JP2015151658A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】加工対象物に対してユーザの所望するカットパターンを簡単に形成することができるミシンを提供する。【解決手段】ミシンは、切断針を上下方向に往復移動させる上下駆動機構と、切断針を当該切断針の回転軸線の周りに回転させる回転駆動機構とを備える。ミシンの制御手段は、上下駆動機構による切断針の上下移動、及び回転駆動機構による切断針の回転をそれぞれ制御する。また、制御手段は、検出手段により加工対象物の少なくとも移動方向を検出し、加工対象物の移動方向に合わせて刃先の向きが変わるように回転駆動機構を制御する。【選択図】図13
Description
本発明は、ミシンベッド上の加工対象物に対して切断針による切込みの形成が可能なミシンに関する。
従来より、刺繍データに基づいて刺繍模様を縫製するミシンがある。このようなミシンでは、ミシンに内蔵された記憶装置等に、予め複数の刺繍模様の刺繍データが記憶されている。ユーザは、複数の刺繍模様の中から、所望の刺繍模様を選択する。そして、ミシンは、選択された刺繍模様の刺繍データを読み込んで、縫針を装着した針棒を上下動機構により上下動させつつ、加工布を保持した刺繍枠を移送機構により移送させることで、加工布に刺繍模様を刺繍する。
この種のミシンでは、加工布に切込みを入れるボーリング機能を付加したものがある(例えば特許文献1参照)。具体的には、ミシンの針棒に、縫針と付替え可能なボーリングメス(切断針)が装着される。また、ミシンに内蔵された記憶装置に、刺繍データと共に作成され加工布の切込み位置を指示するボーリングデータが記憶されている。そして、ミシンは、ボーリングデータを読み込んで、切断針を装着した針棒を上下動させつつ刺繍枠を移送することで、切断針で加工布に連続的な切込みを形成して所定形状に切断する。
特許文献1のミシンによれば、ボーリングデータに基づいて、加工布に所定形状のカットパターンを形成することができる。しかしながら、ユーザとしては、予め設定された形状のカットパターンに限らず、加工布に任意の形状の切断を施したい場合もある。このような任意の形状の切断を施すには、例えば専用のデータ作成装置を用いて、その形状を切断するためのボーリングデータを作成する必要があり、手間がかかり面倒である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加工対象物に対してユーザの所望するカットパターンを簡単に形成することができるミシンを提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明の請求項1のミシンは、ミシンベッド上に載置された加工対象物をユーザが任意の方向に移動させたときの当該加工対象物の少なくとも移動方向を検出可能な検出手段と、先端に所定幅の刃先を有し、前記加工対象物に切込みを形成するための切断針と、前記切断針を上下方向に往復移動させる上下駆動機構と、前記切断針を当該切断針の回転軸線の周りに回転させる回転駆動機構と、前記上下駆動機構による前記切断針の上下移動、及び前記回転駆動機構による前記切断針の回転をそれぞれ制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記加工対象物の移動方向に合わせて前記刃先の向きが変わるように前記回転駆動機構を制御することを特徴とする。
また、本発明の請求項2のミシンは、ミシンベッド上に載置された加工対象物をユーザが任意の方向に移動させたときの当該加工対象物の移動量及び移動方向を検出可能な検出手段と、先端に所定幅の刃先を有し、前記加工対象物に切込みを形成するための切断針と、前記切断針を上下方向に往復移動させる上下駆動機構と、前記切断針を当該切断針の中心軸線の周りに回転させる回転駆動機構と、前記上下駆動機構による前記切断針の上下移動、及び前記回転駆動機構による前記切断針の回転をそれぞれ制御する制御手段と、前記切断針の上下移動により前記加工対象物に形成される切込みの間隔であるピッチ長さを第1ピッチ長さに設定する第1ピッチ設定手段と、を備え、前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記第1ピッチ設定手段により設定された第1ピッチ長さで前記加工対象物に切込みが形成されるように前記上下駆動機構を制御し、且つ前記加工対象物の移動方向に合わせて前記刃先の向きが変わるように前記回転駆動機構を制御することを特徴とする。
請求項1のミシンによれば、ミシンベッド上の加工対象物を、ユーザが任意の方向に移動させたとき、検出手段により加工対象物の移動方向が検出される。この場合、回転駆動機構によって、検出手段の検出結果に基づき加工対象物の移動方向に合わせて刃先の向きが変わるように切断針を回転させる。そして、上下駆動機構により切断針を上下方向に往復移動させることで、加工対象物に対し切断針の刃先で当該加工対象物の移動方向に合わせた切込みを形成することができる。こうして、加工対象物を任意の方向に移動させつつ切断針の回転と上下移動とを繰り返すことで、加工対象物の移動方向に沿う複数の切込みを形成して、所謂フリーモーションによる所望のカットパターンを簡単に施すことができる。
請求項2のミシンによれば、ミシンベッド上の加工対象物を、ユーザが任意の方向に移動させたとき、検出手段により加工対象物の移動量及び移動方向の検出が可能である。これにより、回転駆動機構によって、検出手段の検出結果に基づき加工対象物の移動方向に合わせて刃先の向きが変わるように切断針を回転させる。そして、上下駆動機構によって、検出手段の検出結果に基づき設定された第1ピッチ長さで切込みが形成されるように切断針を上下移動させる。こうして、加工対象物を任意の方向に移動させつつ切断針の回転と上下移動とを繰り返すことで、加工対象物の移動方向に沿う複数の切込みを第1ピッチ長さで形成することができる。これにより、加工対象物に対して、その移動方向に切込みの向きを合わせ且つピッチ長さを揃えた見映えの良い綺麗なカットパターンを所謂フリーモーションにより簡単に施すことができる。
<第1実施形態>
以下、本発明を刺繍縫製可能な家庭用の電子ミシン(以下、ミシンMと称す)に適用した第1実施形態について、図1〜図14を参照しながら説明する。
図1において、ミシンMは、左右方向に延びるベッド部1と、ベッド部1の右端部から上方に立上がる脚柱部2と、脚柱部2の上部からに左方に延びるアーム部3とを一体に備えて構成されている。アーム部3内には、主軸(図示略)が左右方向に延びるように設けられていると共に、主軸を回転させるミシンモータ4(図10参照)が配設されている。ミシンMに対して使用者(ユーザ)が位置する方向、つまりミシンMにおける後述のスイッチ類或は表示手段の側を前方とし、その反対方向を後方とする。また、ミシンMにおいて脚柱部2が位置する側を右方とし、アーム部3先端側を左方とする。更に、前後方向をY方向とし、Y方向と直交する左右方向をX方向とする。
以下、本発明を刺繍縫製可能な家庭用の電子ミシン(以下、ミシンMと称す)に適用した第1実施形態について、図1〜図14を参照しながら説明する。
図1において、ミシンMは、左右方向に延びるベッド部1と、ベッド部1の右端部から上方に立上がる脚柱部2と、脚柱部2の上部からに左方に延びるアーム部3とを一体に備えて構成されている。アーム部3内には、主軸(図示略)が左右方向に延びるように設けられていると共に、主軸を回転させるミシンモータ4(図10参照)が配設されている。ミシンMに対して使用者(ユーザ)が位置する方向、つまりミシンMにおける後述のスイッチ類或は表示手段の側を前方とし、その反対方向を後方とする。また、ミシンMにおいて脚柱部2が位置する側を右方とし、アーム部3先端側を左方とする。更に、前後方向をY方向とし、Y方向と直交する左右方向をX方向とする。
図2にも示すように、アーム部3の先端部は頭部3aとされている。頭部3aには、縫針5を装着した針棒5aと、押え足6を備えた押え棒6aとが設けられている。図示は省略するが、アーム部3内には、針棒5aを主軸の回転によって上下動させる針棒駆動機構、針棒5aを布送り方向と直交する左右方向に揺動させる針棒揺動機構、天秤を針棒5aの上下動に同期して上下動させる天秤駆動機構、押え棒6aを上下動させる押え棒駆動機構等が配設されている。
ベッド部1は、その上面に針板1aを備えている。図示は省略するが、ベッド部1内には、針板1aの下側に位置して、送り歯を上下方向及び前後方向に移動させる布送り機構、下糸ボビンを収容し縫針5と協働して縫目を形成する水平回転釜、上糸と下糸を切断する糸切り機構等が配設されている。ベッド部1の後方側面には、送り歯を針板1aから出没させて加工布を送る作用状態と針板1aの下側に沈下させた沈下状態とに切替える切替レバー(図示略)が設けられている。詳細な説明は省略するが、後述のアタッチメント10がミシンMに装着されることに連動して、切替レバーが送り歯を作用状態から沈下状態に切り替えるように構成されている。
アーム部3の前面側には、縫製作業の起動と停止を指令する起動停止スイッチ8a等の各種のスイッチ類が設けられると共に、縫製速度(主軸の回転速度)を設定するための速度調節ツマミ8bが設けられている。脚柱部2の前面に横型の液晶ディスプレイ9が設けられており、このディスプレイ9には、実用模様や刺繍模様等の種々の縫製模様、縫製作業に必要な各種の機能を実行させる機能名、更には各種のメッセージ等が表示される。また、ディスプレイ9の前面には、透明電極からなる複数のタッチキーを有するタッチパネル9a(図10参照)が設けられており、このタッチキーがタッチ操作されることで、前記の縫製模様の選択や各種機能の指示、各種のパラメータ等の設定が可能になっている。
ベッド部1の左側部分には、図3に示すアタッチメント10が取外し可能に装着される。詳しく図示はしないが、ベッド部1の略中央から左側は、左方向に向かって延びる略四角柱形状をなしており、この部分をフリーアームベッド部と称す。また、詳しくは後述するように、アタッチメント10をベッド部1に装着した場合、アタッチメント10の嵌合部20a(図3(a)参照)がフリーアームベッド部に嵌合した状態となる。この状態において、ミシンベッドは、ベッド部1及びアタッチメント10を含んで構成されるものとする。
アタッチメント10は、加工布を保持する刺繍枠(図示略)を、ベッド部1及びアタッチメント10の上側において、所定の2方向(X方向及びY方向)へ移送する刺繍機としての機能を備える。また、本実施形態のアタッチメント10は、刺繍枠に代えて図1に示す移動台11を装着した状態で、この移動台11を所定の2方向に移動可能に支持する支持装置としての機能も備える。移動台11の説明は後述する。更に、アタッチメント10は、加工布に切込みを形成するための切断機能も備える。このアタッチメント10について、図3〜図5も参照しながら説明する。
