JP2018050412A - 誘導性負荷駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘導性負荷の異常を診断可能にする。【解決手段】制御回路20は、駆動回路10の第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4のオン又はオフ状態を制御し、オン又はオフ状態を所定の設定パターンに設定したときに、P点電圧モニタ回路40から接続点Pの電圧に応じて出力される第1モニタ電圧に基づいて、駆動回路10の各回路区間について異常を診断する。そして、制御回路20は、駆動回路10のうち、接続点P−モータ3−第3半導体スイッチTr3−第2半導体スイッチTr2−車載電源2のマイナス端子(−)側に至る回路区間について正常であると診断した場合には、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4のオン又はオフ状態を制御して車載電源2からモータ3に極短時間通電し、モータ電流モニタ回路50からモータ3の通電電流に応じて出力される第2モニタ電圧に基づいてモータ3の異常を診断する。【選択図】図1

Description

本発明は、誘導性負荷を駆動する誘導性負荷駆動装置に関する。
誘導性負荷駆動装置として、例えば特許文献1によるモータ駆動装置では、駆動回路中における複数の半導体スイッチのオン又はオフ状態をモータが駆動しないように複数変化させ、各オン又はオフ状態において、駆動回路中の特定箇所における電圧に応じて変化し得るモニタ電圧を監視し、このモニタ電圧に基づいて駆動回路中における各回路区間の異常を診断している。
特開2010−11725号公報
しかしながら、モータが介在する回路区間について異常が発生していないと診断されても、駆動回路中の特定箇所における電圧に応じて変化し得るモニタ電圧を監視するだけでは、モータにおいて完全に遮断されない部分断線が発生しているか否か、あるいは、モータに短絡が発生しているか否かまで検出することは困難である。
そこで、本発明は以上のような問題点に鑑み、誘導性負荷の異常を診断可能な誘導性負荷駆動装置を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る誘導性負荷駆動装置は、電源のプラス端子側と誘導性負荷との間に設けられた第1半導体スイッチ、電源のマイナス端子側と誘導性負荷との間に設けられた第2半導体スイッチ、誘導性負荷と第2半導体スイッチとの間に設けられた第3半導体スイッチ、及び第1半導体スイッチと第2半導体スイッチとの間において誘導性負荷及び第3半導体スイッチと並列に設けられた第4半導体スイッチ、を有する駆動回路と、第1半導体スイッチと第4半導体スイッチ又は誘導性負荷との間における駆動回路の電圧に応じた第1モニタ電圧を出力する第1モニタ電圧出力手段と、誘導性負荷の通電電流に応じた第2モニタ電圧を出力する第2モニタ電圧出力手段と、第1半導体スイッチ、第2半導体スイッチ、第3半導体スイッチ及び第4半導体スイッチのオン又はオフ状態を制御し、オン又はオフ状態を所定の設定パターンに設定したときに、第1モニタ電圧及び第2モニタ電圧に基づいて、駆動回路及び誘導性負荷の異常を診断する制御回路と、を備える。
本発明の誘導性負荷駆動装置によれば、誘導性負荷の異常を診断することができる。
第1実施形態に係るモータ駆動装置を示す回路ブロック図である。 第1実施形態に係る異常診断処理の各診断について、半導体スイッチの設定パターン、モニタ電圧、モータ電流を示したテーブルである。 第1実施形態に係る異常診断処理の内容を示すフローチャートである。 図3の診断5の処理内容を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る正常電流マップを説明する説明図である。 第1実施形態に係る電流値判定を説明する説明図である。 第1実施形態に係る電流値判定の別例を説明する説明図である。 第2実施形態に係るモータ駆動装置を示す回路ブロック図である。 第2実施形態に係る異常診断処理の各診断について、半導体スイッチの設定パターン、モニタ電圧、モータ電流を示したテーブルである。 第2実施形態に係る異常診断処理の内容を示すフローチャートである。 図10の診断6の処理内容を示すフローチャートである。
[第1実施形態]
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための第1実施形態について詳述する。
図1は、第1実施形態に係るモータ駆動装置の一例を示す。モータ駆動装置が駆動するモータは、例えば車載用アクチュエータの駆動源として用いられるものとする。
モータ駆動装置1は、外部の車載電源2からの電力供給によって誘導性負荷であるモータ3を駆動するための駆動回路10を備え、駆動回路10は、第1半導体スイッチTr1、第2半導体スイッチTr2、第3半導体スイッチTr3及び第4半導体スイッチTr4を含む。また、モータ駆動装置1は、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4を制御するための制御回路20を備える。
第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4は、その制御端子に入力した制御信号に応じて、オンすることで回路を接続する一方、オフすることで回路を遮断するスイッチング半導体素子であり、それぞれ、製造過程で必然的に形成される寄生ダイオードD1〜D4が付随している。本実施形態では、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4は、図示のように、例えば、n型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であるが、他の実施形態では、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4として、p型のMOSFETやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等、寄生ダイオードが付随したスイッチング半導体素子とすることができる。なお、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4に、寄生ダイオードが付随していない半導体素子を用いる場合には、ダイオードを半導体素子と並列に外部接続して代用してもよい。
