JP2009108434A - ボーリング装置、及びボーリング装置を備えた多針刺繍ミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】ボーリング装置を多針刺繍ミシンに、簡単且つ適切に取り付け可能なボーリング装置、及びボーリング装置を備えた多針刺繍ミシンを提供すること。
【解決手段】複数本の針棒を有する多針刺繍ミシンの針棒27の下端部に着脱可能に装着され、加工布にボーリングメスにより切り込みを入れるボーリング装置30であって、多針刺繍ミシンが備える針棒27に設けられた係合凹部271に係合する係合凸部402をボーリング装置30の取り付け部に設ける。係合凸部402を係合凹部271に係合させることにより、係合凹部271がボーリング装置の水平方向の回転を規制する。よって、ボーリングメスが針棒27に対して、水平方向に関して位置決めされる。
【選択図】図11
【解決手段】複数本の針棒を有する多針刺繍ミシンの針棒27の下端部に着脱可能に装着され、加工布にボーリングメスにより切り込みを入れるボーリング装置30であって、多針刺繍ミシンが備える針棒27に設けられた係合凹部271に係合する係合凸部402をボーリング装置30の取り付け部に設ける。係合凸部402を係合凹部271に係合させることにより、係合凹部271がボーリング装置の水平方向の回転を規制する。よって、ボーリングメスが針棒27に対して、水平方向に関して位置決めされる。
【選択図】図11
Description
本発明は、複数本の針棒を有する多針刺繍ミシンの針棒の下端部に着脱可能に装着し、加工布にボーリングメスにより切り込みを入れるボーリング装置、及びボーリング装置を備えた多針刺繍ミシンに関する。
従来から、刺繍ミシンを使用して刺繍を行う際、加工布に切り込み(孔)を形成しつつその切り込みの周囲に刺繍を施す手法(アイレット刺繍)がある。このような切り込みは、先端に刃部が形成されたボーリングメスを備えたボーリング装置により形成される。ボーリング装置は、刺繍ミシンに対して着脱可能に構成されている。切り込みを形成する際には、使用者はボーリング装置を針棒の下端部に装着する。このとき使用者は、装着時のボーリングメスの水平方向の位置が規定位置になるように調整する。その後、刺繍ミシンによる刺繍をスタートさせ、刺繍枠に挟持された加工布を送りながらボーリングメスをその加工布に挿通して、切り込みを形成する(例えば、特許文献1参照)。
実開昭63−81888号公報
しかしながら、上記のボーリング装置では、ボーリングメスが針棒に対して規定位置となるように調整する作業が煩雑であった。また、刺繍ミシンが複数の針棒を有する多針刺繍ミシンである場合、所定の針棒にボーリング装置を装着しなければならない。誤った針棒にボーリング装置を装着してしまった場合には、加工布上の所望の位置に切り込みを形成することができず、また、加工布上の所望の位置に刺繍模様が形成されない。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、ボーリング装置を多針刺繍ミシンに、簡単且つ適切に取り付け可能なボーリング装置、及びボーリング装置を備えた多針刺繍ミシンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のボーリング装置は、複数本の針棒を有する多針刺繍ミシンの前記針棒の下端部に着脱可能に装着され、加工布にボーリングメスにより切り込みを入れるボーリング装置であって、前記多針刺繍ミシンが備える前記針棒に設けられた第一係合部に係合する第二係合部を備え、前記第二係合部を前記第一係合部に係合させることにより、当該第一係合部が前記ボーリング装置の水平方向の回転を規制し、前記ボーリングメスが当該第一係合部を備える前記針棒に対して、水平方向に関して位置決めされることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載のボーリング装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