JP6702427B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサに関する。
小型で大容量の固体電解コンデンサとして、例えば、特許文献1には、表面に誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属箔の所定の位置に絶縁部を設けて陽極電極部と陰極形成部に分離し、この陰極形成部に導電性高分子からなる固体電解質層と、カーボン層及び銀ペースト層からなる陰極層とを順次積層することにより陰極電極部が形成されたコンデンサ素子を複数枚積層した構造を有する固体電解コンデンサが開示されている。
特開2008−135427号公報
特許文献1に記載されているような従来の固体電解コンデンサでは、コンデンサ素子を積層したときの陽極部及び陰極部の全体の内部抵抗を低減することができるため、等価直列抵抗(ESR)の低い固体電解コンデンサが得られるとされている。
しかし、ESRの初期値、すなわち、製造直後のESRが低くても、該コンデンサを高温下で使用した場合にESRが増大する場合があることが知られている。このように、ESRの初期値とESRの熱安定性には相関がないため、ESRの熱安定性に優れた固体電解コンデンサの開発が求められている。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、高温にさらされた場合におけるESRの経時変化が小さい固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明の固体電解コンデンサは、並列に積層された複数のコンデンサ素子と、上記複数のコンデンサ素子を封止する外装樹脂とを備える固体電解コンデンサであって、上記複数のコンデンサ素子は、それぞれ、弁作用金属基体と、上記弁作用金属基体の表面に設けられた酸化膜からなる誘電体層と、上記誘電体層の表面に設けられた陰極層とを有し、上記複数のコンデンサ素子のうち、少なくとも1個のコンデンサ素子の上記酸化膜は、他のコンデンサ素子の上記酸化膜よりも厚いことを特徴とする。
本発明の固体電解コンデンサにおいて、上記複数のコンデンサ素子のうち、上記酸化膜が最も厚いコンデンサ素子の上記酸化膜の厚みは、上記酸化膜が最も薄いコンデンサ素子の上記酸化膜の厚みの1.5倍以上であることが好ましく、3.0倍以上であることが特に好ましい。
本発明によれば、高温にさらされた場合におけるESRの経時変化が小さい固体電解コンデンサを提供することができる。
図1は、本発明の固体電解コンデンサの一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子の一例を模式的に示す断面図である。 図3は、酸化膜の厚みの測定方法を説明するための平面図である。
以下、本発明の固体電解コンデンサについて説明する。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
本発明の固体電解コンデンサでは、複数のコンデンサ素子が並列に積層されており、これらのコンデンサ素子が外装樹脂によって封止されている。
以下、6個のコンデンサ素子が積層された例について説明するが、本発明の固体電解コンデンサが備えるコンデンサ素子の個数は、2個以上であれば特に限定されない。
図1は、本発明の固体電解コンデンサの一例を模式的に示す断面図である。図2は、本発明の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示す固体電解コンデンサ1は、6個のコンデンサ素子10(10a、10b、10c、10d、10e及び10f)と、外装樹脂31と、陽極端子32と、陰極端子33とを備えている。
外装樹脂31は、コンデンサ素子10の全体と陽極端子32の一部と陰極端子33の一部とを覆うように形成されている。外装樹脂31の材質としては、例えば、エポキシ樹脂等が挙げられる。
固体電解コンデンサ1を構成する各コンデンサ素子10は、図2に示すように、弁作用金属基体11を有し、弁作用金属基体11の表面の一部には、酸化膜からなる誘電体層12が設けられている。弁作用金属基体11の片側端部には、陽極部21が形成され、陽極部21に接して弁作用金属基体11の上には、絶縁部として、所定幅の絶縁層20が周設されている。図2では、陽極部21及び絶縁層20を除いた弁作用金属基体11上に誘電体層12が設けられている。誘電体層12上には陰極層13が設けられており、図2では、陰極層13は、誘電体層12の表面に設けられた固体電解質層13aと、固体電解質層13aの表面に設けられた集電層13bとを含んでいる。陰極層13によって、陰極部22が形成されている。なお、誘電体層12は、弁作用金属基体11上の絶縁層20が設けられている部分に設けられていてもよく、さらに、陽極部21の一部に設けられていてもよい。