第1半導体スイッチTr1は、モータ3に対する通電量を制御するためのものであり、車載電源2とモータ3との間においてこれらと直列に設けられる。第1半導体スイッチTr1のドレイン端子はハイサイド側(車載電源2のプラス端子(+)側)に接続され、第1半導体スイッチTr1のソース端子はローサイド側(モータ3側)に接続される。このため、第1半導体スイッチTr1に付随した寄生ダイオードD1は、モータ3から車載電源2のプラス端子(+)に向かう方向を順方向とする。
第2半導体スイッチTr2は、車載電源2が極性を逆にして接続される電源逆接の際に駆動回路10に流れる短絡電流を遮断するためのものであり、モータ3と車載電源2との間においてこれらと直列に設けられる。第2半導体スイッチTr2のドレイン端子はローサイド側(車載電源2のマイナス端子(−)側)に接続され、第2半導体スイッチTr2のソース端子はハイサイド側(モータ3側)に接続される。このため、第2半導体スイッチTr2に付随した寄生ダイオードD2は、モータ3から車載電源2のマイナス端子(−)に向かう方向を順方向とする。
第3半導体スイッチTr3は、第1半導体スイッチTr1に、例えば短絡異常によってモータ3への通電を遮断できなくなる等の異常が発生したときに、第1半導体スイッチTr1に代替して通電量の制御を行う予備の半導体スイッチであり、モータ3と第2半導体スイッチTr2との間においてこれらと直列に設けられる。第3半導体スイッチTr3のドレイン端子はハイサイド側(モータ3側)に接続され、第3半導体スイッチTr3のソース端子はローサイド側(第2半導体スイッチTr2側)に接続される。このため、第3半導体スイッチTr3に付随した寄生ダイオードD3は、第2半導体スイッチTr2からモータ3に向かう方向を順方向とする。
第4半導体スイッチTr4は、これに付随した寄生ダイオードD4が還流素子として機能して還流回路を構成するものであり、第1半導体スイッチTr1と第2半導体スイッチTr2との間において、モータ3及び第3半導体スイッチTr3と並列に設けられる。第4半導体スイッチTr4のドレイン端子はハイサイド側(第1半導体スイッチTr1側)に接続され、第3半導体スイッチTr3のソース端子はローサイド側(第2半導体スイッチTr2側)に接続される。このため、第4半導体スイッチTr4に付随した寄生ダイオードD4は、第2半導体スイッチTr2から第1半導体スイッチTr1へ向かう方向を順方向とする。
制御回路20は、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4の制御端子(ゲート端子)と接続されて、各制御端子に向けて制御信号を出力できるように構成され、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4のオン又はオフ状態を制御する制御手段をなす。制御回路20に対する電力供給は、車載電源2からイグニッションスイッチ4を介して接続された電源回路30により、制御回路20に適した電圧に調整されて行われる。
モータ駆動装置1は、さらに、P点電圧モニタ回路40と、電源電圧モニタ回路60と、モータ電流モニタ回路50と、を備えている。
P点電圧モニタ回路40は、第1半導体スイッチTr1及び第4半導体スイッチTr4あるいは第1半導体スイッチTr1及びモータ3を接続する接続点Pと制御回路20との間に設けられ、接続点Pにおける電圧に応じたモニタ電圧Vp(第1モニタ電圧)を出力する第1モニタ電圧出力手段をなす。P点電圧モニタ回路40から出力されるモニタ電圧Vpは、制御回路20で検出可能な電圧に調整されている。本実施形態において、P点電圧モニタ回路40は、車載電源2の電源電圧Eよりも低い定電圧Vceを発生する定電圧源S(例えば電源回路30等)と、モータ3のコイル抵抗、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4のオン抵抗又は後述する第4抵抗R4と比較して十分大きな抵抗値を有する第1〜第3抵抗R1〜R3と、を有する分圧回路として構成される。この分圧回路において、具体的には、定電圧源Sからグランドに至る間で第1〜第3抵抗R1〜R3がこの順番で直列接続され、第1抵抗R1と第2抵抗R2との間が接続点Pと接続され、第2抵抗R2と第3抵抗R3との間が制御回路20と接続されている。そして、P点電圧モニタ回路40は、接続点Pにおける電圧に応じて、定電圧Vce又は電源電圧Eを第1〜第3抵抗R1〜R3によって分圧した分圧値としてモニタ電圧Vpを出力する。
モータ電流モニタ回路50は、モータ3に流れるモータ電流iに応じたモニタ電圧Vi(第2モニタ電圧)を出力する第2モニタ電圧出力手段をなし、モータ3と第3半導体スイッチTr3のドレイン端子との間に介装された第4抵抗R4の両端電圧を入力して、第4抵抗R4の両端間の電位差を、制御回路20でモータ電流iを検出可能なモニタ電圧Viに調整して制御回路20へ出力する。モータ電流モニタ回路50は、フィルタ回路や増幅回路を適宜設けることができ、また、ディスクリート半導体や電流検出用IC(Integrated Circuit)によって構成されてもよい。モータ電流iは、具体的には、制御回路20において、第4抵抗R4の両端間の電位差に相当するモニタ電圧Viと、第4抵抗R4の既知の抵抗値と、に基づいて検出される。
電源電圧モニタ回路60は、車載電源2の電源電圧Eに応じたモニタ電圧Ve(第3モニタ電圧)を出力する第3モニタ電圧出力手段をなし、車載電源2のプラス端子(+)及び第1半導体スイッチTr1のドレイン端子を接続する接続点Qと制御回路20との間に設けられる。電源電圧モニタ回路60から出力されるモニタ電圧Veは、制御回路20で電源電圧Eを検出可能な電圧に調整されている。電源電圧モニタ回路60は、例えば、P点電圧モニタ回路40と同様に、分圧回路を用いて電源電圧Eを分圧してモニタ電圧Veを出力することができる。
