JP2018044427A - 排水ソケット、水洗大便器 - Google Patents
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Abstract
Description
その後、汚物より後に流れることにより汚物搬送を行なう洗浄水(背負い水)が、排水ソケット内を流れ、背負い水と共に汚物が建物配管に排出される。
すなわち、汚物より後に流れることにより汚物搬送を行なう洗浄水(背負い水)の量も減少する。
このような状況下では、排水ソケットから建物配管に排出された汚物が建物配管の水平部に到達したとき、背負い水の量が少なくなっているので汚物を搬送できる距離が短くなってしまうため、汚物の搬送能力については更なる改善の余地がある。
また、分流洗浄水減速流路は先行洗浄水を背負い水に転換するための手段であり、分流洗浄水減速流路に汚物が進入してしまうと、汚物も先行洗浄水と共に減速されてしまうため、先行洗浄水を背負い水に十分に転換できない。
そこで、分流洗浄水減速流路への汚物の進入を抑制する汚物進入抑制手段が形成されていることにより、確実に分流洗浄水減速流路への汚物の進入が抑制されるため、確実に背負い水の量を増加させることができる。
この速度勾配により、水は流れ方向以外の方向にも拡散する性質がある。
そこで、上記のように構成された請求項5に係る発明の排水ソケットによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明が奏する効果に加え、分流洗浄水減速流路の入口が、先行洗浄水の流れ方向と直交する方向に向けて開口していることにより、先行洗浄水が主流路内を拡散して分流洗浄水減速流路の入口に行き渡る一方で、汚物は自らの慣性力のため洗浄水の流れに沿って主流路を移動するため、簡便な方法で分流洗浄水減速流路への汚物の進入を防ぐことができる。
ここで、水位は、分流洗浄水減速流路に流入する先行洗浄水の速度により一意的に定まる。
そして、速度は便器の形状と洗浄水量で決定される。
したがって、分流洗浄水減速流路の高さ(鉛直方向長さ)を大きくしたとしても、分流洗浄水減速流路に収容される水量の増加には寄与しにくい。
そこで、上記のように構成された請求項8に係る発明の排水ソケットによれば、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に係る発明が奏する効果に加え、分流洗浄水減速流路の水平方向長さが、分流洗浄水減速流路の鉛直方向長さ以上であることにより、分流洗浄水減速流路の底面積を大きく取れるため、分流洗浄水減速流路の収容水量を増やすことができる。
なお、ここでいう「水平方向長さ」とは、水平面上の長さ(前後方向の長さ、左右方向の長さ)のうち、最も長いものを指す。
一般に、排水ソケットは水洗大便器の底部に設置されているが、高さ方向については分流洗浄水減速流路に流入する分流洗浄水の速度により一意的に定まってしまうため、分流洗浄水減速流路を高さ方向に拡張したとしても、分流洗浄水の十分な確保には寄与しにくい。
つまり、分流洗浄水を十分に確保するためには、分流洗浄水減速流路の底面積を大きくした方がよい。
そして、排水ソケットの側方については、水洗大便器の袴部があるのみで、排水ソケットと水洗大便器の袴部との間の距離は、排水ソケットと水洗大便器のボウル部やトラップ部との間の距離より大きく、排水ソケットの側方はデッドスペースとなっていた。
そこで、上記のように構成された請求項9に係る発明の排水ソケットによれば、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に係る発明が奏する効果に加え、主流路が、管部材により形成され、分流洗浄水減速流路が、主流路を形成する管部材の側方に配置されていることにより、水洗大便器との隙間が比較的大きい主流路の側方空間を活用するため、分流洗浄水減速流路の底面積をより確保することができる。
図1乃至図5に基づいて、本発明の第1実施形態である排水ソケット100について説明する。
