JP2018046095A - ウエハ加工用仮接着材料、ウエハ加工体、及び薄型ウエハの製造方法 - Google Patents
ウエハ加工用仮接着材料、ウエハ加工体、及び薄型ウエハの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
1.表面に回路を有する裏面を加工すべきウエハと支持体とを一時的に接着するためのウエハ加工用仮接着材料であって、
前記ウエハの表面に剥離可能に接着可能な、スルフィド結合を有する熱可塑性シリコーン変性スチレン系エラストマーを含む第1仮接着層と、該第1仮接着層に積層された、前記支持体に剥離可能に接着可能な、熱硬化性重合体を含む第2仮接着層とを備え、
前記スルフィド結合を有する熱可塑性シリコーン変性スチレン系エラストマーが、下記式(1)で表されるシリコーン単位を含むものであるウエハ加工用仮接着材料。
2.前記熱可塑性シリコーン変性スチレン系エラストマーが、シリコーン変性ブロック共重合体であり、該共重合体中のスチレン単位の含有量が、全繰り返し単位中、10〜40質量%の範囲である1のウエハ加工用仮接着材料。
3.前記第1仮接着層の25mm幅の試験片の180°ピール剥離力が、2〜50gfである1又は2のウエハ加工用仮接着材料。
4.前記第2仮接着層が、下記式(3)で表される繰り返し単位及び必要に応じて下記式(4)で表される繰り返し単位からなる、重量平均分子量が3,000〜500,000のシロキサン結合含有重合体を100質量部、並びにホルマリン又はホルマリン−アルコールにより変性されたアミノ縮合物、1分子中に平均して2個以上のメチロール基又はアルコキシメチロール基を有するフェノール化合物及び1分子中に平均して2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種を含む架橋剤を0.1〜50質量部含む組成物の硬化物からなる1〜3のいずれかのウエハ加工用仮接着材料。
5.前記第2仮接着層が、下記式(6)で表される繰り返し単位及び必要に応じて下記式(7)で表される繰り返し単位からなる、重量平均分子量が3,000〜500,000のシロキサン結合含有重合体を100質量部、並びに1分子中に平均して2個以上のフェノール基を有するフェノール化合物及び1分子中に平均して2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種を含む架橋剤を0.1〜50質量部含む組成物の硬化物からなる1〜3のいずれかのウエハ加工用仮接着材料。
6.支持体上に、1〜5のいずれかのウエハ加工用仮接着材料からなる仮接着層が形成され、かつ該仮接着層上に、表面に回路を有し、裏面を加工すべきウエハが積層されてなるウエハ加工体であって、前記ウエハの表面に、前記第1仮接着層が剥離可能に接着され、前記支持体に、前記第2仮接着層が剥離可能に接着されたものであるウエハ加工体。
7.(a)表面に回路を有し、裏面を加工すべきウエハの前記表面を、1〜5のいずれかのウエハ加工用仮接着材料からなる仮接着層を介して、支持体に接合する工程と、
(b)前記第2仮接着層を熱硬化させる工程と、
(c)前記支持体と接合したウエハの裏面を研削又は研磨する工程と、
(d)前記研削又は研磨したウエハの裏面に加工を施す工程と、
(e)前記加工を施したウエハを前記支持体から剥離する工程と
を含む薄型ウエハの製造方法。
8.工程(e)の後に、前記剥離したウエハの表面に残存する前記仮接着層を除去する工程を含む7の薄型ウエハの製造方法。
本発明のウエハ加工用仮接着材料は、スルフィド結合を有する熱可塑性シリコーン変性スチレン系エラストマーを含む第1仮接着層と、該第1仮接着層に積層された熱硬化性重合体を含む第2仮接着層とを備えるものである。
第1仮接着層は、スルフィド結合を有する熱可塑性シリコーン変性スチレン系エラストマー(以下、エラストマーAともいう。)を含む層である。第1仮接着層は、後述するウエハに、剥離可能に接着することができる。
とエラストマーA−1とを、重合開始剤の存在下で、エンチオール反応させる方法が挙げられる。このときの反応温度は、40〜80℃程度が好ましい。また、エラストマーA−1の総アルケニル基に対し、式(1')で表されるメルカプト基含有シロキサンの総メルカプト基が、モル比で、0.1〜1.0となる量で反応させることが好ましい。
