JP2013078519A - 電気かみそり - Google Patents

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Abstract

【課題】内刃の左右傾動を弾性的に規制することができるとともに、内刃が水平姿勢のまま沈込んでもフロートばね圧が肌面に強く作用することのない電気かみそりを提供する。
【解決手段】振動子17の駆動軸18と内刃11とが、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されて、内刃11がフロートばね88で外刃12と密着する向きに押付け付勢されている。駆動軸18、内刃11のいずれか一方の側に、弾性腕77が設けられている。駆動軸18、内刃11のいずれか一方のうち、弾性腕77が設けられていない側に、弾性腕77と接触する受動体82が設けられている。弾性腕77と受動体82の側面同士を接触させて弾性腕77の弾性復元力により左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作する。
【選択図】図9

Description

本発明は、内刃の左右傾動を弾性的に規制することができる往復動式の電気かみそりに関する。
この種のフロート構造は特許文献1に見ることができる。そこでは、内刃と、内刃を支持する内刃取付台とを、振動子の固定軸に設けたコイルばねで押し上げ付勢し、さらに振動子の上面に設けた左右一対の弾性部材(板ばね)で内刃取付台の下面を支持して、往復移動する内刃の移動方向が反転するとき、内刃がシーソー運動するのを規制できるようにしている。
実開平03−111264号公報
しかし、特許文献1のフロート構造では、内刃が水平姿勢のまま沈込むとき、左右の弾性部材が同時に弾性変形するため、フロートばね圧が肌面に強く作用することとなり、肌に負担が掛かりやすい。
本発明の目的は、内刃駆動時の左右傾動(シーソー運動)を弾性的に規制しながらも、フロートばね圧が肌面に強く作用することのない電気かみそりを提供することにある。
本発明に係る電気かみそりは、振動子17の駆動軸18と内刃11とが、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されて、内刃11がフロートばね88で外刃12と密着する向きに押付け付勢されており、駆動軸18、内刃11のいずれか一方の側に、弾性腕77が設けられており、駆動軸18、内刃11のいずれか一方のうち、弾性腕77が設けられていない側に、弾性腕77と接触する受動体82が設けられており、弾性腕77と受動体82の側面同士を接触させて弾性腕77の弾性復元力により左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作することを特徴とする。
振動子17の駆動軸18と内刃11とが、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されて、内刃11がフロートばね88で外刃12と密着する向きに押付け付勢されており、駆動軸18の側に、左右一対の弾性腕77が設けられており、内刃11の側に、弾性腕77と接触する左右一対の受動体82が設けられており、弾性腕77と受動体82の側面同士を接触させて弾性腕77の弾性復元力により左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作することを特徴とする。
内刃11と弾性腕77の上端との間に、内刃11の上下フロートを許す空間Eを確保していることを特徴とする。
受動体82に、弾性腕77に接触する接触部86と、弾性腕77と受動体82の相対傾動を吸収する斜めの逃げ面87とが設けられていることを特徴とする。
受動体82の側面と弾性腕77の側面とが摺接していることを特徴とする。
本発明においては、弾性腕77と受動体82の側面同士を接触させて弾性腕77の弾性復元力により左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作することにより、内刃11が往復運動するとき内刃11が外刃12の内面から離れて切れ味が低下するのを防止できるとともに、上下フロート用のばねと左右傾動を中立位置に戻すばねの機能を確実に使い分けできるので、フロートばね圧が肌面に強く作用するのを防止して、肌に対して負担が係るのを防止できる。
駆動軸18の側に、左右一対の弾性腕77が設けられており、内刃11の側に、弾性腕77と接触する左右一対の受動体82が設けられており、弾性腕77と受動体82の側面同士を接触させて弾性腕77の弾性復元力により左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作することにより、内刃11が往復運動するとき内刃11が外刃12の内面から離れて切れ味が低下するのを防止できるとともに、上下フロート用のばねと左右傾動を中立位置に戻すばねの機能を確実に使い分けできるので、フロートばね圧が肌面に強く作用するのを防止して、肌に対して負担が係るのを防止できる。
内刃11と弾性腕77の上端との間に、内刃11の上下フロートを許す空間Eを確保していることにより、弾性腕77に余分な摩擦力が作用するのを防止できる。
受動体82に、弾性腕77に接触する接触部86と、弾性腕77と受動体82の相対傾動を吸収する斜めの逃げ面87とが設けられていることにより、内刃11が左右傾動するときに、受動体82の接触部86のみを弾性腕77に接触させることができ、弾性腕77に余分な摩擦力が作用するのを防止できる。
受動体82の側面と弾性腕77の側面とが摺接していることにより、左右傾動する内刃11に対する中立位置への復帰を確実に行うことができる。
