JP2019166038A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】糸切装置で糸を切断した時の糸残量のばらつきを低減し、次の縫製開始時に縫製不良を引き起こすのを防止したミシンを提供すること。【解決手段】縫製部、糸調子皿、糸切装置、制御部を備えるミシンは、アクチュエータを有し、アクチュエータの動力で糸調子皿と縫目の間に糸を供給する供給部を備える。制御部は縫製部を駆動制御して布に縫目を形成する(S9)。制御部は縫製部の駆動制御を停止する前に、糸切装置の駆動制御を開始する(S13)。制御部は糸切装置の駆動制御と同時期に供給部を駆動制御して、所定量の糸を糸調子皿と縫目の間に供給する(S14)。制御部は供給部を駆動制御して糸調子皿と縫目の間に前記糸を供給した後、縫製部の駆動制御を停止する(S15)。【選択図】図8
Description
本発明はミシンに関する。
縫製時における上糸の張力を制御するミシンが公知である。例えば特許文献1に開示のミシンは、糸車、ヒステリシスブレーキ、モータを備える。ヒステリシスブレーキは出力軸を有する。糸車はヒステリシスブレーキに固定する。糸車には上糸が巻きつけられる。作業者は上糸の張力をミシンに入力する。モータが駆動することで、ミシンは縫製動作を実行する。モータの駆動時、上糸は糸車を通過し、その移動量に応じて糸車は回転する。ヒステリシスブレーキに電流を供給することで、糸車が回転しようとするのに対して制動力が発生する。ヒステリシスブレーキの制動トルクが上糸の引き出し方向に対する張力を与える。ミシンはヒステリシスブレーキへの供給電流を制御することで制動トルクを制御し、上糸の張力を制御する。
上記ミシンは縫製を終了する時に上糸を切断する。該時、切断後に縫針に残る上糸残量が比較的多い時、次の縫製開始時に鳥の巣が発生する可能性がある。切断後に縫針に残る上糸残量が比較的少ない時、次の縫製開始時に上糸が縫針から抜ける可能性がある。上記ミシンでは、上糸切断時にヒステリシスブレーキの制動トルクを下げるように制御することで上糸に加える張力を低くする。切断後に縫針に残る上糸残量はヒステリシスブレーキの制動トルクの制御に伴う張力、ミシンのプリテンション装置が付与する張力及び上糸切断時に上糸の供給経路上を含め糸切装置の動作により上糸に加わる抵抗に伴う張力で決まる。該張力は比較的低く、安定しない可能性がある。例えば、上糸切断時に張力が高すぎる場合、上糸は切断前に破断してしまったり、切断後に縫針から抜けてしまったりする。上糸切断時に張力が低すぎる場合、糸車が空転して上糸が必要以上に糸車に巻きつく。故にミシンは、切断後に縫針に残る上糸残量がばらつき、次の縫製開始時に縫製不良を引き起こす可能性がある。
本発明の目的は、糸切装置で糸を切断した時の糸残量のばらつきを低減し、次の縫製開始時に縫製不良を引き起こすのを防止したミシンを提供することにある。
本発明の一態様に係るミシンは、縫針を装着し上下動可能な針棒を有し、前記縫針で布に縫目を形成する縫製部と、糸を巻き付ける糸調子皿と、前記針棒の下方で前記糸を切断する糸切装置と、前記縫製部と前記糸切装置を駆動制御する制御部とを備えるミシンにおいて、アクチュエータを有し、前記アクチュエータの動力で前記糸調子皿と前記縫目の間に前記糸を供給する供給部を備え、前記制御部は、前記縫製部を駆動制御して前記布に前記縫目を形成する縫製制御部と、前記糸切装置の駆動制御を開始する糸切制御部と、前記糸切制御部による前記糸切装置の駆動制御と同時期に前記供給部を駆動制御して、所定量の前記糸を、前記糸調子皿と前記縫目の間に供給する供給制御部と、前記供給制御部が前記供給部を駆動制御して前記糸調子皿と前記縫目の間に前記糸を供給した後、前記縫製制御部による前記縫製部の駆動制御を停止する停止制御部として機能する。
本態様のミシンは糸切装置の駆動制御と同時期に供給部を駆動制御して、所定量の糸を糸調子皿と縫目の間に供給する。糸切装置が糸を切断する時の糸の張力は、供給した所定量の糸に依り安定する。故にミシンは糸切装置で上糸を切断した時の上糸残量のばらつきを低減でき、次の縫製開始時に縫製不良を引き起こすのを防止できる。
本態様のミシンにおいて、前記アクチュエータは、前記糸調子皿を回動可能に支持する出力軸を有し、前記出力軸を介して前記糸調子皿を回動することで前記糸に張力を付与するモータであり、前記供給制御部は、前記糸切制御部による前記糸切装置の駆動制御と前記同時期に前記モータを駆動制御して前記糸調子皿を前記糸の供給方向に回動し、前記所定量の前記糸を前記糸調子皿と前記縫目の間に供給してもよい。該ミシンはモータを駆動制御して糸調子皿を回動し、所定量の上糸を糸調子皿と縫目の間に供給できる。ミシンはアクチュエータがモータであるので、所定量の上糸を糸調子皿と縫目の間に比較的正確に供給できる。ミシンは供給部を糸調子皿とは別に上糸経路付近に設置する時に比べ、上糸経路付近の構成を簡単にできる。