制御回路20は、本実施形態において、CPU(Central Processing Unit)等の演算手段、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能な揮発性メモリ、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリを有し、演算手段が不揮発性メモリに予め記憶されたプログラムを揮発性メモリに読み出して実行することで、モータ3の駆動処理、あるいは、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理を行う。ただし、制御回路20が、上記のように内蔵するコンピュータによってソフトウェア処理を行う場合に限らず、制御回路20が、ハードウェアの構成によって、モータ3の駆動処理、あるいは、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理に相当する機能の一部又は全部を実現することも可能である。
モータ3の駆動処理において、制御回路20は、第2半導体スイッチTr2及び第3半導体スイッチTr3をオンにすると共に、第4半導体スイッチTr4をオフにした状態で、第1半導体スイッチTr1の制御端子に対して、モータ3の目標値(目標回転速度等)に応じた制御信号を出力する。制御信号としては、例えば、第1半導体スイッチTr1のオン・オフ時間比率を変化させるパルス幅変調(PWM)信号等がある。この状態で、第1半導体スイッチTr1がオンの場合には、車載電源2から第1半導体スイッチTr1を通る電流は、第4半導体スイッチTr4の寄生ダイオードD4によって遮断されてモータ3へ流れ、モータ3に対する通電が行われる。一方、第1半導体スイッチTr1をオンからオフにしたときに、モータ3のインダクタンス成分によって逆起電圧が発生するが、第4半導体スイッチTr4の寄生ダイオードD4を還流ダイオードとして、モータ3から第3半導体スイッチTr3及び第4半導体スイッチTr4の寄生ダイオードD4を介した還流回路、あるいは、第1半導体スイッチTr1をオフにしたときに、第4半導体スイッチTr4をオンにすることで形成される還流回路、に還流電流が流れるため、逆起電圧を抑制することが可能となる。
駆動回路10及びモータ3の異常診断処理において、制御回路20は、図2に示すように、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4のオン又はオフ状態を設定する複数の設定パターンの各パターンで第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4をオン又はオフさせる。そして、制御回路20は、各パターンで第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4をオン又はオフさせたときに、P点電圧モニタ回路40から出力されるモニタ電圧Vp、電源電圧モニタ回路60から出力されるモニタ電圧Ve、及び、モータ電流モニタ回路50から出力されるモニタ電圧Viに基づいて、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理を行う。
図3は、制御回路20において、イグニッションスイッチ4がオフからオンになったことを契機として、モータ3の駆動処理前に実行が開始される駆動回路10及びモータ3の異常診断処理を示すフローチャートである。
ステップS101(図中では「S101」と略記。以下同様である。)では、モニタ電圧Vpに基づいて、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4にオン状態のままでオフしないオン固着が発生しているか否かを診断する診断1を実施する。
診断1では、図2における設定パターンに示すように、第1〜第4半導体Tr1〜Tr4をすべてオフの状態にする。したがって、車載電源2からモータ3に対する通電経路を遮断した状態で診断1を実施できる。
第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4にオン固着が発生していない正常状態の場合には、定電圧源Sの定電圧Vceを第1〜第3抵抗R1〜R3によって分圧して、第2抵抗R2と第3抵抗R3との間における電位がモニタ電圧Vpとして制御回路20へ出力され、モニタ電圧Vpは相対的に中間の中間電位Mを示す。
一方、第1半導体スイッチTr1にオン固着が発生している場合には、車載電源2の電源電圧Eを第2抵抗R2及び第3抵抗R3によって分圧した電圧がモニタ電圧Vpとして制御回路20へ出力されるため、モニタ電圧Vpは相対的に高い高電位H(>M)を示す。また、第2半導体スイッチTr2と第3半導体スイッチTr3又は第4半導体スイッチTr4とにオン固着が発生している場合には、定電圧源Sからの微小電流が車載電源2のマイナス端子(−)へ流れ、殆どの電圧降下は第1抵抗R1で起こるため、モニタ電圧Vpは相対的に低い低電位L(<M)を示す。
ただし、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4にオン固着が発生していないが、断線が発生している場合、診断1では、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4にオン固着が発生していない場合と同様に、モニタ電圧Vpは中間電位Mを示すので、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4が断線しているか否かを診断することができない。このため、次のステップS103以降を実行することで、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4の断線を診断する。
診断1によって、モニタ電圧Vpが高電位Hを示した場合には、第1半導体スイッチTr1にオン固着による異常が発生していると診断する一方、モニタ電圧Vpが低電位Lを示した場合には、第2半導体スイッチTr2と第3半導体スイッチTr3又は第4半導体スイッチTr4とにオン固着による異常が発生していると診断し、異常内容をRAM等の書き込み可能なメモリに記憶する。
