JP7505227B2 - 不良判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、不良判定装置に関する。
特許文献1は、ミシンが縫製する縫製対象物の縫い目の異常(目飛び、糸切れ等)を検出する縫い目検査装置を開示する。縫い目検査装置は、上糸の張力を検出する張力センサを備え、張力センサの検出値から検出特徴量と参照特徴量とを算出する。検出特徴量は、上糸の張力の実際の特徴量を示す。参照特徴量は、縫製対象物の縫い目が正常である時の上糸の張力の特徴量を示す。縫い目検査装置は、モータの回転角度が270°以上360°以下の時、縫い目が正常である時の上糸の張力よりも実際の上糸の張力が小さいことに基づき目飛びと判定し、モータの回転角度が0°以上90°以下の時、縫い目が正常である時の上糸の張力よりも実際の上糸の張力が小さいことに基づき糸切れと判定する。
特開2019-201741号公報
上記縫い目検査装置は、糸切れが発生した時、実際の上糸の張力はモータの回転の一周期に亘り生じない。即ち、糸切れが発生した時、モータの回転角度が270°以上360°以下の時、縫い目が正常である時の上糸の張力よりも実際の上糸の張力が小さい。故に、縫い目検査装置は糸切れが発生した時に目飛びが発生したと誤って判定する時がある。
本発明の目的は、発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる不良判定装置を提供することである。
請求項1の不良判定装置は、上糸を挿通した縫針を装着して上下動する針棒と、前記針棒の下方に設け、前記針棒の上下動と同期して前記縫針に挿通する環状の前記上糸を捕捉して下糸と絡め取る釜とを備えるミシンにおける布の縫製時に、前記上糸が切れる糸切れと、前記釜が前記上糸を捕捉し損ねる目飛びを含む縫製不良の発生を判定する判定部を備える不良判定装置において、前記判定部は、前記縫製不良の発生の有無の判定を前記縫製不良の種別毎に行い、前記糸切れが発生したと判定した時に前記目飛びの発生の有無の判定を行わないことを特徴とする。不良判定装置は糸切れが発生したと判定した時、目飛びの発生の有無の判定を行わないので、目飛びが発生したと誤って判定することを抑制できる。故に不良判定装置は発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
請求項2の不良判定装置において、前記判定部は、前記糸切れ、前記目飛びの順に発生の有無の判定を行う。上糸が切れる糸切れが発生した時、釜が上糸を捕捉し損ねる目飛びは起こり得ない。不良判定装置は糸切れ、目飛びの順に発生の有無の判定を行うので、発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
請求項3の不良判定装置において、前記判定部は、縫目を形成する前記上糸と前記下糸のバランス不良である締り不良の発生の有無を更に判定し、前記目飛びが発生したと判定した時に前記締り不良の発生の有無の判定を行わない。不良判定装置は目飛びが発生したと判定した時、締り不良の発生の有無の判定を行わないので、締り不良が発生したと誤って判定することを抑制できる。故に不良判定装置は発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
請求項4の不良判定装置において、前記判定部は、前記糸切れ、前記目飛び、前記締り不良の順に発生の有無の判定を行う。上糸が切れる糸切れが発生した時、釜が上糸を捕捉して縫目を形成することがないので、目飛びは起こり得ない。又、釜が上糸を捕捉できずに縫目を形成できない目飛びが発生した時、縫目を形成した時に発生する締り不良は起こり得ない。不良判定装置は糸切れ、目飛び、締り不良の順に発生の有無の判定を行うので、発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
請求項5の不良判定装置において、前記ミシンは、前記釜が前記下糸と絡めた前記上糸を引上げる天秤と、回転することで前記針棒、前記天秤を上下動する上軸とを更に備え、前記不良判定装置は、前記上軸の回転角位相である上軸角を取得する上軸角取得部と、前記上糸の張力を取得する張力取得部とを更に備え、前記判定部は、前記天秤が前記上糸を引上げる期間の終了から前記釜が前記上糸を捕捉する期間の開始迄の間の所定時機において、前記上軸角取得部、前記張力取得部で取得する前記上軸角の所定範囲における前記張力に基づき縫製不良の発生の有無を判定する。不良判定装置は糸切れ、目飛びの何れも、上軸角の所定範囲における上糸の張力に基づき不良発生の有無を判定する。糸切れ、目飛びの発生の判定を行う時機が、天秤が上糸を引上げる期間の終了後なので、糸切れと、目飛びとを誤って判定することを抑制できる。故に不良判定装置は発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
請求項6の不良判定装置において、前記判定部は、前記所定時機において、縫目を形成する前記上糸と前記下糸のバランス不良である締り不良の発生の有無を更に判定し、前記目飛びが発生したと判定した時に前記締り不良の発生の有無の判定を行わない。不良判定装置は上軸角の所定範囲における上糸の張力に基づき締り不良の発生の有無を判定する。所定時機は天秤が上糸を引上げる期間の終了後なので、糸切れと、目飛びと、締り不良とを誤って判定することを抑制できる。故に不良判定装置は発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