本態様のミシンは、前記糸調子皿と前記縫目の間に供給する前記所定量を入力する入力部を更に備え、前記制御部は、前記入力部が入力する前記所定量を取得する糸量取得部と、前記糸量取得部が取得した前記所定量、前記糸調子皿と前記縫目の間に前記糸を供給する前記モータの前記出力軸の回転量を計算する計算部として更に機能し、前記供給制御部は、前記糸切装置の駆動制御と前記同時期に、前記モータを駆動制御して、前記計算部が計算した前記回転量、前記出力軸を回転することで、前記所定量の前記糸を、前記糸調子皿と前記縫目の間に供給してもよい。該ミシンは入力部が入力した所定量の上糸を、糸調子皿と縫目の間に供給できる。作業者は縫製条件を考慮し、所定量が最適値になるように調整できる。
本態様のミシンは、前記供給制御部は、前記糸切装置の駆動制御と前記同時期であって、前記糸を切断する迄の間に、前記所定量の前記糸を前記糸調子皿と前記縫目の間に供給してもよい。該ミシンは糸切装置の駆動制御と前記同時期であって、糸を切断する迄の間に、所定量の上糸を糸調子皿と縫目の間に供給できる。該ミシンは糸切装置の駆動制御と同時期且つ糸を切断した後に所定量の上糸を糸調子皿と縫目の間に供給する時に比べ、糸切装置が糸を切断する時の糸の張力を確実に、供給した所定量の糸に依り安定できる。
以下、本発明の実施形態を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。図1に示すミシン1は、布99に閂止縫目を形成する閂止ミシンである。
図1〜図6を参照し、ミシン1の概略構造を説明する。ミシン1はベッド部2、脚柱部3、アーム部4を備える。ベッド部2はミシン1の土台であり、水平に延びる作業台に設置する。ベッド部2は、ベッド本体部7とシリンダベッド部8を備える。ベッド本体部7は略箱状である。シリンダベッド部8はベッド本体部7から前方に延びる。ベッド本体部7内部とシリンダベッド部8の内部は互いに連通する。シリンダベッド部8は前端部の上面に針板26を備える。作業者は針板26に布99を載置する。針板26は針穴を備える。脚柱部3はベッド本体部7の後部から上方に延びる。アーム部4は脚柱部3の上部から前方に延び、ベッド部2と対向する。アーム部4の前端部は先端部5である。先端部5は右壁部5Aと貫通孔5B(図2参照)を備える。右壁部5Aは先端部5の右側の壁部である。貫通孔5Bは右壁部5Aを左右方向に貫通する。
図4に示す如く、ミシン1は制御装置30、操作部46、ペダル38を備える。制御装置30は作業台下面に固定する。制御装置30はミシン1の動作を制御する。操作部46は作業台の上面に固定する。操作部46は表示部48と操作ボタン47を備える。表示部48は各種情報を表示する。操作ボタン47は作業者が入力する各種情報を検出する。操作ボタン47は電源ボタンを含む。
図1に示す如く、ミシン1は縫製機構12を備える。図1、図6に示す如く、縫製機構12は縫針10を装着し上下動可能な針棒11を有し、縫針10で布99に縫目98を形成する。縫製機構12は主モータ27(図4参照)、上軸15、連竿、天秤機構、針棒上下動機構、釜駆動機構、布送り装置20を備える。主モータ27はアーム部4後部にて支持する。上軸15はアーム部4内部で前後方向に延びる。上軸15の後端部は継手を介して主モータ27の出力軸に連結する。上軸15は主モータ27の駆動で回転する。上軸15の前端部と後端部は互いに同軸である。上軸15は後端部近傍にクランク部を備える。クランク部は上軸15の前端部と後端部の軸線からずれた位置で湾曲する湾曲部である。連竿は脚柱部3内部で上下方向に延びる。連桿の上端部はクランク部に対して回動可能に連結する。
天秤機構と針棒上下動機構は先端部5にて支持する。天秤機構は天秤クランクと天秤51を備える。天秤クランクは上軸15の前端部に連結する。天秤51は天秤クランクに設ける。天秤クランクが上軸15と共に回転することで、天秤51は針棒11の上下動と連動して上下動する。天秤51は上糸挿通孔を有する。天秤51は上糸挿通孔に挿通した上糸6を保持する。上糸6(図6参照)は糸供給源から繰り出して、後述の供給機構60を経由して、天秤51の上糸挿通孔に到る。
針棒上下動機構は針棒クランクロッド、針棒11等を備える。針棒クランクロッドは天秤クランクに回動可能に連結し、上下方向に延びる。針棒11は上下方向に延び、針棒クランクロッドに連結する。針棒11の下端は縫針10を装着する。縫針10は下端に目孔を有する。縫針10は天秤51の上糸挿通孔を経由した上糸6を目孔に挿通して保持する。針棒クランクロッドが天秤クランクの回転により往復運動することで、針棒11は縫針10と共に上下動する。
