JP2021023325A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】目飛びの検出時における縫製作業の効率低下を抑制できるミシンを提供する。【解決手段】目飛びを検出した時、ミシンのCPUは送り装置に依り縫製物を移送中か判断する(S17)。送り装置に依り縫製物を移送中でないと判断した時(S17:NO)、CPUは送り装置に依る縫製物の移送を一回中止する(S18)。送り装置に依り縫製物を移送中と判断した時(S17:YES)、CPUは送り装置を制御して駆動中逆移送(S21)又は停止後逆移送(S28)を実行する。CPUが縫製物の移送の中止(S18)、駆動中逆移送(S21)又は停止後逆移送(S28)の実行後、縫針は縫製物上の目飛びの検出直前に刺さった点である未縫製点の上方に位置する。【選択図】図12
Description
本発明はミシンに関する。
従来、縫製中に生じる目飛びを検出するミシンが公知である。特許文献1に記載のミシンは、目飛び検出装置を備える。目飛び検出装置は、糸調子器、モータ、エンコーダ、検出部を備える。糸調子器は上糸ボビンから縫針に向かう糸道の途中で上糸を巻き掛ける。糸調子器はモータが駆動することで、上糸に張力を付与する。エンコーダはモータに取り付けてあり、モータの出力軸の回転量を検出する。検出部は回転釜に依る上糸ループの解放直前の所定区間を監視し、エンコーダが出力するモータの回転位置から上糸の移動量(供給量)を計算する。検出部は所定区間に上糸の移動がない場合を目飛びとして検出する。
従来のミシンは目飛びを検出した後、音声、画面表示等に依る報知を行う。又は、従来のミシンは目飛びを検出した後、自動で縫製動作を停止し、目飛びの発生を作業者に報知する。故に、作業者はミシンの縫製動作を停止後に縫い直しする必要があり、作業効率が低下する。
本発明の目的は、目飛びの検出時における縫製作業の効率低下を抑制できるミシンを提供することである。
請求項1のミシンは、縫製物を移送可能な送りモータを有する送り部と、上糸を挿通可能な縫針を装着可能な針棒と、前記針棒を上下駆動するモータと、前記縫針が形成する前記上糸のループを捕捉可能な捕捉部と、前記捕捉部が前記ループを捕捉し損ねる目飛びを検出可能な目飛び検出部と、を備え、前記送りモータと前記モータとを同期制御して前記縫製物に縫目を形成する縫製制御部とを備えるミシンであって、前記縫製制御部に依り前記縫製物に縫目を形成する時に前記目飛び検出部が前記目飛びを検出した時、前記目飛びの検出直前に前記縫製物に前記縫針が刺さった未縫製点に、前記縫針が再度刺さるように前記送りモータを制御する移送制御部を備えたことを特徴とする。該ミシンは目飛びを修復できるので、目飛びに因る縫製不良が生じ難い。故にミシンは目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
請求項2のミシンは、前記目飛び検出部が前記目飛びを検出した時、前記送り部が前記縫製物を移送する送り期間か判定する時機判定部を更に備え、前記移送制御部は、前記時機判定部が前記送り期間でないと判定した時、前記目飛びを検出後の次の前記送り期間における前記送りモータの駆動を中止する。該ミシンは目飛びを検出時に送り部が縫製物を移送しないので、未縫製点に再度縫針が刺さる。ミシンは目飛びを修復できるので、目飛びに因る縫製不良が生じ難い。故にミシンは目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
請求項3のミシンは、前記目飛び検出部が前記目飛びを検出した時、前記モータの回転速度を減速、又は前記モータを停止するモータ制御部を備える。該ミシンは目飛びを検出してから移送制御部により送りモータを制御し、目飛びを修復する為の時間の猶予を確保し易い。故にミシンは目飛びを修復できるので、目飛びに因る縫製不良が生じ難い。故にミシンは目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
請求項4のミシンは、前記時機判定部が前記送り期間であると判定した時、前記送り期間中に前記送り部が前記縫製物を移送した期間移送量及び期間移送方向を特定する期間移送特定部を更に備え、前記移送制御部は、前記期間移送特定部が特定した前記期間移送方向と逆方向に前記期間移送量分前記縫製物を移送するよう、前記送りモータを制御する。該ミシンは目飛び発生後に縫製物を移送し始めていたとしても、目飛びが発生した位置に縫製物を戻せる。ミシンは目飛びを修復できるので、目飛びに因る縫製不良が生じ難い。故にミシンは目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
請求項5のミシンは、前記捕捉部が前記ループを捕捉する時、前記ループを捕捉位置から外れた位置に移動する目飛ばし制御部と、前記時機判定部が前記送り期間であると判定した時、次に前記縫針が前記縫製物に刺さる迄に前記移送制御部に依る前記縫製物の移送を完了可能か判定する移送判定部と、を更に備え、前記移送判定部が、次に前記縫針が前記縫製物に刺さる迄に前記縫製物の移送を完了不可能と判定した時、前記移送制御部に依る制御を実行せず、前記目飛ばし制御部を制御する。該ミシンは未縫製点の次に縫針が縫製物に刺さる迄に戻り制御が完了不可能と判定した時、無理に縫製物を戻さずに次の縫目を形成できないようにする。故に目飛びが在る状態でそれ以後の縫目はできない。目飛びに因る縫製不良が生じ難いので、ミシンは縫製不良に依り縫製物が不良となることを抑制できる。
請求項6のミシンは、前記移送判定部が次に前記縫針が前記縫製物に刺さる迄に前記移送制御部に依る前記縫製物の移送を完了不可能と判定した時、前記モータを駆動停止する停止制御を実行し、前記停止制御に依り前記針棒の上下動が停止する迄、前記目飛ばし制御部を制御する。該ミシンは、モータを停止する迄縫目を形成しないようにし続ける。故に目飛びが発生以降、目飛びが在る状態でそれ以後の縫目はできない。目飛びに因る縫製不良が生じ難いので、ミシンは縫製不良に依り縫製物が不良となることを抑制できる。