本発明に係る電気かみそりの縦断正面図である。 本発明に係る電気かみそりの正面図である。 本発明に係る電気かみそりの側面図である。 本発明に係る電気かみそりの縦断側面図である。 本体ケースと駆動ユニットとを分解した状態の正面図である。 振動子の周辺構造を分解した状態で示す縦断正面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 図1におけるB−B線断面図である。 内刃の駆動構造を示す縦断正面図である。 きわぞり刃ユニットの節度構造を示す分解背面図である。 スイッチ構造を示す一部を破断した正面図である。 スイッチ構造を示す縦断側面図である。 スイッチ構造を示す分解斜視図である。 スイッチ端子の配置構造を示す正面図である。 本発明に係る別実施例の内刃の駆動構造を示す縦断正面図である。
図1ないし図14は本発明を往復動式の電気かみそりに適用した実施例を示す。なお、この実施例における前後、左右、上下とは、図2および図3に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。
図2において電気かみそりは、筒状の本体ケース1と、本体ケース1の外面に下面側から装着されるグリップケース2と、本体ケース1の上部に設けられるかみそりヘッド3と、本体ケース1に収容される駆動ユニット4などを主な構造体にして構成する。本体ケース1の前面上部には、モーター起動用のスライドノブ5が配置され、スライドノブ5の下方に、運転状態および充電状態を表示する発光表示部6が配置してある。図3に示すように、本体ケース1の背面側には、きわぞり刃ユニット7が設けてある。本体ケース1の上面の開口は、駆動ユニット4等を組付けるための組付口8(図5参照)になっている。
図2、図4に示すように、かみそりヘッド3の内部上面には、内刃11と外刃12を備えたメイン刃10が配置してある。内刃11は、スリット刃構造の刃本体13と、刃本体13を逆U字状に保形する内刃枠14とで構成してある。モーター15の回転動力は、その出力軸に設けた偏心カム16と振動子17とで往復動力に変換されたのち、振動子17の上面に設けた駆動軸18と、駆動軸18に装着した連結ピース73を介して内刃11に伝動される。外刃12は、網刃構造の刃本体19と、刃本体19を逆U字状に保形する外刃ホルダー20とで構成してある。外刃ホルダー20は後述する蓋体40に対して着脱される。メイン刃10は、主に短毛を切断する際に使用され、きわぞり刃ユニット7は、主に長毛やくせ毛を切断する際に使用する。振動子17を駆動するモーターは、本実施例のような整流子型モーターに限らずリニアモーターであってもよい。
図4、図5に示すように、本体ケース1の内部にはインナーフレーム23が配置してあり、このインナーフレーム23に、モーター15、2次電池(電池)24、および回路基板25などの各部品を組付けて駆動ユニット4を構成している。インナーフレーム23は、その上半側にモーターホルダー部26を有し、下半側に電池ホルダー部27を一体に設けたプラスチック成形品からなり、電池ホルダー部27の前面側の壁に回路基板25が固定してある。モーターホルダー部26の上端の左右には、上向きに突出する締結部28が一体に形成してあり、インナーフレーム23の下端の左右には、締結ボス29(図5参照)が一体に形成してある。図7に示すように、締結部28は、外側面が湾曲する船形の断面形状に形成してあり、その前後中央にビス挿通穴30が上下貫通状に形成してある。また、締結部28の上面の前後には、振動子17および蓋体40を位置決めするための位置決めピン31が突設してある。
図6に示すように、振動子17は、門形の振動枠34と、振動枠34の下面に形成されるカム溝35と、振動枠34の両側の下端前後から連出される前後一対ずつの弾性腕36と、弾性腕36の上端に設けられる締結部37とを一体に備えたプラスチック成形品からなる。振動枠34の上面に、先の駆動軸18が一体に形成してある。締結部37の平面視の外形は、インナーフレーム23の締結部28と同じ形状に形成してあり、その前後中央にはビス挿通穴38が形成され、その前後に位置決め穴39が形成してある。なお振動枠34を上下ケースで挟み込み左右往復動をガイドできる構成の振動子であれば弾性腕36は省略できる。
本体ケース1の組付口8を蓋体40で塞ぐことにより、主として、偏心カム16とカム溝35との間で発生する騒音(叩打音)がケース外へ漏出るのを防止できるようにしている。蓋体40は、組付口8を塞ぐ蓋壁41と、蓋壁41の下面から下向きに突設される第1遮音壁42とを一体に備えている。蓋壁41は組付口8の開口形状に合致するように形成してあり、壁面の中央に、振動子17の駆動軸18を露出させるための振動窓43が開口され、振動窓43の左右の締結部44にビス挿通穴45とシール座46が形成してある。また、締結部44に隣接して、後述する着脱ボタン67をスライド自在に案内するスライド窓47が形成してある。第1遮音壁42は、振動子17の周りを囲む状態で周回状に形成してあり、その断面形状は図7に示すように、四隅が丸められた長方形状に形成してある。第1遮音壁42も上端にはフランジ壁が周回状に張り出してある。先に説明した外刃ホルダー20は、蓋体40に対して着脱されて、蓋体40と協同して毛屑室Dを区画している。
駆動ユニット4を本体ケース1に対して強固に固定して、両者1・4の締結強度を高めるために、本体ケース1の内部の左右に組付座部50を設け、インナーフレーム23の締結部28の下面を組付座部50で支持できるようにしている。組付座部50はボス状に形成されて、モーターホルダー部26の上端近傍に隣接する状態で設けてあり、その内部にねじ下穴51が形成してある。組付座部50と組付口8の周囲壁52との間のケース壁には、先の第1遮音壁42と協同して騒音の漏洩を防ぐ第2遮音壁53が上向きに突設してある。図7に示すように第2遮音壁53は、第1遮音壁42よりひと回り大きく形成してあり、駆動ユニット4を本体ケース1に組付けた状態においては、両遮音壁42・53は小さな隙間を介して内外に重なっている。第2遮音壁53の前後壁は、本体ケース1の前後壁と一体化してある。