図3(a)及び(b)はアタッチメント10の平面図及び底面図、図4はその内部構造を示す横断面図、図5は図3(a)のV−V線に沿う縦断面図を示している。アタッチメント10は、ベッド部1の上面と同じ高さになる本体部12と、この本体部12の上面部にX方向に移動可能に設けられた可動部13とを備えている。
図3(a)に示すように、アタッチメント10の本体部12は、全体として略矩形箱形をなす樹脂製の筺体20を備える。筺体20の右側には、前後方向の中間部に位置して、上面側が開放された嵌合部20aが設けられている。本体部12は、ベッド部1に対し右方へスライドさせるようにして嵌合部20aを前記フリーアームベッド部に嵌合させることで装着される。アタッチメント10の筺体20の右端部には、コネクタ部20bが設けられる。アタッチメント10がミシンMに装着されて、コネクタ部20bがミシンMの被コネクタ部に接続された状態では、アタッチメント10がミシンMの制御装置39(図10参照)に対して電気的に接続される。
図3(a)に示すように、アタッチメント10の本体部12は、全体として略矩形箱形をなす樹脂製の筺体20を備える。筺体20の右側には、前後方向の中間部に位置して、上面側が開放された嵌合部20aが設けられている。本体部12は、ベッド部1に対し右方へスライドさせるようにして嵌合部20aを前記フリーアームベッド部に嵌合させることで装着される。アタッチメント10の筺体20の右端部には、コネクタ部20bが設けられる。アタッチメント10がミシンMに装着されて、コネクタ部20bがミシンMの被コネクタ部に接続された状態では、アタッチメント10がミシンMの制御装置39(図10参照)に対して電気的に接続される。
可動部13には、刺繍枠または移動台11を着脱可能に装着させるためのキャリッジ14(図4、図5参照)がY方向に移動可能に設けられている。移動台11は、キャリッジ14に着脱可能に装着されることにより、ベッド部1及び本体部12の上側においてX方向及びY方向に移動可能に支持される。
詳細には図4、図5に示すように、筺体20内において、左右方向に延びる固定フレーム16が設けられる。固定フレーム16には、左右方向に延びるX方向案内軸15が固定されている。X方向案内軸15には、可動フレーム17が左右方向に移動可能に設けられている。可動フレーム17は、筺体20に収容されるように配置された支持フレーム17aと、当該支持フレーム17aにその上側で支持され且つ可動部13の外殻ケース13aに収容されるように配置された前後方向に延びるフレーム本体17bとを一体的に有する。可動フレーム17は、支持フレーム17aにてX方向案内軸15により摺動自在にガイドされることで、X方向への移動が可能に構成されている。
詳細には図4、図5に示すように、筺体20内において、左右方向に延びる固定フレーム16が設けられる。固定フレーム16には、左右方向に延びるX方向案内軸15が固定されている。X方向案内軸15には、可動フレーム17が左右方向に移動可能に設けられている。可動フレーム17は、筺体20に収容されるように配置された支持フレーム17aと、当該支持フレーム17aにその上側で支持され且つ可動部13の外殻ケース13aに収容されるように配置された前後方向に延びるフレーム本体17bとを一体的に有する。可動フレーム17は、支持フレーム17aにてX方向案内軸15により摺動自在にガイドされることで、X方向への移動が可能に構成されている。
フレーム本体17bには、前後方向に延びるY方向案内軸18が固定されている。キャリッジ14は、このY方向案内軸18に摺動自在にガイドされることでY方向への移動が可能に構成されている。キャリッジ14には、後述する移動台11の装着部11aを着脱可能に装着するための被装着部14aが形成されている。上記したアタッチメント10を構成する本体部12、可動部13、X方向案内軸15、固定フレーム16、可動フレーム17、Y方向案内軸18、キャリッジ14等は、移動台11を移動可能に支持する支持装置として機能する。
図3(a)に示すように、移動台11は、全体として矩形枠状に形成されており、薄板で枠状の本体部11bと、この本体部11bの外周左縁部に設けられた装着部11aとを一体に有している。本体部11bの内側には、加工布に対し、後述するフリーモーションカットを行うための大きな矩形状の開口部(切断可能領域)11cが形成されている。また、本体部11bの4つの辺部には、上面側から加工布が掛け渡されるように載置される。移動台11の装着部11aをキャリッジ14の被装着部14aに装着することにより、ベッド部1上で加工布を移動台11ごとX方向及びY方向に移動させることができる。
アタッチメント10には、移動台11のX方向の移動量を検出する第1移動量検出機構21aと、移動台11のY方向の移動量を検出する第2移動量検出機構21bが設けられている。第1移動量検出機構21aは、X軸モータ22及びエンコーダ25と、移動台11のX方向の移動をX軸モータ22の回転運動に変換して伝達するX軸伝達機構23とを備えている。
アタッチメント10には、移動台11のX方向の移動量を検出する第1移動量検出機構21aと、移動台11のY方向の移動量を検出する第2移動量検出機構21bが設けられている。第1移動量検出機構21aは、X軸モータ22及びエンコーダ25と、移動台11のX方向の移動をX軸モータ22の回転運動に変換して伝達するX軸伝達機構23とを備えている。
即ち、図4、図5に示すように、アタッチメント10の筺体20内には、固定フレーム16の右側部に位置して、X軸モータ22及び減速ギヤ機構24が配設されている。X軸モータ22は固定フレーム16の下面側に固定され、X軸モータ22の回転軸22aは固定フレーム16を貫通している。回転軸22aの上部には減速ギヤ機構24と噛合するギヤ部24aが設けられると共に、X軸モータ22の下部にはX軸エンコーダ25(図5参照)が設けられている。減速ギヤ機構24にはプーリ26(図4参照)が設けられており、固定フレーム16の左側部にはプーリ27が回転自在に取付けられている。これらプーリ26とプーリ27との間には、可動フレーム17の支持フレーム17aに連結された無端状のタイミングベルト28が掛装されている。
ここで、移動台11がX方向へ移動されると、その移動運動が可動フレーム17及びタイミングベルト28を介してプーリ26に回転運動として伝わることにより、減速ギヤ機構24ひいてはX軸モータ22を回転させる。これら減速ギヤ機構24、ギヤ部24a、プーリ26,27、タイミングベルト28等はX軸伝達機構23を構成する。
ここで、移動台11がX方向へ移動されると、その移動運動が可動フレーム17及びタイミングベルト28を介してプーリ26に回転運動として伝わることにより、減速ギヤ機構24ひいてはX軸モータ22を回転させる。これら減速ギヤ機構24、ギヤ部24a、プーリ26,27、タイミングベルト28等はX軸伝達機構23を構成する。
前記第2移動量検出機構21bは、Y軸モータ29及びY軸エンコーダ33と、移動台11のY方向の移動をY軸モータ29の回転運動に変換して伝達するY軸伝達機構30とを備えている。
即ち、アタッチメント10の筺体20内には、支持フレーム17aの下側にY軸モータ29が設けられており、可動部13の外殻ケース13a内には、フレーム本体17bの上側に減速ギヤ機構31が設けられている。Y軸モータ29の回転軸29aは支持フレーム17a及びフレーム本体17bを貫通している。回転軸29aの上部には減速ギヤ機構31と噛合するギヤ部31aが設けられおり、Y軸モータ29の下部にはY軸エンコーダ33が設けられている。減速ギヤ機構31にはプーリ34が設けられており、フレーム本体17bの後側部にはプーリ35(図4参照)が回転自在に取付けられている。これらプーリ34とプーリ35との間には、キャリッジ14に連結された無端状のタイミングベルト36が掛装されている。ここで、移動台11がY方向へ移動されると、その移動運動がキャリッジ14及びタイミングベルト36を介してプーリ34に回転運動として伝わることにより、減速ギヤ機構31ひいてはY軸モータ29を回転させる。これら減速ギヤ機構31、プーリ34,35、タイミングベルト36等はY軸伝達機構30を構成する。なお、X軸伝達機構23及びY軸伝達機構30は、X軸モータ22及びY軸モータ29を夫々駆動することによって、キャリッジ14に装着された刺繍枠をX方向及びY方向に移送させる移送機構を兼用する。
即ち、アタッチメント10の筺体20内には、支持フレーム17aの下側にY軸モータ29が設けられており、可動部13の外殻ケース13a内には、フレーム本体17bの上側に減速ギヤ機構31が設けられている。Y軸モータ29の回転軸29aは支持フレーム17a及びフレーム本体17bを貫通している。回転軸29aの上部には減速ギヤ機構31と噛合するギヤ部31aが設けられおり、Y軸モータ29の下部にはY軸エンコーダ33が設けられている。減速ギヤ機構31にはプーリ34が設けられており、フレーム本体17bの後側部にはプーリ35(図4参照)が回転自在に取付けられている。これらプーリ34とプーリ35との間には、キャリッジ14に連結された無端状のタイミングベルト36が掛装されている。ここで、移動台11がY方向へ移動されると、その移動運動がキャリッジ14及びタイミングベルト36を介してプーリ34に回転運動として伝わることにより、減速ギヤ機構31ひいてはY軸モータ29を回転させる。これら減速ギヤ機構31、プーリ34,35、タイミングベルト36等はY軸伝達機構30を構成する。なお、X軸伝達機構23及びY軸伝達機構30は、X軸モータ22及びY軸モータ29を夫々駆動することによって、キャリッジ14に装着された刺繍枠をX方向及びY方向に移送させる移送機構を兼用する。
前記X軸エンコーダ25は、図5に示すようにX軸モータ22の回転軸22a下部に固定された回転円板部25aと、フォトインタラプタ25bとからなる光学式のロータリエンコーダである。回転円板部25aには、周方向等間隔で多数のスリットが形成されており、フォトインタラプタ25bは、回転円板部25aのスリットを挟み発光素子及び受光素子が対向配置された構成とされている。フォトインタラプタ25bは、相互に位相がずれた所謂A相信号とB相信号を制御装置39に出力し、X軸モータ22の回転量とその回転方向を検出する。
Y軸エンコーダ33は、X軸エンコーダ25と同様の光学式のロータリエンコーダであり、Y軸モータ29の回転軸29a下部に固定されたスリット付き回転円板部33aと、フォトインタラプタ33bとからなる。フォトインタラプタ33bは、A相信号とB相信号を制御装置39に出力し、Y軸モータ29の回転量とその回転方向を検出する。これにより、制御装置39は、各エンコーダ25,33の検出信号に基づき、移動台11のX方向及びY方向の移動量と移動方向を演算する。係る演算方法について詳しくは後述する。これら制御装置39及び各エンコーダ25,33は、移動台11に載置される加工布の移動量及び移動方向を検出する検出手段を構成する。
