、日本合成化学製のZ−410などを使用することができる。エポキシ樹脂としては、例えばジャパンエポキシレジン製のjER828、DIC製のEXA−4816などを使用することができる。
マトリクス樹脂の量は、限定されるものではないが、窒化ホウ素粒子集合体の総重量が、有機無機コンポジット材料総重量に対して、通常20重量%以上、好ましくは30重量%以上になるよう調整される。
窒化ホウ素粒子集合体とマトリクス樹脂の混合方法としては、溶融混練、溶液混練、溶媒キャストブレンド、ラテックスブレンド、又は、ポリマーコンプレックスなどの物理的ブレンドを用いることができる。溶媒としては、アルコール、アセトンなどを使用することができる。混合方法は、特に溶融混練法が好ましい。混合する装置としては、タンブラー、ヘンシェルミキサー、ロータリーミキサー、スパーミキサー、リボンタンブラー、又は、Vブレンダーなどを用いることができる。溶融混練後、ペースト状の混合物をペレット化又は成膜化して、有機無機コンポジット材料を得る。ペレット化には単軸又は多軸押出機を用いるのが一般的であるが、前記押出機以外にはバンバリーミキサー、ローラー、コ・ニーダー、プラストミル、又は、プラベンダーブラウトグラフなどを用いることもできる。これらを回分的、又は連続的に運転する。成膜化にはブレード成膜化やディップ塗布を使用することができる。ブレード成膜化やディップ塗布により成膜化された有機無機コンポジット材料は、バルク体、シート状、又は基板塗布して得られる自立膜若しくは被覆膜などの膜状で得られる。
本発明の(iii)のステップにおいて得られる窒化ホウ素粒子集合体を含む有機無機コンポジット材料の熱伝導性は、窒化ホウ素粒子集合体の高い熱伝導性に依存して、高くなる。さらに、窒化ホウ素粒子集合体を高い充填率でマトリクス樹脂中に分散させて有機無機コンポジット材料を調製する場合においても、窒化ホウ素粒子が集合体になっていることから、窒化ホウ素粒子集合体を含むマトリクス樹脂の流動性は低下せずに高いまま維持される。また、本発明により得られた有機無機コンポジット材料中では、窒化ホウ素粒子集合体同士は、マトリクス樹脂中で互いにネットワークを形成している。
以下、本発明に関するいくつかの実施例につき説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
I.使用原料
実施例及び比較例において使用した原料を表1にまとめる。
Figure 2018053009
II.試料調製
(i)窒化ホウ素粒子をシランカップリング剤で表面処理して、表面処理窒化ホウ素粒子を調製するステップ
下記実施例及び比較例の有機無機コンポジット材料のために、(i)のステップを、図2に基づいて実施した。
反応容器中に、エタノール100gを入れ、そこに所定のシランカップリング剤を所定量(表2に記載)添加し、室温(23℃)で10分間撹拌混合し、シランカップリング剤のエタノール溶液を調製した。その後、シランカップリング剤のエタノール溶液に、窒化ホウ素粒子(電気化学工業製、HGP)20gを添加し、さらに1時間撹拌混合して懸濁液を調製した。続いて、懸濁液に触媒として塩酸(5mol/L)2mLを添加し、室温で10分間撹拌混合後、懸濁液を80℃の液温になるまで加熱し、80℃で1時間加熱撹拌処理した。加熱撹拌処理終了後、得られた反応懸濁液を冷却、ろ過してケーキを得た。ケーキをエタノール100mLに再分散して、ろ過する工程を2回繰り返して、ケーキを洗浄した(ろ液:pH7)。その後、真空減圧下、80℃で2時間加熱乾燥することにより表面処理窒化ホウ素粒子を得た。
得られた表面処理窒化ホウ素粒子を表2にまとめる。
Figure 2018053009
(ii)(i)のステップで調製した表面処理窒化ホウ素粒子を造粒させて、窒化ホウ素粒子集合体を調製するステップ
下記実施例の有機無機コンポジット材料のために、(ii)のステップを、図3に基づいて実施した。
