A.第1実施形態:
A−1:液体消費システムの構成:
図1は、本発明の第1実施形態としての液体消費システム1を示す模式図である。図1には、互いに直交する3つの空間軸であるX軸、Y軸、Z軸が描かれている。X軸に沿った方向をX軸方向とし、Y軸方向に沿った方向をY軸方向とし、Z軸に沿った方向をZ軸方向とする。後述する液体収容容器30が装着部20に装着された装着状態において、重力方向を−Z軸方向、反重力方向を+Z軸方向と定義する。また、装着状態において、X軸方向の一方の方向を+X軸方向、X軸方向の他方の方向を−X軸方向と定義する。装着状態において、X軸方向とY軸方向とに平行な面(X−Y平面)に液体消費システム1が設置されている。以降に説明する他の図においても、必要において装着状態におけるX軸、Y軸、Z軸を付している。
液体消費システム1は、液体消費装置10と、液体収容容器30と、メイン配置棚19と、サブ配置棚18と、を備える。液体消費装置10は、布製品などの媒体に液体の一例であるインクを噴射することによって記録(印刷)を行うインクジェット式の捺染印刷機である。なお、他の実施形態では、液体消費装置10は、用紙にインクを噴射することで記録(印刷)を行うプリンターであってもよい。
液体収容容器30は、8つ設けられている。8つの液体収容容器30は、それぞれ収容する液体(インク)の色が異なる。8つの液体収容容器30を区別して用いる場合は、符号30A〜30Hを用いる。液体収容容器30Aはシアン(C)の液体を収容し、液体収容容器30Bはマゼンタ(M)の液体を収容し、液体収容容器30Cはイエロー(Y)の液体を収容し、液体収容容器30Dはブラック(K)の液体を収容する。また、液体収容容器30Eはレッド(R)の液体を収容し、液体収容容器30Fはブルー(B)の液体を収容し、液体収容容器30Gはオレンジ(O)の液体を収容し、液体収容容器30Hは、グレー(LK)の液体を収容する。なお、他の実施形態では、液体収容容器30は8つよりも少なくともよいし、多くてもよい。
メイン配置棚19は、液体消費装置10の外側に配置され、8つの液体収容容器30を配置する。メイン配置棚19は2段構成であり、上段には液体収容容器30A〜30Dが配置され、下段には液体収容容器30E〜30Hが配置される。メイン配置棚19には、後述する第1チューブ98の一端部が配置されている。
サブ配置棚18は、8つのサブタンク18aを配置する。8つのサブタンク18aは、8つの液体収容容器30A〜30Hに対応して設けられている。液体収容容器30A〜30Hと対応するサブタンク18aとは、可撓性を有する第1チューブ98によって連通している。第1チューブ98は、液体収容容器30A〜30Hに対応して8つ設けられている。液体収容容器30A〜30Hに収容された液体は、液体消費システム1が備える図示しない吸引機構(例えば、サブ配置棚18に配置された図示しないポンプ)によって第1チューブ98を通って対応するサブタンク18aに供給される。
液体消費装置10は、外殻12と、液体消費部14と、制御部16と、第1チューブ98と、装着部20と、第2チューブ99とを有する。外殻12の外形は、略直方体形状である。外殻12は、液体消費装置10の外表面を形成する。
液体消費部14は、外殻12の内側に配置されている。液体消費部14は、サブタンク18a毎に設けられた可撓性を有する第2チューブ99によってサブタンク18aと連通する。液体消費部14には、第2チューブ99を通った液体が供給される。本実施形態では、液体消費装置10が備える図示しない加圧機構(例えば、ポンプ)によってサブタンク18aの液体が第2チューブ99を通って液体消費部14に供給される。液体消費部14は、液体を布製品などの媒体に吐出する吐出ヘッドを有している。液体消費部14は、液体消費装置10が備える図示しない駆動機構によってY軸方向に沿って往復移動する。液体消費部14は液体を吐出しつつY軸方向に沿って往復移動すると共に、媒体が液体消費装置10の搬送機構(図示せず)によって外殻12の内側を+X軸方向側から−X軸方向側へと移動する。これにより、媒体に液体が吐出される。液体が吐出された媒体は、外殻12の−X軸方向側の面(前面)に設けられた排出口17から外殻12の外側に排出される。なお、他の実施形態では、液体消費部14は、往復移動することなく位置が固定されたラインヘッドであってもよい。
制御部16は、外殻12の内側に配置されている。制御部16は、液体消費装置10の動作を制御する。例えば、制御部16は、上述の駆動機構や搬送機構の動作を制御する。また、制御部16は、液体収容容器30と電気的に接続されて液体収容容器30との間で各種情報をやり取りできる。各種情報としては、例えば、液体収容容器30の液体の色情報や、液体収容容器30の液体消費装置10への装着の有無を表す情報などが挙げられる。
図2は、液体収容容器30と第1チューブ98の一端部98s側とを示す斜視図である。図2では、液体収容容器30が装着部20に装着された装着状態を示している。装着部20は、第1チューブ98の一端部98sに接続されている。装着部20は、液体収容容器30を着脱可能に装着する。具体的には、メイン配置棚19(図1)に配置された液体収容容器30に向けて、装着部20を移動させて液体収容容器30に装着部20を装着する。装着部20を液体収容容器30に装着するときの方向は−Y軸方向であり、装着部20を液体収容容器30から取り外すときの方向は+Y軸方向である。装着するときの方向は、装着部20を液体収容容器30に装着する直前の方向を基準とし、取り外すときの方向は、装着部20を液体収容容器30から取り外す動作の直後の方向を基準としている。つまり、液体収容容器30が装着部20に装着されるときに、装着部20に対して相対的に液体収容容器30が移動する方向(装着方向)は+Y軸方向である。また、液体収容容器30から装着部20が取り外されるときに、装着部20に対して相対的に液体収容容器30が移動する方向(取り外し方向)は−Y軸方向である。