請求項7の不良判定装置において、前記判定部は、前記所定時機において、前記糸切れ、前記目飛び、前記締り不良の順に発生の有無の判定を行う。糸切れが発生した時、釜が上糸を捕捉して縫目を形成することがないので、目飛びは起こり得ない。又、目飛びが発生した時、締り不良は起こり得ない。不良判定装置は糸切れ、目飛び、締り不良の順に発生の有無の判定を行うので、発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
請求項8の不良判定装置において、前記縫針が前記布に刺さる貫通期間の間で前記針棒の上下動が停止して前記ミシンが縫製を停止する時、前記所定時機は、前記天秤が前記上糸を引上げる期間の終了から、前記釜が前記上糸を捕捉する期間の開始及び前記針棒が停止する時の何れか早い一方迄の間の時機である。不良判定装置は貫通期間でミシンが縫製を停止する時、天秤が上糸を引上げる期間の終了から、釜が上糸を捕捉する期間の開始及び針棒が停止する時の何れか早い一方迄の間の所定時機で縫製不良の発生の有無を判定する。故に不良判定装置はミシンに依る縫製を再開した直後に、前回縫製を停止するまでの上糸の張力に基づき縫製不良が発生したと判定することを抑制できる。
請求項9の不良判定装置は、前記判定部が前記縫製不良の種別の夫々について発生の有無を判定するか否かを個別に設定する設定部を更に備える。不良判定装置は作業者にとっての重要度が低い縫製不良の発生について判定しないように設定できる。不良判定装置は重要度が低い縫製不良について作業者が留意する必要がないので、作業者に煩わしさを感じさせることを抑制できる。
請求項10の不良判定装置は、前記縫製不良が発生したと前記判定部が判定した時、前記縫製不良の発生を報知する報知部を更に備える。不良判定装置は縫製不良が発生した判定部が判定した時、報知部に依り縫製不良が発生したことを報知する。故に作業者は縫製不良が発生したことを把握し易く、縫製不良に早期に対応することができる。
ミシン1の斜視図。 頭部5の部分拡大図。 張力検出機構18の斜視図。 ミシン1の電気ブロック図。 釜49が上糸66を捕捉する流れを示す概念図。 上糸張力、針先の上下位置、上軸角の関係を示す図表。 目飛び発生時の上糸張力、針先の上下位置、上軸角の関係を示す図表。 締り不良発生時の上糸張力、針先の上下位置、上軸角の関係を示す図表。 縫製処理の流れ図。 図9に続く縫製処理の流れ図。 不良判定処理の流れ図。
図面を参照し、本発明の一実施形態のミシン1を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1~図3を参照し、ミシン1の構造を説明する。図1の如く、ミシン1はベッド部2、脚柱部3、アーム部4を備える。ベッド部2は上面に針板7を備える。針板7は略中央に針穴8と送り歯穴14を備える。送り歯穴14は、針穴8の左方、後方、右方、前方の夫々にある。
脚柱部3はベッド部2右端から上方に延びる。アーム部4は脚柱部3上端から左方に延び、ベッド部2と対向する。アーム部4前面は左右方向略中央部に入力部24と表示部25を備える。入力部24は上下方向に並ぶ三つのボタンである。表示部25は各種情報を表示する。作業者は表示部25を見ながら入力部24を操作して各種指示を入力する。アーム部4は上面左側に上方に突出する糸立棒20を備える。糸立棒20は糸駒から繰り出した上糸66(図2参照)を挿通する。
アーム部4は内部に上軸15と主モータ27(図4参照)を備える。上軸15は左右方向に延び、上軸プーリを介して主モータ27の出力軸に連結する。上軸プーリは上軸15右端部に固定する。上軸15は主モータ27の動力で回動する。アーム部4左端部は頭部5を備える。頭部5はアーム部4から下方に突出し、針板7に上方から対向する。頭部5は針棒11を上下動可能に支持する。針棒11下端部は頭部5から下方に突出する。針棒11は上下動機構を介して上軸15に連結する。針棒11は上軸15の回動に伴い上下動する。針棒11は下端に縫針10を装着する。縫針10は目孔10A(図5参照)に挿通した上糸66を保持する。縫針10は針棒11と共に上下動する。縫針10は針穴8を通過できる。縫針10の可動範囲上端は上死点であり、下端は下死点である。
ベッド部2は内部に釜49(図5参照)、糸切機構17(図4参照)、送り機構を備える。釜49は針板7下方に設け、下糸67(図5参照)を巻いたボビンを収容する。釜49は剣先46(図5参照)を備える。釜49は主モータ27の動力で回動し、縫針10に挿通する上糸66を剣先46で捕捉して、下糸67と絡める。
糸切機構17は固定刃、可動刃、ソレノイド17A(図4参照)を備える。可動刃はソレノイド17Aに連結する。ソレノイド17Aの駆動に依り、可動刃は固定刃に対して移動する。糸切機構17は可動刃と固定刃の協働で上糸66と下糸67を切断する。
送り機構は送り歯13、送りモータ28(図4参照)を備える。送り歯13は針板7下方に設ける。送り歯13は送りモータ28の動力で前後方向に移動し、主モータ27の動力で上下方向に移動する。該時、送り歯13は送り歯穴14にて出没する。送り歯13は送り歯穴14から上方に出た状態で前後方向に移動することで、布69を送る。
図2の如く、頭部5は糸駒から縫針10へと至る上糸66の供給経路の上流側から順に、副糸調子器26、主糸調子器22、糸案内21、張力検出機構18、天秤23、案内鉤29を備える。
副糸調子器26は頭部5前面の右上部に設ける。主糸調子器22は副糸調子器26下方に設ける。副糸調子器26と主糸調子器22夫々は上糸66に張力を付与する。主糸調子器22は糸調子モータ16(図4参照)を備え、糸調子モータ16の駆動に依り上糸66に張力を付与する。主糸調子器22はミシン1の縫製に伴って上糸66に作用する張力(以下、上糸張力という。)を適正化する。糸案内21は主糸調子器22左方に設ける。糸案内21は主糸調子器22を経由した上糸66を張力検出機構18と天秤23に向けて折り返して案内する。