第2仮接着層は、熱硬化性重合体を含む層である。第2仮接着層は、後述する支持体に、剥離可能に接着することができる。
本発明のウエハ加工体は、支持体上に、前記ウエハ加工用仮接着材料からなる仮接着層が形成され、かつ該仮接着層上に、表面に回路を有し、裏面を加工すべきウエハが積層されてなるウエハ加工体であって、前記ウエハの表面に前記第1仮接着層が剥離可能に接着され、前記支持体に前記第2仮接着層が剥離可能に接着されたものである。
本発明の薄型ウエハの製造方法は、前述したウエハ加工用仮接着材料を用いることを特徴とする。本発明の製造方法により得られる薄型ウエハの厚さは、好ましくは5〜300μm、より好ましくは10〜100μmである。
工程(a)は、表面に回路を有し、裏面を加工すべきウエハ、すなわち、回路形成面及び非回路形成面を有する回路付きウエハの表面を、前記ウエハ加工用仮接着材料からなる仮接着層を介して、支持体に接合する工程である。換言すれば、前述したウエハ加工体を製造する工程である。
工程(b)は、第2仮接着層を熱硬化させる工程である。前記ウエハ加工体が形成された後、好ましくは120〜220℃、より好ましくは150〜200℃で10分〜4時間、好ましくは30分〜2時間加熱することによって、第2仮接着層の硬化を行う。
工程(c)は、支持体と接合したウエハの裏面を研削又は研磨する工程、すなわち、前記ウエハ加工体のウエハ裏面側を研削又は研磨して、このウエハの厚みを薄くする工程である。ウエハ裏面の研削加工方法は、特に限定されず、公知の研削方式が採用される。研削は、ウエハ加工体の非回路形成面を砥石(ダイヤモンド等)に水をかけて冷却しながら行うことが好ましい。ウエハ裏面を研削加工する装置としては、例えば、(株)ディスコ製DAG-810(商品名)等が挙げられる。また、ウエハ裏面側をCMP研磨してもよい。
工程(d)は、工程(c)で研削又は研磨したウエハの裏面に加工を施す工程である。金属配線形成、保護膜形成等が挙げられる。より具体的には、電極等の形成のための金属スパッタリング、金属スパッタリング層をエッチングするウェットエッチング、金属配線形成のマスクとするためのレジストの塗布、露光及び現像によるパターンの形成、レジストの剥離、ドライエッチング、金属めっきの形成、TSV形成のためのシリコンエッチング、シリコン表面の酸化膜形成等、従来公知のプロセスが挙げられる。
工程(e)は、工程(d)で加工を施したウエハを支持体から剥離する工程、すなわち、ダイシングする前に加工を施したウエハを支持体から剥離する工程である。この剥離工程は、一般に、室温から60℃程度の比較的低温の条件で実施される。剥離方法としては、ウエハ加工体のウエハ又は支持体の一方を水平に固定しておき、他方を水平方向から一定の角度を付けて持ち上げる方法や、研削されたウエハの研削面に保護フィルムを貼り、ウエハと保護フィルムをピール方式でウエハ加工体から剥離する方法等が挙げられる。本発明には、これらの剥離方法のいずれも適用可能である。これらの剥離方法は、通常、室温で実施される。
(f)加工を施したウエハのウエハ面(裏面)にダイシングテープを接着する工程と、
(g)ダイシングテープ面を吸着面に真空吸着する工程と、
(h)吸着面の温度が10〜100℃の温度範囲で、支持体を、加工を施したウエハからピールオフにて剥離する工程と
を含むことが好ましい。このようにすることで、支持体を、加工を施したウエハから容易に剥離することができ、また、後のダイシング工程を容易に行うことができる。
(i)剥離したウエハの表面に残存する仮接着層を除去する工程
を行うことが好ましい。
[調製例1]
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備したフラスコ内に、化合物(M−1)43.1g、化合物(M−3)29.5g、トルエン135g及び塩化白金酸0.04gを仕込み、80℃に昇温した。その後、化合物(M−5)17.5gを1時間かけてフラスコ内に滴下した。このとき、フラスコ内温度は、85℃まで上昇した。滴下終了後、更に80℃で2時間熟成した後、トルエンを留去すると共に、シクロヘキサノンを80g添加して、樹脂固形分濃度50質量%のシクロヘキサノンを溶剤とする樹脂溶液を得た。この溶液中の樹脂の重量平均分子量は、45,000であった。更に、この樹脂溶液50gに、架橋剤として、エポキシ架橋剤であるEOCN-1020(日本化薬(株)製)を7.5g、硬化触媒としてビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン(和光純薬工業(株)製)を0.2g及び酸化防止剤としてアデカスタブAO-60((株)ADEKA製)を0.1g添加し、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、熱硬化性樹脂組成物B−1を得た。