なお、診断1において、オン固着による異常が発生していると診断した場合には、以下のステップを省略して、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理を終了してもよい。あるいは、第1半導体スイッチTr1にオン固着が発生している場合には診断2のみを実施し、第2半導体スイッチTr2及び第4半導体スイッチTr4にオン固着が発生している場合には診断3のみを実施し、第2半導体スイッチTr2及び第3半導体スイッチTr3にオン固着が発生している場合には診断4のみを実施するようにしてもよい。
ステップS102では、モニタ電圧Vpに基づいて、駆動回路10のうち車載電源2のプラス端子(+)側から第1半導体スイッチTr1を通じて接続点Pに至るまでの回路区間aに異常が発生しているか否かを診断する診断2を実施する。
診断2では、図2における設定パターンに示すように、第1半導体スイッチTr1のみをオンの状態にして、他の第2〜第4半導体スイッチTr2〜Tr4をオフの状態にする。したがって、車載電源2からモータ3に対する通電経路を遮断した状態で診断2を実施できる。
図2に示すように、第1半導体スイッチTr1を含む回路区間aに断線が発生していない正常状態である場合には、電源電圧Eを第2抵抗R2及び第3抵抗R3によって分圧した電圧がモニタ電圧Vpとして制御回路20へ出力されるため、モニタ電圧Vpは高電位Hを示す。
一方、第1半導体スイッチTr1を含む回路区間aに断線が発生している場合には、定電圧Vceを第1〜第3抵抗R1〜R3によって分圧して、第2抵抗R2と第3抵抗R3との間における電位がモニタ電圧Vpとして制御回路20へ出力されるため、モニタ電圧Vpは中間電位Mを示す。なお、駆動回路10のうち回路区間aを除く部分に断線が発生している場合には、モニタ電圧Vpは正常状態と同じく高電位Hを示す。
診断2によって、モニタ電圧Vpが中間電位Mを示す場合には、回路区間aに断線による異常が発生している、すなわち、第1半導体スイッチTr1に、オフ状態のままオンしないオフ固着等による断線の可能性があると診断して、異常内容をRAM等の書き込み可能なメモリに記憶する。
ステップS103では、モニタ電圧Vpに基づいて、駆動回路10のうち接続点Pから第4半導体スイッチTr4及び第2半導体スイッチTr2を通じて車載電源2のマイナス端子(−)に至るまでの回路区間bに異常があるか否かを診断する診断3を実施する。
診断3では、図2における設定パターンに示すように、第2半導体スイッチTr2及び第4半導体スイッチTr4をオンの状態にして、他の第1半導体スイッチTr1及び第3半導体スイッチTr3をオフの状態にする。したがって、車載電源2からモータ3に対する通電経路を遮断した状態で診断3を実施できる。
第2半導体スイッチTr2及び第4半導体スイッチTr4を含む回路区間bに断線が発生していない正常状態である場合には、定電圧源Sからの微小電流が車載電源2のマイナス端子(−)へ流れ、殆どの電圧降下は第1抵抗R1で起こるため、モニタ電圧Vpは低電位Lを示す。一方、回路区間bに断線が発生している場合には、定電圧Vceを第1〜第3抵抗R1〜R3によって分圧して、第2抵抗R2と第3抵抗R3との間における電位がモニタ電圧Vpとして制御回路20へ出力されるため、モニタ電圧Vpは中間電位Mを示す。
診断3によって、モニタ電圧Vpが中間電位Mを示す場合には、回路区間bに断線による異常が発生している、すなわち第2半導体スイッチTr2及び第4半導体スイッチTr4の少なくとも一方にオフ固着等による断線の可能性があると診断して、異常内容をRAM等の書き込み可能なメモリに記憶する。
ステップS104では、モニタ電圧Vpに基づいて、駆動回路10のうち接続点Pからモータ3並びに第3半導体スイッチTr3及び第2半導体スイッチTr2を通じて車載電源2のマイナス端子(−)に至るまでの回路区間cにおいて異常があるか否かを診断する診断4を実施する。
診断4では、図2における設定パターンに示すように、第2半導体スイッチTr2及び第3半導体スイッチTr3をオンの状態にすると共に、第1半導体スイッチTr1及び第4半導体スイッチTr4をオフの状態にする。したがって、車載電源2からモータ3に対する通電経路を遮断した状態で診断4を実施できる。
第2半導体スイッチTr2及び第3半導体スイッチTr3を含む回路区間cに断線が発生していない正常状態である場合には、上記の診断3と同様に、定電圧源Sからの微小電流が車載電源2のマイナス端子(−)へ流れ、殆どの電圧降下は第1抵抗R1で起こるため、モニタ電圧Vpは低電位Lを示す。このとき、モータ3には定電圧源Sからの微小電流が流れるが、第1抵抗R1によってモータ3が動作しない程度の電流値に抑制されている。
一方、第2半導体スイッチTr2及び第3半導体スイッチTr3を含む回路区間cに断線が発生している場合には、上記の診断3と同様に、モニタ電圧Vpは中間電位Mを示す。
診断4によって、モニタ電圧Vpが中間電位Mを示す場合には、回路区間cに断線による異常が発生している、すなわち、第2半導体スイッチTr2及び第3半導体スイッチTr3の少なくとも一方にオフ固着等による断線の可能性があると診断して、異常内容をRAM等の書き込み可能なメモリに記憶する。
ここで、回路区間cにはモータ3が介在するため、診断4においてモニタ電圧Vpが低電位Lを示して回路区間cに断線が発生していないと診断された場合でも、モータ3に異常が発生していることが考えられる。例えば、診断4において回路区間cの断線を判断する基準となる低電位L及び中間電位Mが相互に隣接する所定電圧範囲として定義されている場合、モータ3において回路を完全に遮断する断線ではなく部分的に遮断する部分断線が発生したときに、モニタ電圧Vpが低電位Mの電圧範囲のうち中間電位Mに近い電圧となっても、モータ3を含む回路区間cは正常と診断されてしまうことが想定される。一方、モータ3に短絡が発生したときでもモニタ電圧Vpは低電位Lを示して、モータ3を含む回路区間cは正常であると診断されてしまうことが想定される。これに対し、誘導性負荷であるモータ3に電流を通電して、通電時におけるモータ電流iの時間変化からモータ3の異常を診断する診断5を実施する。
このため、ステップS105では、診断4により回路区間cに断線が発生していないと診断されたか否かを判定し、診断4により回路区間cに断線が発生していないと診断された場合には、後述する診断5を実施すべくステップS106へ進む一方(YES)、診断4により回路区間cに断線が発生していると診断された場合には、ステップS106を省略して駆動回路10及びモータ3の異常診断処理を終了する(NO)。
