JP2018000522A - 糸切機構と縫製装置 - Google Patents

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幸一 原田
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宏明 鬼頭
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Abstract

【課題】糸切時の可動刃の移動速度の最適化を図った糸切機構と縫製装置を提供すること。【解決手段】糸切機構43は固定刃60、可動刃61、モータ57、リンク機構59を備える。固定刃60は針板の下側に固定する。可動刃61は固定刃60に対して水平に回動可能に設け固定刃60から離れた位置にある待機位置、固定刃と交差して上糸と下糸を切断する切断位置、切断位置に対して待機位置とは反対側の可動端部との間を移動可能である。モータ57は可動刃61を駆動する。糸切機構43はモータ57の出力軸58を一方向に回転して可動刃61を待機位置から可動端部に移動し、モータ57の出力軸58を一方向と反対の他方向に回転して可動刃61を切断位置に移動して上糸と下糸を切断する。リンク機構59はモータ57の出力軸58と可動刃61とに直接連結し、出力軸58の回動を可動刃61に伝達する。【選択図】図4

Description

本発明は糸切機構と縫製装置に関する。
ミシンの糸切機構は縫製終了後に駆動し、可動刃と固定刃の協働で上糸と下糸を切断する(例えば特許文献1参照)。該ミシンは糸切専用のモータで糸切機構を駆動する。糸切機構はモータの出力軸にカムを設け、カムの回転位置に応じて可動刃を移動する。該ミシンは縫製動作中に可動刃を待機位置まで移動し、縫製動作終了時に切断位置に移動して上糸と下糸を切断する。糸が切れなかった時、ミシンは受付手段で作業者からの糸切機構の切断動作の指示を受け付ける。切断動作の指示を受け付けた時、ミシンは糸切機構のモータを作動して切断動作を実行する。
特開2016−67696号公報
該ミシンの糸切機構はカムを利用して可動刃の移動を制御する。糸切機構は糸の切断タイミングに応じて可動刃の移動速度を変化させるのが好ましい。糸の切断に最適な可動刃の移動速度をカムを用いて実現する時、カム溝の形状は急激な傾きの変化を有する必要がある。故に、モータはカム溝の形状の急激な傾きの変化を超えるだけのトルクを必要とし、モータの大きさと消費電力が増加する。カム溝を通るコロの加速度はカム溝の形状の急激な傾きの変化に因り増加する。故に該ミシンはカム溝とコロの接触による衝撃音が増加し、カム溝とカムの耐久性が低下する。
本発明の目的は糸切時の可動刃の移動速度の最適化を図った糸切機構と縫製装置を提供することにある。
本発明の第一態様の糸切機構は、針板の下側に固定した固定刃と、前記固定刃に対して水平に回動可能に設け、前記固定刃から離れた位置にある待機位置と、前記固定刃と交差して上糸と下糸を切断する切断位置と、前記切断位置に対して前記待機位置とは反対側の可動端部との間を移動可能な可動刃と、前記可動刃を駆動するモータとを備え、前記モータの出力軸を一方向に回転して前記可動刃を前記待機位置から前記可動端部に移動し、前記モータの前記出力軸を前記一方向と反対の他方向に回転して前記可動刃を前記切断位置に移動して前記上糸と前記下糸を切断する糸切機構において、前記モータの前記出力軸と前記可動刃とに直接連結し、前記出力軸の回動を前記可動刃に伝達するリンク機構を備える。
第一態様の糸切機構は出力軸と可動刃との間にリンク機構をカム、ギアを介さずに連結する。ミシンの制御部はモータの回転速度を制御することで、可動刃の移動速度を所望の速度となるように直接調節できる。該糸切機構は可動刃の変位と速度変化をモータの角度変化で自由に実現できる。該糸切機構はカム、ギアを介してリンク機構が駆動する糸切機構よりも部品点数を削減でき、小型化、軽量化できる。該糸切機構はカム、ギアを介してリンク機構が駆動する糸切機構よりも可動刃の移動速度の変更が容易である。該糸切機構はギアを介してリンク機構が駆動する糸切機構が要する給油等のメンテナンス作業と、バックラッシの調整作業が不要であり、ギア噛み合い音等の騒音が発生しない。
本発明の第二態様の縫製装置は、縫製対象物を載置する針板と、上糸と下糸を切断する糸切機構とを備え、前記糸切機構は、前記針板の下側に固定した固定刃と、前記固定刃に対して水平に回動可能に設け、前記固定刃から離れた位置にある待機位置と、前記固定刃と交差して前記上糸と前記下糸を切断する切断位置と、前記切断位置に対して前記待機位置とは反対側の可動端部との間を移動可能な可動刃と、前記可動刃を駆動するモータとを備え、前記モータの出力軸を一方向に回転して前記可動刃を前記待機位置から前記可動端部に移動し、前記モータの前記出力軸を前記一方向と反対の他方向に回転して前記可動刃を前記切断位置に移動して前記上糸と前記下糸を切断する縫製装置において、前記糸切機構は、前記モータの前記出力軸と前記可動刃とに直接連結し、前記出力軸の回動を前記可動刃に伝達するリンク機構を備える。
第二態様の縫製装置の糸切機構は出力軸と可動刃との間にリンク機構をカム、ギアを介さずに連結する。ミシンの制御部はモータの回転速度を制御することで、可動刃の移動速度を所望の速度となるように直接調節できる。該糸切機構は可動刃の変位と速度変化をモータの角度変化で自由に実現できる。該糸切機構はカム、ギアを介してリンク機構が駆動する糸切機構よりも部品点数を削減でき、小型化、軽量化できる。該糸切機構はカム、ギアを介してリンク機構が駆動する糸切機構よりも可動刃の移動速度の変更が容易である。該糸切機構はギアを介してリンク機構が駆動する糸切機構が要する給油等のメンテナンス作業とバックラッシの調整作業が不要であり、ギア噛み合い音等の騒音が発生しない。