駆動ユニット4、振動子17、蓋体40は、以下の要領で本体ケース1に組付ける。まず、駆動ユニット4を本体ケース1の内部に装填し、インナーフレーム23の下端に設けた充電用のプラグ55を本体ケース1の底壁から突出させる。この組付け状態では、締結ボス29の周面が、本体ケース1の底壁に設けた位置決め凹部で位置決めされ、さらに、締結部28の下面が組付座部50で受止められている。この状態で、本体ケース1の下方から挿通したビス56(図5参照)を締結ボス29にねじ込んで、駆動ユニット4の下部を本体ケース1に仮り固定する。さらに、インナーフレーム23の締結部28に、振動子17の締結部37と、蓋体40の締結部44とを順に接合して、図8に示すように、位置決めピン31で振動子17と蓋体40を位置決めする。
次に、振動子17の駆動軸18に、振動窓43と駆動軸18との間の隙間を封止する第1シール体57を装着して、その周縁壁を振動窓43の周縁壁の上面に密着させる。蓋体40のシール座46に配置されるリング状の第2シール体58は、蓋体40のシール座46に配置しておく。第1遮音壁42と、第2遮音壁53との間の隙間を封止するリング状の第3シール体59は、蓋体40を組む前に第1遮音壁42に組付けておく。並行して、外刃ホルダー20用のロック構造を構成する着脱ボタン67とロックばね68とを、蓋体40のスライド窓47から組付けるが、その詳細は後述する。
最後に、ステンレス板材を打ち抜いて形成したパッキン押え板61を蓋体40の上面に載置したのち、そのビス挿通穴に挿通した締結ビス60を組付座部50にねじ込んで、インナーフレーム23と、振動子17と、蓋体40と、パッキン押え板61とを共締め固定する。さらに、ビス56を締結ボス29に完全にねじ込んで、駆動ユニット4の下部を本体ケース1に完全に固定する。図示していないが、パッキン押え板61は蓋体40の蓋壁41の上面に設けた4個の位置決めピンで位置決めされている。図1において、符号63は、第1シール体57用の押えリングであって、駆動軸18に圧嵌してある。上記の組付け状態における第1遮音壁42は、図1に示すように、第2遮音壁53の内側に入り込んでおり、これにより、蓋体40と第2遮音壁53とによって、両者の間に振動子17を収容する振動子室Rが区画される。駆動軸18は、その軸部が第1シール体57でシールされた状態で振動窓43から上向きに突出している。このように、第1〜第3の各シール体57・58・59で振動子室Rを封止することにより、外刃ホルダー20を取外した状態のかみそりヘッド3を水洗い清掃することができる。
上記のように、駆動ユニット4を振動子17および蓋体40とともに本体ケース1に固定した状態では、振動子17の周りが第1遮音壁42と、第2遮音壁53と、組付口8の周囲壁52とで内外3重に覆われる。また、振動窓43と駆動軸18との間の隙間が第1シール体57で封止され、第1遮音壁42と第2遮音壁53との間の隙間が第3シール体59で封止される。そのため、偏心カム16とカム溝35との間で発生した叩打音がケース外へ漏出るのをよく防止できる。
また、インナーフレーム23の締結部28が、締結ビス60と組付座部50とで強固に締結され、しかも、締結ボス29がビス56で本体ケース1の底壁に引寄せ固定されるので、駆動ユニット4の全体を本体ケース1に対して強固に締結できる。加えて、インナーフレーム23の締結部28が、締結ビス60の丸軸状の位置決め軸部62で位置決めされ、振動子17および蓋体40が、先の位置決め軸部62と位置決めピン31で位置決めされる。そのため、駆動ユニット4と、振動子17と蓋体40とを、本体ケース1に対して位置ずれすることなく適正な状態で締結して、駆動ユニット4と本体ケース1の締結強度を向上して電気かみそりを堅牢化できる。従って、電気かみそりの全体としてみると、叩打音がケース外へ漏出るのを防止でき、モーター15および内刃11の振動が本体ケース1に伝動してビビリ音が生じるのを抑止できるので、使用時の電気かみそりを静音化できる。駆動部品の締結構造は、偏心カム16と、振動子17のカム溝35とで動力変換を行う構造に限定されるものではなく、他の形態の動力変換構造を備えた電気かみそりにおいても各部材の位置関係を適正化するのに役立つ。例えば、モーターの偏心カムの回転動作をレバーで往復動作に変換して振動子に伝動する形態の電気かみそりにおいては、モーターの偏心カムと、レバーの両端の連結部と、一方の連結部に対応して振動子に設けた連結穴との位置関係を適正化して、騒音(叩打音)の発生を抑止できる。この種の電気かみそりは、例えば特許平9−262378号公報に開示してある。
(外刃ホルダーのロック構造)
かみそりヘッド3に外刃ホルダー20の装着状態を保持するロック構造が設けてある。図1および図6においてロック構造は、蓋壁41に組付けられて、外刃ホルダー20のロック凹部65と係脱するロック爪66を備えた着脱ボタン67と、ロック爪66がロック凹部65と係合する向きに着脱ボタン67を移動付勢するロックばね68とからなる。着脱ボタン67の内面の下部には、スライド片69が一体に設けてあり、スライド片69の前後端に逆L字状のロック爪66が外向きに張出してある。また、スライド片69の下面には横向きに開口する箱構造のばね受部70が設けてある。スライド片69はスライド窓47の上側の周縁壁で、ばね受部70の前後は蓋壁41の下面に張出したガイド壁で、それぞれ左右スライド自在に案内してある。
先に説明したように、外刃ホルダー20は、蓋体40を仮り組した状態でスライド窓47から組付けられて、第1遮音壁42と、同壁42に対向するばね受部70との間に、圧縮コイルバネからなるロックばね68が組込まれる。この組付状態において、ロック爪66がロック凹部65に係合して、外刃ホルダー20を分離不能に係合保持しており、着脱ボタン67のボタン部71が、外刃ホルダー20に切欠形成したボタン窓72の外に露出している。左右のボタン部71をロックばね68の付勢力に抗して押し込み操作すると、ロック爪66がロック凹部65から分離するので、外刃ホルダー20を蓋体40から取外すことができる。