張力検出機構18は頭部5前面から後方に凹む凹部5Aに設ける。張力検出機構18は副糸調子器26と主糸調子器22の間の上下位置に在る。張力検出機構18は上糸張力を検出できる。張力検出機構18の説明は後述する。天秤23は副糸調子器26左方に設ける。天秤23は上糸66を挿通する挿通孔23Aを有する。天秤23は主モータ27の駆動に伴って上下動する。案内鉤29は張力検出機構18左方に設ける。案内鉤29は、天秤23の挿通孔23Aを通った上糸66を針棒11に向けて案内する。
図3の如く、張力検出機構18は取付台51、保持部52、磁気センサ53、板54、案内部材55、磁石56を備える。取付台51は取付部57と台座部59を備える。取付部57と台座部59は互いに一体的に形成する。取付部57は、螺子を挿通する長孔58を備える。長孔58に挿通した螺子は凹部5Aに設けた螺子穴に締結する。台座部59は取付台51左側にある。台座部59は左突部60と右突部61を備える。左突部60と右突部61夫々は前後方向に延びる直方体状である。
保持部52は略直方体状に形成し、左突部60と右突部61の間で台座部59に取付ける。保持部52は非磁性体である。磁気センサ53は保持部52前面にて保持する。磁気センサ53はホール素子である。磁気センサ53は左突部60と右突部61夫々の前端よりも後側に在る。
板54は前後方向に厚みを有する板状であり、左突部60と右突部61に架け渡す。案内部材55は左突部60と右突部61に取付ける。案内部材55は左突部60との間に板54の左端部を挟込み、且つ右突部61との間に板54の右端部を挟込む。板54の左右方向中央部は保持部52前面との間に隙間を有する。故に板54は左右方向の両端部を支点として、前後方向に撓む。
磁石56は前後方向に延びる円柱状に形成する。磁石56は板54の左右方向中央部の後面に固定する。板54が前後方向に撓むと、磁石56は前後に移動し、磁気センサ53との距離が変化する。磁気センサ53は磁石56からの磁束密度の変化を検出し、磁束密度に応じた電圧を出力する。
案内部材55は上案内溝63と下案内溝65を備える。上案内溝63と下案内溝65は板54を間にして上下方向に並ぶ。上案内溝63と下案内溝65は上下方向に開口し、鉤状に形成する。上案内溝63は上保持孔62を備え、下案内溝65は下保持孔64を備える。上保持孔62と下保持孔64は上下方向に開口する貫通孔である。上糸66は上保持孔62と下保持孔64夫々を挿通する。上保持孔62と下保持孔64の間にある上糸66は前方から板54に接触する。上糸張力が増大する程、上糸66は板54を後方に付勢する。磁気センサ53は上糸張力に依り前後方向に撓む板54の前後位置に応じた電圧を出力する。ミシン1は磁気センサ53の出力電圧に依り上糸張力を取得できる。
図2の如く、頭部5は更に頭部アンプ70を備える。頭部アンプ70は頭部5後部の上面に設ける。頭部アンプ70上部は前面に右方から順に糸切れLED71、目飛びLED72、及び締り不良LED73を設ける。糸切れLED71、目飛びLED72、及び締り不良LED73夫々は発光可能である。糸切れLED71は糸切れが発生した時発光する。目飛びLED72は目飛びが発生した時発光する。締り不良LED73は締り不良が発生した時発光する。糸切れ、目飛び、締り不良夫々は縫製不良の一種である。縫製不良の詳細は後述する。
図4を参照し、ミシン1の電気的構成を説明する。ミシン1の制御装置90はCPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94、I/Oインタフェース(以下、I/Oという。)95、駆動回路81~86を備える。CPU91はROM92、RAM93、記憶装置94、I/O95夫々に接続する。CPU91はミシン1の制御を司る。CPU91は各種プログラムに従って、後述の縫製処理(図9参照)等の処理、各種演算を実行する。ROM92は各種プログラム、各種初期設定パラメータ、後述の検出閾値等を記憶する。RAM93はCPU91の演算結果、カウンタ等を一時的に記憶する。記憶装置94は作業者が入力した各種設定情報等を記憶する。
I/O95は駆動回路81~86、入力部24、ペダル38、磁気センサ53夫々に接続する。駆動回路81は主モータ27に接続する。主モータ27はエンコーダ27Aを備える。エンコーダ27Aは主モータ27の出力軸の回動位置を検出する。即ち、エンコーダ27Aの検出結果は上軸15の回転角位相である上軸角を示す。エンコーダ27Aは検出結果をI/O95を介してCPU91に送信する。駆動回路82は送りモータ28に接続する。駆動回路83は糸調子モータ16に接続する。以下、主モータ27、送りモータ28、糸調子モータ16を、駆動部と総称する。CPU91は駆動回路81~83を介して駆動部を制御する。
駆動回路84は糸切機構17に接続する。CPU91は駆動回路84を介して糸切機構17のソレノイド17Aを制御する。駆動回路85は表示部25に接続する。CPU91は駆動回路85を介して表示部25を制御する。駆動回路86は頭部アンプ70に接続する。CPU91は駆動回路86を介して糸切れLED71、目飛びLED72、及び締り不良LED73夫々を制御する。
入力部24は作業者が入力する各種指示をCPU91に出力する。ペダル38は作業者のペダル38の操作に依る操作方向と操作量夫々の検出結果をCPU91に出力する。磁気センサ53は上糸張力を示す出力電圧をCPU91に出力する。
図1、図5を参照し、ミシン1の動作概要を説明する。作業者は針板7に布69を載置する。作業者がペダル38を所定方向に操作することで、主モータ27は駆動する。主モータ27の駆動に依り、上軸15は回動して針棒11と天秤23を上下動する。釜49は上軸15の回動に同期して回動する。
