JP2018038851A - 電気かみそり - Google Patents

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Abstract

【課題】内刃が左右方向および前後方向に往復移動する電気かみそりにおいて、内刃の前後方向の駆動を効率よく行うとともに、ひげ切断時の内刃に引き切り作用を発揮させて、ひげの切断をより的確に行う。
【解決手段】往復駆動構造が、モーターの回転動力を左右方向の往復動力に変換する振動子17・18と、振動子17・18を前後方向に往復駆動する前後駆動構造とを含んで構成されている。また、振動子17・18が、偏心カム19で往復駆動される振動枠53と、振動枠53の往復動力を内刃に伝動する駆動軸54と、振動枠53を往復動可能に支持する弾性片55とを備えている。振動枠53に前後駆動構造が設けられている。振動子17・18の振動枠53の上方に固定壁が配置されている。前後駆動構造が、固定壁と振動枠53のいずれか一方に設けられたカム溝125と、他方に設けられてカム溝125と係合するカムピン126とで構成されている。
【選択図】図20

Description

本発明は、外刃と内刃で構成される切断刃を備え、内刃が小刃の列設方向すなわち左右方向と、水平面内で左右方向に直交する方向すなわち前後方向とに往復移動する電気かみそりに関する。
この種の電気かみそりは特許文献1に公知である。この電気かみそりは、モーターの回転運動を内刃の左右方向(往復動方向)の運動に変換する第1の振動変換手段と、左右方向に直交する前後方向の運動に変換する第2の振動変換手段とを備える。第1の振動変換手段は、第1振動基体(振動基体)と、その左右端にヒンジ部を介して繋がる左右一対の弾性片と、各弾性片の下端に形成される鍔部と、一対の鍔部の前端どうしおよび後端どうしを連結する前後一対のフレーム片とを備えており、鍔部およびフレーム片が本体ケースの内壁面に固定されている。第1振動基体の上面には駆動軸(駆動杆)が突設されており、その突端が内刃枠(内刃体ホルダー)に連結されている。第2の振動変換手段は、第2振動基体(振動基体)と、その前後端にヒンジ部を介して繋がる前後一対の弾性片とを備えており、各弾性片の下端が上記フレーム片に連結されている。第2振動基体の上面は、第1振動基体の下面と上下に対向しており、第2振動基体の下面にモーターが固定されている。モーターの出力軸は第2振動基体を貫通し、出力軸の先端に固定した偏心カムが、第1振動基体の下面に設けたカム受孔に嵌合している。
モーターを駆動すると偏心カムが回転し、第1振動基体のカム受孔の内壁面が偏心カムに押圧される。左右方向の押圧力がカム受孔に作用する状態では、第1振動基体が弾性片を変形させながら左右方向に往復運動する。この往復運動は、駆動軸を介して内刃枠に伝動され、これにより内刃が左右方向に往復移動する。一方、前後方向の押圧力がカム受孔に作用する状態では、第1振動基体は前後方向には変位せず、反作用によって第2振動基体およびモーターが前後方向に往復運動する。モーターは比較的重量物であるため、その往復運動により本体ケースの全体が強制的に振動される。かかる本体ケースの振動は内刃へ伝達され、これにより内刃が前後方向に振動する。このように、内刃を左右方向に加えて前後方向に振動させると、皮膚を揺さぶり外刃への毛の導入を促すことができる。また内刃に堆積する毛屑を揺り落とすことができる。
実願昭58−122480号(実開昭59−51567号)のマイクロフィルム
特許文献1の電気かみそりのように、第2振動基体およびモーターの前後方向の往復動力を、本体ケースを介して内刃へ伝動することにより、内刃を前後方向に振動させる形態では、本体ケースを経由する分だけ伝動ロスが大きくなることが避けられなくなる。
本発明の目的は、内刃が左右方向および前後方向に往復移動する電気かみそりにおいて、内刃の前後方向の駆動を効率よく行えるとともに、ひげ切断時の内刃に引き切り作用を発揮させて、ひげの切断をより的確に行える電気かみそりを提供することにある。
本発明に係る電気かみそりは、外刃21および外刃21の内面に沿って摺接する内刃22で構成される切断刃11・12と、モーター15の回転動力を往復動力に変換して内刃22に伝動する往復駆動構造とを備えている。そして、往復駆動構造が、モーター15の回転動力を左右方向の往復動力に変換する振動子17・18と、振動子17・18を前後方向に往復駆動する前後駆動構造とを含んで構成されている。また、振動子17・18が、偏心カム19で往復駆動される振動枠53と、振動枠53の往復動力を内刃22に伝動する駆動軸54と、振動枠53を往復動可能に支持する弾性片55とを備えている。振動枠53に前後駆動構造が設けられている。振動子17・18の振動枠53の上方に固定壁124が配置されている。前後駆動構造が、固定壁124と振動枠53のいずれか一方に設けられたカム溝125と、他方に設けられてカム溝125と係合するカムピン126とで構成されている。なお、本発明において「左右方向」とは、内刃22における小刃の列設方向を意味し、「前後方向」とは、左右方向と水平面内で直交する方向を意味する。
図1に示すように、内刃22の前後方向の移動ストローク幅S2を、内刃22の左右方向の移動ストローク幅S1よりも小さく設定することができる。
内刃22の前後方向の移動ストローク幅S2を、内刃22の左右方向の移動ストローク幅S1の半分以下に設定することができる。
外刃21を、一群の小刃23および刃穴24を有する網刃で構成し、内刃22の前後方向の移動ストローク幅S2を、刃穴24の前後幅Dよりも小さく設定することができる。
図4および図5に示すように振動子17・18が、偏心カム19で往復駆動される振動枠53と、振動枠53の往復動力を内刃22に伝動する駆動軸54と、振動枠53を往復動可能に支持する弾性片55とを備えており、偏心カム19に係合する受動カム67と前後駆動構造とが振動枠53に設けられている形態を採ることができる。
前後駆動構造がリンク体69を動作変換要素にして構成され、リンク体69は、その一端が振動枠53に対して連結軸70を介して相対回動可能に連結され、他端が支点軸71・122を中心にして往復揺動可能に支持される。そして、図7に示すように、リンク体69が振動枠53に同行して左右方向へ往復移動するときの、振動枠53の左右方向の往復軌跡と、支点軸71・122まわりのリンク体69の揺動軌跡との軌跡差で、振動枠53を前後方向へ往復移動させることができる。
振動枠53の上面に設けた連結軸70にリンク体69を連結し、リンク体69より下方に受動カム67を配置することができる。
それぞれ外刃21と内刃22で構成される第1切断刃11および第2切断刃12と、各切断刃11・12の内刃22を駆動する第1振動子17および第2振動子18とを備えており、第1振動子17と第2振動子18が、前後駆動構造で前後逆向きに往復駆動される形態を採ることができる。
図7に示すように偏心カム19は、第1振動子17の受動カム67に係合する第1偏心軸50と、第2振動子18の受動カム67に係合する第2偏心軸51とを備えている。第1偏心軸50と第2偏心軸51の位相位置を180度異ならせて、第1振動子17と第2振動子18の振動枠53を互いに逆向きに往復移動させる。そして、各振動子17・18の振動枠53どうしが、連結軸70を介してリンク体69で連結されて、各連結軸70が可動支点軸71として機能する形態を採ることができる。
図20および図21に示すように、振動子17・18の振動枠53の上方に固定壁124を配置し、前後駆動構造を、固定壁124と振動枠53のいずれか一方に設けられたカム溝125と、他方に設けられてカム溝125と係合するカムピン126とで構成することができる。
図22に示すように、振動子17・18の振動枠53の前方または後方に固定壁128を設け、前後駆動構造を、固定壁128と振動枠53のいずれか一方に設けられたカム面129と、他方に設けられてカム面129に常に当接するカム突起130とで構成することができる。
図23および図24に示すように、前後駆動構造を、モーター15の回転動力を前後方向の往復動力に変換する補助振動子133と、補助振動子133と振動枠53を前後方向へ同行移動可能に連結する伝動部134とで構成することができる。
図25に示すように振動子17・18は、偏心カム19で往復駆動される振動枠53と、振動枠53の往復動力を内刃22に伝動する駆動軸54と、振動枠53を往復動可能に支持する弾性片55とを備えている。そして、平面視における振動枠53の往復駆動方向を、内刃22の左右方向の中心軸線Lに対して前後に傾斜させて、振動子17・18が前後駆動構造を兼ねるものとすることができる。
図8に示すように内刃22は、刃本体29と、刃本体29が固定される内刃枠30とを備えている。内刃枠30と駆動軸54との間に、振動子17・18の左右方向および前後方向の往復動力を内刃22に伝動する伝動構造が設けられている伝動形態を採ることができる。
駆動軸54の上端部に、上向きに伸びる左右一対の保持腕65を設ける。内刃枠30は、一対の保持腕65の間に係合される受動片74と、一対の保持腕65を前後から挟持する受動壁75とを備えている。伝動構造は、一対の保持腕65と受動片74および受動壁75とによって構成する。各保持腕65の先端に、一対の保持腕65の間から受動片74が抜け出すのを規制するための規制片76を突設する。内刃枠30の下側に中立枠79を配置し、一対の保持腕65の間に、中立枠79を上下フロート可能に支持する内刃ばね80を配置する。中立枠79は、一対の保持腕65を囲む枠部81と、内刃枠30の受動片74を押し上げ付勢する押上部82とを一体に備えている。そして、枠部81が内刃枠30の下面を左右両側から支持して、内刃枠30を水平姿勢に保持する形態を採ることができる。
駆動軸54に、中立枠79を上下方向にスライド案内する左右一対のガイド片87を設けることができる。
中立枠79の枠部81に突設したスライド突起88を、ガイド片87で上下スライド可能に案内支持することができる。