まず、図1乃至図3に基づいて、本発明の第1実施形態である排水ソケット100および排水ソケット100を備える水洗大便器の構造について説明する。
図1は本発明の第1実施形態である排水ソケットを備えた水洗大便器の側面断面図であり、図2は本発明の第1実施形態である排水ソケットの一部断面斜視図であり、図3は図1のIII−III断面図である。
なお、排水ソケット100の長手方向を「前後方向」とし、前後方向と鉛直方向とにより形成される平面と直交する方向(すなわち、排水ソケット100の幅方向)を「左右方向」とする。
便器本体Tは、汚物が堆積するボウル部Tbと、ボウル部Tbの底部でボウル部Tbと連通しているトラップ部Ttとを有している。
トラップ部Ttの出口(トラップ出口)Toは、床F(すなわち鉛直下方)に向けて開口している。
図2に示すように、排水ソケット100は、入口側屈曲管部材110、平行管部材120、出口側屈曲管部材130の3部材により構成されている。
そして、入口側屈曲管部材110の入口(すなわち、トラップ出口To)から出口側屈曲管部材130のソケット出口133までを繋ぐ流路を主流路MSとする。
便器本体Tのボウル部Tb内の汚物はこの主流路MSを通る。
なお、本発明における「汚物」とは、例えば、JIS P 4501:2006(トイレットペーパー)に示すシングルペーパー又はそれと同等のトイレットペーパ−90cmを8折りしてほぼ正方形としたものを4枚重ねたものを指す。
入口側屈曲管部材110は、便器本体Tのトラップ出口Toから流入した洗浄水を床Fに設けられた建物配管Pへ排出するために、便器本体Tのトラップ出口Toから流入した洗浄水の向きを鉛直方向から水平方向に偏向する部材である。
そして、入口側屈曲管部材110は、便器本体Tのトラップ出口Toに向けて開口している垂直管路領域111と、垂直管路領域111と直結して鉛直方向の流れを水平方向に偏向する屈曲領域112とから区画されている。
続いて、出口側屈曲管部材130の詳細な構造について説明する。
図3に示すように、出口側屈曲管部材130は平行管部材120との接続される入口部131の中心を通るA−A線に対して、貯水部132が左右対称に形成されている。
また、このソケット出口133の左右方向の中心もA−A線上に配置されている。
排水ソケットの側方については、水洗大便器の袴部があるのみで、排水ソケットと水洗大便器の袴部との間の距離は、排水ソケットと水洗大便器のボウル部やトラップ部との間の距離より大きく、従来はデットスペースとみなされていた。
そこで本実施形態では、このデッドスペースに着目し、出口側屈曲管部材130に貯水部132を設けた。
換言すれば、貯水部132は、水平方向の長さが鉛直方向の長さより長い。
さらに、貯水部132は、自身に貯水された水を排水するために、ソケット出口133(すなわち、前方側)に向けて底面が下り傾斜となっている。
ガイド134は、平面視で概ね楔状であり、前方に向けて先細になっている。
さらに、ガイド134の左右側面は、左右方向に向けて湾曲しつつ、外方に向けて膨出している。
突出部136の左右方向の中心もA−A線上に配置されている。
すなわち、入口部131の左右方向の中心とソケット出口133の左右方向の中心と突出部136の左右方向の中心とは同一直線(A−A線)上に存在している。
次に図1および図4を用いて、本発明の第1実施形態である排水ソケット100における洗浄水の挙動について説明する。
図4は、本発明の第1実施形態である排水ソケット100における洗浄水の流れの様子を示す図である。
なお、排水ソケット100の左右方向の中心線A−Aを中心にして、右側は洗浄水が貯水部133へ流入する際の挙動、左側は洗浄水が貯水部133から流出する際の挙動を示す。
まず、先行洗浄水の挙動について説明する。
図1および図4に示すように、出口側屈曲管部材130の中央(A−A線)付近に流入した洗浄水Wcは、平行管部材120を直進した後、突出部136への衝突により運動方向が反転し、ソケット出口133に向かって落下する。
図4に示すように、洗浄水Woは、コアンダ効果によりガイド134に引き寄せられ、流れの方向がガイド134側に偏向されて貯水部132へ流れる。
