JP2018037458A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子に加わった際の電気的特性の悪化が抑制された固体電解コンデンサを提供すること。
【解決手段】複数のコンデンサ素子10a〜10fが積層された構造を備える固体電解コンデンサ1であって、コンデンサ素子のそれぞれは、表面に多孔質層を有する弁作用金属基体11と、上記多孔質層上に配置された誘電体層12と、上記誘電体層上に形成された固体電解質層13と、上記固体電解質層上に形成された陰極層14a〜14fとを備える。積層されたコンデンサ素子間では、上記陰極層の面の少なくとも一部で上記陰極層同士が直接接着していることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、固体電解コンデンサに関する。
積層型の固体電解コンデンサとしては、特許文献1に記載されたような構造のものが知られている。具体的には、弁作用金属を含む陽極体の一方のコンデンサ素子陽極部と、陽極体の他方の表面に順次形成された誘電体層、固体電解質層、グラファイト層及び銀ペースト層を含むコンデンサ素子陰極部とからなるコンデンサ素子が積層された構造のものが知られている。この構造において、コンデンサ素子陰極部は、導電性接着剤を用いて接着されることにより積層されている。また、積層されたコンデンサ素子の下端に位置するコンデンサ素子のコンデンサ素子陰極部は、導電性接着剤を用いて陰極端子と接着されることによって電気的に接続されている。
特開2012−231120号公報
コンデンサ素子陰極部を他のコンデンサ素子陰極部又は陰極端子と接着するための導電性接着剤は、コンデンサ素子陰極部に部分的に塗布される。そのため、積層時にコンデンサ素子が傾くことがあってコンデンサ素子を平行に積層できないことがある。また、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子に加わった際に応力集中が発生して電気的特性に不具合が発生することがある。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子に加わった際の電気的特性の悪化が抑制された固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明の固体電解コンデンサの第一の態様は、複数のコンデンサ素子が積層された構造を備える固体電解コンデンサであって、上記コンデンサ素子のそれぞれは、表面に多孔質層を有する弁作用金属基体と、上記多孔質層上に配置された誘電体層と、上記誘電体層上に形成された固体電解質層と、上記固体電解質層上に形成された陰極層とを備え、積層された上記コンデンサ素子間では、上記陰極層の面の少なくとも一部で上記陰極層同士が直接接着していることを特徴とする。
本発明の固体電解コンデンサの第一の態様では、積層されたコンデンサ素子間において、陰極層同士が直接接着している。これは、コンデンサ素子間の接着が導電性接着剤を介さずにされていることを意味している。
コンデンサ素子間を導電性接着剤を介さずに接着すると、導電性接着剤の塗布される厚さバラツキに起因して積層時にコンデンサ素子が傾くという現象が防止されて、コンデンサ素子が平行に積層される。
また、積層時にコンデンサ素子が傾かないため、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子の積層体に加わった際に応力集中が発生することも防止される。その結果、特にリフロー後の漏れ電流の増加率が小さくなる。
本発明の固体電解コンデンサで上記陰極層同士が直接接着している面においては、陰極層の面の中央部で陰極層同士が直接接着していることが好ましい。
陰極層同士が陰極層の面の中央部で直接接着していると、陰極層の面の端部で直接接着する場合に比べてコンデンサ素子が傾く可能性が低くなるため、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子の積層体に加わった際に応力集中の発生がより効果的に防止される。
本発明の固体電解コンデンサで上記陰極層同士が直接接着している面においては、陰極層の面の面積の30%以上で陰極層同士が直接接着していることが好ましい。
陰極層同士が直接接着している面積を適度に広くすることによって、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子の積層体に加わった際に応力集中の発生がより効果的に防止される。特に、リフロー後のESR(等価直列抵抗)の増加率が小さくなる。
本発明の固体電解コンデンサでは、上記陰極層同士が直接接着している面の全体において、上記陰極層の間に導電性接着剤が存在していないことが好ましい。
すなわち、本発明の固体電解コンデンサでは、陰極層同士の接着は直接接着のみによって行われていることが好ましく、導電性接着剤を介した接着がされている部分がないことが好ましい。言い換えると、コンデンサ素子間で陰極層同士が直接接着されていない部分については、導電性接着剤を介した接着がされているよりも、接着自体がされていないほうが好ましい。
本発明の固体電解コンデンサの第二の態様は、コンデンサ素子が陰極引出電極に接して設けられた固体電解コンデンサであって、上記コンデンサ素子は、表面に多孔質層を有する弁作用金属基体と、上記多孔質層上に配置された誘電体層と、上記誘電体層上に形成された固体電解質層と、上記固体電解質層上に形成された陰極層とを備え、上記陰極引出電極に接して設けられたコンデンサ素子の上記陰極層の面の少なくとも一部と、上記陰極引出電極とが直接接着していることを特徴とする。