駆動軸54の保持腕65に連結される内刃22を含む切断刃11・12に隣接して、外刃31および内刃32で構成される従切断刃13・14を設ける。図9および図10に示すように、駆動軸54に駆動ピース66を固定する。そして、駆動ピース66が、従切断刃13・14の内刃32に係合する駆動片86と、中立枠79用のガイド片87とを一体に備えている形態を採ることができる。
図4に示すようにかみそりヘッド2は、切断刃11・12および振動子17・18が組み付けられるヘッドケース10を備えている。ヘッドケース10の内部に、振動子17・18を収容する振動子室35と、振動子室35の上側に位置する毛屑室63とを形成する。振動子17・18は、毛屑室63へ向かって上向きに突出する駆動軸54を備えている。毛屑室63内に位置する駆動軸54の出力軸部64を、内刃22と連結する。図12に示すように、ヘッドケース10の前壁または後壁に、毛屑室63に通じる通水開口99を形成する。通水開口99を、ヘッドケース10で上下にスライド自在に支持したシャッター101で覆う。そして、通水開口99の左右幅W1を出力軸部64の左右幅W2よりも大きく設定して、駆動軸54の出力軸部64を通水開口99の開口領域と正対する状態で配置することができる。
振動子室35から毛屑室63へ通じる開口57と駆動軸54との間を、振動子パッキン59で水密状にシールし、通水開口99の左右幅W1を振動子パッキン59の左右幅W3よりも大きく設定することができる。
通水開口99およびシャッター101を、かみそりヘッド2の中心軸を対称軸にして左右対称に形成し、シャッター101をスライド操作するための操作部102を、シャッター101の外面の左右中央に配置することができる。
シャッター101を、通水開口99を閉鎖する上端の閉鎖位置と、通水開口99を開放する下端の開放位置との間で、ヘッドケース10で上下スライド可能に案内支持し、シャッター101とヘッドケース10との間に、シャッター101を閉鎖位置へ向かって移動付勢するシャッターばね105を設けることができる。
図14および図15に示すようにシャッターばね105を、同ばね105の思案点より上側で上向きの付勢力を発揮し、同ばね105の思案点より下側で下向きの付勢力を発揮する、思案点を備えたばね体で構成することができる。
図13に示すようにシャッターばね105を、自由状態において湾曲しているばね腕106と、ばね腕106の両端に設けた固定連結部107および可動連結部108とを一体に備える樹脂成形品とし、固定連結部107をヘッドケース10に、可動連結部108をシャッター101に、それぞれ相対回動可能に連結することができる。
かみそりヘッド2を、グリップを兼ねる本体ケース1で上下動可能に支持して、かみそりヘッド2と本体ケース1の間に配置したフロートばね42で押し上げ付勢することができる。
シャッター101に対するシャッターばね105の上向きの付勢力を、かみそりヘッド2に対するフロートばね42の上向きの付勢力よりも小さく設定することができる。
図18に示すように、シャッター101の閉じ端側の端面と、該端面に対向する通水開口99の開口縁とに、毛屑室63へ向かって傾斜するガイド面115・116を形成することができる。
ヘッドケース10は、外刃21を支持する外刃ホルダー37と、外刃ホルダー37が着脱自在に装着されるヘッドフレーム36とを含み、外刃ホルダー37とヘッドフレーム36とで囲まれる空間が毛屑室63になっている。そして、図12に示すように、通水開口99およびシャッター101を外刃ホルダー37に設けることができる。
本発明では、往復駆動構造を、モーター15の回転動力を左右方向の往復動力に変換する振動子17・18と、振動子17・18を前後方向に往復駆動する前後駆動構造を含んで構成した。これによれば、振動子17・18の左右方向および前後方向の往復動力を、内刃22へ直接的に伝動することができるので、従来のこの種の電気かみそりに比べて、内刃22の前後方向の駆動を効率よく行える。また本発明では、モーター15の回転動力を振動子17・18で往復動力に変換し、さらに前後駆動構造で振動子17・18を前後に往復駆動するので、モーターを振動子と一体に往復移動させてケース全体を前後方向へ振動させる従来の電気かみそりに比べて、振動子17・18から電気かみそりのグリップに伝わる振動を小さくすることができる。従って、グリップからユーザーの手に伝わる振動を小さくして、電気かみそりをユーザーの思い通りに操作することができる。さらに本発明では、内刃22を外刃21に対して左右方向と前後方向へ同時に往復移動させるので、内刃22に良好な引き切り作用を発揮させて、両刃21・22の間に挟んだ毛をより的確に切断することができる。さらに、振動枠53の前後駆動構造を、振動枠53とその上方の固定壁124とのいずれか一方に設けられたカム溝125と、他方に設けられたカムピン126とで構成すると、前後駆動構造の構成部品点数を減らして、これを簡素化することができる。また、振動枠53はカム溝125に沿って往復移動するので、意図する移動軌跡の通りにカム溝125を形成するだけで、振動枠53を意図する移動軌跡に沿って往復移動させることができる。
内刃22の前後方向の移動ストローク幅S2を、内刃22の左右方向の移動ストローク幅S1よりも小さく設定すると、内刃22の移動ストロークの前後端において内刃22が外刃21に圧接することに起因する外刃21の磨耗を低減することができ、さらに、内刃22や振動子17・18がその前後の構造体に対して干渉することを防止できる。
内刃22の前後方向の移動ストローク幅S2を、内刃22の左右方向の移動ストローク幅S1の半分以下に設定すると、内刃22の圧接に起因する外刃21の磨耗をより低減することができ、また、内刃22や振動子17・18がその前後の構造に対して干渉することをより防止できる。
内刃22の前後方向の移動ストローク幅S2を、外刃21の刃穴24の前後幅Dよりも小さく設定すると、内刃22が外刃21に圧接することに起因する、小刃23の縁部の磨耗をより低減することができる。
振動枠53、駆動軸54、および弾性片55を備えた振動子17・18において、振動枠53に受動カム67と前後駆動構造を設けると、振動枠53の左右方向の往復動作を利用して、前後駆動構造が振動枠53を前後方向に往復駆動することができる。従って、振動枠53を左右方向と前後方向へ効率よく往復駆動して、動作変換時の動力ロスを小さくできる。また、振動枠53の左右方向の往復動作を利用して、振動枠53を前後駆動構造で前後方向に往復駆動するので、前後駆動構造の構造を簡素化できる。
リンク体69の一端を振動枠53に対して相対回動可能に連結し、リンク体69の他端を支点軸71・122を中心にして往復揺動可能に支持し、このリンク体69を動作変換要素にして前後駆動構造を構成すると、前後駆動構造を簡素化および静音化することができる。
振動枠53の上面に設けた連結軸70にリンク体69を連結し、リンク体69より下方に受動カム67を配置すると、連結軸70にリンク体69を組み付ける際に、受動カム67と係合する偏心カム19が邪魔になるのを解消して、リンク体69の組み付けを容易化することができる。
第1および第2の振動子17・18を前後方向において逆向きに往復移動させると、振動子17・18からその周囲の構造体に伝わる前後方向の振動を互いに打ち消すことができるので、振動に伴う騒音の発生を抑止して静音化できる。また、両振動子17・18を前後逆向きに往復移動させると、両切断刃11・12の内刃22を前後逆向きに往復移動させて、内刃22を外刃21の内面に強く圧接させて、外刃21を肌面に確りと押し当てることができる。これにより、肌面を伸ばして毛を起立させ、外刃21の刃穴24に毛を導入し易くして、毛を効率よく切断することができる。
各振動子17・18の振動枠53どうしをリンク体69で連結し、このリンク体69によって両振動子17・18の前後駆動構造を構成すると、両振動子17・18の前後駆動構造を個別に設ける場合に比べて部品点数を減らして、前後駆動構造を簡素化することができる。また、第1振動子17と第2振動子18の振動枠53を互いに逆向きに往復移動させると、振動子17・18からその周囲の構造体に伝わる左右方向の振動を互いに打ち消すことができるので、振動に伴う騒音の発生を抑止して静音化できる。
振動枠53の前後駆動構造を、振動枠53とその上方の固定壁124とのいずれか一方に設けられたカム溝125と、他方に設けられたカムピン126とで構成すると、前後駆動構造の構成部品点数を減らして、これを簡素化することができる。また、振動枠53はカム溝125に沿って往復移動するので、意図する移動軌跡の通りにカム溝125を形成するだけで、振動枠53を意図する移動軌跡に沿って往復移動させることができる。
振動枠53の前後駆動構造を、振動枠53とその前方または後方の固定壁128とのいずれか一方に設けられたカム面129と、他方に設けられたカム突起130とで構成すると、前後駆動構造の構成部品点数を減らして、これを簡素化することができる。
振動枠53の前後駆動構造を、モーター15の回転動力を前後方向の往復動力に変換する補助振動子133と、補助振動子133と振動枠53を前後方向へ同行移動可能に連結する伝動部134とで構成すると、前後駆動構造の一部を壁面に設ける場合に比べて、電気かみそりの外壁の振動を低減することができる。
振動枠53、駆動軸54、および弾性片55などで振動子17・18を構成し、平面視における振動枠53の往復駆動方向を、内刃22の左右方向の中心軸線Lに対して前後に傾斜させると、振動子17・18を前後駆動構造として機能させることができる。このように、振動子17・18が前後駆動構造を兼ねる電気かみそりによれば、振動子が左右方向にのみ往復移動する通常の電気かみそりと同一の部品点数によって、振動子17・18を左右方向および前後方向に往復振動させることができる。従って、内刃22が左右方向および前後方向に往復移動する電気かみそりを安価に提供することができる。
内刃枠30と駆動軸54との間に、振動子17・18の左右方向および前後方向の往復動力を内刃22に伝動する伝動構造を設けると、左右前後方向の往復動力を振動子17・18から内刃22へダイレクトに伝動して、伝動ロスを小さくすることができる。