洗浄水W1もガイド134により、ガイド134の表面の湾曲に対応して偏向されつつ、ソケット出口133を飛び越えて貯水部132へ流れる。
このとき、ソケット出口133の上を通過する際、重力により一部の洗浄水はソケット出口133へと落下する。
ここで、ガイド134の先端と突出部136の先端とを繋ぐ面が、貯水部132の入口(貯水部入口)132aになる。
続いて、汚物Eを含む洗浄水の挙動について説明する。
図1および図4に示すように、出口側屈曲管部材130の中央(A−A線)付近に流入した汚物Eを含む洗浄水Wcは、突出部136への衝突により運動方向が反転し、ソケット出口133に向かって落下する。
次に、出口側屈曲管部材130の中央(A−A線)付近から最も遠い位置を流れる洗浄水WoおよびA−A線付近を流れる洗浄水Wcとの間を流れる洗浄水W1については、先行洗浄水の挙動と同一であり、一部が分流洗浄水として貯水部132内に貯留水として貯留あるいは滞留される。
続いて、汚物Eより後に流れる背負い水(特に便器本体から供給される背負い水)の挙動について説明する。
出口側屈曲管部材130の中央(A−A線)付近に流入した洗浄水Wc、出口側屈曲管部材130の中央(A−A線)付近から最も遠い位置を流れる洗浄水WoおよびA−A線付近を流れる洗浄水Wcとの間を流れる洗浄水W1、先行洗浄水の挙動と同一であり、一部が分流洗浄水として貯水部132内に貯留水として貯留あるいは滞留される。
便器本体からの背負い水がなくなると、貯水部132に貯留あるいは滞留されていた貯留水が、貯水部132からソケット出口133に向かって流出し始める。
すなわち、貯留水(換言すると、貯水部132に供給された分流洗浄水)が汚物Eを搬送するための背負い水に転換される。
また、ガイド134の先端と突出部136の先端とを繋ぐ面が、貯水部132の入口(貯水部出口)132bになる。
すなわち、隙間135は洗浄水の排出流路として機能する。
ソケット出口133を通過することで、洗浄水をソケット出口133に直接落下する洗浄水と、貯水部132へと流れる分流洗浄水とに分流される。
したがって、ソケット出口133は、分流手段Dとして機能する。
したがって、ガイド134も、分流手段Dとして機能する。
すなわち、図3に示すような、貯水部132を通る流路は分流洗浄水減速流路DSとして機能する。
さらに、分流洗浄水減速流路DSの入口DSi(すなわち、貯水部入口132a)と分流洗浄水減速流路DSの出口(貯水部出口132b)とは同じ開口を利用しており、分流洗浄水減速流路DSの入口DSiの開口面積と分流洗浄水減速流路DSの出口DSoの開口面積とは等しい。
また、分流洗浄水減速流路DSの入口(貯水部入口132a)の開口方向Mは、主流路MSの上流側に向かっている。
さらに、分流洗浄水減速流路DSは、主流路MSの側方に配置されている。
まず、排水ソケットから排出される洗浄水の積算重量値を測定することで、時刻ごとの積算重量値を求める。
続いて、ビデオカメラ等で排水ソケットの出口を観察し、排水ソケットの出口から洗浄水が出始めた時間t0、汚物が排水ソケットの出口から排出され始めた瞬間の時刻t12をそれぞれ計測する。
このように積算重量値と時刻を計測することにより積算流量が求められ、時刻t1における積算流量を「先行洗浄水の体積」とする。
したがって、ソケット出口133に到達した際に、汚物Eの飛距離は洗浄水より短く、汚物Eが洗浄水と共にソケット出口133を跨げずに直接ソケット出口133に落下する場合がある。
この場合、ソケット出口133は汚物Eが貯水部132へ進入することを抑制する汚物進入抑制手段Rとして機能する。
すなわち、突出部136も、汚物Eが貯水部132へ進入することを抑制する汚物進入抑制手段Rとして機能する。
本実施形態において、排水ソケット100は3部材から構成されていたが、排水ソケット100の外形が同じであれば、部材点数を増やしたり(例えば、入口側屈曲管部材110を垂直管部材(垂直管路領域111に相当)とエルボ(屈曲領域112に相当)に分ける)、部材点数を減らしたり(例えば、入口側屈曲管部材110と平行管部材130とを一体成形する)してもよい。
