JP2008253725A - ミシンの円縫い装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 布固定針の着脱を簡単に行うことができ、且つ布固定針を装着した場合の布固定針のガタを防止することができるミシンの円縫い装置を提供すること。
【解決手段】 ミシンの円縫い装置は、針板1aの上面に装着可能な本体ベース部11と、左右方向に移動可能に本体ベース部11に保持される布針支持体12と、布針支持体12に設けた被係合部に係合可能な係合部と布針とを有する布固定針17と、布針支持体12に設けられ係合部を被係合部に係脱可能に保持するロック機構20とを設けた。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ミシンの円縫い装置に関し、特に加工布に貫通させる為の布針を有する布固定針を着脱可能に構成し、布固定針を装着した場合の布固定針のガタを防止するようにしたものに関する。
従来、ミシンを使用して円縫いを行う場合、布針が固定された円縫い装置をミシンに装着し、針落点から離隔した側方位置で加工布に布針を貫通させて、送り歯による布送りを介して布針を中心として加工布を回転させながら、縫針を装着した針棒を上下動させることにより円縫いを行っている。
ところで、円縫いを行う際には、ミシンに装着した円縫い装置に固定された布針に対して、加工布の円縫い中心を位置合わせして貫通させる必要があるが、加工布の下側を覗き込むようにして位置合わせを行わなければならないので、作業がやり難くて正確に位置を合わせるのが困難である。それ故、円縫いの中心がズレてしまい所望の位置に模様が縫製できない虞がある。
そこで、装置本体に対して布針を着脱可能に構成した円縫い装置が提案されている。
特許文献1に記載の円縫い器具では、移動止め板に設けた3つの移動止め穴に対して、針(布針に相当)を設けた針台板が着脱可能に構成され、移動止め板の3つの移動止め穴のうちの1つの移動止め穴を選択しその穴に針台板を装着することにより、針を円縫いの中心に合わせている。
実開平4−375号公報
しかし、特許文献1に記載の円縫い器具は、移動止め板に対して針台板が着脱可能に構成されているが、移動止め板に対して針台板を着脱しやすいように、移動止め板の移動止め穴と針台板の嵌合のクリアランスを大きくした場合、針台板にガタが生じやすくなり、円縫い模様がズレてしまう虞がある。
一方、針台板を装着した場合の針台板のガタをなくす為に、移動止め板の移動止め穴と針台板の嵌合のクリアランスを小さくした場合、移動止め穴に対する針台板の着脱が困難になってしまう。
本発明の目的は、ミシンの円縫い装置において、布固定針の着脱を簡単に行うことができ、且つ布固定針を装着した場合の布固定針のガタの発生を防止することができるミシンの円縫い装置を提供することである。
請求項1のミシンの円縫い装置は、針落点から離隔した側方位置で加工布に下方から布針を貫通させ、送り歯による布送りを介して前記布針を中心として加工布を回転させつつ円縫いを行うミシンの円縫い装置において、ミシンベッド又は針板の上面に装着可能な本体ベース部と、所定方向に移動可能に前記本体ベース部に保持される布針支持体と、前記布針支持体に設けた被係合部に係合可能な係合部と前記布針とを有する布固定針と、前記布針支持体に設けられ前記係合部を前記被係合部に係脱可能に保持するロック手段とを備えたことを特徴とする。
このミシンの円縫い装置では、布針支持体に布固定針を装着する場合、布針支持体の被係合部に布固定針の係合部を係合させた後、ロック手段により係合部が被係合部に保持されることにより、布固定針が布針支持体に装着される。一方、布針支持体から布固定針を取外す場合、ロック手段による係合部に対する被係合部の保持が解除された後、布針支持体の被係合部から布固定針の係合部を取外す。このように、布針支持体にロック手段を設けることにより、布針支持体に対して布固定針を簡単に着脱することができるうえ、布針支持体に布固定針を装着した場合の布固定針のガタの発生を防止することができる。
請求項2のミシンの円縫い装置は、請求項1の発明において、前記ロック手段は、前記係合部に設けた係合凹部に係合可能な係合爪と、この係合爪を前記係合凹部に係合させる方向に弾性付勢する弾性部材と、前記係合凹部と前記係合爪の係合を解除する操作部とを備え、前記係合部が前記被係合部に係合する際、前記係合凹部に前記係合爪を前記弾性部材の弾性力に抗して係合させ、前記操作部が操作されると前記係合凹部から前記係合爪が離間する方向に移動するように構成されたことを特徴とする。
請求項3のミシンの円縫い装置は、請求項1又は2の発明において、前記布固定針は、前記係合部と前記布針とが水平方向に所定距離離隔する位置に配置されていることを特徴とする。
請求項4のミシンの円縫い装置は、請求項1〜3の何れかの発明において、前記布針支持体より前記布固定針を取外した場合に、前記布針の先端部が上向き姿勢で起立せずに横向き姿勢になるように、前記布固定針の底面部が下方へ凸の凸形に形成されていることを特徴とする。
請求項5のミシンの円縫い装置は、請求項2の発明において、前記係合凹部の少なくとも下部には、傾斜面が形成されたことを特徴とする。
請求項6のミシンの円縫い装置は、請求項1の発明において、前記ロック手段は、前記係合部に設けた係合凹部と、前記被係合部に設けられ弾性変形により前記係合凹部を係脱可能に保持する係合凸部とを備えたことを特徴とする。