振動子17・18と内刃22の間の伝動構造を、駆動軸54に設けた左右一対の保持腕65と、内刃枠30に設けた受動片74および受動壁75とで構成すると、振動子17・18と内刃22を直接接触させて往復動力をダイレクトに伝動できるので、伝動ロスを小さくすることができる。また、内刃枠30の下側に中立枠79を配置し、この中立枠79の枠部81で内刃枠30の下面を左右両側から支持して、内刃枠30を水平姿勢に保持すると、内刃22が外刃21と共に左右傾動した場合に、内刃22および外刃21を水平姿勢に復帰させて、両刃21・22の良好な密着状態を保持できるので、常に的確に両刃21・22で毛を切断することができる。
駆動軸54に設けた左右一対のガイド片87で中立枠79を上下方向にスライド案内すると、内刃枠30の左右傾動時などに、中立枠79が内刃枠30に対して左右方向に大きく変位するのをガイド片87で規制して、内刃枠30に対する中立枠79の左右方向位置を常に適正化することができる。これにより、中立枠79に作用する内刃ばね80の上向きの付勢力を内刃枠30に常に適正に作用させて、内刃22と外刃21の良好な密着状態を保持することができる。
中立枠79の枠部81に突設したスライド突起88を、ガイド片87で上下スライド可能に案内支持すると、中立枠79とガイド片87との接触面積を小さくして両者79・87間の摩擦を小さくすることができ、従って、中立枠79をガイド片87に対してスムーズにスライドさせることができる。
駆動軸54に固定した駆動ピース66が、従切断刃13・14の内刃32に係合する駆動片86と、中立枠79用のガイド片87とを一体に備えていると、駆動片86とガイド片87を独立部品とする場合に比べて部品点数を減らして、電気かみそりの構造を簡素化することができる。
ヘッドケース10の前壁または後壁に、毛屑室63に通じる通水開口99を形成し、通水開口99の左右幅W1を駆動軸54の出力軸部64の左右幅W2よりも大きく設定し、出力軸部64を通水開口99の開口領域内に配置する。これによれば、出力軸部64に対して十分な量の洗浄水を供給して、出力軸部64に付着した毛屑や皮脂などの汚れを効果的に除去することができる。また、振動子17・18を左右方向および前後方向に往復移動できるので、振動子17・18を往復移動しながら出力軸部64に洗浄水を供給することで、出力軸部64の汚れをより効果的に除去することができる。さらに、出力軸部64よりも左右幅広に形成した通水開口99によれば、毛屑室63の全体に大量の洗浄水を供給して、毛屑室63の壁面などの汚れを効果的に除去することができる。
通水開口99の左右幅W1を振動子パッキン59の左右幅W3よりも大きく設定すると、振動子パッキン59に対して十分な量の洗浄水を供給して、振動子パッキン59に付着した毛屑や皮脂などの汚れを効果的に除去することができる。また振動子パッキン59は、振動子17・18と共に左右方向および前後方向に往復移動するので、振動子17・18を往復移動しながら振動子パッキン59に洗浄水を供給することで、振動子パッキン59の汚れをより効果的に除去することができる。
通水開口99およびシャッター101を左右対称に形成し、シャッター101の外面の左右中央に操作部102を配置すると、シャッター101をスライド操作する力が左右のいずれか一方に偏ることを解消して、シャッター101を円滑にスライド開閉することができる。
シャッター101を閉鎖位置へ向かって移動付勢するシャッターばね105を設けると、閉鎖位置においてシャッター101を位置保持して、通水開口99の不用意な開放を防止することができる。従って、ひげ剃り時に毛屑室63内の毛屑が通水開口99から食み出るのを確実に防止することができる。
シャッターばね105を、同ばね105の思案点より上側で上向きの付勢力を発揮し、同ばね105の思案点より下側で下向きの付勢力を発揮する、思案点を備えたばね体で構成すると、シャッター101の閉鎖方向および開放方向へのスライド操作を共にシャッターばね105で補助して、シャッター101を円滑にスライド開閉することができる。また、このシャッターばね105によれば、閉鎖位置と開放位置の両位置において、シャッター101を位置保持することができる。開放位置においてシャッター101を位置保持すると、通水開口99から毛屑室63へ洗浄水を供給する際に、シャッター101を手指などで開放位置に保持する手間を解消して、毛屑室63の洗浄作業の効率を向上することができる。
シャッターばね105を、ばね腕106および一対の連結部107・108を一体に備える樹脂成形品とすると、シャッターばね105を安価に製造するとともに、これをシャッター101およびヘッドケース10に対して簡便に組み付けることができる。
グリップを兼ねる本体ケース1でかみそりヘッド2を上下動可能に支持し、フロートばね42で押し上げ付勢すると、かみそりヘッド2の振動をフロートばね42で吸収して、その振動を本体ケース1に対して伝わり難くすることができる。従って、本体ケース1を握るユーザーの手に伝わる振動を小さくして、電気かみそりをユーザーの思い通りに操作することができる。また、かみそりヘッド2を本体ケース1で上下動可能に支持すると、切断刃11・12が肌面に強く圧接することを防止して、肌面の負担を軽減することができる。
シャッター101に対するシャッターばね105の上向きの付勢力を、かみそりヘッド2に対するフロートばね42の上向きの付勢力よりも小さく設定すると、シャッター101を開放操作する際に、シャッター101に加える下向きの力によってかみそりヘッド2が本体ケース1に対してふらつくのを防止して、シャッター101だけを的確にスライド操作することができる。
シャッター101の閉じ端側の端面と、該端面に対向する通水開口99の開口縁とに、毛屑室63へ向かって傾斜するガイド面115・116を形成すると、これらガイド面115・116によって洗浄水を毛屑室63へスムーズに案内して、毛屑室63を的確に洗浄することができる。
通水開口99およびシャッター101を外刃ホルダー37に設けると、外刃ホルダー37をヘッドフレーム36から分離した状態で、通水開口99の開口縁やシャッター101の清掃を簡便に行うことができる。
第1実施形態に係る電気かみそりの内刃の動作を示す平面図である。 電気かみそりの正面図である。 かみそりヘッドの縦断正面図である。 かみそりヘッドの縦断側面図である。 振動子室の内部構造の分解斜視図である。 振動子室の内部構造を示す横断平面図である。 振動子の動作を示す平面図である。 内刃と駆動軸の連結構造を示す縦断正面図である。 図8におけるA−A線断面図である。 図8におけるB−B線断面図である。 内刃が駆動軸に対して傾動した状態を示す縦断正面図である。 外刃ホルダーおよび内刃を分離したかみそりヘッドの正面図である。 外刃と外刃ホルダーの連結構造を示す縦断正面図である。 外刃と外刃ホルダーの連結構造を示す横断平面図である。 外刃ホルダーの要部の分解斜視図である。 閉鎖位置におけるシャッターの正面図である。 開放位置におけるシャッターの正面図である。 洗浄水による毛屑室の洗浄形態を示す断面図である。 第2実施形態に係る振動子室の内部構造を示す横断平面図である。 第3実施形態に係る振動子室の内部構造を示す横断平面図である。 第3実施形態に係る振動子室の内部構造を示す縦断正面図である。 第4実施形態に係る振動子室の内部構造を示す横断平面図である。 第5実施形態に係る振動子室の内部構造を示す縦断側面図である。 図23におけるC−C線断面図である。 第6実施形態に係る振動子室の内部構造を示す横断平面図である。
(第1実施形態) 図1ないし図18は、電気かみそりの第1実施形態を示す。本実施形態における前後、左右、上下とは、図1および図2に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。また、後述するメイン刃(切断刃)11・12の内刃22における小刃27の列設方向を左右方向と規定し、水平面内で左右方向に直交する方向を前後方向と規定し、左右方向および前後方向に直交する方向を上下方向と規定する。
図2において電気かみそりは、グリップを兼ねる本体ケース1と、本体ケース1に対して上下動可能かつ左右傾動可能に支持されるかみそりヘッド2と、本体ケース1に組み付けられる電装品ユニットなどで構成される。本体ケース1の前面にはスイッチパネル3が設けてあり、その上下に、電気かみそりの運転状態を切り換えるスイッチノブ4と、電気かみそりの運転状態を表示する表示部5とが設けてある。電装品ユニットは、本体ケース1に収容される内部ケース6(図3参照)に、2次電池7や回路基板(不図示)などを組み込んで構成してあり、回路基板には、先のスイッチノブ4で切り換え操作されるスイッチ、制御回路を構成する電子部品、および、表示部5の光源となるLEDなどが実装してある。なお、本体ケース1に対してかみそりヘッド2を、左右方向に加えて前後方向に傾動可能に構成することもできる。
図3および図4に示すようにかみそりヘッド2は、ヘッドケース10と、ヘッドケース10に対して組み付けられる2個の仕上げ剃り用のメイン刃(切断刃)11・12と、2個の粗剃り用のサブ刃(従切断刃)13・14と、モーター15と、モーターホルダー16、前後一対の振動子17・18、および偏心カム19などで構成される。メイン刃11・12とサブ刃13・14は、第1メイン刃(第1切断刃)11、第1サブ刃13、第2メイン刃(第2切断刃)12、および第2サブ刃14の順で、かみそりヘッド2の上部に前側から後側へ向かって配置してある。
図1および図3に示すように各メイン刃11・12は、外刃21と、外刃21の内面に摺接する内刃22とで構成されて、主に短毛を仕上げ切断する。外刃21は、一群の小刃23および刃穴24を有する網刃からなる刃本体25と、刃本体25が逆U字状に湾曲した状態で固定される外刃枠26とで構成してある。内刃22は、小刃27と刃穴28が左右方向に交互に設けられたスリット刃構造の刃本体29と、刃本体29が逆U字状に湾曲した状態で固定される内刃枠30とで構成してある。各サブ刃13・14は、共にスリット刃からなる外刃31と内刃32で構成されて、主に長毛やくせ髭を切断する。