さらに、左右それぞれの貯水部132の外形は、非対称であっても良い。
具体的には、入口側屈曲管部材110の屈曲領域112の後方に開口を設け(この開口を分流洗浄水減速流路DSの入口DSiおよび出口DSoとする)、平行管部材120の側方に貯水部を設けるような構造にしてもよい。
このようにして得られた本発明の第1実施形態である排水ソケット100は、汚物Eの流れる主流路MSと、汚物Eを排出する洗浄水のうち汚物より先行する先行洗浄水の少なくとも一部を分流洗浄水として主流路MSから分流させる分流手段Dと、分流洗浄水が流入する分流洗浄水減速流路DSとを備え、分流洗浄水減速流路DSの出口DSoが主流路MSと連通していることにより、汚物Eより先行する先行洗浄水の少なくとも一部が主流路MSから分流洗浄水として分流された後に、この分流洗浄水が分流洗浄水減速流路DSによって減速され主流路MSに戻ってくるため、先行洗浄水の少なくとも一部を背負い水に転換させて、汚物Eの搬送性能を向上させることができる。
また、分流洗浄水減速流路DSは先行洗浄水を背負い水に転換するための手段であり、分流洗浄水減速流路DSに汚物が進入してしまうと、汚物Eも先行洗浄水と共に減速されてしまうため、先行洗浄水を背負い水に十分に転換できない。
そこで、分流洗浄水減速流路DSへの汚物の進入を抑制する汚物進入抑制手段Rが形成されていることにより、確実に分流洗浄水減速流路DSへの汚物Eの進入が抑制されるため、確実に背負い水の量を増加させることができる。
続いて、図6乃至図8に基づいて、本発明の第2実施形態である排水ソケット200について説明する。
図6は本発明の第2実施形態である排水ソケットの一部断面斜視図であり、図7は本発明の第2実施形態である排水ソケットの要部拡大平面断面図であり、図8は図7のVIII−VIII断面図である。
本発明の第2実施形態である排水ソケット200も、本発明の第1実施形態である排水ソケット100と同じく便器本体Tに接続されている。
そして、図6に示すように、排水ソケット200は、本発明の第1実施形態である排水ソケット100と同じく、入口側屈曲管部材210、平行管部材220、出口側屈曲管部材230の3部材により構成されている。
入口側屈曲管部材210については、本発明の第1実施形態である排水ソケット100と同じ部材を使用するため、詳しい説明を省略する。
出口側屈曲管部材230は、側面視で略L字状の部材であり、後述する平行管部材220から流入した洗浄水の向きを鉛直方向から鉛直下方に偏向する。
図6に示すように、平行管部材220は水平方向に延びる管材であり、入口側屈曲管部材210と、出口側屈曲管部材230の入口部231とを接続している。
従来、排水ソケットの側方には水洗大便器の袴部があるのみで、排水ソケットと水洗大便器の袴部との間の距離は排水ソケットと水洗大便器のボウル部やトラップ部との間の距離より大きく、排水ソケットの側方はデットスペースとみなされていた。
そこで本実施形態では、このデッドスペースに着目し、平行管部材220の側部に貯水部222を設けた。
また、貯水部入口222aには、流路部221と貯水部222とを滑らかに接続する曲面状のガイド面(ガイド)222bが形成されている。
次に図7を用いて、本発明の第2実施形態である排水ソケット200における洗浄水の挙動について説明する。
なお、排水ソケット200は、左右方向の中心線A−Aを中心にして左右対称であるため、片側(右側)のみ流線を示す。
まず、先行洗浄水の挙動について説明する。
水平管部材200の中央(A−A線)付近に流入した洗浄水Wcは、流路部221内を出口側屈曲管部材230に向かって直進する。
図7に示すように、洗浄水Woを流れる洗浄水Wo)は、コアンダ効果によりガイド面(ガイド)222bに引き寄せられ、流れの方向がガイド面222b側に偏向されて貯水部222へ流れる。
洗浄水W1もガイド面222bにより、ガイド面222bの表面の湾曲に対応して偏向されて貯水部222へ流れる。
そして、貯水部222に流入した分流洗浄水は、貯水部222内に貯留水として貯留あるいは滞留される。