上記のように構成したロック構造によれば、蓋体40に着脱ボタン67とロックばね68を組付けたのちに、パッキン押え板61を締結ビス60で他の部品とともに締結すればよいので、蓋体40および着脱ボタン67の組付けを簡便に行える。また、パッキン押え板61を蓋体40に締結した状態においては、スライド窓47の上面が、パッキン押え板61とスライド片69とで覆われるので、毛屑がスライド窓47から本体ケース1の内部に入り込むのを確実に防止できる。
(内刃のフロート構造)
先に説明したように、振動子17の往復動力は、駆動軸18と、駆動軸18に装着した連結ピース73と、内刃枠14の下面に連結した受動枠74を介して内刃11に伝動される。図9に示すように、連結ピース73は、駆動軸18の上端に固定される連結ベース75と、連結ベース75の上面の前後に突設される逆門形の抱持枠76と、連結ベース75の上面の左右に上方に向けて突設される弾性腕77と、連結ベース75の周囲に前後左右(全方位)の側方に向けて張り出すフランジ75aと、きわぞり刃ユニット7用の駆動アーム78(図4参照)を一体に備えている。連結ベース75の下面のボスを駆動軸18の上端に嵌合し、これら両者18・75をビス79で締結することにより、連結ピース73と駆動軸18が一体化してある。弾性腕77は、左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作するために設けてある。弾性腕77が左右傾動する内刃11側に設けられると、受動体82よりも質量の大きい弾性腕77により内刃11側の慣性力が大きくなり、弾性腕77の弾性力および強度がさらに必要となる。本実施例のように弾性腕77を駆動軸18の側に設け、受動体82を内刃11の側に設ければ、内刃11の側の慣性力を小さくでき、弾性腕77の弾性力および強度を高める必要がなくなる。つまり、弾性腕77を大型化する必要がなくなる。フランジ75aは、ひげ屑が第1シール体57に直接溜まるのを防止するために設けられている。ひげ屑が第1シール体57に溜まれば、その分だけ振動子17の往復動の負荷となり、電力を無駄に消費することになる。経時的には、フランジ上からひげ屑が溢れ第1シール体57の側にも何れは溜まるが、ひげ剃り初期から溜まるよりはよい。駆動アーム78の基端部分は、後方側のフランジ75aを兼ねており、駆動アーム78はフランジ75aの存在により強度が増している。なお、駆動軸18と連結ピース73は一体成形してあってもよい。また、内刃枠14と受動枠74は一体成形してあってもよい。
受動枠74は、扁平な逆三角形状の枠体からなり、その頂部側の内面に、先の抱持枠76で支持される内刃11の回動軸となるフロート軸81が設けられ、フロート軸81の左右両側に、弾性腕77で受止められる一対の受動体82が設けてある。フロート軸81の下面にはばね受突起83が設けてある。受動枠74の上面の左右には一対の係合溝84が形成してあり、この溝84に内刃枠14の下面の左右に設けた係合突起85が係合することにより、受動枠74が内刃11と一体化してある。受動体82は、フロート軸81と平行に配置した、断面台形状の軸体からなり、弾性腕77に対して上下に相対摺動する接触部86と、弾性腕77と受動体82の相対傾動を吸収する斜めの逃げ面87を備えている。内刃11と弾性腕77の上端との間には、内刃11の上下フロート、および内刃11の左右傾動を許す空間Eが確保してある。
フロート軸81を一対の抱持枠76の間に圧嵌することにより、内刃11および受動枠74は、抱持枠76に沿って上下スライドでき、さらにフロート軸81を中心にして左右傾動できる。フロート軸81と連結ピース73の連結ベース75との間には、圧縮コイルバネからなるフロートばね88が配置してあり、このフロートばね88は、内刃11を外刃12の刃本体19に密着付勢するばねを兼ねている。なお、係合溝84と係合突起85との係合力は、フロート軸81と抱持枠76との係合力より小さく設定してある。従って、内刃11を交換する場合には、刃本体13と内刃枠14を受動枠74から分離するだけでよく、内刃11の交換に要する手間とコストを少なくできる。
以上のように構成したフロート構造によれば、肌面の変化に追随して、メイン刃10を上下フロートさせ、あるいは同時に左右傾動させることができるので、ひげ剃り時におけるメイン刃10の肌当りをソフトなものとすることができる。内刃11がフロート軸81を回動軸として左右傾動(シーソー運動)すれば、弾性腕77の側面が受動体82の側面に強く接触し、弾性腕77が弾性変形する。このとき弾性腕77に弾性復元力が作用し、その復元力により内刃11を中立位置に復帰させる。連結ピース73に上向き突出状に設けた左右一対の弾性腕77を弾性変形させて内刃11の左右傾動を吸収するので、内刃11を速やかに中立位置へ復帰することができるうえ、左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作するためのばね構造を簡素化できる。また、受動体82に接触部86と斜めの逃げ面87を設け、さらに、内刃11と弾性腕77の上端との間に空間Eを確保するようにした。従って、内刃11が左右傾動するときに、受動体82の接触部86のみを弾性腕77に接触させて、弾性腕77に余分な摩擦力が作用するのを防止できる。
この種のフロート構造は実開平03−111264号公報に見ることができる。そこでは、内刃と、内刃を支持する内刃取付台とを、振動子の固定軸に設けたコイルばねで押し上げ付勢し、さらに振動子の上面に設けた左右一対の弾性部材(板ばね)で内刃取付台の下面を支持して、往復移動する内刃の移動方向が反転するとき、内刃が左右傾動(シーソー運動)するのを規制できるようにしている。しかし、実開平03−111264号公報のフロート構造では、内刃が水平姿勢のまま沈込むとき、左右の弾性部材が同時に弾性変形するため、フロートばね圧が肌面に強く作用することとなり、肌に負担が掛かりやすい。その点、上記の実施例で説明したフロート構造によれば、弾性腕77と受動体82の側面同士を接触させて弾性腕77の弾性復元力により左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作することにより、内刃11が往復運動するとき内刃11が外刃12の内面から離れて切れ味が低下するのを防止できるとともに、上下フロート用のばね(フロートばね88)と内刃11の左右傾動を中立位置に戻すばね(弾性腕77)の機能を確実に使い分けできるので、内刃11が水平姿勢のまま沈込むとき、フロートばね圧が肌面に強く作用するのを防止して、肌に対して負担が係るのを防止できる。