請求項7のミシンの円縫い装置は、請求項1〜6の何れかの発明において、前記本体ベース部をミシンベッド又は針板の上面に固定するビス部材を備え、前記本体ベース部は、前記布針支持体が前記針落点より左方に位置する第1位置と、前記布針支持体が前記針落点より右方に位置する第2位置とに択一的に装着可能に構成され、前記本体ベース部を第2位置に装着した場合に、前記ビス部材により前記布針支持体の前記針落点側への移動が規制されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ミシンベッド又は針板の上面に装着可能な本体ベース部と、所定方向に移動可能に本体ベース部に保持される布針支持体と、布針支持体に設けた被係合部に係合可能な係合部と布針とを有する布固定針と、布針支持体に設けられ係合部を被係合部に係脱可能に保持するロック手段とを備えたので、布針支持体に対して布固定針を簡単に着脱させることができる。さらに、ロック手段により布固定針の係合部が布針支持体の被係合部に保持されるので、布針支持体に布固定針を装着した場合の布固定針のガタの発生を防止することができる。
請求項2の発明によれば、ロック手段は、係合部に設けた係合凹部と、この係合凹部に係合可能な係合爪と、この係合爪を係合凹部に係合させる方向に弾性付勢する弾性部材と、係合凹部と係合爪の係合を解除する操作部とを備え、係合部が被係合部に係合する際、係合凹部に係合爪を弾性部材の弾性力に抗して係合させるので、布針支持体に布固定針を装着する場合に弾性部材の弾性力により布針支持体に布固定針を確実に保持することができる。さらに、操作部が操作されると係合凹部から係合爪が離間する方向に移動するように構成されたので、係合凹部と係合爪の係合を解除することができ、布針支持体から布固定針を簡単に取外すことができる。
請求項3の発明によれば、布固定針は、係合部と布針とが水平方向に所定距離離隔する位置に配置されているので、係合部の高さ寸法に関わらず、布針の基端部の高さ位置を低く構成することができる。つまり、加工布が載置される針板の上面と布針の基端部の上面との高さの差を小さくすることができる。ここで、小さな半径の円縫い模様を縫製する場合には、針板の上面に加工布を押圧する為の押え足と布針との距離が近くなるが、針板の上面と布針の基端部の上面との高さの差が小さいので、その高さの差によって加工布に生じる段差を極力小さくすることができる。よって、加工布が殆ど屈曲することなく布送りが行われ、円縫い模様の縫い始めと縫い終わりの位置を揃えることができ、円縫い模様がズレるのを防止することができる。
請求項4の発明によれば、布針支持体より布固定針を取外した場合に、布針の先端部が上向き姿勢で起立せずに横向き姿勢になるように、布固定針の底面部が下方へ凸の凸形に形成されているので、布針支持体から布固定針を取外して床などに置いた場合に、布針の先端部が横向き姿勢になり安全性が高まる。
請求項5の発明によれば、係合凹部の少なくとも下部には、傾斜面が形成されたので、弾性部材の弾性力がこの傾斜面に作用し、布針支持体に対して布固定針が下方に押圧される。このため、布針支持体に布固定針が装着されたときに、布針支持体に対する布固定針の上下方向のガタの発生を防止することができる。
請求項6の発明によれば、ロック手段は、係合部に設けた係合凹部と、被係合部に設けられ弾性変形により係合凹部を係脱可能に保持する係合凸部とを備えたので、ロック手段の構造が簡単化し部品点数が少なくなる。
請求項7の発明によれば、本体ベース部をミシンベッド又は針板の上面に固定するビス部材を備え、本体ベース部は、布針支持体が第1位置と第2位置とに択一的に装着可能に構成され、本体ベース部を第2位置に装着した場合に、ビス部材により布針支持体の針落点側への移動が規制されるので、布針支持体を針落点側へ移動させて円縫いの半径を小さくしても、針棒に装着される縫針を固定する針抱き部材や針止めネジと布針とが干渉する位置に布針支持体が移動することが規制され、針抱き部材や針止めネジと布針とが干渉することを確実に防止できる。従って、安全に円縫いを行うことができる。
本発明のミシンの円縫い装置は、ミシンベッド又は針板の上面に装着可能な本体ベース部と、所定方向に移動可能に本体ベース部に保持される布針支持体と、布針支持体に設けた被係合部に係合可能な係合部と布針とを有する布固定針と、布針支持体に設けられ係合部を被係合部に係脱可能に保持するロック手段とを設けたものである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るミシンの円縫い装置を電子制御ミシンMに装着した状態の斜視図である。図2は、図1における縫針周辺の要部拡大図である。
図1に示すように、電子制御ミシンMは、ベッド部1と、ベッド部1の右端部から立設された脚柱部2と、脚柱部2の上端からベッド部1に対向するように左方へ延びるアーム部3を有する。ベッド部1の上面に設けられた針板1aの下側には、加工布を送る送り歯を上下動させる送り歯上下動機構(図示略)及び前後動させる送り歯前後動機構(図示略)と、下糸が巻回された下糸ボビン(図示略)を収容し縫針7と協働して縫目を形成する全回転釜(図示略)と、上糸と下糸を切断する糸切り機構(図示略)等が設けられている。
脚柱部2の前面には、大型でカラーの液晶ディスプレイ5が設けられ、このディスプレイ5には、メニュー画面や模様入力画面や模様選択画面等が表示される。
アーム部3には、ミシンモータ(図示略)で回転駆動される左右方向向きのミシン主軸(図示略)と、下端に縫針7を装着した針棒6(図2参照)を上下動させる針棒駆動機構(図示略)と、針棒6を布送り方向と直交する方向に揺動させる針棒揺動機構(図示略)と、天秤(図示略)を針棒6の上下動に調時して上下動させる天秤駆動機構(図示略)等が設けられている。ここで、図2に示すように、縫針7は、針抱き部材22と針止めネジ23とにより、針棒6に装着される。また、針板1aの上面には加工布を押圧する為の押え足4が設けられている。