請求項7のミシンは、前記目飛び検出部が前記目飛びを検出してから前記停止制御に依り前記針棒の上下動が停止する迄の間に、前記送り部が前記縫製物を移送した過移送量及び過移送方向を特定する過移送特定部を更に備え、前記移送制御部は前記停止制御に依り前記針棒の上下動が停止した時、前記過移送方向と逆方向に前記過移送量分、前記送りモータを制御し前記縫製物を移送する。該ミシンは目飛びを修復できるので、縫製物上に目飛びに因る縫製不良が生じ難い。故にミシンは目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
請求項8のミシンは、前記送り期間の開始時機及び長さを変更可能な変更部を備える。ミシンは送り期間の開始時機及び長さを変更することで、目飛びを検出してから時機判定部が判定する迄の時間を確保し易い。故にミシンは目飛びを修復できるので、目飛びに因る縫製不良が生じ難い。故にミシンは目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
請求項9のミシンは、前記目飛び検出部は、前記捕捉部が前記ループを捕捉する時機の前記上糸の挙動に依り前記目飛びを検出する。該ミシンは精度よく目飛びを検出できるので、目飛びを修復するように制御を実行し、目飛びに因る縫製不良が生じ難い。故にミシンは、目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
請求項10のミシンは、前記縫針へと至る前記上糸の供給経路において前記上糸に張力を付与する糸調子機構と、前記糸調子機構が前記上糸に付与した前記張力を検出する張力検出部と、前記張力検出部の検出結果に依り前記張力を取得する取得部と、前記目飛びを検出する為の前記張力の閾値を予め記憶した記憶部と、を備え、前記目飛び検出部は前記取得部が取得した、前記捕捉部が前記ループを捕捉する時機の前記張力と、前記閾値との比較に依り前記目飛びを検出する。該ミシンは精度よく目飛びを検出できるので、目飛びを修復するように制御を実行し、目飛びに因る縫製不良が生じ難い。故にミシンは目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
図面を参照し、本発明の一実施形態のミシン1を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1〜図5を参照しミシン1の全体構造を説明する。図1に示す如く、ミシン1はベッド部2、脚柱部3、アーム部4、送り装置5、制御装置100(図4参照)を備える。ベッド部2はテーブル6に配置する。ベッド部2は上面側に作業台7を備える。作業台7は略中央に針板29を備える。針板29は略中央に針穴28を備える。ベッド部2は内部に回転釜49(図5参照)等を備える。脚柱部3はベッド部2後側から上方に延びる。アーム部4は脚柱部3の上部から前方に延び、ベッド部2と対向する。アーム部4の前端部は先端部8である。先端部8は右壁部8Aと凹部8B(図2参照)を備える。右壁部8Aは先端部8の右側の壁部である。凹部8Bは右壁部8Aから左方に凹む。
送り装置5はXモータ82(図4参照)、Xレール、X移動板、Yレール、Y移動板、保持体22、支持部23、軸部24、Yモータ83(図4参照)等を備える。Xモータ82はベッド部2内部後側に設ける。Xレールはベッド部2内部且つXモータ82前方でX軸方向(左右方向)に延びる。X移動板はXモータ82の駆動力でXレールに沿って左右動する。YレールはX移動板上面に固定し、Y軸方向(前後方向)に延びる。YレールはX移動板と一体的に左右動する。Y移動板はYレールに対して前後動可能に連結する。保持体22はY移動体上面に固定する。保持体22はX移動板とY移動板と一体的に左右動し、Y移動板と一体的に前後動する。故に保持体22は水平方向に移動できる。支持部23は後述の保持体22の押え腕32後部に連結する。支持部23は保持体22と共に左右動できる。軸部24は支持部23から脚柱部3内部まで後方に延び、且つ前後動可能な軸部材である。軸部24前端部はスライダを介して支持部23に接続する。Yモータ83は脚柱部3内部に設け、軸部24に連結する。軸部24がYモータ83の駆動力で前後動すると、支持部23、保持体22、Y移動板は一体的に前後動する。
保持体22は送り板31、押え腕32、エアシリンダ35、押え枠34、連結部33等を備える。送り板31はY移動体上面から前方に延び、前端部に挟み枠36を備える。挟み枠36は平面視矩形枠状であり、縫製物69を支持できる。押え腕32は送り板31後端をY移動体上面との間で挟んで固定する。押え腕32の先端部37は正面視略矩形状である。エアシリンダ35は押え腕32に設ける。エアシリンダ35は連結部33と連結する。連結部33は先端部37に設け、押え枠34を上下動可能に支持する。押え枠34は平面視略矩形枠状であり、挟み枠36と上下方向に対向する。エアシリンダ35が駆動して連結部33が上下動すると、押え枠34は挟持位置と離隔位置の間を上下動する。挟持位置は挟み枠36で支持した縫製物69を上方から押える位置であり、離隔位置は縫製物69から上方に離隔する位置である。
ミシン1はテーブル6上に設けた操作部90を備える。操作部90は各種情報、各種指示を入力する為のキー群と情報表示用のディスプレイを備える。作業者は情報又は指示を入力する時、操作部90を使用する。ミシン1は、テーブル6下方に制御装置100(図4参照)を格納する制御箱を備える。操作部90はコードを介して制御装置100に接続する。
ミシン1は縫製機構9を備える。縫製機構9は縫針11を装着し上下動可能な針棒10を有し、縫針11で縫製物69に縫目68を形成して縫製する。縫製機構9は主モータ81(図4参照)、上軸14、天秤機構、針棒上下動機構、釜駆動機構、押え棒12を備える。主モータ81はアーム部4後部にて支持する。上軸14はアーム部4内部で前後方向に延びる。上軸14の後端部は継手を介して主モータ81の出力軸に連結する。上軸14は主モータ81の駆動で回転する。
天秤機構と針棒上下動機構は先端部8にて支持する。天秤機構は天秤クランクと天秤19(図2参照)を備える。天秤クランクは上軸14の前端部に連結する。天秤19は天秤クランクに設ける。天秤クランクが上軸14と共に回転することで、天秤19は針棒10の上下動と連動して上下動する。天秤19は上糸挿通孔を有する。天秤19は上糸挿通孔に挿通した上糸66(図2参照)を保持する。
針棒上下動機構が針棒クランクロッド、針棒10等を備える。針棒クランクロッドは天秤クランクに回動可能に連結し、上下方向に延びる。針棒10は針棒クランクロッドに連結し、上下方向に延びる。針棒10の下端は縫針11を装着する。縫針11は下端に針孔111を有する。縫針11は針孔111に挿通した上糸66を保持する。針棒クランクロッドが天秤クランクの回転に依り往復運動することで、針棒10は縫針11と共に上下動する。