本発明の固体電解コンデンサの第二の態様では、コンデンサ素子の陰極層と陰極引出電極とが直接接着している。これは、コンデンサ素子の陰極層と陰極引出電極との間の接着が導電性接着剤を介さずにされていることを意味している。
この部分を導電性接着剤を介さずに接着すると、陰極引出電極に接してコンデンサ素子を設ける際に、導電性接着剤の塗布される厚さバラツキに起因してコンデンサ素子が傾くという現象が防止されて、コンデンサ素子が陰極引出電極に対して平行に設けられる。
また、コンデンサ素子が傾かないため、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子に加わった際に応力集中が発生することも防止される。その結果、特にリフロー後の漏れ電流の増加率が小さくなる。
本発明の固体電解コンデンサで上記陰極層と上記陰極引出電極とが直接接着している面においては、陰極層の面の中央部で上記陰極層と上記陰極引出電極とが直接接着していることが好ましい。
陰極層と陰極引出電極とが陰極層の面の中央部で直接接着していると、陰極層の面の端で直接接着する場合に比べてコンデンサ素子が傾く可能性が低くなるため、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子に加わった際に応力集中の発生がより効果的に防止される。
本発明の固体電解コンデンサで上記陰極層と上記陰極引出電極とが直接接着している面においては、陰極層の面の面積の30%以上で上記陰極層と上記陰極引出電極とが直接接着していることが好ましい。
陰極層と陰極引出電極とが直接接着している面積を適度に広くすることによって、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子に加わった際に応力集中の発生がより効果的に防止される。特に、リフロー後のESRの増加率が小さくなる。
本発明の固体電解コンデンサで上記陰極層と上記陰極引出電極とが直接接着している面においては、上記陰極層と上記陰極引出電極との間に導電性接着剤が存在していないことが好ましい。
すなわち、本発明の固体電解コンデンサでは、陰極層と陰極引出電極との接着は直接接着のみによって行われていることが好ましく、導電性接着剤を介した接着がされている部分がないことが好ましい。言い換えると、陰極層と陰極引出電極との間で陰極層と陰極引出電極とが直接接着されていない部分については、導電性接着剤を介した接着がされているよりも、接着自体がされていないほうが好ましい。
本発明の固体電解コンデンサの第三の態様は、複数のコンデンサ素子が積層された構造を備えており、上記コンデンサ素子の少なくとも1つが陰極引出電極に接して設けられた固体電解コンデンサであって、上記コンデンサ素子のそれぞれは、表面に多孔質層を有する弁作用金属基体と、上記多孔質層上に配置された誘電体層と、上記誘電体層上に形成された固体電解質層と、上記固体電解質層上に形成された陰極層とを備え、積層された上記コンデンサ素子間では、上記陰極層の面の少なくとも一部で上記陰極層同士が直接接着しており、かつ、上記陰極引出電極に接して設けられたコンデンサ素子の上記陰極層の面の少なくとも一部と、上記陰極引出電極とが直接接着していることを特徴とする。
本発明の固体電解コンデンサの第三の態様では、積層された複数のコンデンサ素子間における陰極層同士、及び、コンデンサ素子の陰極層と陰極引出電極がそれぞれ直接接着しており、これらの間の接着が導電性接着剤を介さずにされている。
これらの部分を導電性接着剤を介さずに接着すると、複数のコンデンサ素子を積層する際、及び、陰極引出電極に接してコンデンサ素子を設ける際に、導電性接着剤の塗布される厚さバラツキに起因してコンデンサ素子が傾くことが防止されて、コンデンサ素子が陰極引出電極及び他のコンデンサ素子に対して平行に積層される。
また、コンデンサ素子が傾かないため、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子に加わった際に応力集中が発生することも防止される。その結果、特にリフロー後の漏れ電流の増加率が小さくなる。
なお、本発明の固体電解コンデンサの第三の態様においても、上記陰極層同士が直接接着している面においては、陰極層の面の中央部で陰極層同士が直接接着していることが好ましい。
また、上記陰極層同士が直接接着している面においては、陰極層の面の面積の30%以上で陰極層同士が直接接着していることが好ましい。
また、上記陰極層同士が直接接着している面においては、上記陰極層の間に導電性接着剤が存在していないことが好ましい。
さらに、本発明の固体電解コンデンサの第三の態様においても、上記陰極層と上記陰極引出電極とが直接接着している面においては、陰極層の面の中央部で上記陰極層と上記陰極引出電極とが直接接着していることが好ましい。
また、上記陰極層と上記陰極引出電極とが直接接着している面においては、陰極層の面の面積の30%以上で上記陰極層と上記陰極引出電極とが直接接着していることが好ましい。
また、上記陰極層と上記陰極引出電極とが直接接着している面においては、上記陰極層と上記陰極引出電極との間に導電性接着剤が存在していないことが好ましい。