アーム部3の前側には、縫製作業の起動と停止を指令する起動停止スイッチ8等、各種スイッチが設けられている。針板1aの上面には、針落点から離隔した側方位置で加工布に布針18(図4参照)を貫通させ、送り歯による布送りを介して布針18を中心として加工布を回転させつつ円縫いを行う円縫い装置10が装着されている。
次に、円縫い装置10について説明する。
図3、図4に示すように、円縫い装置10は、針板1aの上面に装着可能な本体ベース部11と、所定方向に移動可能に本体ベース部11に保持される布針支持体12と、布針支持体12に対して着脱可能な布固定針17と、布固定針17を布針支持体12に保持する為のロック機構20(これがロック手段に相当する)と、布固定針17の布針18を加工布に下方から貫通させた状態で上方から布針18に嵌合させる針キャップ19とを備えている。この針キャップ19は軟質合成樹脂製であり、その合成樹脂自身の弾性力で布針18に装着される。
本体ベース部11は、針板1aに装着される取付部11aと、これに連なる直線状のガイド部11bとからなり、この本体ベース部11は、図3に示すように、布針支持体12が針板1aの針穴1b(針落点に相当)より左方に位置する第1位置と、図6に示すように、布針支持体12が針穴1bより右方に位置する第2位置とに択一的に装着可能に構成されている。尚、円縫い装置10に関しては、図3に示す第1位置に装着された本体ベース部11の「前後左右」を「前後左右」として説明する。
図3に示すように、取付部11aには、前側に開口する開口部11cが形成され、この開口部11cにより針板1aの前半部が露出しているため、針板1aにおける第1位置に円縫い装置10を装着した状態で、針板蓋9を開閉可能にしている。それ故、円縫い装置10を第1位置に装着している場合、円縫い装置10を取外すことなく、針板蓋9を開けて下糸ボビンを着脱できるようになっている。ガイド部11bの後半部分における内周部には、布針支持体12を左右方向に移動可能にガイドする直線状のレール溝11dが形成され、このレール溝11dの片側には、布針支持体12を弾性係止可能に保持する為の略V字溝が所定間隔(例えば、約5mm単位)置きに形成されており、円縫いの半径を約5mm単位で調節できるようになっている。
図3、図6に示すように、取付部11aの右端部とガイド部11bの右端部付近には、本体ベース部11を針板1aに固定する際にビス部材21を挿通させる為の挿通穴11e,11fが夫々形成されており、本体ベース部11を第1位置に装着する場合、挿通穴11eにビス部材21が挿通され、本体ベース部11を第2位置に装着する場合は、挿通穴11fにビス部材21が挿通され、針板1aに設けられたネジ穴(図示略)にビス部材21を螺合させることにより、本体ベース部11が針板1aに固定される。
開口部11cの周縁部における前端部には、本体ベース部11を針板1aに装着する際の位置決め用の2つの突起部11g、11hが対向して設けられている。これらの突起部11g、11hは針板1aに設けた2つの貫通穴1c、1dに夫々挿入されて、本体ベース部11の装着位置(装着姿勢)が決められる。
次に、布針支持体12について説明する。
図4に示すように、布針支持体12は、下部ホルダー13と、操作板14と、上部ホルダー16と、圧縮バネ15(弾性部材)とを有し、この布針支持体12には、係合部17aを被係合部14bに係脱可能に保持するロック機構20が設けられている。下部ホルダー13は平面視にてほぼ矩形状に形成され、下部ホルダー13の前後長は、本体ベース部11のガイド部11bの前後長よりもやや短くなるように形成されている。下部ホルダー13の表側において前半部分には、操作板14と上部ホルダー16を組み込む為の凹部13aが設けられている。
凹部13aの左端部には、後述する布固定針17の凸部17dが嵌合される嵌合凹部13bが形成され、凹部13aの前側壁と、底壁の後端部には、上部ホルダー16の4つの爪部16a,16bと係合させる為の4つの係合穴13d(図9参照),13eが形成されている。凹部13aにおいて嵌合凹部13bの右側には、圧縮バネ15が収容される前後方向に細長い収容部13cが形成され、下部ホルダー13の裏側において凹部13aよりも後側の部位には、本体ベース部11のレール溝11dに係合可能な左右方向に延びるガイド部13j(図9参照)が設けられている。
凹部13aにおいて収容部13cの右側には、操作板14を下部ホルダー13に組み付ける際に操作板14の穴部14eが嵌め込まれる矩形状の凸部13fが形成されている。下部ホルダー13における凹部13aの前側の部位には、操作板14の操作部14aを前後方向に移動可能に支持する操作板支持部13gが形成され、下部ホルダー13における凹部13aの右側の部位には、布固定針17の右端部分を支持する布固定針支持部13hが形成され、これらの支持部13g,13hは凹部13aと夫々連通している。
図8に示すように、下部ホルダー13の裏側に係止部13iが形成され、本体ベース部11を第2位置に装着した場合に、布針支持体12を針板1aの針穴1bに近づく方向(左方)へ移動させて円縫いの半径を小さくしていくと、下部ホルダー13の係止部13iがビス部材21の頭部の右側部分に当接し、布針支持体12がビス部材21により係止される。これにより、布針支持体12の左方への移動が規制されるようになっている。従って、針棒6に装着される縫針7を固定する針抱き部材22や針止めネジ23と、布針18又は布針18に装着される針キャップ19とが干渉することは無く、安全に円縫いを行うことができる。
図4に示すように、操作板14は平面視にてほぼL字状に形成され、前後方向に延びる操作部14aと、操作板14の後端部から右方に突出する被係合部14bとを有し、被係合部14bの前端部には、後述する布固定針17の係合凹部17bに係合する係合爪14cが形成されている。操作板14における操作部14aの左側の部位には、下方に折曲された折曲部14dが設けられ、圧縮バネ15は、折曲部14dの後面に圧縮バネ15の前端が当接すると共に、下部ホルダー13の収容部13cの後側壁に圧縮バネ15の後端が当接するように収容部13cに収容されており、この圧縮バネ15の弾性力により操作板14は前方に付勢されている。
