JP2018038507A - ミシンとミシンの制御方法 - Google Patents
ミシンとミシンの制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018038507A JP2018038507A JP2016173465A JP2016173465A JP2018038507A JP 2018038507 A JP2018038507 A JP 2018038507A JP 2016173465 A JP2016173465 A JP 2016173465A JP 2016173465 A JP2016173465 A JP 2016173465A JP 2018038507 A JP2018038507 A JP 2018038507A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- sewing machine
- bed
- cooling
- cooling device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D05—SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
- D05B—SEWING
- D05B1/00—General types of sewing apparatus or machines without mechanism for lateral movement of the needle or the work or both
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D05—SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
- D05B—SEWING
- D05B27/00—Work-feeding means
- D05B27/02—Work-feeding means with feed dogs having horizontal and vertical movements
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D05—SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
- D05B—SEWING
- D05B55/00—Needle holders; Needle bars
- D05B55/14—Needle-bar drives
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D05—SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
- D05B—SEWING
- D05B69/00—Driving-gear; Control devices
- D05B69/30—Details
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D05—SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
- D05B—SEWING
- D05B71/00—Lubricating or cooling devices
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D05—SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
- D05B—SEWING
- D05B75/00—Frames, stands, tables, or other furniture adapted to carry sewing machines
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D05—SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
- D05D—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES D05B AND D05C, RELATING TO SEWING, EMBROIDERING AND TUFTING
- D05D2305/00—Operations on the work before or after sewing
- D05D2305/32—Measuring
Abstract
【課題】ベッド部内を冷却しつつ静粛性を確保できるミシンとミシンの制御方法を提供する。【解決手段】縫製時、ミシンのCPUは主モータを駆動する。針板上で布を移送する送り台を駆動する送りモータは、主モータに同期して駆動し、発熱する。主モータの駆動時(S49:YES)、CPUは冷却扇を第一速度で駆動する(S51)。作業者が縫製を終えると、CPUは主モータの駆動を停止する。主モータの非駆動時(S49:NO)、CPUはベッド部内の温度を検出する(S53)。検出温度が比較温度より高い時(S55:YES)、CPUは冷却扇を第一速度より遅く風量が少ない第二速度で駆動する(S57)。検出温度が比較温度以下の時(S55:NO)、CPUは冷却扇の駆動を停止する(S47)。【選択図】図9
Description
本発明は、ベッド部内を冷却するミシンとミシンの制御方法に関する。
ミシンは、主モータで駆動する各種機構を備える。作業者が踏板を踏むと主モータは駆動し、ミシンの各種機構を駆動する。ミシンは、ベッド部内に釜機構、送り機構等を設ける。各機構の駆動に伴い、ベッド部内の温度は上昇する。
例えば特許文献1に記載のミシンは、ベッド部内に電動扇を設ける。ミシンは主モータの駆動時に電動扇を作動し、ベッド部内を冷却する。主モータの駆動停止時、ミシンは所定時間が経過するまで電動扇の作動を継続し、ベッド部内を十分に冷却してから電動扇を停止する。
しかしながら、特許文献1のミシンは、主モータの駆動が停止し、各種機構が動作を停止した時、電動扇のみが作動し続ける為、電動扇の作動音によって静粛性が得られなかった。
本発明の目的は、ベッド部内を冷却しつつ静粛性を確保できるミシンとミシンの制御方法を提供することである。