図3および図4に示すようにヘッドケース10は、振動子17・18を収容する振動子室35を区画するヘッドフレーム36と、ヘッドフレーム36に対して着脱自在に装着される外刃ホルダー37とを備えている。ヘッドフレーム36の左右には、外刃ホルダー37を装着状態にロック保持するロック具38と、ロック具38をロック付勢するロックばね39とが設けてある。左右のロック具38をロックばね39の付勢力に抗して押し込み操作すると、ロック具38と外刃ホルダー37との係合が解除されるので、外刃ホルダー37をヘッドフレーム36から取り外すことができる。メイン刃11・12の外刃21は、外刃ホルダー37に対して上下フロート自在に組み付けてある(詳細は後述する)。各サブ刃13・14の外刃31および内刃32も、外刃ホルダー37に対して上下フロート自在に組み付けてある。
ヘッドフレーム36の下側には、モーター15およびモーターホルダー16が固定してある。モーターホルダー16に臨む本体ケース1の内面壁にはシール枠40が固定してあり、モーター15の出力軸15aの周囲からシール枠40にわたって、モーター15および電装品ユニット側に異物が入り込むのを防ぐためのパッキン41が設けてある。パッキン41の上縁は、ヘッドフレーム36とモーターホルダー16とで上下に挟持固定してあり、パッキン41の下縁は、シール枠40と本体ケース1の内面壁とで内外に挟持固定してある。
モーターホルダー16の下面と内ケース6の上面との間には、かみそりヘッド2の全体を押し上げ付勢するフロートばね42が配置してある。モーターホルダー16には、シール枠40の内面壁によって上下にスライド案内されるガイド壁43が一体に設けてあり、ガイド壁43の下端には、本体ケース1に対するかみそりヘッド2の浮上限界を規定する爪部44が形成してある。常態においてかみそりヘッド2は、爪部44がシール枠40の下面で受け止められる浮上状態になる。またかみそりヘッド2は、下方向の押圧力を受けると、フロートばね42の付勢力に抗して沈下する。かみそりヘッド2に傾動モーメントが作用すると、ガイド壁43の左右一側がシール枠40に対して下動して、かみそりヘッド2の全体が本体ケース1に対して左右傾動する。かみそりヘッド2を本体ケース1に対して上下動可能に支持すると、各刃11〜14が肌面に強く圧接することを防止して、肌面の負担を軽減することができる。また、フロートばね42によれば、かみそりヘッド2の振動を吸収して、その振動を本体ケース1に対して伝わり難くすることができる。従って、本体ケース1を握るユーザーの手に伝わる振動を小さくして、電気かみそりをユーザーの思い通りに操作することができる。
ヘッドフレーム36は、上面が開口する四角箱状のケース体47と、ケース体47の上面および周面上部を覆う状態でケース体47に締結固定されるカバー体48とを備えている。ケース体47およびカバー体48で囲まれる振動子室35には、モーター15の出力軸15aに固定される偏心カム19と、偏心カム19を間にして配置される前後一対の振動子17・18とが収容してある。偏心カム19は、位相位置が180度異なる上下一対の偏心軸50・51を備えている。
図3ないし図5に示すように各振動子17・18は、門形の振動枠53と、振動枠53の上面中央から上向きに突設される駆動軸54と、振動枠53の左右両端から連出される左右一対の弾性片55などを一体に備えたプラスチック成形品からなる。各弾性片55の連出端には、ヘッドフレーム36に固定される固定部56が設けてある。固定部56は、ケース体47の上面とカバー体48の上壁との間に挟持してあり、この状態でケース体47、固定部56およびカバー体48の三者が締結固定してある。カバー体48の上壁中央には、両振動子17・18の駆動軸54を上方へ突出させるための開口57が形成してある。この開口57と、各駆動軸54の基部寄りの部分との間が、振動子パッキン59で水密状にシールしてある。振動子パッキン59は、振動子室35の内部に毛屑や洗浄水などが入り込むのを防止する。
ヘッドフレーム36の上面と外刃ホルダー37とで囲まれる空間が毛屑室63になっており、この毛屑室63には、駆動軸54の上端部を構成する出力軸部64が配置される。出力軸部64の上端には、上向きに伸びる左右一対の保持腕65が設けられて、メイン刃11・12の内刃22と連結される(連結構造の詳細は後述する)。また出力軸部64には、サブ刃13・14の内刃32に往復動力を伝動するための駆動ピース66が固定される。つまり、振動子17・18の駆動軸54の往復動力は、保持腕65を介してメイン刃11・12の内刃22へ伝動され、さらに駆動ピース66を介してサブ刃13・14の内刃32に伝動される。具体的には、前側の第1振動子17の往復動力が、第1メイン刃11および第1サブ刃13の内刃22・32に伝動され、後側の第2振動子18の往復動力が、第2メイン刃12および第2サブ刃14の内刃22・32に伝動される。なお、駆動ピース66の詳細についても後述する。
図5に示すように振動枠53は、偏心カム19から駆動力を受けるための受動カム67を一体に備えており、受動カム67は、一方の振動子17・18の振動枠53から、他方の振動子18・17の振動枠53へ向かって水平に張出し形成してある。両受動カム67は上下に対向しており、それぞれが偏心カム19の偏心軸50・51と係合するカム溝68を備えている。各カム溝68は、前後方向に伸びるスリット状に形成してある。本実施形態では、第1振動子17のカム溝68と上側の第1偏心軸50とが係合し、第2振動子18のカム溝68と下側の第2偏心軸51とが係合するようにした。偏心カム19に設けた偏心軸50・51と、振動枠53に設けた受動カム67とによって、モーター15の回転動力を振動子17・18の左右方向の往復動力に変換することができる。
また、振動子室35には、左右方向に移動する振動枠53を前後方向に変位させて、振動子17・18を前後方向に往復駆動する前後駆動構造が収容される。図5および図6に示すように前後駆動構造は、両振動子17・18の振動枠53どうしを連結する左右一対のリンク体69と、リンク体69の両端部を軸支する上下方向の連結軸70とで構成される。詳しくは、両振動枠53の上面の左右両側に連結軸70が突設してあり、左側の連結軸70どうし、および右側の連結軸70どうしが、それぞれリンク体69で連結してある。各リンク体69はその両端において、連結軸70を中心として水平面内で回動自在であって、振動枠53に対して相対回動できる。振動枠53の上面に設けた連結軸70にリンク体69を連結し、リンク体69の下方に受動カム67を配置すると、連結軸70にリンク体69を組み付ける際に、受動カム67と係合する偏心カム19が邪魔になるのを解消して、リンク体69の組み付けを容易化することができる。なお、前後駆動構造の変形例として、リンク体69に連結軸70を一体に設け、連結軸70を軸支する軸受穴を振動枠53に設けることができる。
偏心カム19がモーター15で回転駆動されると、両振動子17・18の振動枠53が、左右方向成分および前後方向成分を含む移動軌跡を描くように往復移動する。その詳細を図7を用いて説明する。図7(a)に示すように第1偏心軸50が、同軸50の回転軌跡における右端に位置する状態では、同軸50と係合する第1振動子17の振動枠53が、振動枠53の移動軌跡における右端に位置する。またこのとき、第2偏心軸51は同軸51の回転軌跡における左端に位置して、第2偏心軸51と係合する第2振動子18の振動枠53は、振動枠53の移動軌跡における左端に位置する。一対のリンク体69は、前後方向に対して水平面内で傾斜した状態となり、振動枠53どうしが前後方向に最も接近する。つまり、第1振動子17の振動枠53が移動軌跡における後端に位置し、第2振動子18の振動枠53が移動軌跡における前端に位置する。
図7(a)に示す状態から、偏心カム19が平面視において反時計回りに90度回転して、一対の偏心軸50・51が前後に並ぶ図7(b)の状態になると、両振動子17・18の振動枠53が移動軌跡における左右中央に位置する。また、一対のリンク体69が連結軸70のまわりに回転して、前後方向に対して平行な状態となり、振動枠53どうしが前後方向に最も離隔する。つまり、第1振動子17の振動枠53が移動軌跡における前端に位置し、第2振動子18の振動枠53が移動軌跡における後端に位置する。偏心カム19が図7(a)から図7(b)の状態まで90度回転する間に、両振動枠53は、左右方向においては互いに接近し、前後方向においては互いに離隔する。
図7(b)に示す状態から、偏心カム19がさらに反時計回りに90度回転すると、第1偏心軸50が、同軸50の回転軌跡における左端に位置する図7(c)の状態になる。この状態では、第1偏心軸50と係合する第1振動子17の振動枠53が、振動枠53の移動軌跡における左端に位置する。またこのとき、第2偏心軸51が、同軸51の回転軌跡における右端に位置して、同軸51と係合する第2振動子18の振動枠53が、振動枠53の移動軌跡における右端に位置する。一対のリンク体69は前後方向に対して、図7(a)に示す状態とは左右逆向きに傾斜した状態となり、振動枠53どうしが前後方向に最も接近する。つまり、第1振動子17の振動枠53が移動軌跡における後端に位置し、第2振動子18の振動枠53が移動軌跡における前端に位置する。偏心カム19が図7(b)から図7(c)の状態まで90度回転する間に、両振動枠53は、左右方向においては互いに離隔し、前後方向においては互いに接近する。