操作板14の後端部には、操作板14を下部ホルダー13に組み付ける際に下部ホルダー13の凸部13fに嵌め込まれる矩形状の穴部14eが形成され、穴部14eの前後長は凸部13fの前後長よりも長い寸法に形成されている。
上部ホルダー16は、操作板14を前後方向に移動可能に挟んだ状態で下部ホルダー13の凹部13aに組み込まれている。上部ホルダー16の前端部と、上部ホルダー16の裏側において後端部には、下部ホルダー13の4つの係合穴13d,13eと係合させる為の4つの爪部16a,16bが夫々設けられている。上部ホルダー16の左端部には、後述する布固定針17の凸部17dが嵌合される嵌合穴部16cが形成され、この嵌合穴部16cの穴口元には、布固定針17の凸部17dを嵌め易くするために、面取りが形成されている。また、この嵌合穴部16cの大きさは、下部ホルダー13の嵌合凹部13bと同じ大きさであり、上部ホルダー16を下部ホルダー13に組付けたときに同一位置であるように設けられている。上部ホルダー16の右側部分には、右方に開口する開口部16dが形成されている。上部ホルダー16の中央部における開口部16dの前後側壁に対応する位置には、側面視にてほぼ三角形状の1対の布滑り部16eが対向するように立設されている。
図4、図5に示すように、布固定針17は、布針支持体12に設けた被係合部14bに係合可能な係合部17aと、針先端部が上方を向くように係合部17aから水平方向に所定距離離隔する位置に配置された布針18とを有する。図4に示すように、左右方向に延びる布固定針17の右端部は高さが低くなるように厚さが薄く、そしてその上面は水平状に形成され、布固定針17の右端部分よりも左側の部位の上面は、左方に行く程に上面が高くなる傾斜状に形成されている。布固定針17の右端部の上面には、針先端部が上向きとなる姿勢で布針18が固定されている。布固定針17の底面部は下方へ凸の凸形である曲面状に形成されており、布針支持体12より布固定針17を取外して作業台などの上に置いた場合に、布針18の先端部が上向き姿勢で起立せずに横向き姿勢になるようになっている。
布固定針17の下端部左方には、布固定針17を布針支持体12に組み付ける為の切欠き部17cが形成され、その直ぐ左側の部位には、上部ホルダー16に設けられた嵌合穴部16と下部ホルダー13の嵌合凹部13bとに嵌合する凸部17dが形成されている。また、布固定針17の前後方向の幅は、その前後側壁が1対の布滑り部16eの内壁と夫々当接するような幅に形成されている。布固定針17における切欠き部17cの直ぐ右側の部位には係合部17aが設けられ、係合部17aの下端部における後壁には、面取り面17eが形成されている。この面取り面17eの直ぐ上側の部位には、左右方向に延びる係合凹部17bが形成され、この係合凹部17bの下部には、図12に示すように、表面から奥の方へ行く程狭くなる傾斜面17f が形成されている。この布固定針17を布針支持体12に組み付けた場合、係合部17aが上部ホルダー16の開口部16dに嵌合すると共に、凸部17dが上部ホルダー16に設けられた嵌合穴部16と下部ホルダー13の嵌合凹部13bとに嵌合する。このとき、切欠き部17cは上部ホルダー16の上面に当接する。そして、布固定針17の前後側壁が、1対の布滑り部16eの内壁と夫々当接して布固定針17を前後方向に倒れないように支持する。
次に、ロック機構20について説明する。
図9〜図12に示すように、ロック機構20は、係合爪14cと、この係合爪14cを係合凹部17bに係合させる方向に弾性付勢する圧縮バネ15と、係合凹部17bと係合爪14cの係合を解除する操作部14aとを有する。
図9、図10に示すように、布針支持体12に布固定針17を装着する場合に、圧縮バネ15の弾性力に抗して布針支持体12の被係合部14bに布固定針17の係合部17aを嵌め込んだとき、操作板14の係合爪14cが布固定針17の係合凹部17bに圧縮バネ15の弾性力により係合するように構成されている。
一方、図11、図12に示すように、操作部14aを後方へ移動させると、操作部14bの後方への移動に伴って係合爪14cが後方(係合凹部17bから離間する方向)へ移動し、係合凹部17bに対する係合爪14cの係合が解除されるように構成されている。
次に、以上説明した円縫い装置10の作用、効果について説明する。
最初に円縫い装置10を針板1aの第1位置に装着する場合について説明する。
図3に示すように、先ず、本体ベース部11の突起部11gを針板1aに設けられた貫通穴1cに挿入し、且つ突起部11hを貫通穴1dに挿入する。次に、針板1aのネジ穴に本体ベース部11の挿通穴11eを合わせる。この状態でビス部材21を針板1aのネジ穴に螺合させて、本体ベース部11を針板1aの第1位置に固定する。
一方、円縫い装置10を針板1aの第2位置に装着する場合は、図6に示すように、本体ベース部11の突起部11hを針板1aに設けられた貫通穴1cに挿入し、且つ突起部11gを貫通穴1dに挿入する。次に、針板1aのネジ穴に本体ベース部11の挿通穴11fを合わせる。この状態でビス部材21を針板1aのネジ穴に螺合させて、本体ベース部11を針板1aの第2位置に固定する。
次に、円縫い装置10が第1位置に装着されている場合において、布針支持体12から布固定針17を取外す場合は、操作板14の操作部14aを後方へ移動させると、布固定針17の係合凹部17bから操作板14の係合爪14cが離間することにより、布固定針17の係合部17aに対する布針支持体12の被係合部14bの係合が解除される。この状態で、布針支持体12から布固定針17を取外す。また、円縫い装置10を針板1aに装着する前に、予め布固定針17を取外しておいてもよい。