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備したフラスコ内に、化合物(M−2)84.1g及びトルエン600gを入れ、化合物(M−2)を溶解後、そこへ化合物(M−3)294.6g及び化合物(M−4)25.5gを加え、60℃に加温した。その後、カーボン担持白金触媒(5質量%)1gを投入し、内部反応温度が65〜67℃に昇温するのを確認した後、更に、90℃まで加温し、3時間熟成した。次いで、室温まで冷却した後、メチルイソブチルケトン600gを加え、本反応溶液をフィルターにて加圧濾過して白金触媒を取り除いた。この樹脂溶液中の溶剤を減圧留去すると共に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を280g添加して、固形分濃度60質量%のPGMEAを溶剤とする樹脂溶液を得た。この樹脂溶液中の樹脂重量平均分子量は、28,000であった。更に、この樹脂溶液100gにα,α,α',α'−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレンであるTEP-TPA(旭有機材工業(株)製)9g及びテトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)製、リカシッドHH-A)0.2gを添加して、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、熱硬化性樹脂組成物B−2を得た。
[調製例3]
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備したフラスコ内で、ハイブラー5125((株)クラレ製、ポリスチレンとビニル−ポリイソプレンが結合したトリブロック共重合体、スチレン単位含有量20質量%、Tg=−13℃)100gをトルエン300gに溶解させた。この溶液に、下記式(S−1)で表される化合物(SH当量:1,050g/mol)18.1gを投入し、混合した。この量は、SH/Vi比(総アルケニル基に対するSH基の比率、以下同じ。)で0.57に相当する。この混合液に、触媒として2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を0.118g添加し、60℃に加温し、60℃で4時間反応を行い、反応を完結させた。その後、トルエンを減圧留去して反応溶液を濃縮し、反応生成物を固形化し、シリコーン変性スチレン系エラストマーを得た。このシリコーン変性スチレン系エラストマーをp−メンタンに溶解した後、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、熱可塑性樹脂組成物A−1を得た。NMRによりシリコーン及びスチレン含有量を測定したところ、エラストマー中、シリコーン単位含有量は15.3質量%、スチレン単位含有量は16.9質量%であった。
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備したフラスコ内で、ハイブラー5125 100gをトルエン300gに溶解させた。この溶液に、下記式(S−2)で表される化合物(SH当量:2,035g/mol)10.5gを投入し、混合した。この量は、SH/Vi比で0.15に相当する。この混合液に、触媒としてAIBNを0.111g添加し、60℃に加温し、60℃で4時間反応を行い、反応を完結させた。その後、トルエンを減圧留去して反応溶液を濃縮し、変性スチレン系エラストマーをp−メンタンに溶解した後、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、熱可塑性樹脂組成物A−2を得た。NMRによりシリコーン及びスチレン含有量を測定したところ、エラストマー中、シリコーン単位含有量は9.5質量%、スチレン単位含有量は18.1質量%であった。