また、本実施形態のミシンMは、図2に示すように、頭部3a内にカメラ38が設けられている(図2参照)。カメラ38は、例えばCMOS型のイメージセンサからなる撮影手段である。カメラ38は、ベッド部1に載置された加工布を撮影する。撮影された加工布の撮影画像は、静止画像として制御装置39に所定時間間隔で取り込まれる。そして、制御装置39は、最新の静止画像とその1つ前(直前)の静止画像とを比較することにより加工布の移動量及び移動方向を特定する。これら制御装置39及びカメラ38は、前記移動台11を用いない場合における検出手段を構成する。
アタッチメント10は、加工布に切込みを形成するための切断ユニット40を備えている。図3、図4に示すように、アタッチメント10における筺体20の右側後部には、切断ユニット40を収容する収容部41が設けられている。収容部41は、その上面部20cと周壁部41aとにより、切断ユニット40を収容する下方開放状の空間を構成する。切断ユニット40は、図6(a)に示すように、平面視において略台形に形成されている。収容部41の形状は、図3(a)、(b)に示すように、切断ユニット40の略台形に合わせた形状に形成されている。このため、切断ユニット40を収容部41に収容させるときは、切断ユニット40の前後方向の向きが規制され、正しい向きに収容される。
また、図3(a)に示すように、収容部41の上面部20cには、前寄りの隅部に位置させて左右一対の円柱形状のボス部41b,41cが一体に設けられている。ボス部41b,41cは、上面部20cから下方に突出している。ボス部41b,41cの下端部には、上下方向に延びるネジ穴(図示略)が形成されている。また、収容部41の上面部20cには、前寄りの部位に円形穴41dが設けられている。円形穴41dは、アタッチメント10がベッド部1に装着された状態のとき、縫針5の針落ち位置1bの後方に位置するように形成されている。
続いて、切断ユニット40について説明する。図6(a)、(b)及び(c)は、切断ユニット40の平面図、正面図、及び右側面図を示している。切断ユニット40の外郭ケース51は、平面視にて略台形をなす横長な箱型をした樹脂製のケースである。外郭ケース51は、後述する機枠56に図示しないネジで取付けられている。外郭ケース51の上部には、左右両側が段落ちした段落ち部51a,51bが設けられている。段落ち部51a,51bには、挿通穴51c,51dが形成されている。
外郭ケース51の下側には、後述する基板55(図8参照)に合わせて下方へ延びる延出部51eが設けられると共に、延出部51eの右側面にコネクタ用開口部51fが設けられている。また、外郭ケース51は、左側の段落ち部51aに略円筒状の針ケース53を有する。針ケース53は、上側の径小部53aと下側の径大部53bとからなり、径小部53aが収容部41の円形穴41dに嵌り込む。外郭ケース51は、収容部41に収容された状態で、径小部53aの上面部53cが筺体20の上面部20cと面一になる高さ寸法Hに設定されている。また、径小部53aの上面部53cには、図7に示す切断針60が出没する穴部53d(図6(a)参照)が形成されている。
続いて、切断ユニット40の内部構造について、図7〜図9も参照して説明する。図7〜図9は、切断ユニット40の内部構造を表す正面図、左側面図、及び背面図である。なお、図9の背面図では、外郭ケース51内の基板55を省略すると共に、切断ユニット40の内部構造を一部破断して示している。
外郭ケース51内には機枠56が設けられる。機枠56は、立壁部56dと、左上縁部56aと、右上縁部56bと、下縁部56cとを一体に有する。立壁部56dは、上下方向に延びる。左上縁部56aは、立壁部56dの左方上端から前方に延びる。右上縁部56bは、立壁部56dの右方上端から前方に延びる。下縁部56cは、立壁部56dの下端から前方に延びる。図7に示すように、左上縁部56aには挿通穴57aが形成され、右上縁部56bには挿通穴57bが形成されている。挿通穴57a,57bは、外郭ケース51の挿通穴51c,51dと対応する位置に形成されている。挿通穴57a,57bは、ボス部41b,41cとの嵌合が可能に形成されている。下縁部56cには、ボス部41b,41cの先端部に形成されたネジ穴と対応する位置に、挿通穴57c,57dが形成されている。挿通穴57c,57dの外径は、ボス部41b,41cの外径よりも小さい。外郭ケース51の下部には、挿通穴57c,57dと対応する位置に、貫通穴(図示略)が夫々形成されている。この貫通穴の外径は、挿通穴57c,57dの外径と等しい。
切断ユニット40を収容部41に収容(装着)させる場合を説明する。切断ユニット40を収容部41に差し込んでゆくと、ボス部41b,41cが、外郭ケース51の挿通穴51c,51d及び挿通穴57a,57bに差し込まれる。そして、ボス部41b,41cの先端(下端)は、下縁部56cの上面に当接する。これにより、機枠56の上下方向の位置が決められることで、切断ユニット40の上下方向の位置が決められる。この状態で、図3(b)に示す2個のネジ52を、外郭ケース51の下部の貫通穴、及び挿通穴57c,57dを通して、ボス部41b,41cのネジ穴に螺挿させる。ネジ52の頭部の外径は前記貫通穴の外径よりも大きいので、外郭ケース51及び機枠56は、ボス部41b,41cに固定される。このように、切断ユニット40は、収容部41に収容されて固定される。収容部41に収容された切断ユニット40を取り外す場合は、2個のネジ52を緩めて取り外せばよい。
また、機枠56の左部には、前記切断針60を有する切断針支持体61が、左上縁部56aを貫通するように設けられている。切断針支持体61は、上下方向に延びる支持棒63と、支持棒63の上側に設けられた取付筒部62と、支持棒63の下側に設けられた連結部64とを備えている。
切断針60は、基部として略丸棒状をなす柄部60b(図9参照)と、先端(上端)の刃部60aとを一体に有する。図12の拡大図で示すように、刃部60aは、所定幅W(例えば2mm)の刃先を有している。厳密には、刃部60aは、その中央59aよりも両端59b,59bが僅かに高くなるように形成されている。刃部60aが加工布CLに切込みを形成するときには、両端59b,59bが加工布CLに最初に接触して食い込むので、位置がずれることなく切込みが形成される。また、詳しい図示は省略するが、柄部60bには、その外周面の一部に平面部60c(図9参照)が形成された、所謂Dカット形状(長手方向に直交する断面がD字形状)をなしている。平面部60cは、刃部60a(刃先)が延びる方向(図12(a)の左右方向)と直交する方向に形成されている。
切断針60は、基部として略丸棒状をなす柄部60b(図9参照)と、先端(上端)の刃部60aとを一体に有する。図12の拡大図で示すように、刃部60aは、所定幅W(例えば2mm)の刃先を有している。厳密には、刃部60aは、その中央59aよりも両端59b,59bが僅かに高くなるように形成されている。刃部60aが加工布CLに切込みを形成するときには、両端59b,59bが加工布CLに最初に接触して食い込むので、位置がずれることなく切込みが形成される。また、詳しい図示は省略するが、柄部60bには、その外周面の一部に平面部60c(図9参照)が形成された、所謂Dカット形状(長手方向に直交する断面がD字形状)をなしている。平面部60cは、刃部60a(刃先)が延びる方向(図12(a)の左右方向)と直交する方向に形成されている。
図9に示すように、前記支持棒63は、上側に第1径小部63aが設けられ、下側に第2径小部63bが設けられている。第1径小部63aには、上下方向に延びる差込溝62bが形成されている。詳しく図示しないが、差込溝62bは、2つの側壁面と奥壁面とを有する溝であって、長手方向に直交する断面がコ字形状となる溝である。差込溝62bの幅(2つの側壁面間の寸法)は、柄部60bの外径よりも僅かに大きい。差込溝62bには切断針60の柄部60bが差込まれる。このとき、柄部60bの平面部60cは、差込溝62bの奥壁面に面接触する。第1径小部63aには、切断針60を固定するための取付筒部62が外装されて固定される。取付筒部62の側面(図9では後面)には図示しないネジ穴が形成されており、ネジ65が螺合する。ネジ65を締め付けると、そのネジ65の先端で切断針60の柄部60bを押圧することで、柄部60bの平面部60cが差込溝62bの奥壁面に押え付けられ、切断針60が第1径小部63aに固定される。このように、切断針60は、支持棒63に対して刃部60aが上向きとなるように取付けられる。このとき、当該切断針60の中心軸線Cと支持棒63の中心軸線とが一致するように構成されている。なお、刃部60aの幅W方向の中心位置は、中心軸線C上にある。
支持棒63は、機枠56における左上縁部56aの貫通穴57e(図9参照)を上下方向に貫通すると共に、軸受部材66により上下動及び回転可能に支持されている。軸受部材66は、機枠56の左上縁部56aの下面側に固定されている。図7に示すように、軸受部材66は、左半部の固定部66aと右半部の軸受部66bとを一体に有する。軸受部材66の固定部66aは、左上縁部56aにネジ67で固定される。軸受部66bは、支持棒63を中心軸線Cの周りに回転可能に支持する。また、軸受部材66の固定部66aには、収容部41のボス部41bに挿通される挿通穴66cが形成されている。
挿通穴66cの内径は、ボス部41bの外径と略等しく形成されており、殆ど隙間無く嵌合する。即ち、切断ユニット40を収容部41に収容させたときには、挿通穴66cがボス部41bに嵌合し、且つ、右上縁部56bの挿通穴57bがボス部41cに嵌合した状態となる。このように、切断ユニット40が収容部41に収容されたときには、アタッチメント10の筐体20に対して、切断ユニット40は、前後及び左右方向が所定位置に正確に位置決められる。
支持棒63の中心軸線C方向の中間部には、当該中心軸線C方向に延びる長穴63cが形成されている。長穴63cには、後述するピン69が上下移動可能に挿通される。また、支持棒63の中間部は、機枠56の左上縁部56aと軸受部66bとの間に配設された第2ギヤ68を回転可能に支持する。図9に示すように、第2ギヤ68の内周部には、下面側が開放された溝68aが形成されている。溝68aには、支持棒63の長穴63cに挿通されたピン69が嵌合される。これにより、第2ギヤ68は、ピン69を介して支持棒63と一体的に回転し、且つ支持棒63の上下移動を許容する。なお、長穴63cは、第1径小部63aの差込溝62bの奥壁面に対して直交する方向に形成されている。従って、ピン69の中心軸線方向は、切断針60の刃部60a(刃先)が延びる方向と一致する。