本発明の第一態様によれば、縫針を装着し、縫製対象物に対して上下動可能な針棒と、上軸を介し、前記針棒に駆動力を付与する主モータと、前記針棒の上下動に同期して前記縫製対象物を移送可能な移送機構と、上面に前記縫製対象物を配置可能であり、内部に前記移送機構を収容するベッド部と、を備えるミシンにおいて、前記ベッド部に設け、前記ベッド部内を冷却する冷却装置と、前記冷却装置の駆動を制御する制御部と、前記ベッド部内の温度を検出する温度検出部と、を備え、前記制御部は、前記主モータの駆動時、前記冷却装置の冷却能力を第一能力に制御して前記冷却装置を駆動する第一冷却制御部と、前記主モータの非駆動時、且つ前記温度検出部が検出する検出温度が所定の比較温度より高い時、前記冷却装置の冷却能力を前記第一能力よりも低い第二能力に制御して前記冷却装置を駆動する第二冷却制御部とを備えることを特徴とするミシンが提供される。
主モータの駆動時、ミシンは冷却装置を第一能力で駆動する。冷却装置が第一能力で駆動する時に発生する音は、主モータの駆動音に混ざり、作業者に不快感を与えにくい。主モータの非駆動時、ミシンは冷却装置を第一能力よりも冷却能力が低い第二能力で駆動する。冷却装置が第二能力で駆動する時に発生する音は、第一能力で駆動する時に発生する音よりも小さく、静粛性が高いので、作業者に不快感を与えにくい。故に、ミシンは、作業者に不快感を与えずにベッド部内を冷却することができる。
第一態様の前記制御部は、前記主モータの非駆動時、且つ前記温度検出部による検出温度が前記比較温度以下の時、前記冷却装置の駆動を停止する第三冷却制御部を備えてもよい。ミシンは、主モータの非駆動時に検出温度が比較温度以下であり、ベッド部内の冷却の必要性が低ければ冷却装置の駆動を停止するので、静粛性を確保することができる。
第一態様の前記ベッド部は、前記移送機構を内部に設け、前記縫製対象物を上面に配置可能なベッド本体と、上部が開放し且つ前記ベッド本体を下方から覆い、前記冷却装置を固定する収容部と、を有し、前記ベッド本体から立設し、前記ベッド本体と共に、水平面に対して垂直に起立する起立状態と、水平面に対して傾倒する傾倒状態との間を変更可能な脚柱部と、水平面に対して前記脚柱部が傾倒したことを検出する傾倒検出部と、を備え、前記制御部は、前記脚柱部が傾倒したことを前記傾倒検出部が検出した時、前記冷却装置の駆動を停止する第三冷却制御部を備えてもよい。ミシンの整備時、作業者は脚柱部を傾倒し、ベッド本体の内部を露出する。傾倒検出部は、脚柱部が傾倒したことを検出する。該時、ミシンは冷却装置の駆動を停止する。故に作業者は整備作業を安全に行うことができる。
第一態様の前記ベッド部は、前記移送機構を内部に設け、前記縫製対象物を上面に配置可能なベッド本体と、上部が開放し且つ前記ベッド本体を下方から覆い、前記冷却装置を固定する収容部と、を有し、前記ベッド本体から立設し、前記ベッド本体と共に、水平面に対して垂直に起立する起立状態と、水平面に対して傾倒する傾倒状態との間を変更可能な脚柱部と、水平面に対して前記脚柱部が傾倒したことを検出する傾倒検出部と、を備え、前記第三冷却制御部は、前記脚柱部が傾倒したことを前記傾倒検出部が検出した時、前記冷却装置の駆動を停止してもよい。ミシンの整備時、作業者は脚柱部を傾倒し、ベッド本体の内部を露出する。傾倒検出部は、脚柱部が傾倒したことを検出する。該時、ミシンは冷却装置の駆動を停止する。故に作業者は整備作業を安全に行うことができる。
第一態様は、前記第一能力及び前記第二能力の設定値を記憶する能力記憶部と、前記能力記憶部が記憶する前記第一能力及び前記第二能力の少なくとも一方の設定値の変更を受け付ける能力変更部と、を備えてもよい。ミシンは、冷却装置の冷却能力の変更を受け付けることができる。故にミシンは、冷却装置の駆動時の駆動音を環境音に応じることができ、静粛性を確保することができる。
第一態様は、前記比較温度の設定値を記憶する温度記憶部と、前記温度記憶部が記憶する前記比較温度の設定値の変更を受け付ける温度変更部と、を備えてもよい。ミシンは、作業者による比較温度の設定に応じて主モータ非駆動時における冷却装置の駆動条件を変更できるので、ベッド部内の冷却を確実に行うことができる。
第一態様は、オンになるとミシンが起動する電源スイッチと、前記電源スイッチがオンになった時、前記温度検出部による前記検出温度を初期温度として記憶する初期温度記憶部と、前記初期温度よりも高い温度を前記比較温度に設定する比較温度設定部と、を備えてもよい。ミシンは、環境温度に応じて比較温度を設定し、主モータ非駆動時における冷却装置の駆動条件を変更できるので、ベッド部内の冷却を確実に行うことができる。
本発明の第二態様によれば、縫針を装着し、縫製対象物に対して上下動可能な針棒と、上軸を介し、前記針棒に駆動力を付与する主モータと、前記針棒の上下動に同期して前記縫製対象物を移送可能な移送機構と、上面に前記縫製対象物を配置可能であり、内部に前記移送機構を収容するベッド部と、前記ベッド部に設け、前記移送機構を冷却する冷却装置とを備えるミシンの前記冷却装置の駆動を制御することで前記ベッド部内を冷却するミシンの制御方法であって、前記主モータの駆動時、前記冷却装置の冷却能力を第一能力に制御して前記冷却装置を駆動する第一冷却工程と、前記主モータの非駆動時、且つ前記ベッド部内の温度を検出する温度検出部による検出温度が所定の比較温度より高い時、前記冷却装置の冷却能力を第一能力よりも低い第二能力に制御して前記冷却装置を駆動する第二冷却工程と、を含むことを特徴とするミシンの制御方法が提供される。
主モータの駆動時、ミシンは冷却装置を第一能力で駆動する。冷却装置が第一能力で駆動する時に発生する音は、主モータの駆動音に混ざり、作業者に不快感を与えにくい。主モータの非駆動時、ミシンは冷却装置を第一能力よりも冷却能力が低い第二能力で駆動する。冷却装置が第二能力で駆動する時に発生する音は、第一能力で駆動する時に発生する音よりも小さく、静粛性が高いので、作業者に不快感を与えにくい。故に、ミシンは、ベッド部内を効率よく冷却することができる。
図面を参照し本発明の一実施形態を説明する。ミシン1の機械的構成を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1に示すように、ミシン1はベッド部2、脚柱部3、アーム部4を備える。ベッド部2はミシン1の土台である。ベッド部2はミシン台6上面の矩形穴29に上方から装着する。ベッド部2は、平面視略矩形であり、左右方向に延びる。脚柱部3は、ベッド部2の右端から上方に延びる。アーム部4は、脚柱部3の上端から左方に延びる。アーム部4は、ベッド部2の上面に対向する。アーム部4は、左方に先端部5を備える。先端部5は下方に延びる。
図1〜図3に示すように、ベッド部2は、ベッド本体40とアンダーカバー45を備える。ベッド本体40はベッド41と固定部42を有する。ベッド41は平面視略矩形の板状であり、左右方向に延びる。ミシン1の脚柱部3が起立状態の時、ベッド41は、ミシン台6の矩形穴29に係合する。起立状態は、脚柱部3がミシン台6上面(水平面)に対して垂直に起立した状態である。ミシン1が起立状態の時、ベッド41上面とミシン台6上面は略同一の高さ位置にある(図5参照)。ベッド41は、左部に針板15を設ける。針板15は、左部に針穴18を有する。針板15は、針穴18の周囲に送り歯穴(図示略)を開口する。