続いて、汚物Eを含む洗浄水の挙動について説明する。
水平管部材200の中央(A−A線)付近に流入した汚物Eを含む洗浄水Wcは、出口側屈曲管部材130に向かって直進する。
次に、水平管部材200の中央(A−A線)付近から最も遠い位置を流れる洗浄水WoおよびA−A線付近を流れる洗浄水Wcとの間を流れる洗浄水W1については、先行洗浄水の挙動と同一であり、一部が分流洗浄水として貯水部222内に貯留水として貯留あるいは滞留される。
続いて、汚物Eより後に流れる背負い水(特に便器本体から供給される背負い水)の挙動について説明する。
水平管部材200の中央(A−A線)付近に流入した洗浄水Wc、A−A線付近から最も遠い位置を流れる洗浄水WoおよびA−A線付近を流れる洗浄水Wcとの間を流れる洗浄水W1、先行洗浄水の挙動と同一であり、一部が分流洗浄水として貯水部222内に貯留水として貯留あるいは滞留される。
便器本体からの背負い水がなくなると、貯水部222に貯留あるいは滞留されていた貯留水が、貯水部222から流路部221に向かって流出し始める。
すなわち、貯留水(換言すると、貯水部222に供給された分流洗浄水)が汚物Eを搬送するための背負い水に転換される。
一般に水は自身の粘性により、流路底面との間で速度勾配を有している。
この速度勾配により、水は流れ方向以外の方向にも拡散する性質がある。
そこで、洗浄水の流れ方向(すなわち主流路MS)に対して貯水部入口222aの開口向きを垂直に形成すると、洗浄水が貯水部入口222aに分流洗浄水として分流される。
すなわち、貯水部入口222aは、分流手段Dとして機能する。
すなわち、ガイド面222dも、分流手段Dとして機能する。
すなわち、図7に示すような、貯水部222を通る流路は分流洗浄水減速流路DSとして機能する。
さらに、分流洗浄水減速流路DSの入口DSi(すなわち、貯水部入口222a)と分流洗浄水減速流路DSの出口(貯水部出口222e)とは同じ開口を利用しているが、リブ222dにより分流洗浄水減速流路DSの入口DSiの開口面積が分流洗浄水減速流路DSの出口DSoの開口面積より大きくなっている。
また、分流洗浄水減速流路DSの入口(貯水部入口222a)の開口方向Mは、主流路MSに対して直交している。
さらに、分流洗浄水減速流路DSは、主流路MSの側方に配置されている。
また、分流洗浄水減速流路DSの出口(貯水部出口222e)の開口方向Nは、主流路MSに対して直交している。
そこで、貯水部222を主流路MSの方向と直交する方向に配置することで、貯水部222への汚物の進入が抑制できている。
すなわち、貯水部入口222a自体も汚物Eが貯水部222へ進入することを抑制する汚物進入抑制手段Rとして機能する。
すなわち、リブ222dは、汚物Eが貯水部222へ進入することを抑制する汚物進入抑制手段Rとして機能する。
本実施形態においては、貯水部222が主流路MSに対して左右それぞれに位置されているが、左方もしくは右方の片方のみに配置するものであってもよい。
また、左右それぞれの貯水部222が前後にずれていてもよい。
たとえば、リブの個数、間隔を調整して、分流洗浄水減速流路DSの入口DSiの開口面積と分流洗浄水減速流路DSの出口DSoの開口面積とを等しくしても良い。
このようにして得られた本発明の実施形態である排水ソケット200は、汚物Eの流れる主流路MSと、汚物Eを排出する洗浄水のうち汚物Eより先行する先行洗浄水の少なくとも一部を分流洗浄水として主流路MSから分流させる分流手段Dと、分流洗浄水が流入する分流洗浄水減速流路DSとを備え、分流洗浄水減速流路DSの出口DSoが主流路MSと連通していることにより、汚物Eより先行する先行洗浄水の少なくとも一部が主流路MSから分流洗浄水として分流された後に、この分流洗浄水が分流洗浄水減速流路DSによって減速され主流路MSに戻ってくるため、先行洗浄水の少なくとも一部を背負い水に転換させて、汚物Eの搬送性能を向上させることができる。
また、分流洗浄水減速流路DSは先行洗浄水を背負い水に転換するための手段であり、分流洗浄水減速流路DSに汚物Eが進入してしまうと、汚物Eも先行洗浄水と共に減速されてしまうため、先行洗浄水を背負い水に十分に転換できない。