支持棒63の下側に、後述する揺動リンク80の第2係合ピン82aを連結するための連結部64が設けられている。図8に示すように、連結部64は、支持棒63の第2径小部63bに挿入される筒部64aと、当該筒部64aの両端に設けられた一対のフランジ部64b,64cとを一体に有する。第2径小部63bの下端部には、上下方向に延びるネジ穴(図示略)が形成されている。連結部64は、第2径小部63bに挿入された状態で、第2径小部63bのネジ穴に下側から螺挿されるネジ73で固定されている。連結部64のフランジ部64b,64cは、第2係合ピン82aを上下両側から挟む円板状をなす。フランジ部64b,64cの間の寸法は、第2係合ピン82aの外径よりも僅かに大きい。このため、連結部64は、支持棒63と一体に回転しても、第2係合ピン82aとの係合状態が維持される。
続いて、切断針支持体61の上下駆動を行うための構成について説明する。前記機枠56の立壁部56dには、やや右上寄りの位置に第1モータ75が後向きに設けられている。第1モータ75は、例えばステッピングモータからなり、その出力軸には、図9に示すように径小な駆動ギヤ75aが固定されている。また、立壁部56dにおける中央の上寄りの位置には、後方に延びるギヤ軸76が取付けられている。ギヤ軸76には、駆動ギヤ75aに噛合する径大な従動ギヤ77が回転可能に支持されている。図7に示すように、従動ギヤ77の前面側には、溝カム77aが形成されている。溝カム77aは、ギヤ軸76に対して偏心した円環状をなし、後述する揺動リンク80の第1係合ピン81aと係合する。
一方、従動ギヤ77の後面には、図9に示すように第1円弧部78aと第2円弧部78bとが一体的に設けられている。第1,第2円弧部78a,78bは、何れも同心状に配置されると共に、後方に配置される基板55側に向けて突設された薄肉のリブ形状をなしている。図8に示すように、基板55は、機枠56の立壁部56dと対向するように配置されている。基板55は、第1,第2円弧部78a,78bの夫々に対応する上下位置センサ79a,79bを備える。
上下位置センサ79a,79bは、第1,第2円弧部78a,78bの円周方向の端部の回転角度を検出する。上下位置センサ79a,79bは、フォトインタラプタで構成される。上下位置センサ79a,79bが、第1,第2円弧部78a,78bの回転角度を検出することで、溝カム77aに係合する第1係合ピン81aの左右方向の位置が判別される。第1係合ピン81aの左右方向の位置が判別されることで、後述する第2係合ピン82aの上下方向の位置が判別される。第2係合ピン82aの上下方向の位置が判別されることで、切断針60の上下方向の位置が判別される。このように、上下位置センサ79a,79bが、第1,第2円弧部78a,78bの回転角度を検出することに基づいて、制御装置39は切断針60の上下方向の位置を検出する。
図7に示すように、前記揺動リンク80は、機枠56における立壁部56dの前面に沿うように配置され、従動ギヤ77と切断針支持体61の連結部64との間に位置する。また、立壁部56dにおける中央の下寄りの位置には、前方に延びる枢支軸83aが取付けられており、揺動リンク80は、枢支軸83aにより揺動可能に枢支されている。揺動リンク80は板状部材からなり、上方に延びる上アーム部81と左方に延びる左アーム部82とで逆「L」字状をなす。また、揺動リンク80の被枢支部は、図8に示すように前面側へ折り返されて側面視「U」字状をなし、枢支軸83aが貫通する折返し片83が設けられている。
揺動リンク80における上アーム部81の上端部には、立壁部56d上部の切欠き56e(図7参照)に臨む後面側の位置に、第1係合ピン81aが突設されている。第1係合ピン81aは、従動ギヤ77の溝カム77aに挿入されて係合している。他方、左アーム部82の左端部には、切断針支持体61の連結部64に合わせた前面側の位置に第2係合ピン82aが突設されている。第2係合ピン82aは、連結部64のフランジ部64b,64cに挟まれて係合している。
ここで、第1モータ75を駆動させると、駆動ギヤ75aを介して従動ギヤ77が回転する。従動ギヤ77の回転により、溝カム77aに係合する第1係合ピン81aは左右方向に移動(往復移動)する。これにより、揺動リンク80は枢支軸83aを中心として揺動する。揺動リンク80の揺動によって、第2係合ピン82aは上下方向に移動(往復移動)する。上下方向に移動する第2係合ピン82aが、連結部64を上下方向に移動させる。このように、第1モータ75を駆動させることにより、切断針支持体61を上下動させる。これにより、切断針60は、刃部60aが外郭ケース51の上面部53c(アタッチメント10の上面部20c)より突出する突出する上死点と、その上面部20cよりも下方となる下死点との間で往復移動する。切断針60が上死点のときの刃部60aの突出量は、例えば5mmである。上記した第1モータ75、各ギヤ75a,77、溝カム77a、揺動リンク80、切断針支持体61等は、切断針60を上下動させる上下駆動機構86を構成する。
また、切断ユニット40は、切断針60を中心軸線Cの周りに回転させる回転駆動機構87を備える。詳細には、機枠56の左上縁部56aには、切断針支持体61の右方に位置させて第2モータ90が下向きに取付けられている。第2モータ90は、例えばステッピングモータからなり、その出力軸には径小な駆動ギヤ90aが固定されている。また、機枠56の左上縁部56aには、切断針支持体61と第2モータ90との間に位置させて、下方に延びるギヤ軸91が取付けられている。ギヤ軸91には、従動ギヤ部材92が回転可能に支持されている。
図7に示すように、従動ギヤ部材92は、ギヤ軸91に挿通される筒部と、当該筒部における上端の第1ギヤ92aと、下端の扇形部92bとを一体に有する。扇形部92bは、平面視にて外周が円弧をなす板状に形成されている。また、機枠56の立壁部56dには、回転角度センサ93(図10にのみ図示)が設けられている。回転角度センサ93は、扇形部92bの円周方向の端部の回転角度を検出する。回転角度センサ93は、フォトインタラプタからなる。詳しくは後述するが、回転角度センサ93の検出信号に基づいて、制御装置39は切断針60の刃部60aの回転角度を検出する。
従動ギヤ部材92の第1ギヤ92aは、第2モータ90の駆動ギヤ90aに噛合すると共に、切断針支持体61の第2ギヤ68に噛合する。第1ギヤ92aと第2ギヤ68の歯数は等しい。駆動ギヤ90a、第1ギヤ92a、及び第2ギヤ68は、それら3つの平歯車を組み合わせた歯車列を構成し、駆動ギヤ90aの回転方向と第2ギヤ68の回転方向とは同じ回転方向となる。ここで、第2モータ90を正転駆動、或は逆転駆動させると、駆動ギヤ90aを介して第1ギヤ92aが回転する。この第1ギヤ92aの回転に伴い、第2ギヤ68を切断針支持体61ごと回転させる。また、第1ギヤ92aと第2ギヤ68の歯数は等しいことから、第1ギヤ92aが1回転すると、それに対応して第2ギヤ68も1回転する。よって、第1ギヤ92aの回転角度が検出されることで、第2ギヤ68の回転角度が検出される。第2ギヤ68の回転角度は、即ち、切断針60の刃部60aの回転角度に相当する。
こうして、第2モータ90と各ギヤ68,90a,92aは、切断針60を中心軸線Cの周りに回転させる回転駆動機構87を構成する。また、上下駆動機構86及び回転駆動機構87は、機枠56に組付けられ、切断針60と共に外郭ケース51内に収めた1組のユニット、即ち切断ユニット40を構成する。
切断ユニット40を装着する際、ユーザは、アタッチメント10の下面側から、針ケース53側が上方となる向きで当該切断ユニット40を収容部41に収容する(図3(a)参照)。そして、ネジ32,32で切断ユニット40を固定する。このように、切断ユニット40は、切断針60の刃部60aが上向きとなる姿勢でもって、アタッチメント10の収容部41に装着される。また、収容部41に装着された切断ユニット40は、縫針5の針落ち位置1bよりも距離Gだけ後方に離れた位置で、切断針60が上下動する(図3(a)参照)。
切断ユニット40を装着する際、ユーザは、アタッチメント10の下面側から、針ケース53側が上方となる向きで当該切断ユニット40を収容部41に収容する(図3(a)参照)。そして、ネジ32,32で切断ユニット40を固定する。このように、切断ユニット40は、切断針60の刃部60aが上向きとなる姿勢でもって、アタッチメント10の収容部41に装着される。また、収容部41に装着された切断ユニット40は、縫針5の針落ち位置1bよりも距離Gだけ後方に離れた位置で、切断針60が上下動する(図3(a)参照)。
なお、切断ユニット40における前記基板55の右側下部には、外郭ケース51のコネクタ用開口部51fに臨むコネクタ部94が設けられている(図6(c)、図7参照)。切断ユニット40がアタッチメント10の収容部41に装着された状態において、コネクタ部94に接続されたケーブル(図示略)がミシンMの後面又は右側面に設けられた被コネクタ部(図示略)に接続される。これにより、切断ユニット40における各モータ75,90や各センサ79a,79b,93等の電気部品は、ミシンMの制御装置39と電気的に接続される。
続いて、ミシンMの制御系の構成について、図10のブロック図を参照しながら説明する。制御装置39は、CPU101、ROM102、RAM103等を含み、マイクロコンピュータを主体に構成された制御手段である。制御装置39には、起動停止スイッチ8a、速度調節ツマミ8b、タッチパネル9a、X軸エンコーダ25、Y軸エンコーダ33、カメラ38が接続されると共に、ミシンモータ4、X軸モータ22、Y軸モータ29、ディスプレイ9を夫々駆動する駆動回路104,105,106,107が接続されている。また、制御装置39には、切断ユニット40における上下位置センサ79a,79bと回転角度センサ93が接続されると共に、第1モータ75と第2モータ90を夫々駆動する駆動回路108,109が接続されている。
ROM102には、種々の刺繍模様の刺繍データや、切断データ、縫製制御プログラム、切断制御プログラム等が記憶されている。刺繍データは、周知のように、縫針5を用いて加工布に刺繍模様を縫製するための一針毎の針落ち位置を指示する。即ち、ミシンMでは、前記キャリッジ14に装着された刺繍枠の種類に応じて自動的に設定される縫製可能領域の中心点(図示略)が針落ち位置1bと一致する位置を原点とするXY座標系が規定されている。刺繍データは、このXY座標系で規定され、刺繍枠のX方向及びY方向の移送量を表す針落ち位置データとして、縫針5が順次針落ちする座標データを有する。制御装置39は、刺繍データに基づいて、ミシンモータ4、X軸モータ22、及びY軸モータ29を駆動制御し、刺繍枠に保持された加工布に対する縫製動作を自動的に実行する。
前記切断データは、刺繍枠に保持された加工布に対して、切断針60により所定のカットパターンを形成するための切込み位置データと角度データとを含む。切込み位置データは、刺繍枠をX方向及びY方向に移送するための移送量を表し、切断針60の上下方向の1往復移動毎の切込み位置を指示する。角度データは、切込み位置データに対応付けて設定され、切断針60の上下動毎の回転角度(切込み角度)を指示する。制御装置39は、切断データに基づいて、X軸モータ22及びY軸モータ29、並びに第1モータ75及び第2モータ90を駆動制御し、加工布に対する切断動作を自動的に実行する。