駆動回路10及びモータ3の異常診断処理の終了後、制御回路20は、ステップS101〜ステップS104で実施した診断1〜4によって、あるいは、これらと共にステップS106で実施した診断5によって、RAM等の書き込み可能なメモリに記憶された異常内容に基づいて、フェールセーフ処理を実行するか、あるいは、通常のモータ駆動処理を実行してもよい。また、異常内容がRAM等の書き込み可能な揮発性メモリに記憶された場合には、適宜、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の書き込み可能な不揮発性メモリに記憶して、故障解析等の各種解析に用いることもできる。
図4は、図3のステップS106における診断5に関するサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。
診断5では、モータ電流モニタ回路50の出力であるモニタ電圧Viからモータ電流iを検出し、このモータ電流iに基づいて、モータ3に異常が発生しているか否かを診断する。
ステップS1001では、電源電圧モニタ回路60の出力であるモニタ電圧Veから車載電源2の電源電圧Eを検出し、これをRAM等の書き込み可能なメモリに保持する。
ステップS1002において、図2の設定パターンに示すように、第1〜第3半導体スイッチTr1〜Tr3をオンの状態にし、第4半導体スイッチTr4をオフの状態にして所定時間t保持し、車載電源2からモータ3に対して通電を行う。所定時間tは、モータ3を駆動源とする車載アクチュエータが動作しない程度の極めて短い時間である。
ここで、車載電源2からモータ3に対して通電を開始してからの経過時間tにおけるモータ電流Iは以下の式で示される。
上記の式において、Rは、車載電源2から第1〜第3半導体スイッチTr1〜Tr3を介してモータ3に通電を行ったときに、第1半導体スイッチTr1、モータ3の負荷抵抗、第4抵抗R4、第3半導体スイッチTr3及び第2半導体スイッチTr2を流れるモータ電流Iの電流経路の合成抵抗値に相当するが、モータ3のコイル抵抗に比べると、第1〜第3半導体スイッチTr1〜Tr3のオン抵抗及び第4抵抗R4は極めて小さい抵抗値であるため、Rはコイル抵抗の抵抗値とすることができる。また、Lは、モータ3におけるコイルのインダクタンス値である。モータ3が正常である場合には、コイル抵抗の抵抗値R及びコイルのインダクタンス値Lはいずれも一定の正常値となるが、モータ3が異常である場合には、コイル抵抗の抵抗値R及びコイルのインダクタンス値Lは正常値から異常値へ変化する。また、車載電源2の電源電圧Eは種々の要因によって変動し得る。
制御回路20のROM等の書き込み不可能な不揮発性メモリには、図5に示すように、電源電圧Eごとに、経過時間tとモータ3が正常であるときのモータ電流Iである正常モータ電流Iとを関連付けた正常時電流マップが保存されている。正常モータ電流マップの正常モータ電流Iは、上記の式(1)において、モータ3が正常である場合のコイル抵抗の抵抗値R及びコイルのインダクタンス値Lを代入したうえで、所定時間tを複数分割した各経過時間t,t,…,t,…,t、及び想定される電源電圧Eの離散値E,E,…,E,…,Eについて演算することで得られ、下記の式(2)〜(4)で示される。
なお、制御回路20は、正常モータ電流マップの電源電圧Eの離散値E,E,…,E,…,E間において、公知の補間技術を用いて正常モータ電流Iを補間してもよい。例えば、制御回路20は、正常モータ電流マップにおいて、ある経過時間tで、電源電圧Eが12ボルトのときに正常モータ電流Iが10アンペアであると記憶されているのに対し、電源電圧Eが13ボルトのときに正常モータ電流Iが11アンペアであると記憶されている場合には、線形補間を用いて、電源電圧Eが12.5ボルトのときに正常モータ電流Iを11.5アンペアと演算することができる。なお、以下において、説明の便宜上、ステップS1001で検出される電源電圧Eは、正常モータ電流マップの電源電圧Eの離散値E,E,…,E,…,Eのいずれかであるものとする。
ステップS1003では、モニタ電圧Viから検出されたモータ電流iの時間変化が、正常モータ電流Iの時間変化と乖離しているか否かを判定する。
本実施形態では、ある経過時間tにおいてモータ電流モニタ回路50の出力であるモニタ電圧Viからモータ電流iを検出し、図6に示すように、このモータ電流iが、正常モータ電流マップにおいて、ステップS1001で検出された電源電圧E及び経過時間tkに対応する正常モータ電流I(t)を中心として、周囲温度や製造公差等によるばらつきαを考慮した正常範囲Dn(I(t)−α≦i≦I(t)+α)内に入っているか否かを判定する電流値判定を行う。なお、ばらつきαは、経過時間tに応じて変化させてもよい。例えば、経過時間tが長くなるに従って、モータ電流iが高くなることを考慮して、ばらつきαを大きくしてもよい。
ステップS1003において、モータ電流iが正常範囲Dn(I(t)−α≦i≦I(t)+α)内に入っていると判定された場合には、モータ電流iの時間変化が正常モータ電流Iの時間変化と略一致していると推定できるので、次のステップS1004でモータ3は正常であると診断して(YES)、図3のステップS106へ戻る。
一方、ステップS1003において、モータ電流iが正常範囲Dn(I(t)−α≦i≦I(t)+α)内に入っていないと判定された場合には、モータ電流iの時間変化が正常モータ電流Iの時間変化と乖離していると推定できるので、モータ3の異常内容を特定すべく、ステップS1005へ進む(NO)。
本実施形態の1つの変形例として、ステップS1003の電流値判定を行う時間は、経過時間t以外に、所定時間t中に1つ以上設定することができる。この場合、モータ電流iが各経過時間に対応した正常範囲Dn内に入っていると判定された回数が、所定時間tにおける総判定回数のうち合計で所定回数以上であるとき(すなわち総判定回数に対して所定比率以上であるとき)、あるいは、連続して所定回数以上であるときに、モータ電流iの時間変化が正常モータ電流Iの時間変化と略一致していると推定して、ステップS1004へ進んでもよい。これにより、モータ電流iの時間変化と正常モータ電流Iの時間変化とが乖離しているか否かに関する推定精度を向上させることができる。