記第一係合部及び前記第二係合部は、一方が凹部であり、他方が凸部であることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載のボーリング装置を備えた多針刺繍ミシンは、加工布にボーリングメスにより切り込みを入れるボーリング装置を備えた多針刺繍ミシンであって、前記多針刺繍ミシンは、複数本の針棒と、前記複数本の針棒の内、所定の針棒に設けた第一係合部とを備え、前記ボーリング装置は、前記所定の針棒の下端部に着脱可能に装着される請求項1又は2に記載のボーリング装置であり、前記第二係合部を前記第一係合部に係合することにより、当該第一係合部が前記ボーリング装置の水平方向の回転を規制し、前記ボーリングメスが前記所定の針棒に対して、水平方向に関して位置決めされることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載のボーリング装置を備えた多針刺繍ミシンは、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記ボーリング装置は、前記所定の針棒の下端部に前記ボーリング装置を固定するための取付部を備え、前記多針刺繍ミシンは、前記所定の針棒以外の針棒の下端部に前記ボーリング装置を取り付けた場合に、前記取付部と干渉し、当該所定の針棒以外の針棒に前記ボーリング装置が取り付けられることを規制する干渉部材を備えている。
また、本発明の請求項5に記載のボーリング装置を備えた多針刺繍ミシンは、請求項4に記載の発明の構成に加え、前記干渉部材は、前記複数本の針棒の各下端部に縫針を装着する針抱き、及び前記針棒の上下動と連動して間欠的に前記加工布を押える押え足の少なくとも一方であることを特徴とする。
請求項1に記載のボーリング装置によれば、第一係合部と、第二係合部とにより、ボーリング装置の水平方向の位置決めを、簡単且つ適切に行うことができる。よって、多針刺繍ミシンの針棒に、ボーリング装置を、簡単且つ適切に装着することができる。
請求項2に記載のボーリング装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、第一係合部及び第二係合部は、一方が凹部であり、他方が凸部である。よって、多針刺繍ミシンの針棒に、ボーリング装置を、簡単且つ適切に装着することができる。
請求項3に記載のボーリング装置を備えた多針刺繍ミシンによれば、第一係合部と、第二係合部とにより、所定の針棒に対するボーリング装置の水平方向の位置決めを、簡単且つ適切に行うことができる。よって、多針刺繍ミシンの所定の針棒に、ボーリング装置を、簡単且つ適切に装着することができる。
請求項4に記載のボーリング装置を備えた多針刺繍ミシンによれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、所定の針棒以外の針棒にボーリング装置を取り付けようとした場合、ボーリング装置の取付部が、多針刺繍ミシンが備える干渉部材と干渉する。よって、所定の針棒にのみボーリング装置を装着することが可能である。したがって、誤って所定の針棒以外の針棒にボーリング装置を取り付けてしまう虞を、確実に回避することができる。
請求項5に記載のボーリング装置を備えた多針刺繍ミシンによれば、請求項4に記載の発明の効果に加え、所定の針棒以外の針棒にボーリング装置を取り付けようとした場合、ボーリング装置の取付部が、多針刺繍ミシンが針抱き及び押え足の少なくとも一方と干渉する。このため、所定の針棒にのみ装着することが可能である。よって、誤って所定の針棒以外の針棒にボーリング装置を取り付けてしまう虞を、確実に回避することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、6本の針棒を備え、それぞれの針棒に備えられる縫針に、糸駒から供給される6種類の糸で縫製可能な多針刺繍ミシン11に本発明を適用した一例である。