第二態様の縫製装置は前記モータを制御する制御部を更に備え、前記制御部は、前記モータの前記出力軸を前記他方向に回転して前記可動刃を前記切断位置に移動する時、前記可動端部と前記切断位置の間の変更位置で前記モータの回転速度を第一速度から前記第一速度よりも大きい第二速度に変更してよい。該縫製装置の糸切機構は可動刃を切断位置に移動する移動時、変更位置で第一速度から第二速度に変更する。該糸切機構は移動時に第一速度と第二速度の内の何れかの速度で移動する糸切機構に比べ、切断後に残る上糸の長さのばらつきと糸切断力を最適化できる。
第二態様の縫製装置は前記可動刃の移動時の前記変更位置、前記第一速度、前記第二速度の少なくとも何れかの値が互いに異なる複数の組合せを記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する前記複数の組合せの中から、前記可動刃の移動時の前記モータの制御に用いる前記組合せの選択を受け付ける受付部とを更に備え、前記制御部は前記受付部が受け付けた前記組合せに従って、前記変更位置で前記モータの回転速度を前記第一速度から前記第二速度に変更してよい。縫製装置はシートベルト、エアバッグ等の比較的厚い生地を縫製する時、比較的太い糸を使用して縫製する。該縫製装置の糸切機構は切断後に残る上糸の長さが多少ばらついたとしても、確実に糸を切断する為に比較的大きな切断力で糸を切断するのが好ましい。縫製装置は衣服等の比較的薄い生地に縫製する時、比較的細い糸を使用して縫製する。縫製装置の糸切機構は確実に糸を切断する為にそれほど大きな切断力は不要であり、切断後に残る上糸の長さのばらつきを低減するのが好ましい。即ち縫製装置は縫製対象物、糸の太さ、材質等を考慮して糸切機構の可動刃の変更位置、第一速度、第二速度を最適化することが好ましい。該糸切機構は可動刃を待機位置から切断位置に移動する時、受付部が受け付けた組合せの変更位置で第一速度から第二速度に変更する。該糸切機構は移動時に縫製条件に因らず同じ条件で糸を切断する糸切機構に比べ、縫製条件を考慮して上糸の長さのばらつきと糸切断力を最適化できる。
第二態様の縫製装置は前記モータの前記出力軸の回動位置を検出し、前記制御部に出力するエンコーダを更に備え、前記制御部は、前記エンコーダが出力した前記回動位置に基づき、前記可動刃が前記変更位置に達したと判断した時、前記モータの回転速度を前記第一速度から前記第二速度に変更してもよい。該縫製装置は可動刃が変更位置に達したかをエンコーダの出力に依り的確に判断できる。縫製装置は変更位置で可動刃の速度をより確実に第一速度から第二速度に変更できる。
第二態様の縫製装置は縫針を装着した針棒を上下動する針棒機構と前記針棒機構を収容する上側筐体を有する上軸ユニットと、前記上軸ユニットの前記上側筐体に挿通し、前記針棒機構に動力を伝達する上側スプライン軸と、前記針板の下方に設け、釜を駆動する釜機構と前記釜機構を収容する下側筐体を有する下軸ユニットと、前記上側スプライン軸と平行に延び、前記下軸ユニットの前記下側筐体に挿通し、前記釜機構に動力を伝達する下側スプライン軸と、前記上側スプライン軸と前記下側スプライン軸に架設し、前記上側スプライン軸と前記下側スプライン軸の回転を同期する同期機構と、前記上側スプライン軸の軸線方向に沿って前記上軸ユニットを移動し、前記上軸ユニットの移動に同期して前記下側スプライン軸の軸線方向に沿って前記下軸ユニットを移動するX移動機構とを更に備え、前記糸切機構は前記下軸ユニットに設けてもよい。該縫製装置の下軸ユニットは下側スプライン軸に沿って移動する為、軽量化、小型化することが好ましい。縫製装置は糸切機構を下軸ユニットに設けるので、糸切機構の構造を下軸ユニットのみで完結できる。故に縫製装置は下軸ユニットを小型化、軽量化できる。故に縫製装置は下軸ユニットが下側スプライン軸に沿って移動する際の負荷を低減できる。
第二態様の縫製装置は前記モータは前記下側スプライン軸に対して前記釜機構の反対側に設けてもよい。該縫製装置の下軸ユニットは下側スプライン軸を間にして釜機構とモータを配置できる。縫製装置の下軸ユニットは下側スプライン軸を間にして釜機構とモータを配置しない縫製装置に比べ、水平面における下側スプライン軸に垂直な方向の重量バランスを取れる。
縫製装置1の斜視図。 保持枠91を取り外した縫製装置1の斜視図。 上軸ユニット2、上側スプライン軸3、下軸ユニット4、下側スプライン軸5の斜視図。 可動刃61が待機位置P1にある時の糸切機構43の斜視図。 可動刃61が待機位置P1にある時の糸切機構43の平面図。 可動刃61が待機位置P1にある時の糸切機構43の左側面図。 可動刃61が可動端部P2にある時の固定刃60と可動刃61の平面図。 縫製装置1の電気的構成を示すブロック図。 縫製制御処理の流れ図。
本発明の一実施形態の縫製装置1を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。糸切用パルスモータ57の出力軸58の回転方向は左側面から見た時の方向で記述する。
縫製装置1の概略構造を説明する。図1〜図3に示す如く、縫製装置1は上軸ユニット2、上側スプライン軸3、下軸ユニット4、下側スプライン軸5、X移動機構6、Y移動機構7、同期機構8、制御部9、土台部10を備える。上軸ユニット2は針棒機構21、上側筐体22を備える。針棒機構21は針棒24を上下動する。上側筐体22は針棒機構21を収容する。上側スプライン軸3は左右方向に延びる棒状の部材であり、外周面に左右方向に延びる溝を有する。上側スプライン軸3は上軸ユニット2の上側筐体22に挿通し、針棒機構21に動力を伝達する。下軸ユニット4は釜機構41、下側筐体42を備える。下側筐体42は釜機構41を収容する。下側スプライン軸5は上側スプライン軸3と平行に延びる棒状の部材であり、外周面に左右方向に延びる溝を有する。下側スプライン軸5は下軸ユニット4の下側筐体42に挿通し、釜機構41に動力を伝達する。