次に、布固定針17の布針18を加工布の円縫い中心位置に貫通させる。その後、加工布を貫通している布針18に針キャップ19を装着する。この状態のまま、布固定針17を布針支持体12に係合させる。このとき、布針支持体12の被係合部14bに布固定針17の係合部17aを上方から嵌め込むと、係合部17aの下端部の面取り面17eが係合爪14cに当接して、圧縮バネ15の弾性力に抗して係合爪14cを後方に押動させる。この状態のまま更に係合部17aを上方から嵌め込んでゆくと、操作板14の係合爪14cが布固定針17の係合凹部17bに係合し、布固定針17の係合部17aが布針支持体12の被係合部14bに保持される。このとき、前述したように、係合爪14cは係合凹部17bの下部の傾斜面17f に当接しているので、圧縮バネ15の弾性力は、この係合凹部17bの傾斜面17f を下方に押圧する方向に作用し、布固定針17は布針支持体12に密着される。従って、布針支持体12に対する布固定針17の上下方向のガタが発生することがない。
このように、針板1aの上面に装着可能な本体ベース部11と、所定方向に移動可能に本体ベース部11に保持される布針支持体12と、布針支持体12に設けた被係合部14bに係合可能な係合部17aと布針18とを有する布固定針17と、布針支持体12に設けられ係合部17aを被係合部14bに係脱可能に保持するロック機構20とを備えたので、布針支持体12に対して布固定針17を簡単に着脱させることができる。さらに、ロック機構20により布固定針17の係合部17aが布針支持体12の被係合部14bに保持されるので、布針支持体12に布固定針17を装着した場合の布固定針17のガタの発生を防止することができる。
ロック機構20は、係合部17aに設けた係合凹部17bと、この係合凹部17bに係合可能な係合爪14cと、この係合爪14cを係合凹部17bに係合させる方向に弾性付勢する圧縮バネ15と、係合凹部17bと係合爪14cの係合を解除する操作部14aとを備え、係合部17aが被係合部14bに係合する際、係合凹部17bに係合爪14cを圧縮バネ15の弾性力に抗して係合させるので、布針支持体12に布固定針17を装着する場合に圧縮バネ15の弾性力により布針支持体12に布固定針17を確実に保持することができる。
さらに、操作部14aが操作されると係合凹部17bから係合爪14cが離間する方向に移動するように構成されたので、係合凹部17bと係合爪14cの係合を解除することができ、布針支持体12から布固定針17を簡単に取外すことができる。布固定針は、係合部17aと布針18とが水平方向に所定距離離隔する位置に配置されているので、係合部17aの高さ寸法に関わらず、布針18の高さ位置を低くすることができる。つまり、加工布が載置される針板1aの上面と布針18の基端部の上面との高さの差を小さくすることができる。ここで、小さな半径の円縫い模様を縫製する場合には、針板1aの上面に加工布を押圧する為の押え足4(図2参照)と布針18との距離が近くなるが、針板1aの上面と布針18の基端部の上面との高さの差が小さいので、その高さの差によって加工布に生じる段差を極力小さくすることができる。もし、この段差が大きい場合には、加工布が屈曲して縫製され、図13に示すように、円縫い模様の縫い始めの点Sと縫い終わりの点Eの位置がズレてしまう。しかし、この段差を極力小さくすることができるので、加工布が殆ど屈曲することなく布送りが行われ、図14に示すように、円縫い模様の縫い始めの点Sと縫い終わりの点Eの位置がズレることがなく、縫い始めと縫い終わりの位置を綺麗に揃えることができる。
さらに、布針支持体12より布固定針17を取外した場合に、布針18の先端部が上向き姿勢で起立せずに横向き姿勢になるように、布固定針17の底面部が下方へ凸の凸形である曲面状に形成されているので、布針支持体12から布固定針17を取外して作業台などの上に置いた場合に、布針18の先端部が横向き姿勢になり安全性が高まる。係合凹部17bの下部には傾斜面17fが形成されたので、圧縮バネ15の弾性力がこの傾斜面17fに作用し、布針支持体12に対して布固定針17が下方に押圧される。このため、布針支持体12に布固定針17が装着されたときに、布針支持体12に対する布固定針17の上下方向のガタの発生を防止することができる。
本体ベース部11を針板1aの上面に固定するビス部材21を備え、本体ベース部11は、布針支持体12が第1位置と第2位置とに択一的に装着可能に構成され、本体ベース部11を第2位置に装着した場合に、ビス部材21により布針支持体12の針落点側への移動が規制されるので、布針支持体12を針落点側へ移動させて円縫いの半径を小さくしても、針棒6に装着される縫針7を固定する針抱き部材22や針止めネジ23と布針18とが干渉する位置に布針支持体12が移動することが規制され、針抱き部材22や針止めネジ23と布針18とが干渉することを確実に防止できる。従って、安全に円縫いを行うことができる。
次に、実施例2の円縫い装置30について説明する。
図15〜図25に示すように、この円縫い装置30においては、本体ベース部31の形状を変更すると共に布固定針37を簡単な構造にし、それに伴ってロック手段の構造を変更したものである。ここで、図15は、本発明の実施例2に係るミシンの円縫い装置を電子制御ミシンMに装着した状態の斜視図である。
図16、図17に示すように、円縫い装置30は、針板1aの上面に装着可能な本体ベース部31と、所定方向に移動可能に本体ベース部31に保持される布針支持体32と、布針支持体32に対して着脱可能な布固定針37と、布固定針37を布針支持体32に保持する為のロック機構42(これがロック手段に相当する)と、布固定針37の布針39を加工布に下方から貫通させた状態で上方から布針39に嵌合させる針キャップ40とを備えている。この針キャップ40は軟質合成樹脂製であり、その合成樹脂自身の弾性力で布針39に装着される。