なお、切断針60の回転角度は中心軸線C周りの回転角度であって、X方向となす角度θで表わされる(図11参照)。この場合、中心軸線Cは図11の紙面と直交し、同図における回転角度θは反時計周り方向が「+」、時計周り方向が「−」である。また、前記XY座標系では、ミシンMの左から右に向かう方向(図11の紙面右方向)をX軸の+方向とし、前から後に向かう方向(図11の紙面上方向)をY軸の−方向とする。
本実施形態のミシンMは、実用縫製モード、刺繍縫製モード、切断加工モード、フリーモーションモードといった複数のモードを備えている。そのうち、実用縫製モードは、アタッチメント10の非装着状態で、送り歯を前後動させて加工布を送りながら縫製を行うモードである。これに対し、刺繍縫製モード又は切断加工モードは、詳しい説明は省略するが、アタッチメント10の装着状態で、刺繍枠に保持された加工布に対し上記した縫製又は切断動作を行うモードである。そして、フリーモーションモードは、アタッチメント10の装着状態で、キャリッジ14に刺繍枠を装着せずに、ユーザが加工布を任意の方向に移動させながら縫製又は切断を行うモードである。ここで、ユーザが加工布を任意の方向に移動させながら縫製を行うことを、「フリーモーション縫い」と称する。このフリーモーション縫いについては、例えば本願出願人が出願した特開2009−189626号に開示した構成等を採用することができ、詳細な説明は省略する。また、ユーザが加工布を任意の方向に移動させながら切断を行うことを、「フリーモーションカット」と称する。
フリーモーションカットにおいて、制御装置39は、加工布をユーザが任意の方向に移動させたときの当該加工布の少なくとも移動方向を特定し、その移動方向に合わせて切断針60の刃部60aの向きが変わるように回転駆動機構87を制御する。そして、上下駆動機構86を駆動して切断針60を上下方向に往復移動させることで、加工布に対し切断針60の刃部60aで当該加工布の移動方向に合わせた切込みを形成する。加工布の移動方向は、カメラ38で撮影した加工布の撮影画像、又は加工布を載置させた状態で移動台11を移動させたときのエンコーダ25,33の検出信号に基づき特定される。以下の作用説明では、カメラ38で撮影した加工布の撮影画像を基に移動方向の特定を行うものとし、移動台11を用いた場合の加工布の移動方向の特定については、第4実施形態で説明する。
次に、上記構成の作用について説明する。
フリーモーションカットを行う場合、ユーザは、切断ユニット40を取付けたアタッチメント10をベッド部1のフリーアームベッド部に装着しておき、キャリッジ14には、刺繍枠又は移動台11をセットしないものとする。また、ユーザにより加工対象物としての加工布がミシンベッド(ベッド部1及びアタッチメント10)上に載置され、タッチパネル9aにてフリーモーションモードでの切断加工が選択される。これにより、フリーモーションモードでの切断制御が開始される。図13のフローチャートは、フリーモーションモードにおいて制御装置39が実行する切断制御プログラムの処理手順を示している。
フリーモーションカットを行う場合、ユーザは、切断ユニット40を取付けたアタッチメント10をベッド部1のフリーアームベッド部に装着しておき、キャリッジ14には、刺繍枠又は移動台11をセットしないものとする。また、ユーザにより加工対象物としての加工布がミシンベッド(ベッド部1及びアタッチメント10)上に載置され、タッチパネル9aにてフリーモーションモードでの切断加工が選択される。これにより、フリーモーションモードでの切断制御が開始される。図13のフローチャートは、フリーモーションモードにおいて制御装置39が実行する切断制御プログラムの処理手順を示している。
先ず、制御装置39は、ユーザによる起動停止スイッチ8aの操作がなされたと判断すると(ステップS1にてYES)、回転角度センサ93の検出信号に基づいて、切断針60の回転角度を検出する(ステップS2)。検出された回転角度は、制御装置39によりRAM103の回転角度記憶領域に記憶させる。次いで、制御装置39は、ベッド部1上の加工布をカメラ38により撮影する。
この場合、制御装置39により、図11に示す加工布CLの撮影画像が静止画像Aとして取り込まれ、RAM103の第1画像記憶領域に記憶させる(ステップS3)。その後、制御装置39は、所定時間(例えば0.2秒)待機し、再度ベッド部1上の加工布CLをカメラ38により撮影する(ステップS4、S5)。この加工布CLの撮影画像は静止画像Bとして、RAM103の第2画像記憶領域に記憶させる。そして、制御装置39は、静止画像A,Bに基づき加工布CLの移動方向を特定して、切断針60の回転角度を求める処理を実行する(ステップS6)。
具体的には、静止画像A,Bは、所定時間間隔で取り込まれるため、その間にユーザにより加工布CLが移動されると、その移動量(図11のΔX,ΔY参照)に対応した画像のズレが生じることとなる。そこで、制御装置39は、静止画像A,Bを構成する画素について、X方向及びY方向のズレを画素数で計測する。この画像のズレの計測については、周知の手法を採用することができ、その詳細な説明を省略する。また、制御装置39は、ズレとして計測したX方向及びY方向の画素数を、ベッド部1上における加工布CLのX方向及びY方向の移動量に対応する値に変換する。ここで、変換したX方向及びY方向の移動量をΔX,ΔYとした場合、加工布CLの移動方向θ1は、例えば以下の(1)式から算出される。
θ1=tan−1(ΔY/ΔX) …(1)
こうして、制御装置39は、(1)式から算出されるθ1と、前記ステップS2で取得した切断針60の回転角度θ0との差分Ψ(=θ1−θ0)を演算する。そして、制御装置39は、演算した差分Ψを回転角度として、回転駆動機構87を駆動して切断針60を回転させて、回転角度をθ0からθ1に変更する(ステップS7)。また、制御装置39は、RAM103の回転角度記憶領域における回転角度θ0について、差分Ψを加算したθ1に更新する(ステップS8)。
こうして、制御装置39は、(1)式から算出されるθ1と、前記ステップS2で取得した切断針60の回転角度θ0との差分Ψ(=θ1−θ0)を演算する。そして、制御装置39は、演算した差分Ψを回転角度として、回転駆動機構87を駆動して切断針60を回転させて、回転角度をθ0からθ1に変更する(ステップS7)。また、制御装置39は、RAM103の回転角度記憶領域における回転角度θ0について、差分Ψを加算したθ1に更新する(ステップS8)。
ここで、制御装置39は、ユーザによる起動停止スイッチ8aの操作がないと判断すると(ステップS9にてNO)、上下駆動機構86を駆動して切断針60を上下方向に1往復移動させる(ステップS10)。このとき、切断針60が下方から上方に移動することに伴い、刃部60aが加工布CLを下側から貫通することで切込みL1を形成する。また、切断針60は、切込みL1を形成した後、上方から下方に移動することに伴い加工布CLから下方へ離間する。図14(a)に示す切込みL1は、刃部60aの幅寸法Wに対応した長さ寸法であり、切込み位置P1において加工布CLの移動方向(同図の矢印で示す曲線)に沿った角度θ1となる。その後、制御装置39は、静止画像BをRAM103の第1画像記憶領域に静止画像Aとして格納(更新)し(ステップS11)、ステップS5にリターンする。
再び制御装置39は、加工布CLをカメラ38により撮影し、その加工布CLの画像をRAM103の第2画像記憶領域に静止画像Bとして記憶させる(ステップS5)。また、制御装置39は、第2画像記憶領域の静止画像Bと第1画像記憶領域の静止画像Aとに基づき、加工布CLのX方向及びY方向の移動量ΔX,ΔYを算出して、その加工布CLの移動方向θ2を求める。更に、制御装置39は、その移動方向θ2とRAM103に記憶されている回転角度θ1との差分Ψ(=θ2−θ1)を演算し、その差分Ψを回転角度として、回転駆動機構87を駆動して切断針60を回転させる。こうして、切断針60の回転角度がθ1からθ2に変更され(ステップS7)、RAM103の回転角度記憶領域の回転角度θ1もθ2に更新される(ステップS8)。
ここで、制御装置39は、ユーザによる起動停止スイッチ8aの操作がないと判断すると(ステップS9にてNO)、上下駆動機構86を駆動して切断針60を1往復移動させる。これにより、加工布CLには、図14(a)に示す切込み位置P2において加工布CLの移動方向に沿う角度θ2をなす2つめの切込みL2が形成される(ステップS10)。その後、制御装置39は、ステップS11にて静止画像BをRAM103の第1画像記憶領域に書き込んで静止画像Aとして格納し、ステップS5にリターンする。こうして、ステップS5〜S11が繰返し実行されることで、3つめ以降の切込み位置P3,L4,…においても、加工布CLの移動方向に合わせた角度θ3,θ4,…で切込みL2,L4,…が形成される。制御装置39は、前記ステップS9で起動停止スイッチ8aが操作されたと判断すると(YES)、この処理を終了する(エンド)。
上記した切断針60の1往復移動の後、再び1往復移動するまでの時間(つまりステップS5〜S11の実行に係る時間)は例えば0.2秒であり、その時間間隔で、各切込みL1,L2,…が形成される。このため、図14(a)に示すように、ユーザが加工布CLを比較的速い速度(第1速度とする)で移動させたときには、単位時間あたりの加工布の移動量が大きいので、相互に隣り合う切込み位置P1,P2,…の間隔(ピッチ長さ)が長くなり、所謂ミシン目状(破線状)のカットパターンCP1が形成される。また、図14(b)に示すように、ユーザが加工布CLを上記第1速度よりも遅い速度(第2速度とする)で移動させたときには、単位時間あたりの加工布の移動量が小さいので、ピッチ長さが刃部60aの幅寸法W以下となり、各切込みL1,L2,…が連続的に連なるカットパターンCP2が形成される。また、図14(c)に示すように、ユーザが加工布CLを上記第2速度よりも更に遅い速度で移動させたときには、単位時間あたりの加工布の移動量が更に小さいので、ピッチ長さはより短くなり、各切込みL1,L2,…が密集するように連なるカットパターンCP3が形成される。なお、ユーザが加工布CLを移動させずに停止させているときには、算出される移動量ΔX,ΔYも0であって、差分Ψとして回転させる角度も0となるため、切断針60は同じ切込み位置で上下移動を繰り返す。
以上のように本実施形態のミシンMは、上下駆動機構86による切断針60の上下移動、及び回転駆動機構87による切断針60の回転をそれぞれ制御する制御手段を備え、この制御手段は、検出手段の検出結果に基づいて、加工布CLの移動方向に合わせて刃部60aの向きが変わるように回転駆動機構87を制御する。