まず、多針刺繍ミシン11の物理的構成を図1〜図4を参照して説明する。図1は、多針刺繍ミシン11の斜視図である。図2は、多針刺繍ミシン11の針棒ケース15の内部構成の斜視図である。図3は、多針刺繍ミシン11の針棒ケース15の内部構成の正面図である。図4は、多針刺繍ミシン11の針棒ケース15の内部構成の右側面である。尚、図1及び図2の紙面手前側を「多針刺繍ミシン11の正面側」、紙面奥行き側を「多針刺繍ミシン11の背面側」とする。また、ユーザからみて左右方向を左右方向とする。
多針刺繍ミシン11は、多針刺繍ミシン11全体を支持する支持部12と、その支持部12から立設する脚柱部13と、脚柱部13の上端部から正面側に延びるアーム部14とを備えている。アーム部14の先端には、針棒ケース15が左右方向に移動可能に装着されている。尚、図1においては、図を簡略化するために、1本の縫針19しか図示しないが、針棒ケース15には、それぞれに縫針19が装着されている。刺繍縫製が行われる際には、まず針棒ケース15が左右移動することで、6本の針棒のうち上下駆動される1本の針棒27(図2参照)が選択される。
アーム部14の中央部の右側には、アーム部14に軸支された操作部16が設けられている。操作部16は、液晶ディスプレイ29,メモリーカードコネクタ31及びタッチパネル32を備える。液晶ディスプレイ29,及びタッチパネル32は、多針刺繍ミシン11に各種指示を入力するのに用いられる。メモリーカードコネクタ31には、メモリカード(図示外)が挿入される。
一方、アーム部14の下方には、脚柱部13の下端部から前方に延びるシリンダベッド部17が設けられている。シリンダベッド部17内の前方部には、下糸が巻回された下糸ボビン(図示外)を収納する釜(図示外)を回転駆動する釜駆動機構(図示外)が設けられている。また、アーム部14の下方には、刺繍枠(図示外)を左右方向に移動させる刺繍枠移動機構18が設けられている。刺繍縫製時には、刺繍枠移動機構18のキャリッジに加工布が装着された刺繍枠(図示外)がセットされ、X軸モータ(図示外)及びY軸モータ(図示外)により刺繍枠が前後左右に移動されながら、刺繍縫製が行われる。
また、アーム部14の上面の背面側には、左右一対の糸駒台21が設けられている。各糸駒台21には、糸駒22が嵌入される糸立棒26が設けられ、それぞれ3個の糸駒22が載置可能である。すなわち、合計で、縫針19の数と同じ6個の糸駒22を載置することができる。糸駒台21に載置された各糸駒22から延びる上糸23は、上糸23の糸絡みを防ぐ糸案内機構20,糸張力を調整する糸調子器24,上下に往復駆動して上糸23を引き上げる天秤25等を経由して、各縫針19に供給される。
次に、アーム部14の正面側に設けられた針棒ケース15の内部構成について、図2〜図4を参照して説明する。図2〜4に示すように、針棒ケース15内には、6本の針棒27が設けられ、各針棒27には、個々の針棒27を識別するための針棒番号が付与されている。本実施形態では、図中右側から順に針棒番号1〜6番が付与されている。針棒27は、針棒ケース15のフレーム80に固定された上下2個の固定部材(図示外)により上下方向に摺動可能に支持されている。各針棒27の上半部には押えバネ72が設けられ、下半部には押えバネ73がそれぞれ設けられている。押えバネ72と押えバネ73との間には、針棒抱き70が設けられ、押えバネ73の下には押え抱き81が設けられている。
各針棒27の下端には、針棒27の下端から上方に向かって、溝状の係合凹部271(図11及び図12参照)が延設されている。各針棒27の下端には、針抱き84が止め螺子(図示外)により螺子止めされて、固定されている。係合凹部271には、縫針19の基部が挿入される。係合凹部271に挿入された縫針19は、針抱き84に設けられる針止め螺子(図示外)により、係合凹部271側に押圧されて固定される。また、針棒27の下端部には、押え足71が設けられている。押え足71は、針棒27の上下動と連動して、間欠的に加工布を押える。