本発明の固体電解コンデンサでは、上記陰極層は、樹脂を含んでいることが好ましい。
陰極層が樹脂を含んでいると、樹脂を加熱及び/又は加熱することによって他のコンデンサ素子の陰極層又は陰極引出電極と直接接着させることが容易になる。
また、上記樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
樹脂が熱可塑性樹脂であると陰極層を他のコンデンサ素子の陰極層又は陰極引出電極と直接接着させることにより適している。
本発明の固体電解コンデンサでは、陰極層同士を接着させる前及び陰極層同士を接着させた後の両方において、コンデンサ素子1個あたり、上記陰極層が形成されている部位の最大厚みと最小厚みとの差は、50μm以内であることが好ましい。
コンデンサ素子自体に厚みばらつきが少ない素子を使用することによって、コンデンサ素子を積層した際にコンデンサ素子が傾く可能性がより低くなるため、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子の積層体に加わった際に応力集中の発生がさらに効果的に防止される。
本発明によれば、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子に加わった際の電気的特性の悪化が抑制された固体電解コンデンサを提供することができる。
図1は、本発明の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子を模式的に示す断面図である。 図2(a)及び図2(b)は、複数のコンデンサ素子を積層して、コンデンサ素子間で陰極層同士を直接接着させた様子を模式的に示す断面図である。 図3は、陰極層の面において接着された領域を模式的に示す上面図である。 図4は、コンデンサ素子の陰極層と陰極引出電極とを直接接着させた様子を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の固体電解コンデンサの一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の固体電解コンデンサについて説明する。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
[コンデンサ素子]
はじめに、本発明の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子について説明する。
図1は、本発明の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子を模式的に示す断面図である。
図1に示すコンデンサ素子10は、弁作用金属基体11を備え、弁作用金属基体11の表面の一部に誘電体層12を有している。弁作用金属基体11の片側端部には、陽極部21が形成され、陽極部21に接して弁作用金属基体11の上には、絶縁部として、所定幅の絶縁層20が周設されている。図1では、陽極部21及び絶縁層20を除いた弁作用金属基体11上に誘電体層12が形成されている。誘電体層12上には固体電解質層13が形成されており、固体電解質層13上には陰極層14が形成されている。固体電解質層13と陰極層14は直接接着している。陰極層14によって、陰極部22が形成されている。なお、誘電体層12は、弁作用金属基体11上の絶縁層20が設けられている部分にも形成されていてもよく、さらに、陽極部21の一部にも形成されていてもよい。
コンデンサ素子において、弁作用金属基体は、いわゆる弁作用を示す弁作用金属からなる。弁作用金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム等の金属単体、又は、これらの金属を含む合金等が挙げられる。これらの中では、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
弁作用金属基体の形状は、平板状であることが好ましく、箔状であることがより好ましい。また、弁作用金属基体の表面には、エッチング層等の多孔質層が設けられている。
誘電体層は、上記弁作用金属の酸化皮膜からなることが好ましい。例えば、弁作用金属基体としてアルミニウム箔が用いられる場合、ホウ酸、リン酸、アジピン酸、又は、それらのナトリウム塩、アンモニウム塩等を含む水溶液中で陽極酸化することにより、酸化皮膜を形成することができる。
コンデンサ素子においては、陽極部と陰極部とを確実に分離するため、絶縁層が設けられていることが好ましい。絶縁層の材料としては、例えば、ポリフェニルスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、シアン酸エステル樹脂、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、及び、それらの誘導体又は前駆体等の絶縁性樹脂が挙げられる。
固体電解質層を構成する材料としては、例えば、ピロール類、チオフェン類、アニリン類等を骨格とした導電性高分子等が挙げられる。チオフェン類を骨格とする導電性高分子としては、例えば、PEDOT[ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)]が挙げられ、ドーパントとなるポリスチレンスルホン酸(PSS)と複合化させたPEDOT:PSSであってもよい。