針棒11と共に下降する縫針10は、布69を貫通して針穴8を通過する。針穴8下方まで下降した目孔10A近傍の上糸66は環状になる(図5(a)参照)。釜49が正面視時計回りに回動することで、剣先46は環状の上糸66を捕捉する(図5(b)参照)。以下、剣先46が環状の上糸66を捕捉する期間を釜捕捉期間という。縫針10が布69上方に向けて上昇し、釜49が正面視時計回りに更に回動する。剣先46は環状の上糸66を回動方向に引き込み、環状の上糸66は拡径する。
環状になった上糸66が釜49をくぐり抜けると(図5(c)参照)、上糸66は下糸67に絡まる。釜49の回動方向は、正面視反時計回りに切替わる。該時、天秤23は下糸67に絡んだ上糸66を引上げる(図5(d)参照)。以下、天秤23が上糸66を引上げる期間を天秤引上期間という。環状の上糸66が縮径し、ミシン1は一針分の縫製を完了する。本実施形態では上軸15が一回転する度に、ミシン1は一針分の縫製を実行する。ミシン1は上記動作を繰返すことで布69に複数の縫目68を形成する。
作業者がペダル38の所定方向の操作を止めることで、主モータ27は駆動停止する。該時、縫針10は下死点で停止し、布69を貫通している。
ミシン1の縫製不良を説明する。縫製不良は縫製動作中に正常な縫目68が形成できなかったことを示す。縫製不良は糸切れ、目飛び、締り不良を含む。糸切れは縫製中に上糸66が切れる不良であり、布69に縫目68が形成できない不良である。目飛びは縫製中における釜49に依る上糸66の捕捉の失敗であり、上糸66と下糸67が絡まずに布69に正常な縫目68が形成できない不良である。締り不良は天秤23が上糸66を引き上げた時に布69に縫目68を形成する上糸66と下糸67のバランス不良である。例えば、上糸66が下糸67に強固に絡まり過ぎると、縫目68近くの布69は縮む。ミシン1は糸切れ、目飛び、締り不良夫々に対応する検出基準を検出閾値として記憶装置94に記憶する。故にミシン1は縫製不良の種類を識別可能である。
図6~図8を参照し、縫製不良が発生した時の上糸張力の変化について説明する。CPU91は磁気センサ53の検出結果に依る上糸張力とエンコーダ27Aの検出結果に依る上軸角を取得する。図6の如く、縫製時、上糸張力及び縫針10下端(針先)の高さは上軸角に応じて縫製期間を単位周期として周期的に変動する。縫製期間は一針分の縫製を行う期間である。以下、周期的に変動する上糸張力を変動張力と称す。
縫針10の上死点を基準(上軸角0°)とした一針分(一周期分)の縫製期間では、天秤引上期間、判定期間、釜捕捉期間が順に生じる。天秤引上期間において、縫製期間における変動張力の一回目のピークが生じる。釜捕捉期間において、縫製期間における変動張力の二回目のピークが生じる。判定期間は天秤引上期間の終了から釜捕捉期間の開始迄の期間である。CPU91は天秤引上期間、判定期間、釜捕捉期間をエンコーダ27Aの検出結果に依る上軸角から判断する。
糸切れが発生した時の変動張力を説明する。図示しないが、糸切れが発生した時、上糸張力は一周期分の縫製期間に亘って極端に小さくなる。記憶装置94は糸切れの検出閾値を記憶する。ミシン1は天秤引上期間の上糸張力の大きさが糸切れの検出閾値以下となった時、糸切れが発生したと判定する。
目飛びが発生した時の変動張力を説明する。図7の如く、目飛びが発生した時、天秤引上期間の変動張力は正常時に対し大きな変化はないが、釜捕捉期間の変動張力は正常時よりも極端に小さくなる。記憶装置94は目飛びの検出閾値を記憶する。ミシン1は釜捕捉期間の上糸張力の大きさが目飛びの検出閾値以下となった時、CPU91は目飛びが発生したと判定する。
締り不良が発生した時の変動張力を説明する。図8の如く、締り不良が発生した時、天秤引上期間の変動張力は一周期前と異なる。締り不良が発生したN周期目縫製(Nは二以上の整数)の時の天秤引上期間の上糸張力の位相及び大きさは、締り不良が発生していないN-1周期目縫製の時の天秤引上期間の上糸張力の位相及び大きさ夫々に対して変化している。記憶装置94は締り不良の検出閾値を記憶する。ミシン1は天秤引上期間において、N周期目縫製の時の上糸張力の大きさが増加開始する位相G1とN-1周期目縫製の時の上糸張力の大きさが増加開始する位相G2との差が締り不良の検出閾値以上となった時、CPU91は締り不良が発生したと判定する。
図6右側の縦軸は針板7上面を基準とした縫針10下端の高さを示す。上軸角がH1、H2の時、縫針10下端は針板7上面に載置する布69上面と同じ高さ位置になる。即ち、上軸角がH1からH2迄の期間は縫針10が布69に刺さる貫通期間である。上軸角がH1未満の期間とH2より大きい期間は縫針10が布69よりも上方にある非貫通期間である。
CPU91による縫製不良の発生の判定を説明する。CPU91は判定期間における所定時機で、糸切れ、目飛び、締り不良が発生したか否かを判定する。本実施形態では、所定時機は上軸角が200°となる時機である。以下、200°である上軸角を判定角という。CPU91は縫製中、変動張力を常時取得し、上軸角が判定角となった時、糸切れ、目飛び、締り不良の順で発生の有無を判定する。
ミシン1が縫製を停止する時、縫針10は下死点(上軸角180°)で停止する。該時、CPU91は、判定期間内でありミシン1が縫製を停止する前の上軸角が170°となる時機で、糸切れ、目飛び、締り不良の順で発生の有無を判定する。以下、170°である上軸角を終了判定角という。
CPU91は糸切れが発生したと判定した時、目飛び、締り不良の発生の有無の判定を行わない。CPU91は目飛びが発生したと判定した時、締り不良の発生の有無の判定を行わない。
図9~図11を参照し、ミシン1の縫製処理を説明する。作業者がミシン1の電源をONすると、CPU91はROM92からプログラムを読み出して縫製処理を開始する。
CPU91が縫製処理で使用するフラグを説明する。RAM93は糸切れフラグ、目飛びフラグ等を記憶する。糸切れフラグは糸切れが発生したとCPU91が判定した時、値を1に設定する。目飛びフラグは目飛びが発生したとCPU91が判定した時、値を1に設定する。