装着部20は、X軸方向の両側に解除部292(図2では、一つのみ図示)を有する。解除部292が押されることで、装着部20と液体収容容器30との係合が解除されて装着部20が液体収容容器30から取り外し可能となる。なお、装着状態では、液体収容容器30が備える液体供給源32の液体が装着部20に供給される。装着部20に供給された液体は、第1チューブ98を流通する。
A−2:装着部の構成:
図3は、装着部20の斜視図である。図3には、理解の容易のために第1チューブ98の一端部98s側も図示している。
装着部20は、外表面を形成する装着部外殻21を有する。装着部外殻21の外形は略直方体形状である。装着部外殻21は、−Y軸方向側が開口した凹部であるともいえる。装着部外殻21は、装着部第1面(装着部第1壁)211と、装着部第2面(装着部第2壁)212と、装着部第3面(装着部第3壁)213と、装着部第4面(装着部第4壁)214と、装着部第5面(装着部第5壁)215と、開口部216とを有する。
液体収容容器30が装着部20に装着された装着状態において、装着部第1面211は上面を形成し、装着部第2面212は底面を形成する。また、装着部第3面213は一つの側面を形成し、装着部第4面214は他の一つの側面を形成する。装着部第5面215は、凹形状の底部を形成する。開口部216は装着部第5面215と対向し、装着過程において液体収容容器30の一部が通過する開口を規定する。装着部第1面211と装着部第2面212とはZ軸方向に対向する。装着部第3面213と装着部第4面214とはX軸方向に対向する。装着部第5面215と開口部216とはY軸方向に対向する。装着部第1面211から装着部第5面215によって、後述する液体収容容器の一部を収容する収容空間21Aを区画する。
装着部20は、さらに、液体導入部22と、装置側電気機構部24と、係合部26とを備える。液体導入部22と装置側電気機構部24と係合部26とは、装着部20の内側である収容空間21Aに配置されている。
液体導入部22は、液体導入針223と、装着部側筒部221とを有する。液体導入針223は、Y軸方向に沿って延びる中心軸22CTを有する。液体導入針223は内部が空洞であり、液体が流通する流路が内部に形成されている。液体導入針223は、装着状態において、液体収容容器30の後述する液体供給部に接続され、液体供給部からの液体が内部に流通する。液体導入針223の基端部(+Y軸方向側端部)は、第1チューブ98と連通している。
装着部側筒部221は、液体導入針223の中心軸22CTを中心とする外周を取り囲む。また、装着部側筒部221は液体導入針223を内側に収容する。装着部側筒部221の−Y軸方向側端部は開口している。装着部側筒部221の中心軸は、液体導入針223の中心軸と同じである。
装置側電気機構部24は、端子である電気接続部242と、電気接続部242が配置された配置台座241とを有する。装着状態において、装置側電気機構部24は液体導入部22よりも反重力方向側(+Z軸方向側)に位置する。
電気接続部242は、金属製の板状の部材であり、弾性変形可能な部材である。電気接続部242の一部が配置台座241の表面241faから露出している。表面241faの法線ベクトルは、−Z軸方向成分と−Y軸方向成分とを含む方向である。電気接続部242は、9つ設けられている。電気接続部242は、図示しない配線によって制御部16(図1)と電気的に接続されている。
係合部26は、2つ設けられている。液体収容容器30の装着状態において、係合部26は、−Y軸方向側の端部に係合爪262を有する。係合部26は液体収容容器30の一部と係合することで、装着部20に対して液体収容容器30が相対的に少なくともY軸方向に動くことを規制する。
装着部第3面213および装着部第4面214に設けられた解除部292(図では1つのみ図示)が押されることで、係合爪262が収容空間21Aの外方側に変位することで、係合部26と液体収容容器30との係合が解除される。
A−3:液体収容容器の構成:
図4は、液体収容容器30の斜視図である。図5は、液体収容体35の斜視図である。図6は、液体収容体35の正面図である。
液体収容容器30(図4)は、液体収容体35と、ケース31とを備える。液体収容体35は、液体供給源32と接続体40とを有する。液体供給源32は、装着部20に供給するための液体(インク)を収容する。液体供給源32は、袋体であり内部に液体が充填されている。液体供給源32は、接続体40の後述する液体供給部と連通している。液体供給源32の液体が消費され残量がゼロまたは殆ど無くなった場合、液体収容体35は新たに取り替えられる。
接続体40(図5)は、装着部20に着脱可能である。接続体40は、液体供給源32からの液体を装着部20に供給する供給流路480を有する。接続体40は、液体供給源32に接続されている。接続体40は、装着部20の電気接続部242と電気的に接続したり、装着部20の液体導入針223と接続する。これにより、液体収容容器30と制御部16(図1)との間で電気的信号をやり取りできたり、液体供給源32の液体を液体消費部14に供給できる。接続体40の詳細構成は後述する。
ケース31(図4)は、液体供給源32を取り出し可能に収容する。ケース31の外形は、略直方体形状である。本実施形態では、ケース31は、ダンボールによって形成されている。ケース31は、例えば、セルロースを主成分とする材料で形成されている。なお、他の実施形態では、ケース31は、他の部材(例えば、ポリプロピレンやポリエチレンなどの合成樹脂)よって形成されていてもよい。ケース31は、ケース第1面(ケース第1壁)311と、ケース第2面(ケース第2壁)312と、ケース第3面(ケース第3壁)313と、ケース第4面(ケース第4壁)314と、ケース第5面(ケース第5壁)315と、ケース第6面(ケース第6壁)316とを有する。
