JP5435408B2 - 洗い落とし式便器 - Google Patents
洗い落とし式便器Info
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Description
従来から、例えば、特許文献1に示されているように、洗い落とし式便器はサイホン作用を発生せず、リフィールをする必要がないことから節水性に優れることが知られている。
ここで、洗い落とし式便器は、本来的にサイホン作用を発生させず、汚物を負圧で引いて排出する力が生じないので、節水の要請により、洗浄水量を減少させると、洗浄水量の減少により汚物を排出させる力が低下し、それにより、浮遊汚物が便器のボウル部内に残ってしまうといった問題があった。
また、洗い落とし式便器では、ボウル部の下方及び排水トラップ管路の入口の流路径を大きくしているので、浮遊汚物が広がりやすく、また、洗浄水量を減少させると浮遊汚物が排出されずに、便器のボウル部内に残ってしまうという問題もあった。
さらに、トイレットペーパーが大量に使用された場合、洗浄水量が少ないと洗浄性能が十分でないため、排水トラップ管路内に紙詰まりが発生するという問題もあった。
このように構成された洗い落とし式便器においては、汚物受け面の後壁の下端から汚物受け面に直角に下ろした汚物受け面の流路の断面積が、汚物受け面の後壁の下端より垂直方向に下ろした上記排水トラップ管路の入口の断面積より小さく設定されているので、汚物受け面内の溜水中に浮いている浮遊汚物を、溜水の水位下降と同時に、汚物受け面の後壁の下端から汚物受け面に直角に下ろした汚物受け面の流路内に集めてから排水トラップ管路内へ排出することができる。よって、ボウル部にある浮遊汚物を確実に排水トラップ管路内へ排出することができる。
さらに、汚物受け面の後壁の下端から汚物受け面に直角に下ろした汚物受け面の流路の断面積が、排水トラップ管路の入口の断面積より小さく設定されているので、使用者が大量にトイレットペーパー等を流した場合であっても、断面積が小さくなっている汚物受け面の流路部分で詰まらせることができる。これにより、使用者が便器の紙詰まりをボウル部の上面から見て確認することができる。
このように構成された本発明においては、吐水部がボウル部内に旋回流を形成するので、この旋回流により、汚物受け面内の溜水中に浮いている浮遊汚物を、溜水の水位下降と同時に、汚物受け面の中心に集めることができる。これにより、より確実に浮遊汚物を排出することができる。
このように構成された本発明においては、排水トラップ管路の入口から汚物受け面の後壁の下端から汚物受け面に直角に下ろした汚物受け面の流路の間の流路の各断面積が、排水トラップ管路の入口の断面積よりも小さく設定されているので、汚物受け面内の溜水中に浮いている浮遊汚物を、より確実に排水トラップ管路内へ排出することができる。
このように構成された本発明においては、排水トラップ管路の入口から汚物受け面の後壁の下端から汚物受け面に直角に下ろした汚物受け面の流路の間の流路の各断面における便器前方側の曲率半径が、便器後方側の曲率半径より小さく設定されているので、溜水の水位下降と同時に、旋回流が曲率半径が小さな側の流路面に沿って流れるので、溜水中の浮遊汚物を、より確実に集めて排出することができる。
このように構成された本発明においては、汚物受け面の後壁の下端から汚物受け面に直角に下ろした汚物受け面の流路の断面積が、排水トラップ管路内のいかなる流路の断面積より小さく設定されているので、汚物受け面内の溜水中に浮いている浮遊汚物を、溜水の水位下降と同時に、汚物受け面の流路内に集めてから排水トラップ管路内へ排出することができる。よって、ボウル部にある浮遊汚物をより確実に排水トラップ管路内へ排出することができる。さらに、使用者が大量にトイレットペーパー等を流した場合であっても、排水トラップ管路内ではなく、断面積が小さくなっている汚物受け面の流路部分で詰まらせることができる。これにより、使用者が便器の紙詰まりをボウル部の上面から見て確認することができる。
図1は本発明の実施形態による洗い落とし式便器の洗浄水タンクを取り外した状態の便器本体示す平面図であり、図2は本発明の実施形態による洗い落とし式便器を示す縦断面図であり、図3は図2の切断線III−IIIに沿って見た各断面図である。
なお、本実施形態では、洗浄水タンクを備えた洗い落し式便器の例を示しているが、洗浄水タンクを備えず、水道管より直接的に便器に給水するタイプの便器にも、本発明は適用可能である。
汚物受け面10は、この汚物受け面10の底部の便器前方側に形成された前方流路14と、この汚物受け面10の便器後方側に形成された後壁16を備えている。