図9の如く、CPU91は初期化処理を実行する(S1)。CPU91はRAM93に記憶の糸切れフラグ、目飛びフラグ夫々を0にする。CPU91は後述の糸切れ判定設定、目飛び判定設定、締り不良判定設定夫々を有効に設定する。CPU91は後述の糸切れ報知、目飛び報知、締り不良報知の何れかを報知中である時、報知を終了する。
CPU91は入力部24から糸切れ判定設定信号を受信したか否かを判断する(S11)。糸切れ判定設定は有効、無効の何れかに設定可能である。糸切れ判定設定が有効である時、CPU91は糸切れの発生の有無を判定する。糸切れ判定設定が無効である時、CPU91は糸切れの発生の有無を判定しない。作業者は糸切れ判定設定を設定する時、入力部24を操作する。該時、入力部24は糸切れ判定設定信号をCPU91に出力する。CPU91は入力部24から糸切れ判定設定信号を受信しないと判断した時(S11:NO)、処理をS21に移行する。CPU91は入力部24から糸切れ判定設定信号を受信したと判断した時(S11:YES)、糸切れ判定設定が有効であるか否かを判断する(S12)。糸切れ判定設定が有効である時(S12:YES)、CPU91は糸切れ判定設定を有効に設定し(S13)、処理をS21に移行する。糸切れ判定設定が無効である時(S12:NO)、CPU91は糸切れ判定設定を無効に設定し(S14)、処理をS21に移行する。
CPU91は入力部24から目飛び判定設定信号を受信したか否かを判断する(S21)。目飛び判定設定は有効、無効の何れかに設定可能である。目飛び判定設定が有効である時、CPU91は目飛びの発生の有無を判定する。目飛び判定設定が無効である時、CPU91は目飛びの発生の有無を判定しない。作業者は目飛び判定設定を設定する時、入力部24を操作する。該時、入力部24は目飛び判定設定信号をCPU91に出力する。CPU91は入力部24から目飛び判定設定信号を受信しないと判断した時(S21:NO)、処理をS31に移行する。CPU91は入力部24から目飛び判定設定信号を受信したと判断した時(S21:YES)、目飛び判定設定が有効であるか否かを判断する(S22)。目飛び判定設定が有効である時(S22:YES)、CPU91は目飛び判定設定を有効に設定し(S23)、処理をS31に移行する。目飛び判定設定が無効である時(S22:NO)、CPU91は目飛び判定設定を無効に設定し(S24)、処理をS31に移行する。
CPU91は入力部24から締り不良判定設定信号を受信したか否かを判断する(S31)。締り不良判定設定は有効、無効の何れかに設定可能である。締り不良判定設定が有効である時、CPU91は締り不良の発生の有無を判定する。締り不良判定設定が無効である時、CPU91は締り不良の発生の有無を判定しない。作業者は締り不良判定設定を設定する時、入力部24を操作する。該時、入力部24は締り不良判定設定信号をCPU91に出力する。CPU91は入力部24から締り不良判定設定信号を受信しないと判断した時(S31:NO)、処理をS41に移行する。CPU91は入力部24から締り不良判定設定信号を受信したと判断した時(S31:YES)、締り不良判定設定が有効であるか否かを判断する(S32)。締り不良判定設定が有効である時(S32:YES)、CPU91は締り不良判定設定を有効に設定し(S33)、処理をS41に移行する。締り不良判定設定が無効である時(S32:NO)、CPU91は締り不良判定設定を無効に設定し(S34)、処理をS41に移行する。
CPU91はペダル38の検出結果に基づき縫製を開始するか否かを判断する(S41)。作業者がペダル38を所定方向に操作しない時、ペダル38はOFF信号を出力する。ペダル38からOFF信号を受信した時、CPU91は縫製を開始しないと判断し(S41:NO)、処理をS11に戻す。作業者は、針板7に布69を載置する。布69の載置後、作業者がペダル38を所定方向に操作した時、ペダル38はON信号を出力する。ペダル38からON信号を受信した時、CPU91は縫製動作を開始すると判断し(S41:YES)、処理をS42(図10参照)に移行する。
図10の如く、CPU91は駆動部の駆動を開始する(S42)。縫針10が針棒11と共に上下動し、釜49が針棒11の上下動に同期して回動することで、ミシン1は布69に縫目68を形成する。CPU91はエンコーダ27Aの検出結果に基づいて上軸角を取得する。CPU91は磁気センサ53の検出結果に基づいて上糸張力を取得する。CPU91は取得した上軸角と上糸張力とを対応付けて変動張力として、RAM93に記憶する(S51)。
CPU91はエンコーダ27Aの検出結果に基づいて上軸角が判定角であるか否かを判断する(S61)。上軸角が判定角でない時(S61:NO)、CPU91はペダル38の検出結果に基づき縫製を終了するか否かを判断する(S71)。ペダル38からON信号を受信した時、CPU91は縫製を終了しないと判断し(S71:NO)、処理をS51に戻す。
CPU91はS51~S71を繰返し実行する。上軸角が判定角である時(S61:YES)、CPU91は不良判定処理を実行する(S62)。
図11を参照し、不良判定処理を説明する。CPU91は糸切れ判定設定が有効であるか否かを判断する(S111)。糸切れ判定設定が有効である時(S111:YES)、CPU91は糸切れの発生の有無を判定する(S112)。CPU91は天秤引上期間の上糸張力の大きさが記憶装置94に記憶の糸切れの検出閾値以下となった時、糸切れが発生したと判定する。糸切れが発生していないと判定した時(S112:NO)、CPU91は処理をS115に移行する。糸切れが発生したと判定した時(S112:YES)、CPU91は糸切れフラグの値を1に設定し(S113)、糸切れLED71を点灯して糸切れ報知を実行し(S114)、処理をS115に移行する。糸切れ判定設定が無効である時(S111:NO)、CPU91は糸切れの発生の有無を判定せず、処理をS115に移行する。