液体収容容器30の装着状態において、ケース第1面311は上面を形成し、ケース第2面312は底面を形成する。また、ケース第3面313は一つの側面を形成し、ケース第4面314は他の一つの側面を形成する。ケース第5面315は装着部20と向かい合う前面を形成し、ケース第6面316は後面を形成する。ケース第1面311と前記第2面312とはZ軸方向において対向する。ケース第3面313とケース第4面314とはX軸方向において対向する。ケース第5面315とケース第6面316とはY軸方向において対向する。ケース第5面315には、接続体40が挿通されている。これにより、接続体40の一部は、外側に露出している。なお、液体収容容器30の運搬時などの未使用時は、接続体40全体がケース31の内側に収容可能である。例えば、ケース第5面315に形成された切れ目319によって形成された開閉蓋319aを開けることで接続体40をケース31の内側に収容できる。なお、他の実施形態では液体収容容器30はケース31を有さなくてもよい。
図7は、図4の部分拡大図である。接続体40は、液体供給部42と、回路基板443と、液体注入部461と、被係合部462と、を備える。各部42,443,461,462は、接続体40のうち、装着部20と向かい合う面(正面)415側に配置されている。
液体供給部42は、装着部20の液体導入部22(詳細には、液体導入針223)と着脱可能に接続され、液体導入部22(詳細には、液体導入針223)に液体を供給する。液体供給部42は、液体収容容器30の装着過程および装着状態において、液体導入部22の装着部側筒部221内に挿入される。
液体供給部42は、面415から延びる筒状の部材である。液体供給部42の先端には液体導入針223を受け入れる開口480Bが形成されている。開口480Bは、接続体40から装着部20に流れる液体の流れ方向(供給流路方向)において、供給流路480の下流端である。よって、開口480Bを下流端480Bとも呼ぶ。液体収容容器30が装着部20に装着される前の未使用状態では、開口480BにはフィルムFM1が貼り付けられ開口480Bが塞がれている。液体収容容器30が装着部20に装着される際に、フィルムFM1は、液体導入針223(図3)によって破られる。なお、他の実施形態では、液体収容容器30が装着部20に装着される前に、フィルムFM1は利用者によって取り外されてもよい。液体供給部42は、さらに、+Y軸方向に沿った方向(Y軸方向)に延びる中心軸42CTを有する。
液体供給部42は、さらに、流路内に配置され、供給流路480を開閉するための弁機構(図示せず)を有する。弁機構は、液体導入針223が液体供給部42内に挿入されることで開弁する。
回路基板443は、配置面443faに設けられた本体側端子442と、裏面に設けられた記憶装置(図示せず)とを有する。回路基板443の記憶装置は、液体収容容器30に関する情報(例えば、液体の色情報や、液体残量に関する情報)等を格納する。
配置面443faの法線ベクトルは、+Z軸方向成分と+Y軸方向成分とを含む方向である。この配置面443fa上に9つの本体側端子442が配置されている。9つの本体側端子442は、装着状態において、対応する電気接続部242(図3)と接触する。これにより、制御部16(図1)と記憶装置との間で信号のやり取りができる。
被係合部462は、装着状態において、係合爪262(図3)と係合する。この係合によって、装着状態において、装着部20から外れる方向(−Y軸方向)への接続体40の動きが規制される。係合爪262は2つ設けられている。係合爪262は、−Y軸方向を向く面である。
液体注入部461は、Y軸方向に沿って延びる円筒状の部材である。液体注入部461は、供給流路480と合流する注入流路482の一部を形成する。注入流路482は、液体供給源32に向けて外部の液体を流通させる流路である。液体注入部461から液体を注入することで、注入流路482を通って液体供給源32に液体を注入できる。液体供給源32に液体が注入された後に、液体注入部461はフィルムFM2によって液体が外部に漏れ出さないように塞がれている。また、液体注入部461内に、外部に液体が漏れ出すことを防止するための弁機構を配置してもよい。
A−4.接続体の詳細構成
図8は、接続体40の分解斜視図である。接続体40は、供給部材49と、接続本体部材43と、第1弾性シール部材405と、第2弾性シール部材403と、フィルタFTと、を備える。なお、図8において、後述する第3弾性シール部材は中間部材48内に配置され図示していない。
供給部材49は、接続体40から装着部20に流れる液体の流れ方向において、供給流路480の上流端480Aを形成する。供給部材49は、合成樹脂によって形成されている。本実施形態では、供給部材49は、ポリエチレン(PE)を主成分とした材料によって形成されている。本実施形態において、主成分とは、材料中の重量%が50重量%よりも高い成分を意味する。
接続本体部材43は、流れ方向において、供給流路480の下流端480B(図7)を形成する。接続本体部材43は、液体供給部42を有し、装着状態において、装着部20の液体導入針223に接続される。
接続本体部材43は、中間部材48と、接続部材41とを備える。中間部材48と接続部材41とが嵌め合わされることで接続本体部材43が形成されている。つまり、接続部材41は中間部材48に接続されている。中間部材48は、接続部材41と供給部材49とに挟まれるように位置する。中間部材48と接続部材41とはそれぞれ、合成樹脂によって形成されている。本実施形態では、中間部材48と接続部材41とはそれぞれ、ポリプロピレン(PP)を主成分とした材料によって形成されている。一般に、ポリプロピレンはポリエチレンに比べ硬度が高い。よって、中間部材48と接続部材41とが嵌め合わされた部分に生じる応力によって中間部材48および接続部材41が塑性変形する可能性を低減できる。また、ポリプロピレンは一般に汎用性の高い材料であり安価である。よって、接続体40の製造コストを低減できる。
接続体40は、接続部材41と中間部材48(詳細には中間部材48の一方の側)とが嵌め合わされ、中間部材48(詳細には中間部材48の他方の側)と供給部材49とが嵌め合わされることで形成される。