X移動機構6は上側スプライン軸3の軸線方向に沿って上軸ユニット2を移動し、上軸ユニット2の移動に同期して下側スプライン軸5の軸線方向に沿って下軸ユニット4を移動する。X移動機構6はベルト121、122、X移動用パルスモータ82を備える。ベルト121、122は上側スプライン軸3と下側スプライン軸5に平行に架設した帯状の部材である。ベルト121は上軸ユニット2に固定し、ベルト122は下軸ユニット4に固定する。X移動用パルスモータ82はベルト121、122を同方向に同量移動する。Y移動機構7は縫製対象物である布を上軸ユニット2と下軸ユニット4に対して相対的に前後方向に移動する。Y移動機構7は布を保持する保持枠91、Y移動用パルスモータ83を備え、Y移動用パルスモータ83を駆動源として保持枠91を前後方向に移動する。保持枠91は上枠92、下枠93を有する。上枠92と下枠93は平面視矩形状の枠であり、間に布を挟持する。上枠92はエアシリンダ86を駆動源として下枠93に対して上下に開閉する。同期機構8は上側スプライン軸3と下側スプライン軸5に架設し、ミシンモータ81を駆動源として上側スプライン軸3と下側スプライン軸5の回転を同期する。制御部9はX移動機構6、Y移動機構7、同期機構8を制御する。土台部10は縫製装置1の下部に設け、X移動機構6、Y移動機構7を支持する。土台部10は平面視略矩形板状の保持板90を備える。保持板90は保持枠91を下方で支持する。保持板90は保持枠91が挟持する布が撓むことを防ぐ。
上軸ユニット2を説明する。図3に示す如く、上軸ユニット2は針棒機構21、上側筐体22に加え上軸25、伝達部材26、天秤機構、中押え機構19を備える。上側筐体22は下側筐体42に対向する。上側筐体22は本体部27、先端部28、固定部30を備える。本体部27は左右方向に長い箱状である。先端部28は本体部27左端部よりも下方に延びる。固定部30は本体部27よりも上下方向に長い略矩形枠状であり、本体部27の背面側に位置する。固定部30は孔32、33、四つの支持部材34を備える。孔32、33は右側面視円状である。孔32は固定部30の左面に設け、孔33は固定部30の右面に設ける。孔32、33は上側スプライン軸3を挿通する。各支持部材34は左右方向に延びる右側面視C字状で、背面に溝部35を有する。支持部材34は固定部30背面の右上部、左上部、右下部、左下部に設ける。固定部30背面の右上部、左上部に設けた支持部材34の溝部35は左右方向に延びるレール123に係合し、固定部30背面の右下部、左下部に設けた支持部材34の溝部35はレール123の下方で左右方向に延びるレール124に係合する。ベルト固定部はベルト121を通し、ベルト121の一端と他端を固定する。ベルト121は上軸ユニット2を上側スプライン軸3の軸線の延設方向(左右方向)に移動する。ベルト固定部は上側筐体22の背面左部と背面右部に設ける。X移動機構6がベルト121を移動する時、上軸ユニット2はレール123、124に沿ってベルト121と共に移動する。
上軸25は上側スプライン軸3と平行に設け、本体部27内を左右方向に延びる。伝達部材26は上側スプライン軸3の軸線周りの回転を上軸25に伝達する。本例の伝達部材26は上側スプライン軸3に設けたボールスプライン軸受け36、ボールスプライン軸受け36と連結した第一プーリ、上軸25に設けた第二プーリ、第一プーリと第二プーリに掛け渡したタイミングベルトである。ボールスプライン軸受け36は孔33にて支持する。上軸25は針棒機構21と天秤機構と連結し、上側スプライン軸3を介して伝達した回転力で、針棒機構21と天秤機構を駆動する。天秤機構は天秤29を備える。天秤29は縫製時に上下動して上糸を引上げる。針棒機構21は天秤29の上下動と連動して針棒24を上下動する。針棒24の下端部は先端部28の下側から露出し下方へ延びる。針棒24は下端部に縫針23を装着する。中押え機構19は中押え18と中押え用パルスモータ84を備え、縫針23上昇時に布の縫針23貫通部周辺を下方へ押さえることで、布が縫針23との摩擦で縫針23と共に上昇し、布がばたつくのを防ぐ。中押え18は保持枠91が挟持する布の上方に位置し、中押え用パルスモータ84を駆動源として縫製時に布を上側から押える。中押え用パルスモータ84は上側筐体22の本体部27の上面に固定する。
下軸ユニット4を説明する。図3、図4に示す如く、下軸ユニット4は釜機構41、下側筐体42に加え、糸切機構43、下軸44、第一プーリ45、第二プーリ46、タイミングベルト47を備える。釜機構41は釜16と連結し、釜16を駆動する。釜16は半回転釜である。下側筐体42は略直方体状の箱状である。下側筐体42は挿通孔48、49、針板50、固定部、支持台54を備える。挿通孔48は下側筐体42の左面に設け、挿通孔49は下側筐体42の右面に設ける。挿通孔48、49は下側スプライン軸5を挿通する。下側筐体42は下側スプライン軸5をボールスプライン軸受け39を介して支持する。ボールスプライン軸受け39は挿通孔48にて支持する。針板50は下側筐体42左部の上面に設ける。針板50は針穴53を有する。保持板90は針穴53に対応する位置に上下方向に貫通する左右方向に延びる長孔を有する。該長孔と針穴53は針棒24が下降した時に縫針23の下端部が通る。
図4〜図7に示す如く、糸切機構43は縫製終了後に上糸と下糸17を切断する。糸切機構43は固定刃60、可動刃61、糸切用パルスモータ57、リンク機構59を備える。リンク機構59の一部、糸切用パルスモータ57は下側筐体42の外側に設ける。糸切機構43は可動刃61をリンク機構59を介して移動し、上糸と下糸17を切断する。固定刃60は針板50の下側に固定する。可動刃61は固定刃60に対して水平に回動可能に設ける。可動刃61は固定刃60から離れた位置にある待機位置P1と、固定刃60と交差して上糸と下糸17を切断する切断位置P3と、切断位置P3に対して待機位置P1とは反対側の可動端部P2との間を移動可能である。糸切用パルスモータ57は可動刃61を駆動する。リンク機構59は糸切用パルスモータ57の出力軸58と可動刃61とに直接連結し、出力軸58の回動を可動刃61に伝達する。