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備したフラスコ内で、ハイブラー5125 100gをトルエン300gに溶解させた。この溶液に、下記式(S−3)で表される化合物(SH当量:3,840g/mol)15.3gを投入し、混合した。この量は、SH/Vi比で0.13に相当する。この混合液に、触媒としてAIBNを0.115g添加し、60℃に加温し、60℃で4時間反応を行い、反応を完結させた。その後、トルエンを減圧留去して反応溶液を濃縮し、反応生成物を固形化し、シリコーン変性スチレン系エラストマーを得た。このシリコーン変性スチレン系エラストマーをp−メンタンに溶解した後、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、熱可塑性樹脂組成物A−3を得た。NMRによりシリコーン及びスチレン含有量を測定したところ、エラストマー中、シリコーン単位含有量は13.3質量%、スチレン単位含有量は17.3質量%であった。
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備したフラスコ内で、ハイブラー5127((株)クラレ製、ポリスチレンとビニル−ポリイソプレンが結合したトリブロック共重合体、スチレン単位含有量20質量%、Tg=8℃)100gをトルエン300gに溶解させた。この溶液に、式(S−1)で表される化合物18.1gを投入し、混合した。この量は、SH/Vi比で0.57に相当する。この混合液に、触媒としてAIBNを0.118g添加し、60℃に加温し、60℃で4時間反応を行い、反応を完結させた。その後、トルエンを減圧留去して反応溶液を濃縮し、反応生成物を固形化し、シリコーン変性スチレン系エラストマーを得た。このシリコーン変性スチレン系エラストマーをp−メンタンに溶解した後、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、熱可塑性樹脂組成物A−4を得た。NMRによりシリコーン及びスチレン含有量を測定したところ、エラストマー中、シリコーン単位含有量は15.3質量%、スチレン単位含有量は16.9質量%であった。
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備したフラスコ内で、ハイブラー5125 100gをトルエン300gに溶解させた。この溶液に、式(S−1)で表される化合物5.3gを投入し、混合した。この量は、SH/Vi比で0.186に相当する。この混合液に、触媒としてAIBNを0.115g添加し、60℃に加温し、60℃で4時間反応を行い、反応を完結させた。その後、トルエンを減圧留去して反応溶液を濃縮し、反応生成物を固形化し、シリコーン変性スチレン系エラストマーを得た。このシリコーン変性スチレン系エラストマーをp−メンタンに溶解した後、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、熱可塑性樹脂組成物A−5を得た。NMRによりシリコーン及びスチレン含有量を測定したところ、エラストマー中、シリコーン単位含有量は5.0質量%、スチレン単位含有量は19.0質量%であった。
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備したフラスコ内で、ハイブラー5125 100gをトルエン300gに溶解させた。この溶液に、式(S−3)で表される化合物42.9gを投入し、混合した。この量は、SH/Vi比で0.365に相当する。この混合液に、触媒としてAIBNを0.115g添加し、60℃に加温し、60℃で4時間反応を行い、反応を完結させた。その後、トルエンを減圧留去して反応溶液を濃縮し、反応生成物を固形化し、シリコーン変性スチレン系エラストマーを得た。このシリコーン変性スチレン系エラストマーをp−メンタンに溶解した後、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、熱可塑性樹脂組成物A−6を得た。NMRによりシリコーン及びスチレン含有量を測定したところ、エラストマー中、シリコーン単位含有量は30.0質量%、スチレン単位含有量は14.0質量%であった。