第1弾性シール部材405は、嵌め合わされた中間部材48と供給部材49との隙間を密封する。第1弾性シール部材405は、リング状であり、供給流路480の周囲を取り囲むように配置される。第1弾性シール部材405は、中間部材48と供給部材49との隙間から供給流路480を流れる液体が外部に漏れ出すことを抑制する。第1弾性シール部材405は、弾性を有する部材であり、例えば、ポリブタジエンを主成分とする材料で形成される。
第2弾性シール部材403は、嵌め合わされた接続部材41と中間部材48との隙間を密封する。第2弾性シール部材403は枠状であり、供給流路480の周囲を取り囲むように配置される。第2弾性シール部材は、接続部材41と中間部材48との隙間から供給流路480を流れる液体が外部に漏れ出すことを抑制する。第2弾性シール部材403は、弾性を有する部材であり、例えば、ポリブタジエンを主成分とする材料で形成される。
フィルタFTは、供給流路480の途中に配置されている。フィルタFTは、ステンレス鋼などの金属によって形成された板状部材である。フィルタFTは、接続部材41の一部に取り付けられている。取り付け方法としては、例えば、接続部材41の一部を熱溶融させて、溶融した部分をフィルタFTの開口の一部に押し込んで凝固させる方法がある。フィルタFTの外形は、矩形状である。フィルタFTは、供給流路480を流れる液体を通過させ、液体中のゴミなどの異物を通過させない程度の大きさの開口を有する網目構造である。フィルタFTは、供給流路480を流れる液体中の異物の通過を抑制する。これにより、流れ方向において、フィルタFTよりも上流側からフィルタFTよりも下流側に流れる液体に異物が混入した場合でも、装着部20に異物が到達する可能性を低減できる。これにより、液体消費部14(図1)の吐出ヘッドが異物により詰まる可能性を低減できる。なお、フィルタFTの材質は、金属に限られず、合成樹脂などの他の部材であってもよい。
図9は、供給部材49の斜視図である。図10は、中間部材48の斜視図である。 図11は、接続部材41の斜視図である。図12は、接続部材41の背面図である。図12では、フィルタFTが取り外された接続部材41を示している。図13は、図6の13−13断面図である。図14は、図6の14−14断面図である。
供給部材49(図9)は、筒状の部材であり、供給流路480の一部を構成する貫通孔49Hが形成されている。貫通孔49Hは、Y軸方向に沿って延びる。
供給部材49は、一端部である第1供給開口部49Aと、他端部である第2供給開口部49Bとを有する。第1供給開口部49Aは、リング状である。第1供給開口部49Aは、液体供給源32に熱溶着やレーザー溶着などによって接続されている。第1供給開口部49Aは、供給流路480の上流端480A(図13)を有する。液体供給源32から接続体40に供給される液体は、最初に上流端480Aを通過する。
第2供給開口部49B(図9)は、流れ方向において、第1供給開口部49Aよりも下流側に位置する。第2供給開口部49Bは筒状である。第2供給開口部49Bは、外周面(外周面)49Bfaから径方向外側に向かって突出する係合爪493を有する。係合爪493は、外周面49Bfaの全周に亘って形成されている。第2供給開口部49B内には、中間部材48の一部(後述する嵌込部452)が嵌め込まれる(図13)。また、第2供給開口部49Bは、中間部材48の他の一部(後述するシール用本体部459)に嵌め込まれる。係合爪493は、中間部材48と係合することで、供給部材49が中間部材48から外れることを抑制する。この供給部材49と中間部材48との接続態様については後述する。第2供給開口部49Bの内周面49Bfbは、中間部材48と全周に亘って面接触する部分を有する。
中間部材48(図10)は、+Y軸方向側の一端部46が接続部材41に接続され、−Y軸方向側の他端部45が供給部材49に接続される。中間部材48は、内部に供給流路480の一部を形成する。中間部材48の他端部45は、嵌込部452と、シール用本体部459とを有する。
嵌込部452(図13)は、第2供給開口部49B内に嵌め込まれ、供給流路480の一部を形成する。嵌込部452(図10)は、筒状の第1嵌込部452Aと、第1嵌込部452Aよりも径の大きい筒状の第2嵌込部452Bとを有する。第1嵌込部452Aは、第2嵌込部452Bよりも上流端480A側に位置する。
シール用本体部459は、嵌込部452の外周を取り囲む。シール用本体部459は、環状の部材である。シール用本体部459(図13)は、周方向に亘って内周面に形成された被係合部485を有する。本実施形態では、被係合部485は溝である。なお、他の実施形態では、被係合部485は、シール用本体部459を周方向に亘って貫通する貫通孔であってもよい。被係合部485は、供給部材49の係合爪493と係合する。シール用本体部459は、嵌込部452の外周を取り囲む。供給部材49の第2供給開口部49Bが嵌込部452とシール用本体部459との間に嵌め込まれることで、シール用本体部459は、第2供給開口部49Bを嵌込部452が位置する側(径方向内方側)に付勢する。これにより、第2供給開口部49Bから第2嵌込部452Bに対して径方向内方側に向かう外力Faが加えられる。この外力Faの作用により、嵌込部452(詳細には、第2嵌込部452B)の外周面452Bfaと、第2供給開口部49Bの内周面49Bfbとが周方向に亘って面接触する。また、係合爪493の周囲には、係合爪493と中間部材48の他端部45との隙間を密封する第3弾性シール部材404が配置されている。第3弾性シール部材404は、リング状である。