固定刃60は平面視略L字状で、左後部に設けた基端部に上下方向に貫通する孔602、603を有する。固定刃60は孔602、603を通る螺子604、605で針板50の下面に固定する。固定刃60は基端部から略水平状で且つ右方に延設し、右端部に下方に曲げた刃部601を形成する。可動刃61は固定刃60の下側に配置する。支軸75は可動刃61の略中心部に設けた孔に挿通し、可動刃61を針板50の下面に回動可能に固定する。可動刃61は支軸75を中心として水平に回動できる。可動刃61は糸さばき部611、刃部612、糸係合部613、糸案内部614、糸捕捉部615等を有する。糸さばき部611は縫針23が針板50下側で形成する上糸の上糸ループに突入する部分である。刃部612は可動刃61を上下方向に貫通する平面視円状の貫通穴の端部である。糸係合部613は上糸ループのうち縫針23から延びる側を引掛ける部分である。糸案内部614は糸さばき部611と糸捕捉部615の間で湾曲する部分であり、上糸ループのうち布から延びる側を糸捕捉部615に案内する。糸捕捉部615は上糸ループを捕捉する部分である。
可動刃61の一端部は後述のリンク機構59の第六リンク72の屈曲部73とピン74で回動可能に連結する。可動刃61の一端部は支軸75に対して刃部612と反対側の端部である。図7では可動刃61の位置を刃部612の位置で示す。可動刃61は第六リンク72が前後方向に移動することで支軸75を中心に水平に往復回動し、待機位置P1と該待機位置P1から可動端部P2に亙って、刃部612の中心が移動軌跡100上を通るように移動する。可動刃61が待機位置P1から可動端部P2に移動する時、可動刃61の糸さばき部611は上糸ループ内に突入し、上糸を捕捉する。可動刃61が可動端部P2から待機位置P1まで回動復帰する時、可動刃61の刃部612と固定刃60の刃部601は可動端部P2と待機位置P1の間の切断位置P3にて、下糸17と上糸ループのうち布側の上糸を同時に切断する。
糸切用パルスモータ57はパルスモータであり、下側筐体42の背面に固定する。糸切用パルスモータ57は下側スプライン軸5に対して釜機構41の反対側に設ける。糸切用パルスモータ57の出力軸58は下側スプライン軸5と平行に延びる。糸切用パルスモータ57の出力軸58はリンク機構59と直接接続する。リンク機構59は糸切用パルスモータ57側から可動刃61側に向かって順に、第一リンク62、第二リンク63、第三リンク67、第四リンク70、第五リンク71、第六リンク72を備える。
第一リンク62は左側面視上下方向に長い略楕円状の板部材である。第一リンク62の一端部は出力軸58と連結し、他端部は段螺子64で第二リンク63の後端部と連結する。第二リンク63は下側筐体42の左側を前後方向に延びる丸棒状である。第二リンク63の前端部は段螺子65で第三リンク67の左端部と連結する。第三リンク67は平面視左右方向に長い略楕円状の板部材である。第三リンク67の右端部は上下方向に延びる第四リンク70の下端部と連結する。第四リンク70は上下方向に延びる略円柱状の部材であり、下側筐体42にて回動可能に支持する。割締め部68は第三リンク67の右端部に第三リンク67と一体的に設ける。割締め部68は第四リンク70を挿通する孔と、該孔と側面とに連通する切割り溝と、切割り溝に連通する螺子穴を有し、該螺子穴に螺子69を締結可能である。割締め部68は螺子69を締め付けることで第三リンク67と第四リンク70を固定できる。第四リンク70の上端部は第五リンク71の一端部と接続する。第四リンク70と第五リンク71は一体的に設ける。第五リンク71は平面視楕円状の板部材である。第五リンク71の他端部は段螺子78で第六リンク72の右端部と連結する。第六リンク72は左右方向に長い板状であり、左端部は円弧を描くように屈曲する屈曲部73をなす。屈曲部73の左端部はピン74で可動刃61と連結する。糸切用パルスモータ57の出力軸58が時計回りに回転すると、第六リンク72は左方に移動し、可動刃61は平面視時計回りに回動する。糸切用パルスモータ57の出力軸58が反時計回りに回転すると、第六リンク72は右方に移動し、可動刃61は平面視反時計回りに回動する。
図3に示す如く、下軸44は揺動機構52と釜機構41に連結し、下側スプライン軸5の回転で釜16を揺動する。下軸44は下側スプライン軸5の前方で左右方向に延びる。第一プーリ45は下側スプライン軸5にボールスプライン軸受け39を介して連結する。第二プーリ46は中間軸51右端部に設ける。タイミングベルト47は帯状の部材であり、第一プーリ45と第二プーリ46の間に掛け渡す。中間軸51は下側スプライン軸5の後方で左右方向に延びる。第一プーリ45の径は第二プーリ46の径より大きい。故に下側スプライン軸5の回転力がタイミングベルト47を介して中間軸51に伝達した時、中間軸51の単位時間当たりの回転数は下側スプライン軸5の回転数より大きい。揺動機構52は中間軸51の一方向の回転を下軸44の往復回動に変換する。
固定部は下側筐体42の背面左部と背面右部に設ける。固定部はベルト122を通し、ベルト122の一端と他端を固定する。ベルト122は下軸ユニット4を下側スプライン軸5の軸線の延設方向(左右方向)に移動する。支持台54は平面視矩形状の板状である。支持台54は下側筐体42の底面部に設ける。支持台54は下面に右側面視逆U字状の支持部材55を四つ有する。四つの支持部材55は支持台54の前右部、前左部、後右部、後左部に設け、左右方向に延びる。四つの支持部材55は上側に凹む溝部56を有する。支持部材55の溝部56は左右方向に延びるレール125と係合する。同期機構8がベルト122を移動する時、下軸ユニット4はレール125に沿ってベルト122と共に移動する。
