JP6126391B2 - 配管構造 - Google Patents
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Description
便器のトラップから排水された固形物を含む洗浄水は、接続ソケットを介して該トラップに接続された縦管、この縦管に接続されたエルボ、エルボに接続され所定の排水勾配で略水平方向へ延びる横引管等を備えた配管群内を流動する。
この際、節水型便器から排水された洗浄水は、前記したように急激に排水されるため、瞬間的にまとまって配管群を通過する。したがって、まとまって排水された洗浄水の流れに乗り切れなかった固形物は、横引管内で十分に搬送されず配管群の上流側に取り残されてしまうことがあるという問題があった。
この配管群による洗浄水の搬送性の向上に関しては、従来より、例えば下記特許文献1に記載の横引管が提案されている。
そして、洗浄水の排水時に、横引管Xにおける空気の通路を十分に確保し洗浄水の搬送性を低下させることなくスムーズに流下できるようになっている。
そこで本発明は、節水型便器のように、まとまった量の水等を瞬間的に排水する設備機器に接続される配管群において、流路を流動する固形物等の搬送性が低下することを防止し得る配管構造を提供することを課題とする。
前記トラップに取り付けられた接続ソケットに接続され、流路が上下方向に形成され、排水および固形物を流下させる縦管と、この縦管の下流側に接続され、前記排水の流路を前記上下方向から水平方向に変更させる曲管と、この曲管に接続される横引管とを備えた配管構造において、前記縦管の内周面には、前記排水を伝わせる凹所又は膨出部を備えていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、縦管を流れる排水を、凹所又は膨出部を伝って縦管の軸線に対し蛇行又は旋回しながら流動する排水と、凹所又は膨出部から離間しこれら凹所又は膨出部により流動方向を変更されることなく縦管の中心側を内周面の流下する排水とに流れを分けることができる。従って、縦管を排水が瞬間的にまとまって流れてきた場合にも、排水のまとまりを分散させ、縦管、曲管及び横引管内を流れる排水の流動時間を引き延ばすことができる。すなわち、排水の瞬間最大流量を低下させるとともに、排水の流動時間を長くすることができる。
このように構成することにより、軸線に対して蛇行する排水を容易に調節することができる。
また、本発明の前記凹所は、前記縦管の周方向及び軸線方向に間隔を空けて複数形成されていてもよい。
このように構成することにより、縦管の内周面を伝って流れる排水を螺旋形状の凹所内に取り込みつつ、軸線を中心に旋回する流れとすることができる。したがって、螺旋のピッチに応じて排水を旋回させることにより、縦管の中心側を流下する排水に対して、縦管の内周面を伝って流れる排水の流下のタイミングを遅らせることができる。
このように構成することにより、縦管の内周面を伝う排水を径方向に膨出した凹所に伝わせて迂回させ、縦管の中心側を流れる排水に対して遅れたタイミングで流下させることができる。
このように構成することにより、縦管の内周面を伝う排水を、軸線を中心に旋回する流れとしつつ、径方向に膨出した凹所内に取り込むことができる。したがって、縦管の内周壁に沿って旋回する排水の流れを更に拡径した凹所内で大きく旋回させることで、中心を流れる排水に対して、大幅に遅れたタイミングで流下させることができる。
このように構成することにより、縦管の内周面を伝って流下する排水を旋回させて、縦管の中心側を流れる排水に対して流下のタイミングを遅らせることができる。また、凸条が複数設けられていることにより、排水の旋回を補正することができる。
この構成により、縦管を流下した排水はより有効に整流され、流動物の搬送能力が高まる。
この構成により、縦管を流下した排水はより有効に整流され、流動物の搬送能力が高まる。
特に、本発明によれば、節水型便器により固形物を洗浄水と共に床下の配管に排水する際に、床下配管の搬送性能の低下を防止することができるという効果を奏する。