反応容器中に溶媒としてのエタノール及び水の混合溶媒(エタノール:水=1:1(重量比))100gと、結合剤としてのシランカップリング剤20gとを添加し、10分間撹拌混合した。その後、(i)のステップで調製した表2に記載の表面処理窒化ホウ素粒子20gを添加し、さらに1時間撹拌混合して分散液を調製した。続いて、分散液を80℃に加熱し、80℃で1時間加熱撹拌処理した。加熱撹拌処理終了後、反応分散液を冷却し、分散液の濃度を調整して、スプレー噴霧法又は四流体ノズルによるスプレー噴霧法により造粒させて、窒化ホウ素粒子集合体を調製した。各造粒法の条件は以下の通りであった。
スプレー噴霧法
表面処理窒化ホウ素粒子の量が、分散液総重量に対して、10重量%になるよう分散液を調整した。次に、150℃に加熱したテフロンコート鉄プレートに対し、20cm離れた距離から分散液をスプレー噴霧した。噴霧は、プレート一面が乾燥粉末で薄く覆われる状態まで行った。その後、加熱したプレートの温度で、1時間乾燥し、窒化ホウ素粒子集合体を回収した。この作業を繰り返すことでサンプルを得た。
四流体ノズルによるスプレー噴霧法
表面処理窒化ホウ素粒子の量が、分散液総重量に対して、20重量%になるよう分散液を調整した。次に、有機溶媒対応の四流体ノズルを有する噴霧装置を用いて分散液を噴霧した。噴霧装置としては、藤崎電機株式会社製のMDL−015MGCを使用した。噴霧条件は、分散液の送液を5g/分に設定し、ガス流量を13L/分に設定し、入口温度を150℃又は200℃に設定した。ガスとしては、窒素ガスを使用した。噴霧・乾燥後、バグフィルターにより窒化ホウ素粒子集合体を回収し、サンプルを得た。
また、下記比較例の有機無機コンポジット材料のために、表面処理窒化ホウ素粒子20gにシランカップリング剤20gを加えて撹拌したのみのサンプルを調製した。
(iii)(ii)のステップで調製した窒化ホウ素粒子集合体をマトリクス樹脂中に混合分散させて、有機無機コンポジット材料を調製するステップ
(ii)のステップで調製したサンプルをポリビニルアルコール樹脂中に混合分散させて、実施例及び比較例の有機無機コンポジット材料を調製した。ポリビニルアルコール樹脂の混合分散条件は以下の通りであった。
ポリビニルアルコール樹脂
関東化学株式会社製の重量平均分子量が500であるポリビニルアルコールをアセトンで希釈することにより、ポリビニルアルコールの濃度が、溶液総重量に対して、30重量%になるようにポリビニルアルコール溶液を調製した。ポリビニルアルコール溶液と、サンプルとを、体積比がポリビニルアルコール:サンプル=50:50になるように秤量して、サンプルをポリビニルアルコール溶液に混合し、スラリーを得た。得られたスラリーをスチレン製の容器に広げ、室温で1日、さらに50℃で1時間乾燥させて、シート状の有機無機コンポジット材料を得た。
III.評価結果
III−1.見掛け密度測定
(iii)のステップで得られたシート状の有機無機コンポジット材料の重量及びその外寸から計算した体積から、各有機無機コンポジット材料の見掛け密度を求めた。
III−2.相対密度測定
窒化ホウ素粒子の真密度、シランカップリング剤の真密度及びポリビニルアルコールの真密度から、以下の計算式にしたがって、有機無機コンポジット材料の真密度を計算した。
有機無機コンポジット材料の真密度(g/cm)={窒化ホウ素粒子の真密度1.9(g/cm)}×(窒化ホウ素粒子の割合)+{シランカップリング剤の真密度[3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:1.07(g/cm)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン:1.00(g/cm)]}×(シランカップリング剤の割合)+{ポリビニルアルコールの真密度1.19(g/cm)}×{ポリビニルアルコールの割合(0.5)}
有機無機コンポジット材料の真密度及び各有機無機コンポジット材料の見掛け密度から、以下の計算式にしたがって、各有機無機コンポジット材料の相対密度を計算した。
有機無機コンポジット材料の相対密度(%)=(有機無機コンポジット材料の見掛け密度)÷(有機無機コンポジット材料の真密度)×100