釜駆動機構はベッド部2内部に設ける。釜駆動機構は回動軸、腕部、下軸、回転釜39を備える。回動軸はベッド本体部7にて回動可能に支持し、ベッド本体部7の内部で前後方向に延びる。腕部は回動軸に固定し、回動軸から右方に突出する。腕部の先端部は連竿の下端部と回動可能に連結する。連竿が上軸15の回動に伴って往復運動することで、腕部は回動軸を往復回動する。下軸はベッド本体部7とシリンダベッド部8の内部で前後方向に延び、回動できる。下軸は上軸15の下方且つ回動軸の左方にある。下軸は連結部を介して回動軸と連結する。下軸は回動軸と連動して往復回動する。
図6に示す如く、回転釜39は下軸の前端部に設け、針穴の下方にある。回転釜39は下軸を中心に回動できる。回転釜39は剣先36を備える(図6参照)。剣先36は回転釜39の外周部分の一部であり、下軸を中心とした正面視時計回り側に向けて突出する。回転釜39はボビンケース32を装着できる。ボビンケース32は下糸9を巻回したボビンを収容する。ボビンケース32は引出部34を備える。引出部34はボビンから繰り出した下糸9を外側に引き出す。
図1、図4に示す如く、布送り装置20は可動体31、揺動軸、送り台37、揺動モータ41、送り板、ラック軸22、移動モータ42、押え腕23、布押えモータ43を備える。可動体31はベッド本体部7の内部で前後動可能に設ける。揺動軸は可動体31に固定した上下方向に延びる軸であり、ベッド本体部7から上方に突出する。送り台37はベッド本体部7の内部で可動体31と連結し、且つ揺動軸に揺動可能に設ける。故に、送り台37は可動体31と共に前後動でき、且つ揺動軸を中心に左右方向に揺動できる。揺動モータ41は送り台37に連結する。揺動モータ41が駆動することで、送り台37は揺動軸を中心に揺動する。送り板はベッド部2上面に配置する。送り板は布99を支持する。送り板は送り台37と一体的に前後動し且つ揺動する。送り板は前端部に孔を有する。上下動する縫針10は送り板の孔を通過して針板26の針穴に達する。
ラック軸22はベッド本体部7上方で前後方向に延び、且つ前後動できる。ラック軸22の前端部は揺動軸の上端部に連結する。ラック軸22の後端部は脚柱部3の内部に配置する。移動モータ42は脚柱部3内部に設ける。移動モータ42はラック軸22を前後動する。該時、送り台37、送り板、揺動軸、可動体31はラック軸22と一体的に前後動する。
押え腕23は送り台37から上方に延び、且つベッド部2の上方で前方へ延びる。押え腕23は送り台37と一体的に、前後動可能且つ揺動できる。押え腕23は押え足24、軸部29、レバー部25を備える。押え足24は押え腕23の前端部に上下動可能に設ける。押え足24は針板26の上方に配置する。軸部29は左右方向を軸方向とし、押え腕23の前後方向略中央部に設ける。レバー部25は押え腕23の左面と右面の夫々に設け、軸部29を中心に回動できる。レバー部25の前端部は押え足24に連結する。布押えモータ43は脚柱部3の内部に設ける。布押えモータ43はアーム部4の内部に設けたリンク機構を介して、レバー部25の後端部に連結する。レバー部25が、布押えモータ43の駆動に伴い軸部29を中心に回動することで、押え足24は上下動する。押え足24は送り板との間で布99を押圧できる。
図1、図2に示す如く、ミシン1は先端部5の右壁部5Aに供給機構60を備える。供給機構60は糸調子ケース62、糸調子台63、糸取ばね65、糸調子モータ16、糸調子皿69、エンコーダ21(図4参照)を備える。供給機構60は糸調子モータ16の動力で糸調子皿69と縫目98の間に糸を供給する。糸調子ケース62は右壁部5Aの貫通孔5Bの内側に締結部材で固定する環状部材である。糸調子台63は糸調子ケース62の内側に螺子14で固定する環状部材である。糸取ばね65は糸調子台63の外側面に固定し、糸調子台63と糸調子ケース62の間に巻く。糸取ばね65の一端部は右壁部5Aから右方に露出する。糸調子モータ16はアーム部4の内側にボルト17で固定する。糸調子モータ16は出力軸18を有し、出力軸18は糸調子台63の中心孔を介して、右壁部5Aの右方に突出する。糸調子皿69は出力軸18の右端部に螺子28で固定する。上糸6は糸調子皿69に1〜2回程巻きつける。
糸調子モータ16は糸調子皿69を回動可能に支持する出力軸18を有し、出力軸18を介して糸調子皿69を回動することで上糸6に張力を付与する。糸調子モータ16は二相のバイポーラ型パルスモータである。糸調子モータ16は出力軸18、複数のコイル33(図3参照)を備える。出力軸18は左右方向を軸方向として回動できる。出力軸18右端部はアーム部4右方で糸調子皿69を支持する。本実施形態では出力軸18は糸調子皿69に直接的に連結する。複数のコイル33は出力軸18の回動方向に沿って、複数配置する。本実施形態のコイル33の個数は四個である。ミシン1は各コイル33に、双方向に電流を供給できる。ミシン1は通電した複数のコイル33で生じる電磁力によって、出力軸18の位相差を制御する。エンコーダ21は出力軸18の回転角(回転位置)を検出する。出力軸18左端部はアーム部4内部でエンコーダ21のディスクを固定する。