本体ベース部31は、平面視にてほぼD字状の取付部31aと、これに連なる直線状のガイド部31bとからなる。取付部31aの内周部には、平面視にてほぼD字状の穴部31cが形成されている。ガイド部31bの前半部分における内周部には、布針支持体32を左右方向に移動可能にガイドする直線状のレール溝31dが形成されている。
このレール溝31dの片側には、実施例1の場合と同様、布針支持体32を弾性係止可能に保持する為の略V字溝が所定間隔(例えば、約5mm単位)置きに形成されており、円縫いの半径を約5mm単位で調節できるようになっている。
図16、図19に示すように、取付部31aの右端部とガイド部31bの後端部において右端部付近には、本体ベース部31を針板1aに固定する際にビス部材21を挿通させる為の挿通穴31e,31fが夫々形成されており、本体ベース部31を図16に示す第1位置に装着する場合、挿通穴31eにビス部材21が挿通され、本体ベース部31を図19に示す第2位置に装着する場合は、挿通穴31fにビス部材21が挿通され、針板1aに設けられたネジ穴(図示略)にビス部材21を螺合させることにより、本体ベース部31が針板1aに固定される。一方、穴部31cの周縁部においてガイド部31b側には、本体ベース部31を針板1aに装着する際の位置決め用の突起部31gが設けられている。この突起部31gは針板1aに設けられた貫通穴1c又は1dに挿入されて、本体ベース部31の装着位置(装着姿勢)が決められる。
次に、布針支持体32について説明する。
図17に示すように、布針支持体32は、下部ホルダー33と、操作板34と、上部ホルダー36と、圧縮バネ35(弾性部材)とを有し、この布針支持体32には、係合部38を被係合部41に係脱可能に保持するロック機構42が設けられている。
次に、下部ホルダー33について説明する。
下部ホルダー33の表側において後半部分には、操作板34と上部ホルダー36を組み込む為の凹部33aが設けられている。凹部33aの右端部分には円形状の穴部33bが形成され、この穴部33bの直径は布固定針37の係合部38の直径よりもやや大きな寸法に形成されている。凹部33aの前端部には、圧縮バネ35が収容される左右方向に細長い収容部33cが形成され、凹部33aの前後側壁には、上部ホルダー36の4つの爪部36bと係合させる為の4つの係合穴33eが形成されている。下部ホルダー33の裏側において収容部33cよりも前側の部位には、本体ベース部31のレール溝31dに係合可能な左右方向に延びるガイド部33fが設けられている。
操作板34は、本体部34aと、本体部34aの左端から左方に延びる操作部34bとを有し、この操作板34は、右方に移動可能に下部ホルダー33の凹部33aに組み込まれている。本体部34aには円形状の穴部34cが形成され、この穴部34cは下部ホルダー33の穴部33bの直径よりも大きな寸法に形成されている。穴部34cの周縁部において右側部分は、後述する布固定針37の係合凹部38aに係合する部位であり、この部位が係合爪34dに相当する。
操作板34の操作部34bの前側には、下方に折曲された折曲部34eが設けられ、圧縮バネ35は、折曲部34eの右面に圧縮バネ35の左端が当接すると共に、下部ホルダー33の収容部33cの右側壁33dに圧縮バネ35の右端が当接するように収容部33cに収容されており、この圧縮バネ35の弾性力により操作板34は左方に付勢されている。
上部ホルダー36は、操作板34を左右方向に移動可能に挟んだ状態で下部ホルダー33の凹部33aに組み込まれている。上部ホルダー36の右端部分には円形状の穴部36aが形成されており、この穴部36aは、上部ホルダー36を下部ホルダー33に装着した状態で下部ホルダー33の穴部33bと一致する位置に形成されている。また、穴部36aは、穴部33bの直径と同一寸法に形成されている。上部ホルダー36の前端と後端には、下部ホルダー33の4つの係合穴33eと係合させる為の4つの爪部36bが設けられている。尚、穴部33b,36aが被係合部41に相当する。
図17、図18に示すように、布固定針37は、布針支持体32に設けた被係合部41に係合可能な係合部38と、針先端部が上方を向くように係合部38に固定された布針39とを有する。係合部38は、被係合部41の穴部33b,36aに係合可能な円柱形状に形成されている。係合部38の上端部には鍔部38bが設けられ、この鍔部38bの下面が上部ホルダー36の穴部36aの周縁部上面に当接する。係合部38の中段部には、係合部38の円柱側面の全周に形成された溝状の係合凹部38aが設けられ、この係合部38aが係合爪34dと係合する。この係合凹部38aの下部(溝の下壁面)には、下方へ行く程大径となるテーパ面(傾斜面に相当)が形成されている。また、係合部38の下端部の稜線は面取り面が形成されている。
図20、図21に示すように、下部ホルダー33の裏側に係止部33gが形成され、本体ベース部31を第2位置に装着した場合に、布針支持体32を針板1aの針穴1bに近づく方向(左方)へ移動させて円縫いの半径を小さくしていくと、下部ホルダー33の係止部33gがビス部材21の頭部の右側部分に当接し、布針支持体32がビス部材21により係止される。これにより、布針支持体32の左方への移動が規制されるようになっている。従って、針棒6に装着される縫針7を固定する針抱き部材22や針止めネジ23と、布針39又は布針39に装着される針キャップ40とが干渉することは無く、安全に円縫いを行うことができる。
次に、ロック機構42について説明する。