押え棒12は針棒10の上下動と同期して上下動する。押え棒12は針棒10の左方で先端部8下端から下方に延び、下端に押え足13を装着できる。押え足13は縫針11が縫製物69から抜ける時に上方から縫製物69を押えることで、縫製物69が上方に浮き上がるのを防止する間欠押えである。
釜駆動機構はベッド部2内部に設ける。釜駆動機構は下軸、回転釜49(図5参照)等を備える。回動軸はベッド部2内部にて回動可能に支持し、前後方向に延びる。腕部は回動軸に固定する。腕部は上軸14に連結する。腕部は上軸14の回動に伴って回動軸を往復回動する。下軸はベッド部2内部で前後方向に延び、回動できる。下軸は回動軸と連結する。下軸は回動軸と連動して往復回動する。
回転釜49は下軸の前端部に設け、針穴28の下方にある。図5に示す如く、回転釜49は下軸を中心に回動できる。回転釜49は剣先46を備える。剣先46は回転釜49の外周部分の一部であり、下軸を中心とした正面視時計回り側に向けて突出する。回転釜49はボビンケース42を装着できる。ボビンケース42は下糸67を巻回したボビンを収容する。ボビンケース42は引出部44を備える。引出部44はボビンから繰り出した下糸67を外側に引き出す。
図2に示す如く、ミシン1は先端部8の右壁部8Aに、上糸66を案内する為の構成として副糸調子器15、糸調子器16、糸案内17、天秤19、糸案内20を備える。上糸66はテーブル6(図1参照)に設けた糸駒立て(図示略)に載置した糸駒から副糸調子器15、糸調子器16、糸案内17、張力検出機構18、天秤19、糸案内20を経由し、縫針11の針孔111に挿通する。
副糸調子器15は右壁部8Aの右上部に設ける。糸調子器16は、副糸調子器15下方に設ける。副糸調子器15と糸調子器16は夫々、上糸66に張力を付与する。糸調子器16は糸調子モータ84を備える。糸調子器16は糸調子モータ84の出力軸が回転することで縫製時に上糸66に作用する張力(以下、上糸張力という。)を適正化する。糸案内17は糸調子器16の左方に設ける。張力検出機構18は凹部8Bに設ける。張力検出機構18は副糸調子器15と糸調子器16の間となる上下位置にある。張力検出機構18は上糸張力を検出できる。天秤19は副糸調子器15左方に設ける。糸案内20は張力検出機構18左方に設ける。
図3に示す如く、張力検出機構18は取付台51、センサホルダ52、磁気センサ53、テンション板54、案内部材55、磁石56を備える。取付台51は、取付部57と台座部59を備える。取付部57と台座部59は互いに一体的に形成する。取付部57は、螺子を挿通する長孔58を備える。長孔58に挿通した螺子は凹部8B(図2参照)に設けた螺子穴に締結する。台座部59は取付台51左方にある。台座部59は、前突部60と後突部61を備える。前突部60と後突部61は夫々、左右方向に延びる直方体状である。
センサホルダ52は略直方体状に形成し、前突部60と後突部61の間で台座部59に取り付ける。センサホルダ52は非磁性体によって形成する。磁気センサ53はセンサホルダ52の右面に保持する。本実施形態では磁気センサ53はホール素子である。磁気センサ53は、前突部60と後突部61の夫々の右端よりも左側にある。
テンション板54は左右方向に厚みを有する板状であり、前突部60と後突部61に架け渡す。案内部材55は前突部60と後突部61に取付ける。案内部材55は前突部60との間にテンション板54の前端部を挟み込み、且つ後突部61との間にテンション板54の後端部を挟み込む。テンション板54の前後方向中央部は、センサホルダ52の右面との間に隙間を有する。故にテンション板54は、前後方向の両端部を支点として、左右方向に撓むことができる。
磁石56は、左右方向を軸方向とする円柱状に形成する。磁石56はテンション板54の前後方向中央部の左面に固定する。テンション板54が左右方向に撓むと、磁石56は左右に移動し、磁気センサ53との距離が変化する。磁気センサ53は磁石56からの磁束密度の変化を検出し、磁束密度に応じた電圧を出力する。
案内部材55は上糸案内溝63と下糸案内溝65を備える。上糸案内溝63と下糸案内溝65はテンション板54を間にして上下方向に並ぶ。上糸案内溝63と下糸案内溝65は上下方向に開口し、鉤状に形成する。上糸案内溝63は上保持孔62を備え、下糸案内溝65は下保持孔64を備える。上保持孔62と下保持孔64は上下方向に開口し、左右方向に延びる貫通孔である。上糸66は上保持孔62と下保持孔64に挿通して保持する。上保持孔62と下保持孔64の間にある上糸66は、右方からテンション板54に接触する。上糸張力が増大する程、上糸66はテンション板54を左方に付勢する。磁気センサ53は上糸張力に依り左右方向に撓むテンション板54の左右位置に応じた電圧を出力する。故にミシン1は磁気センサ53の出力電圧に依り上糸張力を取得できる。
図4を参照し、ミシン1の電気的構成を説明する。ミシン1の制御装置100はCPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94、入出力インタフェース(I/F)96、駆動回路71〜76を備える。CPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94はバス95を介して入出力I/F96に電気的に接続する。CPU91はミシン1の制御を司り、ROM92が記憶する各種プログラムに従って、縫製に関わる各種演算と処理を実行する。ROM92は各種プログラム、各種初期設定パラメータ、後述の送りテーブル98等を記憶する。RAM93はCPU91の演算結果、ポインタ、カウンタ等を一時的に記憶する。記憶装置94は不揮発性であり、作業者が入力した各種設定情報、縫製データ等を記憶する。縫製データは、縫目68を形成する為の複数の針落ち点が順に縫針11の直下に位置するように、保持体22を移動する為のデータである。