これは、内刃11が水平姿勢のまま上下方向にフロートするとき、受動体82が弾性腕77に対して弾性変形させることなく摺動するからである。ただ、連結ピース73に上方に向けて突出する左右一対の弾性腕77は、その側壁(側面)が抜き勾配を有しているので、内刃11のフロート動作終わりでは若干だが水平姿勢のまま上下方向にフロートした場合でも、弾性腕77は弾性変形して全体のフロートばね圧は高まる。しかしこれは肌に負担をかけるレベルではない。内刃11が駆動軸18に対して水平位置を保ったまま、或いは左右傾動した状態で上下方向にフロートするとき、常に受動体82の側面(接触部86)と弾性腕77の側面とが摺接しているため、左右傾動する内刃11に対する中立位置への復帰を確実に行うことができる。また、フロートばね88や、弾性腕77および弾性腕77に接触する受動体82を、内刃11と駆動軸18の連結部に寄せて設けていることにより、上下フロート用のばね構造と内刃11の左右傾動を中立位置に復帰するばね構造の両者を内刃11と駆動軸18との連結部にコンパクトに集約でき、視覚的に見苦しくないデザインが可能となる。なお、受動体82の側面(接触部86)と弾性腕77の側面とは常に摺接させる必要はなく、僅かな隙間を設けて、内刃11が左右傾動したときに接触する構成であってもよい。この場合、接触してから弾性腕77は弾性変形して、内刃11を中立姿勢に復帰操作する。一対の受動体82は、一対の弾性腕77の外側に配設されているが、内側に配設されたものであってもよい。
上記実施例では、駆動軸18の側に、左右一対の弾性腕77が設けられ、内刃11の側に、弾性腕77と接触する左右一対の受動体82が設けられているが、これに限定されず、内刃11の側に、左右一対の弾性腕77を設け、駆動軸18の側に、弾性腕77と接触する左右一対の受動体82が設けることもできる。具体的には、受動枠74から下方に向けて左右一対の弾性腕77を突出させ、弾性腕77と接触する左右一対の受動体82を連結ピース73に設けて構成する。受動体82には、接触部86と斜めの逃げ面87とを設け、内刃11が上下フロートするときの摺動抵抗を減少させている。また弾性腕77の下端には、内刃11の上下フロートを許す空間Eを確保するようにする。
図15は本発明に係る他の実施例を示す。上記実施例では、左右一対の弾性腕77と左右一対の受動体82を設けたが、本実施例では、内刃11側に1つの弾性腕77を設け、駆動軸18の側に、1つの貫通孔80を設けている。具体的には、ばね受突起83の下面に下向きに突出する丸棒状の弾性腕77を形成し、連結ベース75の、フロートばね88を受けるばね受け座部分のベース壁に貫通孔80を形成している。この貫通孔80に弾性腕77が上下動可能に、しかし左右規制された状態で挿通されている。内刃11がフロート軸81を回動軸として左右傾動(シーソー運動)すれば、弾性腕77が貫通孔80の内壁80aに強く接触し、弾性腕77が弾性変形する。このとき弾性腕77に弾性復元力が作用し、その復元力により内刃11を中立位置に復帰させる。また、貫通孔80が内刃11の上下フロートを許す空間Eとなっている。このように、貫通孔80の内壁80aが弾性腕77と接触しており、つまり、貫通孔80の内壁80aが受動体82を構成している。他は先に説明した実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。
上記構成の電気かみそりは以下の態様で実施できる。
振動子17の駆動軸18と内刃11とが、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されて、内刃11がフロートばね88で外刃12と密着する向きに押付け付勢されており、
駆動軸18、内刃11のいずれか一方の側に、弾性腕77が設けられており、
駆動軸18、内刃11のいずれか一方のうち、弾性腕77が設けられていない側に、弾性腕77と接触する受動体82が設けられており、
弾性腕77と受動体82の側面同士を接触させて弾性腕77の弾性復元力により左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作することを特徴とする。
これにより、内刃11が往復運動するとき内刃11が外刃12の内面から離れて切れ味が低下するのを防止できるとともに、上下フロート用のばねと左右傾動を中立位置に戻すばねの機能を確実に使い分けできるので、フロートばね圧が肌面に強く作用するのを防止して、肌に対して負担が係るのを防止できる。
振動子17の駆動軸18と内刃11とが、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されて、内刃11がフロートばね88で外刃12と密着する向きに押付け付勢されており、
駆動軸18の側に、左右一対の弾性腕77が設けられており、
内刃11の側に、弾性腕77と接触する左右一対の受動体82が設けられており、
弾性腕77と受動体82の側面同士を接触させて弾性腕77の弾性復元力により左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作することを特徴とする。
これにより、内刃11が往復運動するとき内刃11が外刃12の内面から離れて切れ味が低下するのを防止できるとともに、上下フロート用のばねと左右傾動を中立位置に戻すばねの機能を確実に使い分けできるので、フロートばね圧が肌面に強く作用するのを防止して、肌に対して負担が係るのを防止できる。
振動子17の駆動軸18と内刃11とが、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されて、内刃11がフロートばね88で外刃12と密着する向きに押付け付勢されており、