CPU91は糸切れフラグの値が1であるか否かを判断する(S115)。糸切れが発生し、糸切れフラグの値が1である時(S115:YES)、CPU91は目飛び、締り不良の発生の有無を判定せず、処理を縫製処理(図10参照)に戻す。
糸切れが発生しておらず、糸切れフラグの値が0である時(S115:NO)、CPU91は目飛び判定設定が有効であるか否かを判断する(S121)。目飛び判定設定が有効である時(S121:YES)、CPU91は目飛びの発生の有無を判定する(S122)。CPU91は釜捕捉期間の上糸張力の大きさが記憶装置94に記憶の目飛びの検出閾値以下となった時、目飛びが発生したと判定する。目飛びが発生していないと判定した時(S122:NO)、CPU91は処理をS125に移行する。目飛びが発生したと判定した時(S122:YES)、CPU91は目飛びフラグの値を1に設定し(S123)、目飛びLED72を点灯して目飛び報知を実行し(S124)、処理をS125に移行する。目飛び判定設定が無効である時(S121:NO)、CPU91は目飛びの発生の有無を判定せず、処理をS125に移行する。
CPU91は目飛びフラグの値が1であるか否かを判断する(S125)。目飛びが発生し、目飛びフラグの値が1である時(S125:YES)、CPU91は締り不良の発生の有無を判定せず、処理を縫製処理に戻す。
目飛びが発生しておらず、目飛びフラグの値が0である時(S125:NO)、CPU91は締り不良判定設定が有効であるか否かを判断する(S131)。締り不良判定設定が有効である時(S131:YES)、CPU91は締り不良の発生の有無を判定する(S132)。CPU91は天秤引上期間において、N周期目縫製の時の上糸張力の大きさが増加開始する位相G1とN-1周期目縫製の時の上糸張力の大きさが増加開始する位相G2との差が締り不良の検出閾値以上となった時、記憶装置94に記憶の締り不良と判定する。締り不良が発生していないと判定した時(S132:NO)、処理を縫製処理に戻す。締り不良が発生したと判定した時(S132:YES)、締り不良LED73を点灯して締り不良報知を実行し(S134)、処理を縫製処理に戻す。締り不良判定設定が無効である時(S131:NO)、CPU91は締り不良の発生の有無を判定せず、処理を縫製処理に戻す。
図10の如く、ペダル38からOFF信号を受信した時、CPU91は縫製を終了すると判断する(S71:YES)。ミシン1は縫針10が下死点に移動する迄、駆動部を駆動する。CPU91はS51と同様にして上軸角と上糸張力とを対応付けて変動張力として、RAM93に記憶する(S81)。CPU91は上軸角が終了判定角であるか否かを判断する(S91)。上軸角が終了判定角でない時(S91:NO)、CPU91は処理をS81に戻し、S81、S91を繰返し実行する。上軸角が終了判定角である時(S91:YES)、CPU91は不良判定処理を実行する(S92)。S92でCPU91が実行する不良判定処理とS62でCPU91が実行する不良判定処理とは同様の処理であり、説明を省略する。
CPU91は縫針10が下死点に移動したか否かを判断する(S101)。縫針10が下死点に移動する前(S101:NO)、CPU91は待機する。縫針10が下死点に移動した時(S101:YES)、CPU91は、ソレノイド17Aを制御して糸切りを実行する(S102)。CPU91は駆動部の駆動を停止する(S103)。ミシン1は縫製を終了する。
CPU91はミシン1の電源をOFFする操作があるか否かを判断する(S104)。ミシン1の電源をOFFにする操作がないと判断した時(S104:NO)、CPU91は処理をS1(図9参照)に戻す。作業者は縫製後の布69に替えて、未縫製の布69を針板7に載置し、ペダル38を操作する(S41:YES)。ミシン1の電源をOFFにする操作があると判断した時(S104:YES)、CPU91は縫製処理を終了する。
以上の如く、糸切れ、目飛びの発生を判定するミシン1において、CPU91は記憶装置94に記憶の検出閾値により糸切れ、目飛びの発生の有無を分別して判定する。CPU91は糸切れが発生したと判定した時(S112:YES)、目飛びの発生の有無を判定しない(S115:YES)。ミシン1は糸切れが発生したと判定した時、目飛びの発生の有無の判定を行わないので、目飛びが発生したと誤って判定することを抑制できる。故にミシン1は発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
CPU91は糸切れ(S112)、目飛び(S122)の順に発生の有無を判定する。上糸66が切れる糸切れが発生した時、釜49が上糸66を捕捉し損ねる目飛びは起こり得ない。ミシン1は糸切れ、目飛びの順に発生の有無の判定を行うので、目飛びが発生したと誤って判定することを抑制できる。故にミシン1は発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
CPU91は記憶装置94に記憶の検出閾値により更に締り不良の発生の有無を分別して判定する。CPU91は目飛びが発生したと判定した時(S122:YES)、締り不良の発生の有無を判定しない(S125:YES)。ミシン1は目飛びが発生したと判定した時、締り不良の発生の有無の判定を行わないので、締り不良が発生したと誤って判定することを抑制できる。故にミシン1は発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