陰極層は、下地であるカーボン層とその上の銀層からなることが好ましいが、カーボン層のみであってもよく、銀層のみであってもよい。カーボン層と銀層からなる場合、カーボン層と銀層は直接接着している。また、カーボン層や銀層は、それぞれ複数層からなってもよいが、それぞれ1層からなることが好ましい。
陰極層は、他のコンデンサ素子の陰極層又は陰極引出電極と直接接着させるために、その最表面の層に樹脂を含むことが好ましい。
カーボン層は、導電性のあるカーボンと樹脂を含むことが好ましく、樹脂としてはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
銀層は、銀と樹脂を含むことが好ましく、樹脂としては熱可塑性樹脂としてのポリエステル樹脂、又は、熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂等を使用することができる。
陰極層の最表面の層が含む樹脂としては熱可塑性樹脂が好ましく、特に熱可塑性のポリエステル樹脂が好ましい。熱可塑性のポリエステル樹脂を使用すると、陰極層の面における接着面積を増やすことができ、ESRを低くすることができる。また、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子の積層体に加わった際のESRの増加率を低くすることができる。
本発明の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子は、陰極層が形成されている部位の厚みばらつきが小さい素子であることが好ましい。陰極層が形成されている部位の厚みばらつきが少ないコンデンサ素子を積層することにより、積層体としても傾きが少なくなる。具体的には、陰極層を接着させる前のコンデンサ素子1個あたり、陰極層が形成されている部位の最大厚みと最小厚みとの差が、50μm以内であることが好ましい。
[固体電解コンデンサ]
以下、上記コンデンサ素子を含む本発明の固体電解コンデンサについて説明する。
本発明の固体電解コンデンサの第一の態様では、積層されたコンデンサ素子間において、陰極層同士が直接接着している。以下、この態様について説明する。
図2(a)及び図2(b)は、複数のコンデンサ素子を積層して、コンデンサ素子間で陰極層同士を直接接着させた様子を模式的に示す断面図である。
図2(a)には、接着する前のコンデンサ素子10a及びコンデンサ素子10bを陰極層同士(陰極層14a及び陰極層14b)を対向させて配置した状態を示している。
コンデンサ素子10aの陰極層14aの面とコンデンサ素子10bの陰極層14bの面を対向させて加熱加圧する(加圧の方向を図2(a)では矢印で示しており、図面の上側に示したコンデンサ素子10bをコンデンサ素子10aに向けて加圧している)と、陰極層に含まれる樹脂により陰極層同士(陰極層14a及び陰極層14b)が直接接着される。
図2(b)にはコンデンサ素子10a及びコンデンサ素子10bの陰極層同士(陰極層14a及び陰極層14b)が直接接着された状態を示している。
陰極層14aと陰極層14bが直接接着された部分では陰極層が一体化している。図2(b)では陰極層同士が直接接着されて一体化した部分につき、陰極層14aと陰極層14bの間の境界線を消して示している。
また、図2(b)において陰極層14aと陰極層14bが接着されていない部分については、陰極層14aと陰極層14bの間の境界線を残すことで示している。
図2(b)には、陰極層の面の中央部で陰極層同士が直接接着された状態を示している。「陰極層の面の中央部で接着された」とは、互いに対向する陰極層の面の中心を含む領域で接着がされていることを意味している。陰極層の面の中心は、陰極層の面の図形の重心として定めればよい。陰極層の面の形状は長方形であることが多いので、その場合は対角線の交点である。陰極層の面のどの部分で接着がされているかは、接着されたコンデンサ素子を陰極層の面で剥離して、圧着痕を観察することにより判定することができる。
図3は、陰極層の面において接着された領域を模式的に示す上面図である。
図3には、両矢印Lで示す長さ、及び、両矢印Wで示す幅を有する上面視長方形の陰極層14を示している。そして、接着された領域の例として、長方形の中心(長方形の重心)Cを含み、長さ1/2L、幅1/2Wの領域を長方形で示している。
この場合、陰極層14の面の面積の25%(1/2×1/2×100(%))が接着された領域である。
陰極層の面において接着された領域の広さも、接着されたコンデンサ素子を陰極層の面で剥離して、圧着痕を観察することにより測定することができる。
陰極層同士が直接接着している面においては、陰極層の面の面積の30%以上で陰極層同士が直接接着していることが好ましく、40%以上で陰極層同士が直接接着していることがより好ましく、50%以上で陰極層同士が直接接着していることがさらに好ましい。また、陰極層の面の面積の全て(100%)で陰極層同士が直接接着していることが最も好ましい。
また、陰極層同士が直接接着している面の全体において、陰極層の間に導電性接着剤が存在していないことが好ましい。すなわち、図2(b)に示すように、陰極層同士が直接接着されていない部分があったとしても、その部分については、導電性接着剤を介した接着がされているよりも、接着自体がされていないほうが好ましい。
図2(b)において陰極層14aと陰極層14bの間の境界線を残した部分については、陰極層14aと陰極層14bの間が離間しており、空間となっている。