III−3.熱拡散率測定
II.(iii)のステップで得られたシート状の有機無機コンポジット材料を、寸法が1cm×1cm×1cmになるように切りだして熱拡散率評価用サンプルを得た。得られた熱拡散率評価用サンプルについて、NETZSCH製のLFA467を使用して、パルスレーザーにより、試料垂直方向の熱拡散率を評価した。各サンプルは3回繰り返し測定し、その平均値を各サンプルの熱拡散率とした。
続いて、窒化ホウ素粒子の比熱、ポリビニルアルコールの比熱から、以下の計算式にしたがって、有機無機コンポジット材料の比熱を計算した(但しシランカップリング剤はごく微量の付着となるため計算式には反映させなかった)。
有機無機コンポジット材料の比熱{J/(g・K)}={窒化ホウ素粒子の比熱0.8J/(g・K)}×{窒化ホウ素粒子の割合(0.5)}+{ポリビニルアルコールの比熱1.68J/(g・K)}×{ポリビニルアルコールの割合(0.5)}=1.24
有機無機コンポジット材料の熱拡散率、比熱、及び見掛け密度から、以下の計算式にしたがって、各サンプルの熱伝導率を計算した。
熱伝導率{W/(m・K)}=熱拡散率(mm/s)×比熱{J/(g・K)}×見掛け密度(g/cm
実施例の結果を表3に示し、比較例の結果を表4に示す。
Figure 2018053009
Figure 2018053009
表3及び4において、処理方法の記号の意味は、以下の通りである。
G:四流体ノズルによるスプレー噴霧法で造粒して得られた窒化ホウ素粒子集合体のサンプル。後ろの数字は、入口温度の設定温度(G−150は、150℃処理であり、G−200は、200℃処理である)。
S:スプレー噴霧法で造粒して得られた窒化ホウ素粒子集合体のサンプル。
NR:シランカップリング剤を加えて撹拌したのみのサンプル。
表3及び表4より、化学結合が導入された窒化ホウ素粒子集合体を含む実施例1〜6の有機無機コンポジット材料の熱伝導率は、比較例1〜3の有機無機コンポジット材料の熱伝導率と比較して、向上することが分かった。
III−4.走査型電子顕微鏡画像
II.(i)のステップで得られた表2のE−2の表面処理窒化ホウ素粒子を、静電噴霧法により造粒させて、窒化ホウ素粒子集合体を調製し、得られた窒化ホウ素粒子集合体のSEM画像を測定した。静電噴霧法の条件は以下の通りであった。
静電噴霧法
15.0gの表面処理窒化ホウ素粒子E−2と、40.0gのエタノールと、15.0gの水とを混合して、E−2の量が、分散液総重量に対して、21重量%になるよう分散液を調整した。0.30gの分散液と2.70gのエタノールとを混合することで分散液を10倍に希釈し、静電噴霧用の分散液を調製した。次に、シリンジ針端を正極として、対極にはアルミ箔を用い接地した。シリンジ針端−アルミ箔間は、5cmに設定した。その後、シリンジから、0.1mL/分の速度で分散液を供給し、印加電圧を、15kVに調整して、15分間静電噴霧を行い、窒化ホウ素粒子集合体を得た。
図5に、得られた窒化ホウ素粒子集合体のSEM画像を示す。図5の(a)は、原料の窒化ホウ素粒子を示し、(b)は、静電噴霧法によって得られた窒化ホウ素粒子集合体を示す。静電噴霧法によって得られた窒化ホウ素粒子集合体は、六方晶系の窒化ホウ素粒子が集合した集合体を形成して、ほぼ球状の形態をしており、窒化ホウ素粒子集合体の直径は約30μmであった。

Claims (1)

  1. 窒化ホウ素粒子集合体を含む有機無機コンポジット材料の製造方法であって、
    (i)窒化ホウ素粒子をシランカップリング剤で表面処理して、表面処理窒化ホウ素粒子を調製するステップと、
    (ii)(i)のステップで調製した表面処理窒化ホウ素粒子を造粒させて、窒化ホウ素粒子集合体を調製するステップと、
    (iii)(ii)のステップで調製した窒化ホウ素粒子集合体をマトリクス樹脂中に混合分散させて、有機無機コンポジット材料を調製するステップと
    を含む、前記方法。
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