駆動回路71〜76は入出力I/F96に電気的に接続する。駆動回路71は主モータ81に接続する。駆動回路72はXモータ82に接続する。駆動回路73はYモータ83に接続する。駆動回路74は糸調子モータ84に接続する。駆動回路75はエアシリンダ35に接続する。駆動回路76は目飛ばし機構97に接続する。CPU91は駆動回路76を介して目飛ばし機構97を駆動制御することで、目飛ばし制御を実行できる。目飛ばし制御については後述する。目飛ばし機構97は例えば特開2016−202723号公報が開示する公知の構成であるので簡単に説明する。目飛ばし機構97はエアーを吹き付けるブローノズルと、ブローノズルに対してエアーの供給と停止を切り替える電磁弁とを備える。ブローノズルは針板29下側、ブローノズル先端が下死点を通過して上昇に転じた縫針11に向かってエアーを吹き出す向きで設ける。
ミシン1は、エンコーダ85〜88を備える。エンコーダ85は、主モータ81の出力軸の回転位置を検出する。CPU91はエンコーダ85の検出結果に依り上軸14の回転角位相である上軸位相を特定する。エンコーダ86はXモータ82の出力軸の回転位置を検出する。エンコーダ87はYモータ83の出力軸の回転位置を検出する。CPU91はエンコーダ86、87の検出結果に依り保持体22が支持する縫製物69の位置を特定する。エンコーダ88は糸調子モータ84の回転位置を検出する。エンコーダ85〜88は検出結果を入出力I/F96を介してCPU91に送信する。
起動スイッチ89、操作部90、原点センサ38、保持体センサ39、磁気センサ53は夫々、入出力I/F96に電気的に接続する。起動スイッチ89はテーブル6下方に設置し、制御装置100にコードで接続するペダル式スイッチである。作業者はミシン1の各種動作を開始する時に起動スイッチ89を踏み込む。原点センサ38は保持体22の位置の原点設定用の周知の構成のセンサであり、送り装置5に設ける。保持体センサ39は押え枠34が挟持位置に位置することを検出する周知の構成のセンサであり、押え枠34に設ける。保持体センサ39がオン信号を出力する時、CPU91は押え枠34が挟持位置に位置すると判断する。
図1、図5を参照し、ミシン1の動作概要を説明する。作業者は縫製物69を挟み枠36に載置する。非図示のコンプレッサが供給する空気でエアシリンダ35が駆動することで、押え枠34が挟持位置に移動して縫製物69を上方から押える。CPU91はXモータ82とYモータ83を駆動して保持体22の位置を制御する。
Xモータ82とYモータ83の駆動と同時に主モータ81が駆動することで、上軸14は回転する。天秤機構、針棒上下動機構、押え足駆動機構、釜駆動機構は互いに連動して駆動する。針棒10と共に下降する縫針11は、縫製物69を貫通して針穴28を通過する。針穴28の下方まで下降した針孔111近傍の上糸66はループ状になる(図5(a)参照)。回転釜49が正面視で時計回りに回動することで、剣先46はループ状の上糸66を捕捉する(図5(b)参照)。以下、剣先46がループ状の上糸66を捕捉する期間を釜捕捉期間という。縫針11が縫製物69上方に向けて上昇し、回転釜49が正面視時計回りに更に回動する。剣先46はループ状の上糸66を回動方向に引き込み、ループ状の上糸66は拡径する。
回転釜49がループ状になった上糸66をくぐり抜けると(図5(c)参照)、上糸66は下糸67に絡まる。回転釜49の回動方向は、正面視反時計回りに切り替わり、天秤19は、下糸67絡んだ上糸66を引き上げる(図5(d)参照)。ループ状の上糸66は縮径し、ミシン1は一針目の縫製を完了する。本実施形態では上軸14が一回転する度に、ミシン1は一針分の縫製を実行する。ミシン1は上記動作を繰り返すことで縫製物69に複数の縫目68を形成する。
CPU91は磁気センサ53の検出結果に依る上糸張力とエンコーダ85の検出結果に依る上軸位相とを取得する。図6に示す如く、縫製時に上糸張力及び縫針11下端(針先)の高さは上軸位相に応じて縫製期間を単位周期として周期的に変動する。以下、変動する上糸張力を変動張力と称す。縫製期間はミシン1の一針分の縫製を行う期間である。縫製期間は天秤引上期間、釜捕捉期間を含む。天秤引上期間は縫製期間において変動張力の一回目のピークが生じる期間である。天秤引上期間では天秤19が下糸67と絡んだ上糸66を引き上げる。釜捕捉期間は縫製期間において変動張力の二回目のピークが生じる期間である。天秤引上期間、釜捕捉期間は一回の縫製期間で一回ある。CPU91は天秤引上期間、釜捕捉期間をエンコーダ85の検出結果に依る上軸位相から判断する。
図6右側の縦軸は針板29上面を基準とした縫針11下端の高さを示す。上軸位相がH1、H2の時は縫針11下端が縫製物69上面と同じ高さ位置になる瞬間である。即ち、上軸位相がH1より大きく且つH2未満の期間は、縫針11が縫製物69に刺さる貫通期間である。上軸位相がH1未満の期間とH2よりも大きい期間は、縫針11が縫製物69よりも上方にある非貫通期間である。
送り装置5は非貫通期間の間に縫製物69を移送する。送り装置5が縫製物69を移送する期間を送り期間という。図7に示す如く、ROM92の送りテーブル98は主モータ81の回転速度、送り装置5が一回の非貫通期間の間に縫製物69を移送する移送量である送り量及び送り期間の関係を記憶する。送り期間は送り期間が開始する上軸位相である移送開始時機と送り期間が終了する上軸位相である移送終了時機との組み合わせで表す。
図8に示す如く、図6の状態(主モータ81の回転速度:200〜500(rpm)、送り量:K2(mm))から主モータ81の回転速度が加速した時(主モータ81の回転速度:1000〜1200(rpm)、送り量:K2(mm))、送りテーブル98(図7参照)に基づき、移送開始時機の上軸位相は小さくなり、移送終了時機の上軸位相は大きくなる。尚、針棒の上下位置は上軸14の回転に同期するので、主モータ81の回転速度に依らず一定である。故に非貫通期間が開始する上軸位相及び非貫通期間が終了する上軸位相は主モータ81の回転速度に依らず一定である。主モータ81の回転速度が同じ時、送り量が大きくなると、送りテーブル98に基づき、移送開始時機の上軸位相は小さくなり、移送終了時機の上軸位相は大きくなる(図7参照)。即ち、図7の例では、送り量K1、K2の関係はK1<K2である。