図8を参照し縫製装置1の電気的構成を説明する。縫製装置1の制御部9はマイコン、該マイコンにデータバス等を介して接続した入力インターフェース87と出力インターフェース88、駆動回路101〜106等を有する。マイコンはCPU11、ROM12、RAM13、記憶機器14を含む。CPU11は縫製装置1の動作を統括制御する。ROM12は後述する縫製制御処理(図9参照)を実行する為のプログラム、各種縫目を形成する為の縫製データ等を予め記憶する。縫製データは針落ち点を順に定めた座標データを含む。針落ち点は針棒24と共に縫針23が下方に移動した時に縫針23が刺さる布上の予定位置である。RAM13は各種処理実行中に生じる各種情報を一時的に記憶する。記憶機器14は不揮発性で、テーブル141を含む各種設定値を記憶する。テーブル141は可動刃61の移動時の変更位置P4、第一速度、第二速度の少なくとも何れかの値が互いに異なる複数の組合せを含む。変更位置P4は可動端部P2と切断位置P3の間の位置である。第一速度、第二速度は糸切機構43が上糸と下糸17を切断する時の糸切用パルスモータ57の回転速度である。第一速度は動作開始位置から変更位置P4までの速度であり、第二速度は変更位置P4から待機位置P1までの速度である。テーブル141は組合せ142、143を含む。組合せ142の変更位置P4はQ1、第一速度はV11、第二速度はV12である。組合せ143の変更位置P4はQ2、第一速度はV21、第二速度はV22である。組合せ142と組合せ143は可動刃61の移動時の変更位置P4、第一速度、第二速度の各値が互いに異なる。第二速度は第一速度よりも大きい。即ち、V12はV11より大きく、V22はV21より大きい。組合せ142はシートベルト、エアバッグ等の比較的厚い生地を比較的太い糸を使用して縫製する時に適する。組合せ143は衣服等の比較的薄い生地を比較的細い糸を使用して縫製する時に適する。V12はV22より大きい。Q1はQ2より切断位置P3から遠い。
各駆動回路101〜106は出力インターフェース88に接続する。駆動回路101はミシンモータ81と接続し、CPU11の制御指令に基づきミシンモータ81を駆動する。駆動回路102はX移動用パルスモータ82と接続し、CPU11の制御指令に基づきX移動用パルスモータ82を駆動する。駆動回路103はY移動用パルスモータ83と接続し、CPU11の制御指令に基づきY移動用パルスモータ83を駆動する。駆動回路104は中押え用パルスモータ84と接続し、CPU11の制御指令に基づき中押え用パルスモータ84を駆動する。駆動回路105は糸切用パルスモータ57と接続し、CPU11の制御指令に基づき糸切用パルスモータ57を駆動する。駆動回路106はエアシリンダ86と接続し、CPU11の制御指令に基づきエアシリンダ86を駆動する。
電源SW15、エンコーダ111〜115、操作盤116等は入力インターフェース87に接続する。電源SW15は縫製装置1の起動と終了を行う。エンコーダ111はミシンモータ81に接続し、ミシンモータ81の回転位置、回転速度の情報を入力インターフェース87に入力する。エンコーダ112はX移動用パルスモータ82に接続し、X移動用パルスモータ82の回転方向、回転位置、回転速度に対応して出力するパルス情報を入力インターフェース87に入力する。エンコーダ113はY移動用パルスモータ83に接続し、Y移動用パルスモータ83の回転方向、回転位置、回転速度に対応して出力するパルス情報を入力インターフェース87に入力する。エンコーダ114は中押え用パルスモータ84に接続し、中押え用パルスモータ84の回転方向、回転位置、回転速度に対応して出力するパルス情報を入力インターフェース87に入力する。エンコーダ115は糸切用パルスモータ57に接続し、糸切用パルスモータ57の回転方向、回転位置、回転速度に対応して出力するパルス情報を入力インターフェース87に入力する。操作盤116は作業者の指等の押圧操作を検知し、検知した押圧位置に基づき選択項目を認識する。操作盤116は縫製開始、縫製停止等の各種設定を入力できる。操作盤116は記憶機器14がテーブル141に記憶する複数の組合せの中から、可動刃61の移動時の糸切用パルスモータ57の制御に用いる組合せの選択を受け付ける組合せ入力キー117を有する。
図9を参照し、CPU11が実行する縫製制御処理を説明する。作業者が電源SW15を押下して縫製装置1を起動すると、CPU11はROM12から縫製制御プログラムを読み出し、本処理を実行する。制御部9のCPU11は縫製制御処理で糸切用パルスモータ57を制御する。CPU11は糸切用パルスモータ57の出力軸58を回転して可動刃61を切断位置P3に移動する時、可動端部P2と切断位置P3の間の変更位置P4で糸切用パルスモータ57の回転速度を第一速度から第一速度よりも大きい第二速度に変更する。CPU11は操作盤116が受け付けた組合せに従って、変更位置P4で糸切用パルスモータ57の回転速度を第一速度から第二速度に変更する。エンコーダ115は糸切用パルスモータ57の出力軸58の回動位置を検出し、制御部9に出力する。制御部9はエンコーダ115が出力した回動位置に基づき、可動刃61が変更位置P4に達したと判断した時、糸切用パルスモータ57の回転速度を第一速度から第二速度に変更する。
図9に示す如く、作業者は出力軸58の原点検出の指示を入力する為、操作盤116を操作する。糸切用パルスモータ57の出力軸58の原点は、例えば可動刃61が待機位置P1にある時に対応する位置とする。CPU11は原点検出指示があるか否か判断する(S1)。原点検出指示未取得時(S1:NO)、CPU11はS1に処理を戻す。原点検出指示取得時(S1:YES)、CPU11は原点検出し、出力軸58を原点に移動する(S2)。CPU11はエアシリンダ86を駆動し、保持枠91の上枠92を下枠93に対して上昇する(S3)。