これによれば、ミシンベッド上の加工布CLを、ユーザが任意の方向に移動させたとき、検出手段により加工布CLの移動方向が検出される。この場合、回転駆動機構87によって、検出手段の検出結果に基づき加工布CLの移動方向に合わせて刃部60aの向きが変わるように切断針60を回転させる。そして、上下駆動機構86を駆動して切断針60を上下方向に往復移動させることで、加工布CLに対し切断針60の刃部60aで当該加工布CLの移動方向に合わせた切込みを形成することができる。こうして、加工布CLを任意の方向に移動させつつ切断針60の回転と上下移動とを繰り返すことで、加工布CLの移動方向に沿う複数の切込みを形成して、所謂フリーモーションによる所望のカットパターンを簡単に施すことができる。
これによれば、ミシンベッド上の加工布CLを、ユーザが任意の方向に移動させたとき、検出手段により加工布CLの移動方向が検出される。この場合、回転駆動機構87によって、検出手段の検出結果に基づき加工布CLの移動方向に合わせて刃部60aの向きが変わるように切断針60を回転させる。そして、上下駆動機構86を駆動して切断針60を上下方向に往復移動させることで、加工布CLに対し切断針60の刃部60aで当該加工布CLの移動方向に合わせた切込みを形成することができる。こうして、加工布CLを任意の方向に移動させつつ切断針60の回転と上下移動とを繰り返すことで、加工布CLの移動方向に沿う複数の切込みを形成して、所謂フリーモーションによる所望のカットパターンを簡単に施すことができる。
前記検出手段は、ミシンベッド上に載置された加工布CLを撮影する撮影手段を含み、この撮影手段は、切断針60の往復移動毎に加工布CLの画像を撮影し、切断針60の1往復移動の前後に撮影された2つの撮影画像(静止画像A,B)に基づいて、切断針60の往復移動毎に加工布CLの移動量ΔX,ΔY及び移動方向θを検出する。
これによれば、切断針60の往復移動毎に加工布CLの移動量ΔX,ΔY及び移動方向θを検出して、刃部60aの向きを当該移動方向θに合わせることができるため、加工布CLに対し、より綺麗なカットパターンを形成することができる。また、撮影手段の撮影画像を利用した簡単な構成で、加工布CLの移動量ΔX,ΔY及び移動方向θを検出することができる。
これによれば、切断針60の往復移動毎に加工布CLの移動量ΔX,ΔY及び移動方向θを検出して、刃部60aの向きを当該移動方向θに合わせることができるため、加工布CLに対し、より綺麗なカットパターンを形成することができる。また、撮影手段の撮影画像を利用した簡単な構成で、加工布CLの移動量ΔX,ΔY及び移動方向θを検出することができる。
前記切断ユニット40は外郭ケース51を省略し、上下駆動機構86や回転駆動機構87をベッド部1内の機枠やアタッチメント10内の機枠に組付けるようにしてもよい。このように、切断針60、上下駆動機構86、及び回転駆動機構87はユニット40として、ミシンベッド又はアタッチメント10に設けられ、当該ユニット40は、切断針60が下方から上方へ移動することに伴い加工布CLに切込みを形成するように構成されている。これによれば、ミシンベッド又はアタッチメント10において刃部60aが上向きとなる姿勢で切断ユニット40を配設することができ、ミシン頭部3aの大型化を招くことなく、切断針60による切断機能を付加できる。
<第2実施形態>
図15は、本発明の第2実施形態を示すものであり、第1実施形態と異なるところを説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付している。第1実施形態では、図14(a)〜(c)に示すように加工布CLの移動量(移動速度)によって切込みのピッチ長さを任意に変えることができるが、加工布CLの移動量(移動速度)が一定でないとピッチ長さがばらついて不揃いになり、見栄えが悪くなる。
図15は、本発明の第2実施形態を示すものであり、第1実施形態と異なるところを説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付している。第1実施形態では、図14(a)〜(c)に示すように加工布CLの移動量(移動速度)によって切込みのピッチ長さを任意に変えることができるが、加工布CLの移動量(移動速度)が一定でないとピッチ長さがばらついて不揃いになり、見栄えが悪くなる。
そこで、本第2実施形態の切断制御プログラムには、加工布CLに形成される切込みの間隔であるピッチ長さを、所定の第1ピッチ長さに設定するためのデフォルト値(例えば2mm)が予め含まれている。また、第1ピッチ長さを設定するための設定画面(図示略)をディスプレイ9に表示させ、タッチパネル9aのタッチ操作により、第1ピッチ長さを任意の値に設定するように構成してもよい。第2実施形態の切断制御プログラムを実行する制御装置39、タッチパネル9a及びディスプレイ9は、ピッチ長さを第1ピッチ長さに設定するための第1ピッチ設定手段に相当する。
図15のフローチャートは、本第2実施形態の切断制御プログラム処理の流れを示しており、ステップS30を除くステップS21〜S29、S31、S32では、第1実施形態でのステップS1〜S11と同様の処理が実行される。
具体的には、制御装置39は、起動停止スイッチ8aが操作されると(ステップS21にてYES)、前述したように切断針60の回転角度を検出すると共に(ステップS22)、加工布CLの静止画像A、Bを取得する(ステップS23〜S25)。そして、制御装置39は、静止画像A,Bに基づき加工布CLの移動方向を特定して、切断針60の回転角度を求める処理を実行する(ステップS26)。この場合、制御装置39は、静止画像A,Bに基づいて、加工布CLの移動量を図11に示す移動距離rとして算出する。この移動距離rは、X方向の移動量ΔXとY方向の移動量ΔYから求めることができる。
具体的には、制御装置39は、起動停止スイッチ8aが操作されると(ステップS21にてYES)、前述したように切断針60の回転角度を検出すると共に(ステップS22)、加工布CLの静止画像A、Bを取得する(ステップS23〜S25)。そして、制御装置39は、静止画像A,Bに基づき加工布CLの移動方向を特定して、切断針60の回転角度を求める処理を実行する(ステップS26)。この場合、制御装置39は、静止画像A,Bに基づいて、加工布CLの移動量を図11に示す移動距離rとして算出する。この移動距離rは、X方向の移動量ΔXとY方向の移動量ΔYから求めることができる。
r=(ΔX2+ΔY2)1/2 …(2)
また、制御装置39は、上記した(1)式から算出されるθ1と、前記ステップS22で取得した切断針60の回転角度θ0との差分Ψを演算する。これにより、制御装置39は、差分Ψを回転角度として、回転駆動機構87の駆動により切断針60を回転させる(ステップS27)。また、制御装置39は、前記回転角度θ0をθ1に更新する(ステップS28)。
また、制御装置39は、上記した(1)式から算出されるθ1と、前記ステップS22で取得した切断針60の回転角度θ0との差分Ψを演算する。これにより、制御装置39は、差分Ψを回転角度として、回転駆動機構87の駆動により切断針60を回転させる(ステップS27)。また、制御装置39は、前記回転角度θ0をθ1に更新する(ステップS28)。
そして、制御装置39は、起動停止スイッチ8aの操作がなく(ステップS29にてNO)、且つ加工布CLの移動量が第1ピッチ長さに至ると、切断針60を1往復移動させる。即ち、ステップS30では、加工布CLの移動距離rが、刃部60aの幅寸法Wに相応する第1ピッチ長さであるか否かが判断される。ここで、制御装置39は、加工布CLの移動距離rが第1ピッチ長さではない、即ち第1ピッチ長さより短い場合(ステップS30にてNO)、ステップS25〜S30を繰返し実行することで、最新の静止画像Bに基づき加工布CLの移動方向に合う切断針60の回転角度に設定する。そして、制御装置39は、加工布CLの移動距離rが第1ピッチ長さと同じになったと判断した場合(ステップS30にてYES)、上下駆動機構86を駆動して切断針60を1往復移動させる(ステップS31)。その後、制御装置39は、ステップS31にて静止画像Bを静止画像AとしてRAM103に格納し、ステップS25にリターンする。
こうして、ステップS25〜S32が繰返し実行されることで、加工布CLに対して、ピッチ長さを刃部60aの幅寸法Wとし、各切込みが連続的に連なるカットパターン(図示略)が形成される。ここで、図17(a)は、第1ピッチ長さを、刃部60aの幅寸法Wよりも小さい値に設定したときのカットパターンCP4を示す。また、図17(b)は、第1ピッチ長さを、幅寸法Wよりも大きい値に設定したときのカットパターンCP5を示している。カットパターンCP4,CP5は、何れも加工布CLに対して、その移動方向に切込みの向きを合わせ且つピッチ長さが揃っている複数の切込みからなる。また、カットパターンCP4は、相互に隣り合う切込みが連続的に連なっており、カットパターンCP5は、相互に隣り合う切込みが離間した所謂ミシン目状(破線状)をなしている。
以上のように本第2実施形態のミシンMは、切断針60の上下移動により加工布CLに形成される切込みの間隔であるピッチ長さを第1ピッチ長さに設定する第1ピッチ設定手段を備え、制御手段は、検出手段の検出結果に基づいて、第1ピッチ設定手段により設定された第1ピッチ長さで加工布CLに切込みが形成されるように上下駆動機構86を制御し、且つ加工布CLの移動方向に合わせて刃部60aの向きが変わるように回転駆動機構87を制御する。
これによれば、ミシンベッド上の加工布CLを、ユーザが任意の方向に移動させたとき、検出手段により加工布CLの移動量及び移動方向の検出が可能である。これにより、回転駆動機構87によって、検出手段の検出結果に基づき加工布CLの移動方向に合わせて刃部60aの向きが変わるように切断針60を回転させる。そして、上下駆動機構86によって、検出手段の検出結果に基づき設定された第1ピッチ長さで切込みが形成されるように切断針60を上下移動させる。こうして、加工布CLを任意の方向に移動させつつ切断針60の回転と上下移動とを繰り返すことで、加工布CLの移動方向に沿う複数の切込みを第1ピッチ長さで形成することができる。これにより、加工布CLに対して、その移動方向に切込みの向きが合い且つピッチ長さが揃っている見映えの良い綺麗なカットパターンをフリーモーションにより簡単に施すことができる。
また、本第2実施形態では、切断針60の往復移動毎に加工布CLの移動距離r及び移動方向θを検出して、刃部60aの向きを当該移動方向θに合わせ且つ一定のピッチ長さに設定して、より綺麗なカットパターンを形成することができる。
また、本第2実施形態では、切断針60の往復移動毎に加工布CLの移動距離r及び移動方向θを検出して、刃部60aの向きを当該移動方向θに合わせ且つ一定のピッチ長さに設定して、より綺麗なカットパターンを形成することができる。
<第3実施形態>