駆動軸18の側に、左右一対の弾性腕77が設けられており、
内刃11の側に、弾性腕77と接触する左右一対の受動体82が設けられており、
弾性腕77と受動体82の側面同士を接触させて弾性腕77の弾性復元力により左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作し、
内刃11と弾性腕77の上端との間に、内刃11の上下フロート、および内刃11の左右傾動を許す空間Eを確保していることを特徴とする。
これにより、内刃11が往復運動するとき内刃11が外刃12の内面から離れて切れ味が低下するのを防止できるとともに、上下フロート用のばねと左右傾動を中立位置に戻すばねの機能を確実に使い分けできるので、フロートばね圧が肌面に強く作用するのを防止して、肌に対して負担が係るのを防止できる。弾性腕77に余分な摩擦力が作用するのを防止できる。
振動子17の駆動軸18と内刃11とが、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されて、内刃11がフロートばね88で外刃12と密着する向きに押付け付勢されており、
駆動軸18、内刃11のいずれか一方の側に、左右一対の弾性腕77が設けられており、駆動軸18、内刃11のいずれか一方のうち、弾性腕77が設けられていない側に、弾性腕77と接触する左右一対の受動体82が設けられており、
弾性腕77と受動体82の側面同士を接触させて弾性腕77の弾性復元力により左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作し、
受動体82に、弾性腕77に接触する接触部86と、弾性腕77と受動体82の相対傾動を吸収する斜めの逃げ面87とが設けられていることを特徴とする。
これにより、内刃11が往復運動するとき内刃11が外刃12の内面から離れて切れ味が低下するのを防止できるとともに、上下フロート用のばねと左右傾動を中立位置に戻すばねの機能を確実に使い分けできるので、フロートばね圧が肌面に強く作用するのを防止して、肌に対して負担が係るのを防止できる。内刃11が左右傾動するときに、受動体82の接触部86のみを弾性腕77に接触させることができ、弾性腕77に余分な摩擦力が作用するのを防止できる。
振動子17の駆動軸18と内刃11とが、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されて、内刃11がフロートばね88で外刃12と密着する向きに押付け付勢されており、
駆動軸18、内刃11のいずれか一方の側に、左右一対の弾性腕77が設けられており、駆動軸18、内刃11のいずれか一方のうち、弾性腕77が設けられていない側に、弾性腕77と接触する左右一対の受動体82が設けられており、
弾性腕77と受動体82の側面同士を接触させて弾性腕77の弾性復元力により左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作し、
受動体82の側面と弾性腕77の側面とが摺接していることを特徴とする。
これにより、内刃11が往復運動するとき内刃11が外刃12の内面から離れて切れ味が低下するのを防止できるとともに、上下フロート用のばねと左右傾動を中立位置に戻すばねの機能を確実に使い分けできるので、フロートばね圧が肌面に強く作用するのを防止して、肌に対して負担が係るのを防止できる。左右傾動する内刃11に対する中立位置への復帰を確実に行うことができる。
振動子17の駆動軸18と内刃11とが、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されて、内刃11がフロートばね88で外刃12と密着する向きに押付け付勢されており、
駆動軸18、内刃11のいずれか一方の側に、弾性腕77が設けられており、駆動軸18、内刃11のいずれか一方のうち、弾性腕77が設けられていない側に、 弾性腕77と接触する受動体82が設けられており、
弾性腕77と受動体82の側面同士を接触させて弾性腕77の弾性復元力により左右傾動した内刃11を中立位置へ復帰操作し、
フロートばね88、弾性腕77および弾性腕77に接触する受動体82を、内刃11と駆動軸18の連結部に寄せて設けていることを特徴とする(図9、図15参照)。
これにより、内刃11が往復運動するとき内刃11が外刃12の内面から離れて切れ味が低下するのを防止できるとともに、上下フロート用のばねと左右傾動を中立位置に戻すばねの機能を確実に使い分けできるので、フロートばね圧が肌面に強く作用するのを防止して、肌に対して負担が係るのを防止できる。上下フロート用のばね構造と内刃11の左右傾動を中立位置に復帰するばね構造の両者を内刃11と駆動軸18との連結部にコンパクトに集約でき、視覚的に見苦しくないデザインが可能となる。
振動子室Rに内刃11を往復動する振動子17が設けられており、
振動子17の駆動軸18と内刃11とが、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されて、内刃11がフロートばね88で外刃12と密着する向きに押付け付勢されており、
振動子17の駆動軸18が、振動子室Rの上壁(蓋壁41)に開口した振動窓43から上向きに突設されており、
駆動軸18と振動窓43の間の隙間がシール体(第1シール体57)で封止されており、
駆動軸18の側に、側方に向けて張り出すフランジ75aが設けられることを特徴とする電気かみそり。
これにより、ひげ屑がシール体(第1シール体57)に直接溜まるのを防止でき、シール体にひげ屑が溜まることに起因する駆動負荷を低減することができる。したがって電力を無駄に消費することを防止できる。またモーター15の寿命も延ばすことができる。
フランジ75aも往復動するので、フランジ75a上に溜まったひげ屑は側方に向けて排出でき、シール体への堆積を可及的に防止できる。
本体ケース1の外面に、きわぞり刃ユニット7が配置されており、
きわぞり刃ユニット7を駆動する駆動アーム78が駆動軸18に取り付けられており、