以上のように、モーター15の回転動力は、偏心カム19に設けた偏心軸50・51と、振動枠53に設けた受動カム67とによって、振動子17・18の左右方向の往復動力に変換される。第1偏心軸50と第2偏心軸51の位相位置は180度異なるため、両振動子17・18が受ける左右方向の往復動力は逆向きになる。さらに、左右方向の往復動力は、リンク体69を動作変換要素とする前後駆動構造によって、左右方向成分に加えて前後方向成分を含む移動軌跡を描く往復動力に変換される。この前後方向成分も、両振動子17・18において逆向きのものとなる。具体的には、第1振動子17は、リンク体69が第2振動子18の連結軸70のまわりに揺動する揺動軌跡に従い、前凸円弧状の移動軌跡を描く。また、第2振動子18は、リンク体69が第1振動子18の連結軸70のまわりに揺動する揺動軌跡に従い、後凸円弧状の移動軌跡を描く。つまり、一方の振動子17・18から見て他方の振動子18・17の連結軸70は、リンク体69の揺動支点となる可動支点軸(支点軸)71として機能する。
このように、振動枠53どうしをリンク体69で連結し、これを両振動子17・18の前後駆動構造とすると、両振動子17・18の前後駆動構造を個別に設ける場合に比べて部品点数を減らして、前後駆動構造を簡素化することができる。また、前後一対の振動子17・18を左右逆向きおよび前後逆向きに往復移動させると、振動子17・18からヘッドフレーム36を含むヘッドケース10の全体に伝わる左右方向および前後方向の振動を打ち消すことができるので、振動に伴う騒音の発生を抑止して静音化できる。
図1に示すように、第1振動子17に連結される第1メイン刃11の内刃22は、前凸円弧状の移動軌跡を描くように往復移動し、第2振動子18に連結される第2メイン刃12の内刃22は、後凸円弧状の移動軌跡を描くように往復移動する。さらに、両メイン刃11・12の内刃22は、左右方向および前後方向において互いに逆向きに往復移動する。例えば、第1メイン刃11の内刃22が移動軌跡の左端から右端まで移動する間に、第2メイン刃12の内刃22は移動軌跡の右端から左端まで移動する。また、第1メイン刃11の内刃22が移動軌跡の前端から後端まで移動する間に、第2メイン刃12の内刃22は移動軌跡の後端から前端まで移動する。
上記のように、メイン刃11・12の内刃22を左右方向および前後方向に往復移動させると、内刃22の小刃27を、外刃21の小刃23に対して左右方向だけでなく前後方向にも変位させて、両小刃23・27の間に挟んだ毛を引き切りしながら的確に切断することができる。両メイン刃11・12の内刃22を前後逆向きに往復移動させると、内刃22を外刃21の内面に強く圧接させて、外刃21を肌面に確りと押し当てることができる。これにより、肌面を伸ばして毛を起立させ、外刃21の刃穴24に毛を導入し易くして、毛の切断効率を向上することができる。
本実施形態では、図1に示すように、第1メイン刃11の内刃22の左右ストローク幅S1を2.1mm、前後ストローク幅S2を0.1mmに設定し、前後ストローク幅S2を左右ストローク幅S1の約5%とした。また、内刃22の前後ストローク幅S2を、外刃21の刃穴24の前後幅D(0.3mm)よりも小さく設定した。このように、内刃22の前後ストローク幅S2を小さく設定すると、内刃22の移動ストロークの前後端において内刃22が外刃21に圧接することに起因する、外刃21の小刃23の磨耗を低減することができ、さらに、内刃22や振動子17・18が、その前後の構造体に対して干渉することを防止できる。なお、第2メイン刃12の内刃22の左右ストローク幅および前後ストローク幅は、第1メイン刃11の内刃22のストローク幅S1・S2と同一である。
図8に示すように、各メイン刃11・12の内刃22を構成する内刃枠30は、その下部中央に設けられる受動片74と、受動片74の前後に配置される一対の左右横長の受動壁75とを一体に備えている。受動片74は、駆動軸54の出力軸部64に設けた左右一対の保持腕65の間に圧嵌係合され、受動壁75は一対の保持腕65を前後から挟持する。両保持腕65との係合状態における内刃枠30は、両保持腕65に沿って上下変位可能、かつ、両保持腕65に対して受動片74のまわりに左右傾動可能である。各保持腕65の先端には、一対の保持腕65の間から受動片74が抜け出すのを規制するための規制片76が内向きに突設してある。
受動片74が一対の保持腕65で左右方向から捕捉されることにより、保持腕65に対する内刃枠30の左右変位が規制され、また、一対の受動壁75が保持腕65を前後方向から挟持することにより、保持腕65に対する内刃枠30の前後変位が規制される。つまり、振動子17・18(駆動軸54)の左右方向の往復動力が、保持腕65および受動片74を介して内刃22(内刃枠30)に伝動され、前後方向の往復動力が保持腕65および受動壁75を介して伝動される。以上の構成からなる本実施形態の伝動構造によれば、振動子17・18の往復動力を内刃22に対してダイレクトに伝動することができる。
内刃枠30の下側には、同枠30とは独立した部品である中立枠79が配置してあり、一対の保持腕65の間には、中立枠79を上下フロート可能に支持する内刃ばね80が配置してある。中立枠79が内刃ばね80によって押し上げ付勢され、さらに内刃枠30が中立枠79によって押し上げ付勢されることにより、内刃22の刃本体29が外刃21の刃本体25の内面に密着する。図8および図9に示すように中立枠79は、一対の保持腕65を囲む左右横長の四角枠状の枠部81と、枠部81の前後壁を繋ぐ押上部82とを一体に備えている。押上部82は、一対の保持腕65の間で内刃ばね80から上向きの付勢力を受けており、受動片74の下面に密着してこれを押し上げ付勢する。枠部81は、内刃枠30の下面を左右両側から支持して、内刃枠30を水平姿勢に保持する。
詳しくは、図11に示すように、外刃21の左右一端部(図示例では左端部)が下向きに押圧されると、内刃22および中立枠79も外刃21に押されて保持腕65に対して左右傾動する。このとき中立枠79には、内刃ばね80によって、水平姿勢に復帰しようとする力がはたらき、中立枠79の枠部81の左部が内刃枠30の左部を押し上げる。これにより、中立枠79、内刃22、および外刃21が水平姿勢に復帰する。このように、外刃21および内刃22を中立枠79で水平姿勢に保持すると、両刃21・22の刃本体25・29どうしの良好な密着状態を保持することができる。なお、内刃枠30が受動片74のまわりに傾動するのに対し、中立枠79は自身の中心部のまわりに傾動するようになっており、両者30・79の傾動中心は上下に離隔している。そのため、内刃枠30および中立枠79の傾動時に、両者30・79は左右方向に僅かに相対スライド変位する。
図8ないし図10に示すように駆動ピース66は、出力軸部64における保持腕65の下側に外嵌固定される水平な基部85と、基部85の後端から上向きに突設されて、サブ刃13・14の内刃32と係合する駆動片86と、基部85の上面から保持腕65に沿って上向きに突設されて、中立枠79の枠部81の内面側に配置される左右一対のガイド片87とを一体に備えている。ガイド片87は弾性片からなり、枠部81の下端から内向きに突設された左右一対のスライド突起88を上下スライド可能に案内支持する。スライド突起88の突端面は、ガイド片87へ向かって上り傾斜する傾斜面で構成してあり、この突端面の上端縁のみがガイド片87に接触する。このように、スライド突起88をガイド片87に対して線接触させると、中立枠79とガイド片87との接触面積を小さくして両者79・87間の摩擦を小さくすることができ、従って、中立枠79をガイド片87に対してスムーズにスライドさせることができる。また、駆動ピース66が駆動片86とガイド片87を一体に備えていると、駆動片86とガイド片87を独立部品とする場合に比べて部品点数を減らして、電気かみそりの構造を簡素化することができる。
左右一対のガイド片87を設けると、図11に示す内刃枠30の左右傾動時などに、中立枠79が内刃枠30に対して左右方向に大きく変位するのを規制して、内刃枠30に対する中立枠79の左右方向位置を常に適正化することができる。各ガイド片87の上端には爪部89が外向きに突設してあり、この爪部89とスライド突起88とによって、保持腕65に対する中立枠79の上端位置が規定される。外刃ホルダー37をヘッドフレーム36から取り外して、外刃21を内刃22から分離すると、中立枠79が保持腕65に対する上端位置まで押し上げられて、スライド突起88が爪部89で受け止められる。図8に示すように、中立枠79および内刃22が水平姿勢にあり、内刃22が外刃21に密着する常態において、スライド突起88と爪部89との間には、中立枠79の傾動を許すための上下方向の隙間が形成してある。
図4および図12に示すように外刃ホルダー37は、内ケース92と、内ケース92を支持する外ケース93と、外ケース93の前壁外面に設けたパネル凹部94に装着される外パネル95とを備えている。内ケース92には、各メイン刃11・12の外刃21と、各サブ刃13・14の外刃31および内刃32とが組み付けてある。図13および図14に示すように、外刃21を構成する外刃枠26は、左右一対の側枠151、および側枠151の下部どうしを繋ぐ前後の横枠152で上下面が開口する枠体状に形成されて、内ケース92に対して上下動かつ左右傾動可能に支持されている。内ケース92も、左右一対の側枠153、および側枠153の下部どうしを繋ぐ前後の横枠154で、上下面が開口する枠体状に形成されている。内ケース92は外刃枠26よりも一回り大きく形成されており、内ケース92の内側に外刃枠26が僅かな隙間を介して配置されている。内ケース92の側枠153の内面にはガイド突起155が突設され、外刃枠26の側枠151の外面には、ガイド突起155でスライド案内される上下方向のスライド溝156が形成されている。これらガイド突起155およびスライド溝156によって、外刃枠26が内ケース92に対して上下にスライド案内される。
また内ケース92は、左右の側枠153の前後中途部どうしを繋ぐ補強枠160を一体に備えている。補強枠160の左右中央には、第1振動子17に固定した駆動ピース66の駆動片86、すなわち第1サブ刃13用の駆動片86の挿通を許す通口161が形成されている。また、補強枠160の下側には、外刃枠26を弾性的に支持する左右一対の弾性支持体162が設けられている。弾性支持体162は、ステンレス板材などの金属板材にプレス加工を施して形成した前後対称なU字状のばねからなり、弾性支持体162の前半部で第1メイン刃11の外刃21を支持し、弾性支持体162の後半部で第2メイン刃12の外刃21を支持する。弾性支持体162を金属製とすると、これを樹脂製とする場合に比べて経年劣化を緩やかにして、製品の長寿命化を図ることができる。