前方流路14は、排水トラップ管路8の入口底部に向かってなだらかに概ね直線状に傾斜するように形成されている。前方流路14が排水トラップ管路8の入口底部に向かってなだらかに概ね直線状に傾斜するように形成されているので、汚物受け面10の後壁16の下端部18から汚物受け面10の前方流路14に直角に下ろした汚物受け面10の流路の断面IVの断面積が、下端部18から汚物受け面10の前方流路14とを結んでできる流路の断面の断面積の中で最小に形成されている。
前方流路14及び後壁16を含む汚物受け面10は、汚物受け面10の後壁16の下端部18から垂直方向下方に下ろした断面周囲で排水トラップ管路8と接続する。
なお、本実施形態では、ボウル部4の上縁部に位置するリム部12はオーバーハング形状であるが、ボックスリム形状でも、オープンリム形状でも良い。
なお、本実施形態では、第1吐水口20aに加え、ボウル部4の中心下部に第2吐水口20bを形成しているが、第1吐水口20aのみを形成している便器であっても良い。
断面IVから汚物受け面10の後壁16の下端部18より垂直方向に下ろした排水トラップ管路8の入口の流路の断面Vの間の流路の各断面の断面積は、断面IVから断面Vに向けて大きくなっており、断面IVの断面積が最小となっている。
図4乃至図8により、断面IVの断面積は、断面III、断面V、断面VI、断面VII及び断面VIIIのいずれの断面の断面積よりも小さくなっており、排水トラップ管路8内のいかなる流路の断面積より小さく形成されている。
排水トラップ管路8の入口の流路の断面Vから汚物受け面10の流路の断面IVの間の流路の各断面における便器前方側の前方流路14の曲率半径が、便器後方側の曲率半径より小さく設定されている。図4により、汚物受け面10の流路の断面IVは、便器前方側の曲率半径が、便器後方側の曲率半径より小さくなるように形成された楕円形に近い形状に形成されている。
上述した洗い落とし式便器1によれば、洗い落とし式便器1において、汚物受け面10の後壁16の下端部18から汚物受け面10に直角に下ろした汚物受け面10の流路の断面IVの断面積が、汚物受け面10の後壁16の下端部18より垂直方向に下ろした排水トラップ管路8の入口の断面Vの断面積より、小さく設定されているので、汚物受け面10内の溜水中に浮いている浮遊汚物を、溜水の水位下降と同時に、汚物受け面10の後壁16の下端部18から汚物受け面10に直角に下ろした汚物受け面10の流路内に集めてから排水トラップ管路8内へ排出することができる。よって、ボウル部4にある浮遊汚物を確実に排水トラップ管路8内へ排出することができる。
さらに、汚物受け面10の後壁16の下端部18から汚物受け面10に直角に下ろした汚物受け面10の流路の断面IVの断面積が、排水トラップ管路8の入口の断面Vの断面積より小さく設定されているので、使用者が大量にトイレットペーパー等を流した場合であっても、断面積が小さくなっている汚物受け面10の流路部分で詰まらせることができる。これにより、使用者が便器の紙詰まりをボウル部4の上面から見て確認することができる。
2 便器本体
3 洗浄水タンク
4 ボウル部
6 導水路
8 排水トラップ管路
10 汚物受け面
12 リム部
14 前方流路
16 後壁部
18 下端部
20a 第1吐水口
20b 第2吐水口
22 溜水部
III 断面III
IV 断面IV
V 断面V
VI 断面VI
VII 断面VII
VIII 断面VIII
W0 溜水面
Claims (5)
- 洗浄水により便器を洗浄して汚物を排出する洗い落とし式便器であって、
汚物受け面及び上縁部に位置するリム部を備えたボウル部と、
上記リム部に洗浄水を吐水して上記汚物受け面を洗浄する吐水部と、
上記汚物受け面と接続し汚物を排出する排水トラップ管路と、を有し、
上記汚物受け面の後壁の下端から上記汚物受け面に直角に下ろした汚物受け面の流路の断面積が、上記汚物受け面の後壁の下端より垂直方向に下ろした上記排水トラップ管路の入口の断面積より小さく設定されていることを特徴とする洗い落とし式便器。 - 上記吐水部は、上記ボウル部内に旋回流を形成する請求項1記載の洗い落とし式便器。
- 上記排水トラップ管路の入口から上記汚物受け面の後壁の下端から上記汚物受け面に直角に下ろした汚物受け面の流路の間の流路の各断面積が、上記排水トラップ管路の入口の断面積よりも小さく設定されている請求項1又は請求項2に記載の洗い落とし式便器。
- 上記排水トラップ管路の入口から上記汚物受け面の後壁の下端から上記汚物受け面に直角に下ろした汚物受け面の流路の間の流路の各断面における便器前方側の曲率半径が、便器後方側の曲率半径より小さく設定されている請求項2記載の洗い落とし式便器。
- 上記汚物受け面の後壁の下端から上記汚物受け面に直角に下ろした汚物受け面の流路の断面積が、上記排水トラップ管路内のいかなる流路の断面積より小さく設定されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の洗い落とし式便器。
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