固定部42は、ベッド41下面から下方に突出する。固定部42はベッド41の外周に沿って壁状に設ける。主モータ30、移送機構23、釜機構(図示略)、糸切装置等(図示略)は、夫々、固定部42に組み付ける。主モータ30は、脚柱部3の下方に設ける。主モータ30の駆動軸は、移送機構23の下軸プーリ33に連結する。移送機構23は、送り台24を前後方向と上下方向に移動し、縫製対象物を移送する機構である。送り台24は、針板15と略平行に針板15の下方に配置する。送り台24は、上面中央に送り歯(図示略)を設ける。送り歯は前後方向に延び、上部に凹凸部分を備える。送り台24は、主モータ30の駆動力で上下方向に移動する。縫製時、送り台24は、送り歯の凹凸部分を針板15上に突出し、押え足17との間で布を挟む。
移送機構23は、送りモータ25を備える。送りモータ25は、送り台24の右前方に配置する。送りモータ25はパルスモータである。送りモータ25は駆動軸を所定の角度範囲内で回動し、送り台24を前後方向に移動する。釜機構の回転釜(図示略)は、ボビンケース(図示略)を装着する。ボビンケースは、下糸を巻いたボビン(図示略)を収容する。糸切装置は回転釜と送り台24の間に設ける。糸切装置は踏板22の操作に応じて駆動し、下糸を切断する。釜機構と糸切装置の構成は周知なので、説明を省略する。
アンダーカバー45は上部が開放する箱状であり、平面視略矩形で左右方向に延びる。アンダーカバー45は、矩形穴29の形成位置に合わせ、ミシン台6下面に取り付ける。矩形穴29内面とアンダーカバー45内面は、凹部を形成する。脚柱部3が起立状態の時、ベッド41は、矩形穴29とアンダーカバー45の凹部を上から覆う。即ち、ベッド41下面と矩形穴29内面とアンダーカバー45内面は、ベッド部2内に主モータ30、移送機構23等を収容する収容室を構成する。
ベッド部2は、冷却扇28を備える。冷却扇28は、直流電圧で駆動するモータによりファンが回転するDCファンである。冷却扇28はアンダーカバー45の後壁に設け、前方に送風する向きで配置する。故にミシン1は、ミシン1の前側で作業する作業者が冷却扇28に触れ難くできる。アンダーカバー45は、冷却扇28の後方に防護板46を設ける。防護板46は、アンダーカバー45の後方に張り出す。防護板46は作業者の指等が入らない大きさの複数の流通穴47を有する。ミシン1が起立状態の時、冷却扇28は、送りモータ25の後方に位置する。冷却扇28はベッド部2内へ向けて送風し、ベッド部2内を冷却する。
アンダーカバー45は前壁上部に切欠部48を有する。切欠部48は、ミシン台6下面との間に通気穴を形成する。図5に示すように、送りモータ25はベッド41下面との間に間隙Gを有する。冷却扇28が送出する風Bは送りモータ25へ向かい、間隙Gを通って切欠部48からミシン1の前方に吹き出す。風Bは、送りモータ25に当たる時、送りモータ25を冷却する。風Bは間隙Gを通る時、ベッド41の下面に当たり、ベッド本体40を冷却する。
図1に示すように、脚柱部3は、前面に操作部10を備える。操作部10は表示部10Aと操作キー10Bを備える。表示部10Aは、例えば液晶パネルであり、コマンド、設定値、メッセージ等、様々な項目を含む情報を示す画面を表示する。操作キー10Bは、各種の指示の入力を受け付ける。操作部10は後側に操作基板34(図4参照)を備える。操作基板34は、操作部10と略平行に設ける。操作基板34は、前面に、表示部10Aを構成する電子部品と操作キー10Bに対する操作の入力を受け付ける電子部品を実装する。
図4に示すように、操作基板34は、後面に、傾倒センサ35を備える。傾倒センサ35は、揺動部36、支持部37、光検出器38、39を備える。揺動部36は、上側延設部36A、下側延設部36B、軸部36Cを備える。上側延設部36Aと下側延設部36Bは夫々同一平面上に延びる板状部である。軸部36Cは円柱形状であり、上側延設部36Aと下側延設部36Bが延びる平面に対し直交する。上側延設部36Aと下側延設部36Bは軸部36Cの軸方向中央部に設け、軸部36Cから夫々異なる方向に延びる。上側延設部36Aは側面視略長方形状であり、軸部36Cに対して上側にある。下側延設部36Bは側面視略扇形状であり、軸部36Cに対して下側にある。支持部37は操作基板34後面に固定し、軸部36Cの軸方向両端部を回転可能に支持する。
光検出器38、39は、夫々発光部と受光部を備える。光検出器38、39は、発光部が発光した光を受光部により受光したことを検出するフォトインタラプタである。光検出器38は支持部37の上方で操作基板34後面に固定し、光検出器39は支持部37の下方で操作基板34後面に固定する。上側延設部36Aは光検出器38の発光部と受光部の間に位置できる。上側延設部36Aが光検出器38の発光部と受光部の間に位置する時、光検出器38は発光部が発光した光を受光部で受光できない。上側延設部36Aが光検出器38の発光部と受光部の間に位置しない時、光検出器38は発光部が発光した光を受光部で受光できる。下側延設部36Bは光検出器39の発光部と受光部の間に位置できる。下側延設部36Bが光検出器39の発光部と受光部の間に位置する時、光検出器39は発光部が発光した光を受光部で受光できない。下側延設部36Bが光検出器39の発光部と受光部の間に位置しない時、光検出器39は発光部が発光した光を受光部で受光できる。制御装置50が備えるCPU51は、傾倒センサ35の検出状態に基づき、脚柱部3が起立状態であるか傾倒状態であるかを判断する。傾倒状態は脚柱部3がミシン台6上面(水平面)に対して傾倒した状態である。
図1に示すように、脚柱部3は、右側面にプーリカバー9を取り付ける。プーリカバー9は、脚柱部3の右方に膨出し、右側面の開口からプーリ16が突出する。プーリカバー9は、右面下部に開口部(図示略)を有する。開口部は、内側にミシン1の電源スイッチ32(図7参照)を配置する。
アーム部4は、内部に上軸14等を備える。上軸14は左右方向に延びる。上軸14の右端部は、上軸プーリ19を介してプーリ16に連結する。プーリ16は、脚柱部3の右側面に設ける。タイミングベルト20は、脚柱部3内部に設ける。タイミングベルト20は、環状の帯体である。上軸プーリ19は、タイミングベルト20を介して下軸プーリ33と連結する。
先端部5は、内部に天秤機構12、針棒上下動機構(図示略)等を備える。針棒上下動機構は、上軸14の左端に接続する。上軸14は、針棒上下動機構と天秤機構12を駆動する。天秤機構12の構成は周知なので、説明を省略する。針棒上下動機構は、針棒7を備える。針棒7は、針板15の上方に位置する。先端部5の下端部は、針板15と対向する。針棒7の下端部は、先端部5の下側から露出し、下方へ延びる。針棒7は、下端に縫針8を装着する。針棒上下動機構は、上軸14が回転することにより針棒7と縫針8を上下に往復移動する。針棒7が下降した時、縫針8の下端は、針穴18を通過して回転釜の上部に到達する。回転釜は、針棒7と協働し、縫針8が保持する上糸にボビンケースから引出した下糸を絡める。天秤機構12は、下糸に絡んだ上糸を針板15上に引き上げ、縫製対象物である布に縫目を形成する。