駆動アーム78の基端部分は、後方側のフランジ75aを兼ねていることを特徴とする上記記載の電気かみそり。
これにより、複雑な構造を採用せずとも、ひげ屑のシール体への落下防止と駆動アーム78の強度を増すことができる。
(きわぞり刃ユニットの節度構造)
図4、および図10において、きわぞり刃ユニット7は、正対形状がスコップ形状のユニットベース91と、同ベース91の上部内面に固定される内枠92と、内枠92の内面上部に固定される固定刃93と、固定刃93の下面に沿って摺動する可動刃94などで構成してある。ユニットベース91の内面には、可動刃94を左右方向へスライド操作する中継アーム95が設けてある。ユニットベース91の上下中途部の内面の両側縁には、本体ケース1の外ガイド溝(ガイド溝)96に係合して、同ガイド溝96でスライド案内される係合爪97が設けてある。中継アーム95は、ユニットベース91に設けたピン98で左右揺動自在に支持されており、その下端に設けた受動ピン99が先の駆動アーム78の後面に設けた駆動溝100と係合する状態において、往復動力を受け継いで可動刃94に伝動する。
きわぞり刃ユニット7の全体は、図3に実線で示す待機位置と、想像線で示す使用位置との間を上下スライドでき、待機位置、第1使用位置、第2使用位置の3個所においてきわぞり刃ユニット7を位置保持するために、ユニットベース91と本体ケース1との間に節度構造を設けている。第1使用位置においては、きわぞり刃ユニット7をメイン刃10とほぼ同じ高さに位置させて、メイン刃10ときわぞり刃ユニット7とを併用する、いわゆるコンビ剃りを行なうことができる。また、第2使用位置においては、図3に想像線で示すように、きわぞり刃ユニット7をメイン刃10より上方に突出させて、きわぞり刃ユニット7を単独で使用することができる。
節度構造は、ユニットベース91の内面に固定した節度ピース103と、本体ケース1の後壁に形成した内ガイド溝(ガイド溝)104、節度ガイド面105、節度ガイド面105に沿って形成した3個の節度凹部(節度部)106などで構成する。先の外ガイド溝96、上下方向に長い内ガイド溝104および節度ガイド面105は、それぞれ本体ケース1の後壁を凹ませることにより形成してある。節度ピース103は、上下に長い長円状の溶着ベース109と、溶着ベース109の上部両側から連出される、部分円弧状の弾性変形可能な節度アーム110と、節度アーム110の連出端に設けられる節度突起111と、溶着ベース109の下部両側に設けた一対のスライド突起112とを備えている。
ユニットベース91の係合爪97を、外ガイド溝96に係合することにより、節度ピース103のスライド突起112が内ガイド溝104と係合して、きわぞり刃ユニット7の全体が、本体ケース1で上下スライド可能に支持される。きわぞり刃ユニット7が待機位置にあるときは、節度突起111が下側の節度凹部106に係合しており、この状態では、受動ピン99は駆動アーム78の駆動溝100から分離している。この状態でメイン刃10を使用する。きわぞり刃ユニット7を第1使用位置まで押し上げ操作すると、節度突起111は上下中央の節度凹部106と係合しており、この状態以降、受動ピン99は駆動アーム78の駆動溝100と係合した状態を維持しており、従って、中継アーム95は、駆動アーム78の往復動力を可動刃94に伝動する。きわぞり刃ユニット7を第2使用位置まで押し上げ操作すると、節度突起111は上側の節度凹部106と係合して、その状態を維持する。きわぞり刃ユニット7によるひげ切断が終了したら、きわぞり刃ユニット7を引下げ操作して待機位置へ戻す。
以上のように構成した節度構造によれば、本体ケース1と一体に形成した外ガイド溝96、内ガイド溝104、節度ガイド面105、節度凹部106と、ユニットベース91に固定した節度ピース103とで、部品点数が少ない節度構造を構成できる。従って、節度構造の全体コストを削減し、動作の信頼性を向上できる。
(スイッチ機構)
図11ないし図14に、スライドノブ5の上下スライド動作に連動して、モーター15の通電状態を切換えるスイッチ機構を示している。スイッチ機構は、スライドノブ5と、スライドノブ5と同行移動する内スライド体116と、内スライド体116の往復動作を回動動作に変換する外ピース117と、外ピース117で回動操作される切換え端子体118と、押圧ピース119などで構成する。
本体ケース1の前面には、スイッチパネル115が固定してあり、同パネル115の外面にスライドノブ5が配置され、同パネル115の内面に内スライド体116が配置してある。スライドノブ5と内スライド体116とは、スライドノブ5の内面に突設した3個の溶着ピン120を溶融変形させることにより一体化してある。図11に示すように、内スライド体116の下部一側には操作アーム121が設けられ、他側には節度アーム122が設けてある。操作アーム121と節度アーム122とは、逆U字状の弾性腕123を介して繋がっており、節度アーム122がスイッチパネル115に設けた節度突起124を乗り越えるとき、弾性腕123が節度アーム122の弾性を補助して、節度アーム122を自由状態に復帰させる。符号125は、外ピース117を揺動操作する操作ピンである。
図13に示すように、外ピース117は、だるま形のレバー部127と、レバー部127の内面の操作軸部128とを一体に備えており、操作軸部128から最も離れたレバー部127の先端寄りに、先の操作ピン125と係合する受動溝129が長穴状に形成してある。図12に示すように、操作軸部128は本体ケース1に設けた貫通穴130に差込まれて、本体ケース1の内面から内方へ突出しており、その軸端には断面がほぼ長方形状のレバー軸131が一体に設けてある。貫通穴130とレバー軸131との間はシールリング132でシールしてある。