作業者は保持枠91の上枠92と下枠93の間に布をセットし、上枠92の下降指示を入力する為、操作盤116を操作する。CPU11は上枠92の下降指示があるか否か判断する(S4)。下降指示未取得時(S4:NO)、CPU11はS4に戻って待機する。下降指示取得時(S4:YES)、CPU11はエアシリンダ86を駆動して上枠92を下降し、布を上枠92と下枠93で挟む(S5)。
作業者は縫製後の糸切条件を示す組合せを操作盤116の組合せ入力キー117で入力する。CPU11は組合せの入力を受け付けたか否か判断する(S6)。組合せの入力を受け付けていない時(S6:NO)、CPU11はS6に戻って待機する。組合せの入力受付時(S6:YES)、CPU11は受け付けた組合せに基づき組合せを設定する(S7)。作業者が組合せ142を入力した時、CPU11は変更位置にQ1、第一速度にV11、第二速度にV12を設定する。作業者は縫製指示を入力する為、操作盤116を操作する。CPU11は縫製指示があるか否か判断する(S8)。縫製指示未取得時(S8:NO)、CPU11はS8に戻って待機する。
縫製指示取得時(S8:YES)、CPU11はミシンモータ81を駆動して縫製データに従った縫製を開始する(S9)。CPU11は縫製データに従って、X移動機構6、Y移動機構7を駆動し、上軸ユニット2と下軸ユニット4に対して保持枠91を相対的に移動する。CPU11はミシンモータ81を駆動源として同期機構8を駆動し、上側スプライン軸3と、下側スプライン軸5を同期回転する。上軸ユニット2は上側スプライン軸3の回転を上軸25に伝達する。針棒機構21は上軸25の回転力で針棒24を上下動する。下軸ユニット4は下側スプライン軸5の回転を、揺動機構52を介して下軸44に伝達する。下軸44は釜16を揺動する。釜16は針棒24と協働し、縫針23が保持する上糸にボビンケースから引出した下糸17を絡める。天秤機構は下糸17に絡んだ上糸を針板50上に引き上げ、布に縫目を形成する。CPU11はミシンモータ81の駆動と同期して中押え用パルスモータ84を駆動し、中押え18を上下動する。
CPU11は縫針23の次の針落ち動作が縫製動作の最終針か否か判断する(S10)。CPU11は現在縫製中の縫製データの針落ち数を計数してRAM13に記憶する。それ故、CPU11はROM12に記憶する縫製データを参照することで、次の針落ち動作が最終針か否か判断できる。最終針でない時(S10:NO)、CPU11はS10に戻る。最終針の時(S10:YES)、CPU11は糸切用パルスモータ57を駆動して出力軸58を原点から時計回りに回転し(S11)、糸切機構43を駆動する。糸切用パルスモータ57の駆動により、第六リンク72は左方に移動する。可動刃61は支軸75を中心に平面視時計回りに回転し、上糸ループを捕捉しつつ可動端部P2に移動する。CPU11は糸切用パルスモータ57の出力軸58を反時計回りに微小回転し(S12)、糸切機構43を駆動する。糸切用パルスモータ57の駆動により、第六リンク72は微小に右方に移動する。可動刃61は支軸75を中心に平面視反時計回りに微小回転し、上糸と下糸17を捕捉した状態を維持しながら可動端部P2から変更位置P4に移動する。
CPU11は縫製動作が終了したか否か判断する(S13)。縫製動作未終了時(S13:NO)、CPU11はS13に戻って待機する。縫製動作終了時(S13:YES)、CPU11はミシンモータ81の駆動を停止する(S14)。該時、CPU11はX移動機構6、Y移動機構7の駆動も停止する。CPU11は糸切用パルスモータ57の出力軸58を反時計回りに第一速度で駆動し、可動刃61を変更位置P4に向けて平面視反時計回りに移動する(S15)。第一速度はS7の処理で設定した速度V11である。CPU11はエンコーダ115の出力値に基づき可動刃61が変更位置に達したか否かを判断する(S16)。変更位置はS7の処理で設定した位置Q1である。エンコーダ115の出力値と可動刃61の位置との関係は予めROM12が記憶する。CPU11はエンコーダ115の出力値とROM12を参照して、可動刃61が変更位置に達したか否かを判断する。可動刃61が変更位置に未到達時(S16:NO)、CPU11はS16に戻って待機する。可動刃61が変更位置に到達時(S16:YES)、CPU11は糸切用パルスモータ57の出力軸58を反時計回りに第二速度で駆動し、可動刃61を待機位置P1に向けて平面視反時計回りに移動する(S17)。第二速度はS7の処理で設定した速度V12である。可動刃61は変更位置P4と待機位置P1の間の切断位置P3で下糸17と上糸を切断する。CPU11はエンコーダ115の出力値に基づき可動刃61が待機位置P1に達したと判断する時、糸切用パルスモータ57を停止する。CPU11は処理をS3に戻し、保持枠91を上昇する(S3)。作業者が電源SW15(図5参照)を押して縫製装置1の電源をOFFにすると、CPU11は本処理を終了する。
固定刃60、可動刃61、糸切用パルスモータ57、出力軸58、リンク機構59、糸切機構43、針板50、縫製装置1は本発明の固定刃、可動刃、モータ、出力軸、リンク機構、糸切機構、針板、縫製装置の一例である。制御部9、記憶機器14、操作盤116は本発明の制御部、記憶部、受付部の一例である。縫針23、針棒24、針棒機構21、上側筐体22、上軸ユニット2、上側スプライン軸3は本発明の縫針、針棒、針棒機構、上側筐体、上軸ユニット、上側スプライン軸の一例である。釜16、釜機構41、下側筐体42、下軸ユニット4、下側スプライン軸5は本発明の釜、釜機構、下側筐体、下軸ユニット、下側スプライン軸の一例である。同期機構8、X移動機構6は本発明の同期機構、X移動機構の一例である。
縫製装置1の糸切機構43は出力軸58と可動刃61との間にリンク機構59をカム、ギアを介さずに連結する。縫製装置1のCPU11は糸切用パルスモータ57の回転速度を制御することで、可動刃61の移動速度を所望の速度となるように直接調節できる。糸切機構43は可動刃61の変位と速度変化を糸切用パルスモータ57の角度変化で自由に実現できる。糸切機構43はカム、ギアを介してリンク機構59が駆動する糸切機構43よりも部品点数を削減でき、小型化、軽量化できる。糸切機構43はカム、ギアを介してリンク機構59が駆動する糸切機構43よりも可動刃61の移動速度の変更が容易である。糸切機構43はギアを介してリンク機構59が駆動する糸切機構43が要する給油等のメンテナンス作業と、バックラッシの調整作業が不要であり、ギア噛み合い音等の騒音が発生しない。