図4に示す如く、ミシン1は針棒11の下方で糸を切断する糸切装置59を備える。糸切装置59は釜駆動機構の上方且つ針板26の針穴近くに位置する周知の装置である。糸切装置59は切断刃58、固定刃、ソレノイド57を備える。糸切装置59はソレノイド57に接続する。ソレノイド57は糸切り信号の入力を契機に駆動する。ソレノイド57が駆動すると、切断刃58に駆動力を伝達する。切断刃58は待機位置から切断位置に移動し、切断刃58は切断位置にて切断刃58と固定刃の間に上糸6と下糸9を挟んで切断する。
図4を参照し、ミシン1の電気的構成を説明する。ミシン1の制御装置30はCPU91を備える。CPU91は縫製機構12と糸切装置59を含むミシン1の動作を制御する。CPU91はROM92、RAM93、記憶装置94、I/Oインターフェース(以下、I/Oと称す)45と接続する。ROM92は後述の縫製処理(図8参照)等、各種処理を実行する為のプログラム等を記憶する。RAM93は各種値を一時的に記憶する。記憶装置94は不揮発性である。記憶装置94は布99に縫目98を形成する為の縫製データを記憶する。記憶装置94は後述の第一、第二関係式を記憶する。
糸切りタイミングは縫製終了時に糸を切断する為にソレノイド57を駆動するタイミングである。縫製期間はミシン1の一針分の縫製を行う期間、即ち上軸15の一回転分の期間である。図7に示す針棒11の針棒運動曲線、回転釜39の釜糸量曲線、天秤51の天秤糸量曲線の如く、本実施形態のミシン1では天秤51が可動範囲上端である上死点から可動範囲下端である下死点を経由して上死点に戻る迄の間が、ミシン1の一針分の縫製期間である。即ち、本実施形態の縫製期間は上軸15の回転角の60度〜420度が一針の縫製期間に略一致する。ミシン1の縫製期間は釜捕捉期間L1、天秤引上期間L2を含む。釜捕捉期間L1は回転釜39が剣先36で上糸6を捕捉する期間である。釜捕捉期間L1は一回の縫製期間で一回ある。釜捕捉期間L1は剣先36が上糸6を引掛ける「釜上糸掛け」から、回転釜39から上糸6が抜ける「釜からの上糸抜け」迄の期間である。天秤引上期間L2は回転釜39から上糸6が抜けた時点から天秤51が上糸6を引き上げる期間である。上糸供給量は縫製期間の内、天秤引上期間L2に増加する。天秤引上期間L2は「釜からの上糸抜け」から、天秤51の可動範囲の上端である「天秤上死点」迄の期間である。CPU91は糸切りタイミング、縫製期間、釜捕捉期間L1、天秤引上期間L2をエンコーダ27Aの検出結果に基づく上軸15の回転角により判断する。
第一、第二関係式は糸調子モータ16を駆動制御時に使用する。第一関係式は糸調子モータ16の一方の相であるA相に流れるA相電流と電気角を関係付ける式である。第二関係式は他方の相であるB相に流れるB相電流と電気角を関係付ける式である。図5に示す如く、A相電流とB相電流を表すグラフは位相が互いに90度ずれた二つのサインカーブを示す。本実施形態の電気角360度は機械角7.2度に相当する。CPU91は出力軸18の位相差が目標値となるように糸調子モータ16を駆動制御する。
I/O45は駆動回路81〜86、ソレノイド57に接続する。駆動回路81は主モータ27に接続する。主モータ27はDCブラシレスモータである。駆動回路82は揺動モータ41に接続する。駆動回路83は移動モータ42に接続する。駆動回路84は布押えモータ43に接続する。揺動モータ41、移動モータ42、布押えモータ43はパルスモータである。主モータ27、揺動モータ41、移動モータ42、布押えモータ43の出力軸は夫々、エンコーダ27A、41A、42A、43Aを設ける。エンコーダ27A、41A、42A、43Aは夫々、主モータ27、揺動モータ41、移動モータ42、布押えモータ43の出力軸の回転位置を検出し、I/O45を介しCPU91に出力する。CPU91はエンコーダ27A、41A、42A、43Aの検出結果を取得し、駆動回路81〜84に制御信号を送信する。故にCPU91は主モータ27、揺動モータ41、移動モータ42、布押えモータ43を駆動制御する。以下、主モータ27、揺動モータ41、移動モータ42を総称する時、駆動モータと称す。
駆動回路85は糸調子モータ16に接続する。エンコーダ21は糸調子モータ16の出力軸18の回転位置を検出結果としてCPU91に出力する。CPU91は駆動回路85に制御信号を送信することで、糸調子モータ16を制御する。糸調子モータ16に対してCPU91が実行する制御方式は後述する。
駆動回路86は操作部46の表示部48に接続する。CPU91は駆動回路86に制御信号を送信することで、表示部48に各種情報を表示する。操作部46の操作ボタン47は検出した各種情報をI/O45を介しCPU91に出力する。ペダル38は検出結果をI/O45を介しCPU91に出力する。CPU91はペダル38の検出結果が示す、ペダル38の操作方向と操作量を取得する。