図1に示すように、本発明の配管構造1が適用される節水型便器2は、便器本体3と、便器本体3と配管構造1との空間を遮断する封水を溜めるトラップ4とを備えている。そして、節水型便器2は、その使用後に洗浄水(排水)を流して、便器本体3内に存在する固形物等を洗浄水と共に流動させ、トラップ4内を通過させるようになっている。
トラップ4は、谷状に湾曲する谷状ターン部4aと、山状に湾曲する山状ターン部4bとを備えている。
縦管6の内周面6aには、縦管6の軸線Lを中心軸とする螺旋状の凹溝(凹所)10が形成されている。
凹溝10は、縦管6の円筒形状の内周面6aから滑らかに湾曲して凹んでいる。
凹溝10の深さ寸法は、縦管6を流動する固形物が引っ掛かり滞留し難い大きさに形成されている。
凹溝10のピッチは、縦管6の内周面6aを伝って流れる洗浄水が、凹溝10の螺旋形状に沿って流動することができる大きさ、又は、縦管6内に進入する洗浄水が旋回流である場合には、凹溝10に従って旋回することにより、縦管6の中心を流下する水流よりも縦管6内での滞在時間が長くなるように設定されている。
エルボ7において、縦管6から流下する洗浄水の流動方向に略対向して洗浄水を受ける内周面7aは、湾曲面11とされ洗浄水の流路を変更させる流路変更部とされている。
図1に示すように、不図示の洗浄レバー又は洗浄ボタンを操作して、節水型便器2内に洗浄水を流すと、節水型便器2は、少量の洗浄水で確実に便器本体3内を洗浄し固形物等と共に下水道に向けて排水するために、洗浄水を瞬間的にまとめて流す。したがって、洗浄水は、トラップ4内に所定の勢いをもって一気に流れ込み、その水勢によってトラップ4の谷状ターン部4aを通り抜けた後、山状ターン部4bを乗り越える。
なお、凹溝10の終端又は凹溝10を通る螺旋形状の仮想延長線は、洗浄水が湾曲面の上端縁(すなわち、湾曲面が湾曲を開始する位置)近傍へ向かうように構成されていることが好ましい。
凹溝10をこのように形成することにより、洗浄水を図1に示すエルボ7の湾曲面11に沿わせて円滑に横引管8に導くことが可能となる。
図3に示すように、第2の実施形態においては、第1の実施形態における螺旋状の凹溝10に代えて、軸線L周りに環状に連続して形成された凹所12が縦管6の内周面6aに形成されている。
凹所12は、軸線Lを巡るように所定の幅及び深さ寸法で形成され、内周面6aを流下する洗浄水を凹所12に取り込み、凹所12の内壁面12aに従って湾曲して流下させ、縦管6の中心側を流下する洗浄水に対してタイミングを遅らせて流下させるようになっている。
凹所12の上方側の内周面6aに螺旋状の凸条又は凹条18を設けることにより、内周面6aを伝う洗浄水を旋回させ、その遠心力により、より円滑に洗浄水を凹所12内に導き、洗浄水を軸線Lに対して大きく旋回させる。
次に、第3の実施形態について説明する。
図4に示すように、第3の実施形態の配管構造は、第1の実施形態の螺旋状の凹溝10又は第2の実施形態の環状の凹所12に代えて、周方向及び軸線方向に間隔を空けて複数の凹所13,13・・・を縦管6の内周面6aに形成したものである。
凹所13は、所定の幅及び深さ寸法で、軸線L方向に延びる楕円形状に形成されている。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図5に示すように、第4の実施形態の配管構造は、第1から第3の実施形態における螺旋状の凹溝10、環状の凹所12又は複数の凹所13に代えて、螺旋形状に沿って形成された凸条15を軸線L方向に間隔をおいて内周面6aに複数有した構成とされている。
螺旋のピッチは、第1の実施形態の凹溝と同様に形成されている。
また、第1から第4の実施形態で示した配管構造1は、節水型便器2に接続する場合のみならず、他の排水構造を有する洗濯機等の設備機器においても適用することができ、流動物の搬送性を向上させることができる。
次に、本発明の第5の実施形態について図6を用いて説明する。
本実施形態の配管構造は、図6(a)に示すように、上述した第1の実施形態から第4の実施形態の凹所又は膨出部を有する配管構造のエルボ7に蛇行抑制突条20が形成された構成となっている。