図13および図14に示すように、第1弾性シール部材405は、第2嵌込部450Bの外周面452Bfaと第2供給開口部49Bの内周面49Bfbとの接触位置よりも第1供給開口部49A側に位置する。本実施形態では、第1弾性シール部材405は、第1嵌込部452Aの外周面452Afaに沿って配置されている。また、第1弾性シール部材405は、第1嵌込部452Aの外周面452Afaと、第2供給開口部49Bの内周面49Bfbとの間に位置し、外周面452Afaと内周面49Bfbとの隙間を密封する。つまり、第1弾性シール部材405は、外周面452Afaと内周面49Bfbとによって嵌込部452の径方向に押圧されている。これにより、第1弾性シール部材405は、嵌込部452に対して径方向内方側に外力Fbを加える。
第1嵌込部452A(図10)は、供給流路480の一部を規定する嵌込部内周面452Afbと、嵌込部内周面452Bfbに両端部が接続された第1リブ453と、嵌込部内周面452Afbに両端部が接続された第2リブ454とを有する。嵌込部内周面452Afbは、第1弾性シール部材405が位置する嵌込部452の外周面452Afaとは反対側に位置する。第2リブ454は、第1リブ453と交差する。第1リブ453および第2リブ454は直角に交わり、それぞれ第1嵌込部452Aの流路中心を通る板状の部材である。嵌込部452の第1嵌込部452Aが第1リブ453と第2リブ454とを有することで、第1弾性シール部材405から嵌込部452(詳細には、第1嵌込部452A)に加えられる外力Fbに起因して、嵌込部452の形状が変形することを抑制できる。これにより、第1弾性シール部材405によるシールの程度に偏りが生じる可能性を低減できるので、嵌込部452と供給部材49との隙間から外部に液体が漏れ出す可能性を低減できる。
中間部材48の一端部46(図10,図13)は、他端部45よりも開口面積が大きい開口46Pを有する。開口46Pは、図13に示すように、供給流路480および注入流路482の一部を形成する。一端部46は外周面46faから径方向外側に向かって突出する係合爪483を有する。係合爪483は、外周面46faの全周に亘って形成されている。係合爪483は、一端部46が接続部材41に嵌め込まれたときに、接続部材41と係合する。
中間部材48(図10)は、さらに、一端部46と他端部45との間の外周面からX軸方向に沿って突出する一対の規制部484を有する。一対の規制部484は、それぞれ板状の部材であり、ケース31と向かい合って接続体40がケース31の内側に移動することを規制する。
接続部材41(図11)の外形は、略直方体形状である。接続部材41は、第1面(第1壁)411と、第2面(第2壁)412と、第3面(第3壁)413と、第4面(第4壁)414と、第5面(第5壁)415と、第6面(第6壁)416とを有する。
装着状態において、第1面411は+Z軸方向側の端面(上面)を形成する。装着状態において、第2面412は−Z軸方向側の端面(底面)を形成する。装着状態において、第3面413は−X軸方向側の端面(一の側面)を形成する。装着状態において、第4面414は+X軸方向側の端面(他の側面)を形成する。装着状態において、第5面415は+Y軸方向側の端面(正面)を形成する。第1面411と第2面412は、装着部20の収容空間21Aを形成する内周面とZ軸方向において向かい合う部分である。第3面413と第4面414は、装着部20の収容空間21Aを形成する内周面とX軸方向において向かい合う部分である。
接続部材41は、第5面415から突出する液体供給部42を備える。つまり、接続部材41は、流れ方向において下流端(開口)480Bを形成する。また、接続部材41は、液体注入部461を含む注入流路482を有する。
接続本体部材43の接続部材41は、凹部44と、凹部44の外周を取り囲む溝部418と、を有する。凹部44と溝部418とはそれぞれ第6面416に形成されている。
凹部44(図11)は、上流端480Aと対向する底壁441と、底壁441の周縁部から立ち上がる枠状の側壁433とを有する。底壁441(図12)は、供給流路480を構成する供給路開口431と、注入流路482を構成する注入路開口421とを有する。供給路開口431と注入路開口421とはそれぞれ、底壁441を貫通する貫通孔である。側壁433は、底壁441の周縁部から−Y軸方向側(上流端480A側)に立ち上がる。
凹部44(図12)は、さらに、底壁441から立ち上がり供給路開口431を取り囲む枠状の区画壁445を有する。区画壁445は、側壁433よりも内側の位置で、底壁441から−Y軸方向側に立ち上がる。なお、注入路開口421は、枠状の区画壁445の外側に位置する。区画壁445のうち底壁441が位置する側とは反対側の端部443Aには、フィルタFTが気密に取り付けられている。図12において、端部443AのうちでフィルタFTが取り付けられる部分にはシングルハッチングを付している。フィルタFTは、図13に示すように、供給流路480のうち嵌込部452よりも下流側に配置されている。
接続本体部材43の接続部材41(図11,図12)は、さらに、凹部44に設けられ、フィルタFTの外周に位置する第1凸部447を有する。第1凸部447は、8つ設けられている。矩形状のフィルタFTの4つの辺に対して、それぞれ2つの第1凸部447が向かい合うように配置されている。第1凸部447は、供給流路480の流れ方向と直交する方向(X軸方向とZ軸方向とに平行な方向)のフィルタFTの移動を規制する。例えば、フィルタFTを端部443Aに配置して、フィルタFTを端部443Aに取り付ける際に、第1凸部447によってフィルタFTの動きを規制することでフィルタFTの位置ズレを抑制できる。また、例えば、端部443Aに取り付けられたフィルタFTが外力によってX軸方向とZ軸方向とに平行な方向に移動しようとした場合に、第1凸部447にフィルタFTが当たることで、フィルタFTの位置ズレを抑制できる。これにより、フィルタFTの位置ズレを抑制できるので、フィルタFTと端部443Aとの間に隙間が生じる可能性を低減できる。よって、フィルタFTによって異物の通過を抑制できるので装着部20に異物が到達する可能性を低減できる。