CPU91は糸切れ(S112)、目飛び(S122)、締り不良(S132)の順に発生の有無を判定する。糸切れが発生した時、目飛びは起こり得ない。又、上糸66と下糸67が絡まずに縫目68を形成できない目飛びが発生した時、縫目68を形成した時に発生する締り不良は起こり得ない。ミシン1は糸切れ、目飛び、締り不良の順に発生の有無の判定を行うので、発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
ミシン1はエンコーダ27A、磁気センサ53を備える。CPU91はエンコーダ27Aの検出結果に基づいて上軸角を取得する。CPU91は磁気センサ53の検出結果に基づいて上糸張力を取得する。CPU91は上軸角と上糸張力とを対応付けて変動張力として、RAM93に記憶する(S51、S81)。CPU91は上軸角の所定範囲における変動張力(例えば、糸切れであれば天秤引上期間の上糸張力の大きさ)に基づき糸切れ、目飛びの発生の有無を判定する。CPU91が糸切れ、目飛びの発生の有無を上軸角が判定期間の判定角(上軸角200°)となる時機に判定する。ミシン1は糸切れ、目飛びの何れも、上軸角の所定範囲における変動張力に基づき糸切れ、目飛びの発生の有無を判定する。ミシン1は天秤引上期間の終了から釜捕捉期間の開始迄の判定期間の所定時機で糸切れ、目飛びの発生の判定を行う。天秤引上期間の終了後に判定するので、糸切れと目飛びとを誤って判定することを抑制できる。故にミシン1は発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
CPU91は上軸角が判定角となる時機において、上軸角の所定範囲における変動張力に基づき締り不良の発生の有無を更に判定する。CPU91は目飛びが発生したと判定した時(S122:YES)、締り不良の発生の有無を判定しない(S125:YES)。ミシン1は上軸角の所定範囲における上糸張力に基づき締り不良の発生の有無を判定する。ミシン1は天秤引上期間の終了から釜捕捉期間の開始迄の判定期間の所定時機で締り不良の発生の判定を更に行う。天秤引上期間の終了後に判定するので、糸切れと、目飛びと、締り不良とを誤って判定することを抑制できる。故にミシン1は発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
CPU91は上軸角が判定角となる時機において、糸切れ(S112)、目飛び(S122)、締り不良(S132)の順に発生の有無を判定する。糸切れが発生した時、目飛びは起こり得ない。又、目飛びが発生した時、締り不良は起こり得ない。ミシン1は糸切れ、目飛び、締り不良の順に発生の有無の判定を行うので、発生した縫製不良の種類をより確実に分別して判定できる。
縫製を終了する時、縫針10は貫通期間である下死点(上軸角180°)で停止し、布69を貫通している。縫製を終了する時、CPU91が縫製不良の発生の有無を上軸角が終了判定角(上軸角170°)となる時機に判定する。終了判定角は判定期間における縫針10が停止する前の上軸角である。故にミシン1は縫製を再開した直後に、前回縫製を停止するまでの変動張力に基づき縫製不良が発生したと判定することを抑制できる。
ミシン1は糸切れ(S13、S14)、目飛び(S23、S24)、締り不良(S33、S34)夫々について発生の有無を判定するか否かを個別に設定する。ミシン1は作業者にとっての重要度が低い縫製不良の発生について判定しないように設定できる。ミシン1は重要度が低い縫製不良について作業者が留意する必要がないので、作業者に煩わしさを感じさせることを抑制できる。
CPU91は糸切れが発生した時(S112:YES)、頭部アンプ70の糸切れLED71を点灯して糸切れ報知を実行する(S114)。CPU91は目飛びが発生した時(S122:YES)、頭部アンプ70の目飛びLED72を点灯して目飛び報知を実行する(S124)。CPU91は締り不良が発生した時(S132:YES)、頭部アンプ70の締り不良LED73を点灯して締り不良報知を実行する(S134)。ミシン1は縫製不良が発生したと判定した時、頭部アンプ70に依り縫製不良が発生したことを報知する。故に作業者は縫製不良が発生したことを把握し易く、縫製不良に早期に対応することができる。
上記実施形態において、ミシン1は本発明のミシン、不良判定装置の一例である。CPU91は本発明の判定部の一例である。S51、S81にてエンコーダ27Aの検出結果を取得するCPU91は本発明の上軸角取得部の一例である。S51、S81にて磁気センサ53の検出結果を取得するCPU91は本発明の張力取得部の一例である。判定角、終了判定角が本発明の所定時機の一例である。天秤引上期間、釜捕捉期間は所定範囲の一例である。S13、S14、S23、S24、S33、S34を実行するCPU91は本発明の設定部の一例である。S114、S124、S134を実行するCPU91は本発明の報知部の一例である。
本発明は上記実施形態の他に種々の変更ができる。縫製不良を判定するCPU91をミシン1と別体の装置に設け、該装置によりミシン1の縫製不良の発生の有無を判定してもよい。該時、縫製不良を判定するCPU91を有する装置は本発明の不良判定装置の一例である。
CPU91は上糸66の移動量に依り縫製不良の発生の有無を判定してもよい。該時、CPU91が上糸66の移動量を取得する為に、糸調子モータ16の出力軸の回動位置を検出するエンコーダを設けることが望ましい。
CPU91は判定角と異なる判定期間の所定時機に縫製不良の発生の有無を判定してもよい。CPU91は判定期間の複数の時機で縫製不良の発生の有無を判定してもよい。縫製不良が発生したと判定した時、CPU91は発生した縫製不良の種別に応じて駆動部を停止し、縫製を終了してもよい。
縫製を終了する時、縫針10を下死点で停止しなくてもよい。貫通期間と釜捕捉期間とが重複する期間で縫針10が停止する時、CPU91は釜捕捉期間が開始する前に縫製不良の発生の有無を判定する。縫製を終了する時、CPU91が縫製を終了すると判断した後(S71:YES)、縫製不良の発生の有無を判定しなくてもよい。該時、縫製処理のS81~S92を省略してもよい。