図16は、本発明の第3実施形態を示すものであり、第2実施形態と異なるところを説明する。なお、第2実施形態と同一部分には同一符号を付している。本第3実施形態では、図17(c)に例示するように、カットパターンCP4とカットパターンCP5とを組み合せたようなカットパターンCP6の形成を可能としたものである。本第3実施形態の切断制御プログラムには、ピッチ長さを刃部60aの幅寸法Wよりも長い所定の第2ピッチ長さに設定するためのデフォルト値a(例えば1mm)が含まれている。デフォルト値aは、図17(c)に誇張して示すように、カットパターンCP6における切込みL1,L2,…の不連続部分(L5とL6の間の部分、及びL10とL11の間の部分)の長さに対応する。このように、カットパターンCP6を構成する複数の切込みL1,L2,…のうち、切込みL5と切込みL6、及び切込みL10と切込みL11のピッチ長さについて、刃部60aの幅寸法Wにデフォルト値aを加算した第2ピッチ長さに設定する。
図16は、本発明の第3実施形態を示すものであり、第2実施形態と異なるところを説明する。なお、第2実施形態と同一部分には同一符号を付している。本第3実施形態では、図17(c)に例示するように、カットパターンCP4とカットパターンCP5とを組み合せたようなカットパターンCP6の形成を可能としたものである。本第3実施形態の切断制御プログラムには、ピッチ長さを刃部60aの幅寸法Wよりも長い所定の第2ピッチ長さに設定するためのデフォルト値a(例えば1mm)が含まれている。デフォルト値aは、図17(c)に誇張して示すように、カットパターンCP6における切込みL1,L2,…の不連続部分(L5とL6の間の部分、及びL10とL11の間の部分)の長さに対応する。このように、カットパターンCP6を構成する複数の切込みL1,L2,…のうち、切込みL5と切込みL6、及び切込みL10と切込みL11のピッチ長さについて、刃部60aの幅寸法Wにデフォルト値aを加算した第2ピッチ長さに設定する。
また、本第3実施形態では、フリーモーションカットの開始に際して、ディスプレイ9には切断針60の往復移動回数を所定回数に設定するための回数設定画面(図示略)が表示される。即ち、ユーザは、第2ピッチ長さの切込み位置(カットパターンにおける切込みの不連続部分)を任意に設定すべく、タッチパネル9aのタッチ操作により、切断針60の往復移動回数を設定する。また、この場合、第2ピッチ長さを設定するための設定画面(図示略)をディスプレイ9に表示させ、タッチパネル9aのタッチ操作により、第2ピッチ長さを任意の値に設定するように構成してもよい。上記した制御装置39、タッチパネル9a及びディスプレイ9は、ピッチ長さを第2ピッチ長さに設定するための第2ピッチ設定手段、並びに切断針60の往復移動回数を所定回数に設定するための回数設定手段に相当する。
図16のフローチャートは、本第3実施形態の切断制御プログラム処理の流れを示しており、ステップS40、S43、S51、S54、S56、S57を除くステップでは、第2実施形態でのステップS21〜S32と同様の処理が実行される。
即ち、制御装置39は、ディスプレイ9に回数設定画面を表示させ、前記タッチ操作により入力される往復移動回数nを取得する(ステップS40)。次いで、制御装置39は、起動停止スイッチ8aが操作されると(ステップS41にてYES)、切断針60の回転角度を検出する(ステップS42)。ここで、制御装置39は、切断針60の往復移動回数をカウントするカウンタを0にリセットして初期化すると共に、前記ステップS40で入力された往復移動回数n(例えば5回)とデフォルト値aとを読み込んでRAM103に記憶させる(ステップS43)。
即ち、制御装置39は、ディスプレイ9に回数設定画面を表示させ、前記タッチ操作により入力される往復移動回数nを取得する(ステップS40)。次いで、制御装置39は、起動停止スイッチ8aが操作されると(ステップS41にてYES)、切断針60の回転角度を検出する(ステップS42)。ここで、制御装置39は、切断針60の往復移動回数をカウントするカウンタを0にリセットして初期化すると共に、前記ステップS40で入力された往復移動回数n(例えば5回)とデフォルト値aとを読み込んでRAM103に記憶させる(ステップS43)。
また、制御装置39は、加工布CLの静止画像A、Bを取得して(ステップS44〜S46)、その静止画像A,Bに基づき加工布CLの移動方向を特定して、切断針60の回転角度を求める処理を実行する(ステップS47)。この場合、制御装置39は、静止画像A,Bに基づき、加工布CLの移動量を前述した移動距離rとして算出する。そして、制御装置39は、上記した(1)式から算出されるθ1と、前記ステップS42で取得した切断針60の回転角度θ0との差分Ψを演算する。これにより、制御装置39は、差分Ψを回転角度として、回転駆動機構87の駆動により切断針60を回転させる(ステップS48)。また、制御装置39は、前記回転角度θ0をθ1に更新する(ステップS49)。
そして、制御装置39は、起動停止スイッチ8aの操作がなく(ステップS50にてNO)、且つカウンタの値が往復移動回数n未満で(ステップS51にてNO)、且つ加工布CLの送り出し量が刃部60aの幅寸法Wの値に至ると、切断針60を1往復移動させる。即ち、制御装置39は、現在のカウンタの値が0であることから(ステップS51にてNO)、加工布CLの移動距離rが刃部60aの幅寸法Wの値か否かを判断する(ステップS52)。ここで、制御装置39は、加工布CLの移動距離rが刃部60aの幅寸法Wと同じになったと判断した場合(YES)、上下駆動機構86を駆動して切断針60を1往復移動させる(ステップS53)。その後、制御装置39は、カウンタを1だけインクリメントし(ステップS54)、静止画像Bを静止画像AとしてRAM103に格納(更新)して(ステップS55)、ステップS46にリターンする。
こうして、制御装置39は、ステップS46〜S55を繰返し実行することで、5つの切込みL1〜L5を形成した場合、ステップS51において、カウンタの値が往復移動回数n(=5)以上と判断する(YES)。この場合、制御装置39は、加工布CLの移動距離rについて、刃部60aの幅寸法Wにデフォルト値aを加算した長さ(つまり第2ピッチ長さ)か否かを判断する(ステップS56)。ここで、制御装置39は、加工布CLの移動距離rが第2ピッチ長さに満たないと判断した場合(NO)、ステップS46〜S51、S56を繰返し実行することで、最新の静止画像Bに基づき加工布CLの移動方向に合う切断針60の回転角度に設定する。
そして、制御装置39は、加工布CLの移動距離rが第2ピッチ長さと同じになったと判断した場合(ステップS56にてYES)、カウンタを0にリセットし(ステップS56)、上下駆動機構86を駆動して切断針60を1往復移動させる(ステップS53)。このとき第2ピッチ長さで形成される6つめの切込みL6は、相互に隣り合う切込みL5と離間した位置に形成される(図17(c)参照)。こうして、制御装置39は、カウント手段として切断針60の往復移動回数をカウントし、ユーザにより設定された5回に到達する度に、次の切込みL6,L11,…のピッチ長さを第2ピッチ長さに設定する。これにより、カットパターンCP6における切込みの不連続部分が形成される。
前記回数設定画面で設定する往復移動回数nは、ユーザの好みに応じて任意に設定すればよい。また、ベッド部1上に載置される加工対象物は加工布CLに限らず、紙製或いは樹脂製のシート等も対象とすることができる。従って、係る往復移動回数nの値並びにデフォルト値aは、このような加工対象物の材質に応じて適宜設定してもよい。
前記回数設定画面で設定する往復移動回数nは、ユーザの好みに応じて任意に設定すればよい。また、ベッド部1上に載置される加工対象物は加工布CLに限らず、紙製或いは樹脂製のシート等も対象とすることができる。従って、係る往復移動回数nの値並びにデフォルト値aは、このような加工対象物の材質に応じて適宜設定してもよい。
以上のように本第3実施形態において、第2ピッチ設定手段は、ピッチ長さを刃部60aの幅寸法Wよりも長い第2ピッチ長さに設定し、制御手段は、カウント手段による切断針60の往復移動回数が、回数設定手段で設定した所定回数に到達した場合、第2ピッチ設定手段で設定された第2ピッチ長さで加工布CLに切込みを形成するように上下駆動機構86を制御すると共に、カウント手段による切断針60の往復移動回数をリセットする。これによれば、回数設定手段により切断針60の往復移動回数を設定することで、その設定に応じたカットパターンにおける切込みの不連続部分を形成することができる。
<第4実施形態>
図18は、本発明の第4実施形態を示すものであり、第1実施形態と異なるところを説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付している。本第4実施形態は、加工布CLの移動量や移動方向の検出手段として、アタッチメント10のエンコーダ25,33を用いるものとする。また、ユーザにより、アタッチメント10のキャリッジ14に移動台11が装着され、加工布CLが移動台11に載置される。そして、タッチパネル9aのタッチ操作によりフリーモーションモードが選択されることで、フリーモーションモードでの切断制御が開始される。
図18は、本発明の第4実施形態を示すものであり、第1実施形態と異なるところを説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付している。本第4実施形態は、加工布CLの移動量や移動方向の検出手段として、アタッチメント10のエンコーダ25,33を用いるものとする。また、ユーザにより、アタッチメント10のキャリッジ14に移動台11が装着され、加工布CLが移動台11に載置される。そして、タッチパネル9aのタッチ操作によりフリーモーションモードが選択されることで、フリーモーションモードでの切断制御が開始される。
図18のフローチャートは、本第4実施形態の切断制御プログラム処理の流れを示している。先ず、制御装置39は、初期設定処理として(ステップS60)、X軸モータ22及びY軸モータ29について通電されている場合には何れも断電する。これにより、移動台11はX方向及びY方向へ自由に移動できる状態(つまり両モータ22、29の制動力が作用しない状態)にある。また、後述のカウント値を初期化(初期値を0)する。また、制御装置39は、X軸エンコーダ25及びY軸エンコーダ33から夫々の検出信号を受けて計数を開始する。この場合、X軸エンコーダ25から検出信号を受ける毎にそのカウント値(X位相計数値)が増加あるいは減少されると共に、Y軸エンコーダ33の検出信号を受ける毎にそのカウント値(Y位相計数値)が増加あるいは減少されることで、制御装置39は、これらの位相計数値に基づき移動台11の現在位置を演算する。