本発明の固体電解コンデンサの第二の態様ではコンデンサ素子の陰極層と陰極引出電極とが直接接着している。以下、この態様について説明する。
図4は、コンデンサ素子の陰極層と陰極引出電極とを直接接着させた様子を模式的に示す断面図である。
陰極引出電極は、コンデンサ素子の陰極層と電気的に接続される電極である。陰極引出電極としては基板上に設けられた配線パターンの一部である端子電極やリード等を使用することができる。
図4には、陰極引出電極32とコンデンサ素子10の陰極層14が直接接着された状態を示している。陰極引出電極と陰極層の材質は通常は異なるため、陰極引出電極と陰極層が直接接着されたとしても両者が一体化するわけではないが、図4では陰極引出電極と陰極層が直接接着された部分について、陰極引出電極32を示すハッチングと陰極層14を示すハッチングの間の境界線を消して示している。
また、陰極引出電極32と陰極層14が接着されていない部分については、陰極引出電極32と陰極層14の間の境界線を残すことで示している。
図4には、陰極層の面の中央部で陰極層と陰極引出電極とが直接接着された状態を示している。「陰極層の面の中央部で接着された」ということの意味は、「陰極層の面の中央部でコンデンサ素子の陰極層同士が直接接着された」場合について説明した意味と同様である。
また、陰極層の面において接着された領域の広さについても、コンデンサ素子の陰極層同士が直接接着された場合について説明した意味と同じである。
陰極層の面のどの部分で接着がされているか、及び、陰極層の面において接着された領域の広さは、接着されたコンデンサ素子の陰極層と陰極引出電極を剥離して、陰極層の圧着痕を観察することにより判定することができる。
陰極層と陰極引出電極とが直接接着している面においては、陰極層の面の面積の30%以上で陰極層と陰極引出電極とが直接接着していることが好ましく、40%以上で陰極層と陰極引出電極とが直接接着していることがより好ましく、50%以上で陰極層と陰極引出電極とが直接接着していることがさらに好ましい。
また、陰極層と陰極引出電極とが直接接着している面の面積が陰極層の面の面積の全て(100%)であることが最も好ましい。
また、陰極層と陰極引出電極とが直接接着している面において、陰極層と陰極引出電極との間に導電性接着剤が存在していないことが好ましい。すなわち、図4に示すように、陰極層同士が直接接着されていない部分があったとしても、その部分については、導電性接着剤を介した接着がされているよりも、接着自体がされていないほうが好ましい。
なお、本発明の固体電解コンデンサにおいて、「コンデンサ素子が陰極引出電極に接して設けられた」という概念には、図4に示すような陰極引出電極が下にあってコンデンサ素子が上にある場合のほかに、コンデンサ素子が下にあって陰極引出電極が上にある場合や、2つのコンデンサ素子により陰極引出電極が挟まれている場合も含む。
また、固体電解コンデンサに陰極引出電極が複数設けられていてもよい。
本発明の固体電解コンデンサの第三の態様では、積層されたコンデンサ素子間において、陰極層同士が直接接着しており、かつ、コンデンサ素子の陰極層と陰極引出電極とが直接接着している。以下、この態様について説明する。
図5は、本発明の固体電解コンデンサの一例を模式的に示す断面図である。
固体電解コンデンサ1は、陰極引出電極32が最も下に位置し、陰極引出電極32に接してコンデンサ素子10aが設けられ、さらにコンデンサ素子10aの上にコンデンサ素子10b、コンデンサ素子10c、コンデンサ素子10d、コンデンサ素子10e、コンデンサ素子10fが順次積層された構造を有する。
陰極引出電極32に接するコンデンサ素子10aの陰極層14aは陰極引出電極32と直接接着している。この直接接着の態様は上述した本発明の固体電解コンデンサの第二の態様の場合と同様である。そのため、その詳細な説明は省略する。
複数の各コンデンサ素子10a、コンデンサ素子10b、コンデンサ素子10c、コンデンサ素子10d、コンデンサ素子10e、コンデンサ素子10fの陰極層同士(陰極層14a、陰極層14b、陰極層14c、陰極層14d、陰極層14e、陰極層14fのうち隣り合う2つの陰極層)は直接接着している。
この直接接着の態様は上述した本発明の固体電解コンデンサの第一の態様の場合と同様である。そのため、その詳細な説明は省略する。
なお、図5には固体電解コンデンサの構成のうち特徴的な部分のみを示しており、陽極部と外部との接合や樹脂封止等の詳細については省略しているが、これらについては通常の固体電解コンデンサにおいて用いられる形態を使用することができる。
[固体電解コンデンサの製造方法]
続いて、本発明の固体電解コンデンサを製造する方法の一例について説明する。
以下には、図5に示すような固体電解コンデンサを製造する方法を例にして説明する。
まず、コンデンサ素子を製造する。コンデンサ素子の製造方法としては従来知られていた方法を使用することができるが、例えば、以下のように製造される。
エッチング層等の多孔質層を表面に有する弁作用金属基体を準備する。弁作用金属基体については、[コンデンサ素子]で説明したとおりである。弁作用金属基体は、陽極引出部と、陰極層形成部と、陽極引出部及び陰極層形成部を分画する絶縁層形成部と、を有する。
次に、弁作用金属基体の陰極層形成部の表面に、酸化皮膜からなる誘電体層を形成する。酸化皮膜は、弁作用金属基体の表面に対して陽極酸化処理(化成処理ともいう)を行うことにより形成される。