そこで、分流洗浄水減速流路DSへの汚物Eの進入を抑制する汚物進入抑制手段Rが形成されていることにより、確実に分流洗浄水減速流路DSへの汚物Eの進入が抑制されるため、確実に背負い水の量を増加させることができる。
続いて、図9乃至図12に基づいて、本発明の第3実施形態である排水ソケット300について説明する。
図9は本発明の第3実施形態である排水ソケットの一部断面斜視図であり、図10は本発明の第3実施形態である排水ソケットの側面断面図であり、図11は本発明の第3実施形態である排水ソケットにおける流れの様子を示すであり、図12は図9のXII−XII断面図である。
本発明の第3実施形態である排水ソケット300も、本発明の第1実施形態である排水ソケット100と同じく便器本体Tに接続されている。
そして、図9に示すように、排水ソケット300は、入口側屈曲管部材310と出口側屈曲管部材330の2部材により構成されている。
そして、図10に示すように、入口側屈曲管部材310の入口から出口側屈曲管部材330のソケット出口333までを繋ぐ流路を主流路MSとする。
図9および図10に示すように、入口側屈曲管部材310は側面視で略L字状の管材であり、便器本体Tのトラップ出口Toと出口側屈曲管部材330の入口部331とを接続している。
そして、入口側屈曲管部材310は、便器本体Tのトラップ出口Toに向けて開口している垂直管路領域311と、垂直管路領域311と直結して鉛直方向の流れを水平方向に偏向する屈曲領域312とから区画されている。
貯水部313の貯水部入口313aは、後方側に向かって開口しており、その開口方向Mは主流路MSの上流方向に向かっている。
そして、貯水部入口313aには、垂直管路領域311と貯水部313とを滑らかに接続する曲面状のガイド面(ガイド)313bが形成されている。
また、貯水部313は、自身に貯水された水を排水するために、貯水部入口313a(すなわち、後方側)に向けて底面313cが下り傾斜となっている。
次に図10および図11を用いて、本発明の第3実施形態である排水ソケット300における洗浄水の挙動について説明する。
まず、先行洗浄水の挙動について説明する。
垂直管路領域311の前後方向中央付近に流入した洗浄水Wcは、出口側屈曲管部材330に向かって流れる。
図11に示すように、垂直管路領域311の前後方向中央付近から最も遠い位置(換言すると最もガイド面313bに近い位置)を流れる洗浄水Woは、コアンダ効果によりガイド面313bに引き寄せられ、流れの方向がガイド面313b側に偏向されて貯水部313に流れる。
洗浄水W1もガイド面313bにより、ガイド面313bの表面の湾曲に対応して偏向されて貯水部313に流れる。
そして、貯水部313に流入した分流洗浄水は、貯水部313内に貯留水として貯留あるいは滞留される。
続いて、汚物Eを含む洗浄水の挙動について説明する。
図11に示すように、垂直管路領域311の前後方向中央付近に流入した汚物Eを含む洗浄水Wcは、出口側屈曲管部材330に向かって直進する。
次に、垂直管路領域311の前後方向中央付近から最も遠い位置を流れる洗浄水WoおよびA−A線付近を流れる洗浄水Wcとの間を流れる洗浄水W1については、先行洗浄水の挙動と同一であり、一部が分流洗浄水として貯水部313内に貯留水として貯留あるいは滞留される。
続いて、汚物Eより後に流れる背負い水(特に便器本体から供給される背負い水)の挙動について説明する。
垂直管路領域311の前後方向中央付近に流入した洗浄水Wc、垂直管路領域311の前後方向中央付近から最も遠い位置を流れる洗浄水WoおよびA−A線付近を流れる洗浄水Wcとの間を流れる洗浄水W1、先行洗浄水の挙動と同一であり、一部が分流洗浄水として貯水部313内に貯留水として貯留あるいは滞留される。
便器本体からの背負い水がなくなると、貯水部313に貯留あるいは滞留されていた貯留水が、貯水部313から屈曲領域312に向かって流出し始める。
すなわち、貯留水(換言すると、貯水部313に供給された分流洗浄水)が汚物Eを搬送するための背負い水に転換される。