先端部5は、下端部に押え足17を支持する。押え足17は、移送機構23の送り歯に対向する。押え足駆動機構(図示略)は、先端部5内部に設ける。押え足駆動機構は、押え足17を上下に移動する。ベッド部2のアンダーカバー45は、前面に膝当て11を備える。膝当て11は、押え足駆動機構に連結する。作業者が膝当て11を操作すると、押え足駆動機構は押え足17を上下動する。
ミシン1は、ベッド部2下方に制御装置50を備える。制御装置50は、アンダーカバー45の下面に取り付ける。制御基板50A(図5参照)は制御装置50内に設ける。制御装置50は、ロッド21を介して踏み込み式の踏板22に接続する。踏板22は、ユーザのつま先又は踵による操作の入力を受け付ける。制御基板50Aに搭載するCPU51は、ユーザのつま先による踏板22の踏み込み操作の操作量に応じて主モータ30の動作を制御する。CPU51は、ユーザの踵による踏板22の踏み返し操作に応じて糸切装置(図示略)を駆動する。
図7を参照し、ミシン1の電気的構成を説明する。制御装置50の制御基板50Aは、CPU51、ROM52、RAM53、記憶装置54、駆動回路56〜59を搭載する。CPU51、ROM52、RAM53、記憶装置54は、バスを介して入出力インターフェース(I/F)55と電気的に接続する。CPU51はミシン1の制御を司り、ROM52が記憶する各種プログラムに従い縫製に関わる各種演算と処理を実行する。ROM52は各種プログラム、各種初期設定パラメータ等を記憶する。RAM53はCPU51の演算結果、ポインタ、カウンタ等を一時的に記憶する。記憶装置54は各種設定情報等を記憶する不揮発性の記憶装置である。
CPU51は、入出力I/F55を介して駆動回路56〜59、主エンコーダ31、送りエンコーダ26、温度センサ27、操作キー10B、踏板22、電源スイッチ32、光検出器38、39に接続する。駆動回路56は主モータ30と電気的に接続する。CPU51は駆動回路56を制御し、主モータ30を駆動する。主モータ30は上軸14を回転する。主エンコーダ31は、主モータ30の駆動軸に設ける。主エンコーダ31は、主モータ30の駆動軸の回転角位相(上軸角)と回転速度を検出し、CPU51に出力する。
駆動回路57は、送りモータ25に接続し、CPU51から受信する制御信号に従って送りモータ25を駆動する。送りエンコーダ26は、送りモータ25の駆動軸に設ける。送りエンコーダ26は、送りモータ25の駆動軸の回転角位相(布送り軸角)と回転速度を検出し、CPU51に出力する。CPU51は、送りエンコーダ26の出力に基づき送りモータ25をフィードバック制御する。温度センサ27は、送りモータ25に設ける。温度センサ27は、コイルの発熱からモータを保護する為にモータが備えるサーミスタである。
温度センサ27が検出する検出温度は、送りモータ25の温度である。送りモータ25は、ベッド部2内における主な発熱源である。故に、送りモータ25の温度は、ベッド部2内の温度と相関関係にある。ROM52は、相関関係に基づくテーブル又は換算式を予め記憶する。冷却プログラム(図9参照)の実行において、作業者が比較温度を設定する時、CPU51は、テーブル又は換算式を用い、ベッド部2内の温度に基づく比較温度を送りモータ25の温度に換算する。
操作キー10Bは、作業者の操作の入力を受け付け、操作内容に応じた信号をCPU51に出力する。駆動回路58は、CPU51が入力する制御信号に従って表示部10Aを駆動し、表示部10Aに各種画面を表示する。踏板22は、作業者による踏板22の操作を検出し、操作方向と操作量に応じた信号をCPU51に出力する。電源スイッチ32は、作業者の操作によりミシン1の電源をオン、オフする。光検出器38、39は、発光部が発光した光の受光部による受光状態を検出し、検出結果に応じた信号をCPU51に出力する。駆動回路59は、CPU51が入力する制御信号に従って冷却扇28を駆動する。
脚柱部3の起立状態と傾倒状態を説明する。図5に示すように、ベッド本体40後部はヒンジ機構60を介して矩形穴29後部と連結する。ヒンジ機構60は水平軸61と回動部材62を備える。ミシン台6は矩形穴29後部に凹み29Aを形成する。水平軸61は左右方向に延び、両側の端部を凹み29A内に保持する。水平軸61は、回動部材62の一端を回動可能に支持する。回動部材62の他端はベッド本体40後部と連結する。ミシン1は脚柱部3の起立状態と傾倒状態の間で、水平軸61を中心に回動可能である。脚柱部3が起立状態の時、操作基板34は鉛直方向に対して僅かに傾斜する。起立状態の時、揺動部36の下側延設部36Bは、光検出器39の発光部と受光部の間に位置する。上側延設部36Aは、光検出器38の発光部と受光部の間に位置しない。即ち、光検出器39の受光部が発光部からの光を受光せず、光検出器38の受光部が発光部からの光を受光した時、CPU51は脚柱部3が起立状態であると判断する。
角柱63はミシン1後方に設け、ミシン台6上面から上方に延びる。図6に示すように、角柱63は傾倒状態の脚柱部3の後部を支持する。傾倒状態の時、ベッド本体40は前端部を後端部に対して斜め上方に傾けて配置し、矩形穴29とアンダーカバー45の凹部を開放する。即ちミシン1は、脚柱部3が傾倒状態の時、ベッド本体40の内部を露出する。主モータ30、移送機構23等は、アンダーカバー45の上方にて露出する。冷却扇28は矩形穴29を介して露出する。作業者はミシン1を傾倒状態にして整備作業を行う。脚柱部3が傾倒状態の時、操作基板34は水平方向に対して僅かに傾斜する。傾倒状態の時、上側延設部36Aは、光検出器38の発光部と受光部の間に位置する。下側延設部36Bは、光検出器39の発光部と受光部の間に位置しない。即ち、光検出器38の受光部が発光部からの光を受光せず、光検出器39の受光部が発光部からの光を受光した時、CPU51は脚柱部3が傾倒状態であると判断する。
図8、図9を参照し、ミシン1が実行する処理を説明する。作業者が電源スイッチ32をオンにすると、ミシン1のCPU51は、各種プログラムをROM52から読み出し実行する。各種プログラムは、縫製プログラム(図8参照)、冷却プログラム(図9参照)、準備プログラム(図示略)を含む。
図8に示すように、CPU51は縫製プログラムを実行し、初期設定を行う。初期設定において、CPU51は、縫製プログラムの各処理で使用する変数、カウンタ、フラグ、設定値等の各種記憶領域をRAM53に確保する。CPU51は、各種操作の入力を待機する(S1)。CPU51は、作業者が電源スイッチ32をオフにせず(S3:NO)、踏板22を操作しなければ(S5:NO)、処理をS1に戻し、待機状態を継続する。