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備したフラスコ内で、ハイブラー5125 100gをトルエン300gに溶解させた。この溶液に、白金触媒をハイブラー5125に対して白金元素換算で20ppm添加し、60℃に加温した状態で、下記式(S−4)で表される化合物(SiH当量:1,050g/mol)18.1gを滴下した。この量は、H/Vi比で0.57に相当する。100℃で2時間反応を行い、反応を完結させた。その後、トルエンを減圧留去して反応溶液を濃縮し、反応生成物を固形化し、シリコーン変性スチレン系エラストマーを得た。このシリコーン変性スチレン系エラストマーをp−メンタンに溶解した後、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、熱可塑性樹脂組成物D−1を得た。NMRによりシリコーン単位含有量を測定したところ、エラストマー中、15.3質量%であった。
表面に高さ10μm及び直径40μmの銅ポストが全面に形成された直径200mmシリコンウエハ(厚さ:725μm)に、調製例で調製した各熱可塑性樹脂組成物をスピンコート後、ホットプレートにて150℃で5分間加熱することにより、第1仮接着層を表1に示す膜厚でウエハバンプ形成面に成膜した。一方、直径200mm(厚さ:500μm)のガラス板を支持体とし、この支持体に、調製例で調製した各熱硬化性樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレートで150℃に加熱することで、第2仮接着層を表1中に示す膜厚で形成した。得られた第1仮接着層を有するウエハと第2仮接着層を有するガラス板とを、それぞれ樹脂面が合わされるように真空貼り合わせ装置内で表1に示す条件にて貼り合わせ、ウエハ加工体を作製した。
その後、この接合された基板に対し、下記試験を行った。結果を表1に示す。
200mmのウエハ接合は、EV Group社のウエハ接合装置EVG520ISを用いて行った。接合温度は表1に記載の値、接合時のチャンバー内圧力は0.1Pa以下、荷重は5kNで実施した。接合後、一旦、180℃で1時間オーブンを用いて基板を加熱し、第2仮接着層を硬化させた後、室温まで冷却し、その後の界面の接着状況を目視で確認し、界面での気泡等の異常が発生しなかった場合を良好と評価して「○」で示し、異常が発生した場合を不良と評価して「×」で示した。
グラインダー((株)ディスコ製、DAG-810)でダイヤモンド砥石を用いてシリコンウエハの裏面研削を行った。最終基板厚50μmまでグラインドした後、光学顕微鏡(100倍)にてクラック、剥離等の異常の有無を調べた。異常が発生しなかった場合を良好と評価して「○」で示し、異常が発生した場合を不良と評価して「×」で示した。
シリコンウエハを裏面研削した後の加工体をCVD装置に導入し、2μm及び3μmのSiO2膜の生成実験を行い、その際の外観異常の有無を調べた。外観異常が発生しなかった場合を良好と評価して「○」で示し、ボイド、ウエハ膨れ、ウエハ破損等の外観異常が発生した場合を不良と評価して「×」で示した。
CVD耐性試験の条件は、以下のとおりであった。
装置名:プラズマCVD PD270STL(サムコ(株)製)
RF500W、内圧40Pa
TEOS(テトラエチルオルソシリケート):O2=20sccm:680sccm
シリコンウエハを裏面研削した後の積層体を減圧下の220℃オーブンに2時間入れた後、外観異常の有無を調べた。外観異常が発生しなかった場合を良好と評価して「○」で示し、外周のみ剥離した場合を「△」で示し、外観異常(全面剥離)が発生した場合を不良と評価して「×」で示した。
第2仮接着層の剥離性は、まず、耐熱性試験を終えたウエハ加工体の50μmまで薄型化したウエハ側にダイシングフレームを用いてダイシングテープを貼り、このダイシングテープ面を真空吸着によって、吸着板にセットした。その後、室温にて、ガラスの1点をピンセットにて持ち上げることで、ガラス基板を剥離した。50μmのウエハを割ることなく剥離できた場合を「○」で示し、割れ等の異常が発生した場合を不良と評価して「×」で示した。