また、弁作用金属基体の絶縁層形成部の表面に絶縁層を形成することが好ましい。絶縁層の材料としては、[コンデンサ素子]で説明したものを使用することができる。絶縁層は、絶縁性樹脂等の材料を絶縁層形成部の表面に塗布し、加熱等によって固化または硬化させて形成される。なお、絶縁層の形成は、誘電体層を形成する前に行ってもよい。
その後、表面に誘電体層を有する弁作用金属基体を固体電解質層によって被覆する。固体電解質層として、誘電体層及び弁作用金属基体の多孔質層の内部に内層を形成した後、誘電体層の表面上に外層を形成することが好ましい。
固体電解質層は、例えば、導電性高分子を分散させたディスパージョン液(導電性ポリマー液ともいう)又は導電性高分子の前駆体を分散させたディスパージョン液(モノマー液)を使用し、これらの液を乾燥、又は重合等を行うことにより形成される。
続いて、固体電解質層上に陰極層を形成する。陰極層は、カーボン層及び銀層を順次積層することにより形成されることが好ましいが、カーボン層のみでもよく、銀層のみでもよい。カーボン層及び銀層は、例えば、カーボンペーストを塗布及び乾燥させた後に、銀ペーストを塗布及び乾燥させることにより形成される。
カーボンペーストは、導電性のあるカーボンと樹脂を含むことが好ましく、樹脂としてはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
銀ペーストは、銀と樹脂を含むことが好ましく、樹脂としては熱可塑性樹脂としてのポリエステル樹脂、又は、熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂等を使用することができる。
陰極層の最も外側に形成するために使用するカーボンペースト及び/又は銀ペーストが含む樹脂としては熱可塑性樹脂が好ましく、特に熱可塑性のポリエステル樹脂が好ましい。熱可塑性のポリエステル樹脂を使用すると、陰極層の面における接着面積を増やすことができ、ESRを低くすることができる。また、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子の積層体に加わった際のESRの増加率を低くすることができる。
以上の工程により、コンデンサ素子を製造することができる。
製造したコンデンサ素子を1つ、陰極引出電極が形成された基板上に、陰極引出電極とコンデンサ素子の陰極部を重ねて載置する。さらに、載置したコンデンサ素子の上に別のコンデンサ素子を陰極部同士が重なるようにして載置して積層体とする。
続けて、この積層体に対して加熱加圧を行うことにより、陰極引出電極及びコンデンサ素子の陰極部を直接接着するとともに、積層されたコンデンサ素子の陰極部同士を直接接着する。
積層体の加熱加圧の条件としては、加熱温度100℃以上、250℃以下であることが好ましく、積層体一つあたりの加圧圧力1N以上、10N以下であることが好ましく、加熱加圧時間10秒以上、600秒以下であることが好ましい。
また、陰極引出電極は基板上に形成されていなくてもよく、2つのコンデンサ素子の陰極部の間に挟まれていてもよい。そのため、複数のコンデンサ素子の陰極部を重ねて複数のコンデンサ素子の積層体を作製し、積層体の上にリード等の陰極引出電極を載置し、さらに陰極引出電極の上に別のコンデンサ素子の陰極部を重ねて別の複数のコンデンサ素子の積層体を重ね、陰極部で陰極引出電極が挟まれた積層体を作製して、加熱加圧を行ってもよい。
また、積層体を作製する際には、陰極引出電極とコンデンサ素子の陰極部の間、及び、コンデンサ素子の陰極部同士の間にはいずれも導電性接着剤を使用しないことが好ましい。
上記工程により本発明の固体電解コンデンサを製造することができるが、さらに、陰極引出電極と陽極部が露出するようにトランスファーモールド等の方法による封止を行うことが好ましい。
以下、本発明の固体電解コンデンサをより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、弁作用金属基体として、表面にエッチング層を有するアルミニウム化成箔を準備した。アルミニウム箔を覆うように、酸化皮膜からなる誘電体層を形成し、得られたアルミニウム化成箔を陽極素子とした。酸化皮膜は、アルミニウム箔の表面をアジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬させて電圧を印加することで形成した。
次に、陽極と陰極の短絡を防止するために、アルミニウム化成箔の長軸方向の一端から所定の間隔を隔てた位置において、アルミニウム化成箔を一周するように帯状の絶縁層を形成した。
その後、絶縁層で分割されたアルミニウム化成箔のうち、面積の大きい部分(エッチング層)に導電性ポリマー液を含侵させ、固体電解質層の内層を形成した。内層用の導電性ポリマー液として、市販のPEDOT:PSS(Sigma−Aldrich社製Orgacon HIL−1005)を用いた。
続いて、誘電体層を有する弁作用金属基体の全体を導電性ポリマー配合液に浸漬させることにより、固体電解質層の外層を形成し、弁作用金属基体を固体電解質層によって被覆した。外層用の導電性ポリマー配合液として、市販のPEDOT:PSS(Sigma−Aldrich社製Orgacon HIL−1005)を含む配合液を用いた。導電性ポリマー配合液には分散媒として水、高沸点溶剤としてDMSOを使用した。
固体電解質層の表面をカーボンペーストに浸漬した。カーボンペースト中の樹脂としてはフェノール樹脂を使用した。その後、乾燥させることにより、カーボン層を形成した。