また、図2〜4に示すように、針棒27には、縫針19に替えて、ボーリング装置30を装着可能である。ボーリング装置30は、加工布に切り込み(アイレット)を入れて刺繍を施すための装置である。後述するように、本実施形態では、図中一番右の針棒27(針棒番号1番の針棒27)にのみ、ボーリング装置30が装着可能となっている。針棒番号1番の針棒27は、本発明の「所定の針棒」に相当する。図2及び図3においては、図を簡略化するために、針棒番号2番〜6番の針棒27には縫針19を装着していないが、縫製時にはそれぞれに針抱き84を介して縫針19が装着される。また、図3においては、図を簡略化するために、押えバネ72,73の図示を省略している。
ここで、図5〜図12を参照して、ボーリング装置30の構成について説明する。図5は、針棒27に取り付けられた状態のボーリング装置30の正面図である。図6は、針棒27に取り付けられた状態のボーリング装置30の右側面図である。図7は、ボーリング装置30の斜視図である。図8は、ボーリング装置30の正面図である。図9は、ボーリング装置30の右側面図である。図10は、ボーリング装置の平面図である。図11は、図5に示す針棒27に取り付けられた状態のボーリング装置30のA−A線における矢視方向断面図である。図12は、図5に示す針棒27に取り付けられた状態のボーリング装置30のB−B線における矢視方向から見た底面図の拡大図である。
図5及び図6に示すように、ボーリング装置30は、針棒番号1番の針棒27の針抱き84(図2及び図3参照)を取り外した後、針棒27の下端に取り付けられる。図7に示すように、ボーリング装置30は、取付部40と、ボーリングメス33と、ホルダ34と、プレッサ35と、スプリング37とを備える。以下、ボーリング装置30が備える各部材について詳述する。
取付部40は、多針刺繍ミシン11の所定の針棒27に、ボーリング装置30を着脱可能に取り付けるためのものである。取付部40は、図7〜図10に示すように、係合孔401と、係合凸部402と、螺子止め部403とを備える。係合孔401は、針棒27の下端に嵌合可能な貫通孔であり、その一部にすり割り部405が形成されている。係合孔401は、針棒27の外周よりもやや長い内周を有する円筒状の形状を有し、係合孔401には、針棒27の下端が貫通される。また、係合凸部402は、図9及び図10に示すように、係合孔401の下部に備えられ、平面視、係合孔401の孔中心の方向に向かって突出する円柱形状を有する。ボーリング装置30が針棒27に取り付けられた状態では、係合凸部402は、図11及び図12に示すように、針棒27の係合凹部271と係合する。尚、係合凹部271は、本発明の「第一係合部」に相当し、係合凸部402は、本発明の「第二係合部」に相当する。
螺子止め部403は、ボーリング装置30を針棒27に固定するためのものである。具体的には、すり割り部405の幅を狭くするように、螺子406を締め付けることで、係合孔401の内径を狭くして、ボーリング装置30を針棒27に固定する。図5に示すように、ボーリング装置30を針棒27の下端部に装着された状態において、螺子止め部403は、針棒27の鉛直中心線(A−A線)から右側に向かって突出している。一方、図3に示すように、針棒番号1番の針棒27の下端部の右側には、ボーリング装置30を針棒番号1番の針棒27に取り付けたときに、螺子止め部403がフレーム80と干渉しないように、空間82が設けられている。しかし、針棒番号2〜6番の針棒27の下端部の右側には、右隣の針棒27の押え足71が配置されている。このため、針棒番号1番以外の針棒27に、ボーリング装置30を取り付けようとした場合、螺子止め部403と、その針棒27の右隣の針棒27の押え足71とが干渉する。したがって、針棒番号1番以外の針棒27には、係合孔401を針棒27の下端部に係合させることができない構成となっている。螺子止め部403は、本発明の「取付部」に相当する。