この状態で、制御装置39は、ユーザによる起動停止スイッチ8aの操作がなされたと判断すると(ステップS61にてYES)、切断針60の回転角度を検出して、RAM103の回転角度記憶領域に記憶させる(ステップS62)。また、制御装置39は、移動台11の現在位置の座標を読取値Aeとして読み込み、RAM103の第1読取値記憶領域に記憶させる(ステップS63)。その後、制御装置39は、所定時間(例えば0.2秒)待機し、再度移動台11の現在位置の座標を読取値Beとして読み込んで、RAM103の第2読取値記憶領域に記憶させる(ステップS64、S65)。そして、制御装置39は、読取値Ae,Beに基づき加工布の移動方向を特定して、切断針60の回転角度を求める処理を実行する(ステップS66)。
即ち、本第4実施形態では、ユーザは手動操作により加工布CLを移動台11ごと任意の方向に移動させるため、そのX方向及びY方向の移動量は、X軸エンコーダ25及びY軸エンコーダ33の読取値Ae,Beから求めることができる。ここで、読取値Aeの座標をX1,Y1、読取値Beの座標をX2,Y2とした場合、加工布CLのX方向及びY方向の移動量ΔX,ΔYは以下の(3)式、(4)式によって算出される。
ΔX=X2−X1 …(3)
ΔY=Y2−Y1 …(4)
ΔX=X2−X1 …(3)
ΔY=Y2−Y1 …(4)
そして、加工布CLのX方向及びY方向の移動量ΔX,ΔYを(1)式に代入することで、加工布の移動方向θ1が求められる。こうして、制御装置39は、(1)式から求めたθ1と、前記ステップS62で取得した切断針60の回転角度θ0との差分Ψ(=θ1−θ0)を演算する。また、制御装置39は、演算した差分Ψを回転角度として、回転駆動機構87の駆動により切断針60を回転させる(ステップS67)。また、制御装置39は、RAM103の回転角度記憶領域における回転角度θ0をθ1に更新する(ステップS68)。
ここで、制御装置39は、ユーザによる起動停止スイッチ8aの操作がないと判断すると(ステップS69にてNO)、上下駆動機構86を駆動して切断針60を1往復移動させる(ステップS70)。このとき、第1実施形態と同様、加工布CLの移動方向に合わせた角度θ1で切込みL1が形成される。その後、制御装置39は、読取値BeをRAM103の第1読取値記憶領域に読取値Aeとして格納し(ステップS71)、ステップS65にリターンする。こうして、ステップS65〜S61が繰返し実行されることで、加工布CLに対して移動台11の移動量に応じたカットパターンCP1〜CP3を施すことができる(図14(a)〜(c)参照)。
以上のように本第4実施形態のミシンMは、検出手段としてエンコーダ25,33を用い、ミシンベッド上の移動台11に載置された加工布CLを当該移動台11ごと移動させたときの移動量ΔX,ΔY及び移動方向θを検出する。これによれば、加工布CLの移動方向θに沿う複数の切込みを形成することができる等、第1実施形態と同様の効果を奏する。
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。ミシンMは、第1〜第4実施形態で示した各フローチャートの処理内容の夫々を、選択的に実行可能な構成としてもよい。
第2、第3実施形態において、加工布CLの移動量及び移動方向の検出手段としてエンコーダ25,33を用いるようにしてもよい。具体的には、第2実施形態においても、初期設定処理としてステップS60を実行すると共に、図15のステップS23、S25、S26、S32に代えてステップS63、S65、S66、S71を実行する。これによれば、キャリッジ14に移動台11を装着して、加工布CLを当該移動台11ごと移動させることができると共に、その移動方向に切込みの向きを合わせ且つピッチ長さを揃えたカットパターンを形成することができる。
第2、第3実施形態において、加工布CLの移動量及び移動方向の検出手段としてエンコーダ25,33を用いるようにしてもよい。具体的には、第2実施形態においても、初期設定処理としてステップS60を実行すると共に、図15のステップS23、S25、S26、S32に代えてステップS63、S65、S66、S71を実行する。これによれば、キャリッジ14に移動台11を装着して、加工布CLを当該移動台11ごと移動させることができると共に、その移動方向に切込みの向きを合わせ且つピッチ長さを揃えたカットパターンを形成することができる。
第3実施形態において、初期設定処理としてステップS60を実行すると共に、図16のステップS44、S46、S47、S55に代えてステップS63、S65、S66、S71を実行する。これによれば、キャリッジ14に移動台11を装着して、加工布CLを当該移動台11ごと移動させることができると共に、その加工布CLに種々のミシン目を付することができる。
前記検出手段は、カメラ38やエンコーダ25,33に限らず、ミシンベッド上に載置された加工布CL等の加工対象物の少なくとも移動方向を検出可能なものであればよい。例えば、アタッチメント10に、DSP(Digital Signal Processor)を搭載した光学式マウスで用いられるような撮像素子(撮影手段)を設け、当該撮像素子により撮像した画像を静止画像A,Bとして、加工対象物の移動量及び移動方向を検出する構成としてもよい。また、ミシンMにおいて、例えば可動側の移動台11に発信器を設け、固定側のアタッチメント10に受信器を設ける。そして、発信器から発信される超音波を受信器で受信することにより、移動台11(加工対象物)の移動量及び移動方向を検出するように構成してもよい。
切断ユニット40は、家庭用ミシンMに限らず、種々のミシンに適用することができる。また、切断ユニット40は、ミシンベッドに限らず、ミシン頭部3aに配設してもよい。ベッド部1には、アタッチメント10の代わりに、補助テーブルを装着させることができる。図示は省略するが、補助テーブルは、加工布を載置する面を拡張させる為の周知構成のアタッチメントである。補助テーブルがベッド部1に装着された状態では、補助テーブルの上面はベッド部1の上面と略面一になり、加工布CLを載置する面となる。そして、この補助テーブルに、切断ユニット40を着脱可能に収容する収容部を設ける。収容部は、アタッチメント10の収容部41と同じ形状であればよい。或は上下駆動機構86や回転駆動機構87を補助テーブル内の機枠に直接組付けるようにする。このような構成であっても、切断針60が下方から上方へ移動することに伴い加工対象物に切込みを形成する上向きの姿勢でもって設けることができ、上記実施形態と同様の効果を奏する。
第1ピッチ長さや第2ピッチ長さ、或いは刃部60aの幅寸法W、デフォルト値a等、具体例として挙げた数値に限定するものではなく、適宜変更して実施することができる。
第1ピッチ長さや第2ピッチ長さ、或いは刃部60aの幅寸法W、デフォルト値a等、具体例として挙げた数値に限定するものではなく、適宜変更して実施することができる。
M ミシン
1 ミシンベッド
10 アタッチメント
25,33 エンコーダ(検出手段)
38 カメラ(検出手段、撮影手段)
39 制御手段(検出手段、第1ピッチ設定手段、第2ピッチ設定手段、カウント手段、回数設定手段)
40 ユニット
60 切断針
60a 刃先
86 上下駆動機構
87 回転駆動機構
1 ミシンベッド
10 アタッチメント
25,33 エンコーダ(検出手段)
38 カメラ(検出手段、撮影手段)
39 制御手段(検出手段、第1ピッチ設定手段、第2ピッチ設定手段、カウント手段、回数設定手段)
40 ユニット
60 切断針
60a 刃先
86 上下駆動機構
87 回転駆動機構
Claims (5)
- ミシンベッド上に載置された加工対象物をユーザが任意の方向に移動させたときの当該加工対象物の少なくとも移動方向を検出可能な検出手段と、
先端に所定幅の刃先を有し、前記加工対象物に切込みを形成するための切断針と、
前記切断針を上下方向に往復移動させる上下駆動機構と、
前記切断針を当該切断針の回転軸線の周りに回転させる回転駆動機構と、
前記上下駆動機構による前記切断針の上下移動、及び前記回転駆動機構による前記切断針の回転をそれぞれ制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記加工対象物の移動方向に合わせて前記刃先の向きが変わるように前記回転駆動機構を制御することを特徴とするミシン。 - ミシンベッド上に載置された加工対象物をユーザが任意の方向に移動させたときの当該加工対象物の移動量及び移動方向を検出可能な検出手段と、
先端に所定幅の刃先を有し、前記加工対象物に切込みを形成するための切断針と、
前記切断針を上下方向に往復移動させる上下駆動機構と、
前記切断針を当該切断針の中心軸線の周りに回転させる回転駆動機構と、
前記上下駆動機構による前記切断針の上下移動、及び前記回転駆動機構による前記切断針の回転をそれぞれ制御する制御手段と、
前記切断針の上下移動により前記加工対象物に形成される切込みの間隔であるピッチ長さを第1ピッチ長さに設定する第1ピッチ設定手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記第1ピッチ設定手段により設定された第1ピッチ長さで前記加工対象物に切込みが形成されるように前記上下駆動機構を制御し、且つ前記加工対象物の移動方向に合わせて前記刃先の向きが変わるように前記回転駆動機構を制御することを特徴とするミシン。 - 前記検出手段は、
前記ミシンベッド上に載置された前記加工対象物を撮影する撮影手段を含み、
前記撮影手段は、前記切断針の往復移動毎に前記加工対象物の画像を撮影し、前記切断針の1往復移動の前後に撮影された2つの撮影画像に基づいて、前記切断針の往復移動毎に前記加工対象物の移動量及び移動方向を検出することを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。 - 前記切断針の上下移動により前記加工対象物に形成される切込みの間隔であるピッチ長さを、前記刃先の幅よりも長い第2ピッチ長さに設定する第2ピッチ設定手段と、
前記切断針の往復移動回数をカウントするカウント手段と、
前記往復移動回数を、所定回数に設定する回数設定手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、
前記カウント手段による前記切断針の往復移動回数が、前記回数設定手段で設定した所定回数に到達した場合、
前記第2ピッチ設定手段で設定された前記第2ピッチ長さで前記加工対象物に切込みを形成するように前記上下駆動機構を制御すると共に、前記カウント手段による前記切断針の往復移動回数をリセットすることを特徴とする請求項2又は3記載のミシン。 - 前記切断針、前記上下駆動機構、及び前記回転駆動機構はユニットとして、前記ミシンベッドに設けられ又は前記ミシンベッドに着脱可能に装着されるアタッチメントに設けられ、
前記ユニットは、前記切断針が下方から上方へ移動することに伴い前記加工対象物に切込みを形成するように構成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項記載のミシン。
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