切換え端子体118は、小判形の端子ベース135の外面中央のボス部に、先のレバー軸131と係合する受動溝136が形成してあり、ボス部の内面中央には回動軸137が一体に設けてある(図13参照)。また、回動軸137を間に挟む上下2個所には、係合脚138が設けてある。回動軸137を回路基板25の軸受穴139に係合し、さらに、係合脚138を回路基板25に設けた部分円弧状のガイド溝140に係合することにより、切換え端子体118の全体が回路基板25で回動自在に支持される。端子ベース135と回路基板25との対向面には、それぞれモーター15への通電状態をオン・オフする接続端子141・142が設けてある。
駆動ユニット4を本体ケース1に差込むときの動作を利用して、レバー軸131を受動溝136と係合させるために、端子ベース135の下側にガイド切欠144を形成し、その上端に乗りあがり動作を補助するガイド面145を形成している。レバー軸131は、ガイド切欠144に案内されてガイド面145に接当し、レバー軸131の先端がガイド面145を乗り越えるようにして端子ベース135に乗りあがったのち、レバー軸131が受動溝136に落込み係合する。また、受動溝136の下端に分離ガイド面150を設けておくことにより、駆動ユニット4を本体ケース1から抜出し操作するとき、レバー軸131の先端が分離ガイド面150を乗り越えて端子ベース135に乗りあがったのちガイド切欠144に落込んで、レバー軸131と受動溝136との係合が解除される。
上記のように、レバー軸131が端子ベース135に乗りあがるときには、外ピース117の全体がケース外方へ向かって押出される。しかし、外ピース117は押圧ピース119で常にケース内方へ向かって押付けられているので、レバー軸131が受動溝136と係合するのと同時に外ピース117を適正な組付け位置へ戻すことができ、従って、レバー軸131と受動溝136とを適正な係合状態に維持して、外ピース117の回動動作を端子ベース135に的確に伝えることができる。
外ピース117を押圧ピース119で安定した状態で押付けるために、押圧ピース119の先端に設けた係合ピン146が、外ピース117のレバー部127に設けた係合凹部147に係合する状態で、外ピース117を押圧ピース119で押圧保持している。押圧ピース119の基端のボスは、本体ケース1に設けた溶着ピン148で固定してある。因みに、この種のスイッチ構造は特開2005−177199号公報に見ることができる。押圧ピース119の基端のボスは、本体ケース1に固定する以外に、スイッチパネル115に固定することができる。
上記の実施例では、外ピース117のレバー軸131が、ガイド面145を乗り越えたのち、端子ベース135の受動溝136に落ち込み係合するようにしたが、その必要はなく、ガイド面145および分離ガイド面150を省略して、受動溝136の下端を開放した構造とすることができる。要は、レバー軸131と受動溝136が係合した状態において、外ピース117を押圧ピース119でケース内方へ押付けて、レバー軸131と受動溝136の係合状態を安定化できるものであればよい。
上記の実施例以外に、振動子室Rは第1遮音壁42と組付口8の周囲壁52とで、振動子17の周りを内外2重に覆うことができる。その場合には、第1遮音壁42の下端を本体ケース1に接合して、騒音の漏出しを防止するとよい。また、第1遮音壁42と第2遮音壁53のそれぞれを延長して、両遮音壁42・53のオーバーラップ部分の長さを増やすと、より一層遮音効果を向上できる。パッキン押え板61は省略することができる。第1シール体57と第2シール体58は、一体に形成することができ、その場合には、蓋壁41の上面の大半を一体化されたシール体で覆って、蓋壁41が振動するのを低減できる。第2シール体58は、省略することができる。
1 本体ケース
4 駆動ユニット
11 内刃
12 外刃
15 モーター
17 振動子
18 駆動軸
77 弾性腕
82 受動体
86 接触部
87 逃げ面
88 フロートばね

Claims (5)

  1. 振動子(17)の駆動軸(18)と内刃(11)とが、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されて、内刃(11)がフロートばね(88)で外刃(12)と密着する向きに押付け付勢されており、
    駆動軸(18)、内刃(11)のいずれか一方の側に、弾性腕(77)が設けられており、
    駆動軸(18)、内刃(11)のいずれか一方のうち、弾性腕(77)が設けられていない側に、弾性腕(77)と接触する受動体(82)が設けられており、
    弾性腕(77)と受動体(82)の側面同士を接触させて弾性腕(77)の弾性復元力により左右傾動した内刃(11)を中立位置へ復帰操作することを特徴とする電気かみそり。
  2. 振動子(17)の駆動軸(18)と内刃(11)とが、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されて、内刃(11)がフロートばね(88)で外刃(12)と密着する向きに押付け付勢されており、
    駆動軸(18)の側に、左右一対の弾性腕(77)が設けられており、
    内刃(11)の側に、弾性腕(77)と接触する左右一対の受動体(82)が設けられており、
    弾性腕(77)と受動体(82)の側面同士を接触させて弾性腕(77)の弾性復元力により左右傾動した内刃(11)を中立位置へ復帰操作することを特徴とする請求項1に記載の電気かみそり。
  3. 内刃(11)と弾性腕(77)の上端との間に、内刃(11)の上下フロートを許す空間Eを確保していることを特徴とする請求項2に記載の電気かみそり。
  4. 受動体(82)に、弾性腕(77)に接触する接触部(86)と、弾性腕(77)と受動体(82)の相対傾動を吸収する斜めの逃げ面(87)とが設けられていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の電気かみそり。
  5. 受動体(82)の側面と弾性腕(77)の側面とが摺接していることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の電気かみそり。
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