また、底壁213cの後端部とリブ314の斜面とを繋ぐ面が、貯水部313の出口(貯水部出口)313dになる。
ガイド面313bは洗浄水を偏向させ貯留部313へ導いており、ガイド面313bは分流手段Dとして機能する。
すなわち、図10に示すような、貯水部313を通る流路は分流洗浄水減速流路DSとして機能する。
さらに、分流洗浄水減速流路DSの入口DSi(すなわち、貯水部入口313a)と分流洗浄水減速流路DSの出口(貯水部出口313d)とは同じ開口を利用しており、分流洗浄水減速流路DSの入口DSiの開口面積と分流洗浄水減速流路DSの出口DSoの開口面積とは等しい。
また、分流洗浄水減速流路DSの入口(貯水部入口313a)の開口方向Mは、主流路MSの上流側に向けて開口している。
すなわち、リブ314は、汚物Eが貯水部313へ進入することを抑制する汚物進入抑制手段Rとして機能する。
本実施形態においては、貯水部入口313aと貯水部出口313dとが同一の開口であったが、貯水部出口313dを貯水部313の奥(すなわち、前方側)の底面に配置しても良い。
この際、貯水部出口313dの開口面積は貯水部入口313aの開口面積より小さいことが好ましい。
このようにして得られた本発明の実施形態である排水ソケット300は、汚物Eの流れる主流路MSと、汚物Eを排出する洗浄水のうち汚物Eより先行する先行洗浄水の少なくとも一部を分流洗浄水として主流路MSから分流させる分流手段Dと、分流洗浄水が流入する分流洗浄水減速流路DSとを備え、分流洗浄水減速流路DSの出口DSoが主流路MSと連通していることにより、汚物Eより先行する先行洗浄水の少なくとも一部が主流路MSから分流洗浄水として分流された後に、この分流洗浄水が分流洗浄水減速流路DSによって減速され主流路MSに戻ってくるため、先行洗浄水の少なくとも一部を背負い水に転換させて、汚物Eの搬送性能を向上させることができる。
また、分流洗浄水減速流路DSは先行洗浄水を背負い水に転換するための手段であり、分流洗浄水減速流路DSに汚物Eが進入してしまうと、汚物Eも先行洗浄水と共に減速されてしまうため、先行洗浄水を背負い水に十分に転換できない。
そこで、分流洗浄水減速流路DSへの汚物Eの進入を抑制する汚物進入抑制手段Rが形成されていることにより、確実に分流洗浄水減速流路DSへの汚物Eの進入が抑制されるため、確実に背負い水の量を増加させることができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。
図13に代表的な便器本体の形状と建物配管の位置を示す図を示す。(a)は「床向き排水−壁配管」パターンであり、(b)は「壁向き排水−壁配管」パターンであり、(c)は「壁向き排水−床配管」パターンである。
この場合、排水ソケット400Aは、建物配管Pと連通し、水平方向に延びる水平領域a1と、水平領域a1および鉛直下方に延びる便器本体Tのトラップ出口Toを連通する略L字状の屈曲領域a2とに分割できる。
このような形状の排水ソケットAにおいては、水平領域a1は第2実施形態で説明した貯水部を形成でき、屈曲領域a2は第1実施形態の変形例で説明したような貯水部が形成できる。
このような形状の排水ソケット400Bにおいては、第2実施形態で説明した貯水部を形成できる。
この場合、排水ソケット400Cは、水平方向に開口している便器本体Tのトラップ出口Toと連通した略L字状の第1屈曲領域c1と、この第1屈曲領域c1と鉛直方向で一端が連通し、他端が水平方向に延びる略L字状の第2屈曲領域c2と、この第2屈曲領域と連通し、水平方向に延びる水平領域c3と、この水平領域c3と連通し、鉛直方向に延びる建物配管Pと連通した第3屈曲領域とに分割できる。
このような形状の排水ソケット400Cにおいては、第2屈曲領域c2は第1実施形態の変形例で説明したような貯水部が形成でき、水平領域c3は第2実施形態で説明した貯水部を形成でき、第3屈曲領域c3は第1実施形態で説明したような貯水部が形成できる。
110、 210、 310 ・・・ 入口側屈曲管部材
111、 311 ・・・ 垂直管路領域