得られたカーボン層の表面を銀ペーストに浸漬した後、乾燥させることにより、銀層を形成した。銀ペースト中の樹脂としては、熱可塑性のポリエステル樹脂を使用した。
このようにして固体電解質層上に、カーボン層と銀層からなる陰極層を形成させてコンデンサ素子を作製した。
陰極引出電極として銅電極を使用したガラスエポキシ基板上の銅電極上に、作製したコンデンサ素子の陰極層を重ねた。さらに、そのコンデンサ素子の陰極層上に、さらに別のコンデンサ素子を陰極層同士が重なるように6層に積層して積層体とした。
この積層体をプレス温度200℃、プレス圧力3N、プレス時間30秒で加熱圧着させた。プレス圧力は積層体1つあたり3Nという意味である。
この加熱圧着により、コンデンサ素子の陰極層の面と陰極引出電極とが直接接着され、かつ、積層されたコンデンサ素子間で陰極層同士が直接接着された。
上記積層体を、陰極引出電極と陽極部が露出するようにシリカ粉末入りエポキシ樹脂を用いたトランスファーモールドにより樹脂封止した。
露出した陽極部同士が電気的に接続されるように、封止樹脂表面に導電性樹脂ペーストを塗布した。陰極引出電極の露出面にも、同様に導電性樹脂ペーストを塗布した。その後、、Niめっき、Snめっきを施し、陽極外部電極および陰極外部電極を形成した。
上記工程により固体電解コンデンサを作製した。
(実施例2〜4)
積層体のプレス条件を表1に示すように変更したほかは実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例5)
銀ペースト中の樹脂として熱可塑性のポリエステル樹脂に代えて熱硬化性のエポキシ樹脂を使用し、積層体のプレス条件を表1に示すように変更したほかは実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
ガラスエポキシ基板上の銅電極とコンデンサ素子の陰極層の間、及び、コンデンサ素子の陰極層同士の間にそれぞれ銀を含む導電性接着剤を0.20mg塗布して積層体を作製した。積層体のプレス条件は表1に示すように変更した。
その他の条件は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
比較例1においてガラスエポキシ基板上の銅電極とコンデンサ素子の陰極層の間、及び、コンデンサ素子の陰極層同士の間に塗布する導電性接着剤の量を0.05mgに変更して積層体を作製した。積層体のプレス条件は表1に示すように変更した。
その他の条件は比較例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
[初期特性]
各実施例及び各比較例で作製した各固体電解コンデンサについて以下の試験を行った。
(接着面積および接着位置の確認)
固体電解コンデンサを各10個作製し、コンデンサ素子を一つずつ剥離して、圧着痕から接着面積を求め、陰極層の面積で除して、陰極層の表面に対する接着面積を(%)で算出した。
積層された各コンデンサ素子の陰極層について接着面積を算出し、その平均値として表1に示した。
また、上記圧着痕から接着位置を求めた。実施例1〜5および比較例1、2の何れにおいても、陰極層の面の中央部での接着が確認された。
(ESRの測定)
LCRメーターを用いて、100kHzにおける等価直列抵抗(ESR)を測定し、この値を初期ESRとした。
(LC(漏れ電流)の測定)
固体電解コンデンサの陽極側と陰極側のそれぞれにプローブを当てて、電流計を接続して16Vの電圧を印加し、2分後の電流値を漏れ電流(LC@2分)として測定した。
[リフロー後特性]
各固体電解コンデンサに対してJ−STD−020D(JEDEC)に基づくリフロー条件(最高温度260℃/255℃以上を30秒)での高温処理を行った。その後、上記(ESRの測定)及び(LCの測定)として同様にESR及びLCを測定した。
Figure 2018037458
各実施例の固体電解コンデンサは、各比較例の固体電解コンデンサと比べて、リフロー後のLCの変化が非常に小さくなっていた。このことから、熱的な力又は物理的な力がコンデンサ素子に加わった際の電気的特性の悪化が抑制された固体電解コンデンサであることが分かった。
ESRについては、接着面積が陰極層の面の面積の30%以上である場合にリフロー前、リフロー後ともに小さくなることが分かった。
1 固体電解コンデンサ
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f コンデンサ素子
11 弁作用金属基体
12 誘電体層
13 固体電解質層
14、14a、14b、14c、14d、14e、14f 陰極層
20 絶縁層
21 陽極部
22 陰極部
32 陰極引出電極

Claims (18)

  1. 複数のコンデンサ素子が積層された構造を備える固体電解コンデンサであって、
    前記コンデンサ素子のそれぞれは、表面に多孔質層を有する弁作用金属基体と、前記多孔質層上に配置された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された固体電解質層と、前記固体電解質層上に形成された陰極層とを備え、