例えば、図7に示すように、ステップS1003における電流値判定を行う時間を、jを1以上の自然数として、経過時間t(例えば所定時間tの20%に相当する時間)及び経過時間tk+j(例えば所定時間tの80%に相当する時間)の2つ設定した場合、経過時間tで検出されたモータ電流iが正常範囲Dn(I(t)−α≦i≦I(t)+α)内に入っているか否かを判定し、経過時間tk+jで検出されたモータ電流iが正常範囲Dn(I(tk+j)−α≦i≦I(tk+j)+α)内に入っているか否かを判定することができる。この場合、いずれの経過時間t及びtk+jにおいてもモータ電流iが各経過時間t及びtk+jに対応した正常範囲Dn内に入っているときに、モータ電流iの時間変化が正常モータ電流Iの時間変化と略一致していると推定して、ステップS1004へ進んでもよい。
また、本実施形態の他の変形例として、ステップS1003を実行して所定時間tの経過により車載電源2からモータ3に対する通電を遮断した後、モータ電流iが零に戻ると推定される時間が経過した場合に、ステップS1002及びステップS1003を再実行するというサイクルを、1回又は複数回実行してもよい。この場合にも同様に、モータ電流iが経過時間tに対応した正常範囲Dn内に入っていると判定された回数が、総判定回数のうち合計で所定回数以上であるとき(すなわち総判定回数に対して所定比率以上であるとき)、あるいは、連続して所定回数以上であるときに、モータ電流iの時間変化が正常モータ電流I0の時間変化と略一致していると推定して、ステップS1004へ進んでもよい。
ステップS1004では、モータ3は正常であると診断して診断5を終了し、図3のステップS106へ戻る。
ステップS1005では、ステップS1003において正常範囲Dn外と判定されたモータ電流iが、正常範囲Dn(I(t)−α≦i≦I(t)+α)を超えているか否か、すなわち、高電流異常範囲D(i>I(t)+α)を満足するか、あるいは、低電流異常範囲D(i<I(t)−α)を満足するか、のいずれであるかを判定する。
モータ電流iが高電流異常範囲Dを満足すると判定された場合には、ステップS1006へ進み(YES)、モータ3にはレアショート等の短絡が発生していると診断して診断5を終了し、図3のステップS106へ戻る。
一方、モータ電流iが低電流異常範囲Dを満足すると判定された場合には、ステップS1007へ進み(NO)、モータ3には部分断線が発生していると診断して診断5を終了し、図3のステップS106へ戻る。
このような第1実施形態に係るモータ駆動装置によれば、モニタ電圧Vpに基づいてモータ3が介在する回路区間cの断線を診断する診断4により、回路区間cに断線が発生していないと診断されても、診断5によって誘導性負荷であるモータ3に車載電源2から電流を通電して、通電時におけるモータ電流iの時間変化と正常モータ電流Iの時間変化とを比較しているので、モータ3の異常を診断でき、モータに短絡又は部分断線のいずれが発生しているかを特定することが可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明を実施するための第2実施形態について詳述する。
図8は、第2実施形態に係るモータ駆動装置の一例を示す。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付すことでその説明を省略又は簡潔にする。
モータ駆動装置1aは、第1実施形態と同様に、制御回路20によりモータ3の駆動処理に先立って駆動回路10及びモータ3の異常診断処理を行うものであるが、以下の点で第1実施形態と異なる構成を有している。
モータ駆動装置1aは、第1実施形態と比較すると、駆動回路10に第5半導体スイッチTr5を更に含む。第5半導体スイッチTr5は、その制御端子に入力した制御信号に応じて、オンすることで回路を接続する一方、オフすることで回路を遮断するスイッチング半導体素子であり、寄生ダイオードD5が付随したp型のMOSFETである。第5半導体スイッチTr5の制御端子(ゲート端子)は制御回路20と接続されている。なお、第5半導体スイッチTr5にp型のMOSFET以外の半導体素子を適用可能であることは、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4の場合と同様である。
第5半導体スイッチTr5は、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理において制御回路20に対する車載電源2の電源電圧Eの印加を回避するためのものであり、車載電源2と第1半導体スイッチTr1との間において、これらと直列に設けられる。第5半導体スイッチTr5のソース端子はハイサイド側(車載電源2のプラス端子(+)側)に接続され、第5半導体スイッチTr5のドレイン端子はローサイド側(第1半導体スイッチTr1のドレイン端子)に接続される。このため、第5半導体スイッチTr5に付随する寄生ダイオードD5は、第1半導体スイッチTr1のドレイン端子から車載電源2のプラス端子(+)に向かう方向を順方向とする。
また、モータ駆動装置1aは、第1実施形態と比較すると、コンデンサC及びプリチャージ回路70を更に含む。
コンデンサCは、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理において車載電源2の代替電源となるものであり、一端が第5半導体スイッチTr5と第1半導体スイッチTr1との間に接続され、他端が第3半導体スイッチTr3又は第4半導体スイッチTr4と第2半導体スイッチTr2との間に接続されて駆動回路10に設けられる。
プリチャージ回路70は、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理を開始する際に、コンデンサCに充電を行うものであり、一端が車載電源2と第5半導体スイッチTr5との間の接続点Q1に接続され、他端が第5半導体スイッチTr5と第1半導体スイッチTr1との間の接続点Q2に接続されて、第5半導体スイッチTr5と並列に設けられる。