目飛びを説明する。目飛びは回転釜49がループ状になった上糸66を剣先46で捕捉し損ねる不具合である。目飛びが発生後にそのまま縫製を継続すると、縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良となり、縫い直しが必要になる又は縫製物69が不良品となる可能性がある。図9に示す如く、目飛びが発生した時、釜捕捉期間の変動張力は正常時よりも極端に小さくなる。本実施形態では目飛び判定時機の上糸張力の大きさが、ROM92が記憶する上糸張力の閾値以下となった時、CPU91は目飛びが発生したと判断する。目飛び判定時機は上軸位相が釜捕捉期間内の所定のJの時であり、一回の縫製期間で一回ある。本実施形態ではJは300度である。本実施形態において、図6、図7に示す如く、主モータ81の回転速度が比較的遅い時、移送開始時機の上軸位相は目飛び判定時機Jよりも大きく、目飛び判定時機Jで送り装置5は縫製物69を移送する前である。図7、図8に示す如く、主モータ81の回転速度が比較的速い時、移送開始時機の上軸位相は目飛び判定時機Jよりも小さく、目飛び判定時機Jで送り装置5は縫製物69を移送中である。
図10〜図12を参照し、ミシン1のメイン処理を説明する。メイン処理はミシン1に依る縫製を実行する為の処理である。作業者は操作部90のキー群を操作し、メイン処理の実行指示を入力する。CPU91がメイン処理の実行指示の入力を検知した時に開始する。CPU91はROM92からプログラムを読み出してメイン処理を実行する。
図10に示す如く、CPU91は保持体センサ39の出力値に依り押え枠34が挟持位置に位置するか判断する(S1)。CPU91は保持体センサ39が出力するオン信号を検出する迄、S1の判断を継続する(S1:NO)。CPU91は保持体センサ39が出力するオン信号を検出時(S1:YES)、Xモータ82、Yモータ83を駆動制御して保持体22を原点位置に移動し、原点センサ38に依り保持体22が原点位置に位置することを検出する(S2)。作業者は操作部90を操作し、縫製条件を指定する。CPU91は作業者が指定した縫製条件を取得する(S3)。CPU91は取得した縫製条件から縫目68を形成する為の縫製データ、主モータ81の回転速度、送り装置5の送り量等を決定する。CPU91は送りテーブル98を参照し、主モータ81の回転速度及び送り装置5の送り量から移送開始時機及び移送終了時期を決定する。
CPU91は縫製開始の指示を取得したか判断する(S4)。作業者は縫製の準備が整った時、起動スイッチ89を操作し、縫製開始の指示を入力する。CPU91は縫製開始の指示を取得する迄、S4の判断を継続する(S4:NO)。CPU91は縫製開始の指示を取得時(S4:YES)、変数Nに1を、変数Mに0を設定する(S5)。変数Mは縫目68を一つ形成する間に目飛びが繰り返し発生した回数である。CPU91は主モータ81、Xモータ82、Yモータ83を駆動制御し、縫製物69に縫目68を形成する縫製制御を開始する(S6)。
図11に示す如く、CPU91はエンコーダ85の検出結果に依り上軸位相が目飛び判定時機Jか判断する(S7)。CPU91は上軸位相が目飛び判定時機Jとなる迄、S7の判断を継続する(S7:NO)。CPU91は上軸位相が目飛び判定時機Jである時(S7:YES)、目飛びを検出したか判断する(S8)。CPU91は磁気センサ53の出力電圧に依り目飛び判定時機Jの上糸張力を取得する。CPU91は取得した目飛び判定時機Jにおける上糸張力とROM92が記憶する上糸張力の閾値とを比較して目飛びを検出する。CPU91は目飛びを検出していない時(S8:NO)、変数Mに0を設定する(S9)。
CPU91は変数Nが縫製回数か判断する(S10)。縫製回数は縫製データが含む複数の針落ち点の数である。変数Nが縫製回数でない時(S10:NO)、CPU91は変数Nに1を加えて(S11)、処理をS7に戻す。目飛び判定時機Jは縫製期間に一回あるので、ミシン1はS7〜S11の処理を繰り返す度に一針分の縫製を実行する。変数Nが縫製回数の時(S10:YES)、CPU91は主モータ81、Xモータ82、Yモータ83を駆動停止して縫製制御を終了し(S30)、メイン処理を終了する。
CPU91は目飛びを検出した時(S8:YES)、変数Mに1を加える(S12)。CPU91は変数Mが、ROM92が記憶する所定の停止回数であるか判断する(S13)。変数Mが停止回数でない時(S13:NO)、CPU91は目飛び修復処理を実行し(S14)、処理をS7に戻す。目飛び修復処理は目飛びに依り縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じないように制御する処理である。変数Mが停止回数である時(S13:YES)、CPU91は処理をS30に移行する。該時、CPU91はエラーを報知してもよい。
図12を参照し、目飛び修復処理を説明する。CPU91は縫製物69上の目飛びが発生する直前に刺さった点である未縫製点の位置を縫製データに基づき取得し、RAM93に記憶する(S15)。CPU91は主モータ81の回転速度を減速する減速処理を開始する(S16)。CPU91は送り装置5に依り縫製物69を移送中か判断する(S17)。CPU91は目飛び検出時の上軸位相に基づきS17の判断を行う。目飛び検出時の上軸位相が移送開始時機と移送終了時機の間である(即ち送り期間である)時、CPU91は送り装置5に依り縫製物69を移送中と判断する(S17:YES)。
目飛び検出時の上軸位相が移送開始時機よりも小さく(即ち送り期間でない)、送り装置5が縫製物69を移送中でない時(S17:NO)、CPU91は送り装置5に依る縫製物69の移送を一回中止する(S18)。CPU91はS16で減速した主モータ81の回転速度を縫製条件に依る回転速度まで加速制御し(S22)、処理をメイン処理(図11)に戻す。CPU91は送り装置5に依る縫製物69の移送を一回中止するので、縫針11は縫製物69上の目飛び検出直前に刺さった点である未縫製点に再度刺さり、ミシン1は縫目68を形成できる。故に縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じ難い。
送り装置5が縫製物69を移送中の時(S17:YES)、CPU91は駆動中逆移送を実行可能か判断する(S19)。駆動中逆移送は送り装置5を制御して実行中の移送を中止し、縫製物69の未縫製点が縫針11の直下に位置するように縫製物69を現在の移送方向の逆方向に移送する処理である。CPU91は、目飛び検出時の上軸位相とROM92が記憶する現在の主モータ81の回転速度に応じた閾値を比較してS19の判断を行う。閾値は上軸位相がH1に到達する迄の非貫通期間内に、縫製物69を未縫製点に移送できるかの観点から予め設定してある。CPU91は目飛び検出時の上軸位相が閾値よりも小さい時、駆動中逆移送を実行できると判断する。