溝部418(図12)は、凹部44と隣接する。溝部418(図12)は、底壁417と、底壁417の周縁部から立ち上がる側壁419および側壁433とを有する。側壁433は、凹部44と共通する壁である。底壁417は、中間部材48の一端部46と対向する(図13)。側壁419は、溝部418の外縁に位置し、枠状である。側壁419は、溝部418の内方に突出する第2凸部449を有する。第2凸部449は、間隔を開けて7つ設けられている。第2凸部449は、中間部材48の係合爪483(図13)と係合する部分である。第2凸部449は、係合爪483と係合することで中間部材48に接続される。第2凸部449は、凹部44よりも+Z軸方向側に1つ、凹部44よりも下側(−Z軸方向側)に2つ、凹部44よりも+X軸方向側に2つ、凹部44よりも−X軸方向側に2つ位置する。なお、第2凸部449は、中間部材48の係合爪483との係合が安定して維持できれば上記の個数に限定されるものではない。例えば、第2凸部449は、凹部44よりも+Z軸方向側、−Z軸方向側、+X軸方向側、−X軸方向側にそれぞれ1つずつであってもよいし、溝部418に形状に沿って連続して形成されていてもよい。
第2弾性シール部材403(図13)は、溝部418に配置されている。詳細には、溝部418の底壁417と、底壁417と対向する中間部材48の一端部46とによって中間部材48の軸方向(スラスト方向:供給流路480の流れ方向)に押圧された状態で、接続部材41の溝部418と中間部材48との隙間を密封する。第2弾性シール部材403は、供給流路480と注入流路482の周囲を取り囲むように配置されている。第2弾性シール部材403によって供給流路480や注入流路482の液体が外部に漏れ出す可能性を低減できる。
上記の第2凸部449(図13)は、第2弾性シール部材403よりも中間部材48側に位置する。
注入流路482(図13,図14)は、供給流路480の流れ方向において、フィルタFTよりも上流側で供給流路480と合流する。つまり、注入流路482は、供給流路480の流れ方向において、上流側は供給流路480と同じ流路であり、注入路開口421で分岐する。分岐した流路は、液体注入部461内に形成されている。
A−5.効果:
上記第1実施形態によれば、液体供給源32からの液体が流通する供給流路480を形成する接続体40がシール用本体部459と第1弾性シール部材405とを有する(図13)。シール用本体部459は、嵌込部452(詳細には、第2嵌込部452B)の外周面452Bfaと、第2供給開口部49Bの内周面49Bfbとを周方向に亘って接触させる(図13)。また、第1弾性シール部材405は、嵌込部452(詳細には、第1嵌込部452A)の外周面452Afaと第2供給開口部49Bの内周面49Bfbとの隙間を密封する。これにより、液体供給源32と接続体40とを密封されたケースで覆うことで液体の外部への漏れを抑制する場合に比べ、狭い領域内(つまり、接続体40が位置する領域内)で液体の外部への漏れを抑制できる。これにより、部材間の位置ズレや部材の公差などに起因して外部への漏れを抑制する機能が十分に発揮されない可能性を低減できる。また、接続体40は、第1弾性シール部材405によるシール構造と、シール用本体部459による第2嵌込部452Bの外周面452Bfaと第2供給開口部49Bの内周面49Bfbとの周方向に亘る面接触というシール構造とを有することで、外部に液体が漏れ出すことをより抑制できる。
また、上記第1実施形態によれば、第1弾性シール部材405は、嵌込部452に対して径方向内側に外力Fbを加えるように配置されている(図13)。これにより、第1弾性シール部材405が供給部材49の第2供給開口部49Bに加える外力(反力)は、径方向外側の向きとなる。第2供給開口部49Bの内周面49Bfbが周方向に亘ってこの反力を受けることで、反力を分散できる。これにより、係合爪493を含む供給部材49が変形する可能性を低減できるので、供給部材49と中間部材48との間に隙間が生じることを防止できる。よって、接続体40の内部を流れる液体が外部に漏れ出す可能性を低減できる。
また、上記実施形態によれば、接続体40は、供給路開口431と注入路開口421とが形成された凹部44の外周を取り囲む溝部418を有する(図11,図12)。また、第2弾性シール部材403は、溝部418と中間部材48とによって押圧された状態で、溝部418と中間部材48との隙間を密閉している。これにより、液体を注入流路482に流通させる際、および、液体供給源からの液体を供給流路480に流通させる際に、液体が外部に漏れ出す可能性を低減できる。
また、上記第1実施形態によれば、中間部材48の係合爪487(図13)と係合する第2凸部449は、間隔を開けて複数(本実施形態では7つ)設けられている(図12)。これにより、第2凸部449が溝部418の周方向に亘って連続して設けられている場合に比べ、中間部材48の係合爪487を溝部418に押し込め易い。これにより、接続体40の製造時において、係合爪487と第2凸部449との係合(接続)を円滑に行うことができる。また、中間部材48の係合爪487を溝部418に押し込め易いので、製造時に中間部材48や供給部材49に加わる外力を低減できる。よって、中間部材48や供給部材49が変形(例えば、塑性変形)することを抑制できる。
また、上記第1実施形態によれば、接続体40の供給流路480は、供給部材49、中間部材48、接続部材41の3つの部材によって構成されていた(図8)。これにより、設計の自由度が向上できる。例えば、接続部材41は、装着部20の形状やフィルタFTの大きさなどによって構成が変更された場合でも、変更された接続部材41間で供給部材49については同じ部材を用いることができる。
B.第2実施形態:
図15は、第2実施形態の接続体40aの分解斜視図である。図16は、中間部材48aの背面図である。図17は、中間部材48aの側面図である。図18は、中間部材48aの正面図である。図19は、接続部材41aの背面図である。図20は、接続部材41aの側面図である。上記第1実施形態の接続体40(図8)と同様の構成については同一の符号を付すと共に説明を省略する。図15に示す接続体40aにおいて、第1弾性シール部材405(図8)および第3弾性シール部材404(図13)の図示は省略している。接続体40aと接続体40(図8)の違いは、接続本体部材43aにおいて接続部材41aと中間部材48aとが溶着されてる点と、接続部材41aと中間部材48aのそれぞれにおいて、表面や内面に複数の凸部423,424を設けた点である。
中間部材48aは、例えば、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂によって形成されている。中間部材48a(図15)は、+Y軸方向側の一端部46aが接続部材41に溶着されることで接続され、−Y軸方向側の他端部45が供給部材49に嵌め合わされることで接続される。中間部材48aは、内部に供給流路480の一部を形成する。中間部材48aの他端部45(図18)は、第1実施形態と同様に、嵌込部452とシール用本体部459とを有する。
中間部材48aの一端部46a(図16)は、他端部45よりも開口面積が大きい開口46Pを有する。一端部46aは、注入流路482および供給流路480の一部を構成する凹部494を有する。凹部494は、接続部材41aと対向する底壁491と、底壁491の周縁部から接続部材41a側(+Y軸方向側)に立ち上がる側壁488とを有する。底壁491にはY軸方向に貫通する貫通孔491Hが形成されている。この貫通孔491Hは、注入流路482および供給流路480の一部を構成する。側壁488は、接続部材41aの後述する凹部44に挿入される部分である。
中間部材48aの一端部46a(図16)は、さらに、側壁488の外周を取り囲む第1溶着部489を有する。第1溶着部489は、接続部材41aと気密に溶着される。第1溶着部489は、接続部材41a側を向く面であり、供給流路480の流れ方向と交差する。図16において、理解の容易の為に、第1溶着部489にはシングルハッチングを付している。
中間部材48aの底壁491および貫通孔491Hの内周面には、複数の凸部499が形成されている。複数の凸部499はそれぞれ直線状に延びる。凸部499を設けることで、中間部材48aの平均肉厚を厚くできるので、水分バリア性およびガスバリア性が向上する。これにより、中間部材48aを透過して水分やガスが外部に漏れ出すことを抑制できる。
接続部材41a(図19)は、例えば、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂によって形成されている。例えば、本実施形態では、中間部材48aと同一種類の熱可塑性樹脂であってもよいし、異なる種類の熱可塑性樹脂であってもよい。接続部材41aは、凹部44と、凹部44の外周を取り囲む第2溶着部451を有する。第2溶着部451は、中間部材48a側を向く面である。図19において、理解の容易の為に、第2溶着部451にはシングルハッチングを付している。
接続部材41aの第5面415、液体供給部42の外周面、液体注入部461の外周面には、複数の凸部423が形成されている(図15、図20)。液体供給部42および液体注入部461に形成された複数の凸部423はそれぞれリング状であり、第5面415に形成された複数の凸部423はそれぞれ直線状に延びる。凸部423を設けることで、接続部材41aの平均肉厚を厚くできるので、水分バリア性およびガスバリア性が向上する。これにより、接続部材41aの部材を透過して水分やガスが外部に漏れ出すことを抑制できる。
中間部材48aの第1溶着部489と、接続部材41aの第2溶着部451とは、供給流路480および注入流路482の周囲を取り囲むように互いに溶着されている。これにより、中間部材48aと接続部材41aとの境界部から供給流路480や注入流路482の液体が外部に漏れ出す可能性を低減できる。また、第2実施形態の接続体40aによれば、別体の弾性シール部材によって中間部材48aと接続部材41aとの隙間を密封する場合に比べ、シール性が向上できるので液体が外部に漏れ出す可能性をより低減できる。
第1溶着部489と第2溶着部451との溶着方法としては、種々の溶着方法を採用可能である。例えば、レーザー溶着、振動溶着、超音波溶着、熱溶着のいずれかを採用できる。レーザー溶着を採用した場合、溶着の際の振動が他の溶着方法に比べ抑制できるので、振動によって中間部材48aと接続部材41aとが損傷する可能性を低減できる。また、振動溶着や超音波溶着を採用した場合、レーザー溶着や熱溶着を採用する場合に比べ、消費電力が少ないため、接続体40aの製造コストを低減できる。また、熱溶着を採用した場合、レーザー溶着や振動溶着や超音波溶着に比べ、単純な装置で溶着を実現できる。
C.第3実施形態:
図21は、第3実施形態の液体供給システム37を説明するための図である。上記第1実施形態の液体収容容器30と液体供給システム37との異なる点は、液体供給システム37が、ケース31を備えていない点と、液体供給源32Aがチューブ71によって接続体40に接続されている点である。その他の構成については、第3実施形態と第1実施形態とでは同様の構成であるため同様の構成については同一の符号を付すと共に説明を省略する。
液体供給システム37は、接続体40と、チューブ71と、液体供給源32Aとを備える。チューブ71は接続体40と液体供給源32Aとに接続され、接続体40の供給流路480および注入流路482と液体供給源32Aとを連通させる。液体供給源32Aは、上記第1実施形態の液体供給源32よりも大容量の液体を収容できることが好ましい。こうすることで、液体供給源32Aの交換頻度を抑えることができる。液体供給源32Aは、メイン配置棚19(図1)に配置してもよいし、他の場所に配置してもよい。液体供給源32Aは、内部に液体を注入可能な注入口を有していてもよい。チューブ71の一端部は、接続体40の供給部材49に取り外し可能に接続される。