具体的には弾性支持体162は、左右横長に形成された前後一対のばねアーム163と、両ばねアーム163の左右一端にそれぞれ設けられる外刃連結部164と、両ばねアーム163の左右他端どうしの連結個所に設けられるホルダー連結部165とを一体に備えており、外刃連結部164を補強枠160の左右端部へ向け、ホルダー連結部165を補強枠160の左右中央へ向けて配置されている。ホルダー連結部165には連結孔168が設けられ、補強枠160の下面には連結突起169が突設されている。この連結突起169を連結孔168に挿通してかしめ固定することにより、ホルダー連結部165が補強枠160の下面に密着する状態で固定されている。
外刃連結部164は、ばねアーム163に対して下向きに屈曲するように形成されて、外刃枠26の横枠152の外面と前後に対向している。横枠152の外面には前後方向に突出する突起166が形成され、外刃連結部164には突起166と係合する左右横長の貫通孔167が形成されている。このように、外刃枠26と弾性支持体162の係合構造を、外刃枠26の外面に設けた突起166と、弾性支持体162の外刃連結部164に設けた貫通孔167とで構成すると、係合構造が外刃枠26の内側に配置される内刃22や駆動軸54に干渉することが無い。弾性支持体162に突起を設け、外刃枠26に貫通孔を設ける係合構造を採ると、突起が貫通孔を通じて外刃枠26の内側に侵入し、内刃22や駆動軸54に干渉するおそれがある。また外刃連結部164は、外刃枠26の横枠152に僅かな隙間を介して対向して、横枠152の外面を支持している。この外刃連結部164によれば、外刃枠26の変形を防止して、外刃枠26に固定されている刃本体25の変形を防止することができる。
ばねアーム163の外刃連結部164側が下向きに撓み変形すると、外刃枠26に対して突起166を介して上向きの付勢力が作用して、外刃21の全体が内ケース92に対して押し上げ付勢される。具体的には、第1メイン刃11の外刃21の左右両側が、左右の弾性支持体162の前側のばねアーム163によって押し上げ付勢され、第2メイン刃12の外刃21の左右両側が、左右の弾性支持体162の後側のばねアーム163によって押し上げ付勢される。常態において各メイン刃11・12の外刃21は、スライド溝156の下端がガイド突起155で受け止められる浮上限界位置まで押し上げられる。この常態において各ばねアーム163は、補強枠160の下面と平行もしくは外刃連結部164側が若干下向きに撓み変形している。常態の外刃21が左右均等な力で下向きに押圧されると、外刃21が弾性支持体162の付勢力に抗して内ケース92内へ沈下する。また、外刃21の左右一側が下向きに押圧されると、押圧された側が内ケース92内へ沈み込んで、外刃21の全体が左右傾動する。また常態において、外刃枠26に設けた突起166は、左右横長に形成した貫通孔167の内端(貫通孔167の左右両端のうち、補強枠160の左右中央側)寄りに位置しており、突起166と貫通孔167の外端(貫通孔167の左右両端のうち、補強枠160の左右端部側)との間には、左右方向の余裕隙間が形成してある。この余裕隙間を形成すると、外刃21が上下動あるいは左右傾動する際に、突起166を貫通孔167の外端へ向かって変位させることができ、従って、外刃21を内ケース92に対して無理なく上下動および左右傾動させることができる。
以上のように、各メイン刃11・12の外刃21は、内ケース92に対して上下動かつ左右傾動可能に支持される。また、外刃21と対をなす内刃22も、上述のように駆動軸54の出力軸部64に対して上下動かつ左右傾動可能に連結されており、外刃ホルダー37に対して上下動かつ左右傾動可能である。つまり本実施形態では、メイン刃11・12の全体を外刃ホルダー37に対して上下動かつ左右傾動させることができる。これによれば、ひげそりの際に、メイン刃11・12を肌面の凹凸に追随するように移動させることができ、従って、メイン刃11・12を肌面に対して良好に密着させて、剃り残しを防止することができる。また、外刃21および内刃22が左右傾動しても、上述の中立枠79で内刃22を押し上げ付勢して、外刃21と内刃22の刃本体25・29どうしの間に隙間が生じるのを可及的に防止でき、従って、メイン刃11・12の切れ味の低下を可及的に防止することができる。
図15に示すように、外パネル95の後面の四隅には連結ピン96が設けてあり、パネル凹部94の後面を区画する取付壁97の四隅には、連結ピン96をかしめ固定するためのピン穴98が設けてある。外パネル95の上部には左右横長の通水開口99が形成してあり、取付壁97の上部には左右横長の通水孔100が形成してある。通水開口99は通水孔100を介して毛屑室63に通じており、通水開口99および通水孔100を介して毛屑室63へ洗浄水を供給することにより、毛屑室63を洗浄することができる(図18参照)。
通水開口99は、外パネル95と取付壁97の間に配置した開閉可能なシャッター101で覆われる。シャッター101は、通水開口99を閉鎖する上端の閉鎖位置と、通水開口99を開放する下端の開放位置との間で、外パネル95の内面に沿って上下スライド可能に案内される。通水開口99、通水孔100、およびシャッター101は、外刃ホルダー37の左右中央に配置されて、かみそりヘッド2の中心軸を対称軸にして左右対称に形成される。シャッター101の前面の左右中央には、左右横長のリブ状の操作部102が通水開口99へ向かって突設してあり、操作部102の先端(前端)は通水開口99の前面から前方へ突出している(図18参照)。この操作部102の先端に指先を引っ掛けて、シャッター101をスライド操作することができる。左右対称に形成したシャッター101の左右中央に操作部102を配置すると、シャッター101をスライド操作する力が左右のいずれか一方に偏ることを解消して、シャッター101を円滑にスライド開閉することができる。
通水開口99の左右幅W1は、出力軸部64の左右幅W2および振動子パッキン59の左右幅W3よりも大きく設定してあり、通水開口99が出力軸部64および振動子パッキン59と左右方向にオーバーラップしている。換言すれば、出力軸部64および振動子パッキン59が通水開口99の開口領域内に配置してある。これによれば、出力軸部64および振動子パッキン59に対して十分な量の洗浄水を供給して、出力軸部64および振動子パッキン59に付着した毛屑や皮脂などの汚れを効果的に除去することができる。駆動軸54を左右方向および前後方向に往復移動しながら洗浄水を供給すると、振動子パッキン59は駆動軸54と共に往復移動するので、出力軸部64および振動子パッキン59の汚れをより効果的に除去することができる。さらに、出力軸部64や振動子パッキン59よりも左右幅広に形成した通水開口99によれば、毛屑室63の全体に大量の洗浄水を供給して、毛屑室63の壁面などの汚れを効果的に除去することができる。外刃ホルダー37をヘッドフレーム36から分離すると、毛屑室63の内部を露出させて、出力軸部64や振動子パッキン59をブラシなどで清掃することができる。また、外刃ホルダー37を分離すると、通水開口99の開口縁やシャッター101の清掃を簡便に行うことができる。
外ケース93とシャッター101との間には、シャッター101を移動付勢する左右一対のシャッターばね105が設けてある。シャッターばね105は、自由状態において湾曲している左右横長の板ばね状のばね腕106と、ばね腕106の両端に設けた固定連結部107および可動連結部108とを一体に備える樹脂成形品である。各連結部107・108は、軸受穴109・110を有するボス状に形成してある。取付壁97の前面には、左右一対の固定ピン111が前方へ突設してあり、各固定ピン111によって固定連結部107の軸受穴109が軸支してある。また、シャッター101の後面には、左右一対の可動ピン112が後方へ突設してあり、各可動ピン112によって可動連結部108の軸受穴110が軸支してある。左右の固定ピン111、および左右の可動ピン112は、かみそりヘッド2の中心軸に対して左右対称に配置してある。なお、シャッターばね105の変形例として、固定連結部107に固定ピン111を設け、固定ピン111を軸支する軸受穴109を取付壁97に設けることができる。また、可動連結部108に可動ピン112を設け、可動ピン112を軸支する軸受穴110をシャッター101に設けることができる。一対のシャッターばね105の可動連結部108どうしを連結するU字状のばねを、両シャッターばね105と一体に形成して、シャッター101に対するシャッターばね105の付勢力を大きくすることができる。
外刃ホルダー37の組立は、まずシャッターばね105の固定連結部107を、外ケース93のパネル凹部94に設けた固定ピン111に連結する。次いで、シャッター101に設けた可動ピン112を、シャッターばね105の可動連結部108に連結して、シャッター101をパネル凹部94に収容する。最後に、外パネル95をシャッター101の外面側からパネル凹部94に装着して、外パネル95の各連結ピン96をピン穴98にかしめ固定する。本実施形態ではシャッターばね105を、ばね腕106および一対の連結部107・108を一体に備える樹脂成形品としたので、シャッターばね105を安価に製造するとともに、これを外ケース93およびシャッター101に対して簡便に組み付けることができる。
各シャッターばね105は、思案点を境に付勢方向が上下に切り換わるばね体で構成してある。具体的には、シャッターばね105は思案点を備えており、思案点より上側で上向きの付勢力を発揮し、思案点より下側で下向きの付勢力を発揮する。シャッターばね105は、シャッター101の上下スライド移動に伴って、固定ピン111のまわりに上下揺動し、シャッター101が閉鎖位置と開放位置の間を移動する過程で、シャッターばね105がその思案点を越える。