蛇行抑制突条20の軸線L方向に直交する断面形状は、流動物が引っ掛かり難い形状となっていれば特に限定されないが、本実施形態においては、三角形に形成されている。また、蛇行抑制突条20は、下流側に向かって漸次突出高さが高くなるように形成されている。
そして上記の構成により、排水が横引管8内をより軸線Lに沿って直線的に流動させて、一層有効に流動物の搬送性を高めることができるという効果が得られる。
この場合、蛇行抑制突条20は、横引管8がエルボ7に接続されて図1に示す床材Tの下方等に設置された状態で、排水を受けて流下させる下側周壁部8A、すなわち横引管8の軸線Lを含む水平な仮想面Mを境にして下方に位置する周壁8Aの内周面8aの略中央に軸線Lに平行に延びるよう設けられるとよい。
このように形成されていても、上記と同様の効果が得られる。
また、蛇行抑制突条20の形状は、排水の流動方向に沿って湾曲した形状とされていてもよい。
6 縦管
6a 内周面
7 エルボ(曲管)
8 横引管
10 凹溝(凹所)
12 凹所
13 凹所
15 凸条
Claims (9)
- 節水型便器の下方に配設される配管構造であって、
前記節水型便器は、便器本体と、該便器本体と前記配管構造との空間を遮断する封水を溜めるトラップと、を備え、前記トラップに取り付けられた接続ソケットに接続され、流路が上下方向に形成され、排水および固形物を流下させる縦管と、この縦管の下流側に接続され、前記排水の流路を前記上下方向から水平方向に変更させる曲管と、この曲管に接続される横引管とを備えた配管構造において、
前記縦管の内周面には、前記排水を伝わせる凹所又は膨出部を備えていることを特徴とする配管構造。 - 前記凹所又は膨出部は、一又は複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配管構造。
- 前記凹所は、前記縦管の周方向及び軸線方向に間隔を空けて複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配管構造。
- 前記凹所は、螺旋形状に沿って形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管構造。
- 前記凹所は、前記内周面を径方向に膨出させて環状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管構造。
- 前記凹所の上流側の内壁面には、螺旋形状に沿って形成された凸条又は凹条が形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の配管構造。
- 節水型便器の下方に配設される配管構造であって、
前記節水型便器は、便器本体と、該便器本体と前記配管構造との空間を遮断する封水を溜めるトラップと、を備え、前記トラップに取り付けられた接続ソケットに接続され、流路が上下方向に形成され、排水および固形物を流下させる縦管と、この縦管の下流側に接続され、前記排水の流路を前記上下方向から水平方向に変更させる曲管と、この曲管に接続される横引管とを備えた配管構造において、
前記排水を下方に導く螺旋状の凸条が前記縦管の軸線方向に間隔を空けて複数形成されていることを特徴とする配管構造。 - 前記縦管を流下する排水を受ける前記曲管の内周面は湾曲面をなす流路変更部とされ、
この流路変更部に、前記曲管の軸線に平行に延び、前記排水が前記軸線に交叉して流下することを抑制する蛇行抑制突条又は蛇行抑制凹所が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の配管構造。 - 前記横引管には、この横引管をこの横引管の軸線を含む水平な仮想面を境にして下方に位置する周壁の内周面に、前記軸線に平行に延び、前記排水が前記軸線に交叉して流下することを抑制する蛇行抑制突条又は蛇行抑制凹所が形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の配管構造。
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