    積層された前記コンデンサ素子間では、前記陰極層の面の少なくとも一部で前記陰極層同士が直接接着していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記陰極層同士が直接接着している面においては、陰極層の面の中央部で陰極層同士が直接接着している請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記陰極層同士が直接接着している面においては、陰極層の面の面積の30%以上で陰極層同士が直接接着している請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記陰極層同士が直接接着している面の全体において、前記陰極層の間に導電性接着剤が存在していない請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  5. コンデンサ素子が陰極引出電極に接して設けられた固体電解コンデンサであって、
    前記コンデンサ素子は、表面に多孔質層を有する弁作用金属基体と、前記多孔質層上に配置された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された固体電解質層と、前記固体電解質層上に形成された陰極層とを備え、
    前記陰極引出電極に接して設けられたコンデンサ素子の前記陰極層の面の少なくとも一部と、前記陰極引出電極とが直接接着していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  6. 前記陰極層と前記陰極引出電極とが直接接着している面においては、陰極層の面の中央部で前記陰極層と前記陰極引出電極とが直接接着している請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
  7. 前記陰極層と前記陰極引出電極とが直接接着している面においては、陰極層の面の面積の30%以上で前記陰極層と前記陰極引出電極とが直接接着している請求項5又は6に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 前記陰極層と前記陰極引出電極とが直接接着している面においては、前記陰極層と前記陰極引出電極との間に導電性接着剤が存在していない請求項5〜7のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  9. 複数のコンデンサ素子が積層された構造を備えており、前記コンデンサ素子の少なくとも1つが陰極引出電極に接して設けられた固体電解コンデンサであって、
    前記コンデンサ素子のそれぞれは、表面に多孔質層を有する弁作用金属基体と、前記多孔質層上に配置された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された固体電解質層と、前記固体電解質層上に形成された陰極層とを備え、
    積層された前記コンデンサ素子間では、前記陰極層の面の少なくとも一部で前記陰極層同士が直接接着しており、かつ、
    前記陰極引出電極に接して設けられたコンデンサ素子の前記陰極層の面の少なくとも一部と、前記陰極引出電極とが直接接着していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  10. 前記陰極層同士が直接接着している面においては、陰極層の面の中央部で陰極層同士が直接接着している請求項9に記載の固体電解コンデンサ。
  11. 前記陰極層同士が直接接着している面においては、陰極層の面の面積の30%以上で陰極層同士が直接接着している請求項9又は10に記載の固体電解コンデンサ。
  12. 前記陰極層同士が直接接着している面においては、前記陰極層の間に導電性接着剤が存在していない請求項9〜11のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  13. 前記陰極層と前記陰極引出電極とが直接接着している面においては、陰極層の面の中央部で前記陰極層と前記陰極引出電極とが直接接着している請求項9〜12のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  14. 前記陰極層と前記陰極引出電極とが直接接着している面においては、陰極層の面の面積の30%以上で前記陰極層と前記陰極引出電極とが直接接着している請求項9〜13のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  15. 前記陰極層と前記陰極引出電極とが直接接着している面においては、前記陰極層と前記陰極引出電極との間に導電性接着剤が存在していない請求項9〜14のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  16. 前記陰極層は、樹脂を含んでいる請求項1〜15のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  17. 前記樹脂は、熱可塑性樹脂である請求項16に記載の固体電解コンデンサ。
  18. 陰極層同士を接着させる前及び陰極層同士を接着させた後の両方において、コンデンサ素子1個あたり、前記陰極層が形成されている部位の最大厚みと最小厚みとの差は、50μm以内である請求項1〜17のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
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