図22〜図25に示すように、ロック機構42は、係合部38に設けた係合凹部38aと、係合凹部38aに係合可能な係合爪34dと、この係合爪34dを係合凹部38aに係合させる方向に弾性付勢する圧縮バネ35と、係合凹部38aと係合爪34dの係合を解除する操作部34bとを有する。
図22、図23に示すように、布針支持体32に布固定針37を装着する場合に、圧縮バネ35の弾性力に抗して布針支持体32の被係合部41に布固定針37の係合部38を嵌め込んだとき、操作板34の係合爪34dが布固定針37の係合凹部38aに圧縮バネ35の弾性力により係合するように構成されている。このとき、図23に示すように、係合爪34dは係合凹部38aの下部のテーパ面に当接しているので、圧縮バネ35の弾性力は、この係合凹部38aのテーパ面を下方に押圧する方向に作用する。従って、係合部38の鍔部38bが上部ホルダー36の穴部36aの周縁部上面に押圧する状態で、布固定針37が布針支持体32に装着される。
一方、図24、図25に示すように、操作部34bを右方へ移動させると、操作部34bの右方への移動に伴って係合爪34dが右方(係合凹部38aから離間する方向)へ移動し、係合凹部38aに対する係合爪34dの係合が解除されるように構成されている。以上の説明により、実施例2の円縫い装置30においても、実施例1の場合と同様の作用、効果を奏する。
次に、実施例3の円縫い装置50について説明する。
図26〜図30に示すように、この円縫い装置50においては、布固定針54とロック手段の構造を簡単化したものである。
図26に示すように、円縫い装置50は、針板1aの上面に装着可能な本体ベース部51と、所定方向に移動可能に本体ベース部51に保持される布針支持体52と、布針支持体12に対して着脱可能な布固定針54と、布固定針54を布針支持体52に保持する為のロック部58(これがロック手段に相当する)と、布固定針54の布針56を加工布に下方から貫通させた状態で上方から布針56に嵌合させる針キャップ(図示略)とを備えている。
本体ベース部51は、針板1aに装着される取付部51aと、これに連なる直線状のガイド部51bとからなり、この本体ベース部51は、前記実施例1,2の場合と同様に、第1位置と第2位置とに択一的に装着可能に構成されている。取付部51aには、前側に開口する開口部51cが形成されている。ガイド部11bの前半部分における内周部には、布針支持体52を左右方向に移動可能にガイドする直線状のレール溝51dが形成され、このレール溝51dの片側には、実施例1,2の場合と同様、布針支持体52を弾性係止可能に保持する為の略V字溝が所定間隔(例えば、約5mm単位)置きに形成されており、円縫いの半径を約5mm単位で調節できるようになっている。
次に、布針支持体52について説明する。
図26、図28に示すように、布針支持体52の右端部分には、右方側の第1部分丸穴部53aと、この第1部分丸穴部53aの左端に連なり第1部分丸穴部53aよりも大きな寸法の第2部分丸穴部53bとを有する穴部53が形成されている。第1部分丸穴部53aと第2部分丸穴部53bに亙る部分の周縁部には、穴部53内方側へ突出し且つ弾性変形可能な2つの係合凸部52aが夫々形成されている。これら2つの係合凸部52aの先端部間の寸法は、後述する布固定針54の係合凹部55aの直径よりも僅かに小さい寸法に形成されている。布針支持体52の裏側において前半部分には、本体ベース部51のレール溝51dに装着されるガイド部52bが設けられている。
図27に示すように、布固定針54は、布針支持体52に設けた第1部分丸穴部53aと係合凸部52aとで構成される被係合部57に係合可能な係合部55と、係合部55に固定された布針56とを有する。係合部55の上端部には鍔部55bが設けられ、この鍔部55bの下面が布針支持体52の第1穴部53aの周縁部上面に当接する。係合部55の中段部には、係合部55の側面の全周に形成された溝状の係合凹部55aが設けられ、この係合凹部55aが被係合部57と係合する。また、係合部55の下端部には鍔部55cが設けられている。ここで、係合凹部55aの半径は第1部分丸穴部53aの半径とほぼ等しく、鍔部55cの半径は第2部分丸穴部53bの半径よりも僅かに小さいように形成されている。
図30に示すように、ロック部58は、係合凹部55aと、被係合部57に設けられ弾性変形により係合凹部55aを係脱可能に保持する係合凸部52aとを有する。布針支持体52に布固定針54を装着する場合、第2部分丸穴部53bに布固定針54の係合部55を上方から嵌め込む。この状態で、布固定針54を右方へ移動させると、係合部55の係合凹部55aが2つの係合凸部52aの内面に当接するが、これら係合凸部52aの弾性力に抗して布固定針54をさらに右方へ移動させると、係合凸部52aが穴部53の外方側へ押し広げられて係合凹部55aが第1部分丸穴部53aへ移動する。このとき、係合凸部52aは元の位置に戻る方向に弾性力を作用させるので、図26の実線で示すように、係合凸部52aの弾性力により係合凹部55aが保持されて、布固定針54が布針支持体52に装着される。
一方、係合凸部52aの弾性力に抗して布固定針54を左方へ移動させると、図26の2点鎖線で示すように、布固定針54が第2部分丸穴部53bへ移動することにより、係合凹部55aに対する係合凸部52aの係合が解除されて、布固定針54が取外し可能となる。
このように、ロック部58は、係合部55に設けた係合凹部55aと、被係合部57に設けられ弾性変形により係合凹部55aを係脱可能に保持する係合凸部52aとを備えたので、ロック部58の構造が簡単化し部品点数が少なくなる。それ故、円縫い装置50の製作コストを低減することができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1]円縫い装置10を針板1aに装着する代わりに、円縫い装置10をミシンベッド1に装着するように構成してもよい。