プリチャージ回路70は、本実施形態において、接続点Q1からQ2の間で、ダイオードD6、第5抵抗R5及びトランジスタTr6がこの順番で直列に接続されて構成される。ダイオードD6は、接続点Q1からQ2に向う方向を順方向とする。また、トランジスタTr6は、エミッタ端子が第5抵抗R5と接続され、コレクタ端子が接続点Q2と接続されたpnp型のバイポーラトランジスタであり、ベース端子が制御回路20と接続されている。さらに、トランジスタTr6のベース端子と接続点Q1との間にはダイオードD6及び第5抵抗R5と並列に第6抵抗R6が介装されている。
イグニッションスイッチ4がオフ状態では、接続点Q1から第6抵抗R6を介してトランジスタTr6のベース端子に対して電源電圧Eが印加されて、2値(ハイ及びロー)の電位で区分される制御信号のうちハイ信号がトランジスタTr6に入力されることになるため、トランジスタTr6はオフ状態に保持される。このとき、制御回路20には電源回路30から電源が供給されていないため、トランジスタTr6には制御回路20からの制御信号は入力されない。一方、後述するように、イグニッションスイッチ4がオフからオン状態となったときに、制御回路20がトランジスタTr6のベース端子にロー信号を出力すると、トランジスタTr6はオン状態となり、コンデンサCに対する充電が可能になる。
制御回路20は、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理において、図9に示すように、第1〜第5半導体スイッチTr1〜Tr5のオン又はオフ状態を設定する複数の設定パターンの各パターンで第1〜第5半導体スイッチTr1〜Tr5をオン又はオフさせる。そして、制御回路20は、各パターンで第1〜第5半導体スイッチTr1〜Tr5をオン又はオフさせたときに、P点電圧モニタ回路40から出力されるモニタ電圧Vp、電源電圧モニタ回路60から出力されるモニタ電圧Ve、及び、モータ電流モニタ回路50から出力されるモニタ電圧Viに基づいて、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理を行う。
図10は、制御回路20において、イグニッションスイッチ4がオフからオンになったことを契機として、モータ3の駆動処理前に実行が開始される駆動回路10及びモータ3の異常診断処理を示すフローチャートである。
ステップS201では、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理を開始する前に、コンデンサCに対する充電を所定時間Tc行う。具体的には、制御回路20は、第1〜第5半導体スイッチTr1〜Tr5をオフ状態にしつつ、トランジスタTr6のベース端子に対する制御信号としてロー信号を所定時間Tc出力する。この所定時間Tcは、コンデンサCの放電により駆動回路10及びモータ3の異常診断処理(以下の診断1〜診断5)を支障なく実施できる程度に、コンデンサCが充電されるまでの充電時間である。制御回路20は、所定時間Tcの経過後、トランジスタTr6に対する制御信号をロー信号からハイ信号へ切り替えて、トランジスタTr6をオフ状態にする。
ステップS202では、ステップS101と同様に、モニタ電圧Vpに基づいて、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4にオン状態のままでオフしないオン固着が発生しているか否かを診断する診断1を行う。
診断1において、図9に示すように、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4は図2と同じオン又はオフ状態に設定されるが、第5半導体スイッチTr5はオフ状態にする。したがって、第5半導体スイッチTr5よりも下流(ローサイド側)における駆動回路10には、車載電源2の電源電圧Eに代えて、コンデンサCによる放電電圧が印加される。以降の診断2〜5においても同様である。
ステップS203では、ステップS102と同様に、モニタ電圧Vpに基づいて、駆動回路10のうちコンデンサCから第1半導体スイッチTr1を通じて接続点Pに至るまでの回路区間a’に異常が発生しているか否かを診断する診断2を実施する。
ステップS204では、ステップS103と同様に、診断3を実施する。
ステップS205では、ステップS104と同様に、診断4を実施する。
ステップS206では、ステップS105と同様に、診断4により回路区間cに断線が発生していないと診断されたか否かを判定し、診断4により回路区間cに断線が発生していないと診断された場合には、診断5を実施すべくステップS207へ進み(YES)、その後に診断6を実施すべくステップS208へ進む。一方、診断4により回路区間cに断線が発生していると診断された場合には、ステップS207及びステップS208を省略して、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理を終了する(NO)。
なお、ステップS207における診断5の内容については第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
図11は、図10のステップS208における診断6に関するサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。
診断6では、電源電圧モニタ回路60から出力されたモニタ電圧Veに基づいて、第5半導体スイッチTr5に断線が発生しているか否かを診断する。
ステップS2001では、図9の設定パターンに示すように、第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4をオフの状態にし、第5半導体スイッチTr5をオフからオンの状態に切り替える。
ステップS2002では、モニタ電圧Veが所定電圧より高いか否かを判定する。所定電圧は、例えば電源電圧Eに近い電圧等、第5半導体スイッチTr5に断線が発生していないことが明らかな電圧である。
モニタ電圧Veが所定電圧より高い高電位Hと判定された場合には、第5半導体スイッチTr5は正常であると診断して診断6を終了し(YES)、図10のステップS208へ戻る。一方、モニタ電圧Veが所定電圧以下である低電位Lと判定された場合には、第5半導体スイッチTr5に断線が発生していると診断して診断6を終了し(NO)、図10のステップS208へ戻る。