図6を参照し、ミシン1の動作概要を説明する。布99は送り板と針板26に載置する。布押えモータ43が駆動することで、押え足24は下降して送り板との間で布99を押える。主モータ27、移動モータ42、揺動モータ41は互いに同期して駆動する。押え腕23と送り板は移動モータ42の駆動に伴い前後動し、且つ、揺動モータ41の駆動に伴い左右方向に往復揺動する。故に、布送り装置20は布99を前後動し、且つ左右方向に往復揺動する。主モータ27が、移動モータ42、揺動モータ41と同期駆動することで、上軸15は回転する。針棒上下動機構、天秤機構、回転釜39は互いに連動して駆動する。針棒11と共に下降する縫針10は布99を貫通して針穴を通過する。針穴の下方迄下降した目孔近傍の上糸6はループ状になる(図6(a)参照)。回転釜39が正面視で時計回りに回動することで、剣先36はループ状の上糸6を捕捉する(図6(b)参照)。縫針10が布99上方に向けて上昇し、回転釜39が正面視時計回りに更に回動する。剣先36はループ状の上糸6を回動方向に引き込み、ループ状の上糸6は拡径する。ループ状になった上糸6が回転釜39をくぐり抜けると(図6(c)参照)、上糸6は下糸9に絡まる。回転釜39の回動方向は正面視反時計回りに切り替わり、天秤51は下糸9に絡んだ上糸6を引き上げる(図6(d)参照)。ループ状の上糸6は縮径し、ミシン1は一針目の縫製を完了する。本実施形態では上軸15が360度回転する度に、ミシン1は一針分の縫製を実行する。ミシン1は上記動作を繰り返すことによって、布99に縫目98を形成する。
図8を参照し、縫製処理を説明する。縫製処理はミシン1が布99を縫製する処理である。例えば、作業者が操作ボタン47を操作してミシン1の電源供給を開始すると、CPU91はROM92からRAM93にプログラムを読み出して、縫製処理を実行する。
図8に示す如く、CPU91は初期化処理を実行する(S1)。例えば、CPU91は記憶装置94からRAM93に各種設定値を読み込む。S1でCPU91は、エンコーダ21の検出結果に基づき、糸調子モータ16の出力軸18の回転角を取得する。CPU91は操作ボタン47が入力する上糸6に付与する所定張力を取得する(S2)。作業者は操作ボタン47を操作して、上糸6に付与する張力を入力する。例えば作業者が操作ボタン47を操作して具体的な数値を所定張力として入力時、CPU91は入力した所定張力を取得する。CPU91は初期値を所定張力として取得してもよい。CPU91は操作ボタン47が入力する所定量を取得する(S3)。作業者は操作ボタン47を操作して、糸切り時に糸調子皿69と縫目98の間に供給する所定量を入力する。例えば作業者が操作ボタン47を操作して具体的な数値を所定量として入力時、CPU91は入力した所定量を取得する。CPU91は初期値を所定量として取得してもよい。CPU91はS2で取得した所定張力に対応する目標値を計算する(S4)。糸調子モータ16での発生トルクと上糸張力は、互いに相関関係にある。目標値は記憶装置94が記憶する該相関関係に基づき計算した上糸張力の値が所定張力となる時の出力軸18の位相差である。CPU91はS3で取得した所定量、糸調子皿69と縫目98の間に上糸6を供給するのに要する糸調子モータ16の出力軸18の回転量を計算する(S5)。CPU91は例えば記憶装置94が記憶する所定量と出力軸18の回転量との対応式と、S3で取得した所定量から出力軸18の回転量を計算する。
CPU91は、ミシン1の縫製動作を開始する指示である縫製開始指示を検出したか否かを判断する(S6)。縫製開始指示は、作業者が操作ボタン47又はペダル38の操作によって入力する指示である。CPU91は、縫製開始指示を検出する迄待機する(S6:NO)。作業者はCPU91の待機中に、針板26と送り板に布99を載置する。布99の載置後、作業者が縫製開始指示を入力すると(S6:YES)、CPU91は布押えモータ43を駆動制御して、押え足24を下降する(S7)。押え足24は送り板との間で布99を挟む。CPU91は複数のコイル33の夫々に対する通電パターンを特定する(S8)。CPU91はS1で取得した出力軸18の回転角、第一関係式、第二関係式に基づき、A相電流、B相電流を含む通電パターンを特定する。CPU91は、特定した通電パターンで、複数のコイル33に対して通電を実行する(S8)。出力軸18の位相差がS4で計算した目標値である時に応じた出力軸18を保持する力が、糸調子モータ16で発生する。
CPU91は駆動モータを駆動制御し、縫製機構12を駆動制御して布99に縫目98を形成する(S9)。針棒11、回転釜39、送り台37は互いに同期して動作する。CPU91は、糸調子モータ駆動処理を実行する(S10)。糸調子モータ駆動処理はCPU91が糸調子モータ16を制御することで、上糸6に付与する張力を制御する処理である。図9に示す如く、CPU91はエンコーダ21の検出結果に基づき糸調子モータ16の出力軸18の回転角を取得する(S21)。CPU91は比較値が閾値よりも大きいかを判断する(S22)。比較値は出力軸18の位相差から目標値を差し引いた値の絶対値である。CPU91はS21で取得した出力軸18の回転角と現在の通電パターンに基づき計算した出力軸18の位相差を用い比較値を計算する。閾値は目標値を考慮して決定される0よりも大きい数である。ミシン1による縫製動作の開始時、S8で特定した通電パターンの電流が複数のコイル33に流れている。ミシン1による縫製動作の開始時、比較値は理論上0である(S22:NO)。該時、CPU91は糸調子モータ駆動処理を終了する。