CPU11は糸切用パルスモータ57の出力軸58を回転して可動刃61を切断位置P3に移動する時、可動端部P2と切断位置P3の間の変更位置P4で糸切用パルスモータ57の回転速度を第一速度から第二速度に変更する。縫製装置1の糸切機構43は可動刃61を切断位置P3に移動する時、変更位置P4で第一速度から第二速度に変更する。糸切機構43は移動時に第一速度と第二速度の内の何れかの速度で移動する糸切機構43に比べ、切断後に残る上糸の長さのばらつきと糸切断力を最適化できる。
縫製装置1の記憶機器14は可動刃61の移動時の変更位置P4、第一速度、第二速度の少なくとも何れかの値が互いに異なる複数の組合せを記憶する。操作盤116は記憶機器14が記憶する複数の組合せの中から、可動刃61の移動時の糸切用パルスモータ57の制御に用いる組合せの選択を受け付ける。CPU11は操作盤116が受け付けた組合せに従って、変更位置P4で糸切用パルスモータ57の回転速度を第一速度から第二速度に変更する。縫製装置1はシートベルト、エアバッグ等の比較的厚い生地を縫製する時、比較的太い糸を使用して縫製する。該時、縫製装置1の糸切機構43は切断後に残る上糸の長さが多少ばらついたとしても、確実に糸を切断する為に比較的大きな切断力で糸を切断するのが好ましい。縫製装置1は衣服等の比較的薄い生地に縫製する時、比較的細い糸を使用して縫製する。該時、縫製装置1の糸切機構43は確実に糸を切断する為にそれほど大きな切断力は不要であり、切断後に残る上糸の長さのばらつきを低減するのが好ましい。即ち縫製装置1は縫製対象物、糸の太さ、材質等を考慮して糸切機構43の可動刃61の変更位置、第一速度、第二速度を最適化することが好ましい。糸切機構43は可動刃61を待機位置P1から可動端部P2を経て切断位置P3に移動する時、操作盤116が受け付けた組合せの変更位置で第一速度から第二速度に変更する。糸切機構43は移動時に縫製条件に因らず同じ条件で糸を切断する糸切機構43に比べ、縫製条件を考慮して切断後に残る上糸の長さのばらつきと糸切断力を最適化できる。縫製装置1は記憶機器14に組合せ142、143を記憶するので、作業者は縫製条件に適した組合せを容易に選択できる。
縫製装置1は糸切用パルスモータ57の出力軸58の回動位置を検出し、CPU11に出力するエンコーダ115を備える。CPU11はエンコーダ115が出力した回動位置に基づき、可動刃61が変更位置に達したと判断した時、糸切用パルスモータ57の回転速度を第一速度から第二速度に変更する。該縫製装置1は可動刃61が変更位置に達したかをエンコーダ115の出力に依り的確に判断できる。縫製装置1は変更位置で可動刃61の速度をより確実に第一速度から第二速度に変更できる。
縫製装置1は上軸ユニット2、上側スプライン軸3、下軸ユニット4、下側スプライン軸5、同期機構8、X移動機構6を備え、糸切機構43は下軸ユニット4に設ける。縫製装置1の下軸ユニット4は下側スプライン軸5に沿って移動する為、軽量化、小型化することが好ましい。縫製装置1は糸切機構43を下軸ユニット4に設けるので、糸切機構43の構造を下軸ユニット4のみで完結できる。故に縫製装置1は下軸ユニット4を小型化、軽量化できる。故に縫製装置1は下軸ユニット4が下側スプライン軸5に沿って移動する際の負荷を低減できる。
縫製装置1の糸切用パルスモータ57は下側スプライン軸5に対して釜機構41の反対側に設ける。縫製装置1の下軸ユニット4は下側スプライン軸5を間にして釜機構41と糸切用パルスモータ57を配置できる。縫製装置1の下軸ユニット4は下側スプライン軸5を間にして釜機構41と糸切用パルスモータ57を配置しない縫製装置1に比べ、水平面における下側スプライン軸5に垂直な方向の重量バランスを取れる。
本発明の縫製装置1と糸切機構43は上記実施形態の他に種々変更できる。縫製装置1は上軸ユニットと下軸ユニットを同じ筐体に収容したミシンであってもよい。釜16は全回転釜でもよい。記憶機器14はHDD、SSD等他の記憶機器でもよい。図5のテーブル141は、実行する処理と記憶機器の構成に応じて適宜変更してよい。受付部は操作盤116に限らずキーボード、マイク等の他の入力機器でもよい。記憶部、制御部、受付部、エンコーダは必要に応じて省略してよい。
糸切用パルスモータ57の配置は適宜変更してよい。糸切用パルスモータ57はパルスモータ以外のモータでもよい。縫製装置1は下側スプライン軸5に対して釜機構41と同じ側に糸切用パルスモータ57を設けてもよい。固定刃60と可動刃61の形状、大きさ、配置は適宜変更してよい。可動刃61の移動可能範囲、待機位置、可動端部、切断位置、変更位置は適宜変更してよい。リンク機構59の構成は適宜変更してよい。例えば、リンク機構59は第一リンク62を省略してもよい。該場合、糸切用パルスモータ57の出力軸58は上下方向に延び、第二リンク63の後端部に連結すればよい。リンク機構59は第一リンク62、第二リンク63、第三リンク67を省略してもよい。該場合、糸切用パルスモータ57の出力軸58は上下方向に延び、第四リンク70の下端部に継手を介して連結すればよい。
記憶機器14が記憶する複数の組合せは可動刃61の移動時の変更位置P4、第一速度、第二速度の何れかの値が互いに異なっていてもよい。記憶機器14が記憶する組合せは複数でなく、一つでもよい。
図9の縫製制御処理を実行する為のプログラムは縫製装置1がプログラムを実行する迄に縫製装置1が備える記憶機器が記憶すればよい。プログラムの取得方法、取得経路、プログラムを記憶する機器の各々は適宜変更してよい。縫製装置1はプロセッサが実行するプログラムをケーブル又は無線通信を介して他の装置から受信し、記憶機器に記憶してもよい。他の装置は例えばPC、ネットワーク網を介して接続するサーバを含む。