図16に示すように、シャッター101が上端の閉鎖位置にあるときは、シャッター101に設けた左右の可動ピン112が、左右の固定ピン111の中心軸を通る仮想平面Fの上方に位置して、各シャッターばね105がシャッター101に対して上向きの付勢力を発揮する。つまり、シャッター101が閉鎖位置へ向かって押し上げ付勢されて、シャッター101が閉鎖位置に保持される。これにより、通水開口99の不用意な開放を防止して、ひげ剃り時に毛屑室63内の毛屑が通水開口99から食み出るのを確実に防止することができる。
毛屑室63を洗浄する際には、通水開口99を開放するために、閉鎖位置にあるシャッター101を開放位置へ向けて下方へスライド操作する。その過程で可動ピン112が仮想平面Fを下向きに通過して、シャッターばね105が思案点を越えて、シャッター101に対するシャッターばね105の付勢方向が下向きに切り換わる。付勢方向が切り換わると、下方へのスライド操作がシャッターばね105によって補助されるので、シャッター101を円滑にスライド開閉することができる。なお、シャッター101に対するシャッターばね105の上向きの付勢力は、かみそりヘッド2に対するフロートばね42の上向きの付勢力よりも小さく設定してある。そのため、シャッター101を開放操作する際に、シャッター101に加える下向きの力によってかみそりヘッド2が本体ケース1に対してふらつくのを防止して、シャッター101だけを的確にスライド操作することができる。
図17に示すように、シャッター101が下端の開放位置に到達すると、シャッターばね105の下向きの付勢力によってシャッター101が開放位置に保持される。これにより、通水開口99から毛屑室63へ洗浄水を供給する際に、シャッター101を手指などで開放位置に保持する手間を解消して、毛屑室63の洗浄作業の効率を向上することができる。通水開口99を再び閉じる際には、開放位置にあるシャッター101を、閉鎖位置へ向けて上方へスライド操作する。その過程で可動ピン112が仮想平面Fを上向きに通過して、シャッターばね105が思案点を越えて、シャッター101に対するシャッターばね105の付勢方向が上向きに切り換わる。付勢方向が切り換わると、上方へのスライド操作がシャッターばね105によって補助されるので、シャッター101を円滑にスライド開閉することができる。なお、シャッター101と外ケース93あるいは外パネル95との間に、シャッター101が閉鎖位置および開放位置において嵌合する嵌合構造を設けることにより、シャッター101を両位置でより安定的に保持することができる。
図4および図18に示すように通水開口99は、毛屑室63の前端部の斜め下方に配置してある。この通水開口99から毛屑室63への洗浄水の導入を容易にするため、シャッター101の閉じ端側の端面すなわち上端面と、該上端面に対向する通水開口99の上開口縁とに、毛屑室63へ向かって上り傾斜するガイド面115・116が形成してある。これらガイド面115・116によれば、洗浄水を毛屑室63へスムーズに案内して、毛屑室63を的確に洗浄することができる。
(第2実施形態) 電気かみそりの第2実施形態を図19に示す。本実施形態は、2個の振動子17・18の前後駆動構造を個別に設ける点で、先の第1実施形態と相違する。なお、本実施形態以降の各実施形態においては、先の第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
第1振動子17の前後駆動構造は、ヘッドフレーム36のケース体47の前壁に設けた左右一対の基部121と、振動枠53を基部121に連結する左右一対のリンク体69と、リンク体69の両端部を軸支する上下方向の連結軸70および固定支点軸(支点軸)122とで構成される。詳しくは、振動枠53に設けた左側の連結軸70と、左側の基部121に設けた固定支点軸122とが、一方のリンク体69で連結され、振動枠53に設けた右側の連結軸70と、右側の基部121に設けた固定支点軸122とが、他方のリンク体69で連結される。各リンク体69はその両端において、軸70・122を中心として水平面内で回動自在である。
図19に示すように、振動枠53が振動子室35の左右中央に位置するときは、一対のリンク体69が前後方向に対して平行な状態となり、振動枠53がその前方の基部121から後方へ最も離隔する。この状態から振動枠53が左方または右方へ移動すると、一対のリンク体69が固定支点軸122のまわりに左右揺動して、リンク体69が前後方向に対して水平面内で傾斜した状態となり、振動枠53が前方へ移動して基部121に接近する。本実施形態に係る第1振動子17は、リンク体69が固定支点軸122のまわりに揺動する揺動軌跡に従い、先の第1実施形態とは逆の後凸円弧状の移動軌跡を描くように往復移動する。なお、第2振動子18の前後駆動構造および移動軌跡は、第1振動子17のそれと前後対称であるため、その説明を省略する。この第2実施形態や先の第1実施形態のように、振動子17・18の前後駆動構造を、リンク体69とこれを軸支する連結軸70および支点軸71・122とで構成すると、前後駆動構造を簡素化および静音化することができる。なお、本実施形態の変形例として、リンク体69に連結軸70を一体に設け、連結軸70を軸支する軸受穴を振動枠53に設けることができる。また、リンク体69に固定支点軸122を一体に設け、固定支点軸122を軸支する軸受穴を基部121に設けることができる。
(第3実施形態) 電気かみそりの第3実施形態を図20および図21に示す。本実施形態(本発明)では、ヘッドフレーム36のカバー体48に、各振動子17・18の振動枠53の上方に位置する固定壁124を一体に形成し、この固定壁124と振動枠53との間に前後駆動構造を設けた。前後駆動構造は、振動枠53の上面に凹み形成される左右一対のカム溝125と、固定壁124の下面に突設される左右一対のカムピン126とで構成した。各カムピン126の突端は、カム溝125に対して摺動可能に係合している。カム溝125は、前後方向に傾斜する直線状の溝からなり、カム溝125の左端が右端より前方へ位置する向きに傾斜している。カムピン126の直径寸法はカム溝125の幅寸法よりも僅かに小さく設定してある。
偏心カム19がモーター15で回転駆動されると、各振動子17・18の振動枠53は、カム溝125に沿って傾斜直線状の移動軌跡を描くように往復移動する。第1振動子17がその移動軌跡の左端(前端)に位置するとき、第2振動子18はその移動軌跡の右端(後端)に位置し、両振動子17・18が前後方向において最も離隔する。一方、第1振動子17がその移動軌跡の右端(後端)に位置するとき、第2振動子18はその移動軌跡の左端(前端)に位置し、両振動子17・18が前後方向において最も接近する。
本実施形態のように、カム溝125とカムピン126で前後駆動構造を構成すると、前後駆動構造の構成部品点数を減らして、これを簡素化することができる。なお、本実施形態の変形例として、固定壁124の下面にカム溝125を設け、振動枠53の上面にカムピン126を設けることができる。前後の振動子17・18に設けるカム溝125の傾斜方向を、互いに逆向きにすることができる。カム溝125は、一定の角度で傾斜する直線状の溝に限られず、部分円弧状、山型、波型などの溝で構成することができる。カム溝125とカムピン126の組の数は2個に限られず、1個または3個以上であってもよい。固定壁124を独立部品で構成し、カバー体48に固定することができる。また、固定壁124を形成する対象はカバー体48に限られない。
(第4実施形態) 電気かみそりの第4実施形態を図22に示す。本実施形態では、ヘッドフレーム36のケース体47の前後壁を固定壁128とし、この固定壁128と振動枠53との間に前後駆動構造を設けた。第1振動子17の前後駆動構造は、固定壁128の後面(内面)に設けられる左右一対のカム面129と、振動枠53の前面に設けられる左右一対のカム突起130とで構成した。カム面129は、ケース体47の前壁内面に凹み形成された垂直な部分円弧面からなり、前後方向の深さ寸法が左右端部から左右中央へ行くに従って大きくなっている。カム突起130は、振動枠53の前面からカム面129へ向かって前向きに突設してあり、このカム突起130の突端がカム面129に常に当接する。この当接状態は、振動枠53の左右に設けた弾性片55によって維持される。
偏心カム19がモーター15で回転駆動されると、第1振動子17の振動枠53は、カム面129に沿う前凸円弧状の移動軌跡を描くように往復移動する。振動枠53が振動子室35の左右中央に位置するときは、拡大図において実線で示すように、カム突起130がカム面129の左右中央の最深部に位置して、振動枠53が固定壁128に最も接近する。この状態から振動枠53が左方または右方へ移動すると、拡大図において想像線で示すように、カム突起130がカム面129に沿って後方へ案内されて、振動枠53が固定壁128から漸次後方へ離隔する。この離隔状態においては、振動枠53の左右の弾性片55が後方へ弾性変形し、その復元力が振動枠53に作用する。振動枠53が振動子室35の左右中央に復帰する過程では、振動枠53が弾性片55によって前方へ付勢されて、カム面129に沿って固定壁128に漸次接近する。なお、第2振動子18の前後駆動構造および移動軌跡は、第1振動子17のそれと前後対称であるため、その説明を省略する。
本実施形態のように、カム面129とカム突起130で前後駆動構造を構成すると、前後駆動構造の構成部品点数を減らして、これを簡素化することができる。なお、本実施形態の変形例として、振動枠53にカム面129を設け、固定壁128にカム突起130を設けることができる。カム面129は、前後方向の突出寸法が左右端部から左右中央へ行くに従って大きくなる突曲面であってもよい。またカム面129は、部分円弧面に限られず、平面視において直線状の傾斜面、山型の屈曲面、波型の湾曲面などで構成することができる。カム面129とカム突起130の組の数は2個に限られず、1個または3個以上であってもよい。固定壁128を独立部品で構成し、ケース体47に固定することができる。また、固定壁128を形成する対象はケース体47に限られない。