CPU91は駆動中逆移送を実行できる時(S19:YES)、送り装置5が移送開始時機から現時点迄に縫製物69を移送した移送量である期間移送量と、移送方向である期間移送方向をS15でRAM93に記憶した未縫製点の位置とエンコーダ86、87の検出結果が示す現在の位置に依り特定する(S20)。CPU91はXモータ82、Yモータ83を制御し、期間移送方向と逆方向に期間移送量分、縫製物69を移送して駆動中逆移送を実行する(S21)。CPU91はS16で減速した主モータ81の回転速度をS3で取得した縫製条件に依る回転速度まで加速制御し(S22)、処理をメイン処理(図11)に戻す。CPU91が駆動中逆移送を実行することで、縫針11は未縫製点に再度刺さり、ミシン1は縫目68を形成できる。故に縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じ難い。
目飛び修復処理においてCPU91はまず減速制御を実行する(S16)。主モータ81の回転速度が減速することで、送り装置5に依る縫製物69の移送開始後であっても目飛び検出時から上軸位相がH1に到達する迄の所要時間が長くなるので、CPU91は駆動中逆移送を実行する為の時間の猶予を確保し易い。
作業者は縫製開始の指示を入力するよりも前に操作部90を操作し、縫製条件のうちの主モータ81の回転速度又は送り量を変更する指示を入力する。CPU91は変更した縫製条件を取得し(S3)、送りテーブル98を参照して、移送開始時機及び移送終了時機を変更する。移送開始時機を縫製条件に応じて変えることで、目飛び検出時の上軸位相が移送開始時機よりも前になり易く、CPU91は移送の中止を実行し易い。又、移送の実行開始後であっても目飛び検出時の上軸位相から上軸位相がH1に到達する迄の所要時間が長くなるので、CPU91は駆動中逆移送を実行する為の時間の猶予を確保し易い。
CPU91は送り装置5に依る移送を実行中であり(S17:YES)、且つ駆動中逆移送を実行できない時(S19:NO)、駆動回路76を介して目飛ばし機構97を駆動制御することで、ループ状になった上糸66を剣先46が捕捉する位置から外れた位置に移動する目飛ばし制御を実行する(S23)。目飛ばし制御では、CPU91は駆動回路76を介して電磁弁を開閉し、ブローノズルが下死点を通過して上昇に転じた縫針11にエアーを吹き付ける。ブローノズルが吹き付けるエアーはループ状になった上糸66を回転釜49の剣先46による捕捉位置から外れた位置に移動する。剣先46は上糸66のループを捕捉できないので縫製物69上に縫目68はできない。
CPU91は主モータ81、Xモータ82、Yモータ83を駆動停止する停止処理を実行する(S24)。CPU91は各モータが駆動停止したか判断する(S25)。CPU91は各モータが駆動停止する迄、S25の判断を継続する(S25:NO)。各モータが駆動停止した時(S25:YES)、CPU91は目飛ばし制御を停止する(S26)。主モータ81が駆動停止する迄、針棒10は上下動し、Xモータ82、Yモータ83が駆動停止する迄、送り装置5は縫製物69を移送するが、CPU91が目飛ばし制御を実行するので、目飛びが発生以降、縫製物69上に新たな縫目68はできない。
CPU91は目飛びが発生してから主モータ81が駆動停止する迄に送り装置5が縫製物69を移送した移送量である過移送量と、移送方向である過移送方向をS15でRAM93に記憶した未縫製点の位置とエンコーダ86、87の検出結果が示す現在の位置に依り特定する(S27)。CPU91はXモータ82、Yモータ83を制御し、過移送方向と逆方向に過移送量分、縫製物69を移送する停止後逆移送を実行する(S28)。CPU91は主モータ81の回転速度を縫製条件に依る回転速度での制御を再開し(S29)、処理をメイン処理(図11)に戻す。CPU91が停止後逆移送後、主モータ81の制御を再開することで、縫針11は未縫製点に再度刺さり、ミシン1は縫目68を形成できる。故に縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じ難い。
上記実施形態において、ミシン1は本発明のミシンの一例である。Xモータ82、Yモータ83は本発明の送りモータの一例である。送り装置5が本発明の送り部の一例である。主モータ81は本発明のモータの一例である。回転釜49が本発明の捕捉部の一例である。S8を実行するCPU91は本発明の目飛び検出部の一例である。S6を実行するCPU91は本発明の縫製制御部の一例である。S18、S21、S28を実行するCPU91は本発明の移送制御部の一例である。S17を実行するCPU91は本発明の時機判定部の一例である。S16を実行するCPU91は本発明のモータ制御部の一例である。S20実行するCPU91は本発明の期間移送特定部の一例である。S23を実行するCPU91は本発明の目飛ばし制御部の一例である。S19を実行するCPU91は本発明の移送判定部の一例である。CPU91が実行するS24にて主モータ81を駆動停止する処理は本発明の停止制御の一例である。S27を実行するCPU91は本発明の過移送特定部の一例である。S3で取得した縫製条件に依り移送開始時機及び移送終了時機を変更するCPU91は本発明の変更部の一例である。副糸調子器15、糸調子器16は本発明の糸調子機構の一例である。張力検出機構18は本発明の張力検出部の一例である。上糸張力を取得するCPU91は本発明の取得部の一例である。上糸張力の閾値を記憶するROM92は本発明の記憶部の一例である。
上記実施形態のミシン1はS8で目飛びを検出した時、CPU91が目飛び修復処理を実行することで、縫針11が未縫製点に再度刺さる。故に縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じ難く、作業者は縫い直しする必要がない。故にミシン1は目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