図1に示す固体電解コンデンサ1では、コンデンサ素子10a、10b及び10cが積層され、コンデンサ素子10a、10b及び10cの陰極層13は、例えば、銀ペースト等の導電性ペースト(図示せず)によって一体的に接合されている。同様に、コンデンサ素子10d、10e及び10fが積層され、コンデンサ素子10d、10e及び10fの陰極層13は、例えば、銀ペースト等の導電性ペースト(図示せず)によって一体的に接合されている。
陽極端子32は、金属材料からなり、陽極部21側のリードフレームとして形成されている。弁作用金属基体11の陽極部21同士、及び、弁作用金属基体11の陽極部21と陽極端子32とは、例えば、抵抗溶接等の溶接や圧着等によって一体的に接合されている。
陰極端子33は、金属材料からなり、陰極部22側のリードフレームとして形成されている。コンデンサ素子10c又は10dの陰極層13と陰極端子33とは、例えば、銀ペースト等の導電性ペースト(図示せず)によって一体的に接合されている。
本発明の固体電解コンデンサにおいて、弁作用金属基体は、いわゆる弁作用を示す弁作用金属からなる。弁作用金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム等の金属単体、又は、これらの金属を含む合金等が挙げられる。これらの中では、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
弁作用金属基体の形状は、平板状であることが好ましく、箔状であることがより好ましい。また、弁作用金属基体は、芯部の表面に多孔質部を有している構造であることが好ましく、芯部の表面にエッチング層等の多孔質層が設けられていることがより好ましい。
本発明の固体電解コンデンサにおいて、誘電体層は、上記弁作用金属の酸化膜からなる。誘電体層は、弁作用金属基体の多孔質部の表面に設けられていることが好ましい。例えば、弁作用金属基体としてアルミニウム箔が用いられる場合、アジピン酸アンモニウム等を含む水溶液中でアルミニウム箔の表面に対して陽極酸化処理(化成処理ともいう)を行うことにより、酸化膜からなる誘電体層を形成することができる。
本発明の固体電解コンデンサを構成する複数のコンデンサ素子のうち、少なくとも1個のコンデンサ素子の酸化膜は、他のコンデンサ素子の酸化膜よりも厚い。
図1に示す固体電解コンデンサ1では、6個のコンデンサ素子10a、10b、10c、10d、10e及び10fのうち、コンデンサ素子10aの酸化膜が、他のコンデンサ素子10b、10c、10d、10e及び10fの酸化膜よりも厚くなっている。なお、コンデンサ素子10a以外のコンデンサ素子10b、10c、10d、10e及び10fの酸化膜の厚みは同じである。
固体電解コンデンサが高温にさらされた場合、酸化膜からなる誘電体層が弁作用金属基体の表面から剥離したり、誘電体層と陰極層との間で剥離が生じたりすることによってESRが増大すると推測される。本発明の固体電解コンデンサでは、複数のコンデンサ素子のうち、少なくとも1個のコンデンサ素子の酸化膜を厚くする。固体電解コンデンサの合成ESRは、ESRの低いコンデンサ素子に依存することになる。ここで、低ESRのコンデンサ素子は酸化膜の膜厚が厚いため、高温に固体電解コンデンサがさらされたとしても、上述した誘電体層の剥離を抑制することができ、ESRが変化しにくくなる。
図1に示す固体電解コンデンサ1では、端部に配置されたコンデンサ素子10aの酸化膜が厚くなっているが、本発明の固体電解コンデンサにおいては、複数のコンデンサ素子が並列に積層されている限り、酸化膜が厚いコンデンサ素子の配置箇所は特に限定されない。製造効率を考慮すると、積層する順序が最初又は最後となるコンデンサ素子の酸化膜が厚いことが好ましく、例えば、図1に示す固体電解コンデンサ1では、コンデンサ素子10a、10c、10d又は10fの酸化膜が厚いことが好ましい。
本発明の固体電解コンデンサにおいては、酸化膜が厚いコンデンサ素子以外のコンデンサ素子の酸化膜の厚みが実質的に同じであることが好ましい。この場合、本発明の固体電解コンデンサは、コンデンサ素子として、酸化膜が最も厚いコンデンサ素子、及び、酸化膜が最も薄いコンデンサ素子のみを備えるという。このように、本発明の固体電解コンデンサは、コンデンサ素子として、酸化膜が最も厚いコンデンサ素子、及び、酸化膜が最も薄いコンデンサ素子のみを備えることが好ましいが、酸化膜が最も厚いコンデンサ素子、及び、酸化膜が最も薄いコンデンサ素子以外のコンデンサ素子を備えていてもよい。
本明細書においては、最も厚い酸化膜の厚みの±10%以内に収まる酸化膜の厚みを有するコンデンサ素子も「酸化膜が最も厚いコンデンサ素子」に含まれるものとする。同様に、最も薄い酸化膜の厚みの±10%以内に収まる酸化膜の厚みを有するコンデンサ素子も「酸化膜が最も薄いコンデンサ素子」に含まれるものとする。