(第5実施形態) 電気かみそりの第5実施形態を図23および図24に示す。本実施形態では、振動子17・18の前後駆動構造を、モーター15の回転動力を前後方向の往復動力に変換する補助振動子133と、補助振動子133の往復動力を振動枠53に伝動する伝動部134とで構成した。補助振動子133は、前後一対の振動子17・18の下方に配置される水平板状の振動基体135と、振動基体135の前後両端から連出される弾性片136とを一体に備えたプラスチック成形品からなる。各弾性片136の連出端には、ヘッドフレーム36に固定される固定部137が設けてある。
モーター15の出力軸15aと、補助振動子133の振動基体135との間に、モーター15の回転動力を補助振動子133の前後方向の往復動力に変換する補助往復変換構造が設けられる。補助往復変換構造は、偏心カム19に設けられる補助偏心軸139と、振動基体135の前後中央に設けられるカム溝140とで構成される。カム溝140は、左右方向に伸びるスリット状に形成してあり、このカム溝140に対して補助偏心軸139が左右方向にスライド自在に係合している。偏心カム19は、第1偏心軸50、第2偏心軸51、および補助偏心軸139を一体に備えており、この記載順で3個の偏心軸50・51・139が上側から下側へ向かって配置してある。モーター15の出力軸15aに対する補助偏心軸139の偏心度合(中心軸どうしの距離)は、出力軸15aに対する第1偏心軸50および第2偏心軸51の偏心度合よりも小さく設定してある。つまり、補助振動子133の前後方向の移動ストローク幅が、振動子17・18の左右方向の移動ストローク幅よりも小さく設定してある。具体的には、振動子17・18の左右ストローク幅(2.1mm)に対し、補助振動子133の前後ストローク幅が0.2mmになるように、補助偏心軸139を設定した。
第1振動子17および第2振動子18と補助振動子133との間に、伝動部134がそれぞれ設けられる。伝動部134は、振動子17・18の振動枠53の下面に突設される伝動ピン141と、補助振動子133の振動基体135の上面の前後端に設けられる伝動溝142とで構成される。伝動溝142は、左右方向に伸びる直線状の溝からなり、伝動ピン141の突端部と係合する。これら伝動ピン141および伝動溝142が係合することにより、振動枠53と振動基体135が、前後方向に同行移動可能(相対変位不能)かつ左右方向に相対変位可能に連結される。これにより、補助振動子133の前後方向の往復動力を振動子17・18に伝動することができ、しかも、振動子17・18の左右方向の往復移動が補助振動子133で妨げられることが無い。
偏心カム19がモーター15で回転駆動されると、振動子17・18が左右方向に往復移動するとともに、補助振動子133が補助往復変換構造によって前後方向に往復移動する。補助振動子133の往復動力は伝動部134を介して振動子17・18に伝動され、これにより振動子17・18が前後方向にも往復移動する。
補助偏心軸139の位相位置は第1偏心軸50および第2偏心軸51と90度異なる(例えば、偏心軸50・51が出力軸15aの前後に位置するとき、補助偏心軸139は出力軸15aの左方または右方に位置する)ため、振動子17・18が移動ストロークの左右一端に到達するタイミングと、前後一端に到達するタイミングとが一致する。また、振動子17・18と補助振動子133の動力源は同じ1個のモーター15であるため、振動子17・18が移動ストロークの左右一端から他端まで移動するのに要する時間と、前後一端から他端まで移動するのに要する時間とが一致する。従って、振動子17・18は、移動ストロークの左前端(もしくは左後端)と右後端(もしくは右前端)との間を、湾曲線に沿って往復移動する。移動軌跡が傾斜直線状にならないのは、振動子17・18の左右方向の移動速度と補助振動子133の前後方向の移動速度がそれぞれ一定ではないためである。本実施形態のように、振動子17・18の前後駆動構造を補助振動子133と伝動部134とで構成すると、補助振動子133の前後振動をヘッドフレーム36に対して伝わり難くして、ヘッドケース10の前後振動を低減することができる。なお、本実施形態の変形例として、2個の振動子17・18の前後駆動構造を個別に設けることができる。すなわち、第1の補助偏心軸139で前後に往復駆動される第1の補助振動子133と、第2の補助偏心軸139で往復駆動される第2の補助振動子133とを設けて、第1の補助振動子133の往復動力を第1振動子17に伝動し、第2の補助振動子133の往復動力を第2振動子18に伝動することができる。第1と第2の補助変心軸139・139の位相は同一であってもよいし、異ならせてあってもよい。
(第6実施形態) 電気かみそりの第6実施形態を図25に示す。本実施形態では、平面視における振動子17・18の振動枠53および弾性片55を、内刃22の左右方向の中心軸線Lに対して前後方向に傾斜させて、振動枠53の移動軌跡Tを内刃22の左右方向の中心軸線Lに対して角度θだけ傾斜させるようにした。これにより、振動子17・18を前後駆動構造として機能させることができる。本実施形態から理解できるように、単に振動枠53を外刃21に対して傾斜直線状に往復駆動することによっても、内刃22に引き切り機能を付与することができる。本実施形態によれば、振動子が左右方向にのみ往復移動する通常の電気かみそりと同一の部品点数によって、振動子17・18を左右方向および前後方向に往復振動させることができる。内刃22が左右方向および前後方向に往復移動する電気かみそりを安価に提供することができる。なお、本実施形態において、振動枠53のカム溝68を傾斜させることは必須ではなく(つまり前後方向に真っ直ぐ伸びる溝でもよい)、少なくとも振動枠53および弾性片55が傾斜していれば、振動枠53を傾斜する直線に沿って往復移動させることができる。
以上のように、各実施形態に係る電気かみそりにおいては、往復駆動構造を振動子17・18と前後駆動構造を含んで構成した。これによれば、振動子17・18の左右方向および前後方向の往復動力を、ヘッドケース10を介することなく内刃22へ直接的に伝動することができるので、従来のこの種の電気かみそりに比べて、内刃22の前後方向の駆動を効率よく行える。また本実施形態では、モーター15の回転動力を振動子17・18で往復動力に変換し、さらに前後駆動構造で振動子17・18を前後に往復駆動するので、モーターを振動子と一体に往復移動させてケース全体を前後方向へ振動させる従来の電気かみそりに比べて、振動子17・18からヘッドケース10や本体ケース1に伝わる振動を小さくすることができる。従って、グリップを兼ねる本体ケース1からユーザーの手に伝わる振動を小さくして、電気かみそりをユーザーの思い通りに操作することができる。
上記の各実施形態では、かみそりヘッド2が4個の切断刃(2個のメイン刃11・12と2個のサブ刃13・14)を備えていたが、本発明は、少なくとも1個の切断刃を備える電気かみそりに適用することができる。駆動ピース66で駆動される従切断刃は、粗剃り用のサブ刃13・14に限られず、仕上げ剃り用のメイン刃11・12と同構造の切断刃であってもよい。中立枠79用のガイド片87を、枠部81の外面側に配置することができる。シャッター101の外面に形成した溝や凹部で操作部102を構成することができる。シャッターばね105は、板ばね以外にコイルばねや断面円形の棒状のばねなどで構成することができ、また樹脂製以外に金属製などであってもよい。本発明は、ヘッドケース10と本体ケース1が一体の電気かみそりにも適用することができる。
1 本体ケース
2 かみそりヘッド
10 ヘッドケース
11 第1切断刃(第1メイン刃)
12 第2切断刃(第2メイン刃)
17 第1振動子
18 第2振動子
19 偏心カム
21 外刃
22 内刃
30 内刃枠
35 振動子室
36 ヘッドフレーム
37 外刃ホルダー
42 フロートばね
50 第1偏心軸
51 第2偏心軸
53 振動枠
54 駆動軸
55 弾性片
59 振動子パッキン
63 毛屑室
64 出力軸部
65 保持腕
66 駆動ピース
67 受動カム
69 リンク体
70 連結軸
71 可動支点軸
74 受動片
75 受動壁
76 規制片
79 中立枠
80 内刃ばね
81 枠部
82 押上部
86 駆動片
87 ガイド片
88 スライド突起
99 通水開口
101 シャッター
102 操作部
105 シャッターばね
107 固定連結部
108 可動連結部
111 固定ピン
112 可動ピン
121 基部
122 固定支点軸
125 カム溝
126 カムピン
129 カム面
130 カム突起
133 補助振動子
134 伝動部

Claims (1)

  1. 外刃(21)および外刃(21)の内面に沿って摺接する内刃(22)で構成される切断刃(11・12)と、モーター(15)の回転動力を往復動力に変換して内刃(22)に伝動する往復駆動構造とを備える電気かみそりであって、
    往復駆動構造が、モーター(15)の回転動力を左右方向の往復動力に変換する振動子(17・18)と、振動子(17・18)を前後方向に往復駆動する前後駆動構造とを含んで構成されており、
    振動子(17・18)が、偏心カム(19)で往復駆動される振動枠(53)と、振動枠(53)の往復動力を内刃(22)に伝動する駆動軸(54)と、振動枠(53)を往復動可能に支持する弾性片(55)とを備えており、
    振動枠(53)に前後駆動構造が設けられており、
    振動子(17・18)の振動枠(53)の上方に固定壁(124)が配置されており、
    前後駆動構造が、固定壁(124)と振動枠(53)のいずれか一方に設けられたカム溝(125)と、他方に設けられてカム溝(125)と係合するカムピン(126)とで構成されていることを特徴とする電気かみそり。
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