このようにしても、上記第1実施形態と同様の構成を有する点において同様の効果を奏する。例えば、液体供給源32からの液体が流通する供給流路480を形成する接続体40がシール用本体部459と第1弾性シール部材405とを有する(図13)。シール用本体部459は、嵌込部452(詳細には、第2嵌込部452B)の外周面452Bfaと、第2供給開口部49Bの内周面49Bfbとを周方向に亘って接触させる(図13)。また、第1弾性シール部材405は、嵌込部452(詳細には、第1嵌込部452A)の外周面452Afaと第2供給開口部49Bの内周面49Bfbとの隙間を密封する。これにより、液体供給源32と接続体40とを密封されたケースで覆うことで液体の外部への漏れを抑制する場合に比べ、狭い領域内(つまり、接続体40が位置する領域内)で液体の外部への漏れを抑制できる。これにより、部材間の位置ズレや部材の公差などに起因して外部への漏れを抑制する機能が十分に発揮されない可能性を低減できる。
D.第4実施形態:
図22は、第4実施形態の液体供給システム37aを説明するための図である。上記第1実施形態の液体収容容器30と液体供給システム37aとの異なる点は、液体供給システム37aはケース31に接続体40が取り付けられている点と、液体供給源32aが着脱可能に接続体40に取り付けられる点である。その他の構成については、第4実施形態と第1実施形態とでは同様の構成であるため同様の構成については同一の符号を付すと共に説明を省略する。
接続体ユニット375は、接続体40と、ケース31aとを備える。接続体40はケース31aに取り付けられている。
液体供給源32aは、内部に液体消費装置10に供給するための液体を収容する。液体供給源32aは、ケース31a内に取り外し可能に収容される。例えば、液体供給源32aは、ケース31aの上面開口311aを介してケース31a内に収容される。
液体供給源32aは、接続開口68と、注入口60dとを備える。接続開口68は、液体供給源32aの内部と連通し、液体供給源32a内部の液体を外部に流通させる。接続開口68内には、液体が外部に漏れ出すことを抑制する液体保持部材が配置されている。液体保持部材としては、例えば、多孔質部材であるスポンジが挙げられる。なお、液体保持部材に代えて、弁機構を配置してもよい。接続開口68は、接続体40の供給部材49と接続可能である。利用者は、液体供給源32aをケース31d内に収容する際に、接続開口68を供給部材49に接続する。これにより、接続開口68を介して液体供給源32a内の液体が接続体40側に流通可能となる。
注入口60dは、液体供給源32aの上面に設けられている。注入口60dは、液体供給源32aの壁を貫通し液体供給源32aと連通している。液体供給源32aの液面が低下して液体残量が少なくなった場合に、利用者は注入口60dから液体を液体供給源32a内部に液体を補充できる。
このようにしても、上記第1実施形態と同様の構成を有する点において同様の効果を奏する。例えば、液体供給源32からの液体が流通する供給流路480を形成する接続体40がシール用本体部459と第1弾性シール部材405とを有する(図13)。シール用本体部459は、嵌込部452(詳細には、第2嵌込部452B)の外周面452Bfaと、第2供給開口部49Bの内周面49Bfbとを周方向に亘って接触させる(図13)。また、第1弾性シール部材405は、嵌込部452(詳細には、第1嵌込部452A)の外周面452Afaと第2供給開口部49Bの内周面49Bfbとの隙間を密封する。これにより、液体供給源32と接続体40とを密封されたケースで覆うことで液体の外部への漏れを抑制する場合に比べ、狭い領域内(つまり、接続体40が位置する領域内)で液体の外部への漏れを抑制できる。これにより、部材間の位置ズレや部材の公差などに起因して外部への漏れを抑制する機能が十分に発揮されない可能性を低減できる。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E−1.第1変形例:
上記各実施形態における接続体40,40aは、回路基板443、液体注入部461を含む注入流路482、第2弾性シール部材403、第3弾性シール部材404、第1リブ453、第2リブ454、フィルタFT、第1凸部447、第2凸部449の少なくとも1つを省略してもよい。
E−2.第2変形例:
本発明は、捺染印刷機、及び、捺染印刷機に液体を供給するための液体収容容器や接続体に限らず、任意の液体消費装置及び液体消費装置の装着部に着脱可能な液体収容容器や接続体にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体消費装置及びその液体収容容器や接続体に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材消費(噴射)装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材消費装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体消費装置
(5)精密ピペットとしての試料消費装置
(6)潤滑油の消費(噴射)装置
(7)樹脂液の消費(噴射)装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体消費装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体消費装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体消費装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体消費装置。
なお、「液滴」とは、液体消費装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体消費装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。