CPU91は目飛び修復処理において、送り装置5に依る縫製物69の移送を実行中でない時(S17:NO)、移送を一回中止する(S18)。ミシン1は目飛びを検出時に送り装置5に依る移送を実行しないので、縫針11が未縫製点に再度刺さる。故に縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じ難く、作業者は縫い直しする必要がない。故にミシン1は目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
CPU91はS8で目飛びを検出した時、減速制御を実行し(S16)、主モータ81の回転速度を減速する。主モータ81の回転速度が減速することで、CPU91が目飛びを検出してから送り装置5に依る縫製物69の移送を制御する為の時間の猶予を確保し易い。故に縫針11が未縫製点に再度刺さり易く、縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じ難いので、作業者は縫い直しする必要がない。故にミシン1は目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
CPU91は送り装置5に依る縫製物69の移送を実行中の時(S17:YES)、送り装置5が移送開始時機から縫製物69を移送した移送量である期間移送量と、移送方向である期間移送方向を特定する(S20)。CPU91は期間移送方向と逆方向に期間移送量分、縫製物69を移送して駆動中逆移送を実行する(S21)。CPU91が駆動中逆移送を実行することで、ミシン1は目飛び発生後に縫製物69を移送し始めていたとしても、目飛びが発生した位置に縫製物69を戻せる。故に縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じ難く、作業者は縫い直しする必要がない。故にミシン1は目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
CPU91は駆動中逆移送を実行可能か判断する(S19)。該判断は、目飛び検出時から上軸位相がH1に到達する迄の所要時間とROM92が記憶する時間の閾値との比較に依る。駆動中逆移送が実行できない時(S19:NO)、CPU91は目飛ばし制御を実行する(S23)。故に目飛びが発生した位置に縫製物69を戻せないとCPU91が判断した時、無理に縫製物69を戻さずに目飛ばし制御を行うことで、目飛びが在る状態でそれ以後の縫目68はできない。縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じ難いので、縫製物69が不良となることを抑制できる。
CPU91は駆動中逆移送を実行できない時(S19:NO)、S24で主モータ81を駆動停止する。CPU91は主モータ81を駆動停止して(S25:YES)、針棒10の上下動が停止する迄、目飛ばし制御を継続する。故に目飛びが発生以降、目飛びが在る状態でそれ以後の縫目68はできない。縫製物69上に縫目68が部分的にない縫製不良が生じ難いので、縫製物69が不良となることを抑制できる。
CPU91は目飛びが発生してからS24を実行することで主モータ81が駆動停止する迄に送り装置5が縫製物69を移送した移送量である過移送量と、移送方向である過移送方向を特定する(S27)。CPU91は過移送方向と逆方向に過移送量分、縫製物69を移送する停止後逆移送を実行する(S28)。CPU91が停止後逆移送を実行することで、目飛びが発生した位置に縫製物69を戻せる。故に縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じ難く、作業者は縫い直しする必要がない。故にミシン1は目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
CPU91は作業者が入力した縫製条件を変更する指示を取得し(S3)、送りテーブル98を参照して、移送開始時機及び移送終了時機を変更する。移送開始時機を縫製条件に応じて変えることで、目飛び検出時に送り装置5に依る移送の実行開始前になるように設定し易く、CPU91は移送の中止を実行し易い。又、移送の実行開始前になるようにできなくても目飛び検出時の上軸位相から上軸位相がH1に到達する迄の所要時間が長くなるので、CPU91は駆動中逆移送を実行する為の時間の猶予を確保し易い。故に縫針11が未縫製点に再度刺さり易く、縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じ難いので、作業者は縫い直しする必要がない。故にミシン1は目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
CPU91は目飛び判定時機Jにおける上糸66の挙動に依り目飛びを検出する。ミシン1は精度よく目飛びを検出できるので、縫針11が未縫製点に再度刺さるように目飛び修復処理を実行し、縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じ難い。故に作業者は縫い直しする必要がなく、ミシン1は目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
副糸調子器15、糸調子器16が付与する上糸張力を張力検出機構18が検出し、検出した上糸張力をCPU91が取得する。CPU91は目飛び判定時機Jにおける上糸張力とROM92が記憶する上糸張力の閾値を比較することで目飛びを検出する。ミシン1は精度よく目飛びを検出できるので、縫針11が未縫製点に再度刺さるように目飛び修復処理を実行し、縫製物69上に縫目68が欠落した縫製不良が生じ難い。故に作業者は縫い直しする必要がなく、ミシン1は目飛びを検出時における縫製作業の効率低下を抑制できる。
本発明は上記実施形態の他に種々の変更ができる。送り装置5は保持体22をX軸方向(左右方向)とY軸方向(前後方向)とに移動できるが、所定の一方向のみに移動可能な構成でもよい。ミシン1は送り装置5に替わり、上軸14の回転と同期して縫製物69を送り歯で移送する送り機構を備えてもよい。送り機構は針棒10の上下動が停止時において上軸14の回転と同期しない構成であることが望ましい。ミシン1は上糸66の使用量に依り目飛びを検出してもよい。保持体22は各種モータ、アクチュエータ等を用いて電動で駆動してもよい。