作業者が踏板22を操作し、踏板22から検出信号を受信した時(S5:YES)、CPU51は、駆動回路56に制御信号を出力し、踏板22の踏込量に応じた速度で主モータ30を駆動する(S7)。CPU51は、主エンコーダ31から上軸角を取得する(S9)。CPU51は、取得した上軸角と、作業者が予め設定した送り台24の動作軌跡に応じ、送りモータ25の駆動を制御する(S11)。動作軌跡は、送り台24が移動した時に描く送り台24の軌跡であり、複数パターン設ける。ROM52は、予め動作軌跡に応じた上軸角と送りモータ位置を対応付けたテーブルを記憶する。送りモータ位置は、布送り軸角に対応して予め定めた定数である。送りモータ25は、主モータ30の上軸角と送りモータ25の布送り軸角に対応する動作軌跡上の位置に送り台24を移動する。
CPU51は、踏板22の検出信号に基づき、作業者が踏板22の踏み返し操作を行ったか否か判断する(S13)。踏板22の踏み返しがなければ(S13:NO)、CPU51は、踏板22の検出信号に基づき、作業者が踏板22の踏み込み操作を停止したか否か判断する(S15)。踏板22の検出信号を受信し、踏板22の踏み込み操作が継続すれば(S15:NO)、CPU51は、処理をS7に戻す。CPU51は、主モータ30の駆動を継続し、動作軌跡に従って送りモータ25を駆動して送り台24を移動する。
S13の処理で踏板22の踏み返しがあった時(S13:YES)、又はS15の処理で踏板22の検出信号を受信せず、踏み込み操作が停止した時(S15:YES)、CPU51は、縫製途中の1ピッチ分の縫目を形成してから、主モータ30と送りモータ25の駆動を停止する(S17)。CPU51は処理をS1に戻し、待機状態になる。縫製プログラムは、作業者が電源スイッチ32をオフにすると終了する(S3:YES)。
前述したように、作業者が電源スイッチ32をオンにすると、CPU51は、冷却プログラムをROM52から読み出して実行し、初期設定を行う。初期設定において、CPU51は、冷却プログラムの各処理で使用する変数、カウンタ、フラグ、設定値等の各種記憶領域をRAM53に確保する。CPU51は、RAM53に確保する記憶領域として、初期温度、比較温度、第一速度、第二速度を一時的に記憶する領域を確保する。初期温度は、電源スイッチ32をオンにした時の送りモータ25の温度である。比較温度は、冷却扇28の駆動速度を変更する時の基準の温度である。冷却扇28は、駆動速度が変わることで冷却能力が変わる。第一速度は、主モータ30駆動時に駆動する冷却扇28の駆動速度である。第二速度は、第一速度より遅い速度に設定した冷却扇28の駆動速度である。記憶装置54は、比較温度、第一速度、第二速度の初期値を夫々記憶する。第一速度の初期値は、例えば、冷却扇28を最大の駆動速度の95%で駆動する速度である。第二速度の初期値は、例えば、冷却扇28を最大速度の50%で駆動する速度である。冷却扇28は、駆動速度が速い程、多くの風を送出できる。故に冷却扇28は、第一速度で駆動する時、第二速度で駆動する時よりも冷却能力が高い。冷却扇28は、駆動速度が速い程、大きな音(モータ音、風切り音)を発生する。故に冷却扇28は、第二速度で駆動する時、第一速度で駆動する時よりも静粛性を確保できる。CPU51は、比較温度、第一速度、第二速度の初期値を記憶装置54から読み出し、RAM53に確保した夫々の領域に記憶する。
記憶装置54は、冷却プログラムの動作設定を記憶する。作業者は、冷却プログラムに従う冷却扇28の駆動条件を動作設定として設定することができる。作業者は、例えば、比較温度を自動で設定する自動設定と、手動で設定する手動設定を選択し、設定することができる。自動設定は、送りモータ25非駆動時の温度を基準に演算によって求めた温度を比較温度とする設定である。手動設定は、作業者が設定した温度に対応する送りモータ25の温度を比較温度とする設定である。
CPU51は、比較温度の設定が自動設定か否か判断する(S21)。自動設定の時(S21:YES)、CPU51は、温度センサ27の検出温度を取得する(S27)。CPU51は、温度センサ27の検出温度に基づくベッド部2内の温度を、初期温度としてRAM53に記憶する(S29)。CPU51は、初期温度に基づき比較温度を演算する(S31)。比較温度は、例えば初期温度に、ベッド部2内の温度で10度に対応する温度を加え、送りモータ25の温度に換算した温度である。CPU51は、演算によって求めた比較温度をRAM53に記憶する(S33)。
比較温度の設定が手動設定の時(S21:NO)、CPU51は、作業者が比較温度の設定を変更する操作を行ったか否か判断する(S23)。作業者が比較温度の設定を変更する操作を行わなかった時(S23:NO)、CPU51は、処理をS35に進める。該時、比較温度は初期値のままである。作業者が比較温度の設定を変更する操作を行った時(S23:YES)、CPU51は作業者による比較温度の設定の入力を受け付ける(S25)。CPU51は処理をS33に進め、作業者が入力した温度を送りモータ25の温度に換算し、比較温度としてRAM53に記憶する(S33)。
CPU51は、冷却扇28の冷却能力、即ち冷却扇28の駆動速度を設定する為の操作の入力を受け付けたか否か判断する(S35)。作業者が冷却扇28の駆動速度を設定する操作を行った時(S35:YES)、CPU51は、第一速度を設定する操作の入力を受け付ける(S37)。作業者が第一速度を設定する操作を行うと、CPU51は、作業者が設定した第一速度をRAM53に記憶する(S39)。CPU51は、作業者が設定した第一速度を初期値として記憶装置54に記憶してもよい。CPU51は、第二速度を設定する操作の入力を受け付ける(S41)。作業者が第二速度を設定する操作を行うと、CPU51は、作業者が設定した第二速度をRAM53に記憶し(S43)、処理をS59に進める。CPU51は、作業者が設定した第二速度を初期値として記憶装置54に記憶してもよい。CPU51は、電源スイッチ32がオフか否か判断し、オンであれば(S59:NO)、処理をS35に戻す。
作業者が冷却扇28の駆動速度を設定する操作を行わなければ(S35:NO)、CPU51は、傾倒センサ35の検出状態に基づき、脚柱部3が傾倒状態であるか否か判断する(S45)。脚柱部3が傾倒状態の時(S45:YES)、CPU51は、冷却扇28の駆動を停止する(S47)。傾倒状態の時、ベッド本体40の内部が露出し、作業者はベッド部2内の整備作業を行うことができる。この時、冷却扇28が駆動停止するので、作業者は整備作業を安全に行うことができる。CPU51は処理をS59に進め、電源スイッチ32がオンであれば(S59:NO)、処理をS35に戻す。