2]実施例1において、係合凹部17bの下部に傾斜面17fを形成するのではなく、係合爪14cの下部に傾斜面を形成してもよい。また、実施例2において、係合凹部38aの下部にテーパ面を形成するのではなく、係合爪34dにテーパ面を形成してもよい。
3]実施例1において、布固定針17の底面部が下方へ凸の凸形に形成されていればよく、曲面以外にV字状などに形成されてもよい。
4]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能で、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明の実施例1に係る円縫い装置を電子制御ミシンに装着した状態の斜視図である。 図1における縫針周辺の要部拡大図である。 円縫い装置を針板に装着した状態(第1位置)を示す平面図である。 針キャップと布固定針と布針支持体の分解斜視図である。 布固定針の後方斜視図である。 円縫い装置を針板に装着した状態(第2位置)を示す平面図である。 円縫い装置を針板に装着し(第2位置)且つ布針支持体を針板の針穴側へ移動させた状態を示す平面図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 ロック機構における係合状態を示す平面図である。 図9のX −X 線断面図である。 ロック機構における係合解除状態を示す平面図である。 図11のXII −XII 線断面図である。 縫い始めと縫い終わりがズレたことを示す図である。 縫い始めと縫い終わりがズレずに正しく縫製できたことを示す図である。 実施例2に係る円縫い装置を電子制御ミシンに装着した状態の斜視図である。 実施例2の図3相当図である。 実施例2の図4相当図である。 布固定針の正面図である。 実施例2の図6相当図である。 実施例2の図7相当図である。 図20のXXI −XXI 線断面図である。 実施例2の図9相当図である。 図22のXXIII-XXIII 線断面図である。 実施例2の図11相当図である。 図24のXXV-XXV 線断面図である。 実施例3の円縫い装置の斜視図である。 布固定針の正面図である。 ロック部における係合解除状態を示す平面図である。 ロック部における係合状態を示す平面図である。 図29のXXX −XXX 線断面図である。
符号の説明
M 電子制御ミシン
10,30,50 円縫い装置
11,31,51 本体ベース部
12,32,52 布針支持体
14a,34b 操作部
14c,34d 係合爪
15,35 圧縮バネ
17,37,54 布固定針
17a,38,55 係合部
17b,38a,55a 係合凹部
18,39,56 布針
20,42,58 ロック手段
21 ビス部材
52a 係合凸部

Claims (7)

  1. 針落点から離隔した側方位置で加工布に下方から布針を貫通させ、送り歯による布送りを介して前記布針を中心として加工布を回転させつつ円縫いを行うミシンの円縫い装置において、
    ミシンベッド又は針板の上面に装着可能な本体ベース部と、
    所定方向に移動可能に前記本体ベース部に保持される布針支持体と、
    前記布針支持体に設けた被係合部に係合可能な係合部と前記布針とを有する布固定針と、
    前記布針支持体に設けられ前記係合部を前記被係合部に係脱可能に保持するロック手段と、
    を備えたことを特徴とするミシンの円縫い装置。
  2. 前記ロック手段は、前記係合部に設けた係合凹部に係合可能な係合爪と、この係合爪を前記係合凹部に係合させる方向に弾性付勢する弾性部材と、前記係合凹部と前記係合爪の係合を解除する操作部とを備え、
    前記係合部が前記被係合部に係合する際、前記係合凹部に前記係合爪を前記弾性部材の弾性力に抗して係合させ、前記操作部が操作されると前記係合凹部から前記係合爪が離間する方向に移動するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のミシンの円縫い装置。
  3. 前記布固定針は、前記係合部と前記布針とが水平方向に所定距離離隔する位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシンの円縫い装置。
  4. 前記布針支持体より前記布固定針を取外した場合に、前記布針の先端部が上向き姿勢で起立せずに横向き姿勢になるように、前記布固定針の底面部が下方へ凸の凸形に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミシンの円縫い装置。
  5. 前記係合凹部の少なくとも下部には、傾斜面が形成されたことを特徴とする請求項2に記載のミシンの円縫い装置。
  6. 前記ロック手段は、前記係合部に設けた係合凹部と、前記被係合部に設けられ弾性変形により前記係合凹部を係脱可能に保持する係合凸部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のミシンの円縫い装置。
  7. 前記本体ベース部をミシンベッド又は針板の上面に固定するビス部材を備え、
    前記本体ベース部は、前記布針支持体が前記針落点より左方に位置する第1位置と、前記布針支持体が前記針落点より右方に位置する第2位置とに択一的に装着可能に構成され、
    前記本体ベース部を第2位置に装着した場合に、前記ビス部材により前記布針支持体の前記針落点側への移動が規制されることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のミシンの円縫い装置。
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