CPU91は操作ボタン47の検出結果に基づき、ミシン1の縫製終了指示を検出したか否かを判断する(S11)。縫製終了指示は作業者がペダル38の操作を停止した又は縫製データに基づく縫製が終了したことを示す指示である。CPU91は縫製終了指示がない時(S11:NO)、処理をS10に移行し、S10、S11を繰り返し実行する。
例えば、縫製処理開始から所定回数後の糸調子モータ駆動処理で(S10)、比較値が閾値を超えたとする(S22:YES)。CPU91は複数のコイル33に対する通電パターンを特定する(S23)。例えば、CPU91はS22で取得の出力軸18の位相差の、目標値に対する差分を解消する通電パターンをS21で取得した出力軸18の回転角、第一関係式、第二関係式に基づき特定する(S23)。CPU91は、複数のコイル33に対して実行中の通電パターンを、S23で特定した通電パターンに切り替える(S24)。上糸張力はS2で取得の所定張力に戻る。CPU91は、糸調子モータ駆動処理を終了する。CPU91はS23を実行する度に、エンコーダ21の検出結果に基づいた計算制御によって通電パターンを特定し(S23)、複数のコイル33に対する通電パターンを切り替える(S24)。CPU91がS10を繰り返し実行することで、ミシン1は上糸張力を、S2で取得の所定張力に維持する。
CPU91は縫製終了指示検出時(S11:YES)、エンコーダ27Aの出力値に基づき、糸切りタイミングかを判断する(S12)。本例のCPU91はエンコーダ27Aに基づく上軸15の回転角が所定値(例えば、250度)にある時に糸切りタイミングであると判断する。糸切りタイミングは例えば図7の釜捕捉期間L1内の所定のタイミングに設定する。糸切りタイミングでない時(S12:NO)、CPU91はS10と同様の糸調子モータ駆処理を実行後(S17)、処理をS12に戻す。
糸切りタイミングである時(S12:YES)、CPU91はソレノイド57を駆動し、S9で開始した縫製機構12の駆動制御を停止する前の、糸切装置59の駆動制御を開始する(S13)。ソレノイド57が駆動すると、切断刃58は切断位置に向けて移動を開始する。CPU91は駆動回路86を制御し、糸調子モータ16を駆動し、エンコーダ21の出力値を監視してS5で計算した回転量、出力軸18を回転する(S14)。CPU91は糸切装置59の駆動制御と同時期に供給機構60を駆動制御して、所定量の上糸6を、糸調子皿69と縫目98の間に供給する。糸切装置59の駆動制御と同時期は従来ミシンにおいて糸調子皿69を開放し上糸張力を緩めるタイミングと同時期でもよい。糸切装置59の駆動制御と同時期は糸切装置59の駆動中でもよいし、糸切装置59の駆動終了後でもよい。CPU91は、例えば、針棒下死点となる時期から糸切装置59が上糸6を切断する直前迄の期間L3に所定量の上糸6を糸調子皿69と縫目98の間に供給する。糸調子モータ16が駆動すると、糸調子皿69は上糸6の供給方向(右側面視時計回り)に回動し、糸切装置59が上糸6を切断する迄の間に、所定量の上糸6を糸調子皿69と天秤51の間に繰り出す。
供給機構60が上糸6を供給後、S13で駆動制御を開始した糸切装置59は、切断刃58が切断位置迄達した時、切断刃58と固定刃の間に上糸6と下糸9を挟んで切断する。該時、糸調子皿69と天秤51の間に所定量供給した上糸6により、上糸6には張力は供給機構60が上糸6を供給する前に比べ十分小さい。CPU91は駆動モータを駆動停止する(S15)。S14で供給機構60を駆動制御して糸調子皿69と縫目98の間に上糸6を供給した後、縫製機構12の駆動制御が停止する。CPU91は布押えモータ43を駆動制御して押え足24を上昇後(S16)、縫製処理を終了する。布99はミシン1から取出し可能となる。
上記実施形態において、ミシン1、針棒11、縫製機構12、糸調子モータ16、供給機構60、糸調子皿69、糸切装置59、制御装置30は本発明のミシン、針棒、縫製部、アクチュエータ(モータ)、供給部、糸調子皿、糸切装置、制御部の一例である。図8のS9を実行するCPU91は本発明の縫製制御部の一例である。S13を実行するCPU91は糸切制御部の一例である。S14を実行するCPU91は本発明の供給制御部の一例である。S15を実行するCPU91は本発明の停止制御部の一例である。S3を実行するCPU91は本発明の糸量取得部の一例である。S5を実行するCPU91は本発明の計算部の一例である。