S45の処理で、脚柱部3が起立状態の時(S45:NO)、CPU51は、主モータ30が駆動中であるか否か判断する(S49)。作業者が布を縫製する為、踏板22の踏み込み操作を行った時、CPU51は主モータ30を駆動する。ミシン1は、主モータ30の駆動によって、天秤機構12、針棒上下動機構、釜機構等が駆動する為、駆動音が発生する。冷却扇28が発生する音は、ミシン1の駆動音に掻き消される。故にCPU51は、主モータ30の駆動時(S49:YES)、冷却扇28を第一速度で駆動する(S51)。CPU51は処理をS59に進め、電源スイッチ32がオンであれば(S59:NO)、処理をS35に戻す。
S49の処理で、主モータ30が非駆動の時(S49:NO)、CPU51は、温度センサ27の検出温度を取得する(S53)。CPU51は、温度センサ27の検出温度を比較温度と比較する(S55)。ベッド部2内の温度が比較温度より高温の時(S55:YES)、CPU51は、冷却扇28を第二速度で駆動する(S57)。ミシン1は、主モータ30が非駆動であるので駆動音が発生していない。冷却扇28は、第二速度で駆動するので、第一速度で駆動する時よりも音が小さい。故にミシン1は静粛性を確保する。CPU51は処理をS59に進め、電源スイッチ32がオンであれば(S59:NO)、処理をS35に戻す。
冷却扇28がベッド部2を冷却し、S55の処理で、ベッド部2内の温度が比較温度以下になった時(S55:NO)、CPU51は、冷却扇28の駆動を停止する。ミシン1は不必要に冷却扇28を駆動しないので、更なる静粛性を確保する。CPU51は処理をS59に進め、電源スイッチ32がオンであれば(S59:NO)、処理をS35に戻す。CPU51は、S35〜S59の処理を繰り返して実行し、冷却扇28の駆動を各条件に応じた速度にて制御する。冷却プログラムは、作業者が電源スイッチ32をオフにすると終了する(S59:YES)。
図10を参照し、ミシン1の駆動状態に応じた冷却扇28の駆動状態を説明する。作業者がT1時に電源スイッチ32をオンにすると、ミシン1のCPU51は、準備プログラム(図示略)をROM52から読み出し実行する。CPU51は、準備プログラムに従い、移送機構23の原点検出処理を行う。CPU51は、準備プログラムの実行を終了する迄、主モータ30を駆動しない。故に、例えばT1時に作業者が踏板22を操作しても、CPU51は、主モータ30を駆動しない。CPU51は、送りモータ25を駆動し、送りエンコーダ26の出力に基づき、送り台24を原点位置に移動する。T2時に送り台24の原点位置を検出すると、CPU51は、送りモータ25の駆動を停止する。CPU51は、その他の準備処理を行い、T3時に、準備プログラムの実行を終了する。ミシン1は、縫製可能な状態になる。
T4時に作業者が踏板22の踏み込み操作を行うと、CPU51は、主モータ30を駆動する。CPU51は、主モータ30に同期して送りモータ25を駆動する。送りモータ25が駆動する為、温度センサ27の検出温度はT4時以降、上昇する。CPU51は、主モータ30を駆動するので、冷却扇28を第一速度で駆動する。T5時に、温度センサ27の検出温度に基づくベッド部2内の温度は比較温度に到達する。ベッド部2内の温度はT5時以降も上昇を続ける。冷却扇28が第一速度で駆動してベッド部2内を冷却するので、ベッド部2内の温度はT6時に平衡状態になる。T7時に作業者が踏板22の踏み返し操作を行うと、CPU51は、主モータ30の駆動軸の回転を励磁状態で停止する。CPU51は、糸切装置を駆動し、下糸を切断する。
T8時に作業者が踏板22の操作を止めると、踏板22は中立状態になる。CPU51は、送りモータ25が送り台24を原点位置に移動するまで、送りモータ25の駆動を継続する。T9時に、CPU51は、送り台24が原点位置に移動すると、送りモータ25の駆動を停止する。CPU51は、主モータ30の励磁状態を解除し、主モータ30の駆動を停止する。T9時に、ベッド部2内の温度は、比較温度よりも高い。故にCPU51は、冷却扇28を第二速度で駆動する。送りモータ25の駆動が停止しているので、ベッド部2内の温度はT9時以降、降下する。T10時に、ベッド部2内の温度は比較温度に下がる。CPU51は、冷却扇28の駆動を停止する。T10時以降、自然冷却によって、ベッド部2内の温度は降下する。
以上説明したように、主モータ30の駆動時、ミシン1は冷却扇28を第一速度で駆動する。冷却扇28が第一速度で駆動する時に発生する音は、主モータ30の駆動によって発生するミシン1の駆動音に混ざり、作業者に不快感を与えにくい。主モータ30の非駆動時、ミシン1は冷却扇28を第一速度よりも風量が少ない第二速度で駆動する。冷却扇28が第二速度で駆動する時に発生する音は、第一速度で駆動する時に発生する音よりも小さく、静粛性が高いので、作業者に不快感を与えにくい。故に、ミシン1は、作業者に不快感を与えずにベッド部2内を冷却することができる。
ミシン1は、主モータ30の非駆動時に検出温度が比較温度以下であり、ベッド部2内の冷却の必要性が低ければ冷却扇28の駆動を停止するので、静粛性を確保することができる。
ミシン1の整備時、作業者は脚柱部3を傾倒し、ベッド本体40の内部を露出する。傾倒センサ35は、脚柱部3が傾倒したことを検出する。該時、ミシン1は冷却扇28の駆動を停止する。故に作業者は整備作業を安全に行うことができる。
ミシン1は、冷却扇28の冷却能力、即ち冷却扇28の駆動速度の変更を受け付けることができる。故にミシン1は、冷却扇28の駆動時の駆動音を環境音に応じることができ、静粛性を確保することができる。
ミシン1は、作業者による比較温度の設定に応じて主モータ30非駆動時における冷却扇28の駆動条件を変更できるので、ベッド部2内の冷却を確実に行うことができる。
本発明は上記実施形態の他に種々の変更が可能である。ベッド部2内を冷却する冷却装置は、冷却扇28に限らない。例えば冷却装置は、冷媒を封入した管を送りモータ25、ベッド本体40に接触し、冷媒の巡回によって熱を回収し、冷却扇で放熱する装置であってもよい。ミシン1の静粛性を確保する時、冷却扇の駆動速度を抑制し、モータ音と風切り音を低減すればよい。例えば冷却装置は、外部に設けた送風機が送風する風を管でベッド部2内に取り込む時の風量を調節するバルブ装置であってもよい。ミシン1の静粛性を確保する時、バルブ装置は風量を抑制して風切り音を低減すればよい。例えば冷却装置は、コンプレッサを用いたヒートポンプであってもよい。ミシン1は、静粛性を確保する時、コンプレッサを断続的に駆動し、作業者が不快に感じる時間を短くしてもよい。
第一速度は冷却扇28の最大速度でもよい。第一速度は作業者が変更できなくてもよい。CPU51は、ベッド部2内の温度が比較温度以下の時、冷却扇28の駆動を停止したが、これに限らず、第二速度より遅い速度で駆動してもよい。比較温度は複数設けてもよい。CPU51は、複数の比較温度に応じて段階的に、又はリニアに、冷却扇28の駆動速度を制御してもよい。