前記剥離性試験終了後のダイシングテープを介してダイシングフレームに装着された200mmウエハ(耐熱性試験条件に晒されたもの)を、接着層を上にしてスピンコーターにセットし、洗浄溶剤としてp−メンタンを5分間噴霧したのち、ウエハを回転させながらイソプロピルアルコール(IPA)を噴霧にてリンスを行った。その後、外観を観察して残存する接着材樹脂の有無を目視でチェックした。樹脂の残存が認められないものを良好と評価して「○」で示し、樹脂の残存が認められたものを不良と評価して「×」で示した。
前記、接着及び耐熱性試験後のシリコンウエハ上に150mm長×25mm幅のポリイミドテープを5本貼り付け、テープが貼られていない部分の仮接着層を除去した。(株)島津製作所製のAUTOGRAPH(AG-1)を用いてテープの一端から180°剥離で120mm剥がし、そのときにかかる力の平均(120mmストローク×5回)を、その第1仮接着層の剥離力とした。
11 ウエハ
12 支持体
13 ウエハ加工用仮接着材料
131 第1仮接着層
132 第2仮接着層
Claims (8)
- 表面に回路を有する裏面を加工すべきウエハと支持体とを一時的に接着するためのウエハ加工用仮接着材料であって、
前記ウエハの表面に剥離可能に接着可能な、スルフィド結合を有する熱可塑性シリコーン変性スチレン系エラストマーを含む第1仮接着層と、該第1仮接着層に積層された、前記支持体に剥離可能に接着可能な、熱硬化性重合体を含む第2仮接着層とを備え、
前記スルフィド結合を有する熱可塑性シリコーン変性スチレン系エラストマーが、下記式(1)で表されるシリコーン単位を含むものであるウエハ加工用仮接着材料。
- 前記熱可塑性シリコーン変性スチレン系エラストマーが、シリコーン変性ブロック共重合体であり、該共重合体中のスチレン単位の含有量が、全繰り返し単位中、10〜40質量%の範囲である請求項1記載のウエハ加工用仮接着材料。
- 前記第1仮接着層の25mm幅の試験片の180°ピール剥離力が、2〜50gfである請求項1又は2記載のウエハ加工用仮接着材料。
- 前記第2仮接着層が、下記式(3)で表される繰り返し単位及び必要に応じて下記式(4)で表される繰り返し単位からなる、重量平均分子量が3,000〜500,000のシロキサン結合含有重合体を100質量部、並びにホルマリン又はホルマリン−アルコールにより変性されたアミノ縮合物、1分子中に平均して2個以上のメチロール基又はアルコキシメチロール基を有するフェノール化合物及び1分子中に平均して2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種を含む架橋剤を0.1〜50質量部含む組成物の硬化物からなる請求項1〜3のいずれか1項記載のウエハ加工用仮接着材料。
- 前記第2仮接着層が、下記式(6)で表される繰り返し単位及び必要に応じて下記式(7)で表される繰り返し単位からなる、重量平均分子量が3,000〜500,000のシロキサン結合含有重合体を100質量部、並びに1分子中に平均して2個以上のフェノール基を有するフェノール化合物及び1分子中に平均して2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種を含む架橋剤を0.1〜50質量部含む組成物の硬化物からなる請求項1〜3のいずれか1項記載のウエハ加工用仮接着材料。
- 支持体上に、請求項1〜5のいずれか1項記載のウエハ加工用仮接着材料からなる仮接着層が形成され、かつ該仮接着層上に、表面に回路を有し、裏面を加工すべきウエハが積層されてなるウエハ加工体であって、前記ウエハの表面に、前記第1仮接着層が剥離可能に接着され、前記支持体に、前記第2仮接着層が剥離可能に接着されたものであるウエハ加工体。
- (a)表面に回路を有し、裏面を加工すべきウエハの前記表面を、請求項1〜5のいずれか1項記載のウエハ加工用仮接着材料からなる仮接着層を介して、支持体に接合する工程と、
(b)前記第2仮接着層を熱硬化させる工程と、
(c)前記支持体と接合したウエハの裏面を研削又は研磨する工程と、
(d)前記研削又は研磨したウエハの裏面に加工を施す工程と、
(e)前記加工を施したウエハを前記支持体から剥離する工程と
を含む薄型ウエハの製造方法。 - 工程(e)の後に、前記剥離したウエハの表面に残存する前記仮接着層を除去する工程を含む請求項7記載の薄型ウエハの製造方法。
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