上記実施形態のミシン1は糸切装置59の駆動制御と同時期に供給機構60を駆動制御して、所定量の上糸6を糸調子皿69と縫目98の間に供給する。糸切装置59が上糸6を切断する時の上糸6の張力は供給した所定量の上糸6に依り安定する。故にミシン1は糸切装置で上糸6を切断した時の上糸残量のばらつきを低減でき、次の縫製開始時に縫製不良を引き起こすのを防止できる。
上記実施形態のミシン1は糸調子皿を回動可能に支持する出力軸を有する糸調子モータ16で、出力軸を介して糸調子皿を回動することで糸に張力を付与する。ミシン1はS13で糸切装置59の駆動制御と同時期にS14で糸調子モータ16を駆動制御して糸調子皿69を上糸6の供給方向に回動し、S3で取得した所定量の上糸6を糸調子皿69と縫目98の間に供給する。ミシン1は糸調子モータ16を駆動制御して糸調子皿69を回動し、所定量の上糸6を糸調子皿69と縫目98の間に供給できる。ミシン1は糸調子皿69をモータで回動するので、所定量の上糸6を糸調子皿69と縫目98の間に比較的短時間で、正確に供給できる。ミシン1は供給機構60を糸調子皿69とは別に上糸経路付近に設置する時に比べ、上糸経路付近の構成を簡単にできる。
ミシン1は糸調子皿69と縫目98の間に供給する所定量を入力する操作ボタン47を備える。ミシン1は操作ボタン47が入力する所定量を取得する(S3)。ミシン1はS3で取得した所定量、糸調子皿69と縫目の間に上糸6を供給するのに要する糸調子モータ16の出力軸18の回転量を計算する(S5)。ミシン1は糸切装置59の駆動制御と同時期に、糸調子モータ16を駆動制御して、S5で計算した回転量、出力軸18を回転することで、所定量の上糸6を、糸調子皿69と縫目98の間に供給する。ミシン1は操作ボタン47が入力した所定量の上糸6を糸調子皿69と縫目98の間に供給できる。作業者は縫製条件を考慮し所定量が最適値になるように調整できる。本例の糸調子モータ16は二相のバイポーラ型パルスモータであるので、単相のパルスモータに比べ、所定量の上糸6を正確に供給できる。
ミシン1は糸切装置59の駆動制御と同時期であって、上糸6を切断する迄の間に、所定量の上糸6を糸調子皿69と縫目98の間に供給する。ミシン1は糸切装置59の駆動制御と同時期であって、上糸6を切断した後に、所定量の上糸6を糸調子皿69と縫目98の間に供給する時に比べ、糸切装置59が糸を切断する時の上糸6の張力をより確実に、供給した所定量の上糸6に依り安定できる。
本例のミシン1は期間L3に所定量の上糸6を糸調子皿69と天秤51の間に供給する。図7に示す如く、ミシン1は天秤51が上糸6を引き上げる時(天秤引上期間L2)の上糸6の張力に比べ上糸6の張力が緩んだ時に、所定量の上糸6を糸調子皿69と縫目98の間に供給できる。ミシン1は所定量の上糸6を糸調子皿69と天秤51の間に供給後、天秤51を引き上げる時の上糸6の張力がばらつくことを抑制できる。
<変形例>
本発明は上記実施形態に限らない。ミシンの種類は本縫いミシン、穴かがりミシン等、適宜変更してよい。ミシンは家庭用ミシン、刺繍ミシンであってもよい。ミシンは供給部を糸調子皿とは別に上糸経路付近に設置してよい。ミシンは天秤と糸調子皿の間に上糸を繰り出す繰り出し部を設けてもよい。供給部は糸を従動ローラと駆動ローラで挟んで連続回転させ、糸を糸調子皿と縫目の間に繰り出す機構であってもよい。供給部は糸と接触する棒状部材を移動させて上糸経路の長さを変更することで糸を糸調子皿と縫目の間に繰り出す機構であってもよい。供給部のアクチュエータは供給部の構成に応じ単相モータでもよいし、三相以上のモータでもよいし、DCモータ、コアレスモータ等の各種電気モータ、ソレノイド、エアシリンダ等であってもよい。ミシンは入力部を省略してよいし、ダイヤル式入力部、タッチパネル等の他の構成の入力部を備えてもよい。供給部はアクチュエータの動力で糸調子皿と縫目の間に下糸を供給してもよく、糸切装置は下糸のみを切断してもよい。例えば、本発明は鳩目穴かがりミシン等下糸切断に適用されてもよい。糸切装置59は下糸9を切断せず、上糸6のみを切断してもよい。糸切装置59はソレノイド57の代わりにモータ等を備えてもよい。
本発明は上記実施形態に限らない。ミシンの種類は本縫いミシン、穴かがりミシン等、適宜変更してよい。ミシンは家庭用ミシン、刺繍ミシンであってもよい。ミシンは供給部を糸調子皿とは別に上糸経路付近に設置してよい。ミシンは天秤と糸調子皿の間に上糸を繰り出す繰り出し部を設けてもよい。供給部は糸を従動ローラと駆動ローラで挟んで連続回転させ、糸を糸調子皿と縫目の間に繰り出す機構であってもよい。供給部は糸と接触する棒状部材を移動させて上糸経路の長さを変更することで糸を糸調子皿と縫目の間に繰り出す機構であってもよい。供給部のアクチュエータは供給部の構成に応じ単相モータでもよいし、三相以上のモータでもよいし、DCモータ、コアレスモータ等の各種電気モータ、ソレノイド、エアシリンダ等であってもよい。ミシンは入力部を省略してよいし、ダイヤル式入力部、タッチパネル等の他の構成の入力部を備えてもよい。供給部はアクチュエータの動力で糸調子皿と縫目の間に下糸を供給してもよく、糸切装置は下糸のみを切断してもよい。例えば、本発明は鳩目穴かがりミシン等下糸切断に適用されてもよい。糸切装置59は下糸9を切断せず、上糸6のみを切断してもよい。糸切装置59はソレノイド57の代わりにモータ等を備えてもよい。