本発明の固体電解コンデンサを構成する複数のコンデンサ素子のうち、酸化膜が最も厚いコンデンサ素子の酸化膜の厚みは、酸化膜が最も薄いコンデンサ素子の酸化膜の厚みの1.5倍以上であることが好ましく、2.0倍以上であることがより好ましく、3.0倍以上であることが特に好ましい。酸化膜が最も厚いコンデンサ素子の酸化膜の厚みは、酸化膜が最も薄いコンデンサ素子の酸化膜の厚みの3.5倍以上、4.0倍以上、4.5倍以上であってもよい。また、酸化膜が最も厚いコンデンサ素子の酸化膜の厚みは、酸化膜が最も薄いコンデンサ素子の酸化膜の厚みの20倍以下であってもよい。
酸化膜の厚みの差が大きいほど、ESRの経時変化を抑えることができる。
なお、酸化膜が最も厚いコンデンサ素子が複数個存在する場合、これらの酸化膜の厚みの平均値を「酸化膜が最も厚いコンデンサ素子の酸化膜の厚み」とする。同様に、酸化膜が最も薄いコンデンサ素子が複数個存在する場合、これらの酸化膜の厚みの平均値を「酸化膜が最も薄いコンデンサ素子の酸化膜の厚み」とする。
本発明の固体電解コンデンサは、他のコンデンサ素子の酸化膜よりも酸化膜が厚いコンデンサ素子を少なくとも1個備えていればよい。本発明の固体電解コンデンサは、他のコンデンサ素子の酸化膜よりも酸化膜が厚いコンデンサ素子を2個以上備えていてもよいが、コンデンサ全体の容量を大きくする観点からは、酸化膜の厚いコンデンサ素子の個数は少ない方がよい。
本発明の固体電解コンデンサにおいては、陽極部と陰極部とを確実に分離するため、絶縁層が弁作用金属基体に周設されていることが好ましい。絶縁層の材料としては、例えば、ポリフェニルスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、シアン酸エステル樹脂、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、及び、それらの誘導体又は前駆体等の絶縁性樹脂が挙げられる。
本発明の固体電解コンデンサにおいては、陰極層として、誘電体層の表面に固体電解質層が設けられていることが好ましい。固体電解質層の表面には、集電層が設けられていることがより好ましい。
固体電解質層を構成する材料としては、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類等の導電性高分子等が挙げられる。これらの中では、ポリチオフェン類が好ましく、PEDOTと呼ばれるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。また、上記導電性高分子は、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等のドーパントを含んでいてもよい。
集電層は、下地であるカーボン層と、その上の銀層からなることが好ましいが、カーボン層のみでもよく、銀層のみでもよい。
本発明の固体電解コンデンサは、好ましくは、以下のように製造される。
まず、弁作用金属基体の表面に、酸化膜からなる誘電体層を形成する。酸化膜は、弁作用金属基体の表面に対して陽極酸化処理(化成処理ともいう)を行うことにより形成される。この際、化成電圧を高くするほど厚い酸化膜を形成することができるため、化成電圧を調整することによって、酸化膜の厚みが異なる誘電体層が形成された弁作用金属基体を複数枚作製することができる。
陰極層を形成する前に、弁作用金属基体の絶縁層形成部の表面に絶縁層を形成することが好ましい。絶縁層は、絶縁性樹脂等の材料を弁作用金属基体の表面に塗布し、加熱等によって固化または硬化させることにより形成される。なお、絶縁層の形成は、誘電体層を形成する前に行ってもよい。
次に、誘電体層の表面に陰極層を形成する。陰極層として、誘電体層の表面に固体電解質層を形成することが好ましい。この場合、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン等のモノマーを含む処理液を用いて、誘電体層の表面にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等の重合膜を形成する方法や、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等のポリマーの分散液を誘電体層の表面に塗布して乾燥させる方法等により、固体電解質層を形成することができる。
さらに、固体電解質層上に集電層を形成することがより好ましい。集電層として、カーボン層及び銀層を順次積層して形成することが好ましいが、カーボン層のみを形成してもよく、銀層のみを形成してもよい。例えば、カーボンペーストを塗布及び乾燥させた後に、銀ペーストを塗布及び乾燥させることにより、カーボン層及び銀層を形成することができる。以上により、酸化膜の厚みが異なるコンデンサ素子を複数作製する。