図9の縫製制御処理の各ステップはCPU11が実行する例に限らず、他の電子機器(例えば、ASIC)が一部又は全部の処理を実行してもよい。上記処理の各ステップは複数の電子機器(例えば、複数のCPU)が分散処理してもよい。上記実施形態の縫製制御処理の各ステップは必要に応じて順序の変更、ステップの省略、追加ができる。本発明は縫製装置1のプロセッサからの指令に基づき縫製装置1上で稼動するOS等が実際の処理の一部又は全部を行い、上記実施形態の機能を実現する態様も含む。S12の処理は適宜省略してよい。記憶機器14が記憶する組合せの変更位置、第一速度の少なくとも何れかは互いに同じ値であってもよい。糸切用パルスモータ57の回転方向は糸切機構43の構成に応じて適宜変更してよい。組合せは作業者が記憶機器14に登録可能としてもよい。縫製装置1はS16の処理で糸切用パルスモータ57に対する出力パルス数に基づき可動刃61の位置を特定してもよい。
1 縫製装置
2 上軸ユニット
3 上側スプライン軸
4 下軸ユニット
5 下側スプライン軸
6 X移動機構
9 制御部
21 針棒機構
22 上側筐体
23 縫針
24 針棒
41 釜機構
42 下側筐体
43 糸切機構
48、49 挿通孔
57 糸切用パルスモータ
58 出力軸
59 リンク機構
60 固定刃
61 可動刃
115 エンコーダ
116 操作盤

Claims (7)

  1. 針板の下側に固定した固定刃と、
    前記固定刃に対して水平に回動可能に設け、前記固定刃から離れた位置にある待機位置と、前記固定刃と交差して上糸と下糸を切断する切断位置と、前記切断位置に対して前記待機位置とは反対側の可動端部との間を移動可能な可動刃と、
    前記可動刃を駆動するモータと
    を備え、
    前記モータの出力軸を一方向に回転して前記可動刃を前記待機位置から前記可動端部に移動し、前記モータの前記出力軸を前記一方向と反対の他方向に回転して前記可動刃を前記切断位置に移動して前記上糸と前記下糸を切断する糸切機構において、
    前記モータの前記出力軸と前記可動刃とに直接連結し、前記出力軸の回動を前記可動刃に伝達するリンク機構を備えた糸切機構。
  2. 縫製対象物を載置する針板と、
    上糸と下糸を切断する糸切機構とを備え、
    前記糸切機構は、
    前記針板の下側に固定した固定刃と、
    前記固定刃に対して水平に回動可能に設け、前記固定刃から離れた位置にある待機位置と、前記固定刃と交差して前記上糸と前記下糸を切断する切断位置と、前記切断位置に対して前記待機位置とは反対側の可動端部との間を移動可能な可動刃と、
    前記可動刃を駆動するモータと
    を備え、
    前記モータの出力軸を一方向に回転して前記可動刃を前記待機位置から前記可動端部に移動し、前記モータの前記出力軸を前記一方向と反対の他方向に回転して前記可動刃を前記切断位置に移動して前記上糸と前記下糸を切断する縫製装置において、
    前記糸切機構は、
    前記モータの前記出力軸と前記可動刃とに直接連結し、前記出力軸の回動を前記可動刃に伝達するリンク機構を備えることを特徴とする縫製装置。
  3. 前記モータを制御する制御部を更に備え、
    前記制御部は、前記モータの前記出力軸を前記他方向に回転して前記可動刃を前記切断位置に移動する時、前記可動端部と前記切断位置の間の変更位置で前記モータの回転速度を第一速度から前記第一速度よりも大きい第二速度に変更することを特徴とする請求項2に記載の縫製装置。
  4. 前記可動刃の移動時の前記変更位置、前記第一速度、前記第二速度の少なくとも何れかの値が互いに異なる複数の組合せを記憶する記憶部と、
    前記記憶部が記憶する前記複数の組合せの中から、前記可動刃の移動時の前記モータの制御に用いる前記組合せの選択を受け付ける受付部とを更に備え、
    前記制御部は前記受付部が受け付けた前記組合せに従って、前記変更位置で前記モータの回転速度を前記第一速度から前記第二速度に変更する請求項3に記載の縫製装置。
  5. 前記モータの前記出力軸の回動位置を検出し、前記制御部に出力するエンコーダを更に備え、
    前記制御部は、前記エンコーダが出力した前記回動位置に基づき、前記可動刃が前記変更位置に達したと判断した時、前記モータの回転速度を前記第一速度から前記第二速度に変更することを特徴とする請求項3又は4に記載の縫製装置。
  6. 縫針を装着した針棒を上下動する針棒機構と前記針棒機構を収容する上側筐体を有する上軸ユニットと、
    前記上軸ユニットの前記上側筐体に挿通し、前記針棒機構に動力を伝達する上側スプライン軸と、
    前記針板の下方に設け、釜を駆動する釜機構と前記釜機構を収容する下側筐体を有する下軸ユニットと、
    前記上側スプライン軸と平行に延び、前記下軸ユニットの前記下側筐体に挿通し、前記釜機構に動力を伝達する下側スプライン軸と、
    前記上側スプライン軸と前記下側スプライン軸に架設し、前記上側スプライン軸と前記下側スプライン軸の回転を同期する同期機構と、
    前記上側スプライン軸の軸線方向に沿って前記上軸ユニットを移動し、前記上軸ユニットの移動に同期して前記下側スプライン軸の軸線方向に沿って前記下軸ユニットを移動するX移動機構とを更に備え、
    前記糸切機構は前記下軸ユニットに設けることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の縫製装置。
  7. 前記モータは前記下側スプライン軸に対して前記釜機構の反対側に設けることを特徴とする請求項6に記載の縫製装置。
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