図10〜図12の処理を実行させる為の指令を含むプログラムは、CPU91がプログラムを実行する迄にミシン1の記憶機器に記憶すればよい。従って、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。CPU91が実行するプログラムは、ケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信し、不揮発性メモリ等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
ミシン1のメイン処理、目飛び修復処理の各ステップは、CPU91が実行する例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。メイン処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理してもよい。メイン処理、目飛び修復処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。ミシン1上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が、CPU91からの指令に依りメイン処理の一部又は全部を行う態様も、本開示の範囲に含まれる。例えば、縫製処理に以下の変更を適宜加えてもよい。
CPU91は目飛びを検出時にブザーの警告音発信又はランプの発光でエラーを報知してもよい。エラーメッセージを表示する表示部は操作部90に設けてもよいし、ミシン1の本体(例えば、アーム部4の上部)に設けてもよい。CPU91は目飛びを検出時にS12、S13の処理は省略し、目飛び修復処理を実行してもよい。変数Mは縫製制御の間に目飛びが発生した累計の回数であってもよい。CPU91はS16で減速制御に替わり、主モータ81を停止する停止制御を実行してもよい。S26は主モータ81が停止してからS29で縫製制御を再開する迄に実行すればよく、順序を変更してもよい。実施形態で挙げた各種数値は単なる例示であり、適宜変更できる。
1 ミシン
5 送り装置
9 縫製機構
10 針棒
18 張力検出機構
22 保持体
49 回転釜
81 主モータ
82 Xモータ
83 Yモータ
91 CPU
92 ROM
98 送りテーブル
5 送り装置
9 縫製機構
10 針棒
18 張力検出機構
22 保持体
49 回転釜
81 主モータ
82 Xモータ
83 Yモータ
91 CPU
92 ROM
98 送りテーブル
Claims (10)
- 縫製物を移送可能な送りモータを有する送り部と、
上糸を挿通可能な縫針を装着可能な針棒と、
前記針棒を上下駆動するモータと、
前記縫針が形成する前記上糸のループを捕捉可能な捕捉部と、
前記捕捉部が前記ループを捕捉し損ねる目飛びを検出可能な目飛び検出部と、を備え、
前記送りモータと前記モータとを同期制御して前記縫製物に縫目を形成する縫製制御部とを備えるミシンであって、
前記縫製制御部に依り前記縫製物に縫目を形成する時に前記目飛び検出部が前記目飛びを検出した時、前記目飛びの検出直前に前記縫製物に前記縫針が刺さった未縫製点に、前記縫針が再度刺さるように前記送りモータを制御する移送制御部を備えたことを特徴とするミシン。 - 前記目飛び検出部が前記目飛びを検出した時、前記送り部が前記縫製物を移送する送り期間か判定する時機判定部を更に備え、
前記移送制御部は、前記時機判定部が前記送り期間でないと判定した時、前記目飛びを検出後の次の前記送り期間における前記送りモータの駆動を中止することを特徴とする請求項1に記載のミシン。 - 前記目飛び検出部が前記目飛びを検出した時、前記モータの回転速度を減速、又は前記モータを停止するモータ制御部を備えることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
- 前記時機判定部が前記送り期間であると判定した時、前記送り期間中に前記送り部が前記縫製物を移送した期間移送量及び期間移送方向を特定する期間移送特定部を更に備え、
前記移送制御部は、前記期間移送特定部が特定した前記期間移送方向と逆方向に前記期間移送量分前記縫製物を移送するよう、前記送りモータを制御することを特徴とする請求項2又は3に記載のミシン。 - 前記捕捉部が前記ループを捕捉する時、前記ループを捕捉位置から外れた位置に移動する目飛ばし制御部と、
前記時機判定部が前記送り期間であると判定した時、次に前記縫針が前記縫製物に刺さる迄に前記移送制御部に依る前記縫製物の移送を完了可能か判定する移送判定部と、を更に備え、
前記移送判定部が、次に前記縫針が前記縫製物に刺さる迄に前記縫製物の移送を完了不可能と判定した時、前記移送制御部に依る制御を実行せず、前記目飛ばし制御部を制御することを特徴とする請求項4に記載のミシン。 - 前記移送判定部が次に前記縫針が前記縫製物に刺さる迄に前記移送制御部に依る前記縫製物の移送を完了不可能と判定した時、前記モータを駆動停止する停止制御を実行し、
前記停止制御に依り前記針棒の上下動が停止する迄、前記目飛ばし制御部を制御する
ことを特徴とする請求項5に記載のミシン。 - 前記目飛び検出部が前記目飛びを検出してから前記停止制御に依り前記針棒の上下動が停止する迄の間に、前記送り部が前記縫製物を移送した過移送量及び過移送方向を特定する過移送特定部を更に備え、
前記移送制御部は前記停止制御に依り前記針棒の上下動が停止した時、前記過移送方向と逆方向に前記過移送量分、前記送りモータを制御し前記縫製物を移送することを特徴とする請求項6に記載のミシン。 - 前記送り期間の開始時機及び長さを変更可能な変更部を備えることを特徴とする請求項2から7の何れかに記載のミシン。
- 前記目飛び検出部は、前記捕捉部が前記ループを捕捉する時機の前記上糸の挙動に依り前記目飛びを検出することを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のミシン。
- 前記縫針へと至る前記上糸の供給経路において前記上糸に張力を付与する糸調子機構と、
前記糸調子機構が前記上糸に付与した前記張力を検出する張力検出部と、
前記張力検出部の検出結果に依り前記張力を取得する取得部と、
前記目飛びを検出する為の前記張力の閾値を予め記憶した記憶部と、
を備え、
前記目飛び検出部は前記取得部が取得した、前記捕捉部が前記ループを捕捉する時機の前記張力と、前記閾値との比較に依り前記目飛びを検出する
ことを特徴とする請求項9に記載のミシン。
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