続いて、他のコンデンサ素子の酸化膜よりも酸化膜が厚いコンデンサ素子が少なくとも1個含まれるように、複数のコンデンサ素子を積層する。上述のように、酸化膜が厚いコンデンサ素子を最初又は最後に積層することが好ましい。積層の際、弁作用金属基体の陽極部を互いに接合するとともに、陽極部に陽極端子を接合する。接合方法としては、例えば、溶接や圧着等が挙げられる。また、銀ペースト等の導電性ペーストを用いて、陰極層もそれぞれ接するように積層し、陰極層に陰極端子を接合する。
その後、コンデンサ素子の全体と陰極端子の一部と陽極端子の一部とを覆うように外装樹脂で封止する。外装樹脂は、例えば、トランスファーモールドによって形成する。以上により、固体電解コンデンサが得られる。
以下、本発明の固体電解コンデンサをより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(コンデンサ素子の作製)
まず、弁作用金属基体として、表面にエッチング層を有するアルミニウム化成箔を準備した。陽極部と陰極部の短絡を防止するために、アルミニウム化成箔の長軸方向の一端から所定の間隔を隔てた位置において、アルミニウム化成箔を一周するように帯状の絶縁層を形成した。
次に、アルミニウム化成箔を覆うように、酸化膜からなる誘電体層を形成した。酸化膜は、アルミニウム化成箔の表面をアジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬させて電圧を印加する化成処理を行うことにより形成した。化成電圧と酸化膜の厚みとの関係を以下に示す。
2V 2.6nm
2.5V 3.3nm
4V 5nm
6.3V 8nm
10V 13nm
16V 21nm
25V 33nm
34V 45nm
50V 66nm
60V 80nm
76V 100nm
図3は、酸化膜の厚みの測定方法を説明するための平面図である。
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、弁作用金属基体11の中央付近の直線上の3点(図3中、一点鎖線上の3箇所の×印)において、酸化膜からなる誘電体層12の厚みを測定した。1個のサンプルについて、表3点、裏3点の厚みを測定し、化成電圧が同じ10個のサンプルの平均値を酸化膜の厚みとした。
その後、絶縁層で分割されたアルミニウム化成箔のうち、面積の大きい部分(エッチング層)に導電性高分子(PEDOT:PSS)の分散液を含浸させて固体電解質層を形成した。さらに、カーボンペーストを塗布及び乾燥させた後に、銀ペーストを塗布及び乾燥させることにより、カーボン層及び銀層を形成した。以上により、酸化膜の厚みが異なるコンデンサ素子を作製した。
(比較例1)
酸化膜の厚みが21nmであるコンデンサ素子を5個積層し、外装樹脂で封止することにより、比較例1の固体電解コンデンサを作製した。
(実施例1)
酸化膜の厚みが33nmであるコンデンサ素子を1個、酸化膜の厚みが21nmであるコンデンサ素子を4個積層し、外装樹脂で封止することにより、実施例1の固体電解コンデンサを作製した。
比較例1及び実施例1の固体電解コンデンサについて、LCRメーター(アジレント・テクノロジー社製)を用いて、100kHzにおける等価直列抵抗(ESR)を4端子法で測定し、この値をESRの初期値とした。さらに、これらの固体電解コンデンサに対して125℃で1000時間放置する高温負荷試験を行った後、100kHzにおけるESRを測定した。
比較例1の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子、及び、ESRの測定結果を表1に、実施例1の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子、及び、ESRの測定結果を表2に示す。
Figure 0006702427
Figure 0006702427
表1及び表2より、他のコンデンサ素子の酸化膜よりも酸化膜が厚いコンデンサ素子を備える実施例1の固体電解コンデンサでは、酸化膜の厚みがほぼ同じであるコンデンサ素子を備える比較例1の固体電解コンデンサに比べて、ESRの経時変化が小さく、ESRが低く保持されていることが確認された。
(実施例2)
酸化膜の厚みが66nmであるコンデンサ素子を1個、酸化膜の厚みが21nmであるコンデンサ素子を4個積層し、外装樹脂で封止することにより、実施例2の固体電解コンデンサを作製した。
(実施例3)
酸化膜の厚みが33nmであるコンデンサ素子を1個、酸化膜の厚みが21nmであるコンデンサ素子を7個積層し、外装樹脂で封止することにより、実施例3の固体電解コンデンサを作製した。
(実施例4)