CPU51は、光検出器38の受光部が発光部からの光を受光せず、光検出器39の受光部が発光部からの光を受光しない時、脚柱部3が傾倒状態であると判断してもよい。即ちCPU51は、脚柱部3が起立状態から傾倒状態に移行する途中の状態も、傾倒状態であると判断してもよい。
ミシン1は、ベッド41が矩形穴29とアンダーカバー45の凹部を覆う時にオン又はオフになるスイッチを設け、傾倒センサ35の代わりに用いてもよい。温度センサ27は、送りモータ25が内蔵するサーミスタに限らず、送りモータ25とは別途設け、送りモータ25の外壁に取り付けてもよいし、ベッド本体40の固定部42に取り付けてもよい。或いは温度センサ27は制御基板50A上に搭載し、ベッド部2内の温度を間接的に検出してもよい。
送りモータ25は駆動軸を所定の角度範囲内で回動し、送り台24を上下方向に移動してもよい。該時、送り台24は、主モータ30の駆動力で前後方向に移動すればよい。主モータ30は、脚柱部3内に設け、主モータ30の駆動軸は、上軸14の上軸プーリ19に連結してもよい。
上記説明で、冷却扇28は本発明の「冷却装置」に相当する。CPU51は本発明の「制御部」に相当する。温度センサ27は本発明の「温度検出部」に相当する。S51の処理を行うCPU51は本発明の「第一冷却制御部」に相当する。S57の処理を行うCPU51は本発明の「第二冷却制御部」に相当する。S47の処理を行うCPU51は本発明の「第三冷却制御部」に相当する。アンダーカバー45は本発明の「収容部」に相当する。傾倒センサ35は本発明の「傾倒検出部」に相当する。S39、S43の処理を行うCPU51は本発明の「能力記憶部」に相当する。S37、S41の処理を行うCPU51は本発明の「能力変更部」に相当する。S33の処理を行うCPU51は本発明の「温度記憶部」に相当する。S23の処理を行うCPU51は本発明の「温度変更部」に相当する。S29の処理を行うCPU51は本発明の「初期温度記憶部」に相当する。S31の処理を行うCPU51は本発明の「比較温度設定部」に相当する。
1 ミシン
2 ベッド部
3 脚柱部
7 針棒
8 縫針
14 上軸
23 移送機構
28 冷却扇
30 主モータ
32 電源スイッチ
35 傾倒センサ
40 ベッド本体
45 アンダーカバー
51 CPU
2 ベッド部
3 脚柱部
7 針棒
8 縫針
14 上軸
23 移送機構
28 冷却扇
30 主モータ
32 電源スイッチ
35 傾倒センサ
40 ベッド本体
45 アンダーカバー
51 CPU
Claims (8)
- 縫針を装着し、縫製対象物に対して上下動可能な針棒と、
上軸を介し、前記針棒に駆動力を付与する主モータと、
前記針棒の上下動に同期して前記縫製対象物を移送可能な移送機構と、
上面に前記縫製対象物を配置可能であり、内部に前記移送機構を収容するベッド部と、
を備えるミシンにおいて、
前記ベッド部に設け、前記ベッド部内を冷却する冷却装置と、
前記冷却装置の駆動を制御する制御部と、
前記ベッド部内の温度を検出する温度検出部と、
を備え、
前記制御部は、
前記主モータの駆動時、前記冷却装置の冷却能力を第一能力に制御して前記冷却装置を駆動する第一冷却制御部と、
前記主モータの非駆動時、且つ前記温度検出部が検出する検出温度が所定の比較温度より高い時、前記冷却装置の冷却能力を前記第一能力よりも低い第二能力に制御して前記冷却装置を駆動する第二冷却制御部と
を備えることを特徴とするミシン。 - 前記制御部は、前記主モータの非駆動時、且つ前記温度検出部による検出温度が前記比較温度以下の時、前記冷却装置の駆動を停止する第三冷却制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
- 前記ベッド部は、
前記移送機構を内部に設け、前記縫製対象物を上面に配置可能なベッド本体と、
上部が開放し且つ前記ベッド本体を下方から覆い、前記冷却装置を固定する収容部と、
を有し、
前記ベッド本体から立設し、前記ベッド本体と共に、水平面に対して垂直に起立する起立状態と、水平面に対して傾倒する傾倒状態との間を変更可能な脚柱部と、
水平面に対して前記脚柱部が傾倒したことを検出する傾倒検出部と、
を備え、
前記制御部は、前記脚柱部が傾倒したことを前記傾倒検出部が検出した時、前記冷却装置の駆動を停止する第三冷却制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のミシン。 - 前記ベッド部は、
前記移送機構を内部に設け、前記縫製対象物を上面に配置可能なベッド本体と、
上部が開放し且つ前記ベッド本体を下方から覆い、前記冷却装置を固定する収容部と、
を有し、
前記ベッド本体から立設し、前記ベッド本体と共に、水平面に対して垂直に起立する起立状態と、水平面に対して傾倒する傾倒状態との間を変更可能な脚柱部と、
水平面に対して前記脚柱部が傾倒したことを検出する傾倒検出部と、
を備え、
前記第三冷却制御部は、前記脚柱部が傾倒したことを前記傾倒検出部が検出した時、前記冷却装置の駆動を停止することを特徴とする請求項2に記載のミシン。 - 前記第一能力及び前記第二能力の設定値を記憶する能力記憶部と、
前記能力記憶部が記憶する前記第一能力及び前記第二能力の少なくとも一方の設定値の変更を受け付ける能力変更部と、
を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のミシン。 - 前記比較温度の設定値を記憶する温度記憶部と、
前記温度記憶部が記憶する前記比較温度の設定値の変更を受け付ける温度変更部と、
を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のミシン。 - オンになるとミシンが起動する電源スイッチと、
前記電源スイッチがオンになった時、前記温度検出部による前記検出温度を初期温度として記憶する初期温度記憶部と、
前記初期温度よりも高い温度を前記比較温度に設定する比較温度設定部と、
を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のミシン。 - 縫針を装着し、縫製対象物に対して上下動可能な針棒と、
上軸を介し、前記針棒に駆動力を付与する主モータと、
前記針棒の上下動に同期して前記縫製対象物を移送可能な移送機構と、
上面に前記縫製対象物を配置可能であり、内部に前記移送機構を収容するベッド部と、
前記ベッド部に設け、前記ベッド部内を冷却する冷却装置と
を備えるミシンの前記冷却装置の駆動を制御することで前記ベッド部内を冷却するミシンの制御方法であって、
前記主モータの駆動時、前記冷却装置の冷却能力を第一能力に制御して前記冷却装置を駆動する第一冷却工程と、