ミシン1の装置の構成、数は適宜変更してよい。ミシン1は糸切機構17、入力部24、表示部25、ペダル38、頭部アンプ70等を備えなくてもよい。ミシン1はペダル38を備えない時、例えば、スイッチの操作に応じて縫製を開始又は停止してもよい。CPU91は縫製不良の発生をスピーカに依り報知してもよい。ミシン1は送り歯13、送りモータ28を備える送り機構に替えて、布69を挟持して水平方向に移動する送り装置に依り布69を送ってもよい。上軸角、上糸張力は光学センサ等により検出してもよい。
CPU91が図9~図11の処理を実行する為の指令を含むプログラムはCPU91がプログラムを実行する迄にミシン1の記憶機器に記憶すればよい。従って、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は適宜変更してもよい。CPU91が実行するプログラムはケーブル又は無線通信を介して他の装置から受信し、不揮発性メモリ等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えばPC、ネットワーク網を介してミシン1と接続するサーバを含む。
図9~図11の処理の各ステップについて、CPU91が実行する例に限定せず、他の電子機器(例えば、ASIC)が一部又は全部を実行してもよい。複数の電子機器(例えば、複数のCPU)が図9~図11の処理の各ステップを分散処理してもよい。図9~図11の処理の各ステップは適宜順序の変更、ステップの省略、及び追加してもよい。ミシン1上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等がCPU91からの指令に依り図9~図11の処理の一部又は全部を行ってもよい。
CPU91はS11~S34の一部又は全部を省略してもよい。作業者が糸切りを行う時、CPU91はS102を省略してもよい。CPU91はS114、S124、S134の一部又は全部を省略してもよい。実施形態で挙げた各種数値は単なる例示であり、適宜変更できる。
1 ミシン
11 針棒
15 上軸
27A エンコーダ
49 釜
53 磁気センサ
70 頭部アンプ
91 CPU

Claims (8)

  1. 上糸を挿通した縫針を装着して上下動する針棒と、前記針棒の下方に設け、前記針棒の上下動と同期して前記縫針に挿通する環状の前記上糸を捕捉して下糸と絡め取る釜とを備えるミシンにおける布の縫製時に、前記上糸が切れる糸切れと、前記釜が前記上糸を捕捉し損ねる目飛びを含む縫製不良の発生を判定する判定部を備える不良判定装置において、
    前記ミシンは、前記釜が前記下糸と絡めた前記上糸を引上げる天秤と、回転することで前記針棒、前記天秤を上下動する上軸とを更に備え、
    前記不良判定装置は、
    前記上軸の回転角位相である上軸角を取得する上軸角取得部と、
    前記上糸の張力を取得する張力取得部とを更に備え、
    前記判定部は、
    前記天秤が前記上糸を引上げる期間の終了から前記釜が前記上糸を捕捉する期間の開始迄の間の所定時機において、
    前記上軸角取得部、前記張力取得部で取得する前記上軸角の所定範囲における前記張力に基づき前記縫製不良の発生の有無を判定し、
    前記縫製不良の発生の有無の判定を前記縫製不良の種別毎に行い、前記糸切れ、前記目飛びの順に発生の有無の判定を行うものであって、前記天秤が前記上糸を引上げる期間における前記張力の大きさが所定の糸切れ検出閾値以下である場合に前記糸切れが発生したと判定し、前記釜が前記上糸を捕捉する期間における前記張力の大きさが所定の目飛び検出閾値以下である場合に前記目飛びが発生したと判定し、前記糸切れが発生したと判定した時に前記目飛びの発生の有無の判定を行わないことを特徴とする不良判定装置。
  2. 前記判定部は、縫目を形成する前記上糸と前記下糸のバランス不良である締り不良の発生の有無を更に判定し、前記目飛びが発生したと判定した時に前記締り不良の発生の有無の判定を行わないことを特徴とする請求項1に記載の不良判定装置。
  3. 前記判定部は、前記糸切れ、前記目飛び、前記締り不良の順に発生の有無の判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の不良判定装置。
  4. 前記判定部は、前記所定時機において、縫目を形成する前記上糸と前記下糸のバランス不良である締り不良の発生の有無を更に判定し、前記目飛びが発生したと判定した時に前記締り不良の発生の有無の判定を行わないことを特徴とする請求項に記載の不良判定装置。
  5. 前記判定部は、前記所定時機において、前記糸切れ、前記目飛び、前記締り不良の順に発生の有無の判定を行うことを特徴とする請求項に記載の不良判定装置。
  6. 前記縫針が前記布に刺さる貫通期間の間で前記針棒の上下動が停止して前記ミシンが縫製を停止する時、
    前記所定時機は、前記天秤が前記上糸を引上げる期間の終了から、前記釜が前記上糸を捕捉する期間の開始及び前記針棒が停止する時の何れか早い一方迄の間の時機であること
    を特徴とする請求項4又は5の何れかに記載の不良判定装置。
  7. 前記判定部が前記縫製不良の種別の夫々について発生の有無を判定するか否かを個別に設定する設定部を更に備えることを特徴とする請求項1~の何れかに記載の不良判定装置。
  8. 前記縫製不良が発生したと前記判定部が判定した時、前記縫製不良の発生を報知する報知部を更に備えることを特徴とする請求項1~の何れかに記載の不良判定装置。
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