酸化膜の厚みが66nmであるコンデンサ素子を1個、酸化膜の厚みが21nmであるコンデンサ素子を7個積層し、外装樹脂で封止することにより、実施例4の固体電解コンデンサを作製した。
(実施例5)
酸化膜の厚みが45nmであるコンデンサ素子を1個、酸化膜の厚みが21nmであるコンデンサ素子を7個積層し、外装樹脂で封止することにより、実施例5の固体電解コンデンサを作製した。
(実施例6)
酸化膜の厚みが80nmであるコンデンサ素子を1個、酸化膜の厚みが21nmであるコンデンサ素子を7個積層し、外装樹脂で封止することにより、実施例6の固体電解コンデンサを作製した。
(実施例7)
酸化膜の厚みが100nmであるコンデンサ素子を1個、酸化膜の厚みが21nmであるコンデンサ素子を7個積層し、外装樹脂で封止することにより、実施例7の固体電解コンデンサを作製した。
実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6及び実施例7の固体電解コンデンサについて、上記の方法により、ESRの初期値を測定した。さらに、これらの固体電解コンデンサに対して125℃で1000時間放置する高温負荷試験を行った後のESRを測定した。
実施例2の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子、及び、ESRの測定結果を表3に、実施例3の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子、及び、ESRの測定結果を表4に、実施例4の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子、及び、ESRの測定結果を表5に、実施例5の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子、及び、ESRの測定結果を表6に、実施例6の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子、及び、ESRの測定結果を表7に、実施例7の固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子、及び、ESRの測定結果を表8に示す。
Figure 0006702427
Figure 0006702427
Figure 0006702427
Figure 0006702427
Figure 0006702427
Figure 0006702427
表2及び表3より、酸化膜の厚みの差が大きいほど、ESRの経時変化が抑えられることが確認された。
表2及び表4より、酸化膜の薄いコンデンサ素子の個数が多く、コンデンサ素子の合計個数が多いほど、少なくとも6素子以上の場合、ESRの初期値が低く、ESRの経時変化も小さくなることが確認された。
表4〜表8より、表2及び表3と同様、酸化膜の厚みの差が大きいほど、ESRの経時変化が抑えられることが確認された。
1 固体電解コンデンサ
10 コンデンサ素子
11 弁作用金属基体
12 酸化膜からなる誘電体層
13 陰極層
13a 固体電解質層
13b 集電層
20 絶縁層
21 陽極部
22 陰極部
31 外装樹脂
32 陽極端子
33 陰極端子

Claims (3)

  1. 並列に積層された複数のコンデンサ素子と、
    前記複数のコンデンサ素子を封止する外装樹脂とを備える固体電解コンデンサであって、
    前記複数のコンデンサ素子は、それぞれ、弁作用金属基体と、前記弁作用金属基体の表面に設けられた酸化膜からなる誘電体層と、前記誘電体層の表面に設けられた陰極層とを有し、
    前記複数のコンデンサ素子のうち、少なくとも1個のコンデンサ素子の前記酸化膜は、他のコンデンサ素子の前記酸化膜よりも厚いことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記複数のコンデンサ素子のうち、前記酸化膜が最も厚いコンデンサ素子の前記酸化膜の厚みは、前記酸化膜が最も薄いコンデンサ素子の前記酸化膜の厚みの1.5倍以上である請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記複数のコンデンサ素子のうち、前記酸化膜が最も厚いコンデンサ素子の前記酸化膜の厚みは、前記酸化膜が最も薄いコンデンサ素子の前記酸化膜の厚みの3.0倍以上である請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
JP2018549077A 2016-11-04 2017-11-02 固体電解コンデンサ Active JP6702427B2 (ja)

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