ボーリングメス33は、図7に示すように、図示左方に延出されたホルダ34の腕部341に設けられた取付孔342に、螺子止め部343を介して垂直状に取り付けられている。ボーリングメス33は、基部331と、刃部332と、段差部333とを備える。基部331は、ボーリングメス33の上部にあり、丸棒状の形状を有する。基部331の上部が取付孔342に挿入され、螺子止め部343を螺子344で締め付けることで、ボーリングメス33はホルダ34に固定される。一方、刃部332は、ボーリングメス33の下部にあり、逆四角錐状の刃を備える。そして、刃部332を加工布90に突き刺したときにはアイレットが正方形に切開される。刃部332上端部の外縁形状をなす正方形の一辺の長さは、基部331の外径より若干大きく形成されている。段差部333は、基部331と刃部332との境界に形成されている。図4及び図6に示すように、針棒27に取り付けられた状態において、刃部332の先端の水平位置は、縫針19(図1参照)の針落ち点の水平位置よりも距離Xだけ前方にある。尚、刃部332の形状は、アイレットの形状に合わせて適宜変更可能なように、複数種類の形状のボーリングメスが準備されている。また、基部331が固定される上下方向の位置を調整することで、アイレットの大きさを適宜変更可能である。
プレッサ35は、図8に示すように、テーパ形状を有する側面355と、側面355の上部を塞ぐ上面354とを備える。上面354には、ボーリングメス33の基部331が貫通する円状の孔が設けられ、プレッサ35は、ボーリングメス33に対してスライド可能に嵌装される。通常時は、プレッサ35は、プレッサ35の外周に配置されたスプリング37により付勢され、上面354がボーリングメス33の段差部333に当接する。このため、プレッサ35の下降が規制されている。また、プレッサ35の下端部付近の外周には突片352が環状に設けられている。そして、プレッサ35の下部には、図8に示すように、側面355と上面354とによって囲まれた空洞部353が設けられている。空洞部353は、ボーリングメス33の刃部332を囲んで保護する。
以上のような構成を有するボーリング装置30は、以下のように取り付けられる。まず、針棒番号1番の針棒27の下端部に装着されている針抱き84を取り外す。そして、針棒27の下端部を、ボーリング装置30の係合孔401に挿入させる。このとき、針棒27の係合凹部271に、係合凸部402を係合させるようにする。係合凹部271と係合凸部402とが係合した状態においては、ボーリング装置30の水平方向の回転が規制される。そして、刃部332の先端の水平位置は、針板28に設けられた逃げ孔38(図14参照)の水平位置と一致するように、ボーリングメス33が、針棒27に対して位置決めされる。ボーリング装置30を所定の取り付け位置まで挿入させた後、螺子止め部403の螺子406を締め付けて、ボーリング装置30を針棒27に固定する。
次に、刺繍枠移動機構18(図2参照)に支持された刺繍枠(図示外)に装着された加工布に縫目を形成する動作について図1〜図3を参照して説明する。まず、針棒ケース15が左右に移動することで、6本の針棒27のうち1本が選択される。そして、ミシンモータ(図示外)により主軸74が回転駆動し、針棒駆動機構(図示外)が駆動される。ここで、針棒駆動機構は、天秤駆動カム75,連結部材76,ジャンプタイ77,ガイド棒78,連結ピン(図示外)等から構成されている。主軸74の回転駆動が天秤駆動カム75を介して連結部材76に伝達され、連結部材76が枢支されているジャンプタイ77が針棒27と水平に配置されたガイド棒78にガイドされて上下駆動される。そして、その上下駆動が連結ピン(図示外)を介して針棒27に伝達され、縫針19が装着される針棒27が上下駆動される。一方、主軸74の回転が釜駆動機構(図示外)に伝達され釜(図示外)が回転駆動される。このように、縫針19と釜が同期して駆動され、加工布に縫目が形成される。