112、 312 ・・・ 屈曲領域
313 ・・・ 貯水部
313a ・・・ 貯水部入口
313b ・・・ ガイド面(ガイド)
313c ・・・ 底面
313d ・・・ 貯水部出口
314 ・・・ リブ
120、 220 ・・・ 平行管部材
221 ・・・ 流路部
222 ・・・ 貯水部
222a ・・・ 貯水部入口
222b ・・・ ガイド面(ガイド)
222c ・・・ 底面
222d ・・・ リブ
222e ・・・ 貯水部出口
130、 230、 330 ・・・ 出口側屈曲管部材
131、 231、 331 ・・・ 入口部
132 ・・・ 貯水部
132a ・・・ 貯水部入口
132b ・・・ 貯水部出口
133、 233、 333 ・・・ ソケット出口
134 ・・・ ガイド
135 ・・・ 隙間
136 ・・・ 突出部
FT ・・・ 水洗大便器
T ・・・ 便器本体
Tb ・・・ ボウル部
Tt ・・・ トラップ部
To ・・・ トラップ出口
Ts ・・・ 袴部
P ・・・ 建物配管
MS ・・・ 主流路
DS ・・・ 分流洗浄水減速流路
DSi ・・・ 分流洗浄水減速流路の入口
DSo ・・・ 分流洗浄水減速流路の出口
D ・・・ 分流手段
R ・・・ 汚物進入抑制手段
S ・・・ 減速空間
W ・・・ 洗浄水
E ・・・ 汚物
F ・・・ 床
M、N ・・・ 開口方向
Claims (10)
- 便器本体のトラップ出口と建物配管とを接続して前記便器本体のボウル部内の汚物を排出する排水ソケットであって、
前記汚物の流れる主流路と、
前記汚物を排出する洗浄水のうち前記汚物より先行する先行洗浄水の少なくとも一部を分流洗浄水として前記主流路から分流させる分流手段と、
前記分流洗浄水が流入する分流洗浄水減速流路とを備え、
前記分流洗浄水減速流路への前記汚物の進入を抑制する汚物進入抑制手段が形成され、
前記分流洗浄水減速流路の出口が、前記主流路と連通していることを特徴とする排水ソケット。 - 前記分流洗浄水減速流路の出口の開口面積が、前記分流洗浄水減速流路の入口の開口面積以下であることを特徴とする請求項1に記載の排水ソケット。
- 前記分流洗浄水減速流路が、前記分流洗浄水を内部に貯留することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排水ソケット。
- 前記分流洗浄水減速流路の入口が、前記主流路の上流側に向けて開口していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の排水ソケット。
- 前記分流洗浄水減速流路の入口が、前記先行洗浄水の流れ方向と直交する方向に向けて開口していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の排水ソケット。
- 前記分流手段が、コアンダ効果により前記洗浄水を偏向するガイドであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の排水ソケット。
- 前記分流洗浄水減速流路の体積が、前記先行洗浄水の体積より大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の排水ソケット。
- 前記分流洗浄水減速流路が、水平方向に延在しており、
前記分流洗浄水減速流路の水平方向長さが、前記分流洗浄水減速流路の鉛直方向長さ以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の排水ソケット。 - 前記主流路が、管部材により形成され、
前記分流洗浄水減速流路が、前記主流路を形成する管部材の側方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の排水ソケット。 - 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載された排水ソケットを備えている水洗大便器。
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