前記主モータの非駆動時、且つ前記ベッド部内の温度を検出する温度検出部による検出温度が所定の比較温度より高い時、前記冷却装置の冷却能力を第一能力よりも低い第二能力に制御して前記冷却装置を駆動する第二冷却工程と、
を含むことを特徴とするミシンの制御方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016173465A JP2018038507A (ja) | 2016-09-06 | 2016-09-06 | ミシンとミシンの制御方法 |
CN201710795613.2A CN107794648B (zh) | 2016-09-06 | 2017-09-06 | 缝纫机和缝纫机的控制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016173465A JP2018038507A (ja) | 2016-09-06 | 2016-09-06 | ミシンとミシンの制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018038507A true JP2018038507A (ja) | 2018-03-15 |
Family
ID=61531522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016173465A Pending JP2018038507A (ja) | 2016-09-06 | 2016-09-06 | ミシンとミシンの制御方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018038507A (ja) |
CN (1) | CN107794648B (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112481846B (zh) * | 2020-11-24 | 2021-08-20 | 苏州锴诚缝制设备有限公司 | 一种具有粉尘收集功能的缝纫机切割装置 |
CN113026232A (zh) * | 2021-03-01 | 2021-06-25 | 绍兴市思盈服饰有限公司 | 一种服装生产用平车缝纫机 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW493727U (en) * | 1997-05-29 | 2002-07-01 | Toshiba Corp | Refrigerator |
JP2003019379A (ja) * | 2001-05-01 | 2003-01-21 | Juki Corp | ミシンの冷却装置 |
DE102009022675A1 (de) * | 2009-05-26 | 2010-12-16 | Horiba Europe Gmbh | Prüfstand mit temperaturgesteuertem Kühlgebläse |
JP2014188134A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Brother Ind Ltd | ミシン |
CN104112883B (zh) * | 2013-04-22 | 2016-09-07 | 南京德朔实业有限公司 | 电池包的冷却充电装置及方法 |
KR20150053666A (ko) * | 2013-11-08 | 2015-05-18 | 최리나 | 재봉틀 난방장치 |
-
2016
- 2016-09-06 JP JP2016173465A patent/JP2018038507A/ja active Pending
-
2017
- 2017-09-06 CN CN201710795613.2A patent/CN107794648B/zh active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN107794648A (zh) | 2018-03-13 |
CN107794648B (zh) | 2021-02-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20080216721A1 (en) | Sewing machine and computer-readable recording medium storing sewing machine operation program | |
TW369578B (en) | Button eyelet sawing machine | |
JP2009189626A (ja) | ミシン | |
TW524906B (en) | Embroidery sewing machine | |
JPH10146481A (ja) | ミシン | |
JP2014195491A (ja) | 切断針回転装置及びミシン | |
JP2018038507A (ja) | ミシンとミシンの制御方法 | |
JP2923934B2 (ja) | 刺繍縫製装置及び刺繍装置 | |
JP7003853B2 (ja) | ミシン | |
US8146521B2 (en) | Sewing machine and computer-readable recording medium with recorded sewing machine control program | |
US8897907B2 (en) | Data generating device, sewing machine and non-transitory computer-readable medium storing control program for data generating device | |
JP2011083352A (ja) | ミシン | |
JP2014068899A (ja) | ミシン | |
JP2008167910A (ja) | 二本針ミシン | |
JP2017080314A (ja) | ミシンとミシンの制御方法 | |
JP2008246186A (ja) | ミシン及びミシン操作プログラム | |
JP2019166039A (ja) | ミシン | |
CN208023224U (zh) | 一种自动夹模缝纫机 | |
JP6343957B2 (ja) | ミシン | |
JP2011083353A (ja) | ミシン | |
JP2013154062A (ja) | ミシン | |
JP2015151658A (ja) | ミシン | |
JP2019166038A (ja) | ミシン | |
JP2014039775A (ja) | ミシン | |
JP2010179014A (ja) | ミシン及び糸張力設定プログラム |