このような第2実施形態に係るモータ駆動装置1aによれば、第1実施形態と同様に、モニタ電圧Vpに基づいてモータ3が介在する回路区間cの断線を診断する診断4により、回路区間cに断線が発生していないと診断されても、診断5によって誘導性負荷であるモータ3に車載電源2から電流を通電して、通電時におけるモータ電流iの時間変化と正常モータ電流Iの時間変化とを比較しているので、モータ3の異常を診断でき、モータに短絡又は部分断線のいずれが発生しているかを特定することが可能となる。
また、モータ駆動装置1aによれば、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理において、第5半導体スイッチTr5によって電源電圧Eが制御回路20に印加されないようにし、プリチャージ回路70によって充電されたコンデンサCを車載電源2の代替電源として用いているので、電源電圧Eの影響を受けない状態で診断1〜5を実施することができる。また、電源電圧Eを遮断する第5半導体スイッチTr5の断線異常も診断可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を第1実施形態及び第2実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
本発明の実施形態として、誘導性負荷の一例であるモータを駆動するモータ駆動装置1,1aについて説明したが、例えば車両用変速機において変速制御を行うソレノイドバルブのソレノイド等、インダクタンス成分を有する誘導性負荷を駆動する負荷駆動装置であればいかなるものにも適用可能である。
駆動回路10における第1〜第4半導体スイッチTr1〜Tr4は、それぞれディスクリート半導体で構成されるか、あるいは、任意の組み合わせでIPD(Intelligent Power Device)として構成されてもよい。特に、第1半導体スイッチTr1及び第4半導体スイッチTr4をIPDとしてもよい。
駆動回路10及びモータ3の異常診断処理は、イグニッションスイッチ4がオンになったことを契機として開始されるものとして説明したが、これに限らず、車両運転を阻害しない範囲で、任意のタイミングで実行可能である。例えば、車両にアイドリングストップ機能が備わっている場合には、エンジンの再始動時に実行することもできる。
P点電圧モニタ回路40を図1及び図8に示す構成で説明したが、接続点Pにおける電圧に応じて、制御回路20で検出可能なモニタ電圧Vpを出力する回路であればいかなる構成であってもよい。また、プリチャージ回路70を図8に示す構成で説明したが、駆動回路10及びモータ3の異常診断処理を開始する際に、コンデンサCに充電を行うことができれば、いかなる構成であってもよい。例えば、トランジスタTr6を、pnp型のバイポーラトランジスタに代えて、npn型のバイポーラトランジスタで構成してもよい。
駆動回路10及びモータ3の異常診断処理において、制御回路20は、モータ電流モニタ回路50の出力であるモニタ電圧Viからモータ電流iを検出し、このモータ電流iの時間変化と正常モータ電流Iの時間変化とを比較することでモータ3の異常を診断していた。これに代えて、制御回路20は、モニタ電圧Viに基づいて、モータ電流iの時間変化が正常モータ電流Iの時間変化と乖離しているか否かを判定することもできる。
1,1a…モータ駆動装置、2…車載電源、3…モータ、10…駆動回路、20…制御回路、40…P点電圧モニタ回路、50…モータ電流モニタ回路、60…電源電圧モニタ回路、Tr1…第1半導体スイッチ、Tr2…第2半導体スイッチ、Tr3…第3半導体スイッチ、Tr4…第4半導体スイッチ、Tr5…第5半導体スイッチ、R4…第4抵抗、P…接続点

Claims (5)

  1. 誘導性負荷を駆動する誘導性負荷駆動装置であって、
    電源のプラス端子側と誘導性負荷との間に設けられた第1半導体スイッチ、前記電源のマイナス端子側と前記誘導性負荷との間に設けられた第2半導体スイッチ、前記誘導性負荷と前記第2半導体スイッチとの間に設けられた第3半導体スイッチ、及び前記第1半導体スイッチと前記第2半導体スイッチとの間において前記誘導性負荷及び前記第3半導体スイッチと並列に設けられた第4半導体スイッチ、を有する駆動回路と、
    前記第1半導体スイッチと前記第4半導体スイッチ又は前記誘導性負荷との接続点における前記駆動回路の電圧に応じた第1モニタ電圧を出力する第1モニタ電圧出力手段と、
    前記誘導性負荷の通電電流に応じた第2モニタ電圧を出力する第2モニタ電圧出力手段と、
    前記第1半導体スイッチ、前記第2半導体スイッチ、前記第3半導体スイッチ及び前記第4半導体スイッチのオン又はオフ状態を制御し、前記オン又はオフ状態を所定の設定パターンに設定したときに、前記第1モニタ電圧及び前記第2モニタ電圧に基づいて、前記駆動回路及び前記誘導性負荷の異常を診断する制御回路と、
    を含んで構成された誘導性負荷駆動装置。
  2. 前記制御回路は、前記第1半導体スイッチ、前記第2半導体スイッチ及び前記第3半導体スイッチをオン状態にすると共に前記第4半導体スイッチをオフ状態にして前記誘導性負荷に所定時間通電したときに、前記所定時間中における前記第2モニタ電圧に基づいて前記誘導性負荷の異常を診断する、請求項1に記載の誘導性負荷駆動装置。
  3. 前記制御回路は、前記所定時間中における前記第2モニタ電圧から検出された前記誘導性負荷の通電電流の電流値と、前記誘導性負荷が正常であるときの通電電流として予め記憶された電流値と、を比較することで、前記誘導性負荷の異常を診断する、請求項2に記載の誘導性負荷駆動装置。
  4. 電源電圧に応じた第3モニタ電圧を出力する第3モニタ電圧出力手段を更に含み、
    前記制御回路は、前記第2モニタ電圧に加えて前記第3モニタ電圧に基づいて、前記誘導性負荷の異常を診断する、請求項2又は請求項3に記載の誘導性負荷駆動装置。
  5. 前記駆動回路は、前記電源のプラス端子側と前記第1半導体スイッチとの間に設けられた第5半導体スイッチを更に有し、
    前記オン又はオフ状態には前記第5半導体スイッチのオン又はオフ状態も更に含む、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の誘導性負荷駆動装置。
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