また、針棒番号1番の針棒27にボーリング装置30が装着され、縫製データによりアイレットを形成する場合の動作を、図1,図2,図13及び図14を参照して説明する。図13は、スプリング37が退縮した状態のボーリング装置30の斜視図である。図14は、スプリング37が退縮した状態のボーリング装置30の正面図である。まず、針棒ケース15が左右に移動し、ボーリング装置30が装着された針棒番号1の針棒27が選択される。そして、ミシンモータ(図示外)により主軸74が回転駆動し、針棒駆動機構(図示外)が駆動されて針棒27が降下する。針棒27が降下すると、ボーリングメス33とともにプレッサ35が降下する。
一方、針板28には、図14に示すように、ボーリングメス33の刃部332が突入するための逃げ孔38が設けられている。逃げ孔38の周縁の針板28上面には、把持板39が添着されている。把持板39は、プレッサ35と協動して加工布90のアイレット形式部位を環状に把持する。把持板39は、ゴムや合成樹脂等の弾性材により円盤状に成型され、周側面には把持面391がテーパ状に形成されている。そして、中央部にはボーリングメス33の刃部332が密接して侵入できるように刃部332の形状と相似形状に透孔392が形成されている。尚、図を簡略化するために、図1には、針板28に、針穴及び逃げ孔38を図示していない。
針棒27の降下により、プレッサ35の突片352が針板28の上面に載置されている加工布90に当接する。さらに針棒27が降下すると、図13及び図14に示すように、スプリング37が退縮してプレッサ35が下方に押圧され、突片352の下端部と把持板39とが加工布90を環状に挟圧する。同時に、プレッサ35の突片352より突出して降下するボーリングメス33の刃部332が挟圧された加工布90を突き刺して逃げ孔38,透孔392内に突入する。このようにして、加工布90にアイレットが切開される。
以上詳述した、本実施形態のボーリング装置30,及びボーリング装置30を備えた多針刺繍ミシン11によれば、針棒27の下端部に備えられた係合凹部271と、ボーリング装置30が備える係合凸部402とにより、所定の針棒に対するボーリング装置の水平方向の位置決めを行うことができる。このため、係合凹部271と、係合凸部402とを係合させれば、針棒27に対するボーリングメス33の位置を調整する必要がない。また、本実施形態では、係合凸部402が、係合孔401の下部に設けられている。このため、係合孔401を針棒27の下端に挿入した上で、係合凸部402の位置を調整することができ、係合凸部402と、係合凹部271とを容易に係合させることができる。よって、多針刺繍ミシンの11所定の針棒27に、ボーリング装置30を、簡単且つ適切に装着することができる。
また、本実施形態では、針棒27の下端部に備えられた係合凹部271は、縫針19の挿入穴と、ボーリング装置30の水平方向に関する位置決め部材とを兼ねている。よって、ボーリング装置30を取り付ける際の、水平方向の位置決め部材を新たに設ける必要がない。
また、針棒番号1番の針棒27以外の針棒27にボーリング装置30を取り付けようとした場合、ボーリング装置30が備える螺子止め部403が、多針刺繍ミシン11が備える押え足71と干渉する。よって、針棒番号1番の針棒27にのみボーリング装置30を装着することが可能である。したがって、誤って針棒番号1番の針棒27以外の針棒27にボーリング装置30を取り付けてしまう虞を、確実に回避することができる。
尚、本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。例えば、次の(1)〜(3)に示す変形を適宜加えてもよい。
(1)上記実施形態の多針刺繍ミシン11は、6本針棒を有していたが、針棒の数は2以上有ればよく、適宜変更可能である。また、多針刺繍ミシン11の物理的構成は適宜変更可能である。
(2)上記実施形態の多針刺繍ミシン11は、本発明の干渉部材として押え足71を有していたが、他の部材を干渉部材として配置してもよい。例えば、図2及び図3に示す針抱き84を干渉部材としてもよい。また、係合凹部271を所定の針棒27にのみ設けている場合には、干渉部材を設けなくても、所定の針棒27にのみボーリング装置30を取り付けることが可能となる。この場合、針抱き84に縫針19の挿入穴を設ければよい。取付部の形状や構成も適宜変更可能である。