図8の縫製処理を実行する為のプログラムはミシンがプログラムを実行する迄にミシンが備える記憶機器が記憶すればよい。プログラムの取得方法、取得経路、プログラムを記憶する機器の各々は適宜変更してよい。ミシンはプロセッサが実行するプログラムをケーブル又は無線通信を介して他の装置から受信し、記憶機器に記憶してもよい。他の装置は例えばPC、ネットワーク網を介して接続するサーバを含む。ミシンが備える記憶機器はHDD、SSD等の記憶機器でもよい。
図8の縫製処理の各ステップはCPU91が実行する例に限らず、他の電子機器(例えば、ASIC)が一部又は全部の処理を実行してもよい。上記処理の各ステップは複数の電子機器(例えば、複数のCPU)が分散処理してもよい。上記実施形態の縫製処理の各ステップは必要に応じて順序の変更、ステップの省略、追加ができる。本発明はミシンの制御部からの指令に依り位置特定装置上で稼動するOS等が実際の処理の一部又は全部を行い、上記実施形態の機能を実現する態様も含む。
供給部による糸の供給は、糸切装置の駆動前でもよい。ミシンは供給部を駆動制御して、所定量の糸を天秤と縫目の間に供給してもよい。ミシンはS3、S5の処理を省略し、糸調子モータの出力軸をS14で予め設定した回転量回転してよい。ミシンは布の厚み、縫目幅等に応じて自動的に所定量を設定してよい。ミシンはS2、S4、S8、S10、S17を適宜省略してもよい。
1 ミシン
6 上糸
10 縫針
11 針棒
12 縫製機構
16 糸調子モータ
18 出力軸
21 エンコーダ
26 針板
27 主モータ
30 制御装置
39 回転釜
47 操作ボタン
51 天秤
57 ソレノイド
59 糸切装置
60 供給機構
69 糸調子皿
91 CPU
98 縫目
99 布
6 上糸
10 縫針
11 針棒
12 縫製機構
16 糸調子モータ
18 出力軸
21 エンコーダ
26 針板
27 主モータ
30 制御装置
39 回転釜
47 操作ボタン
51 天秤
57 ソレノイド
59 糸切装置
60 供給機構
69 糸調子皿
91 CPU
98 縫目
99 布
Claims (4)
- 縫針を装着し上下動可能な針棒を有し、前記縫針で布に縫目を形成する縫製部と、
糸を巻き付ける糸調子皿と、
前記針棒の下方で前記糸を切断する糸切装置と、
前記縫製部と前記糸切装置を駆動制御する制御部と
を備えるミシンにおいて、
アクチュエータを有し、前記アクチュエータの動力で前記糸調子皿と前記縫目の間に前記糸を供給する供給部を備え、
前記制御部は、
前記縫製部を駆動制御して前記布に前記縫目を形成する縫製制御部と、
前記糸切装置の駆動制御を開始する糸切制御部と、
前記糸切制御部による前記糸切装置の駆動制御と同時期に前記供給部を駆動制御して、所定量の前記糸を、前記糸調子皿と前記縫目の間に供給する供給制御部と、
前記供給制御部が前記供給部を駆動制御して前記糸調子皿と前記縫目の間に前記糸を供給した後、前記縫製制御部による前記縫製部の駆動制御を停止する停止制御部
として機能することを特徴とするミシン。 - 前記アクチュエータは、前記糸調子皿を回動可能に支持する出力軸を有し、前記出力軸を介して前記糸調子皿を回動することで前記糸に張力を付与するモータであり、
前記供給制御部は、前記糸切制御部による前記糸切装置の駆動制御と前記同時期に前記モータを駆動制御して前記糸調子皿を前記糸の供給方向に回動し、前記所定量の前記糸を前記糸調子皿と前記縫目の間に供給することを特徴とする請求項1に記載のミシン。 - 前記糸調子皿と前記縫目の間に供給する前記所定量を入力する入力部を更に備え、
前記制御部は、
前記入力部が入力する前記所定量を取得する糸量取得部と、
前記糸量取得部が取得した前記所定量、前記糸調子皿と前記縫目の間に前記糸を供給する前記モータの前記出力軸の回転量を計算する計算部
として更に機能し、
前記供給制御部は、前記糸切装置の駆動制御と前記同時期に、前記モータを駆動制御して、前記計算部が計算した前記回転量、前記出力軸を回転することで、前記所定量の前記糸を、前記糸調子皿と前記縫目の間に供給することを特徴とする請求項2に記載のミシン。 - 前記供給制御部は、前記糸切装置の駆動制御と前記同時期であって、前記糸を切断する迄の間に、前記所定量の前記糸を前記糸調子皿と前記縫目の間に供給することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のミシン。
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