(3)上記実施形態では、針棒27の下端部に設けられた係合凹部271を本発明の第一係合部とし,ボーリング装置30が備える係合凸部402を第二係合部としていた。しかし、第一係合部及び第二係合部の構成や形状は、係合時に第一係合部によりボーリング装置の水平方向の移動が規制されるものであればよく、これに限定されない。例えば、第一係合部及び第二係合部の、一方を釣針状の形状のとし、他方をループ状のリングとしてもよい。また例えば、凸部を第一係合部、凸部に係合する凹部を第二係合部としてもよい。第一係合部及び第二係合部を、一方を凸部、他方を凹部とする場合、凸部及び凹部の形状は適宜変更可能である。
例えば、第一係合部及び第二係合部の形状を、図15及び図16に示すようにしてもよい。図15は、図5に示す針棒27に取り付けられた状態のボーリング装置30のA−A線における矢視方向断面図に対応する説明図である。図16は、図5に示す針棒27に取り付けられた状態のボーリング装置30のB−B線における矢視方向から見た底面図の拡大図に対応する説明図である。図15及び図16に示すように、第一係合部に相当する係合凹部272は、底面視円筒の一部を切り欠いた形状を有する。一方、第2係合部に相当する係合凸部404は、係合孔401の下部に設けられ、係合凹部272と係合するように、底面視円の一部を切り欠いた形状を有する。尚、この変形例においては、針抱き84に、縫針19を挿入、固定するための挿入穴を設ける。
11 多針刺繍ミシン
19 縫棒
27 針棒
30 ボーリング装置
33 ボーリングメス
71 押え足
84 針抱き
90 加工布
271,272 係合凹部
402,403 係合凸部
19 縫棒
27 針棒
30 ボーリング装置
33 ボーリングメス
71 押え足
84 針抱き
90 加工布
271,272 係合凹部
402,403 係合凸部
Claims (5)
- 複数本の針棒を有する多針刺繍ミシンの前記針棒の下端部に着脱可能に装着され、加工布にボーリングメスにより切り込みを入れるボーリング装置であって、
前記多針刺繍ミシンが備える前記針棒に設けられた第一係合部に係合する第二係合部を備え、
前記第二係合部を前記第一係合部に係合させることにより、当該第一係合部が前記ボーリング装置の水平方向の回転を規制し、前記ボーリングメスが当該第一係合部を備える前記針棒に対して、水平方向に関して位置決めされることを特徴とするボーリング装置。 - 前記第一係合部及び前記第二係合部は、一方が凹部であり、他方が凸部であることを特徴とする請求項1に記載のボーリング装置。
- 加工布にボーリングメスにより切り込みを入れるボーリング装置を備えた多針刺繍ミシンであって、
前記多針刺繍ミシンは、
複数本の針棒と、
前記複数本の針棒の内、所定の針棒に設けた第一係合部と、
を備え、
前記ボーリング装置は、
前記所定の針棒の下端部に着脱可能に装着される請求項1又は2に記載のボーリング装置であり、
前記第二係合部を前記第一係合部に係合することにより、当該第一係合部が前記ボーリング装置の水平方向の回転を規制し、前記ボーリングメスが前記所定の針棒に対して、水平方向に関して位置決めされることを特徴とするボーリング装置を備えた多針刺繍ミシン。 - 前記ボーリング装置は、
前記所定の針棒の下端部に前記ボーリング装置を固定するための取付部を備え、
前記多針刺繍ミシンは、
前記所定の針棒以外の針棒の下端部に前記ボーリング装置を取り付けた場合に、前記取付部と干渉し、当該所定の針棒以外の針棒に前記ボーリング装置が取り付けられることを規制する干渉部材を備えることを特徴とする請求項3に記載のボーリング装置を備えた多針刺繍ミシン。 - 前記干渉部材は、前記複数本の針棒の各下端部に縫針を装着する針抱き、及び前記針棒の上下動と連動して間欠的に前記加工布を押える押え足の少なくとも一方であることを特徴とする請求項4に記載のボーリング装置を備えた多針刺繍ミシン。
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